JP3664534B2 - 表面実装型チョークコイル - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、薄形電源装置に用いられる表面実装用チョークコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、チョークコイルは電子機器の軽薄短小のニーズに対応するため、低周波から高周波まで適応可能なタイプに移行してきた。そしてより高周波化を図るために従来からのコアの改良に加え、最近では巻線自身に生じる浮遊容量をいかに低減してより高い高周波インピーダンスを確保するか、またいかに低コストで実現するかが課題となっている。最近開発されたもので、より高い高周波インピーダンスを確保するため巻線材及び巻線方法に改良を加えたものがある。
【0003】
図6乃至図8は従来のチョークコイルを説明するための図である。これらの図において、1は絶縁被膜付き平角線を用いたコイル、2はコア、3、4はコイルの両端の絶縁被膜剥離部、5は端子、6は絶縁被膜剥離部3が接続される接続部、
7は絶縁被膜剥離部4が接続される接続部を示す。
【0004】
図6に示すように、平角線を使用して、平角線の面を接してスパイラル状に積層して巻回する、いわゆるエッジワイズ巻きしてコイル1を構成し、その後絶縁被膜剥離部3、4の加工を施す。このコイル1に図7に示すようにコア2を挿入して固着し、図8に示す端子5の接続部6に絶縁被膜剥離部3を、接続部7に絶縁被膜剥離部4をそれぞれスポット溶接してチョークコイルを完成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のチョークコイルにあっては、絶縁被膜剥離部3、4に端子5をスポット溶接していたので、その接続部分の直流抵抗が数10mmΩあり、効率が悪かった。またコイルの引き出しにあたっては、コイルがコアの角部とすれることにより、絶縁被膜が剥離して、コアとの短絡事故が生じるため、この短絡事故を防止するためにコイルをコアの内側面に平行に引き出さなければならず、加工精度が要求されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、上記課題を解決するために、エッジワイズ巻きした絶縁被膜付き平角線からなるコイルと、コアと、該コアに係合される絶縁物からなる端子支持部材とを備えると共に、該端子支持部材に上記コイルの絶縁被膜剥離部を丸めて巻き付けることにより端子を構成し、上記端子支持部材は、コア固定部と、コイル固定部と、該コル固定部の両側に等間隔でコア固定部をコイル寄りにくの字状に橋絡するコイル巻き付け部とからなることを特徴とする表面実装型チョークコイルを提供するものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記コイル巻き付け部には、コイルと向き合う面に切り欠き部が形成されており、コイルの絶縁被膜剥離部を下部から上部に巻き付けて、外れないように上部で止めて端子としたとき、コイル巻き付け部の周囲が絶縁被膜剥離部によってほぼ同じ厚さになっていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型チョークコイルを提供するものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記コイル固定部には、コイルと向き合う面にコの字状の凹部が形成されており、この凹部にコイルが挿入されることによりコイルが固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の表面実装型チョークコイルを提供するものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記コア固定部には、コアと向き合う面に突起が形成されており、該突起がコアの内側に両側から密着していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表面実装型チョークコイルを提供するものである。
【0011】
請求項5に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記コア固定部には、コアと向き合う面の外側の角の面を削るような形でテーパが形成されており、該テーパの先端とコアとで形成される切り欠き部に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表面実装型チョークコイルを提供するものである。
【0012】
請求項6に記載の発明は、上記課題を解決するために、上記コイル固定部及びコア固定部には、上記コイル巻き付け部に略直角になるようにテーパが形成されており、コイルの絶縁被膜剥離部は該テーパに沿う方向でコイル巻き付け部に巻かれていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の表面実装型チョークコイルを提供するものである。
【0013】
【実施例】
図1乃至図5は、本発明の一実施例を説明するための図である。
これらの図において、8は樹脂等の絶縁物からなる端子支持部材、9、10はそれぞれコイルの絶縁被膜剥離部3、4が巻き付けられて端子を構成するコイル巻き付け部、11は端子支持部材8とコア2、及びコア同士を接着して、コイル1、コア2、及び端子支持部材8を一体化する接着剤を示す。
【0014】
端子支持部材8は、コイル固定部12と、コア固定部13、14と、コイル固定部の両側に等間隔でコア固定部をくの字状に橋絡するコイル巻き付け部9、10とからなる。
【0015】
コイル巻き付け部9、10には、図3に示すように、コイルと向き合う面に切り欠き部15、16が形成されており、図5に示すようなエッジワイズ巻きした平角線からなるコイル1の絶縁被膜剥離部3、4を下部から上部に巻き付けて、外れないように上部で止めて端子としたとき、上部の厚みに平角線の厚みが加わって、上部と下部がほぼ同じ厚さになるようになっている。
【0016】
コイル固定部12には、コイルと向き合う面にコの字状の凹部17が形成されており、この凹部にコイルが挿入されることによりコイルが固定される。また、凹部17の反対面には両隅の角を削るような形でコイル巻き付け部9、10にほぼ直角になるようにテーパ18が形成されており、コイルの絶縁被膜剥離部3、4はテーパ18に沿う方向でコイル巻き付け部9.10に巻かれる。
【0017】
コア固定部13、14には、コアと向き合う面にそれぞれ突起19、20が形成されており、この突起がコアの内側に両側から密着することにより、端子支持部材8とコア2との位置決めが確実に行われる。
【0018】
コア固定部13、14には、コアと向き合う面の内側の角の面を削るような形でコイル巻き付け部9、10にほぼ直角になるようにテーパ21、22が形成されており、コイルの絶縁被膜剥離部3、4は、図4、図5に示すように、テーパ21、22に沿う方向で内側に引き出され、コイル巻き付け部9.10に巻かれる。
【0019】
コア固定部13、14には、コアと向き合う面の外側の角の面を削るような形でテーパ23、24が形成されており、そのテーパの先端とコア2とで形成される切り欠き部に図2及び図4に示すように接着剤11が塗布され、端子支持部材8とコア2、及びコア同士が固定される。このようにテーパ23、24を形成することにより、接着剤が切り欠き部に浸入して良く接着することができると共に、
接着剤がテーパとコアとで構成される切り欠き部からはみ出さないようにすることにより、完成品としてのチョークコイルの外観の形状を一定のものにすることができる。
【0020】
以上述べたように、チョークコイルを組み立てる際に、端子支持部材8とコア2との位置決めが確実に行われるので、チョークコイルの四隅の位置合わせが容易にでき、面実装部品として基板に搭載する場合の位置合わせを容易に行うことができ、基板に正しく配置することができる。
【0021】
チョークコイルは次のような順序で組み立てられる。
【0022】
先ず、エッジワイズ巻きした平角線からなるコイル1を凹部17に挿入しながら、内側に引き出したコイルの絶縁被膜剥離部3、4を、図2乃至図5に示すようにテーパ18、21、22にほぼ平行に、それぞれコイル巻き付け部9、10に下部から上部に巻き付けて、外れないように上部で止めて端子とする。
【0023】
このように、凹部17にコイルが挿入されていることと、コイル巻き付け部にコイルの絶縁被膜剥離部3、4が巻き付けられていることにより、コイルと端子支持部材とは容易に固定され、一体化される。
【0024】
次に、固定され、一体化されたコイルと端子支持部材とを、端子支持部材の突起19、20をコア2の内側へ両側から差し込むようにして、端子支持部材をコアに取り付けると共に、コイルをコアに組み込む。
【0025】
次に、テーパ23、24の先端とコア2とで形成される切り欠き部に、その切り欠き部からはみ出さないように、図2及び図4に示すように接着剤11を塗布して、端子支持部材8とコア、及びコア同士を固定する。
【0026】
次に、コアの内側面とコイルとの間に図4に示すように接着剤11を塗布して、
端子支持部材の固定されていない側のコア同士を固定するか、或いはテープまたは金具を使用することによりコア同士を固定して、コイル、コア、及び端子支持部材を一体化させる。このようにして、チョークコイルが完成される。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0028】
(1)コイルの絶縁被膜剥離部を樹脂等の絶縁物からなる端子支持部材に巻き付けることにより、コイルの絶縁被膜剥離部自身を端子としているので、絶縁被膜剥離部に端子を溶接、或いは半田付けする必要がなくなると共に、溶接、或いは半田付けによるコイルと端子との接続部の直流抵抗がなくなり、効率が向上する。
【0029】
(2)コイルの絶縁被膜剥離部を端子支持部材の下部から上部に向かう向きに巻き付けているので、基板との接続部である端子支持部材の下部までのコイルの引き出し部の長さが短くなり、直流抵抗が低減するので、効率が向上する。
【0030】
(3)コイルの絶縁被膜剥離部を端子としているにかかわらず、コイルをコイル固定部の凹部に挿入し、絶縁被膜剥離部を端子支持部材に巻き付けることにより、コイルの引き出し部が固定されて強固になり、機械搭載に耐える強度を有することとなるので、テーピングまたはトレイに収納でき、マウンタによる基板への搭載ができる。
【0031】
(4)コイルの絶縁被膜剥離部はコイル固定部及びコア固定部に形成されたテーパに沿う方向でコイル巻き付け部に巻かれるので、コイルは内側に向かって引き出せばよいこととなり、コアとの短絡事故のおそれがなくなるので、引き出しにあたって従来のような精度が要求されず、組み立てが容易になる。
【0032】
(5)端子支持部材のコア固定部に形成されている突起がコアの内側に両側から密着することにより、端子支持部材とコアとの位置決めが確実に行われるので、
チョークコイルの四隅の位置合わせが容易にでき、面実装部品として基板に搭載する場合の位置合わせを容易に行うことができ、基板に正しく配置することができる。
Claims (6)
- エッジワイズ巻きした絶縁被膜付き平角線からなるコイルと、コアと、該コアに係合される絶縁物からなる端子支持部材とを備えると共に、該端子支持部材に上記コイルの絶縁被膜剥離部を丸めて巻き付けることにより端子を構成し、
上記端子支持部材は、コア固定部と、コイル固定部と、該コル固定部の両側に等間隔でコア固定部をコイル寄りにくの字状に橋絡するコイル巻き付け部とからなることを特徴とする表面実装型チョークコイル。 - 上記コイル巻き付け部には、コイルと向き合う面に切り欠き部が形成されており、コイルの絶縁被膜剥離部を下部から上部に巻き付けて、外れないように上部で止めて端子としたとき、コイル巻き付け部の周囲が絶縁被膜剥離部によってほぼ同じ厚さになっていることを特徴とする請求項1に記載の表面実装型チョークコイル。
- 上記コイル固定部には、コイルと向き合う面にコの字状の凹部が形成されており、この凹部にコイルが挿入されることによりコイルが固定されることを特徴とする請求項1または2に記載の表面実装型チョークコイル。
- 上記コア固定部には、コアと向き合う面に突起が形成されており、該突起がコアの内側に両側から密着していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の表面実装型チョークコイル。
- 上記コア固定部には、コアと向き合う面の外側の角の面を削るような形でテーパが形成されており、該テーパの先端とコアとで形成される切り欠き部に接着剤が塗布されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の表面実装型チョークコイル。
- 上記コイル固定部及びコア固定部には、上記コイル巻き付け部に略直角になるようにテーパが形成されており、コイルの絶縁被膜剥離部は該テーパに沿う方向でコイル巻き付け部に巻かれていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の表面実装型チョークコイル。
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JP31365395A JP3664534B2 (ja) | 1995-11-07 | 1995-11-07 | 表面実装型チョークコイル |
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JP3204243B2 (ja) * | 1999-03-12 | 2001-09-04 | 株式会社村田製作所 | 表面実装型コイル部品 |
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1995
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