JPH06224556A - 低温焼成多層基板 - Google Patents

低温焼成多層基板

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JPH06224556A
JPH06224556A JP5011531A JP1153193A JPH06224556A JP H06224556 A JPH06224556 A JP H06224556A JP 5011531 A JP5011531 A JP 5011531A JP 1153193 A JP1153193 A JP 1153193A JP H06224556 A JPH06224556 A JP H06224556A
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JP
Japan
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organic
conductive paste
organic resin
organic vehicle
internal wiring
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JP5011531A
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English (en)
Inventor
Shunichi Kuwa
俊一 久和
Masaru Makino
勝 槙野
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)
  • Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、印刷作業性、印刷直線性に優れ、
且つ低温で焼結しても、有機樹脂、それを含む有機ビヒ
クルの残存によるボイド等の内部欠陥がない低温焼成多
層基板を提供する。 【構成】本発明は、ガラス−セラミックから成る絶縁層
間に低抵抗の金属材料から成る内部配線を配した低温焼
成多層基板において、前記内部配線は、固形成分である
少なくとも導電性粉末と、有機樹脂及び有機溶剤から成
る有機ビヒクルとから成り、有機ビヒクルの合計が固形
成分100重量部に対して35〜45重量%であり、有
機樹脂が固形成分100重量部に対して 1.0〜4.
5重量%から成る導電性ペーストを焼成して形成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子機器に利用される低
温焼成多層基板、例えば、多層回路基板、積層コイル、
積層コンデンサ及びそれらを含む積層部品に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】例えば、チップ状積層コイルは、セラミッ
ク多層配線基板同様に、内部配線であるコイルパターン
を形成したセラミックグリーンシートを複数積層して、
一体焼結していた。
【0003】従来は、セラミックとして、アルミナなど
1300℃前後で焼結可能な基板材料を用いていたた
め、その一体焼結されるコイルパターンの材料として、
高融点金属材料、例えばパラジウム、モリブデン、タン
グステンなどを用いる必要があった。しかし、上述の高
融点金属材料は、導電率が比較的に低いなどの問題を有
していた。
【0004】このため、近年、内部配線、コイルパター
ンに、金、銀、銅などの低抵抗の材料が用いられ、同時
に、基板材料として、これらの金属の融点よりも低い例
えば900℃で焼成可能なガラス−セラミックが用いら
れ、低温で一体焼結が行われている。
【0005】このような低温焼成可能な多層基板に使用
される内部配線用導電性ペーストは、固形成分である
金、銀、銅などの低抵抗金属材料の導電性粉末と、有機
ビヒクルとを均質混練して形成される。この有機ビヒク
ルは、重量平均分子量が7.2×104 〜2.1×10
5 のエチルセルロースなどの高分子有機樹脂と、2.
2.4−トリメチルー1.3−ペンタンジオールモノイ
ソブチレート等の有機溶剤から成っている。
【0006】一般に、有機樹脂は、空気中で450〜5
50℃でほとんど分解され、また、溶剤の沸点も230
℃以下であり、低温焼成多層基板に用いても、一体焼結
過程で、有機ビヒクルは完全に焼失されるものと考えら
れていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、空気中で45
0〜550℃で分解される有機樹脂であっても、内部配
線がグリーンシート間に積層挟持されているため、空気
が不足した状態になり、その分解温度が約100℃上昇
してしまい、さらに、基板材料として、低温焼成可能に
するために、アルミナなどの無機物フィラーと、SiO
2 −Al2 3 −B2 3 −MgO系などのガラスフリ
ットと(無機物フィラーが例えば30wt%、ガラスフ
リットが70wt%)が混合されており、基板材料のガ
ラスが約600℃で軟化流動を開始してしまう。このた
め、有機樹脂の一部は、ガラスの軟化流動前に完全に分
解されることができないため、焼成後の配線パターンの
近傍に、ボイドが発生してしまうことがある。
【0008】また、溶剤についても同様であり、グリー
ンシート間から完全に焼失される前に、基板材料のガラ
ス成分の軟化流動が開始されるため、焼成後の基板間に
取り残され、顕著な場合には、内部配線を取り囲むよう
にボイドが発生してしまうことがあった。
【0009】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、固形成分に対する有機樹脂
及び有機樹脂を含む有機ビヒクルの量を適正化して、導
電性ペーストがスクリーンのメッシュ目から簡単に通り
抜ける、即ち印刷作業性を向上させ、さらにグリーンシ
ート上でニジミ等などの発生のない、即ち印刷直線性が
優れ、且つ基板とともに焼成しても、積層した基板内に
取り残されることがなく、ボイドが一切発生しない低温
焼成多層基板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明は、ガラス−セラミックから成る絶縁層間
に低抵抗の金属材料から成る内部配線を配した低温焼成
多層基板において、前記内部配線は、導電性粉末を主成
分とする固形成分と、有機樹脂及び有機溶剤から成る有
機ビヒクルとから成り、有機ビヒクルの合計が固形成分
100重量部に対して35〜45重量%であり、有機樹
脂が固形成分100重量部に対して 1.0〜4.5重
量%から成る導電性ペーストを焼成して形成されている
ことを特徴とする低温焼成多層基板である。
【0011】
【作用】本発明によれば、ガラス成分と無機物フィラー
とを混合して成るガラス−セラミックグリーンシート上
に、内部配線用導電性ペーストを印刷し、複数のグリー
ンシートを積層圧着して、一体焼結しても、導電性ペー
ストの固形成分に対して、有機ビヒクルが35〜45w
t%であるため、上述の印刷工程で導電性ペーストがス
クリーンメッシュに通過可能な粘度とすることができ、
また、焼成工程で、基板材料のガラス成分が軟化流動す
る前に完全に積層基板から焼失できるようになる。ま
た、有機ビヒクルを構成する有機樹脂が、固形成分に対
して1.0〜4.5wt%であるため、印刷直線性が維
持でき、しかも焼成過程で、基板材料のガラス成分が軟
化流動する前に完全に分解されることになる。
【0012】従って、上述の導電性ペーストを印刷する
際、そのスクリーンメッシュから容易に通過でき、さら
にグリーンシート上にニジミなどがなく印刷直線性が維
持でき、さらに、焼成工程でガラス成分が軟化流動する
前に、有機樹脂及びそれを含む有機ビヒクルが完全に焼
失できるため、焼成後に内部配線の周囲にボイドが一切
発生しない。
【0013】有機樹脂が、固形成分100重量部に対し
て1.0wt%未満であると、導電性ペースト全体の粘
度が低くなりすぎ、スクリーンに通過しても、グリーン
シート上に、印刷した状態で維持できなくなり、印刷直
線性が大きく劣化する。また、同4.5wt%を越える
と、基板材料のガラス成分の軟化流動する以前に、完全
に分解できず、内部配線の近傍にボイドが発生してしま
う。
【0014】有機ビヒクルが、固形成分100重量部に
対して35wt%未満であると、導電性ペーストが粘土
状態となってしまい、根本的に印刷が不可能となってし
まう。また、同45wt%を越えると、導電性ペースト
全体の粘度が低くなりすぎ、スクリーンに通過しても、
グリーンシート上に、印刷した状態で維持することが困
難となり、また、焼成過程で、完全に有機ビヒクルを焼
失させることができず、内部配線の周囲に広範囲にわた
り、ボイドが発生してしまう。
【0015】
【実施例】以下、本発明の多層基板を図面に基づいて詳
説する。尚、実施例では、多層基板の一用途である積層
インダクタを用いて説明する。
【0016】図において、積層インダクタ10は、絶縁
層1a、1b・・・と、内部配線であるコイルパターン
2・・・とから成る積層体1及び該積層体1の対向する
端面に形成した端子電極3a、3bとから構成されてい
る。
【0017】積層体1は、図2に示すように、絶縁層1
a〜1zが積層され、上部側から上部マージン部Y1
コイル部X、下部マージン部Y2 から構成されている。
【0018】上部マジーン部Y1 は、絶縁層1a〜1d
で構成され、コイル部Xで発生した磁束に磁路となる領
域を確保するものである。
【0019】コイル部Xを構成する絶縁層1dと1e、
1eと1f、・・・1vと1wとの間には、所定ターン
量のコイルパターン2e〜2wが形成されている。
【0020】コイルパターン2eの一端は、絶縁層1e
の端部にまで延出しており、その他端は、絶縁層1eの
厚み方向に形成したビアホール導体4eを介して、絶縁
層1f上に形成したコイルパターン2fの一端に接続し
ている。また、コイルパターン2fの他端は、絶縁層1
fの厚み方向に形成したビアホール導体4fを介して、
絶縁層1g上に形成したコイルパターン2gの一端に接
続しており、同様に、コイルパターン1vの他端は、絶
縁層1vの厚み方向に形成したビアホール導体4vを介
して、絶縁層1w上に形成したコイルパターン2wの一
端に接続しており、コイルパターン2wの他端は、絶縁
層1wの端部にまで延出している。即ち、コイルパター
ン2eの一端からコイルパターン2wの他端まで、一連
に接続し、1つのコイルが形成される。
【0021】下部マジーン部Y2 は、絶縁層1w〜1z
で構成され、コイル部Xで発生した磁束に磁路となる領
域を確保するものである。
【0022】このような構成の積層体1の対向する端面
には、図1に示すように端子電極3a、3bが形成され
ている。即ち、端子電極3aはコイルパターン2eの一
端に接続し、また端子電極3bはコイルパターン2wの
他端に接続される。
【0023】ここで、絶縁層1a〜1zは、は、低温焼
成可能なガラス−セラミック材料、例えばMgO−Si
2 −Al2 3 −B2 3 系、MgO−SiO2 −A
23 −B2 3 −ZnO系、CaO−SiO2 −A
2 3 −B2 3 系、MgO−SiO2 −Al2 3
系、CaO−SiO2 −Al2 3 系、MgO−CaO
−SiO2 −Al2 3 系のガラス成分とアルミナ、ム
ライト、コージェライトなどの無機物フィラーとを主成
分とするグリーンシートから構成される。無機物フィラ
ーは、基板材料の例えば30wt%、ガラス成分は同7
0wt%で混合され、またシートの厚みとして例えば3
5μmである。
【0024】内部配線であるコイルパターン2f〜2w
は、絶縁層1f〜1wとなるグリーンシートの主面に導
電性ペーストをスクリーン印刷法により形成される。導
電性ペーストは、金、銀、銅及びそれらの合金などを主
成分とする導電性粉末(固形成分)と、例えばエチルセ
ルロースなどの有機樹脂、例えば2.2.4−トリメチ
ルー1.3−ペンタンジオールモノイソブチレートなど
の有機溶剤、その他の可塑剤、分散剤などを均質混練さ
れている。尚、必要に応じて、固形成分として、抵抗が
大きくならない範囲で、低融点ガラスフリットを添加し
ても構わない。
【0025】ここで、有機樹脂、有機溶剤などの有機成
分を有機ビヒクルという。
【0026】ビアホール導体4e〜4vは、コイルパタ
ーン2e〜2wを接続するために形成され、具体的には
絶縁層1e〜1vとなるグリーンシート上にスルーホー
ルを形成し、導電性ペーストを充填し、さらに積層体1
と同時に焼成することにより形成される。
【0027】端子電極3a、3bは、焼結された積層体
1の端面、即ち、コイルパターン2eの一端及びコイル
パターン2wの他端が露出する面に、銀系導電性ペース
トの塗布・転写され、焼きつけを行い形成される。尚、
その表面に必要に応じてメッキ処理される。
【0028】次に、上述の積層インダクタ10の製造方
法を説明する。
【0029】先ず、上述のガラス成分と無機物フィラー
を所定量比となるように秤量・混合し、さらに有機ビヒ
クルを加え、ガラス−セラミックペーストを作成する。
このペーストをドクターブレード法や引き上げ法を用い
て、20〜100μm、例えば35μmのテープを作成
する。
【0030】次に、このテープ部材を複数又は1つの積
層インダクタが抽出できる寸法に裁断してガラス−セラ
ミックのグリーンシートを作成する。
【0031】次に、コイル部Xとなるグリーンシート
に、ビアホール導体4e〜4vが形成される位置にスル
ーホールをパンチング加工を行う。そして、ビアホール
導体用導電性ペーストをスクリーン印刷法を用いて、ス
ルーホールに充填する。
【0032】続いて、コイル部Xとなるグリーンシート
に、コイルパターン2e〜2wとなる導体膜を印刷す
る。尚、導電性ペーストの粘度などの特性によっては、
一回のスクリーン印刷工程で、コイルパターン2f〜2
vの導体膜印刷と、スルーホール充填を行っても構わな
い。
【0033】次に、上部マージン部Y1 、コイル部X、
下部マージン部Y2 を考慮して、絶縁層1a〜1zとな
るグリーンシートを順次積層し、圧着を行う。
【0034】その後、未焼成の積層体を、1つのチップ
状の積層体1となるように裁断を行う。
【0035】次に、未焼成の積層体1を、大気雰囲気又
は中性雰囲気で、約900℃で焼成する。尚、焼成工程
は、グリーンシートを形成する絶縁ペースト中に加えら
れた有機ビヒクルや導電性ペースト中の有機ビヒクルを
焼失される脱バイ工程と、グリーンシートの主成分であ
るガラス−セラミックの焼結反応及びコイルパターン2
e〜2w、ビアホール導体4e〜4vを焼結反応を行う
焼結工程から成る。これにより、焼結された積層体1が
完成する。
【0036】次に、積層体1の対向する端面に、銀系導
電性ペーストを用いて、導体膜を塗布し、乾燥、焼きつ
けを行い、端子電極3a、3bを形成する。尚、必要に
応じて表面にメッキ処理を行う。
【0037】尚、上述の実施例において、積層体1の寸
法が大きい多層回路基板のような場合は、焼成前の裁断
は行わず、例えばスナップラインの形成を行い、焼成後
に、機械的応力によってチッピングしても構わない。
【0038】本発明の特徴的なことは、コイルパターン
2e〜2wを形成するための、導電性ペーストとして、
固形成分である導電性粉末と、有機樹脂及び有機溶剤等
とからなる有機ビヒクルとを均質混合されてなるが、特
に、有機ビヒクルを構成する有機樹脂を導電性粉末10
0重量部に対して1.0〜4.5wt%添加し、且つ有
機ビヒクル全体を導電性粉末100重量部に対して35
〜45wt%添加したことである。
【0039】ここで、有機樹脂は、グリーンシート上
に、導電性ペーストを印刷、乾燥した状態で導体膜のレ
ベリング(ニジミなく安定に保たせること)を行うもの
であり、固形成分100重量部に対して1.0wt%未
満になると、印刷直線性が劣化してしまい、ニジミが発
生してしまう。
【0040】また、有機樹脂は、上述の積層体1の焼成
工程で完全に分解されるべきものであるが、同4.5w
t%を越えると、完全に分解されず、コイルパターン2
・・・となる導体膜を挟持するグリーンシート間に残存
してしまい、その結果、焼結後には、積層体1の内部に
特にコイルパターン2・・・の近傍にボイドが発生して
しまう(図3(a)参照)。
【0041】有機ビヒクルは、主に導電性ペーストの粘
度を調整するものであり、固形成分100重量部に対し
て35wt%未満になると、有機ビヒクル不足が生じ
て、粘土状態となってしまい、スクリーンメッシュの目
をペーストが通過できず、印刷作業が不可能となってし
まう。
【0042】また、有機ビヒクルが、固形成分100重
量部に対して45wt%を越えると、相対的に有機ビヒ
クル量が増加してしまい、焼成過程で完全に焼失でき
ず、コイルパターン2・・・となる導体膜を挟持するグ
リーンシート間に残存してしまい、その結果、焼成後に
は、積層体1のコイルパターン2・・・の周囲の広い範
囲にわたり、ボイドが発生してしまう(図3(b)参
照)。
【0043】ここで、図3(a)、図3(b)について
説明すると、夫々の図は、積層体1をコイルパターン2
が露出するように切断して、その切断面を研磨したもの
である。図3(a)においては、コイルパターン2の周
囲に一様にボイドBが発生する。また、図3(b)にい
ては、コイルパターン2の周囲に大きなボイドBが発生
する。このため、特に、図3(b)においては、切断・
研磨を行った際に、この大きなボイドBのため、コイル
パターン2の断面形状が維持できない程になってしま
う。また、図には示していないが、夫々の積層体1の絶
縁層部分にも、ボイドの点在が多く見られる。
【0044】本発明者らは、有機ビヒクル、その有機ビ
ヒクル中の有機樹脂の量を種々変えた導電性ペーストを
用いて、積層インダクタ10を作成し、コイルパターン
2・・・周囲のボイドの発生状況を調べた。
【0045】尚、グリーンシートは、アルミナ30wt
%、ホウ珪酸ガラスフリット70wt%から成り、シー
ト厚みは35μmとして、このシートを60枚積層し
た。また、コイルパターンは、銀粉末(平均粒径2.5
μm)と、エチルセルロースから成る有機樹脂と、2.
2.4−トリメチルー1.3−ペンタンジオールモノイ
ソブチレートとから成る有機溶剤とからなる導電性ペー
ストを用いた。尚、固形成分である導電性粉末100重
量部に対して、有機樹脂及びそれを含む有機ビヒクルを
表1に示すように秤量した。
【0046】尚、コイルパターン2・・・となる導体膜
の厚みは7〜11μmであり、全体の形状は、5mm
(長さ)×5mm(幅)×1.5mm(高さ)であり、
夫々の印刷作業性、印刷直線性、ボイドの発生を調べ
た。
【0047】
【表1】
【0048】以上、表1から理解できるように、試料1
のように、有機樹脂が導電性粉末である固形成分100
重量部に対して1.0wt%未満になると、グリーンシ
ート上に導電性ペーストを印刷した導体膜の維持が不可
能となり、印刷直線性が劣化してしまう。
【0049】また、試料6のように同4.5wt%を越
えると、焼成工程において、基板材料のガラス成分が軟
化流動を始める約600℃に達するまでに、完全に分解
されず、その残存分がボイドとして発生してしまう。
尚、このボイドは、試料12、13のボイドの発生状況
とは異なり、コイルパターン2・・・の近傍に発生する
(図3(a)参照)。
【0050】また、試料7のように有機ビヒクルが同3
5wt%未満になると、導電性ペースト化のための混練
工程において、有機ビヒクル不足のため、粘土状態とな
ってしまいスクリーン印刷が実質的に不可能となる。
【0051】さらに、試料12、13のように、有機樹
脂の量がに係わらず、有機ビヒクルが増加してしまう
と、焼成工程において、基板材料のガラス成分が軟化流
動を始める約600℃に達するまでに、有機ビヒクルが
完全に分解されず、その残存分がボイドとして発生して
しまう。尚、このボイドは、図3(b)に示すようにコ
イルパターン2・・・を取り囲むように発生し、試料6
のボイド発生と明らかに発生メカニズムが相違し、有機
ビヒクル全体が影響していることが判る。尚、試料13
では、有機ビヒクルが多すぎ、導電性ペーストの粘度が
低くなり過ぎ、スクリーンのメッシュ目に通過でき、印
刷作業性は良好であるものの、グリーンシート上に印刷
された導体膜にニジミが発生してしまう。
【0052】以上、試料6、12、13のようにボイド
が発生するのは、上述のように低温焼成で基板材料及び
コイルパターン2・・・となる導体膜を一体的に焼結す
るため、基板材料においては、アルミナなどの無機物フ
ィラー粒子の境界部分に、低融点ガラスが液相反応で軟
化流動して存在し、無機物フィラー粒子間を強固に結合
するが、その軟化流動が約600℃という比較的に低い
温度から始まり、この温度で、完全に有機樹脂及び有機
ビヒクルが完全に分解・焼失されなかったことに起因す
る。
【0053】尚、従来のように、高温で焼成される基板
材料においては、ガラス成分(カルシア、シリカなど)
の軟化開始温度が比較的高い温度であり、この場合に
は、有機樹脂や有機ビヒクルが完全に分解・焼失されて
おり、本発明は、特に、900℃前後で焼成される低温
焼成多層基板には、非常に有用な技術となる。
【0054】尚、上述の実施例では、低温焼成多層基板
として、積層インダクタで説明したが、その他に低温焼
成可能な多層配線基板や低温焼成可能な積層コンデン
サ、それらを組み合わせた複合型多層基板などに広く適
用できるものである。
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、有機樹
脂及びそれを含む有機ビヒクルの量を適正に制御するこ
とにより、印刷作業性、印刷直線性が維持でき、さらに
焼成過程において、有機樹脂及び有機ビヒクルを完全に
分解・焼失でき、ボイドなどの内部欠陥のない多層基板
が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層基板の一例である積層インダクタ
の外観斜視図である。
【図2】本発明の積層インダクタの積層体部分の分解斜
視図である。
【図3】(a)(b)は、積層インダクタのコイルパタ
ーンに発生するボイドを説明するための模写図である。
【符号の説明】
10・・積層インダクタ 1 ・・積層体 1a〜1z・・・絶縁層 2、2e〜2w・・・コイルパターン 3a、3b・・・端子電極 4e〜4v・・・ビアホール導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/09 A 6921−4E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス−セラミックから成る絶縁層間に
    低抵抗の金属材料から成る内部配線を配した低温焼成多
    層基板において、 前記内部配線は、固形成分である少なくとも導電性粉末
    と、有機樹脂及び有機溶剤から成る有機ビヒクルとから
    成り、且つ有機ビヒクルの合計が固形成分100重量部
    に対して35〜45重量%であり、有機樹脂が固形成分
    100重量部に対して1.0〜4.5重量%から成る導
    電性ペーストを焼成して形成されていることを特徴とす
    る低温焼成多層基板。
JP5011531A 1993-01-27 1993-01-27 低温焼成多層基板 Pending JPH06224556A (ja)

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Cited By (7)

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