JP3663521B2 - 地盤埋設用アンカーの頭部シール構造 - Google Patents

地盤埋設用アンカーの頭部シール構造 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、地滑り防止のための斜面安定、建築物の転倒防止などに用いられる地盤埋設用アンカーの頭部シール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
地盤埋設用アンカーとしては、例えば実公平3−29385号公報に示すように、コンクリート構造物より地盤に孔をあけ、その孔に引張鋼線を挿入して注入材で固定し、その引張鋼線をアンカーヘッドに固定し、引張鋼線によりコンクリート構造物を地盤(法面)に固定して地盤の地滑りを防止するようにしたものが知られている。
【0003】
このような地盤埋設用アンカーにおいては孔の入口部分、つまり頭部より雨水や地下水が内部に浸入しないようにシールする必要があり、その頭部のシール構造としては例えば特公平4−43526号公報に示すものが知られている。
【0004】
つまり、図1に示すように地盤1、コンクリート構造物2より穿孔した孔3内に引張鋼線4を挿入し、その引張鋼線4をコルゲートシース5で被覆し、そのコルゲートシース5の頭部寄りに鍔付きシース6を捩じ込み、その鍔7を受環8と支圧板9の間で固定し、コルゲートシース5と鍔付きシース6との間の空間にシール材10を充填してシールし、引張鋼線4をアンカーヘッド11で固定している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかるシール構造であると、コルゲートシース5と鍔付きシース6との間の空間にシール材10を充填するのは、狭い孔3内で行なうので、そのシール材10の充填作業がやりづらく、作業効率が低下する。
【0006】
また、鍔付きシース6は受環8と支圧板9との間で挟持され、その支圧板9はアンカーヘッド11を介して引張鋼線4の引張力に見合う力でコンクリート構造物2に押しつけられて保持されているので、引張鋼線4の図示しないジャッキによる緊張作業時に鍔付きシース6や支圧板9などを正しい位置に保持するのが困難であり、前述のように鍔付きシース6を受環8と支圧板9で正しく挟持できないことがあってシール性能の信頼性が悪いものとなる。
【0007】
そこで、本発明は前述の課題を解決できるようにした地盤埋設用アンカーの頭部シール構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
コルゲートシース25内に引張鋼線26を挿入したアンカーテンドン30を、コンクリート構造物21の孔22及び地盤23の孔24内に挿入して固定し、その引張鋼線26をコンクリート構造物21の孔22の開口縁に設けたアンカーヘッド32に引張り固定した地盤埋設用アンカーにおいて、
軸方向一端部に、外周面にねじ部43を有する金具42が、そのねじ部43が軸方向一端面より突出して固着され、軸方向他端部に螺旋状孔41を有するシール部材40をコンクリート構造物21の孔22に設け、その螺旋状孔41をコルゲートシース25の端部に螺合して連結し、補助支圧板44のねじ孔45を金具42のねじ部43に螺合して補助支圧板44をシール部材40の軸方向一端面とコンクリート構造物21の孔22開口縁に設けた支圧板31に押しつけ、この補助支圧板44に設けたアンカーヘッド32に前記引張鋼線26を引張り固定した地盤埋設用アンカーの頭部シール構造。
【0009】
【作 用】
シール部材40をコルゲートシース25に螺合すると共に、補助支圧板44を金具42のねじ部43に螺合することで頭部をシールでき、そのシール作業が簡単となるし、補助支圧板44が支圧板31をコンクリート面に押し付け、支圧板31の位置が固定されるので、引張鋼線26を緊張するときの作業性が良く、またシール性能が損なわれることがない。
【0010】
【実 施 例】
図2に示すように、法面20にコンクリート構造物21が設けられ、このコンクリート構造物21の孔22より地盤23に孔24が穿孔してあり、その孔24内にはコルゲートシース25と、その内部に挿入した引張鋼線26とアンカー止水材27とエンドキャップ28と注入パイプ29等より成るアンカーテンドン30が挿入され、そのコルゲートシース25内部及びコルゲートシース25と孔24との間にセメントミルクの注入材が注入充填してあり、そのアンカーテンドン30は定着長部30−1、自由長部30−2を有し、頭部はシールしてあると共に、引張鋼線26の頭部寄りが支圧板31、アンカーヘッド32で緊張固定され、ヘッドキャップ33でカバーされている。
【0011】
次にシール構造を図3に基づいて説明する。
コルゲートシース25は例えば合成樹脂製で螺旋状をなし、そのコルゲートシース25の頭部寄り外周面には円筒状のシール部材40の螺旋状孔41が螺合され、その円筒状のシール部材40には筒状の金具42が固着され、その金具42におけるシール部材40の軸方向一端面より突出したねじ部43に補助支圧板44のねじ孔45が螺合されて補助支圧板44が前記支圧板31に接し、かつシール部材40の軸方向一端部に形成したリング状の突起46が補助支圧板44に圧接して補助支圧板44とシール部材40との間をシールしている。
【0012】
次にシール部材40の具体形状を図4に基づいて説明する。
シール部材40はNBR等の弾性体より成り、軸方向一端部40aの外周面が真円形状で軸方向他端部40bの外周面が順次小径となった外周面がテーパ状の筒状体となり、その軸方向一端部40aの内周面における軸方向中間部には環状突起47が一体的に形成され、この環状突起47よりも軸方向他端寄りの内周面には軸方向一端部40aから軸方向他端部40bに向けて順次大径となったテーパ状の螺旋状孔41が形成され、その螺旋状孔41の軸方向一端部40a寄りには一対の突条片48が軸方向に亘って直線状で径方向に相対向して一体的に設けてあり、この突条片48によりシール部材40の螺旋状部41とコルゲートシース25の螺合部より浸入した雨水が内部に入り込まないようにしてあり、シール部材40の内周面における軸方向一端開口縁40cは環状に凹み、シール部材40の軸方向一端部が薄肉となって前記リング状の突起46を形成している。
【0013】
つまり、コルゲートシース25の螺旋状部とシール部材40の螺旋状孔41との螺合部は加工誤差などにより隙間が生じ、その隙間より浸入した雨水がシール部材40の螺旋状孔41に沿って内部に入り込むことがあるが、前記突条片48によって前記浸入した雨水が水切りされて螺旋状孔41に沿って内部まで入り込むことが防止される。
【0014】
前記金具42の外周面は大径外周面42aと小径外周面42bにより段付き形状となり、その小径外周面42bにねじ部43が形成され、その大径外周面42aが前記シール部材40の軸方向一端部40a寄りの内周面に加硫焼付等により固着され、ねじ部43の大部分がシール部材40の軸方向一端面(突起46)より突出している。なお、シール部材40の軸方向一端面にリング状の突起46を周方向に連続して一体的に設けてシール部材40の軸方向一端部をリング状の突起46としても良い。
【0015】
このようであるから、補助支圧板44のねじ孔45を金具42のねじ部43に螺合すると共に、螺旋状孔41をコルゲートシース25に螺合することでコルゲートシース25とシール部材40と補助支圧板44が連結され、その補助支圧板44が支圧板31に接するようになるし、シール部材40の突起46が補助支圧板44に圧着して補助支圧板44とシール部材40との間が確実にシールされる。
【0016】
また、金具42の外周面にねじ部43を形成し、そのねじ部43に補助支圧板44のねじ孔45を螺合し、引張鋼線26は金具42の内部を挿通してアンカーヘッド32に引張り固定されるので、シール部材40の外径は金具42の内径を基準として決定され、シール部材40が必要以上に大径とならない。
つまり、引張鋼線26の径、本数はあらかじめ決定されているから、それにより金具42の内径が決定され、その金具42の強度上必要とする肉厚とシール部材40の強度上必要とする肉厚によってシール部材40の外径が決定されるからシール部材40が必要以上に大径とならない。
【0017】
また、支圧板31の径もシール部材40の外径によって決定されるので、支圧板31の径も必要以上に大きくならず、支圧板31の肉厚を薄くできる。
【0018】
次に施工順序を説明する。
コンクリート構造物21の孔22より削孔機械を用いて地盤23に孔24を穿孔しながら、その孔24に図示しないケーシングを挿入する。
【0019】
予め組み立てたアンカーテンドン30を前記ケーシング内に挿入し、注入パイプ29よりコルゲートシース25とケーシングとの間に注入材を注入すると共に、図示しない内部注入パイプよりコルゲートシース25内に注入材を注入しながら前記ケーシングを引き抜きする。
【0020】
注入した注入材が固まった後にコルゲートシース25を適切な位置で切断し、補助支圧板44のねじ孔45を金具42のねじ部43に螺合して補助支圧板44をシール部材40の突起46に圧着し、この状態でシール部材40をコンクリート構造物21の孔22に入れて螺旋状孔41をコルゲートシース25に螺合し補助支圧板44で支圧板31をコンクリート構造物21に押しつける。この時シール部材40の螺旋状孔41とコルゲートシース25との間にグリース等の止水材を塗布しても良い。
【0021】
前記シール部材40の内部に防錆油を充填したのち補助支圧板44にアンカーヘッド32を設けて引張鋼線26を図示しないジャッキで引張って固着し、その反力で補助支圧板44を支圧板31に圧着する。なお、シール部材40の螺旋状孔41をコルゲートシース25に螺合した後に補助支圧板44を螺合しても良い。
【0022】
コンクリート構造物21の孔22を構成するアフタースリーブ49とコルゲートシース25、シール部材40との間に図示しない2次注入パイプにより注入材を注入し、ヘッドキャップ33を取付ける。
【0023】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、シール部材40をコルゲートシース25に螺合すると共に、補助支圧板44を金具42に螺合することで頭部をシールでき、そのシール作業が簡単となる。
しかも、補助支圧板44をシール部材40の金具42に螺合することでコルゲートシース25、シール部材40、補助支圧板44が連結され、その補助支圧板44で支圧板31をコンクリート面に押し付け固定した状態でアンカーヘッド32を設け、引張鋼線26の緊張作業を行なえるから、その緊張作業の作業性が良く、また緊張作業時に頭部のシール性能が損なわれることがなくシール性能の信頼性が向上する。
さらに、金具42の外周面に形成したねじ部43に補助支圧板44のねじ孔45を螺合し、その金具42内に引張鋼線26を挿通したので、シール部材40の外径は金具42の内径に基づいて決定され、必要以上に大径とならないから、支圧板31を小径で厚さを薄くすることができる。
【0024】
請求項2の発明によれば、シール部材40とコルゲートシース25の螺合部に浸入した雨水を突条片48で水切りしてシール部材40の内部まで浸入することを防止できるし、突起46でシール部材40と補助支圧板44との間をシールできて頭部のシール性が優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の断面図である。
【図2】本発明の実施例を示す全体断面図である。
【図3】シール部の拡大断面図である。
【図4】シール部材の具体形状を示す断面図である。
【符号の説明】
21…コンクリート構造物、22…孔、23…地盤、24…孔、25…コルゲートシース、26…引張鋼線、31…支圧板、32…アンカーヘッド、40…シール部材、41…螺旋状溝、42…金具、43…ねじ部、44…補助支圧板、45…ねじ孔、46…突起、48…突条片。

Claims (2)

  1. コルゲートシース25内に引張鋼線26を挿入したアンカーテンドン30を、コンクリート構造物21の孔22及び地盤23の孔24内に挿入して固定し、その引張鋼線26をコンクリート構造物21の孔22の開口縁に設けたアンカーヘッド32に引張り固定した地盤埋設用アンカーにおいて、
    軸方向一端部に、外周面にねじ部43を有する金具42が、そのねじ部43が軸方向一端面より突出して固着され、軸方向他端部に螺旋状孔41を有するシール部材40をコンクリート構造物21の孔22に設け、その螺旋状孔41をコルゲートシース25の端部に螺合して連結し、補助支圧板44のねじ孔45を金具42のねじ部43に螺合して補助支圧板44をシール部材40の軸方向一端面とコンクリート構造物21の孔22開口縁に設けた支圧板31に押しつけ、この補助支圧板44に設けたアンカーヘッド32に前記引張鋼線26を引張り固定したことを特徴とする地盤埋設用アンカーの頭部シール構造。
  2. 前記シール部材40の螺旋状孔41の一端寄りに突条片48を軸方向に向けて一体的に設け、そのシール部材40の軸方向一端部をリング状の突起46とし、その突起46を補助支圧板44に圧着した請求項1記載の地盤埋設用アンカーの頭部シール構造。
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