JPH08298359A - 銅厚膜回路基板 - Google Patents

銅厚膜回路基板

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JPH08298359A
JPH08298359A JP10270695A JP10270695A JPH08298359A JP H08298359 A JPH08298359 A JP H08298359A JP 10270695 A JP10270695 A JP 10270695A JP 10270695 A JP10270695 A JP 10270695A JP H08298359 A JPH08298359 A JP H08298359A
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JP
Japan
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conductor
wiring conductor
glass frit
current system
wiring
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JP10270695A
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English (en)
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Yutaka Irumagawa
裕 入間川
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/0213Electrical arrangements not otherwise provided for
    • H05K1/0263High current adaptations, e.g. printed high current conductors or using auxiliary non-printed means; Fine and coarse circuit patterns on one circuit board
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/09Use of materials for the conductive, e.g. metallic pattern
    • H05K1/092Dispersed materials, e.g. conductive pastes or inks

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  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Structure Of Printed Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 大電流系配線導体と微小電流系配線導体とを
混在する銅厚膜回路基板であって、両配線導体ともに基
板との接合強度が強く、且つ半田濡れ性に優れた銅厚膜
回路基板を提供する。 【構成】本発明は、セラミック基板1上に、Cuを主成
分となる導体ペーストで形成した膜厚の薄い微小電流系
配線導体2及び膜厚の厚い大電流系配線導体3を有する
銅厚膜回路基板10であって、前記Cu系導電ペースト
のガラスフリットの添加量を固形成分に対して3wt%
を境界として、前記微小電流系配線導体2は高ガラスフ
リット添加量の、大電流系配線導体3は、低ガラスフリ
ット添加量のCu系導電ペーストで形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号系などの微小電流
系配線導体及び大電流が流れる大電流系配線導体が混在
した銅厚膜回路基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般の回路基板において、信号系の微小
電流系配線導体と大電流系配線導体とが混在しており、
大電流系配線導体は、微小電流系配線導体に比較して、
幅を広くしたり、膜厚を厚く形成していた。
【0003】これは、大電流系配線導体の導体抵抗を低
くして、導体中に流れる電流損失を減少させるためであ
る。
【0004】このような導体を、厚膜回路基板に展開し
ようとした場合、大電流系配線導体の幅の大きくするこ
とは、厚膜回路基板の小型化の障害となりったり、ま
た、配線パターンの引き回しに制約を与えたりすること
があるため、極端に大きくすることができず、その結
果、導体幅をある程度大きくし、膜厚を積極的に厚くす
ることを多用していた。
【0005】具体的な製造方法は、セラミック基板上
に、Cuなどの導電性ペーストでもって、微小電流系配
線導体と大電流系配線導体となる導体膜を印刷形成す
る。
【0006】その後、大電流系配線導体となる導体膜の
みに、さらに、Cuなどの導電性ペーストでもって、さ
らに重ね印刷を施こす。さらに、必要に応じて、大電流
系配線導体となる導体膜を所定厚みになるまで複数回の
重ね印刷を行う。
【0007】このようにして、微小電流系配線導体とな
る導体膜(厚みが薄く、比較的導体幅が狭い)と大電流
系配線導体となる導体膜(厚みが厚く、比較的導体幅が
広い)が形成さられたセラミック基板を、窒素などの還
元性又は中性雰囲気の焼成炉に投入して、例えば900
℃で焼きつけ処理していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般にCuなどの導電
性ペーストは、導電性金属であるCu粉末、低融点ガラ
スフリット、有機ビヒクル(有機バンイダー、有機溶
剤)などからなっている。
【0009】導電性金属であるCu粉末は導電性を与え
るためのものであり、低融点ガラスフリットは、主に、
セラミック基板との接合強度を向上させるためのもので
あり、有機ビヒクルの有機バンイダーは、印刷した直後
の導体膜の形状を維持させるためのものであり、有機ビ
ヒクルの有機溶剤は、ペーストを所定粘度に調整するた
めのものである。
【0010】ここで、大電流系配線導体は、微小電流系
配線導体と比較して、その厚みが厚いため、導体配線の
単位面積あたりのガラスフリットの量が、重ね印刷回数
に比例して増加することになる。
【0011】ガラスフリットの量が増えると、セラミッ
ク基板との接合強度が向上するによ思えるが、実際、セ
ラミック基板との接合に寄与するガラスフリットがある
一定量であり、それを越える余剰ガラスフリットは、焼
成処理によって、主に導体配線の表面に析出されること
になる。このように、導体配線の表面に析出されたガラ
ス成分は、厚膜回路基板上に各種電子部品を半田接合し
たりする際に、半田濡れ性を大きく低下させることにな
り、半田接合ができなかっり、または強固な半田接合が
できなかったりすることになる。
【0012】また、導体配線の表面にもガラス成分が飽
和状態になると、導体配線中にガラス成分が残存してし
まうが、過剰に導体配線中にガラス成分が残存してしま
うと、導体抵抗を上げる方向に働くことさえある。
【0013】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、大電流系配線導体と微小電
流系配線導体とを混在するCu系の厚膜回路基板であっ
て、両配線導体ともに基板との接合強度が強く、且つ半
田濡れ性に優れた銅厚膜回路基板を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、セラミック基
板上に、Cuを主成分とし、ガラスフリットを含有する
導体材料から成る膜厚の薄い微小電流系配線導体及び膜
厚の厚い大電流系配線導体を有する銅厚膜回路基板であ
って、前記微小電流系配線導体は、含有するガラスフリ
ットの量が3wt%以上であり、前記大電流系配線導体
は、含有するガラスフリットの量が3wt%以下である
銅厚膜回路基板である。
【0015】
【作用】以上のように、微小電流系配線導体は、固形成
分に対してガラスフリット添加量が3wt%以上の導電
性ペーストで形成している。また、大電流系配線導体
は、ガラスフリット添加量が3wt%以下の導電性ペー
ストで形成している。
【0016】即ち、厚みの薄い微小電流系配線導体は、
高ガラスフリット添加量の導電性ペーストで、厚みの厚
い大電流系配線導体は、低ガラスフリット添加量の導電
性ペーストで形成されている。これにより、特に、大電
流系配線導体は、厚みが厚いものの、低ガラスフリット
添加量の導電性ペーストで形成しているため、基板と接
合する単位面積あたりのガラスフリットの絶対量を相対
的に小さくすることができるため、基板の接合強度を所
定値に維持しつつ、且つ配線導体膜の表面に析出される
ガラス成分を抑えることができる。
【0017】これによって、基板との接合強度が強く、
且つ半田濡れ性に優れた大電流系配線導体となる。
【0018】例えば、大電流系配線導体に用いるCu導
電性ペーストのガラスフリットの添加量が、3wt%を
越えると、導体配線中にガラス成分が余剰状態となり、
半田濡れ性が劣化してしまい、半田接合が不可能とな
る。
【0019】また、微小電流系配線導体は、膜厚が薄く
なっているものの、基板と接合する単位面積あたりのガ
ラスフリットの絶対量が相対的に大きくなっている。こ
のため、基板の接合強度を所定値に維持にすることがで
きる。尚、微小電流系配線導体においては、そのガラス
フリットのほとんどが基板との接合のために、基板側に
析出されるため、導体配線中及び表面には、ガラス成分
が過剰となることがなく、半田濡れ性も良好となる。
【0020】例えば、微小電流系配線導体に用いるCu
導電性ペーストのガラスフリットの添加量が、3wt%
未満では、基板との接合に要するガラス成分が不足状態
となり、基板との接合強度が、例えば1.0kg/2m
m□以下となり、強固な接合が困難となったり、焼成助
剤としてのガラス成分が不足して、安定した導体となら
ず、半田濡れ性が劣化したりする。尚、ガラスフリット
の上限は、微小電流系配線導体の厚みによもよるが概ね
5wt%未満が好ましい。5wt%を越えると、導体中
のガラス成分が余剰状態となり、ガラス成分が導体配線
の表面に析出され、半田濡れ性を低下させてしまう。
【0021】
【実施例】以下、本発明の銅厚膜回路基板を図面に基づ
いて説明する。
【0022】図1は、本発明の銅厚膜回路基板の平面図
であり、図2は本発明の特徴的な部位を示す断面図であ
る。
【0023】本発明の銅厚膜回路基板10は、セラミッ
ク基板1、該セラミック基板1上に形成された微小電流
系配線導体2及び大電流系配線導体3、必要に応じて厚
膜抵抗体膜4、絶縁保護膜5、ICチップや各種チップ
抵抗などの電子部品とを有している。
【0024】セラミック基板1は、アルミナ、ムライト
などの単板状セラミック基板や、内部に配線パターンが
形成された積層セラミック基板などが挙げられる。尚、
図では、単板状セラミック基板を例に説明している。
【0025】このセラミック基板1状には、厚膜技法に
よって微小電流系配線導体2及大電流系配線導体3が形
成されている。
【0026】微小電流系配線導体2は、例えばICチッ
プの入出力信号、回路の各種信号などが流れる配線であ
り、その導体配線幅は、通常100〜200μm程度で
あり、膜厚は10μm前後(厚膜技法の1回印刷によっ
て形成され、焼成した後の厚み)となっている。尚、微
小電流系配線導体2に流れる電流が、例えばμAのオー
ダーである。
【0027】大電流系配線導体3は、例えばICチップ
の供給電源、回路の電源ライン、アースライン、厚膜コ
イルなど、比較的大きな電流が流れる配線に適用され、
その導体配線幅は、通常1〜5mm程度であり、膜厚は
50μm前後(厚膜技法の複数回印刷によって形成さ
れ、焼成された後の厚み)となっている。
【0028】このようにセラミック基板1に形成された
微小電流系配線導体2、大電流系配線導体3上には、厚
膜抵抗体膜4、絶縁保護膜5、ICチップ、各種チップ
部品などの電子部品が配置されている。
【0029】次に、上述の製造方法を説明すると、ま
す、焼成済のセラミック基板1を用意する。尚、このセ
ラミック基板1は、縦横に分割可能な分割溝が形成され
た大型セラミック基板であっても構わない。この場合、
分割溝に囲まれた領域が、最終的なセラミック基板1と
なる。
【0030】次に、微小電流系配線導体2となる導体膜
の形成を行う。
【0031】微小電流系配線導体2となる導体膜は、銅
を主成分となる導電性ペーストを用いて、所定形状に印
刷可能としたスクリーンを介して、印刷塗布を行う。
【0032】その後、所定条件で乾燥を行う。この導体
膜の幅は、例えば100〜200μmであり、その厚み
は焼成処理後11〜12μmとなるようにしている。
尚、印刷・塗布時の導体膜の厚みは、11〜12μm以
上の例えば15〜20μm程度である。
【0033】ここで、微小電流系配線導体用のCu導電
性ペーストは、固形成分として銅粉末、ガラスフリット
と、有機ビヒクルとして有機バインダー、有機溶剤など
からなる。
【0034】固形成分である銅粉末は、平均粒径1.2
〜1.7μmであり、主に、導体配線の導電性を与える
ための主要成分である。
【0035】ガラスフリットは、軟化点420〜450
℃の低融点ガラス材料のフリットである。軟化点420
〜450℃の低融点ガラス材料としては、ホウ珪酸鉛系
ガラスなどが例示でき、このガラスフリットは、主に焼
成処理後、セラミック基板1との接合強度を高めるため
に用いられるものである。
【0036】ガラスフリットの添加量は、固形成分に対
して3wt%以上となっている。好ましくは3wt%〜
5wt%である。
【0037】有機ビヒクルである有機バインダーは、例
えばエチルセルロースなどが例示でき、主に印刷塗布し
た時の塗布膜の乾燥後においても、安定した形状を維持
させるために用いられるものであり、焼成処理過程で焼
失されてしまう。
【0038】有機ビヒクルである有機溶剤は、例えば2
・2・4−トリメチル−1.3−ペンタンジオールイソ
ブチレートなどが例示でき、主に、導電性ペーストの粘
度を調整し、スクリーンの通過を容易にし、且つセラミ
ック基板1上の塗布膜の印刷直線性を良好に維持し得る
ようにするためのものてある。
【0039】有機ビヒクルは、全導電性ペーストに対し
て10〜15wt%程度となるように含有され、有機ビ
ヒクル全体で、有機バインダーは例えば0.5wt%、
有機ビヒクル溶剤は例えば99.5wt%の割合となっ
ている。
【0040】次に、大電流系配線導体3となる導体膜の
形成を行う。
【0041】大電流系配線導体3となる導体膜は、銅を
主成分となる導電性ペーストを用いて、所定形状に印刷
可能としたスクリーンを介して、複数回印刷塗布を行
う。
【0042】その後、所定条件で乾燥を行う。この導体
膜の幅は、例えば1〜5mmであり、例えば、5回の印
刷を繰り返し、その厚みは焼成後50μm以上となるよ
うにしている。実際には、印刷塗布した導体膜の厚み
は、焼成後の厚みに比較して充分に厚い厚みとなってい
る。
【0043】ここで、大電流系配線導体用のCu導電性
ペーストは、固形成分として銅粉末、ガラスフリット
と、有機ビヒクルとして有機バインダー、有機溶剤など
からなる。
【0044】固形成分である銅粉末は、平均粒径1.2
〜1.7μmである。ガラスフリットは、軟化点420
〜450℃の低融点ガラス材料のホウ珪酸鉛系ガラスな
どがである。
【0045】ガラスフリットの添加量は、固形成分に対
して3wt%以下となっている。好ましくは0.3wt
%〜3wt%である。
【0046】有機ビヒクルである有機バインダーは、例
えばエチルセルロースなどが例示でる。
【0047】有機ビヒクルである有機溶剤は、例えば2
・2・4−トリメチル−1.3−ペンタンジオールイソ
ブチレートなどが例示できる。
【0048】有機ビヒクルは、全導電性ペーストに対し
て10〜15wt%程度となるように含有され、有機ビ
ヒクル全体で、有機バインダーは例えば0.5wt%、
有機ビヒクル溶剤は例えば99.5wt%の割合となっ
ている。
【0049】その後、上述の微小電流系配線導体2とな
る導体膜、大電流系配線導体3となる導体膜が形成され
たセラミック基板1を焼成炉に投入して、窒素などの還
元性雰囲気や中性雰囲気で焼成処理を行う。焼成は、4
00〜600℃の脱バインダー工程と、ピーク温度90
0℃の焼結工程からなり、脱バインダー工程で、有機ビ
ヒクル成分が焼失し、焼結工程で各導体膜を配線導体
2、3となる導体膜が焼結反応して、強固にセラミック
基板1に接合するとともに、安定した導電性を有するこ
とになる。
【0050】その後、必要に応じて、厚膜抵抗体膜、絶
縁保護膜などを印刷、焼きつけを行う。尚、厚膜抵抗体
膜、絶縁保護膜は、銅の配線導体2、3の酸化を防止す
るために、還元性雰囲気、中性雰囲気などで焼きつけ可
能な抵抗体ペースト、絶縁ペーストを用いる。例示すれ
ば、抵抗体ペーストとしてデュポン社製QP60、絶縁
ペーストとしてデュポン社製QP507などがある。
【0051】さらにその後、各種電子部品などを微小電
流系配線導体2や大電流系配線導体3に半田を介して接
合を行う。
【0052】尚、セラミック基板1として、大型セラミ
ック基板を用いた場合、この電子部品4の半田接合の前
後で、分割溝に沿って分割処理を行う。
【0053】本発明では、微小電流系配線導体2となる
導体膜と大電流系配線導体3となる導体膜を形成するに
あたり、用いるCu系の導電性ペーストを使い分けて形
成した。この両導電性ペーストでは、特にガラスフリッ
トの添加量が、固形成分に対して3wt%を境界とし
て、高いガラス添加量の導電性ペーストで微小電流系配
線導体2を形成し、低いガラス添加量の導電性ペースト
で大電流系配線導体3を形成した。
【0054】ここで、微小電流系配線導体2となる導体
膜、大電流系配線導体となる導体膜が焼成工程で発生す
る挙動を説明すると、上述したように、焼成工程の40
0℃前後でガラスフリットが軟化するとともに、導体膜
中の有機ビヒクル成分が焼失し始める。そして、500
〜600℃で導体膜中のガラスフリットは完全軟化する
とともに、導体膜の有機ビヒクル成分が完全に焼失され
る。さらに、ピーク温度に達する間に、軟化したガラス
フリットは、無機物であるセラミック基板1との界面側
に析出され、セラミック基板1との接合が強固となる。
ここで、セラミック基板1との界面側に析出されるガラ
ス成分には限界があり、その飽和したガラス成分は、逆
に導体膜の表面側に析出されることになる。これは、導
電性材料であるCu粉末が導体膜中で凝集して、粒成長
して、安定した導電性を呈することになるが、Cu粉末
の凝集によって排除されたガラス成分が導体膜の表面側
に析出されるものである。
【0055】また、従来でも説明したように、大電流系
配線導体3は、複数回の印刷を行い、膜厚を充分に厚く
して、導体抵抗を下げている。尚、導体配線幅を広げる
ことも考えられるが、導体配線幅を広げるには、銅厚膜
回路基板10の大型化につながり、ある程度の限度があ
る。上述の実施例では、その導体配線の幅を5mm程度
にまで広げている。
【0056】一般に、複数回の重ね印刷を行い、厚みを
増加させることによって、導体膜中の単位面積あたりの
ガラスフリットの全体量が増加してしまう。このような
状態では、焼成工程において、ガラス成分の飽和状態と
なり、導体膜の表面にガラスが析出されやすい。本発明
では、微小電流系配線導体2を形成する導電性ペースト
に比較して、少なくガラスフリットの添加量の導電性ペ
ーストを用いているため、厚みを厚くしてもこの飽和状
態に達しににくくするために、大電流系配線導体3中の
ガラスフリットの絶対量を減少させている。
【0057】これによって、セラミック基板1と大電流
系配線導体3との接合強度を所定値以上に維持しつつ、
しかも、大電流系配線導体3の表面に析出するガラス成
分を抑えている。
【0058】この結果、半田濡れ性に優れ、半田接合が
可能な、接合強度に優れた大電流系配線導体3が得られ
ることになる。
【0059】尚、微小電流系配線導体2は、従来の厚膜
配線導体に使用されていたように、セラミック基板1と
の接合強度が維持でき、しかも、半田接合が可能な状態
となる。
【0060】結局、本発明では、微小電流系配線導体2
と大電流系配線導体3とを混在する銅厚膜回路基板1で
あって、両配線導体2、3ともにセラミック基板1との
接合強度が強く、且つ半田濡れ性に優れたものになる。
【0061】本発明者は、微小電流系配線導体2、大電
流系配線導体3に用いられる導電性ペーストのガラスフ
リットの添加率を種々検討を行った。
【0062】尚、評価項目として、接合強度及び半田濡
れ性について評価をおこなった。
【0063】接合強度は、各微小電流系配線導体2、大
電流系配線導体3で2×2mm角の電極パッドを形成
し、この電極パッドにリード線を半田接合して、リード
線を引っ張り、電極パッドが基板から剥離する時の引っ
張り力を測定した。尚、初期状態と150℃、240時
間のエージング後を夫々測定した。
【0064】「良」は、初期値3.0Kg以上、エージ
ング後1.5kg以上であり、「使用可」は、初期値
2.5Kg以上、エージング後1.0kg以上であり、
「不良」は、エージング後1.5kg未満とした。
【0065】また、半田濡れ性は、MIL−STD−2
02F、208Eに準拠して行った。
【0066】「良」は、電極パッドの半田付着していな
い面積が1%未満の場合であり、「不良」は、電極パッ
ドの半田付着していない面積が1%以上の場合である。
【0067】その結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】以上の表1より、微小電流系配線導体2を
対象とした試料番号1〜6について、ガラスフリットの
添加量が固体成分に対して、3.0wt%以上となる
と、充分な接合強度及び半田濡れ性が良好となる。
【0070】試料番号1〜3のように、ガラスフリット
の添加量が固体成分に対して、3.0wt%未満では、
充分な基板強度が得られない。尚、試料番号1で半田濡
れ性が不良なのは、焼結工程で、焼結助剤となるガラス
フリットが不足して、焼結不良となり、微小電流系配線
導体2の表面にクレータ状の凹凸が発生してしまうため
である。
【0071】尚、上限については、試料番号6のよう
に、ガラス成分が微小電流系配線導体2中に飽和状態と
なり、導体配線の表面にまでガラス成分が析出される傾
向となり、半田濡れ性が低下する。
【0072】大電流系配線導体3を対象とした試料番号
7〜11について、ガラスフリットの添加量が固体成分
に対して、3.0wt%以下では、基板の接合強度が充
分に得られ、さらに、しかも導体配線中にガラス成分が
飽和状態に達することがなく、半田濡れ性も良好とな
る。
【0073】ところが、試料番号11のように、ガラス
フリットの添加量が固形成分に対して3wt%を越える
と、導体配線中にガラス成分が飽和状態に達してしま
い、導体配線の表面にガラス成分が析出されてしまい、
半田濡れ性が劣化してしまう。
【0074】尚、表1には記載していないが、その下限
については、0.3wt%未満となると、微小電流系配
線導体2の試料番号1のように、ガラス成分が不足し
て、接合強度が劣化したり、特に、ガラス成分の不足に
より、安定した焼結が行われず、半田濡れ性不良が発生
する。
【0075】以上のように、導電性ペースト中のガラス
フリットの添加量を3.0wt%を境に、高いガラス添
加量の導電性ペーストを薄く、例えば1回の塗布印刷に
より形成した導体を、微小電流系配線導体2として用
い、低いガラス添加量の導電性ペーストを厚く、複数
回、例えば5回の塗布印刷により形成した導体を、大電
流系配線導体3として用いることによって、セラミック
基板1上に、基板の接合強度が強固で、且つ半田濡れ性
の良好な微小電流系配線導体2及び大電流系配線導体3
を形成することができる。
【0076】尚、上述の実施例では、微小電流系配線導
体2、大電流系配線導体3として、銅系導体を用いたの
は、特に微小電流系配線導体2で、配線間の間隔が狭く
なっても、銀系導体に比較してマイグレーションなどが
発生しにくいためである。
【0077】また、上述の実施例で、セラミック基板1
として、単板状のセラミック基板を用いしたが、例え
ば、内部配線及びビアホール導体に銀系導体で形成した
積層セラミック基板を用いても構わない。この場合、銀
系のビアホール導体と表面の銅系微小電流系配線導体2
及び大電流系配線導体3との接合部分にAg−Cuの共
晶層が発生しないように、低温焼成可能(焼成温度60
0℃)のな銅系導電性ペーストを用いることが重要であ
る。
【0078】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、大電流
系配線導体と微小電流系配線導体とを混在するCu系の
厚膜回路基板であって、両配線導体ともにセラミック基
板との接合強度が強く、且つ半田濡れ性に優れ、半田接
合の信頼性が高い厚膜回路基板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の銅厚膜回路基板の平面図である。
【図2】本発明の特徴的な構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10・・・・・・銅厚膜回路基板 1・・・・・・・セラミック基板 2・・・・・微小電流系配線導体 3・・・・・・大電流系配線導体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミック基板上に、Cuを主成分と
    し、ガラスフリットを含有する導体材料から成る膜厚の
    薄い微小電流系配線導体及び膜厚の厚い大電流系配線導
    体を有する銅厚膜回路基板であって、 前記微小電流系配線導体は、含有するガラスフリットの
    量が3wt%以上であり、前記大電流系配線導体は、含
    有するガラスフリットの量が3wt%以下であることを
    特徴とする銅厚膜回路基板。
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