JP2002370654A - ラックピニオン式舵取装置 - Google Patents

ラックピニオン式舵取装置

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JP2002370654A
JP2002370654A JP2001180791A JP2001180791A JP2002370654A JP 2002370654 A JP2002370654 A JP 2002370654A JP 2001180791 A JP2001180791 A JP 2001180791A JP 2001180791 A JP2001180791 A JP 2001180791A JP 2002370654 A JP2002370654 A JP 2002370654A
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rack
shaft
pinion
guide
receiving sheet
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JP2001180791A
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Hirokazu Tojo
宏計 東條
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラックガイドによるラック軸の摺動案内を長
期に亘って滑らかに行わせ、良好な操舵感が得られるよ
うにする。 【解決手段】 ラックガイド3先端のアーチ形の支持面
に被着されたラック受けシート4のラック軸1への摺接
面に複数の凹部40,40…を設け、ラック軸1とラック受
けシート4との摺接部に組立時に供給されるグリス等の
潤滑剤Gを保持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の舵取装
置の一形式として広く採用されているラックピニオン式
舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ラックピニオン式舵取装置は、車体の左
右方向に延設されたラックハウジングの内部に軸長方向
への摺動自在にラック軸を支持し、また前記ラックハウ
ジングの中途部に軸心を交叉させて連設されたピニオン
ハウジングの内部に軸回りでの回動自在にピニオン軸を
支持し、該ピニオン軸に一体形成されたピニオンを前記
ラック軸の周面の一部に形成されたラック歯に噛合させ
ると共に、ラックハウジングの両側に突出するラック軸
の両端を左右の操向車輪(一般的には前輪)に夫々連結
し、またピニオンハウジングから突出するピニオン軸の
先端を舵輪(ステアリングホィール)に連結して、舵輪
操作に応じて生じる前記ピニオン軸の回動を前記ラック
軸の軸長方向の摺動に変換して、左右の操向車輪の操
向、即ち、舵取りを行わせる構成となっている。
【0003】このようなラックピニオン式舵取装置にお
いては、左右両方向の舵取りを遅れを伴わずに高精度に
行わせるために、前記ラック軸に形成されたラック歯と
前記ピニオン軸に一体形成されたピニオンとの噛合部に
適正な予圧を加え、両者を実質的にバックラッシなしに
噛み合わせることが重要である。このため従来から、前
記ラック軸の周面に前記ピニオン軸との噛合部の逆側か
ら弾接し、該噛合部に予圧を加えつつ前記ラック軸を摺
動案内するラックガイドが用いられている。
【0004】図6は、従来のラックピニオン式舵取装置
の要部の縦断面図である。本図に示す如く、下半部にピ
ニオン20が一体形成されたピニオン軸2は、前記ピニオ
ン20両側の一対の玉軸受21,22により、ピニオンハウジ
ングH2 の内部に同軸上での回動自在に支持してあり、
ピニオンハウジングH2 の上部に突出するピニオン軸2
の突出端は、図中に模式的に示す舵輪(ステアリングホ
イール)Sに連結されている。
【0005】ピニオンハウジングH2 の中途部には、筒
形をなすラックハウジングH1 が、軸心を交叉させて連
設され、該ラックハウジングH1 の内部には、軸長方向
への摺動自在にラック軸1が支持されている。ラック軸
1は、中途部の外側に適長に亘って形成されたラック歯
10を備えており、このラック歯10は、ピニオンハウジン
グH2 との交叉部において前記ピニオン20に噛合させて
ある。また、ラックハウジングH1 の両側に突出するラ
ック軸1の両端は、図示しない左右両側の操向車輪に夫
々連結されている。
【0006】ラックハウジングH1 は、ピニオンハウジ
ングH2 との交叉部の逆位置に、両ハウジングH1 ,H
2 の夫々と略直交する向きに一体的に突設されたガイド
ハウジングH3 を備えている。このガイドハウジングH
3 は、軸心部を貫通してラックハウジングH1 内に連通
する円形断面の保持孔30を備えており、該保持孔30に
は、円筒形をなすラックガイド3が、軸長方向への摺動
自在に内嵌保持されている。
【0007】ラックハウジングH1 の内側を臨むラック
ガイド3の先端は、ラック軸1の外形に対応するアーチ
形状を有しており、ラック軸1の背面側(ピニオン20と
の噛合部の逆側)の周面にラック受けシート31を介して
摺接させてある。またラックガイド3の基端は、保持孔
30の他側開口部にねじ込まれ、ロックナット33により位
置決め固定された支持キャップ32に臨ませてあり、該支
持キャップ32との間に介装された押しばね34により内向
きに、即ち、ラック軸1に向けて付勢されている。
【0008】而してラックガイド3は、押しばね34のば
ね力によりラック軸1の背面に弾接し、該ラック軸1を
ピニオン軸2に押し付け、ラック歯10とピニオン20との
噛合部に予圧を付与し、両者をバックラッシなしに良好
に噛合させる作用をなす。前記予圧は、支持キャップ32
のねじ込み量の増減により適正に調整される。
【0009】以上の構成により、舵取りのための舵輪S
の操作がなされた場合、該舵輪Sに連結されたピニオン
軸2が回動し、この回動が、ラックガイド3による押圧
下にて良好に噛合するピニオン20とラック歯10とにより
ラック軸1の軸長方向の摺動に変換され、この摺動が左
右の操向車輪に伝達されて前記舵輪Sの操作に応じた舵
取りがなされる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の動作をな
すラックピニオン式舵取装置において、ラック軸1の周
面とラックガイド3との間に介装されたラック受けシー
ト31は、ラックガイド3による押圧下にて生じるラック
軸1の摺動を長期に亘って滑らかに行わせる作用をなす
ものであり、前記ラックガイド3のアーチ形状をなす先
端面に被着されている。このラック受けシート31は、金
属又は樹脂の単層の板材により構成されることもある
が、基材となる金属製の薄板の一面(ラック軸1への摺
接面)にPTFE(フッ素樹脂)等の樹脂製のコーティ
ング膜を形成し、金属材の高強度と樹脂材の摺動性とを
併せ持つ2層構造としたラック受けシート31が広く用い
られている。
【0011】しかしながら、以上の如きラック受けシー
ト31を介装した場合においても、前記ラック軸1の摺動
案内が良好に行われるとは言い難く、多くの場合、ラッ
ク受けシート31とラック軸1との摺接部にグリス等の潤
滑剤を供給して、可及的に小さい抵抗下にて滑らかな摺
動案内が行えるようにしている。
【0012】ところが前記潤滑剤の供給は、組立時に前
記ラック受けシート31の摺接面にグリスを塗布して行わ
れるのが一般的であり、このようなグリスは、所定長に
亘って生じるラック軸1の摺動の繰り返しに伴って徐々
に脱落し、組立初期の抵抗軽減効果が比較的早期に失わ
れ、舵輪Sを操作する運転者に摺動抵抗の増加が体感さ
れ、操舵感の悪化を招来するという難点があった。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、ラックガイドに被着され、ラック軸に摺接する
ラック受けシートの一面に複数の凹部を設け、これらの
凹部内に組立時に供給されるグリス等の潤滑剤を保持さ
せることにより、ラック軸の摺動案内を長期に亘って滑
らかに行わせることができ、良好な操舵感が得られるラ
ックピニオン式舵取装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
ラックピニオン式舵取装置は、舵輪の操作に応じたピニ
オン軸の回動を、該ピニオン軸に噛合するラック軸の軸
長方向の摺動に変換して舵取りを行わせる構成であり、
前記ラック軸の周面に前記ピニオン軸との噛合部の逆側
から弾接し、該噛合部に予圧を加えつつ前記ラック軸を
摺動案内するラックガイドを備えるラックピニオン式舵
取装置において、前記ラックガイドに被着してあり、前
記ラック軸との摺接面に複数の凹部が形成されたラック
受けシートを備えることを特徴とする。
【0015】本発明においては、その一面に複数の凹部
が形成されたラック受けシートをラックガイドに被着
し、前記凹部の形成面をラック軸に摺接させて、この摺
接面に組立時に供給される潤滑剤を夫々の凹部内に保持
し、ラック軸の摺動に伴う潤滑剤の脱落を防ぎ、ラック
軸の摺動案内を長期に亘って良好に行わせる。
【0016】また本発明の第2発明に係るラックピニオ
ン式舵取装置は、第1発明における凹部が、前記ラック
受けシートに貫通形成された孔により、前記ラックガイ
ドの前記ラック受けシートの被着面を底面として形成し
てあることを特徴とする。
【0017】この発明においては、複数の貫通孔が形成
されたラック受けシートをラックガイドに被着し、各貫
通孔の形成位置にラックガイドの被着面を底面として、
潤滑剤の保持作用をなす凹部を簡易に形成する。
【0018】更に本発明の第3発明に係るラックピニオ
ン式舵取装置は、第1又は第2発明における凹部内に固
体潤滑剤が埋設してあることを特徴とする。
【0019】この発明においては、ラック受けシートに
形成された複数の凹部内に、モリブデン硫化物、グラフ
ァイト等の固体潤滑剤を埋設し、ラック軸の摺動に伴う
脱落を略完全に防止して、ラック軸の摺動案内を長期に
亘って良好に行わせる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るラッ
クピニオン式舵取装置の要部の縦断面図である。
【0021】図中H2 はピニオンハウジングであり、こ
のピニオンハウジングH2 の内部にはピニオン軸2が配
してある。ピニオン軸2は、下半部を拡径して一体形成
されたピニオン20を備えており、該ピニオン20の上下両
側に位置する一対のアンギュラ玉軸受21,22により、ピ
ニオンハウジングH2 の内部に同軸上での回動自在に支
持されている。また、ピニオンハウジングH2 の外部に
突出するピニオン軸2の上端部は、図中に模式的に示す
舵輪(ステアリングホィール)Sに連結されている。而
してピニオン軸2は、舵取りのための舵輪Sの回転操作
に応じてピニオンハウジングH2 の内部にて回動する。
【0022】前記ピニオンハウジングH2 の下半部の一
側には、円筒形をなすラックハウジングH1 が軸心を交
叉させて連設されており、該ラックハウジングH1 の内
部には、軸長方向への摺動自在にラック軸1が支持され
ている。ラック軸1の周面には、ピニオンハウジングH
2 との連通部を臨む側に適長に亘ってラック歯10が形成
されており、該ラック歯10は前記ピニオン20に噛合させ
てある。またラック軸1の両端は、ラックハウジングH
1 の両側に突設され、図示しない左右の操向車輪に各別
に連結されており、これらの操向車輪が、ラックハウジ
ングH1 内でのラック軸1の摺動に応じて操向されるよ
うになしてある。
【0023】以上の構成は、図6に示す従来のラックピ
ニオン式舵取装置の構成と同様であり、本発明に係るラ
ックピニオン式舵取装置の特徴は、ラック軸1の周面を
ピニオン軸2の逆側から押圧し、両軸1,2の噛合部に
予圧を付与しつつラック軸1を摺動案内するラックガイ
ド3の構成、更に詳しくは、ラック軸1との間に良好な
摺動性を確保すべく、ラック軸1とラックガイド3との
間に介装されるラック受けシート4の構成にある。
【0024】図1に示す如く、ラックハウジングH1
ピニオンハウジングH2 との交叉部の逆位置には、これ
ら夫々と略直交する向きにガイドハウジングH3 が突設
されている。ガイドハウジングH3 は、ラック軸1の背
面側(ピニオン軸2との噛合部の逆側)からラックハウ
ジングH1 の内部に連通する円筒形状を有し、軸心部を
貫通する円形断面の保持孔30を備えており、該保持孔30
には、軸長方向への摺動自在にラックガイド3が内嵌保
持されている。
【0025】該ラックガイド3の基端は、保持孔30の外
側開口部にねじ込まれ、ロックナット33により位置決め
固定された支持キャップ32に臨ませてあり、該支持キャ
ップ32との間に介装された押しばね34により内向きに、
即ち、ラック軸1に向けて押圧付勢されている。ラック
ハウジングH1 の内側を臨む前記ラックガイド3の先端
は、ラック軸1の外形に対応するアーチ形状を有してお
り、ラック軸1の周面にラック受けシート4を介して摺
接させてある。
【0026】而してラックガイド3は、押しばね34のば
ね力によりラック軸1の背面に押し付けられ、該ラック
軸1をピニオン軸2に向けて押圧し、ラック軸1に形成
されたラック歯10とピニオン軸2の該当部分に設けられ
たピニオン20との噛合部に予圧を付与し、両者をバック
ラッシなしに良好に噛合させる作用をなす。前記予圧
は、支持キャップ32のねじ込み量の増減により適正に調
整される。
【0027】以上の構成により、舵取りのための舵輪S
の操作がなされた場合、該舵輪Sに連結されたピニオン
軸2が回動し、この回動が、ラックガイド3による予圧
下にて噛合するピニオン20とラック歯10とによりラック
軸1の軸長方向の摺動に変換され、この摺動が左右の操
向車輪に伝達されて舵取りがなされる。このとき前記ラ
ック受けシート4は、前記押しばね34のばね力の作用下
にてラック軸1の周面に摺接しており、舵取りのための
ラック軸1の摺動を滑らかに行わせる案内作用をなす。
【0028】図2は、ラック軸1とピニオン軸2との噛
合部近傍の拡大断面図であり、図3は、ラックガイド3
及びラック受けシート4の外観斜視図である。ラックガ
イド3は、ガイドハウジングH3 に設けられた前記保持
孔30の断面に対応する円筒形状を有し、その先端(図の
上端)には、ラック軸1の外形に対応するアーチ形に成
形された支持面35が設けてある。
【0029】図3に示す如くラック受けシート4は、ラ
ックガイド3の前記支持面35に対応するアーチ形に湾曲
成形された薄肉の板材であり、湾曲部の凹側面には、図
示の如く、複数の凹部40,40…が形成されている。ラッ
ク受けシート4を構成する板材は、ラック軸1の摺動案
内を良好に行わせるために、耐摩耗性に優れ、低摩擦係
数を有することが要求され、例えば、基材となるアルミ
ニウム合金の薄板の一面(ラック軸1への摺接面)に、
PTFE(フッ素樹脂)等、耐摩耗性に優れ、低摩擦係
数を有する合成樹脂製のコーティング膜を形成してなる
金属製の板材、又は、炭素繊維強化ポリアセタノール
(POM)等、耐摩耗性に優れ、低摩擦係数を有すると
共に、高強度を有する合成樹脂製の板材を用いることが
できる。
【0030】図3に示す凹部40,40…は、略円形の定形
断面を有し、前記凹面内の全体に略等配をなして形成さ
れている。このような凹部40,40…は、前述した如き金
属製のラック受けシート4においては、コーティング膜
の形成前の一面に円形断面を有する押し型を押し付ける
プレス加工により形成することができる。凹部40,40…
の断面形状は、前記円形に限らず、楕円形,四角形,三
角形等の適宜の定形断面であってよく、また、不定形な
断面であってもよい。更に、凹部40,40…の配置も不等
配であってよく、不等配の凹部40,40…は、多数の鋼球
を加工面に打ち付けるショットピーニング加工により簡
易に形成することができる。
【0031】またラック受けシート4の湾曲部の略中央
には、円形断面を有する係合突起41が、凸側に向けて一
体に突設されている。一方ラックガイド3には、前記係
合突起41に対応する係合孔36が、前記支持面35の中央に
開口を有して形成されており、前記ラック受けシート4
は、図3中に矢符により示す如く、これに突設された係
合突起41をラックガイド3の係合孔36に嵌め込み、これ
らの係合により位置決めされて、前記凹部40,40…の形
成面を外向きとし、前記支持面35に沿うように被着され
ている。
【0032】以上の如きラックガイド3は、前記凹部4
0,40…が形成されたラック受けシート4の外面にグリ
ス等の潤滑剤を塗布し、ガイドハウジングH3 に形成さ
れた保持孔30内に前述の如く装着されて、前記ラック受
けシート4の凹部40,40…の形成面をラック軸1の外周
に摺接せしめて使用される。支持面35及びラック受けシ
ート4のアーチ形状はラック軸1の外形形状に合わせて
設定してあり、ラックガイド3への摺接は、図1及び図
2に示す如く、ラック受けシート4の略全面において行
われ、この摺接状態において前記凹部40,40…の夫々に
は、組立段階において塗布された潤滑剤G(図2参照)
が封入保持された状態となる。
【0033】この状態において前述した舵取り動作がな
され、ラック軸1が軸長方向に摺動するとき、各凹部4
0,40…内に封入された潤滑剤Gは、ラック軸1の摺動
に伴って抜け出すことなく保持され、該ラック軸1は、
各凹部40,40…の内部に保持された潤滑剤Gによる潤滑
下において滑らかに摺動することができ、長期に亘って
継続する良好な操舵感が得られるようになる。
【0034】図4は、本発明に係るラックピニオン式舵
取装置の他の実施の形態を示すラックガイド3及びラッ
ク受けシート4の外観斜視図である。この実施の形態の
特徴は、ラック受けシート4の湾曲部の全面に、これを
厚さ方向に貫通する複数の貫通孔42,42…が略等配をな
して形成されているところにあり、ラック受けシート4
の他の部分及びラックガイド3の構成は、図3に示すそ
れらと同一であり、図3と同一の参照符号を付して説明
を省略する。
【0035】以上の如き貫通孔42,42…を備えるラック
受けシート4は、湾曲部の凸側中央に突設された係合突
起41をラックガイド3の支持面35の中央に開設された係
合孔36に嵌め込み、該支持面35に沿うように被着され
る。図4(b)には、ラックガイド3にラック受けシー
ト4が被着された状態が示されており、この状態におい
てラック受けシート4の表面には、前記貫通孔42,42…
の形成位置の夫々に、ラックガイド3の前記支持面35を
底面とする複数の凹部が形成されたことになり、これら
の凹部が潤滑剤の保持部となり、ラック受けシート4に
摺接するラック軸1の摺動を長期に亘って滑らかに行わ
せることができる。
【0036】この実施の形態においては、ラック受けシ
ート4の複数の貫通孔42,42…を形成すればよく、これ
らの形成は、汎用の工作機械により高能率に行わせるこ
とができる。また貫通孔42,42…の形状は、図示の円形
に限らず、楕円形、四角形、三角形等の適宜の形状であ
ってよく、また貫通孔42,42…の配置は不等配であって
もよい。
【0037】図5は、本発明に係るラックピニオン式舵
取装置の更に他の実施の形態を示すラックガイド3及び
ラック受けシート4の外観斜視図である。この実施の形
態の特徴は、ラック受けシート4の湾曲部の全面に形成
された複数の凹部40,40…の夫々に、固体潤滑剤43,43
…が埋設されているところにあり、ラック受けシート4
の他の部分及びラックガイド3の構成は、図3及び図4
に示すそれらと同一であり、図3及び図4と同一の参照
符号を付して説明を省略する。
【0038】前述の如くラック受けシート4がアルミニ
ウム合金製である場合、前記固体潤滑剤43,43…の埋設
は、ラック受けシート4の表面をアルマイト処理した
後、チオモリブデン酸アンモニウム水溶液中での電解処
理する手順により、モリブデン硫化物(2硫化モリブデ
ン)を析出させる手順により実現することができる。ま
た固体潤滑剤43,43…の埋設は、グラファイト等の定形
の固体潤滑剤を所望の形状に裁断し、複数の凹部40,40
…に夫々嵌め込むことにより実現することもできる。図
5には、後者の構成が図示されている。
【0039】固体潤滑剤43,43…としては、前述した2
硫化モリブデン及びグラファイト以外に、これらと同様
の相乗格子構造物として構成された各種金属の酸化物、
水酸化物、硫化物、りん酸化合物等を用いることができ
る。
【0040】以上の如きラック受けシート4は、湾曲部
の凸側中央に突設された係合突起41をラックガイド3の
支持面35の中央に開設された係合孔36に嵌め込み、該支
持面35に沿うように被着され、前記図2に示す如く、凹
部40,40…の形成面をラック軸1の周面に摺接させて使
用される。この使用状態においてラック軸1が軸長方向
に摺動するとき、各凹部40,40…内に埋設された固体潤
滑剤43,43…は、図2中の潤滑剤Gと同様に、ラック軸
1の摺動に伴って抜け出すことなく保持され、該ラック
軸1は、各固体潤滑剤43,43…による潤滑下において滑
らかに摺動することができる。
【0041】この実施の形態においては、ラック軸1と
ラック受けシート4との摺動部の潤滑が、複数の凹部4
0,40…内に埋設された固体潤滑剤43,43…の作用によ
りなされ、これらの固体潤滑剤43,43…は、ラック軸1
の摺動の如何に拘らず夫々の凹部40,40…内に確実に保
持されるから、ラック軸1の摺動抵抗軽減効果は、長期
に亘って変わることなく維持され、良好な操舵感をより
長期に亘って継続することが可能となる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明の第1発明に係
るラックピニオン式舵取装置においては、ラックガイド
に被着されたラック受けシートのラック軸への摺接面に
複数の凹部を形成したから、ラック受けシートとラック
軸との摺接部に組立時に供給される潤滑剤が夫々の凹部
内に保持され、ラック軸の摺動に伴う脱落を有効に防止
することができ、ラック軸の摺動案内を長期に亘って滑
らかに行わせることが可能となり、良好な操舵感が得ら
れる。
【0043】また第2発明に係るラックピニオン式舵取
装置においては、潤滑剤の保持作用をなす凹部をラック
受けシートに貫通形成された孔によりラックガイドへの
被着面を底面として形成したから、前記凹部を簡易に形
成することが可能となる。
【0044】更に第3発明に係るラックピニオン式舵取
装置においては、ラック受けシートに設けた複数の凹部
内に固体潤滑剤を埋設し、該固体潤滑剤による潤滑下に
てラック軸の摺動案内を行わせる構成としたから、ラッ
ク軸の摺動に伴う潤滑剤の脱落を略完全に防止すること
ができ、良好な操舵感を一層長期に亘って継続させるこ
とが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の要部
の縦断面図である。
【図2】ラック軸とピニオン軸との噛合部近傍の拡大断
面図である。
【図3】ラックガイド及びラック受けシートの外観斜視
図である。
【図4】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の他の
実施の形態を示すラックガイド及びラック受けシートの
外観斜視図である。
【図5】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の更に
他の実施の形態を示すラックガイド及びラック受けシー
トの外観斜視図である。
【図6】従来のラックピニオン式舵取装置の要部の縦断
面図である。
【符号の説明】
1 ラック軸 2 ピニオン軸 3 ラックガイド 4 ラック受けシート 10 ラック歯 20 ピニオン 35 支持面 40 凹部 42 貫通孔 43 固体潤滑材 H1 ラックハウジング H2 ピニオンハウジング H3 ガイドハウジング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵輪の操作に応じたピニオン軸の回動
    を、該ピニオン軸に噛合するラック軸の軸長方向の摺動
    に変換して舵取りを行わせる構成であり、前記ラック軸
    の周面に前記ピニオン軸との噛合部の逆側から弾接し、
    該噛合部に予圧を加えつつ前記ラック軸を摺動案内する
    ラックガイドを備えるラックピニオン式舵取装置におい
    て、前記ラックガイドに被着してあり、前記ラック軸と
    の摺接面に複数の凹部が形成されたラック受けシートを
    備えることを特徴とするラックピニオン式舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記凹部は、前記ラック受けシートに貫
    通形成された孔により、前記ラックガイドの前記ラック
    受けシートの被着面を底面として形成してある請求項1
    記載のラックピニオン式舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記凹部内に固体潤滑剤が埋設してある
    請求項1又は請求項2記載のラックピニオン式舵取装
    置。
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