JP4032722B2 - ラックピニオン式舵取装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はラックピニオン式舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラックピニオン式舵取装置は、車体の左右方向に延設されたラックハウジングの内部に軸長方向への移動自在にラック軸を支持し、またラックハウジングの中途部に軸心を交叉させて連設されたピニオンハウジングの内部に軸回りでの回動自在にピニオン軸を支持し、該ピニオン軸に一体形成されたピニオンをラック軸の周面の一部に適長にわたって形成されたラック歯に噛合させると共に、ラックハウジングの両側に突出するラック軸の両端を左右の操向車輪(一般的には前輪)に夫々連結し、またピニオンハウジングから突出するピニオン軸の先端を操舵輪(ステアリングホイール)に連結してなり、操舵輪操作に応じて生じるピニオン軸の回動をラック軸の軸長方向の移動に変換して、ラック軸の両端に連結された左右の操向車輪を操向せしめる構成となっている。
【0003】
このようなラックピニオン式舵取装置においては、左右両方向の舵取りを遅れを伴わずに高精度に行わせるために、ラック軸に形成されたラック歯とピニオン軸に一体形成されたピニオンとの噛合部に適正な予圧を加え、両者を実質的にバックラッシなしに噛み合わせることが重要である。このため従来から、ラック軸の周面をピニオンとの噛合部の背面側から押圧し、噛合部に予圧を加えつつラック軸を移動案内するラックガイドが用いられている。また、ラックガイドには、ラック軸の背面に当接してラック軸の摺動抵抗を軽減し、ラック軸の移動を滑らかに行わせるラック受けシートが装着されている。
【0004】
図7は、ラック軸1,ラックガイド3およびラック受けシート4の分解斜視図である。図示の如く円柱形状を有するラックガイド3のラック軸1側(先端側)には、ラック軸1の案内突条11を受容するための凹溝31を、図7に示す如く中心部を横切るように形成している。凹溝31の両側にはラック軸1を受ける平面である受け面32,32を形成し、ラックガイド3の受け面32,32および凹溝31側面間の角度は、ラック軸1の摺動面12,12および案内突条11側面間の角度と略同一角度にしている。このようなラックガイド3には、ラック受けシート4の装着のために、中心部を貫通して凹溝31の底面の略中央に開口する円形断面の嵌着孔33が形成されている。
【0005】
ラック受けシート4は、金属製の基材4aの一面にフッ素樹脂、例えばPTFE等の合成樹脂製の被膜4bを被着してなる薄肉のシート材の曲げ成形により、ラック軸1の案内突条11の受容が可能であり、かつラックガイド3の凹溝31への嵌め込みが可能なコの字断面の受容部40と、受容部40の両側に設けられ、ラックガイド3の受け面32,32に対応するように、受容部40の側面に対して傾斜した平面の摺動部41,41とを備える。このようなラック受けシート4は、ラックガイド3への装着のために、受容部40の外面中央部に有底円筒形の嵌着突起42が突設されている。
【0006】
以上の如く構成されたラック受けシート4は、ラックガイド3先端の凹溝31に基材4aの側を対向させ、図6中に矢符により示す如く、ラック受けシート4の受容部40をラックガイド3の凹溝31に嵌め込み、凹溝31の底面に開口する嵌着孔33に、受容部40に突設された嵌着突起42を圧入せしめて装着されており、このように装着されたラック受けシート4は、ラックガイド3の前述した組み付けによりラック軸1の背面に当接せしめられ、ラック軸1は、ラック受けシート4の摺動部41,41を摺動して軸長方向に移動する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したラック軸1の摺動面12,12,ラック受けシート4の摺動部41,41およびラックガイド3の受け面32,32は、夫々平面に形成しているため、ラック軸1の摺動面12,12およびラック受けシート4の摺動部41,41は面接触となる。ラック受けシート4は、ラックガイド3による押圧下でのラック軸1の摺動抵抗を軽減するが、更なる摺動抵抗の低下を要望されている。また、ラック受けシート4の摺動部41,41端部では、ラックガイド3の押圧によりエッジ応力が発生し、偏摩耗が進展することにより接触状態が不安定になり、異音の発生等の不具合を招来する。
【0008】
これらの不具合を防ぐため、ラック軸1の摺動面12,12を、軸断面において外側に凸となるような円弧形状として、ラック軸1の摺動面12,12およびラック受けシート4の摺動部41,41が面接触となることを避けることが考えられるが、ラック軸1の摺動面12,12は、ラック歯を鍛造成形する際の荷重支持面となるため、円弧形状を形成することは好ましくない。
【0009】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、摺動抵抗の低減およびラック受けシート摺動部の偏摩耗の防止により、ラック軸の移動案内を長期にわたって安定して行わせるラックピニオン式舵取装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係るラックピニオン式舵取装置は、ピニオンと、該ピニオンとの噛合部の背面に、長手方向に延設された案内突条および該案内突条の両側に設けられた摺動面を有するラック軸と、前記案内突条を受容する凹溝および前記摺動面に対応する受け面を有するラックガイドと、前記凹溝および受け面に装着され、前記摺動面に当接する摺動部を有するラック受けシートとを備えるラックピニオン式舵取装置において、前記摺動部は、傾斜方向において中央部に前記摺動面に対応する平面を有し、該平面の両側に円弧面を形成し、前記平面の傾斜方向の長さは、前記摺動面の傾斜方向の長さより短く、前記受け面は傾斜方向断面において外側に凸となる略円弧面に形成されていることを特徴とする。
【0011】
第1発明においては、ラック受けシートの、傾斜方向において中央部のラック軸摺動面に対応する平面の傾斜方向の長さを、ラック軸摺動面の傾斜方向の長さより短くすることで、ラック受けシートの摺動面積を、ラック受けシート摺動部全面より小さくできることから、従来より摺動抵抗を小さく保つことができる。また、前記中央部の平面の両側は円弧面に形成されて、ラック受けシート摺動部の端部の大部分は、ラック軸摺動面に当接しないことにより、ラック受けシート摺動部の端部で発生していたエッジ応力による偏摩耗を防ぐことができる。
【0012】
さらに、ラック受けシートの摺動部およびラックガイドの受け面の接触部に、設計的に意図しない隙間が生じた場合、この隙間がラック受けシートの異常摩耗発生の原因になるが、第1発明においては、ラック受けシートの摺動部およびラックガイドの受け面の接触を、設計的に意図した位置で安定できることから、前述した異常摩耗発生の要因を防止できる。
【0013】
第2発明に係るラックピニオン式舵取装置は、第1発明において、前記受け面は傾斜方向断面において外側に凸となる略円弧面の中央部に平面を有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。図1は第1の実施の形態の要部の構成を示す縦断面図である。
【0015】
図示しない車体の車室内に設置される操舵輪(ステアリングホイール)Sには、ピニオン軸2の上端部が連結されている。ピニオン軸2は、操舵輪S側から操向車輪である前輪側に向けて適宜の傾斜を持って上下方向に配設されている。ピニオン軸2の下半部には、ピニオン軸2を拡径したピニオン20が一体形成されており、ピニオン20の上下両側には、一対のアンギュラ玉軸受け21,22が配設され、ピニオン軸2を回動自在に支持している。図中H2 は、ピニオン20およびアンギュラ玉軸受け21,22を収納するピニオンハウジングである。
【0016】
ピニオンハウジングH2 の下側には、円筒形状をなすラックハウジングH1 が前記車体の左右方向に連設されており、ラックハウジングH1 の内部には、軸長方向への移動自在にラック軸1が支持されている。ラック軸1周面のピニオン20側には、適長に亘ってラック歯10が形成されており、ラック歯10はピニオン20に噛合させてある。ラック軸1の両端は、ラックハウジングH1 の左右両側に突出し、図示しない左右の操向車輪に各別に連結している。
【0017】
ラック軸1の背面側(ピニオン20との噛合部の逆側)には、ラック歯10の形成域の略全長に亘って、適幅の案内突条11が設けてある。また、案内突条11の両側には、案内突条11の側面に対して外側に傾斜した摺動面12,12が設けてある。このようなラック軸1の背面は、ラックガイド3の先端部に装着されたラック受けシート4を介して、ラックガイド3により押圧されている。
【0018】
図1に示す如く、ラックハウジングH1 のピニオンハウジングH2 との交叉部の下側には、これら夫々と略直交する向きに円筒形状のガイドハウジングH3 が突設している。ガイドハウジングH3 の基端側内部は、ラックハウジングH1 内部に連通しており、ガイドハウジングH3 内には、軸長方向への摺動自在にラックガイド3が内嵌保持されている。
【0019】
ガイドハウジングH3 の先端側は開口しており、該開口している部分には、ロックナット25により位置決め固定された支持キャップ24がねじ込まれている。ラックガイド3の基端は、支持キャップ24に臨ませてあり、支持キャップ24との間に介装された押しばね26によりラック軸1に向けて押圧されている。
【0020】
図2は、ラック軸1およびピニオン20の噛合部近傍の拡大断面図、図3は、ラック軸1,ラックガイド3およびラック受けシート4の断面図である。ラックガイド3は、ガイドハウジングH3 内部に対応する円柱形状を有しており、ラックガイド3のラック軸1側(先端側)には、ラック軸1の案内突条11を受容するための凹溝31を、図3に示す如く中心部を横切るように形成している。凹溝31の両側にはラック軸1を受ける受け面32,32を形成し、ラックガイド3の受け面32,32は、傾斜方向において、受け面32,32夫々の中央部に位置する平面32a,32aと、その両側に位置する円弧面32b,32bおよび32b,32bとで構成し、平面32a,32aおよび凹溝31側面間の角度は、ラック軸1の摺動面12,12および案内突条11側面間の角度と略同一角度にしている。平面32a,32aは、ラック受けシート4を介してラック軸1の摺動面12,12を押圧することから、ラック受けシート4の摺動部41,41の異常摩耗を誘発しない適正な面圧を確保できる最小面積とすることが望ましい。そこで、本実施例では、平面32a,32aの傾斜方向の長さは3mmとしている。なお、平面32a,32aの傾斜方向の長さは、3mmに限らず、ラック受けシート4の材料,ラック軸1を押圧する荷重およびその他の条件により適切な長さにする。ラックガイド3の受け面32,32を構成する円弧面32b,32bおよび32b,32bは、ラック軸1の摺動面12,12を押圧しないようにR取りしている。凹溝31の底面の略中央には、ラック受けシート4装着のための嵌着孔33が開口している。
【0021】
ラック受けシート4は、金属製の基材4aの一面に、フッ素樹脂、例えばPTFE等の、低摩擦係数を有し、耐摩耗性に優れた合成樹脂材料のコーティングにより形成された被膜4bを被着してなり、金属材の高強度と合成樹脂材の摺動性とを併せ持つようにした2層構造のシート材よりなる。ラック受けシート4は、前記シート材の屈曲成形により、図示の如く、ラック軸1の案内突条11の受容が可能であり、かつラックガイド3の凹溝31への嵌め込みが可能なように基材4aの側に張り出して成形したコの字断面の受容部40と、受容部40の両側に設けられ、受容部40の側面に対して傾斜した平面である摺動部41,41とを備える。摺動部41,41および受容部40側面間の角度は、ラックガイド3の受け面32,32および凹溝31側面間の角度と略同一角度にしている。このようなラック受けシート4は、ラックガイド3への装着のために、受容部40の基材4a側中央部に略垂直をなして突設した有底円筒形の嵌着突起42を備える。嵌着突起42の外径は、ラックガイド3の凹溝31の底面中央に開口する嵌着孔33の内径に対応させてある。なお、このような嵌着突起42は、受容部40および摺動部41,41の形成のための曲げ成形の過程において一括して形成することが可能である。
【0022】
以上の如く構成されたラック受けシート4は、基材4aの側をラックガイド3先端の凹溝31に向け、凹溝31および受容部40の長手方向が整合するように位置決めし、図3中に矢符により示す如く、受容部40を凹溝31に嵌め込み、前者に突設した嵌着突起42を後者の底面に開口する嵌着孔33に圧入せしめて装着されている。ラック受けシート4は、上述のように、基材4aの側をラックガイド3側として、凹溝31および受け面32,32の全面を覆った状態に装着されている。
【0023】
ラック受けシート4の圧入時において、ラック受けシート4の摺動部41,41の基材4a側をラックガイド3の受け面32,32に圧接することにより、ラック軸1の摺動面12,12およびラック受けシート4の摺動部41,41が当接する部分の面積は、平面32aと同等とすることができる。また、このようにラック受けシート4の圧入時に、ラックガイド3の受け面32,32に圧接することにより、ラック受けシート4に特別な加工を施さずに、平面32aと同等の面積でラック軸1の摺動面12,12に、ラック受けシート4の摺動部41,41を当接させることができる。
【0024】
図4は、本発明の第2の実施の形態の要部を示す断面図である。第1の実施の形態では、ラックガイド3の受け面32,32が有する平面32a,32aの傾斜方向の長さをラック軸1の摺動面12,12の傾斜方向の長さより短くしたが、図4に示す第2の実施の形態では、ラック受けシート4の摺動部41,41夫々の傾斜方向中央部を平面41a,41aとして、この平面41a,41aの傾斜方向の長さをラック軸1の摺動面12,12の傾斜方向の長さより短くしている。平面41a,41a夫々の両側には円弧面41b,41bおよび41b,41bが形成される。ラックガイド3およびラック受けシート4の他の部分の構成は、図3に示す第1の実施の形態と同一であり、図3と同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0025】
このように装着されたラック受けシート4は、ラックガイド3の上述した組み付けにより、図2に示す如く、凹溝31の内面を覆う受容部40の内側にラック軸1の案内突条11を受け入れる。また、ラックガイド3の受け面32,32と、ラック受けシート4の基材4a側とが接触し、ラック受けシート4摺動部41,41の平面41a,41aをラック軸1の摺動面12,12に当接させた状態となり、この状態においてラック軸1は、摺動しつつ軸長方向に移動することができる。
【0026】
このとき、ラック軸1の摺動面12,12に当接するラック受けシート4の摺動部41,41の表面は、上述の如く、低摩擦係数を有し、耐摩耗製に優れた合成樹脂材料製の被膜4bにより構成されており、しかも当接する平面41a,41aは、前記最小面積であるので、ラック軸1の移動案内を、ラック受けシート4の摺動部41,41全面での摺動に対して小なる摺動抵抗下にて滑らかに行わせ、長期に亘って継続する良好な操舵感が得られるようになる。
【0027】
図5は、本発明の第3の実施の形態の要部を示す断面図である。図において4はラック受けシートを表し、ラック受けシート4の摺動部41,41は、傾斜方向において、摺動部41,41夫々の中央部を平面41a,41aとして、この平面41a,41aの傾斜方向の長さをラック軸1の摺動面12,12の傾斜方向の長さより短くしている。平面41a,41a夫々の両側には円弧面41b,41bおよび41b,41bが形成される。ラックガイド3の受け面32,32は、ラック受けシート4の摺動部41,41に対応するように、傾斜方向において、受け面32,32夫々の中央部を平面32a,32aとして、この平面32a,32aの傾斜方向の長さをラック軸1の摺動面12,12の傾斜方向の長さより短くしている。平面32a,32a夫々の両側には円弧面32b,32bおよび32b,32bが形成される。ラックガイド3およびラック受けシート4の他の部分の構成は図3に示す第1の実施の形態と同一であり、図3と同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0028】
上述した構成により、ラック軸1の摺動面12,12およびラック受けシート4の摺動部41,41の当接する面積は、当初から前記最小面積であるので、ラック軸1の移動案内を、ラック受けシート4の摺動部41,41全面での摺動に対して小なる摺動抵抗下にて滑らかに行わせ、長期に亘って継続する良好な操舵感が得られるようになる。
【0029】
なお、上述の第1,2,3の実施の形態において、ラック軸1の摺動面12,12およびラック受けシート4の摺動部41,41が当接する平面41a,41a以外の形状は円弧面に限らず、ラック軸1の摺動面12,12と、ラック受けシート4の円弧面41b,41bおよび41b,41bとが相互に接触しない形状、例えばテーパ面等であれば良い。
【0030】
図6は、本発明の第4の実施の形態の要部を示す断面図である。図において4はラック受けシートを表し、ラック受けシート4の摺動部41,41は、傾斜方向において、摺動部41,41夫々の中央部を平面41a,41aとして、この平面41a,41aの傾斜方向の長さをラック軸1の摺動面12,12の傾斜方向の長さより短くしている。平面41a,41a夫々の両側には円弧面41b,41bおよび41b,41bが形成される。ラックガイド3の受け面32,32は、傾斜方向断面において、外側に凸となる略円弧面に形成しており、該円弧面の円弧半径の値は、ラック受けシート4の摺動部41,41の円弧面41b,41bおよび41b,41bの円弧半径の値より小さい。ラックガイド3およびラック受けシート4の他の部分の構成は、図3に示す第1の実施の形態と同一であり、図3と同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0031】
ラック受けシート4の摺動部41,41およびラックガイド3の受け面32,32の接触部に、設計的に意図しない隙間が生じた場合、この隙間がラック受けシート4の異常摩耗発生の要因となる。図6に示す第4の実施の形態においては、ラック受けシート4の摺動部41,41およびラックガイド3の受け面32,32の接触を、設計的に意図した位置で安定できることから、前述した異常摩耗発生の要因を防止できる。
【0032】
なお、ラック軸1の摺動面12,12およびラック受けシート4の摺動部41,41が当接する平面41a,41a以外の形状は円弧面に限らず、ラック軸1の摺動面12,12と、ラック受けシート4の円弧面41b,41bおよび41b,41bとが相互に接触しない形状、例えばテーパ面等であれば良い。また、ラックガイド3の受け面32,32は、傾斜方向断面において、外側に凸となる略円弧面に限らず、断面形状が楕円,台形またはその他の形状であっても、ラック受けシート4摺動部41,41の平面41a,41aの傾斜方向の長さよりも短い長さで、ラック受けシート4の摺動部41,41に接触すれば良い。
【0033】
以上の構成により、ラックガイド3の先端部は、押しばね26のばね力によりラック軸1の背面(摺動面12,12)にラック受けシート4を介して押し付けられ、ラック軸1をピニオン20との噛合部に向けて押圧する。これによりラックガイド3は、前記噛合部に適正な予圧を付与し、ラック軸1を案内しつつ移動させる作用をなす。なお、前記予圧は、支持キャップ24のねじ込み量の増減により調整される。
【0034】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明の第1発明に係るラックピニオン式舵取装置においては、ラック受けシート摺動部及び/又はラックガイド受け面の、ラック軸摺動面に対応する平面の傾斜方向の長さをラック軸摺動面の傾斜方向の長さより短くすることで、摺動面積をラック受けシート摺動部全面より小さくできる。これにより、ラック受けシート摺動部全面で摺動する場合に対して摺動抵抗を小さく保てることと、ラック受けシート摺動部の端部の大部分はラック軸摺動面に当接しないことによりラック受けシート摺動部の端部で発生していたエッジ応力による偏摩耗を防止できることとにより、ラック軸の移動案内を長期にわたって安定して行わせるラックピニオン式舵取装置を提供できる。
【0035】
また本発明の第2発明に係るラックピニオン式舵取装置においては、ラック受けシート摺動部の、ラック軸摺動面に対応する平面の傾斜方向の長さを、ラック軸摺動面の傾斜方向の長さより短くし、ラックガイド受け面は、前記ラック受けシート摺動部に接触する傾斜方向の長さが、前記摺動部が有する平面の傾斜方向の長さよりも短くすることで、ラック軸およびラック受けシートの摺動面積を、ラック受けシート摺動部全面より小さくでき、またラック受けシート摺動部およびラックガイド受け面の接触状態を安定させることができる。前述から、ラック受けシート摺動部全面で摺動する場合よりも摺動抵抗を小さく保つことおよび摺動面の異常摩耗を防止できることにより、ラック軸の移動案内を長期にわたって安定して行わせるラックピニオン式舵取装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の要部の構成を示す縦断面図である。
【図2】ラック軸とピニオンとの噛合部近傍の拡大断面図である。
【図3】第1の実施の形態の要部を示す、ラック軸,ラックガイドおよびラック受けシートの断面図である。
【図4】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の第2の実施の形態の要部を示す、ラック軸,ラックガイドおよびラック受けシートの断面図である。
【図5】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の第3の実施の形態の要部を示す、ラック軸,ラックガイドおよびラック受けシートの断面図である。
【図6】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の第4の実施の形態の要部を示す、ラック軸,ラックガイドおよびラック受けシートの断面図である。
【図7】従来のラックピニオン式舵取装置におけるラック軸,ラックガイドおよびラック受けシートの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ラック軸
2 ピニオン軸
3 ラックガイド
4 ラック受けシート
10 ラック歯
12 摺動面
20 ピニオン
31 凹溝
32 受け面
40 受容部
41 摺動部
H1 ラックハウジング
H2 ピニオンハウジング
H3 ガイドハウジング
Claims (2)
- ピニオンと、該ピニオンとの噛合部の背面に、長手方向に延設された案内突条および該案内突条の両側に設けられた摺動面を有するラック軸と、前記案内突条を受容する凹溝および前記摺動面に対応する受け面を有するラックガイドと、前記凹溝および受け面に装着され、前記摺動面に当接する摺動部を有するラック受けシートとを備えるラックピニオン式舵取装置において、
前記摺動部は、傾斜方向において中央部に前記摺動面に対応する平面を有し、該平面の両側に円弧面を形成し、前記平面の傾斜方向の長さは、前記摺動面の傾斜方向の長さより短く、前記受け面は傾斜方向断面において外側に凸となる略円弧面に形成されていることを特徴とするラックピニオン式舵取装置。 - 前記受け面は傾斜方向断面において外側に凸となる略円弧面の中央部に平面を有することを特徴とする請求項1に記載のラックピニオン式舵取装置。
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