JP3668284B2 - 遮光装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、遮光装置、詳しくは撮影光学系の開口部を遮蔽もしくは開放する遮光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、写真撮影を行なう小型カメラ等においては、遮光羽根の開閉用駆動レバーによって2枚の遮光羽根を同時に開閉し、この2枚の遮光羽根の内縁部によって所定の開口部を形成するようにしたレンズシャッタ機構が一般的に実用化されている。
【0003】
また、3枚以上の遮光羽根を適用することで、この複数の遮光羽根の全開時(開放状態)における開口部の大きさに比べて、遮光羽根の退避スペースを小さくすることにより、シャッタ機構の小型化を図ったり、開口部の形状を改良するようにしたもの等について、種々の提案がなされている。
【0004】
例えば、実公平6−37400号公報によって開示されている遮光羽根装置は、3枚の遮光羽根によって開口部の形状を円形形状に近い多角形状とするようにしたものである。
【0005】
また、特開昭64−526号公報に開示されているシャッタ機構は、撮影光学系の開口部の光軸近傍の光束を主に遮光する2枚の内羽根と、上記開口部の周辺部の光束を主に遮光する2枚の外羽根の4枚の遮光羽根を設けて、上記開口部の遮光を行なうようにすることで、上記各遮光羽根を小型化して、遮光羽根の全開時における収納スペースを少なくすると共に、シャッタ機構自体を小型化するようにしたものである。
【0006】
一方、近年における小型カメラ等においては、撮影倍率の変倍機能を有する、いわゆる、ズームレンズ等が一般的に実用化されており、これらのズームレンズ等においては、カメラおよびレンズ等の小型化を考慮したレンズ設計が行なわれている。
【0007】
上記ズームレンズ等においては、一般的に、同一の開放開口面積(開放時の開口部の面積)は、短焦点側においては、開放F値が小さくなり(即ち、レンズとして明るい。)、長焦点側においては、開放F値が大きくなる(即ち、レンズとして暗い。)傾向がある。
【0008】
そこで、上記ズームレンズ等の設計を行なう際には、まず、長焦点側においてレンズの明るさ(より小さい開放F値)を確保するために、開放時の開口面積が決定されることとなる。上述のように、撮影光学系を構成するズームレンズ等が長焦点側に設定されている場合と比較して、短焦点側においては開放F値が小さくなる傾向にあるので、小さい開放F値(明るいレンズ)を充分に確保することができるが、この場合においては、反面、撮影光学系の解像性能を確保することが困難となる傾向がある。
【0009】
そこで、上記撮影光学系のズームレンズの短焦点側における開放状態の場合においては、上記遮光羽根を開口部よりも外側に完全には退避させないようにして、上記開口部を遮光羽根の内縁部、もしくは、遮光羽根内縁部と開口部の双方によって形成するようにして、長焦点側にある場合と短焦点側にある場合とで、開口部の開口面積を変化させるようにすることが考えられる。
【0010】
即ち、この場合においては、
短焦点側の開放時の開口面積<長焦点側の開放時の開口面積
の関係を有するようにすることである。そして、短焦点側における開放F値を若干大きめに設定して、撮影光学系の解像性能を向上させることが可能となる。
【0011】
このような場合においては、撮影光学系の変倍動作に連動して、遮光装置の開放状態を可変とする必要性が生じることとなる。
【0012】
そこで、遮光羽根の開閉用駆動レバーの開側ストッパ部の位置を変倍動作に連動して変位させるようにすることで、開放状態における開口部の面積を変化させるようにした、いわゆる、ズーム連動開口部可変遮光装置についての提案が、種々なされている。
【0013】
ところで、撮影光学系が、単焦点距離の光学系である場合には、上記遮光羽根の開閉用駆動レバーの開側ストッパ部の位置は、常に固定位置でよく、また、開放状態における開口面積も常に一定となるように設定されることとなる。
【0014】
従って、遮光羽根の開閉用駆動レバーの開側ストッパ部の位置は、遮光羽根が開放状態の開口部よりも外側に完全に退避させると共に、さらに開側に対する若干のオーバーストローク量を有する位置に設定することができるので、開側ストッパ部の位置、駆動レバー、遮光羽根の位置、および、部材形状の誤差等を考慮しても、開放状態における開口面積を、常に精度良く決定することができることとなる。
【0015】
また、上記遮光羽根の開閉用駆動レバーが開状態へと移動して、遮光羽根が開状態における位置を規定する開側ストッパ部に衝突することによって生じる、いわゆる、バウンド現象が発生する場合があるが、この場合においては、上記遮光羽根の開閉用駆動レバーがバウンドすることによって、上記遮光羽根が逆方向(閉側)に回動する量を、上記オーバーストローク量等に加味して考慮するようにすれば、開口面積の精度に悪影響を与えることはない。
【0016】
このように、上記遮光羽根の開側に対するオーバーストローク量を見込んで、遮光羽根の開閉用駆動レバーの開側ストッパ位置を決定すれば、開口部の開放状態における開口面積を精度良く決定することができると共に、光学性能上も都合が良いものとなることが知られている。
【0017】
他方、複数の遮光羽根を開閉させることで、上記遮光羽根が閉状態にあるときには、開口部の遮光を行なうと共に、上記遮光羽根が開状態にあるときには、開口部を開放して、フィルム面への露光が行なわれるようにしたシャッタ機構においては、上記遮光羽根が不用意に開状態となってしまうことにより、未露光フィルムに対して、撮影者(カメラの使用者)の意図に反して露光がなされてしまう等の事故を防止する必要があるが、このような事故等を防止するための提案が、例えば実開平2−55224号公報等によってなされている。
【0018】
上記実開平2−55224号公報によって開示されているシャッタ機構は、焦点調節用等のレンズ群と一体的に光軸方向に移動するレンズシャッタ機構において、有効焦点調節範囲外に移動する際に、上記レンズシャッタ機構の開閉部材を閉鎖位置で係合する突出部を、カメラ本体の固定部材に配設し、シャッタが不用意に開口してしまうことを防止するようにしたものである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実公平6−37400号公報、特開昭64−526号公報等に開示されている手段によれば、遮光羽根の枚数が多くなることによって、遮光羽根が重なり合う部分の遮光が充分できず、漏光の可能性が大きくなるという問題点がある。
【0020】
また、上記遮光羽根の開閉用駆動レバーの開側ストッパ位置を、撮影光学系のズームレンズ等の変倍動作に連動させて変位させるようにした、上記ズーム連動開口部可変遮光装置等においては、長焦点側にある場合には、開放口径可変機能を持たない上記シャッタ機構、即ち、撮影光学系が単焦点距離の光学系である場合と同様に、開放状態における開口面積を固定の開口部材において、精度良く決定することが可能であるが、短焦点側にある場合には、開放状態における開口部を遮光羽根の内縁部によって形成することとなるために、遮光羽根の開閉用駆動レバーが開側ストッパ部に衝突する、上記バウンド現象の発生が考えられ、開口面積の精度に悪影響を与え、露光量の精度にも影響を与えてしまうという問題が生ずることとなる。
【0021】
また、低輝度時等において行なわれるストロボ等の使用時には、遮光羽根の開放状態においてのみ、ストロボ発光動作が行なわれる必要がある。このような場合に、遮光羽根の開閉用駆動レバーにバウンド現象が発生すると、開放状態における開口面積が安定しないので、ストロボ発光のタイミングを規制してしまうことも考えられる。
【0022】
以上述べたように、上記ズーム連動開口部可変遮光装置における問題点は、3枚以上の複数の遮光羽根を有する遮光装置に対して、変倍動作に連動して開口部を変位させるようにする機能を盛り込もうとする場合にも、同様に生じるものである。
【0023】
他方、上記実開平2−55224号公報に開示されている手段によれば、シャッタ機構を撮影光学系を構成する焦点調節用レンズ等と一体的に構成する必要があるために、焦点調節用レンズ等が大きくなり重くなってしまうという問題点があると共に、撮影倍率の変倍機能を有するズームレンズ等に適用する場合においては、各構成部材が大型化することにより、占有スペースを多く必要とし、シャッタ機構自体の大型化となってしまうという問題点がある。
【0024】
本発明の目的は、上記従来の問題点を解消するために、4枚の遮光羽根を有する遮光装置において、撮影光学系の変倍機能に連動して開口部を変位させることで、適用される撮影光学系の光学性能を落とすことなく、開放状態における開口部の開口精度を良好に確保することができると共に、適用される撮影光学系の小形化に寄与することのできる遮光装置を提供するにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明による遮光装置は、所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、少なくとも光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される、複数枚の内羽根と、所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記複数枚の内羽根のそれぞれと略重なり合う、複数枚の外羽根と、を具備しており、撮影光束の閉状態から開状態への移動過程の途中において、撮影光束の外周を決定する内縁が、前記内羽根の内縁部から前記外羽根の内縁部に切りかわることを特徴とする。
【0027】
また、上記発明に係る遮光装置は、上記外羽根の移動速度が内羽根の移動速度よりも小さく設定されていることを特徴とする。
【0032】
【実施例】
以下、図示の実施例によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1実施例の遮光装置が適用されたカメラ等の撮影光学系を有するレンズ鏡筒の縦断面図を示すものである。なお、上記カメラの撮影光学系には、変倍機能を有するズームレンズが適用されているものとし、図1において、上半部は上記レンズ鏡筒が広角(ワイド;Wide)側にある状態を、下半部は望遠(テレ;Tele)側にある状態をそれぞれ示しているものである。
【0033】
まず、この第1実施例の遮光装置が適用される上記レンズ鏡筒について、その概略構成を、以下に説明する。
図1に示すように、上記撮影光学系を有するレンズ鏡筒内には、第1群レンズ1と第2群レンズ2が配設されており、この第1、第2群レンズ1,2のそれぞれの位置を、フィルム面(被写体像の結像面)に対して光軸方向に移動させることで、変倍動作が行なわれるようになっていると共に、この変倍動作と独立して、焦点調節用レンズである上記第1群レンズ1のみを光軸方向に移動させることで、焦点調節が行なわれるようになっている。
【0034】
上記第1群レンズ1と第2群レンズ2は、それぞれ第1レンズ保持枠3と第2レンズ保持枠4とによって保持されており、この第1レンズ保持枠3は、互いに固着されて遮光装置17を保持する遮光装置ベース部5,6の間に支持された第1シャフト12によって摺動自在に配設されている。
【0035】
また、上記遮光装置ベース部5には、上記第2レンズ保持枠4に一体的に構成された第2シャフト13が嵌合する貫通孔が設けられている。
【0036】
そして、このレンズ鏡筒を構成するカム枠7、ズーム枠8、ガイド枠9、固定枠10、回転枠11等は、それぞれの内周面もしくは外周面上に設けられた溝部およびカム溝等と、これら各溝等対応するピン等が係合して、上記レンズ鏡筒を構成する各枠等7〜11をガイドすることによって、それぞれが連動し変倍(ズーミング)動作が行なわれることとなる(動作の詳細については、後述する。)。
【0037】
一方、上記遮光装置17は、撮影光学系を通過する撮影光束が入射する開口部16と、この開口部16を遮蔽または開放し光量を制限する複数の遮光羽根と、この遮光羽根を保持するカバー部14と、上記遮光羽根の位置を規定する位置規定手段である開放開口部可変リング15等によって構成されており、上記第1群レンズ1と第2群レンズ2との間において、上記遮光装置ベース部5に支持されて配設されている。
【0038】
このように構成された上記レンズ鏡筒の撮影光学系によって行なわれる変倍(ズーミング)動作、および、焦点調節(フォーカシング)動作の概略について、以下に簡単に説明する。
まず、変倍(ズーミング)動作が行なわれる際には、カメラ本体に回動自在に配設されている回転枠11に対して、カメラ本体内に設けられているズーム駆動手段(図示せず)等によって回転駆動力が伝達されることにより、上記回転枠11が回転される。
【0039】
上記回転枠11の内周面側には光軸と平行に溝部(図示せず)が設けられており、この溝部とカム枠ピン7aが係合していることにより、カム枠7が連動して回転する。
【0040】
また、上記カム枠7のカム枠ピン7bは、カメラ本体に固定されている固定枠10の内周面側に設けられているカム溝(図示せず)と係合しているので、上記カム枠7の回転に連動して光軸方向に移動されることとなる。
【0041】
上記第1群レンズ1を保持する第1レンズ保持枠3は、上述したように、ズーム枠8に固定された上記遮光装置ベース部5,6の間に支持された第1シャフト12に摺動自在に配設されており、上記ズーム枠8は、上記固定枠10の光軸方向への移動に連動するガイド枠9によって光軸方向に直進するようにガイドされている。
【0042】
そして、上記ズーム枠8の内周側に突出して設けられたズーム枠ピン8aが、上記カム枠7の外周面に設けられたカム溝と係合していることにより、上記ズーム枠8は上記カム枠7の回転に連動して、このカム枠7に対して光軸方向に相対的に移動されることとなる。
【0043】
一方、上記第2群レンズ2を保持する第2レンズ保持枠4の外周面上に設けられた第2レンズ保持枠ピン4aは、上記カム枠7の端部の内周面側に設けられたカム溝と係合しており、上記カム枠7の回転に連動して上記第2レンズ保持枠4が回転され、上記カム枠7に対して光軸方向に相対的位置の移動が行なわれることとなる。
【0044】
また、上記第2群レンズ2を保持する第2レンズ保持枠4には、上述のように、上記第2シャフト13の一端部が植設されており、この第2シャフト13の他端部が上記遮光装置ベース部5,6に穿設された貫通孔に嵌合している。これによって、光軸方向に直進するようにガイドされている。
【0045】
このようにして、上記回転枠11の回動動作に連動して、上記固定枠10の内周面カム、カム枠7の外周面カムと内周面カムの形状に従って、上記第1群レンズ1、および、第2群レンズ2が光軸方向に移動されて、上記撮影光学系による変倍(ズーミング)動作が行なわれる。
【0046】
次に、上記レンズ鏡筒の撮影光学系による焦点調節(フォーカシング)動作が行なわれる際には、上述のように焦点調節用レンズである上記第1群レンズ1のみを移動させることとなる。
即ち、上述したように、上記遮光装置ベース部5,6とは互いに固着されており、遮光装置17を保持するようになっていると共に、上記遮光装置ベース部5,6の間には、上記レンズ鏡筒の光軸と平行に上記第1シャフト12が支持されている。そして、この第1シャフト12には、上記第1レンズ保持枠3が光軸方向に摺動自在に配設されている。
【0047】
上記第1レンズ保持枠3が、上記遮光装置ベース部5,6に支持されて、駆動手段(図示せず)等によって駆動されることで、上述の変倍(ズーミング)動作とは独立して、上記第1群レンズ1のみをレンズ鏡筒の光軸方向に移動させることで焦点調節動作が行なわれる。
【0048】
一方、上記レンズ鏡筒内における上記第1実施例の遮光装置17は、上述のように、上記第1群レンズ1と第2群レンズ2との間において、上記遮光装置ベース部5の後方側に配設されている。
【0049】
そして、上記遮光装置17は、上記遮光装置ベース部5,6に固定されている遮光装置駆動手段(図示せず)等によって駆動されることによって、複数の遮光羽根等による開口部16の開閉動作が行なわれるようになっている。
【0050】
つまり、上記遮光装置に配設される複数の遮光羽根(詳細は後述する。)は、上記遮光装置ベース部5の後面側に設けられた基部5aにおいて回動自在に軸支されると共に、上記カバー部14によって挟持され、光軸方向への位置が規定されている。
【0051】
また、上記遮光装置17には、開口部16が設けられており、上記複数の遮光羽根の全開時における開口面積が高精度に確保されるように構成されている。
【0052】
そして、上記カバー部14には、上記遮光羽根の位置を規定する位置規定手段である開放開口部可変リング15が回動自在に支持されており、この開放開口部可変リング15は、上記第2レンズ保持枠4に設けられた駆動ピン4bによって回転駆動される。これによって、上記レンズ鏡筒の変倍(ズーミング)動作に連動して、上記遮光羽根の全開時における開口面積を変更することができるようになっている。
【0053】
図2、図3は、上記第1実施例の遮光装置17の詳細な構成、および、その動作について説明する図であって、図2は、この遮光装置17の開口部16が複数の遮光羽根によって遮蔽されている閉状態を、また、図3は、この遮光装置17の複数の遮光羽根が開口部16の外側に退避された開状態を、それぞれ示す図である。また、図4は、上記第1実施例の遮光装置17の概略構成を示す図であって、上述の図1における遮光装置17近傍を拡大して示す要部拡大縦断面図である。
【0054】
なお、後述するように、この第1実施例の遮光装置においては、一対の内羽根と一対の外羽根との4枚の遮光羽根を有しており、これらが互いに逆方向に移動されることによって、開口部16を開閉するようになっているものであるが、図2、図3においては、図面の繁雑化を避けるために、上記一対の内羽根と上記一対の外羽根とを、それぞれ一方の側のみ図示し、他方の側については、略対称位置に配設されるものとして、その図示を省略している。
【0055】
図2〜図4に示すように、この第1実施例の遮光装置17は、互いに逆方向に移動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内の光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される一対の内羽根17b,17c(図2、図3においては、実線によって示している。)と、互いに逆方向に移動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記一対の内羽根17bと略重なり合う一対の外羽根17a,17d(図2、図3においては、破線によって示している。)とを有しており、上記一対の内羽根17b,17c、および、上記一対の外羽根17a,17dの光軸方向における配置は、図4に示すように、光軸方向、即ち、上記遮光装置ベース部5の基部5a側よりフィルム面(被写体結像面)側に向けて、外羽根17a、内羽根17b、内羽根17c、外羽根17dの順に配置されている。
【0056】
上記4枚の遮光羽根、即ち、上記一対の内羽根および一対の外羽根17a〜17dは、上記遮光装置ベース部5の基部5aに、それぞれの回転中心18a〜18dにおいて回動自在に軸支されている。
【0057】
また、上記4枚の遮光羽根には、上記回転中心18a〜18dの近傍にカム溝がそれぞれ穿設されている。即ち、図2、図3においては、内羽根17bにおいて内羽根カムであるカム溝13bが、外羽根17aにおいて外羽根カムであるカム溝13aがそれぞれ穿設されており、また、図2、図3において図示されていない他の遮光羽根である内羽根17cと外羽根17dには、それぞれカム溝13c,13dが穿設されている。
【0058】
そして、上記カム溝13a〜13dは、羽根駆動レバー19の一端部に植設されている駆動ピン20によって同軸上に係合されている。これによって、上記羽根駆動レバー19を駆動する駆動手段(図示せず)等により、羽根駆動レバー19がその回転軸19aを中心として駆動されることで、上記4枚の遮光羽根は、各回転中心18a〜18dを中心として同時に回動されて、上記4枚の遮光羽根は、開口部16を開閉するようになっている。
【0059】
このとき、上記一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dのうち、図2、図3に図示されている内羽根17bと外羽根17aは、上記回転中心18b,18aを中心に、閉動作の際には反時計方向にそれぞれ回動して開口部16を遮蔽し、開動作の際には時計方向にそれぞれ回動して開口部16の外側に退避して重ね合わされることで開口部16を開放する一方、図2、図3に図示されていない内羽根17cと外羽根17dは、上記回転中心18c,18dを中心に、閉動作の際には時計方向に回動して開口部16を遮蔽し、開動作の際には反時計方向にそれぞれ回動して開口部16の外側に退避して重ね合わされることで開口部16を開放するようになっている。
【0060】
なお、上記4枚の遮光羽根によって、開口部16を遮蔽する際に、その開口面積が大きい場合においては、上記一対の外羽根17a,17dの内縁部によって絞り開口が決定されることとなる。
【0061】
一方、上記4枚の遮光羽根によって開口部16を遮蔽する際に、その開口面積を小さくする場合(小絞り時)においては、上記一対の内羽根17b,17cの内縁部によって絞り開口が形成されることとなるが、このとき、開口面積を小さくする程、遮光羽根同士の隙間における漏光の影響を受けやすくなる傾向がある。また、遮光装置においては、一般に遮光羽根の枚数を増加させることによって、上記漏光が増大する可能性が生じやすくなる傾向にある。
【0062】
そこで、この第1実施例の遮光装置17においては、上述のように、小絞り時における開口部16が、上記一対の内羽根17b,17cの内縁部によって形成される場合において、上記一対の内羽根17b,17cを互いに隣接するように配置して、上記小絞り時に発生する漏光を減少させるようになっている。
【0063】
また、上記一対の内羽根17b,17cの先端部は、開状態においても常に重なる状態を確保されるような形状となっており、上記4枚の遮光羽根の重なり順序は、常に確保されるようになっている。
【0064】
また、図5は、上記遮光装置17を支持する遮光装置ベース部5の羽根駆動レバー19側から見た際の概略図である。なお、図5についても、図面の繁雑化を避けるために、上記4枚の遮光羽根17a〜17dを駆動する羽根駆動レバー19の配置のみを示し、他の部材については省略して図示している。
【0065】
図4、図5に示すように、上記羽根駆動レバー19は、上記遮光装置ベース部5の基部5aにおいて、上記遮光羽根17a〜17dが配設されている側とは反対側の面において、回転軸19aを中心として回動自在に支持されており、上記駆動ピン20は、上記遮光装置ベース部5の基部5aに設けられた孔部5bを貫通して、上述したように、上記4枚の遮光羽根17a〜17dのカム溝13a〜13dと係合されることで構成されている。
【0066】
そして、上記羽根駆動レバー19が駆動手段(図示せず)等によって駆動され、これに伴って上記駆動ピン20が回動される際に、上記遮光装置ベース部5の基部5aに設けられた上記孔部5bの上端部(開側ストッパ部O)と下端部(閉側ストッパ部C)とに、上記駆動ピン20が当接することで位置決めがなされるようになっており、これによって、この駆動ピン20に係合する上記各遮光羽根17a〜17dによって決定される開口部16の開閉がなされる際の開状態と閉状態との位置が規定されるようになっている。
【0067】
また、図4に示すように、上記遮光装置ベース部5の一端側に支持されているカバー部14に対し、位置規定手段である開放開口部可変リング15が回動自在に支持されており、この開放開口部可変リング15は、上述の図1に示すように、上記第2レンズ保持枠4に設けられた駆動ピン4bによって回転駆動される。
【0068】
これにより、上記開放開口部可変リング15は、変倍(ズーミング)動作が行なわれる際には、上記第1レンズ保持枠3(第1群レンズ1)と一体的に移動するようになっている。
【0069】
ここで、上記第1、第2群レンズ1,2は、上述したように、変倍動作に伴って、その光軸方向の位置が変位することとなるが、これと共に、上記第1、第2群レンズ1,2の相対的な間隔も変化するので、この第1、第2群レンズ1,2の間隔は、上記変倍動作時におけるズーミング位置に対応して一義的に決定されるような構成となっている。
【0070】
即ち、変倍(ズーミング)動作時における、上記第1群レンズ1と一体的に移動する開放開口部可変リング15と、上記第2レンズ保持枠4の駆動ピン4bの光軸方向における相対的な位置関係は、ズーミング位置に対応して一義的に決定されることとなる。
【0071】
さらに、上記第2レンズ保持枠4の駆動ピン4bと、上記開放開口部可変リング15とが係合する部分においては、その係合部がテーパー状に構成されており、上記開放開口部可変リング15と、上記第2レンズ保持枠4の駆動ピン4bの光軸方向の相対的な位置に応じて、上記開放開口部可変リング15の回転方向の位置を変更することができるようになっている。従って、上記開放開口部可変リング15の回転方向における位置も、ズーミング位置に対応して一義的に決定されるようになっている。
【0072】
また、図6、図7は、上記撮影光学系により変倍動作が行なわれる際の開放開口部可変リング15と羽根駆動レバー19の位置関係を示す図であって、図6は、撮影光学系が望遠(テレ)側にあるときの開放開口部可変リング15の状態を示す図であり、図7は、撮影光学系が広角(ワイド)側にあるときの開放開口部可変リング15の状態を示す図である。
【0073】
この図6、図7によって、上記遮光装置17の変倍動作が行なわれる際の開放開口部可変リング15と羽根駆動レバー19の位置関係について、以下に説明する。
【0074】
まず、図6に示すように、上記撮影光学系が望遠(テレ)側にある場合には、開放開口部可変リング15に設けられている開放開口部可変カム15aと駆動ピン20の相対的な位置関係は、上記開放開口部可変カム15aが、遮光装置ベース部5の全開ストッパ位置Oより外側に位置している。従って、上記駆動ピン20は、開放開口部可変リング15の影響を受けずに、遮光装置ベース部5の孔部5bによって、その位置決めがなされるようになっている。
【0075】
一方、図6の状態から、上記撮影光学系を広角側に変倍動作が行なわれると、上記開放開口部可変リング15は反時計方向に回動されて、図7に示す状態となり、上記撮影光学系は広角側に移動する。この状態では、上記開放開口部可変リング15の開放開口部可変カム15aと駆動ピン20の相対的な位置関係は、上記開放開口部可変カム15aが、遮光装置ベース部5の全開ストッパ位置Oより内径側に位置している。従って、上記駆動ピン20は、全開ストッパ位置Oに当接する以前に、開放開口部可変カム15aに当接し、これによって、その位置が規定され、上述の全開ストッパ位置Oよりも、閉側に寄った位置で停止することになる。
【0076】
従って、上記羽根駆動レバー19によって開閉される上記4枚の遮光羽根も、開口部16より完全に退避することなく、開口部16の周辺部を遮蔽した状態で開動作を停止することとなり、その開口面積は、上記図6によって説明した望遠時の開口部16よりも小さい開口面積となるように設定されることとなる。
【0077】
なお、上述のように、図6、図7においては、変倍動作時において、望遠側と広角側の両端部における位置関係について説明しているが、その中間のズーム位置においても、開放開口部可変カム15aの形状を変更することによって、その中間位置における開口部16における絞り開口の大きさを任意に設定するようにすることが可能である。
【0078】
このように上記一対の外羽根17aの開状態における位置を規定し、上記撮影光学系の変倍(ズーミング)動作に連動して、この位置を変更するようにした位置規定手段である開放開口部可変リング15を配設し、これを、撮影光学系の変倍(ズーミング)動作に連動させて、上記4枚の遮光羽根の全開時における絞り開口の面積を、任意に変化させるような構成となっている。
【0079】
ところで、上述したように、上記一対の内羽根17b,17cは、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束のうち光軸近傍の光束、即ち、上記開口部16の中心部付近を遮蔽するようになっており、開状態にあるときは、開口部16の外側、即ち、撮影光束の通過経路上から退避されるようになっている。
【0080】
そして、上記一対の内羽根17b,17cが、閉状態から開状態に移動する際において、その初期段階にあるとき、即ち、開口部16の開口面積が小さいとき(小絞り時)には、上記一対の内羽根17b,17cの内縁部によって絞り開口が形成されるようになっている。
【0081】
また、上記一対の外羽根17a,17dは、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束のうち、主に周辺部の光束、即ち、開口部16の周辺部を遮蔽し、開状態にあるときは、上記一対の内羽根17b,17cと略重なり合うようにして、開口部16の外側、即ち、撮影光束の通過経路上から退避されるようになっている。
【0082】
従って、上記一対の内羽根17b,17cが、全閉状態にある場合と、全開状態にある場合、即ち、開口部16の外側に退避されている状態にある場合との間を回動することにより移動する、即ち、開閉時の移動においては、その移動量および移動速度は、上記一対の外羽根17a,17dに比べて大きくなる。
【0083】
また、上記一対の外羽根17a,17dは、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束のうち、主に周辺部の光束、即ち、開口部16の周辺部を遮蔽し、開状態にあるときは、上記一対の内羽根17b,17cと略重なり合うようにして、開口部16の外側、即ち、撮影光束の通過経路上から退避されるようになっている。
【0084】
閉状態にある場合は、上記一対の内羽根17b,17cの外縁部と、開口部16との間の隙間21(図2参照。)を、上記一対の外羽根17a,17dによって遮蔽するようになっている。
【0085】
従って、閉状態における上記一対の外羽根17a,17dの位置を、上記一対の内羽根17b,17cの位置と比べて、全開時の退避位置に近い位置に設定し、上記一対の外羽根17a,17dの閉状態から開状態へ移動する際の移動量は、上記一対の内羽根17b,17cに比べて小さくなるように設定されている。そして、上記一対の外羽根17a,17dが、羽根駆動レバー19によって駆動される際の移動速度も、上記一対の内羽根17b,17cと比べて低速度で移動するようにされている。
【0086】
図8、図9は、上記羽根駆動レバー19の動作と、上記一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dの動作について概念的に示す図であって、図8は、開口部16に形成される絞り開口の全閉状態から全開状態までの変化を示したものであり、図9は、羽根駆動レバー19が開側ストッパ部Oによって位置規定される際の状態を示しているものである。
【0087】
なお、図8、図9において、横軸には、羽根駆動レバー19の回転位置(回転角)を、縦軸には、一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dの内縁部によって形成される絞り開口の面積の変化を示すものである。
【0088】
また、図8、図9においては、一対の内羽根17b,17cの内縁部によって形成される開口部16の面積変化(A)を実線によって示し、一対の外羽根17a,17dの内縁部によって形成される開口部の面積変化(B)を破線によって、それぞれ示している。
【0089】
この図8、図9によって、上記羽根駆動レバー19の回転角と上記一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dの回転角についての関係を、以下に説明する。
図8に示すように、上記羽根駆動レバー19の動作に従って絞り開口は、上記一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dによって完全に遮蔽されている状態(全閉ストッパ位置)から、主に一対の内羽根17b,17cの内縁部によって絞り開口が形成されている状態(全閉ストッパ位置からθ1までの間。)、さらに、主に一対の外羽根17a,17dの内縁部によって絞り開口が形成されている状態(θ1からθ2までの間。)、そして、一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dが共に、開口部16の外側に退避されている状態(全開ストッパ位置)というように変化することとなる。
【0090】
このとき、一対の内羽根17b,17cと一対の外羽根17a,17dの相対的な動作は、駆動ピン20の軌跡、各遮光羽根の回転中心18a〜18dの位置、各遮光羽根17a〜17dのカム溝13a〜13dの形状等によって総合的に決定されることとなるが、この第1実施例の遮光装置17においては、上述したように、絞り開口の閉状態から開状態への移動過程において、上記一対の内羽根17b,17cが、上記一対の外羽根17a,17dを追い越して移動するように構成されている。
【0091】
また、開口部16の全開時においては、一対の内羽根17b,17cおよび一対の外羽根17a,17dが共に開口部16の外側に退避されるが、この状態においては、一対の内羽根17b,17cと一対の外羽根17a,17dの内縁部および外縁部が、略重なり合うように収納されることが、遮光装置の小型化を行なう上で有利となる。
【0092】
従って、開状態への移動の際に、上記一対の外羽根17a,17dの内縁部を追い越した上記一対の内羽根17b,17cの内縁部が、全開状態において、一対の外羽根17a,17dの内縁部と略重なり合うようにすることが望ましいこととなる。
【0093】
これは、例えば、一対の内羽根17b,17cのカム溝13b,13cを、開口部16の全開状態に相当する部分において屈曲させるような形状とし、羽根駆動レバー19の動作に対して、一対の内羽根17b,17cの移動速度を全開状態に近づくにつれて遅くなるように設定すること等によって可能となる。
【0094】
次に、変倍(ズーミング)動作に応じた開口面積を変位させる場合には、上述したように、変倍(ズーミング)動作に伴って、回転方向に変化する開放開口部可変リング15によって、羽根駆動レバー19の開側ストッパの位置を変更することとなるが、この開側ストッパの変更範囲を、図8において、θ1からθ2の間で設定し、開口部16の開口面積をS1〜S2の範囲で変位させるように設定されている。
【0095】
ここで、上記θ1は、一対の内羽根17b,17cの内縁部が一対の外羽根17a,17dの内縁部を追い越す時点の羽根駆動レバー19の回転位置(回転角)であり、このときの開口面積をS1とする。
【0096】
また、上記θ2は、一対の外羽根17a,17dの内縁部が開口部16の外側に退避される時点の羽根駆動レバー19の回転位置(回転角)であり、このときの開口面積をS2とする。なお、この開口面積S2は、開口部16の全開状態の開口面積に等しいものである。
【0097】
図9は、上記羽根駆動レバー19が開放開口部可変カム15aによって規定された場合の位置をθ3とした場合を例示しており、このときの絞り開口の開口面積は、一対の外羽根17a,17dの内縁部によって形成されている状態であり、上述の開口面積S1,S2の範囲内におけるS3によって決定されることとなる。
【0098】
このとき、図9に示すように、羽根駆動レバー19が開放開口部可変カム15aに衝突するときの衝撃によってバウンドしてしまう可能性があり、この場合においては、一対の内羽根17b,17cと一対の外羽根17a,17dは共に、その位置を変動させることとなる。
【0099】
ここで、上述したように、羽根駆動レバー19の回動量に対して、上記一対の外羽根17a,17dの移動量は、上記一対の内羽根17b,17cの移動量に比べて小さくなるように設定されているので、上記羽根駆動レバー19が開放開口部可変カム15aに衝突する際のバウンド等によって生じる開口面積の変化が露光量等に与える影響が抑えられるようになっている。
【0100】
以上説明したように上記第1実施例によれば、上記開口部16を遮光および開放する一対の遮光羽根を、一対の内羽根17b,17cと一対の外羽根17a,17dの4枚構成としたことで、各遮光羽根自体の大きさをそれぞれ小型化することができると共に、上記開口部16の開状態においては、上記一対の内羽根17b,17cと一対の外羽根17a,17dが互いに重ね合わされて、上記開口部16の外側に退避させるようにしたことで、遮光羽根の退避スペースを小さくすることができる。これにより、遮光装置の小形化に寄与することができると共に、これを適用するレンズ鏡筒全体の小型化にも寄与することができる。
【0101】
また、上記一対の内羽根17b,17cを互いに隣接して配置するようにしたので、小絞り時における漏光を減少させることができる。従って、上記4枚の遮光羽根による光量制御の精度を向上させることができ、複数枚の遮光羽根を有する遮光装置の問題点である、遮光羽根同士の隙間の増加による漏光が増大する問題を最小限に抑えることができる。
【0102】
そして、上記一対の内羽根17b,17cの先端部を伸ばした形状として、開状態における一対の内羽根17b,17c同士は常に重なる状態を確保されるように配置して、さらに、この一対の内羽根17b,17cの両側に一対の外羽根17a,17dをそれぞれを配置するようにしているので、上記4枚の遮光羽根の開閉動作時においても、この4枚の遮光羽根の光軸方向の重なり順序を保持することができるので、常に良好な開閉動作を確保することができる。
【0103】
また、上記第1実施例においては、遮光羽根として、一対の内羽根17b,17cと一対の外羽根17a,17dを設け、一対の内羽根17b,17cにおける移動速度と移動量を一対の外羽根17a,17dよりも大きくし、一対の外羽根17a,17dの開側ストッパの位置を変倍動作に連動して変更でき、よって開口精度の高いズーム可変絞り装置を得ることが可能となる。
【0104】
図10、図11は、本発明の第2実施例の遮光装置の構成、および、動作について説明する図であって、図10は、この遮光装置の開口部が複数の遮光羽根によって遮蔽されている閉状態を、また、図11は、この遮光装置の複数の遮光羽根が開口部の外側に退避された開状態を、それぞれ示す図である。また、図12は、外羽根17Aaに穿設されている外羽根カムであるカム溝13Aa近傍を拡大して示す要部拡大図である。
【0105】
なお、上記第2実施例の遮光装置については、基本的に上述の第1実施例と同様の構成からなっているものであるが、この第2実施例においては、上記一対の外羽根のそれぞれを開方向に付勢し、その開動作の初期以降にこの一対の外羽根を移動させる付勢手段を、さらに具備した点が異なる。従って、上述の第1実施例と同様の部材については、同じ符合を付してその説明を省略する。
【0106】
また、図10、図11においては、上述の第1実施例と同様に、図面の繁雑化を避けるために、上記一対の内羽根と上記一対の外羽根とを、それぞれ一方の側のみ図示し、他方の側については、略対称位置に配設されるものとして、その図示を省略している。また、図12においては、一対の外羽根17Aa,17Adのうち、一方の外羽根17Aaのみについて図示しているが、他方の外羽根17Adについては略対称形状からなっているものであるので、その図示を省略している。
【0107】
図10、図11に示すように、この第2実施例の遮光装置においては、上述の第1実施例と同様に、一対の内羽根17Ab,17Acと一対の外羽根17Aa,17Adとが配設されている。
【0108】
上記一対の内羽根17Ab,17Ac(図10、図11においては、実線によって示している。)は、互いに逆方向に移動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内の光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避されるように構成されており、また、一対の外羽根17Aa,17Ad(図10、図11においては、破線によって示している。)は、互いに逆方向に移動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記一対の内羽根17Abと略重なり合うように構成されている。
【0109】
そして、上記一対の外羽根17Aa,17Adには、付勢手段である付勢バネ22がそれぞれ設けられており、上記一対の外羽根17Aa,17Adを、それぞれ開方向に常に付勢されている。
【0110】
また、図12に示すように、上記遮光羽根の開閉用羽根駆動レバー19の駆動ピン20と係合する上記一対の外羽根17Aa,17Adのカム溝13Aa,13Ad(17Ad,13Adについては図示せず。)は、従来の遮光装置における遮光羽根のカム溝(図12において、点線で示す;符合13)に対して、第1逃げ部24および第2逃げ部25を有する形状となっている。
【0111】
さらに、上記一対の外羽根17Aa,17Adの外縁部には突起部23が設けられており、この突起部23と開放開口部可変リング15(図示せず)の開放開口部可変カム15a(図示せず)とが当接することにより、上述の第1実施例と同様に、撮影光学系の変倍動作に連動して上記一対の外羽根17Aa,17Adの開側ストッパ位置を変位させ、これにより、遮光羽根の全開時における開口面積を変化させることができるようになっている。
【0112】
即ち、上記第2逃げ部25は、上記一対の外羽根17Aa,17Adの開側ストッパ位置が、全開状態より手前に設定されているときに、上記駆動ピン20が退避する空間として形成されているものである。
【0113】
このように構成された上記第2実施例の遮光装置の動作について、以下に説明する。
図13、図14は、上記羽根駆動レバー19の動作に対する、上記一対の内羽根17Ab,17Acおよび上記一対の外羽根17Aa,17Adの動作について概念的に示す図であって、図13は、開口部16の全閉状態から全開状態までの変化を示したものであり、図14は、羽根駆動レバー19が開側ストッパ部によって位置規定される際の状態を示しているものである。
【0114】
なお、図13、図14においては、上述の図8、図9と同様に、横軸には、羽根駆動レバー19の回転位置(回転角)を、縦軸には、一対の内羽根17Ab,17Acおよび一対の外羽根17Aa,17Adの内縁部によって形成される絞り開口の面積の変化を示すものである。
【0115】
また、図13、図14においては、一対の内羽根17Ab,17Acの内縁部によって形成される絞り開口の面積変化(A)を実線によって示し、一対の外羽根17Aa,17Adの内縁部によって形成される絞り開口の面積変化(B)を破線によって、それぞれ示している。
【0116】
まず、上記遮光羽根が閉状態から開状態に移動される場合においては、上記駆動ピン20は、開状態の初期段階において、上記第1逃げ部24とカム結合されることとなる。そして、上記一対の外羽根17Aa,17Adは、上記付勢バネ22の付勢力によって、常に開方向へと付勢されているので、上記一対の外羽根17Aa,17Adの開状態における位置は、上記第1逃げ部24において規定されることとなる。
【0117】
このとき、羽根駆動レバー19の開方向への駆動が開始されると、上記一対の外羽根17Aa,17Adは、付勢バネ22の付勢力によって、上記羽根駆動レバー19の動作に先行して移動し、この状態のまま全開状態となる。
【0118】
また、上記一対の内羽根17Ab,17Acは、カム溝13Ab,13Acにおいて、上記羽根駆動レバー19と常時カム結合しているので、この羽根駆動レバー19の駆動力が伝達されることで、全開状態まで駆動されることとなる。これにより、上記開口部16に形成される絞り開口は、常に一対の内羽根17Ab,17Acの内縁部において、主に形成されることとなる。(図13参照)
一方、上記遮光羽根が開状態から閉状態に移動される場合においては、駆動ピン20と一対の外羽根17Aa,17Adのカム溝13Aa,13Adのカム面26とが係合することによって、上記一対の外羽根17Aa,17Adが、上記付勢バネ22の付勢力に抗して閉方向へと回動されて閉状態に移行することとなる。
【0119】
次に、撮影光学系による変倍動作が行なわれる際に、これに連動させて開口部の開口面積を変位させる場合には、変倍動作に伴って上記一対の外羽根17Aa,17Adの開側ストッパ位置を変位させることとなるが、この場合において、上記一対の外羽根17Aa,17Adの開側ストッパ位置を、羽根駆動レバー19の回転角θ3とし、このときの絞り開口の開口面積をS3とした場合を、図14に例示して、以下に説明する。
【0120】
図14に示すように、一対の外羽根17Aa,17Adが、一対の内羽根17Ab,17Acに先行して移動され、開側ストッパ位置に到達した時点における、上記一対の外羽根17Aa,17Adの内縁部によって形成される絞り開口の開口面積はS3となっているが、この時点に到達するまでは、上記一対の内羽根17Ab,17Acの内縁部によって形成される絞り開口の開口面積の方が、上記S3より小さい状態である。従って、この時点までの絞り開口は、一対の内羽根17Ab,17Acの内縁部によって形成されていることとなる。
【0121】
そして、上記一対の内羽根17Ab,17Acが、羽根駆動レバー19によって、さらに開方向へとに駆動され、上記一対の内羽根17Ab,17Acが、上記一対の外羽根17Aa,17Adを追い越した時点(図14において、羽根駆動レバー回転角θ3以降。)において、上記開口部は全開状態となり、このとき、上記絞り開口は、一対の外羽根17Aa,17Adの内縁部によって形成されていることとなる。
【0122】
従って、図14に示すように、一対の外羽根17Aa,17Adが、開側ストッパ部に衝突し、バウンド現象が発生したとしても、一対の外羽根17Aa,17Adの内縁部によって開口部が形成されるようになるまでには、若干の時間的ズレが存在することとなるので、一対の外羽根17Aa,17Adのバウンド現象が充分減衰して安定してから、上記一対の外羽根17Aa,17Adの内縁部によって絞り開口を形成するようにすることが可能となる。
【0123】
以上説明したように上記第2実施例によれば、上述の第1実施例と同様の効果を得ることができると共に、一対の外羽根17Aa,17Adを常に開方向に付勢する付勢手段である付勢バネ22を配設することで、上記一対の外羽根17Aa,17Adが、開側ストッパ部に衝突した際に生ずるバウンド現象の影響を受けることなく、高精度に開口面積を確保することができる。
【0124】
図15は、本発明の第3実施例の遮光装置が適用されたカメラ等の撮影光学系を有するレンズ鏡筒の縦断面図を示すものである。なお、図15においては、レンズ鏡筒の上半部のみを図示し、略対称形状である下半部は省略している。また、上記レンズ鏡筒は、これを適用するカメラの非撮影時(不使用時、携帯時等)においてリセット位置にセットされる構成のものであって、図15においては、上記レンズ鏡筒が、リセット位置にある状態を示しているものである(詳細は後述する。)。
【0125】
また、図16は、この第3実施例の遮光装置を構成する遮光羽根等について示す図であって、開口部が複数の遮光羽根によって遮蔽されている閉状態を示すものである。なお、図16においては、上述の第1、第2実施例と同様に、図面の繁雑化を避けるために、上記一対の内羽根と上記一対の外羽根とを、それぞれ一方の側のみ図示し、他方の側については、略対称位置に配設されるものとして、その図示を省略している。
【0126】
図15に示すように、第1群レンズ1を保持する第1レンズ保持枠3の後端側に、遮光羽根を係止する係止ピン3aが配設されており、遮光装置ベース部5の基部5aには、上記係止ピン3aと対向する位置において、上記遮光装置ベース部5cを貫通する逃げ孔5cが設けられている。
【0127】
また、図16に示すように、上記係止ピン3aに対応して、外羽根17Baの外縁部において、凹部27が配設されており、上記係止ピン3aが、上記遮光羽根ベース部5を貫通して遮光羽根の回動する平面内に突出する場合に、これに係合するようになっている。
【0128】
そして、遮光羽根の全閉状態において、上記凹部17と係止ピン3aとが係合することによって、外羽根17Baの開方向への回動動作が規制されるようになっている。
【0129】
このようにして、外羽根17Baの開動作が規制されることによって、羽根駆動レバー(図示せず)の回動も規制されると同時に、他の遮光羽根の開動作も規制されることとなり、従って、すべての遮光羽根の開動作が規制されるようになっている。
【0130】
ところで、上述の第1実施例によって説明したように、焦点調整(フォーカシング)動作は、上記第1レンズ保持枠3を、変倍(ズーミング)動作とは独立して、遮光装置ベース部5,6内において、第1シャフト12に沿って光軸方向に摺動させることによって行なわれるが、上記レンズ鏡筒を適用するカメラの非撮影時(不使用時、携帯時等)においては、上記第1レンズ保持枠3は、図15に示すように、遮光装置ベース部5内において、その最後端の位置、即ち、リセット位置にセットされ、このときの状態は、焦点調節時の移動範囲外にある状態である。
【0131】
一方、写真撮影が行なわれる場合には、カメラ本体内からの測距情報等に基いて、上記第1レンズ保持枠3が、焦点調節範囲内に所定量だけ移動された後、遮光装置の開閉動作が行なわれることにより、写真撮影動作が行なわれることとなる。そして、写真撮影動作の終了後に、上記第1レンズ保持枠3は、再びリセット位置に復帰されるようになっている。
【0132】
このように、上記第1レンズ保持枠3がリセット位置にあるときには、上記係止ピン3aが上記遮光装置ベース部5を貫通して、上記遮光羽根の回動平面内に突出するようになっている。
【0133】
従って、この状態において、上記係止ピン3aによる遮光羽根の開動作の規制が行なわれることとなる。
【0134】
即ち、写真撮影が行なわれる際には、上記第1レンズ保持枠3は焦点調節範囲内にある状態であるので、上記係止ピン3aが遮光羽根の回動平面から退避され、通常の遮光羽根開閉動作が行なわれることとなる一方、非撮影時においては、上記第1レンズ保持枠3は焦点調節範囲外にある状態であるので、上記係止ピン3aが遮光羽根の回動平面内に突出することにより、上記遮光羽根の開動作が規制されることとなる。
【0135】
以上説明したように上記第3実施例によれば、上述の第1、第2実施例と同様の効果を得ることができると共に、撮影光学系の変倍位置にかかわらず、非撮影時においては上記第1レンズ保持枠3の係止ピン3aによって、遮光装置の開動作が確実に規制されるようになっているので、例えば、カメラに外力が加わった等の理由によって、不用意に遮光装置が開動作してしまうことによって、開口部が開口され、フィルムが意図しない露光がなされてしまう等といった事故を防止することができる。
【0136】
以上詳述した実施例においては、羽根駆動レバーによって互いに逆方向に移動される一対の内羽根、一対の外羽根によって構成されるシャッタ機構に、本発明の遮光装置を適用した場合について説明したが、例えば、図17、図18に示すように、遮光羽根開閉駆動用リング部材31等によって、複数枚の羽根をそれぞれの回転軸周りに同一方向に回動させて開閉動作を行なうようにしたシャッタ機構に適用することもできる。なお、図17は、このシャッタ機構の遮光羽根の閉状態を示しており、また、図18は、上記シャッタ機構の遮光羽根の開状態を示している。
【0137】
また、内羽根と外羽根はそれぞれ2枚ずつである必要はなく、退避スペースに応じて、内羽根と外羽根の枚数を適宜選択することが可能である。この場合において、内羽根と外羽根の枚数は同一でなくても良く、例えば、内羽根を2枚、外羽根を3枚にし、内羽根のそれぞれを駆動するための負荷を外羽根駆動用の負荷よりも小さくし、内羽根の駆動スピードを速くすることも考えられる。
【0138】
[付記]
(1) 所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、少なくとも光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される、複数枚の内羽根と、
所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記複数枚の内羽根のそれぞれと略重なり合う、複数枚の外羽根と、
上記複数枚の外羽根の開状態における位置を規定し、上記撮影光学系の変倍動作に連動してこの位置を変更する位置規定手段と、
を具備する遮光装置。
【0139】
(2) 所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、少なくとも光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される、複数枚の内羽根と、
所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記複数枚の内羽根のそれぞれと略重なり合う、複数枚の外羽根と、
を具備しており、上記複数枚の内羽根と複数枚の外羽根のそれぞれにおける開閉時の移動量および移動速度は、上記複数枚の内羽根の方が大きく設定されており、開動作時に上記複数枚の内羽根が上記複数枚の外羽根を追い越して移動し、開状態における撮影光束の外周は上記複数枚の外羽根の内縁部により決定されるようにした遮光装置。
【0140】
(3) 所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、少なくとも光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される、複数枚の内羽根と、
所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記複数枚の内羽根のそれぞれと略重なり合う、複数枚の外羽根と、
上記複数枚の内羽根のそれぞれに設けられており、羽根駆動レバーと常時カム結合して、この羽根駆動レバーの駆動力を上記複数枚の内羽根に伝達する内羽根カムと、
上記複数枚の外羽根のそれぞれに設けられており、開動作の初期にのみ羽根駆動レバーとカム結合する外羽根カムと、
上記複数枚の外羽根のそれぞれを開方向に付勢しており、開動作の初期以降にこの複数枚の外羽根を移動させる付勢手段と、
を具備する遮光装置。
【0141】
(4) 付記1または付記3に記載の遮光装置において、
上記複数枚の内羽根と複数枚の外羽根のそれぞれにおける開閉時の移動量は、上記複数枚の内羽根の方が大きく設定されている。
【0142】
(5) 付記1または付記3に記載の遮光装置において、
上記複数枚の内羽根と複数枚の外羽根のそれぞれにおける開閉時の移動速度は、上記複数枚の内羽根の方が大きく設定されている。
【0143】
(6) 付記1または付記3に記載の遮光装置において、
開動作時に上記複数枚の内羽根が上記複数枚の外羽根を追い越して移動し、開状態における撮影光束の外周は上記複数枚の外羽根の内縁部により決定される。
【0144】
(7) 付記1または付記3に記載の遮光装置において、
上記複数枚の内羽根と複数枚の外羽根のそれぞれにおける開閉時の移動量および移動速度は、上記複数枚の内羽根の方が大きく設定されている。
【0145】
(8) 付記1、付記2または付記3に記載の遮光装置において、
上記複数枚の内羽根と複数枚の外羽根のそれぞれにおける開閉時の移動量および移動速度は、上記複数枚の内羽根の方が大きく設定されており、
開動作時に上記複数枚の内羽根が上記複数枚の外羽根を追い越して移動し、開状態における撮影光束の外周は上記複数枚の外羽根の内縁部により決定される。
【0146】
(9) 付記1、付記2または付記3に記載の遮光装置において、
上記複数枚の内羽根のそれぞれは、羽根駆動レバーと常時カム結合して、この羽根駆動レバーの駆動力を上記複数枚の内羽根に伝達する内羽根カムを有している。
【0147】
(10) 付記1または付記3に記載の遮光装置において、
上記複数枚の外羽根のそれぞれは、開動作時の初期にのみ羽根駆動レバーとカム結合する外羽根カムを有する。
【0148】
(11) 付記10に記載の遮光装置において、
上記複数枚の外羽根は開方向に付勢されている。
【0149】
(12) 付記3または付記11に記載の遮光装置において、
上記複数枚の外羽根は、羽根駆動レバーにより付勢手段の付勢力に抗して閉動作される。
【0150】
(13) 付記2または付記3に記載の遮光装置において、
さらに上記複数枚の外羽根の開状態における位置を規定し、上記撮影光学系の変倍動作に連動して、この位置を変更する位置規定手段を有する。
【0151】
(14) 付記1、付記2または付記3に記載の遮光装置において、
撮影光学系は変倍動作とは独立して光軸方向に進退することにより合焦動作を行なう焦点調節用光学系を有し、この焦点調節用光学系が非撮影状態にある場合に、これを保持する焦点調節用鏡枠の一部が上記複数枚の内羽根と複数枚の外羽根の少なくとも一枚に係合し、これらの開動作を規制する。
【0152】
(15) 付記14に記載の遮光装置において、
上記焦点調節用鏡枠の一部は突起によって形成される。
【0153】
(16) 付記14に記載の遮光装置において、
上記焦点調節用光学系は、非撮影状態にある場合は焦点調節時の移動範囲から外れた場所に位置する。
【0154】
(17) 所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される、複数枚の羽根と、
上記複数枚の羽根の開状態における位置を規定し、上記撮影光学系の変倍動作に連動してこの位置を変更する位置規定手段と、
を有する遮光装置において、
上記撮影光学系は、変倍動作とは独立して光軸方向に進退することにより合焦動作を行なう焦点調節用光学系を有し、この焦点調節用光学系が非撮影状態にある場合に、これを保持する焦点調節用鏡枠の一部が上記複数枚の羽根の少なくとも一枚に係合し、これらの開動作を規制するようにした遮光装置。
【0155】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、複数枚の遮光羽根を有する遮光装置において、撮影光学系の変倍機能に連動して開口部を変位させることで、適用する撮影光学系の光学性能を落とすことなく、開放状態における開口部の開口精度を良好に確保することができると共に、適用される撮影光学系の小形化に寄与することのできる遮光装置を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の遮光装置が適用されたカメラ等の撮影光学系を有するレンズ鏡筒の縦断面図。
【図2】上記図1の遮光装置の詳細な構成、および、その動作について説明する図であって、遮光装置の開口部が複数の遮光羽根によって遮蔽されている閉状態を示す図。
【図3】上記図1の遮光装置の詳細な構成、および、その動作について説明する図であって、遮光装置の複数の遮光羽根が開口部の外側に退避された開状態を示す図。
【図4】上記図1の遮光装置の概略構成を示す図であって、上述の図1における遮光装置の近傍を拡大して示す要部拡大縦断面図。
【図5】上記図1の遮光装置を支持する遮光装置ベース部の羽根駆動レバー側から見た際の概略図。
【図6】上記図1の撮影光学系により変倍動作が行なわれる際の開放開口部可変リングと羽根駆動レバーの位置関係を示す図であって、撮影光学系が望遠(テレ)側にあるときの開放開口部可変リングの状態を示す図。
【図7】上記図1の撮影光学系により変倍動作が行なわれる際の開放開口部可変リングと羽根駆動レバーの位置関係を示す図であって、撮影光学系が広角(ワイド)側にあるときの開放開口部可変リングの状態を示す図。
【図8】上記図1の遮光装置の羽根駆動レバーの動作と上記一対の内羽根および一対の外羽根の動作について概念的に示す図であって、開口部の全閉状態から全開状態までの変化を示した図。
【図9】上記図1の遮光装置の羽根駆動レバーの動作と上記一対の内羽根および一対の外羽根の動作について概念的に示す図であって、羽根駆動レバーが開放開口部可変カムによって位置規定される際の状態を示す図。
【図10】本発明の第2実施例の遮光装置の構成、および、その動作について説明する図であって、遮光装置の開口部が複数の遮光羽根によって遮蔽されている閉状態を示す図。
【図11】上記図10の遮光装置の構成、および、その動作について説明する図であって、遮光装置の複数の遮光羽根が開口部の外側に退避された開状態を示す図。
【図12】上記図10の遮光装置の外羽根に穿設されている外羽根カム近傍を拡大して示す要部拡大図。
【図13】上記図10の遮光装置の羽根駆動レバーの動作に対する上記一対の内羽根および一対の外羽根の動作について概念的に示す図であって、開口部の全閉状態から全開状態までの変化を示す図。
【図14】上記図10の遮光装置の羽根駆動レバーの動作に対する上記一対の内羽根および一対の外羽根の動作について概念的に示す図であって、羽根駆動レバーが開側ストッパ部によって位置規定される際の状態を示す図。
【図15】本発明の第3実施例の遮光装置が適用されたカメラ等の撮影光学系を有するレンズ鏡筒の縦断面図。
【図16】上記図15の遮光装置を構成する遮光羽根等について示す図であって、開口部が複数の遮光羽根によって遮蔽されている閉状態を示す図。
【図17】本発明の他の実施例の遮光装置を示す図であって、遮光羽根の閉状態を示す図。
【図18】上記図17の遮光装置における、遮光羽根の開状態を示す図。
【符号の説明】
1……第1群レンズ(撮影光学系)
2……第2群レンズ(撮影光学系)
3……第1レンズ保持枠
4……第2レンズ保持枠
13a,13d……カム溝(外羽根カム)
13b,13c……カム溝(内羽根カム)
16……開口部
17,30……遮光装置
17a,17Aa,17Ba,17d,17Ad,17Bd……一対の外羽根(遮光羽根)
17b,17Ab,17c,17Ac……一対の内羽根(遮光羽根)
19……羽根駆動レバー
20……駆動ピン
22……付勢バネ(付勢手段)
31……遮光羽根開閉駆動用リング部材

Claims (2)

  1. 所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、少なくとも光軸近傍の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避される、複数枚の内羽根と、
    所定の軸回りに回動されることにより開閉され、閉状態にあるときは撮影光学系を通過する撮影光束の内、主に周辺部の光束を遮光し、開状態にあるときは撮影光束の通過経路上から退避され、上記複数枚の内羽根のそれぞれと略重なり合う、複数枚の外羽根と、
    を具備しており、撮影光束の閉状態から開状態への移動過程の途中において、撮影光束の外周を決定する内縁が、前記内羽根の内縁部から前記外羽根の内縁部に切りかわることを特徴とする遮光装置。
  2. 上記外羽根の移動速度が内羽根の移動速度よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1記載の遮光装置。
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