JP2003200837A - ラックピニオン式舵取装置 - Google Patents

ラックピニオン式舵取装置

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JP2003200837A
JP2003200837A JP2002001800A JP2002001800A JP2003200837A JP 2003200837 A JP2003200837 A JP 2003200837A JP 2002001800 A JP2002001800 A JP 2002001800A JP 2002001800 A JP2002001800 A JP 2002001800A JP 2003200837 A JP2003200837 A JP 2003200837A
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JP
Japan
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rack
guide
pinion
shaft
rack guide
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JP2002001800A
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English (en)
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Keiji Nomura
圭治 野村
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラック軸を移動案内するラックガイドが、保
持孔との間の嵌合隙間の範囲内に傾倒することを防止
し、ラック軸の移動案内を滑らかに行わせて良好な操舵
感が得られるようにする。 【解決手段】 ラック軸1を移動案内するラックガイド
3の周面に、ラック軸1への押し付けのための凹部30の
延設方向の両側に配置されたスペーサ5,5…を取り付
け、これらのスペーサ5,5…により、ラックハウジン
グH3 に設けた保持孔30との嵌合隙間を埋め、この嵌合
隙間の範囲内にて生じるラックガイド3の傾倒を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用の舵取装
置の一形式として広く利用されているラックピニオン式
舵取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ラックピニオン式舵取装置は、車体の左
右方向に延設されたラックハウジングの内部に軸長方向
への移動自在にラック軸を支持し、また前記ラックハウ
ジングの中途部に軸心を交叉させて連設されたピニオン
ハウジングの内部に軸回りでの回動自在にピニオン軸を
支持し、該ピニオン軸に一体形成されたピニオンを前記
ラック軸の周面の一部に形成されたラック歯に噛み合わ
せて両軸を相互に噛合させると共に、ラックハウジング
の両側に突出するラック軸の両端を左右の操向車輪(一
般的には前輪)に夫々連結し、またピニオンハウジング
から突出するピニオン軸の先端を舵輪(ステアリングホ
イール)に連結して、舵輪の操作に応じて生じる前記ピ
ニオン軸の回動を前記ラック軸の軸長方向の移動に変換
して左右の操向車輪を操向せしめ、舵取りを行わせる構
成となっている。
【0003】このようなラックピニオン式舵取装置にお
いては、左右両方向の舵取りを遅れを伴わずに高精度に
行わせるために、前記ラック軸に形成されたラック歯と
前記ピニオン軸に一体形成されたピニオンとの噛合部に
適正な予圧を加え、両者を実質的にバックラッシなしに
噛み合わせることが重要である。このため従来から、前
記ラック軸の周面を前記ピニオン軸との噛合部の逆側か
ら押圧し、該噛合部に予圧を加えつつ前記ラック軸を移
動案内するラックガイドが用いられている。
【0004】図4は、従来のラックピニオン式舵取装置
の要部の縦断面図である。ラック軸1を支承する筒形を
なすラックハウジングH1 の一側には、これと交叉する
ようにピニオンハウジングH2 が連設され、同じく他側
には、ラックハウジングH1及びピニオンハウジングH
2 の夫々と略直交する向きにガイドハウジングH3 が連
設されている。
【0005】ラック軸1は、ピニオンハウジングH2
の連通側の周面に適長に亘って形成されたラック歯10を
備えている。ピニオンハウジングH2 の内部には、同軸
上での回動自在に支持されたピニオン軸2が配してあ
り、該ピニオン軸2の一部を拡径して一体形成されたピ
ニオン20が前記ラック歯10に噛合させてある。
【0006】ラックハウジングH1 の外部に突出するラ
ック軸1の両端は、図示しない左右両側の操向車輪に夫
々連結され、これらの操向車輪は、ラック軸1の軸長方
向の移動に応じて操向されるようになしてある。またピ
ニオンハウジングH2 の外部に突出するピニオン軸2の
端部は、操舵手段としての舵輪(ステアリングホイー
ル)に連結されており、ピニオン軸2及びピニオン20
は、舵取りのための前記舵輪の操作に応じて左右に回動
するようになしてある。
【0007】ラックガイド3は、ガイドハウジングH3
の軸心部に貫通形成された保持孔30内に軸長方向への摺
動自在に内嵌保持されており、内奥側端面を横切るよう
に設けた凹部31を、ラック軸1の背面側(ピニオン20と
の噛合部の逆側)の周面にラック受けシート4を介して
当接させてある。ラックガイド3の他端は、保持孔30の
開口部にねじ込まれ、ロックナット33により位置決めさ
れた押えキャップ32に臨ませてあり、ラックガイド3
は、前記押えキャップ32との間に介装された押しばね34
によりラック軸1に向けて押圧付勢されている。
【0008】以上の構成によりラックガイド3は、押し
ばね34のばね力によりラック軸1の背面に押し付けら
れ、該ラック軸1をピニオン軸2に向けて押圧して、ラ
ック歯10とピニオン20との噛合部に予圧を付与すると共
に、前記ラック軸1を軸長方向に移動案内する作用をな
す。前記予圧の強さは、押えキャップ32のねじ込み量を
増減し、押しばね34のばね力を加減することにより適正
に設定される。
【0009】而して、舵取りのための舵輪の操作が行わ
れた場合、該舵輪に連結されたピニオン軸2が回動し、
この回動が、ラックガイド3により付与される適正な予
圧下にて噛合するピニオン20とラック歯10とによりラッ
ク軸1の軸長方向の移動に変換され、この移動が左右の
操向車輪に伝達されて舵取りがなされる。
【0010】このような舵取り動作中のラック軸1に
は、前記ラック歯10と噛合するピニオン20からの噛合反
力が、図4中に白抜矢符にて示す向きに加わると共に、
両端に連結された操向車輪に加わる路面反力等、操向状
態に応じて変動する種々の外力が加わる。このときラッ
ク軸1を移動案内するラックガイド3は、ガイドハウジ
ングH3 の保持孔30内において、前記外力の影響により
変動する噛合反力と前記押しばね34のばね力との力バラ
ンスに応じて軸長方向に変位する。これにより、ラック
受けシート4を介して前記凹部31に加わるラック軸1の
摺動抵抗を略一定に保つことができ、ピニオン軸2に連
結された舵輪を操作する運転者に良好な操舵感を体感さ
せることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上の如きラックガイ
ド3の動作のためには、ガイドハウジングH3 の保持孔
30の内周面との摺接を伴うラックガイド3の軸長方向変
位が、一定の摺動抵抗下にて滑らかに生じる必要があ
る。このことは、ラックガイド3と保持孔30との嵌め合
い隙間を高精度に管理することにより実現し得るが、こ
のためには、ラックガイド3の外周面加工及び保持孔30
の内周面加工に多大の工数を要するという問題がある。
【0012】そこで従来においては、図4に示す如く、
ラックガイド3と保持孔30との間に比較的大きい嵌合隙
間を確保すると共に、ラックガイド3の周面の一部にO
リング35を巻装し、該Oリング35を前記保持孔30の内面
に当接させて前記嵌合隙間を埋め、保持孔30内でのラッ
クガイド3の変位が、前記Oリング35による摺動抵抗下
にて生じるようにした構成が採用されている。
【0013】ところが、舵取り動作中のラック軸1に
は、前述の如く種々の外力が加わっており、該ラック軸
1を移動案内するラックガイド3には、保持孔30内での
摺動変位の方向と一致する軸長方向の力と共に、変位の
方向と直交する径方向の力が作用するため、前述したO
リング35による支持構造を備えるラックガイド3は、保
持孔30の内面へのOリング35の当接部を支点として保持
孔30との嵌合隙間の範囲内にて傾倒し、先端側の一部が
保持孔30の内面に直接的に当接することがあり、ラック
ガイド3の滑らかな摺動が阻害されて操舵感が悪化する
上、保持孔30との衝突による異音の発生、当接部におけ
る偏摩耗の発生等の種々の不具合を招来するという問題
があった。
【0014】特に、ラック軸1に形成されるラック歯10
は、負荷能力を高めるべく、軸長方向に対して傾斜した
歯面を有する斜歯とされるのが一般的であり、この場
合、ピニオン20との噛合反力の分力が前記ラックガイド
3に定常的な径方向力として加わり、該ラックガイド3
の摺動が阻害されることとなる。図5には、矢符にて示
す径方向力の作用によりラックガイド3が傾倒し、図の
上側のA点において保持孔30の内面に当接した状態が示
されている。
【0015】以上の如きラックガイド3の傾倒は、前記
Oリング35から軸長方向に間隔を隔てて他のOリングを
巻装し、保持孔30内部のラックガイド3を、複数のOリ
ングによって支持する構成により緩和することができ
る。
【0016】しかしながら前記ラックガイド3は、ラッ
ク軸1の当接側をアーチ形に凹ませてなる凹部31を備え
ており、該凹部31の形成域を避けて設定される複数のO
リングの巻装位置間に十分な間隔を確保することができ
ず、前述したラックガイド3の傾倒を効果的に防止する
ことは難しい。
【0017】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、ラック軸からの作用力により保持孔との嵌合隙
間の範囲内にて生じるラックガイドの傾倒を確実に防止
し、該ラックガイドの摺動を滑らかに行わせることがで
き、良好な操舵感が得られるラックピニオン式舵取装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明に係る
ラックピニオン式舵取装置は、筒形のハウジングに設け
た保持孔に嵌合保持されたラックガイドを、内奥側の端
面を横切るように延設された凹部を介してラック軸に押
し付け、該ラック軸とピニオン軸との噛合部に予圧を付
与すると共に、前記ラック軸を軸長方向に移動案内する
構成としてあるラックピニオン式舵取装置において、前
記凹部の延設方向と直交する中心線の両側に配置され、
前記ラックガイドと保持孔との嵌合隙間を埋める各一対
のスペーサを備えることを特徴とする。
【0019】本発明においては、ラック軸に押し付ける
べくラックガイドの端面に設けられた凹部の延設方向と
直交する中心線の両側部分、即ち、ラックガイドの長さ
方向に前記凹部が存在しない部分に保持孔との嵌合隙間
を埋めるスペーサを配し、該スペーサの作用によりラッ
クガイドの傾倒を防止する。また前記スペーサは、前記
中心線の両側に各一対を配置し、種々の方向の作用力に
よるラックガイドの傾倒を確実に防止する。
【0020】また第2発明に係るラックピニオン式舵取
装置は、第1発明のスペーサが、前記ラックガイドの略
全長に亘って延設してあることを特徴とする。
【0021】この発明においては、ラックガイドと保持
孔との嵌合隙間を埋めるスペーサをラックガイドの略全
長に亘って延設し、嵌合隙間の範囲内でのラックガイド
の傾倒を効果的に防止する。
【0022】更に第3発明に係るラックピニオン式舵取
装置は、第1発明又は第2発明のスペーサが、前記ラッ
クガイドの周面に形成された溝内に埋設してあることを
特徴とする。
【0023】この発明においては、ラックガイドと保持
孔との嵌合隙間を埋めるためのスペーサを、ラックガイ
ドの周面の該当部位に形成された溝内に埋設し、該スペ
ーサの脱落又は位置ずれを防いで、ラックガイドの傾倒
防止を確実に行わせる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るラッ
クピニオン式舵取装置の要部の縦断面図である。
【0025】図中H2 はピニオンハウジングであり、こ
のピニオンハウジングH2 の内部にはピニオン軸2が配
してある。ピニオン軸2は、下半部を拡径して一体形成
されたピニオン20を備えており、該ピニオン20の上下両
側に位置する一対のアンギュラ玉軸受21,22により、ピ
ニオンハウジングH2 の内部に同軸上での回動自在に支
持されている。また、ピニオンハウジングH2 の外部に
突出するピニオン軸2の上端部は、操舵手段としての図
示しない舵輪(ステアリングホイール)に連結されてい
る。而してピニオン軸2は、舵取りのための前記舵輪の
回転操作に応じてピニオンハウジングH2 の内部にて回
動する。
【0026】前記ピニオンハウジングH2 の下半部の一
側には、円筒形をなすラックハウジングH1 が軸心を交
叉させて連設されており、該ラックハウジングH1 の内
部には、軸長方向への移動自在にラック軸1が支持され
ている。該ラック軸1は、ピニオンハウジングH2 との
連通部を臨む側の周面に適長に亘って形成されたラック
歯10を備えており、該ラック歯10は前記ピニオン20に噛
合させてある。またラック軸1の両端は、ラックハウジ
ングH1 の両側に突設され、図示しない左右の操向車輪
に各別に連結されており、これらの操向車輪が、ラック
ハウジングH1内でのラック軸1の移動に応じて操向さ
れるようになしてある。
【0027】またラックハウジングH1 には、ピニオン
ハウジングH2 との交叉部の逆位置に、両ハウジングH
1 ,H2 の夫々と略直交する向きにガイドハウジングH
3 が突設されている。ガイドハウジングH3 の軸心部に
は、ラック軸1の背面側(ピニオン20との噛合部の逆
側)からラックハウジングH1 の内部に連通する円形断
面の保持孔30が貫通形成されており、該保持孔30には、
円柱形をなすラックガイド3が軸長方向への移動自在に
内嵌保持されている。
【0028】ラックガイド3は、ラックハウジングH1
との連通部を臨む内奥側の端面にラック軸1の外形に対
応するようにアーチ形に凹ませた凹部31を備えており、
該凹部31は、ラック軸1の背面側(ピニオン20との噛合
部の逆側)の周面にラック受けシート4を介して当接さ
せてある。またラックガイド3の他端面は、保持孔30の
他側開口部にねじ込まれ、ロックナット33により位置決
め固定された押えキャップ32に臨ませてあり、該押えキ
ャップ32との間に介装された押しばね34によりラック軸
1に向けて押圧付勢されている。
【0029】このようなラックガイド3は、押しばね34
のばね力により、前記凹部31をラック受けシート4を介
してラック軸1の背面に押し付け、該ラック軸1をピニ
オン軸2に向けて押圧して、ラック歯10とピニオン20と
の噛合部に予圧を付与すると共に、前記ラック軸1を軸
長方向への移動自在に案内する作用をなす。前記予圧の
強さは、押えキャップ32のねじ込み量を増減し、ロック
ナット33の締め付けにより適宜のねじ込み位置にて押え
キャップ32を固定することにより適正に設定される。
【0030】以上の如きラックガイド3は、保持孔30と
の間に所定の嵌合隙間を保って内嵌保持されており、前
記嵌合隙間は、ラックガイド3の周面に以下の如く装着
されたスペーサ5,5…により埋められている。
【0031】図2は、ラックガイド3の外観斜視図であ
る。ラックガイド3は、ガイドハウジングH3 に設けら
れた前記保持孔30の断面に対応する円柱形状を有してい
る。該ラックガイド3の一端面には、前述の如くラック
軸1を押圧する凹部31が、該ラック軸1の背面側半部に
対応するアーチ形の断面を有し、軸心部を一方向に横切
るように延設されており、ラック受けシート4により覆
われている。
【0032】ラックガイド3の周面には、前記凹部31の
延設方向と直交する中心線(図のA−A線)の両側に各
一対の凹溝50,50が形成されており、これら4本の凹溝
50,50…に、夫々に対応する細幅の帯状をなすスペーサ
5,5…が埋設固定されている。なお図2には、手前側
の周面に形成された一対の凹溝50,50の一方を、対応す
るスペーサ5の取り付け前の状態にて示し、他方を、対
応するスペーサ5の取り付け後の状態にて示してある。
【0033】図示の凹溝50,50…は、前記中心線A−A
の両側に略等しい振り分け角度θを有して振り分け配置
されている。このように配置される凹溝50,50…は、前
記振り分け角度θの適正な設定により、前記凹部31と干
渉することなくラックガイド3の全長に亘って形成する
ことが可能であり、これらの凹溝50,50…に埋設された
スペーサ5,5…は、ラックガイド3の全長に亘って延
設することができる。適正な振り分け角度θは、前記ラ
ックガイド3及び凹部31のサイズに応じて異なるが、前
記凹部31との干渉が生じない範囲において可及的に大き
く設定するのが望ましい。なお前記スペーサ5,5…
は、前述した振り分け配置に限らず、前記中心線A−A
の両側に異なる角度を有して配置してあってもよい。
【0034】前記スペーサ5,5…は、PTFE(ポリ
エチレンテレフタレート)、POM(炭素繊維強化ポリ
アセタノール)等、耐摩耗性に優れ、低摩擦係数を有す
る高強度の合成樹脂製であり、前記凹溝50,50…に対応
する幅及び長さを有する帯体として構成され、各別の凹
溝50,50…に嵌め込まれ、接着等の固定手段により、ラ
ックガイド3の周面からわずかに突出せしめて固定され
ている。
【0035】以上の如く構成されたラックガイド3は、
ガイドハウジングH3 に設けた保持孔30に、適宜の嵌合
隙間を介して内嵌されており、該ラックガイド3に前述
の如く取り付けられた4つのスペーサ5,5…(図1に
は対角に位置する2つのみ図示)は、前記嵌合隙間を埋
め、保持孔30の内周面に全長に亘って当接した状態とな
る。
【0036】このように装着されたラックガイド3は、
前述の如く、一側の凹部31をラック受けシート4を介し
てラック軸1の背面に当接させ、該ラック軸1を、前記
押しばね34のばね力によりピニオン軸2に向けて押圧し
て、ラック歯10とピニオン20との噛合部に予圧を付与す
ると共に、ラック軸1を移動案内する作用をなす。
【0037】以上の構成により、舵取りのための舵輪の
操作がなされた場合、該舵輪に連結されたピニオン軸2
が回動し、この回動が、ラックガイド3による予圧下に
て噛合するピニオン20とラック歯10とによりラック軸1
の軸長方向の移動に変換され、前述の如くラックガイド
3により案内されて生じるラック軸1の移動が左右の操
向車輪に伝達されて舵取りがなされる。
【0038】図3(a),(b)は、本発明に係るラッ
クピニオン式舵取装置におけるラックガイド3の動作説
明図である。舵取り動作中のラック軸1には、ラック歯
10と噛合するピニオン20からの噛合反力、両端に連結さ
れた操向車輪に加わる路面反力等の種々の外力が加わ
る。このときラック軸1を移動案内するラックガイド3
は、図1中に白抜矢符にて示す向きに加わる前記外力の
軸長方向分力に対し、前記押しばね34のばね力との力バ
ランスに応じて、ガイドハウジングH3 の保持孔30の内
周面との摺動を伴いつつ軸長方向に変位する。
【0039】前記ラックガイド3は、周面に取り付けた
スペーサ5,5…を介して前記保持孔30の内周面と当接
しており、ラックガイド3の変位は、前記スペーサ5,
5…及び保持孔30の間の摺動抵抗下にて生じる。ここで
前記スペーサ5,5…は、低摩擦係数を有する合成樹脂
製であり、またラックガイド3の軸長方向に延びる細幅
の帯体であることから、保持孔30に対する摺動抵抗は小
さい。従って、操向状態に応じて変動する前記外力の作
用下でのラックガイド3の軸長方向変位を、滑らかに、
しかも安定して行わせることができる。
【0040】またラックガイド3には、舵取り動作中の
ラック軸1に加わる種々の外力の分力が、図3中に矢符
により示す如く、摺動変位の方向と直交する面内におい
て径方向の力として作用する。本願発明のラックガイド
3は、周面に取り付けたスペーサ5,5…により保持孔
30の内面に支えられており、これらのスペーサ5,5…
は、ラックガイド3の全長に亘って延設されていること
から、前述した径方向の力に、該力が加わる側のスペー
サ5の潰れ変形により抵抗し、同側へのラックガイド3
の傾倒が有効に抑制される。従って、ラックガイド3と
保持孔30との直接的な衝突による異音の発生、保持孔30
との当接部におけるラックガイド3の偏摩耗の発生等の
不具合が生じず、これらによるラックガイド3の摺動阻
害を防止することができる。
【0041】また前記スペーサ5,5…は、ラックガイ
ド3の周方向に前述の如く配置されており、これらの相
乗作用により、あらゆる方向の径方向力に対抗すること
が可能であり、ラックガイド3は、いずれの方向にも傾
倒することなく滑らかに摺動変位することができる。更
に、前記スペーサ5,5…は、ラックガイド3の周面の
該当位置に設けた各別の凹溝50,50…内に埋設固定され
ており、保持孔30の内周面との摺動に伴って脱落又は位
置ずれを生じることがなく、ラックガイド3の傾倒防止
を、長期に亘って確実に行わせることができる。
【0042】このようにラックガイド3は、ピニオン20
とラック歯10との噛合部に予圧を付与しつつ、ラック軸
1を移動案内するという本来の作用を安定して行い、舵
輪を操作する運転者に良好な操舵感を体感させることが
可能となる。
【0043】なお以上の実施の形態においては、ラック
ガイド3の周面の前述した位置に、ラックガイド3の全
長に亘って連続するスペーサ5,5…を備えた構成につ
いて述べたが、同様の位置に断続的に配設されたスペー
サによっても略同様の効果を得ることができる。
【0044】また以上の実施の形態においては、保持孔
30との摺接部が平坦な矩形断面を有するスペーサ5,5
…を用いているが、3角形、台形、半円形等の適宜の断
面形状を有するスペーサ5,5…を用いてもよい。
【0045】更に以上の実施の形態においては、運転者
により舵輪に加えられる操作力のみで舵取りを行わせる
構成としたマニュアルステアリング装置への適用例につ
いて述べたが、本発明は、油圧又は電動アクチュエータ
の発生力により舵取りを補助するパワーステアリング装
置への適用も可能であり、同様の効果が得られるること
は言うまでもない。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明に係るラックピ
ニオン式舵取装置においては、ラック軸に当接する凹部
との干渉を避けてラックガイドの周面に配置されたスペ
ーサにより、ラックガイドと保持孔との間の嵌合隙間を
埋める構成としたから、ラック軸からの作用力により保
持孔との嵌合隙間の範囲内にて生じるラックガイドの傾
倒を確実に防止することができ、ラックガイドの摺動を
滑らかに行わせて、良好な操舵感が得られるようにな
る。
【0047】また、ラックガイドと保持孔との嵌合隙間
を埋めるスペーサをラックガイドの略全長に亘って延設
したから、ラックガイドの傾倒を一層確実に防止するこ
とができ、更に、ラックガイドの周面に形成された溝内
にスペーサを埋設したから、該スペーサの脱落又は位置
ずれを防止し、ラックガイドの傾倒を長期に亘って確実
に防止し、良好な操舵感を長期に亘って実現することが
可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラックピニオン式舵取装置の要部
の縦断面図である。
【図2】ラックガイドの外観斜視図である。
【図3】本発明に係るラックピニオン式舵取装置におけ
るラックガイドの動作説明図である。
【図4】従来のラックピニオン式舵取装置の要部の縦断
面図である。
【図5】従来のラックピニオン式舵取装置の問題点の説
明図である。
【符号の説明】
1 ラック軸 2 ピニオン軸 3 ラックガイド 4 ラック受けシート 5 スペーサ 10 ラック歯 20 ピニオン 30 保持孔 31 凹部 H1 ラックハウジング H2 ピニオンハウジング H3 ガイドハウジング

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒形のハウジングに設けた保持孔に嵌合
    保持されたラックガイドを、内奥側の端面を横切るよう
    に延設された凹部を介してラック軸に押し付け、該ラッ
    ク軸とピニオン軸との噛合部に予圧を付与すると共に、
    前記ラック軸を軸長方向に移動案内する構成としてある
    ラックピニオン式舵取装置において、 前記ラックガイドの周面に、前記凹部の延設方向と直交
    する中心線の両側に配置され、前記保持孔との嵌合隙間
    を埋める各一対のスペーサを備えることを特徴とするラ
    ックピニオン式舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記スペーサは、前記ラックガイドの略
    全長に亘って延設してある請求項1記載のラックピニオ
    ン式舵取装置。
  3. 【請求項3】 前記スペーサは、ラックガイドの周面に
    形成された溝内に埋設してある請求項1又は請求項2記
    載のラックピニオン式舵取装置。
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