JP3659288B2 - 電子部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、Na成分及び/又はCa成分を含有する表面層を有する電子部品素体にマーキングを形成した電子部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面が誘電体磁器やガラス保護膜で形成された電子部品素体、例えば積層セラミックコンデンサ、誘電体フィルタ、積層LCフィルタ、トリマーコンデンサの誘電体ロータ、誘電体多層配線基板、チップ抵抗器の表面には、位置決め、端子電極の極性、規格・特性などを、所定形状・文字・記号などのマーキングや機械的な構造で示していた。
【0003】
マーキングで示す例として、主に、下地となる表面層の色彩と異なる色彩となる着色料や顔料などを含む低融点ガラス粉末、メチルセルロースやブチラールなどの有機樹脂,有機溶剤などを混合したマーキングペーストを用意し、焼成処理された誘電体磁器やガラス保護膜上に、所定形状に印刷を行い、さらに焼き付けを行って形成していた。たとえば、チップ抵抗器の場合には、セラミック基板上に端子電極を焼き付け、次に、厚膜抵抗体膜を焼き付け、続いて、ガラス保護膜を焼きけを行い、最後に、ガラス保護膜上にマーキングペーストにより特性などを示す文字・記号の塗布膜を形成し、焼き付け処理を行いマーキングを形成していた。(例えば、特開平7−45472、特開平8−316084など)。
【0004】
また、機械的な構造によるマーキング機能を達成させる例としては、積層型電子部品において、表層誘電体層の一層目のみに機械的な切り込みや打ち抜きを形成していた(特開平7−45472)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
先の従来技術のように、一般にマーキングを形成するためには、電子部品素体の形成に必要な焼成工程とは、別に、マーキング塗布膜を別途焼成処理を行っていた。これにより、焼成工程回数が増えて、製造効率の悪化のみならず、熱履歴回数の増加により、電子部品素子の特性に変動を与えてしまうことがあった。
【0006】
また、積層LCフィルタやトリマーコンデンサの誘電体ロータなどの誘電体磁器の表面に、マーキングペーストを所定形状に印刷し、焼成処理をおこなうと、焼成中にマーキングペーストの成分が拡散してしまい、その結果、誘電体磁器の特性を変質させてしまう。さらに、マーキング塗布膜と、誘電体磁器との熱膨張係数差により、焼き付けられたマーキングの周囲の誘電体磁器にクラック・反りが発生したり、マーキングそのものが誘電体磁器から剥離してしまうことがあった。
【0007】
また、電子部品素体の製造工程の最終の焼成工程で、マーキング塗布膜を同時に焼成することも考えられるが、上述のように誘電体磁器の特性の変質が顕著となり、さらに、電子部品素体の焼結収縮挙動とマーキング塗布膜の焼結収縮挙動があわず、電子部品素体の表面に反りが発生してしまうことが多い。
【0008】
また、他の技術技術のように、表層の誘電体層のみに切り込みや打ち抜きを形成する構造では、製造工程が煩雑となり、マーキング機能としての表現に限界があった。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、Na成分、Ca成分を含有する表面層を有する電子部品素体のマーキング構造であり、電子部品素体にクラック、反りなどを発生させることなく、しかも、電子部品素体自身の特性を変動させることがない電子部品を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の電子部品は、電子部品素体の表面に、マーキングを有した表面層を、前記電子部品素体と一体的に焼結することにより形成してなる電子部品において、前記表面層がNa成分及び/又はCa成分を含有してなり、前記マーキングが、前記表面層上に塗布されたマーキングペースト中のAg成分を前記表面層中のNa成分及び/又はCa成分とイオン交換して局部的に拡散させるとともに、該拡散したAg成分を酸化させることにより着色・形成されたものであることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】
本発明では、表面層に存在するNa成分、例えばNa2 OやCa成分、例えばCaOなどが表面層に含有された電子部品素体の表面に、銀化合物を有するマーキングが形成される。この時、電子部品素体側のNa成分のNaイオンやCa成分のCaイオンと銀成分の銀イオンとがイオン交換されて、焼成処理前のマーキングは、表面層の局部的に拡散された銀成分の焼成により形成されることになる。
【0012】
従って、表面層中に銀成分が化学的に安定して拡散されるため、電子部品素体との同時焼結によってマーキングを形成しても、誘電体磁器の変質を抑制し、また、両者の焼結収縮挙動の影響による反りが緩和されることになる。焼成工程の回数が減少し、熱履歴が少なくなるため、特性的にも安定した電子部品となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマーキングを有する電子部品を図面に基づいて詳説する。
【0014】
図1は本発明のマーキングを有する電子部品の外観図、図2は電子部品の分解斜視図を示す。尚、電子部品として、複数の誘電体層を積層し、この誘電体層間にコンデンサ電極パターン及びコイルパターンを兼ねた電極パターンが配置されたLCフィルタで説明する。
【0015】
図において、LCフィルタなどの電子部品は、複数の誘電体層1a〜1gを積層し、その誘電体層1a〜1gの層間に電極パターン2a〜2f、3a〜3eが形成されて成る積層本体1と、積層本体1の端面に形成された端子電極6〜9とから構成されている。そして、積層本体1の表面には、極性を示すためのマーキング10が形成されている。
【0016】
積層本体1を構成する誘電体層1a〜1eは、TiO2 、Nd2 3 、BaTiO3 を主成分とする誘電体材料からなり、特に、誘電体層1aには、少なくともNa2 OなどのNa成分やCaOなどのCa成分を含んでいる。尚、これらの成分はガラスとして含んでいる。
【0017】
また、誘電体層1a〜1eの層間には、電極パターン2a〜2f、3a〜3eが配置されており、また、絶縁層1b〜1fには、電極パターン2a〜2eを電気的に接続するビアホール導体4・・・、5・・・が形成されている。
【0018】
ここで、電極パターン2a〜2eは概略コ字状に、また、電極パターン2fと島状に形状に形成された信号側パターンであり、ビアホール導体4を介して、所定ターンの信号側コイルを形成する。また、電極パターン3b〜3eは概略コ字状に、電極パターン3aは概略s字状に形成されたグランド側パターンであり、ビアホール導体5を介して、所定ターンのグランド側コイルを形成する。また、電極パターン2a〜2fと電極パターン3a〜3eとは、その間に存在する誘電体層1b〜1fを介して互いに対向するように配置されており、その間で一定値の容量成分が発生することになる。
【0019】
従って、積層本体1内に配置された電極パターン2a〜2f、電極パターン3a〜3eによって、信号側のコイル、グランド側のコイル及びそのコイル間に発生する容量成分が発生し、これにより、分布定数側のLCフィルタが構成されている。
【0020】
このような電極パターン2a〜2f、3a〜3e、ビアホール導体4・・・、5・・・は、Ag系(Ag単体またはAg合金)導体によって形成されている。
【0021】
積層本体1の端面には、2つのコイルに接続する3つの端子電極6〜9が形成されている。例えば、積層本体1の短辺側の一方の端面には、信号側のコイルの一端、即ち電極パターン2aの一部に接続する端子電極6が形成されている。また、積層本体1の短辺側の他方の端面には、信号側のコイルの他端、即ち電極パターン2fの一部に接続する端子電極7が形成されている。さらに、積層本体1の長辺側の一方の端面には、グランド側のコイルの一端、即ち電極パターン3aの一部に接続する端子電極8が形成されている。尚、プリント配線基板上の実装性を考慮して、積層本体1の長辺側の他方の端面にダミー端子電極9が形成されている。このダミー端子電極9と端子電極8とを積層本体1の裏面を介して接続しても構わない。
【0022】
これら端子電極6〜9は、Ag系導電材料からなる下地導体膜と、該下地導体膜の表面に被着されたNiや半田などのメッキ被膜から構成されている。
【0023】
積層本体1の表面には、誘電体層1aに局部的に含浸した銀成分を焼成して得られたマーキング10が形成されている。このマーキング10は、端子電極6、7の極性(方向性)を示すものであり、図では、積層本体1の端子電極6寄りの表層に形成されている。
【0024】
このマーキング10は、積層本体1を焼成処理される前の状態で、所定マーキングペーストを用いて印刷塗布され、積層本体1の焼成時に同時焼成されて形成されることになる。
【0025】
マーキング10を形成するためのマーキングペーストは、炭酸銀などの銀化合物と助剤と有機バインダー、有機溶剤を均質混合して形成されている。
【0026】
そして、少なくともNa成分やCa成分を含む未焼成状態の誘電体層1a上に、上述のマーキングペーストを用いて印刷塗布すると、塗布されたマーキング塗布膜の銀化合物と未焼成状態の誘電体層1aのNa成分やCa成分とが化学的反応を起こし、マーキング塗布膜側の銀イオンと誘電体層1a側のNaイオンやCaイオンとがイオン交換を行う。そして、銀成分が未焼成状態の誘電体層1aに局部的に拡散されることになる。
【0027】
この状態で、積層本体の焼成工程で、表層の誘電体層中に拡散された銀成分が一体的に焼き付けされることになる。これより、銀成分は酸化して、薄緑色の誘電体磁器の表面に、黒灰色となり、明瞭なマーキング10となる。
【0028】
ここで、マーキング10を構成する銀成分が誘電体層1a側のNaイオンやCaイオンの交換によって含浸されたため、化学的に非常に安定した状態となる。
【0029】
従って、誘電体層1aの焼結収縮挙動の影響と追随でき、同一焼結工程で簡単にマーキングを形成しても、クラックや反りが発生することがない。
【0030】
次に、上述の実施例のLCフィルタの製造方法を簡単に説明する。
【0031】
まず、誘電体層1a 〜1gとなる誘電体グリーンシート、電極パターン2a〜2f、3a〜3e、ビアホール導体4、5を形成する導電性ペースト、マーキングペーストを用意する。
【0032】
誘電体層1a 〜1gとなる誘電体グリーンシートは、TiO2 ,Nd2 3 ,BaTiO3 を用いて、TiO2 :Nd2 3 :BaTiO3 =38:36:25となるように秤量し、混合体に、CaO及びNa2 O(それぞれ同量ずつ)を含むカラス粉末を1〜10重量部添加し、仮焼・粉砕して、有機バインダー、有機溶剤を混合して誘電体スラリーを形成した。このスラリーをドクターブレード法などでテープ成形し、所定サイズのシートに裁断して誘電体グリーンシートを作成する。
【0033】
また、電極パターンとなる導電性ペーストは、Pd系、Ag系、Cu系、その合金を主成分とする銀系導体粉末と、必要に応じて低融点ガラスフリットと、有機樹脂、有機溶剤を均質混練して形成した。
【0034】
マーキングペーストは、炭酸銀と助剤のFe2 3 、Cr2 3 、CuOなどからなる無機フィラーとを炭酸銀:無機フィラー=1:2となるように秤量混合した。次に、この混合物にメチルセルロースやブチラールなどの有機樹脂とBCAなどの有機溶剤を添加してロール法などで混練しペーストとした。
【0035】
まず、各誘電体層1b〜1gからなる誘電体グリーンシートに、ビアホール導体4、5となる所定位置にスルーホールをパンチング加工により形成した。
【0036】
次に、各誘電体層1b〜1gからなる誘電体グリーンシートに形成したスルーホールに上述の導電性ペーストを充填するとともに、各誘電体層1b〜1gとなるグリーンシート上に、電極パターン2a〜2f、電極パターン3a〜3eとなる導体膜を、上述の導電性ペーストの印刷、乾燥により形成する。
【0037】
次に、誘電体層1aとなるグリーンシート上にマーキングペーストを用いて、マーキング10となる塗布膜を印刷する。
【0038】
次に、上述の処理を施した複数の誘電体層1a〜1gとなるグリーンシートを順次積層して熱圧着を行い、大型グリーンシート積層体を形成する。
【0039】
その後、大型グリーンシートを所定形状に裁断し、特に、切断した端面から電極パターン2a、2f、3aの一部が露出するようにする。
【0040】
次に、このグリーンシート積層体を焼成処理を行う。この焼成処理は、脱バインダー工程、焼成工程とからなっている。この焼成処理により、各誘電体層1a〜1gとなるグリーンシート、電極パターン2a〜2f、3a〜3eとなる導体膜、ビアホール導体4、5となる導体、マーキング10となる塗布膜が一体的に焼結されることになる。その後、積層本体1の端部から電極パータン2a、2f、3aを完全に露出するためにバレル研磨を行う。
【0041】
このようにして得られた積層本体1の例えば短辺側の各端面に端子電極6、7を、長辺側の端面の中央部分に端子電極8、9をAgなどの導電性ペーストを塗布、転写などの厚膜手法により形成して、所定の温度で焼き付けを行う。その後必要に応じて、Agなどの下地導体膜上にNi又はSnもしくは半田メッキを施す。
【0042】
上述の構造のLCフィルタにおいては、マーキング10は、積層本体1の表層となる誘電体層1aとなるグリーンシート上に、直接マーキングペーストを用いて印刷されて、グリーンシートの積層後、グリーンシートの積層本の焼結されて形成される。即ち、グリーンシート上にマーキングペーストを塗布すると、マーキングペースト中に炭酸銀などの銀化合物が、グリーンシート中に含有するNa成分のNa2 OやCa成分のCaOのガラス成分と化学的反応し、炭酸銀のAgイオンとNa2 OのNaイオンやCaOのCaイオンとがイオン化傾向の違いによりイオン交換し、誘電体層1aどなるグリーンシート中に、銀成分が局部的に拡散される。そして、この状態で積層本体1とともに銀成分が焼成される。従って、マーキング10となる銀成分が誘電体層1aに同化(化学的に安定して拡散)して形成されるため、マーキング10の周囲の誘電体層1aにクラックを発生させたり、また、反りを発生させたりすることなく、安定的に形成することができる。
【0043】
しかも、誘電体層1aに銀成分がイオン交換によって拡散するが、根本的に内部に電極パターンに銀を主成分とする導体を有する電子部品であることから理解できるように、銀成分のイオン交換による拡散程度では、誘電体層1aの特性が大きく変質させることがなく、良好な比誘電率、品質係数Q値、絶縁抵抗を実用的な値が維持できる。尚、焼成によって誘電体層1aに残属する焼成物、例えば、銀とイオン交換されたNa成分やCa成分の焼成物は、上述のバレル研磨によって除去されることになる。
【0044】
本発明者は、より良い着色を得られる誘電体層1aとマーキング10の組み合わせを調べるために、誘電体層1aどなるグリーンシートに含有するNa成分、例えばNa2 OやCa成分、例えばCaOなどのガラスの添加量と、マーキングペースト中の炭酸銀の量との関係を調べた。
【0045】
尚、マーキング10が形成される誘電体層1aは、上述したようにTiO2 、Nd2 3 、BaTiO3 が夫々=38:36:25となるような秤量し、混合した酸化物に、CaOとびNa2 Oのガラス粉末とを夫々同量ずつ合計で0〜15.0重量部の範囲で添加してなるグリーンシートを用いた。また、マーキングペーストとして、固定成分(100重量%)中の炭酸銀の重量比率を0〜55.6重量% の範囲で変更させて、マーキング10を形成した。
【0046】
そして、比誘電率、品質係数Q値、絶縁抵抗を測定し、さらに、焼成後の着色と反りやクラックの有無を調べた。尚、実用に供される誘電体材料の目標値を、比誘電率が70以上、晶質係数Q値が1000以上、絶縁抵抗が1×104 MΩ・cm以上とした。着色度合いは「バツ」は目視による確認が非常に難しいものであり、「三角印」は目視による確認は可能であるものの、光学的認識装置により認識エラーが発生する可能性があるものであり、「丸印」は、光学的認識装置により認識でも完全に読み取れるものを示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003659288
【0048】
上述の試料番号1は、マーキングを施さない状態の誘電体層1aの特性を示している。試料番号2は、誘電体層1aに銀成分とイオン交換しえるNa成分やCa成分を存在しない誘電体層にマーキングペースト中の固形成分中、炭酸銀を55.6重量%(ペースト中炭酸銀が25重量%、Fe2 3 、Cr2 3 、CuOなどの無機フィラーが20重量%、有機ビヒクル55重量%)のペーストで局部的に塗布し焼成したものである。これは、単に、グリーンシート上にマーキングペーストを塗布して、積層本体1と同時に焼成した状態である。このとき、マーキングペースト中の銀成分の焼結収縮挙動と、誘電体層1aの焼結収縮挙動が大きく相違してしまい、積層本体1にクラックや反りが発生してしまう。また、そのまま、銀成分が焼成されるだけであり、焼成後のマーキング10は手でこすっただけで剥離するものであり、実用に供することができないマーキングとなる。
【0049】
試料番号3〜15においては、誘電体層1aとなるグリーンシートにNa成分やCa成分が含有しているため、マーキングペーストの炭酸銀とイオン交換され、また、誘電体層1aの焼成収縮挙動に影響されず、また、影響せず、積層本体1にクラックや反りが発生しないものとなる。
【0050】
しかし、試料番号3、4、5においては、誘電体層1aとなるグリーンシート側のNa成分やCa成分が少ないため、十分な量の銀成分が拡散されず、その結果、光学的読み取り装置でエラーなく読み取り可能な着色には至らない。しかし、目視による確認が可能なマーキングであるため、実用上問題はない。
【0051】
また、試料番号15のように、誘電体層1aとなるグリーンシートのNa成分及びCa成分が10重量部を越えて添加すると、根本的に誘電体層自体の特性が劣化してしまい、結局、実用に供しないLCフィルタとなってしまう。
【0052】
以上のことから、誘電体層自身の特性を損なわないためには、Na成分、Ca成分、例えば、Na2 OやCaOの添加量は、10.0重量部までとしるす。また、誘電体層側のクラックや反りを考慮し、また、マーキングの認識性を考慮した場合には、マーキングペーストの固形成分中の炭酸銀の重量比率は、20.0〜44.4重量%の範囲に設定し、しかも、マーキングペースト中の炭酸銀とNa成分やCa成分との安定したイオン交換により誘電体磁器への銀成分の拡散を達成するためには、Na成分やCa成分、例えば、Na2 OやCaOの添加量は、1.0重量部以上が必要である。
【0053】
以上をまとめると、Na2 OやCaOなどのNa成分やCa成分を1.0〜10.0重量部含有する表面層を有する電子部品素体に、該表面層と一体的に焼結されて成る炭酸銀を、マーキングの固形成分中20.0〜44.4重量%含有するマーキング部材を形成した電子部品である。
【0054】
上述の実施例では、誘電体層1a〜1eの全ての層にNa2 OやCaO成分が含有されているが、少なくともマーキング10を形成する表面の誘電体層1aを構成する材料のみに、Na2 OやCaO成分を含有させておいても構わない。
【0055】
また、電子部品素体自身の特性に変質を与えない範囲でNa2 OやCaO成分を含有させた絶縁性磁器層を表面に用いた電子部品、例えば回路基板に、上述のマーキング10を形成してもよい。また、表面に、誘電体磁器層や絶縁性磁器層を有する電子部品以外に、Na2 OやCaO成分を含有させたガラス保護膜を表面に用いた電子部品、例えばチップ抵抗器などにこのマーキング10を形成してもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、Na成分又はCa成分を含有する表面層を有する電子部品素体に、前記Na成分のNaイオン又はCa成分のCaイオンとイオン交換される銀化合物を用いて表層に銀成分を含むマーキングを形成した。
【0057】
このため、マーキングを形成するためのみの焼成工程が不要となり、製造工程が簡略化する。また、マーキングを構成する銀成分が、実質的に表面のNa成分やCa成分のイオン交換によって形成されることになるため、電子部品素体の焼結収縮挙動との差異が抑制され、マーキングの周囲のクラックや反りを防止できる。
【0058】
質的に機能、特性に影響を与えることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマーキングを有する電子部品の外観斜視図である。
【図2】本発明のマーキングを有する電子部品の分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・・・・・・・・積層本体
1a〜1e・・・・・・誘電体層
2a〜2f・・・・・信号側の電極パターン
3a〜3e・・・・グランド側の電極パターン
4、5・・・・・・・・ビアホール導体
6〜9・・・・・・・・端子電極
10・・・・・・マーキング

Claims (1)

  1. 電子部品素体の表面に、マーキングを有した表面層を、前記電子部品素体と一体的に焼結することにより形成してなる電子部品において、
    前記表面層がNa成分及び/又はCa成分を含有してな
    前記マーキングが前記表面層上に塗布されたマーキングペースト中のAg成分を前記表面層中のNa成分及び/又はCa成分とイオン交換して局部的に拡散させるとともに、該拡散したAg成分を酸化させることにより着色・形成されたものであることを特徴とする電子部品。
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