JP3280656B2 - 車のステアリング可能な車輪の方向転換装置 - Google Patents

車のステアリング可能な車輪の方向転換装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、車のステアリング
可能な車輪の方向転換装置、特に、車のステアリング可
能な車輪の方向を転換するラック・ピニオンステアリン
グ歯車に関する。
【０００２】
【従来の技術】車のステアリング可能な車輪の方向を転
換するのに使用される公知のラック・ピニオンステアリ
ング歯車は、ハウジング内に配置され且つ車のステアリ
ングハンドルに作用可能に連結されたピニオンを備えて
いる。また、横方向に伸びるラックがハウジング内に配
置され且つピニオンとかみ合い係合する。ピニオンが回
転すると、ラックが直線状に動き、これにより、ステア
リング可能な車輪を車の横方向に方向転換する。
【０００３】公知のラック・ピニオンステアリング歯車
において、ヨークがラックを押圧してピニオンと係合さ
せる。ヨークはヨークプラグによりハウジング内に固定
され、該ヨークプラグはヨークの外端部を越えてハウジ
ング内にねじ込まれる。ヘリカルばねがヨークプラグと
ヨークとの間に配置され、ラックの歯とピニオンの歯と
が確実にかみ合い係合することを保証する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、チャンバを有するハウジングと、ステアリ
ング可能な車輪の両方向に方向を転換する作用を果た
す、チャンバ内で両方向に可動なラックと、ラックとか
み合ったピニオンと、ハウジング内に一部分配置され且
つヨークに対して摺動可能にラックを支持するヨーク
と、ラックと係合しかつラックを偏倚してピニオンと係
合させる面を有する板ばねを備えている、車輪の方向転
換装置を提供することである。前記ヨークは、凹所を有
するプラスチック成形本体と、前記凹所内に配置された
板ばねとを備えている。板ばねはラックに係合してラッ
クを偏倚しピニオンと係合させる面を有している。板ば
ねは、前記板ばねに対して摺動し得るようにラックを支
持する。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、次の装
置により達成される。すなわち、車のステアリングハン
ドルを回したとき、車のステアリング可能な車輪の方向
を転換する装置において、チャンバを有するハウジング
と、ステアリング可能な車輪の両方向に方向を転換する
作用を果たす、上記チャンバ内で両方向に可動なラック
と、上記ラックとかみ合ったピニオンと、上記ハウジン
グ内に一部分、配置され且つヨークに対して摺動可能に
前記ラックを支持するヨークとを備え、該ヨークが、凹
所を有する成形プラスチック本体と、該凹所内に配置さ
れる共に、上記ラックに係合し且つ該ラックを偏倚して
上記ピニオンと係合させる面を有する板ばねであって、
該板ばねに対して摺動し得るように前記ラックを支持す
る板ばねとを備える、装置により達成される。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明の上記及びその他の特徴
は、添付図面を参照して以下の説明を読むことにより本
発明が関係する技術分野の当業者に明らかになるであろ
う。
【０００７】本発明は、車のステアリング可能な車輪
（図示せず）を方向転換装置（図１及び図２）、特に、
車のステアリング可能な車輪の方向を転換するラック・
ピニオンステアリング歯車１２に関するものである。ラ
ック・ピニオンステアリング歯車１２は、ハウジング１
４と、ラック１６と、ピニオン１８と、ヨーク２０とを
備えている。
【０００８】ハウジング１４は、第一の軸線２４上に中
心がある略円筒状のピニオン部分２２と、第一の軸線に
対して横方向に伸長する第二の軸線２８（図３）上に中
心がある円筒状のラック部分２６とを備えている。ピニ
オン部分２２は、ハウジング１４内でピニオンチャンバ
３２を画成する内面３０を有している。ラック部分２６
は、半径方向に伸長する端面３４（図２）と、内面３６
とを有している。内面３６は第二の軸線２８上に中心が
あり且つハウジング１４内にラックチャンバ３８を画成
する。ラックチャンバ３８及びピニオンチャンバ３２は
ハウジング１４の接続部分４０にて互いに交差する。
【０００９】ピニオン１８は、ハウジング１４のピニオ
ン部分２２内でピニオンチャンバ３２内に配置され且つ
第一の軸線２４の周りで回転可能である。ピニオン１８
は、当該技術分野にて公知であるように車のステアリン
グハンドル（図示せず）と作用可能に接続されている。
ピニオン１８は、ヘリカルパターンにて伸長する歯４４
（図３）を含む外面４２を有している。
【００１０】ラック１６の一部分は、ハウジング１４の
ラック部分２６内でラックチャンバ３８（図２）内に配
置されている。ラック１６の両端（図示せず）は、ハウ
ジング１４を越えて突き出し且つ当該技術分野にて公知
であるように車のステアリング可能な車輪（図示せず）
と接続可能とされている。ラック１６は、ラックの軸線
４６に沿って両方向に可動であり、車のステアリング可
能な車輪の両方向に方向転換する作用を果たす。図４に
最も良く図示したラックの軸線４６は、ハウジング１４
の内面３６がその上に中心決めされた第二の軸線２８か
らずらしてある。このように、ラック１６は、ハウジン
グ１４内のラックチャンバ３８内に中心がある。
【００１１】ラック１６は、略円筒状の外面６０を有し
ている。ラック１６の歯部分６２（図１）は、ラックの
外面６０に形成された歯６４を有している。ラック１６
の歯部分６２の外面６０における歯６４は、ハウジング
１４の接続部分４０において、ピニオン１８の外面４２
における歯４４とかみ合っている（図２乃至図４参
照）。歯６４と直径方向に対向して、ラック１６の歯部
分６２の外面６０が半径Ｒ１を有する円筒体のセグメン
ト６６（図４）を備えている。
【００１２】ヨーク２０は、射出成形法を使用してプラ
スチック材料で製造される。ヨーク２０は外側部分７０
と、該外側部分から突き出す内側部分９０とを有してい
る。外側部分７０は、円筒状内面７２（図５）と、円筒
状外面７４とを有している。第一の端面７６（図５）及
び第二の端面７８（図６）は、それぞれ、内面７２と外
面７４との間を半径方向に伸長している。第一の端面７
６は、周方向に隔たった複数のキャビティ８０を有して
いる。外側部分７０に形成されたキャビティ８０は、ヨ
ーク２０の材料及び重量を節約する。複数の開口部８２
が、第一の端面７６から第二の端面７８まで伸びてい
る。開口部８２の各々は、内側部分９０に配置された終
端面８４（図１）を有している。開口部８２は、キャビ
ティ８０の間で隔てられ且つ以下に更に説明するよう
に、ハウジング１４の端面３４を変形させる工具８６を
受け入れ得るようにされている。
【００１３】ヨーク２０の内側部分９０は、それぞれ第
一の部分９２及び第二の部分１１０を有している。ヨー
ク２０の内側部分９０の第一の部分９２は、第二の軸線
２８の上に中心がある円筒状外面９４と、ラックの軸線
４６上に中心がある円筒状内面９６とを有している（図
４参照）。このように、内側部分９０の第一の部分９２
は、連続的に変化する半径方向厚さを有する偏心部分を
備えている。外面９４は、Ｏリング１００（図２）がそ
の内部に配置された周方向に伸びる溝９８を有している
（図５）。
【００１４】ヨーク２０の内側部分９０の第二の部分１
１０は、内側部分の第一の部分９２の端面１０２から突
き出している。内側部分９０の第二の部分１１０は円筒
体のセグメント１１２を備えている（図５及び図６参
照）。好ましくは、該部分１１２は、９０°乃至１８０
°の範囲だけ伸長するようにする。内側部分９０の第二
の部分１１０は、円筒体の一部であり且つ第一の部分９
２の外面９４の伸長部分として連続的に伸長する円筒体
の一部である外面１１４（図４）を有している。外面１
１４はその中心が第二の軸線２８上にある。ヨーク２０
の内側部分９０の第二の部分１１０は、円筒体の一部で
ある内面１２０を有している。内面１２０はラック軸線
４６上に中心があり、第一の部分９２の内面９６の伸長
部分として連続的に伸びている。このように、内側部分
９０の第二の部分１１０は、連続的に変化する半径方向
厚さを有する偏心セグメントを有している。
【００１５】内側部分９０の第二の部分１１０は、それ
ぞれ第一のセグメントの面１２２及び第二のセグメント
の面１２４を有している。これらの面は、ラックの軸線
４６に対して平行に伸び且つ内面１２０を外面１１４に
接続する。また、半径方向に伸びる内側端面１２６（図
６）は内面１２０及び外面１１４を接続する。ヨーク２
０の内側部分９０の第二の部分１１０における内面１２
０は凹所１３０を有している。凹所１３０は、４つの平
坦な端面１３２と、円弧状面１３４とにより画成されて
いる。円弧状面１３４はラックの軸線４６の周りに中心
があり、半径Ｒ２（図４）を有している。
【００１６】被覆されたばね鋼で出来た板ばね１５０
は、ヨーク２０の内側部分９０の凹所１３０内に配置さ
れている。板ばね１５０は、ばね軸線１５２上に中心が
ある円筒体のセグメントである。板ばね１５０は、半径
Ｒ３の内面１５４と、半径Ｒ４の外面１５６とを有して
いる。板ばね１５０の内面１５４の半径Ｒ３は、ラック
１６の外面６０の半径Ｒ１よりも小さい。板ばね１５０
の外面１５６の半径Ｒ４は、凹所１３０の円弧状面１３
４の半径Ｒ２よりも小さく、板ばねと板ばねの両端にお
ける円弧状面との間に図４に番号なしで図示した一対の
半径方向空隙を形成する。
【００１７】ヨーク２０は、ラック１６の一端（図示せ
ず）の上方に該ヨークを配置し且つヨークをハウジング
１４に向けて下方に摺動させることにより装置１０内に
取り付けられる。ヨーク２０の外側部分７０及び内側部
分９０の第一の部分９２は、ラック１６を取り巻いてい
る。内側部分９０の第二の部分１１０は、ラック１６の
一部のみを取り巻いている。ヨーク２０は、ハウジング
１４内に軸方向に押し込まれている。ヨーク２０の内側
部分９０の第一の部分９２及び第二の部分１１０は、ハ
ウジング１４のラック部分２６内のラックチャンバ３８
内に受け入れられている。ヨーク２０の外側部分７０
は、ハウジング１４の外側に配置されている。外側部分
７０における第二の端面７８は、ハウジング１４のラッ
ク部分２６の端面３４に当接している。外側部分７０の
内面７２は、ラック１６の外面６０から隔てられてい
る。
【００１８】ラックチャンバ３８内にて、ヨーク２０の
内側部分９０の第一の部分９２の外面９４は、ハウジン
グ１４のラック部分２６の内面３６に係合する。また、
内側部分９０の第二の部分１１０の外面１１４は、ハウ
ジング１４のラック部分２６の内面３６にも係合する。
ヨーク２０の外面９４のОリング１００は、ハウジング
１４の内面３６に対して着座し且つラックチャンバ３８
の一端を密封する。内側部分９０の第一の部分９２及び
第二の部分１００の内面９６及び１２０は、それぞれラ
ック１６の外面６０から隔てられている。ヨーク２０
は、次に、ラックの軸線４６の周りでハウジング１４内
のラックチャンバ３８内にて偏心状に回転して、図２乃
至４に図示した位置に達し、この位置において、ヨーク
内の板ばね１５０は、ラック１６における歯６４に直径
方向に対向する位置に配置される。
【００１９】図２乃至図４に図示するように、板ばね１
５０の内面１５４の両端部分１７０及び１７２は、ラッ
ク１６の外面６０に係合し且つラックを偏倚させてピニ
オン１８と係合させる。板ばね１５０の内面１５４の半
径Ｒ３は、ラック１６の外面６０の半径Ｒ１よりも小さ
いため、板ばねの中央領域１７６内にて板ばねとラック
との間に半径方向空隙１７４が形成される。ラック１６
の半径Ｒ１と板ばね１５０の半径Ｒ３との相違は、それ
ぞれ板ばねをラックに対して偏倚させるのを助け、これ
によりラックの歯６４とピニオン１８の歯４４とが確実
にかみ合い係合することを保証する。
【００２０】ヨーク１２０が図２乃至図４に図示するよ
うに配置されたとき、該ヨークはハウジング１４から軸
方向に動いて離れないように所定位置に固定されてい
る。この固定は、ヨーク２０の端面７６に形成された開
口部８２の各々にポンチ工具８６を挿入することにより
行われる。ポンチ工具（ｐｕｎｃｈ ｔｏｏｌ）８６
は、手で衝撃を加えて図１に図示するように開口部８２
の各々の終端面８４上にあるハウジング１４の端面３４
の一部分１８０を変形させる。このように、ヨーク２
０、より具体的には、板ばね１５０はステアリング可能
な車輪を方向転換し得るよう、両方向に相対的に摺動し
得るようにラック１６を支持する位置に配置される。
【００２１】上述した装置１０は、ラックの直線状の動
きを支持し得るように低摩擦のヨークを提供する。板ば
ね１５０をヨーク２０内に一体化することは、ラックの
長い長さに亙ってラック１６に対する支持体を提供し且
つラックをステアリング可能な歯車１２内のラックを支
持するのに必要な構成要素の数を少なくすることにな
る。更に、ヨーク２０の外側部分７０における第一の端
面７６は、ステアリング可能な車輪の１つと接続された
内側タイロッド（図示せず）に対するラックストッパと
して機能する。
【００２２】本発明の上記の説明から、当該技術分野の
当業者は、改良、変更及び改変例が知得されよう。例え
ば、上記に開示した装置１０は、液圧支援のラック・ピ
ニオンステアリング装置又は電動支援のラック・ピニオ
ンステアリング装置の何れかと共に使用することができ
ることを理解すべきである。当業者の範囲に属する、か
かる改良、変更及び改変例は、特許請求の範囲に包含す
ることを意図するものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に従った構造とされた車のステアリング
可能な車輪の方向転換装置の側面図である。
【図２】図１の線２−２に沿った断面図である。
【図３】図２の線３−３に沿った断面図である。
【図４】図３の一部分の拡大図である。
【図５】図１乃至図４の装置の１つの構成要素の斜視図
である。
【図６】図５に図示した構成要素の分解斜視図である。
【符号の説明】
１０ 車のステアリング可能な車輪の方向転換装置 １２ ラック・ピニオンステアリング歯車 １４ ハウジング １６ ラック １８ ピニオン ２０ ヨーク ２２ ハウジングのピニオン部分 ２４ ハウジング
の第一の軸線 ２６ ハウジングのラック部分 ２８ ハウジング
の第二の軸線 ３０ ピニオン部分の内面 ３２ ハウジング
のピニオンチャンバ ３４ ラック部分の端面 ３６ ラック部分
の内面 ３８ ハウジングのラックチャンバ ４０ ハウジング
の接続部分 ４２ ピニオンの歯の外面 ４４ ピニオンの
歯 ４６ ラックの軸線 ６０ ラックの歯
の外面 ６２ ラックの歯部分 ６４ ラックの歯 ６６ ラックのセグメント ７０ ヨークの外
側部分 ７２ ヨークの外側部分の円筒状内面 ７４ ヨークの外側部分の円筒状外面 ７６ ヨークの第一の端面 ７８ ヨークの第
二の端面 ８０ ヨークのキャビティ ８２ ヨークの開
口部 ８６ ポンチ工具 １８０ ハウジン
グの端面の一部分 ９０ ヨークの開口部の内側部分
フロントページの続き (72)発明者 ロバート・イー・フェインデル アメリカ合衆国ミシガン州48312，スタ ーリング・ハイツ，アルパー 37329 (56)参考文献 特開 平９−184555（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−202471（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭55−144170（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B62D 3/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 車のステアリングハンドルを回したと
    き、車のステアリング可能な車輪の方向を転換する装置
    において、 チャンバを有するハウジングと、 軸線を有しかつ前記チャンバ内で両方向に移動可能なラ
    ックであって、一方向に移動するとステアリング可能な
    車輪を第２の方向に回転させかつ前記一方向と反対の方
    向に移動するとステアリング可能な車輪を前記第２の方
    向と反対の方向に回転させるラックと、 前記ラックとかみ合ったピニオンと、 前記ハウジング内に部分的に配置され且つ前記ラックを
    ヨークに対して摺動可能に支持するヨークとを備え、前
    記ヨークが、 凹所を有する成形プラスチック本体と、 前記凹所内に配置される共に、前記ラックに係合し且つ
    前記ラックを偏倚して前記ピニオンと係合させる面を有
    する板ばねとを備え、 前記板ばねが、前記ラックを、前記板ばねに対して前記
    一方向及びその一方向と反対の方向に軸方向に摺動し得
    るように、支持する装置。
  2. 【請求項２】 請求項１に記載の装置において、前記ヨ
    ークが前記ラックを取り巻く周方向に連続する外側部分
    と、前記外側部分から突き出し且つ前記ラックの一部の
    みを取り巻く内側部分とを備える、装置。
  3. 【請求項３】 請求項２に記載の装置において、前記外
    側部分が、前記ハウジングの端面に係合し、前記外側部
    分が、前記端面から動いて離れるのを防止し得るように
    前記ヨークを所定位置に固定すべく前記端面を変形させ
    る工具を受け入れる開口部を有する、装置。
  4. 【請求項４】 請求項２に記載の装置において、前記外
    側部分が、前記チャンバの軸線上に中心がある円筒状の
    外面を有し、前記ラックが、前記軸線からずらした他の
    軸線上に中心がある円筒状の外面部分を有する、装置。
  5. 【請求項５】 請求項４に記載の装置において、前記ヨ
    ークの前記内側部分が半径方向厚さを有する偏心セグメ
    ントを備え、前記半径方向厚さが前記内側部分の周方向
    に沿って連続的に変化する、装置。
  6. 【請求項６】 請求項４に記載の装置において、前記チ
    ャンバは、前記ヨークが前記ハウジングに対し且つ前記
    ラックに対して軸方向に動くことにより前記ヨークを受
    け入れる一部分を有し、前記ヨークが、前記チャンバの
    前記部分内にて回転し、前記板ばねを前記ピニオンと直
    径方向に対向する前記ラックに対して位置決めし、前記
    ラックを偏倚させて前記ピニオンと係合するようにし
    た、装置。
  7. 【請求項７】 請求項６に記載の装置において、前記ラ
    ックが、所定の半径の円筒体の部分である外面部分を有
    し、前記板ばねが、前記所定の半径よりも小さい半径の
    円筒体の一部分である外面を有する、装置。
  8. 【請求項８】請求項１ないし７のいずれかに記載の装置
    において、前記ラックが、所定の半径の円筒体の部分で
    ある外面部分を有し、前記板ばねが、前記所定の半径よ
    りも小さい半径の円筒体の一部分である外面を有する、
    装置。
JP2000117673A 1999-04-23 2000-04-19 車のステアリング可能な車輪の方向転換装置 Expired - Fee Related JP3280656B2 (ja)

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