JP3657376B2 - トリガー式液体噴出器の付勢用バネ部材と、該バネ部材を使用するトリガー式液体噴出器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出器のトリガー付勢用バネ部材と、該バネ部材を使用するトリガー式液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
トリガー式の液体噴出器は、一般に容器体口頸部へ嵌合させる装着筒上部内から垂直筒を起立し、該垂直筒上端から射出筒を、かつ中間部からシリンダを、それぞれ前方突出し、上記射出筒前部部分から前後方向へ揺動可能に垂設したトリガーの上方後部に、上記シリンダ内へ前方付勢させて嵌合させたプランジヤ前端部を係止し、トリガーの揺動操作で容器体内液体をシリンダ内へ吸込み、かつ該シリンダ内液体を射出筒前端のノズルから噴出するよう設けている。
【0003】
従来上記プランジヤの前方付勢はシリンダ内へ装着させた金属製のコイルスプリングで行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近時、廃棄物の増大に伴って廃棄物を資源として再活用することが求められているが、一般に物品は材質を異にする複数の部材を組合せて形成されており、このような物品は材質毎に分解することが困難であるため、資源としての再活用が困難である。
【0005】
上記液体噴出器の場合、コイルスプリング以外の部材は吸込み弁および吐出弁に使用する玉弁の玉を除いて合成樹脂材で成形されており、又上記両弁も玉弁以外の弁が公知であるから、金属製のコイルスプリングをそのまま合成樹脂製とすればよい筈であるが、金属と合成樹脂とでは弾性に著しい差異があるため、弾性が不足する。
【0006】
請求項1記載の発明は、従来シリンダ内に装着させて直接プランジヤを前方付勢させていたコイルスプリングに代えて、トリガーとプランジヤとを連結し、トリガーを介してプランジヤを前方付勢させることで、従来とほぼ同様の前方付勢力を有する合成樹脂製のバネ部材を得たものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、上記バネ部材により、トリガーと共にプランジヤを前方付勢させたトリガー式液体噴出器に関するものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、上記バネ部材および吸込み弁および吐出弁を含めて全構成部材を合成樹脂で形成し、既述材質を異にする部材毎の分別を不要として、合成樹脂製品として全体をそのまま廃棄できるよう設けたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、平面でみて、横向きU字形状に、前部を開口する弾性半筒状保持板82の両前端から、側面からみてへの字状の弯曲バネ板83,83を平行に前方突出し、全体を弾性に富む合成樹脂材で一体成形した。
【0010】
第2の手段として、容器体口頸部外面へ嵌合させる装着筒1の上部内から垂直筒21を起立し、該垂直筒上端から射出筒13を、中間部からシリンダ14を、それぞれ前方突出すると共に、上記射出筒13前部からトリガー51を、該トリガー上部が形成する二又状分岐板53,53上端を射出筒13の前部左右両側近辺に枢止させて、かつ分岐板後部から斜下後方へレバー55,55を突設させて垂下し、
トリガー51の上方後部に、上記シリンダ内へ嵌合されて前方突出するプランジヤ56の前端部を枢止57させたトリガー式液体噴出器を設け、
請求項1記載のバネ部材81の弾性半筒状保持板82を、上記シリンダ14と射出筒13との間の垂直筒21部分の後半部外面へ、係合手段を用いて固着させるとと共に、への字状弯曲バネ板83,83前端を、レバー55,55の後部上面へ圧接させて、トリガーと共にプランジヤ56を前方付勢させた。
【0011】
第4の手段として、上記第2の手段を有すると共に、全構造部材を、合成樹脂材で形成した。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に関する、トリガー式液体噴出器のトリガー付勢用バネ部材81の全体を示す。該バネ部材は、平面でみて横向きU字形状に、前部を開口する弾性半筒状保持板82の両前端から、側面からみてへの字状の弯曲バネ板83,83を平行に前方突出し、全体を弾性に富む合成樹脂材で一体成形したものである。半筒状保持板82の両前部内面には後述の垂直筒前半部の左右両側部外面へ係合させる係合突部84,84を付設することが望ましい。該バネ部材81は合成樹脂材により一体成形するものである。
【0013】
上記バネ部材81は、図2が示すような、トリガー式液体噴出器に組付けする。該液体噴出器について説明すると、1は容器体口頸部外面へ嵌合させる装着筒で筒部上端に内向きフランジ2を有する。
【0014】
装着筒1の上部内面からは、連結部材3を起立する。該部材は、周壁4の下部外面に付設した外向きフランジ5を上記装着筒の内向きフランジ2下面へ係合させ、周壁上面を閉塞する頂壁6後部を貫設して後述噴出器本体の外垂直筒内面へ嵌合させる内垂直筒7を起立する。該内垂直筒下部内面には吸込み弁座8を付設し、かつ該弁座8下方の内垂直筒部分内に吸上げパイプ9上部を嵌着させている。
【0015】
11は噴出器本体で、外垂直筒12上端から射出筒13を、中間部からシリンダ14を、それぞれ前方突出している。外垂直筒12下部には、シリンダ14の後部下面と連続させて外向きフランジ状壁15を付設し、該外向きフランジ状壁15外周部から大外径筒部16を垂下し、該大外径筒部16を、上記連結部材3の外向きフランジ5よりも上方に周壁部分外面へ嵌合させ、かつ外垂直筒12内へは内垂直筒7を嵌合させている。尚シリンダ14が囲む外垂直筒前壁上方部分にはシリンダ内と垂直筒内とを連通する液体出入孔17を穿設し、又シリンダが囲む外垂直筒前壁部分中心からプランジヤガイド筒18を前方突出し、該ガイド筒が囲む前壁部分に通気孔19を穿設し、該通気孔を外垂直筒12と内垂直筒7との間に設けた縦溝20で連結部材の周壁4内と、又大外径筒部16内と、それぞれ連通させている。図示例では垂直筒21下半を二重筒としたが、連結部材3の全体、又は内垂直筒7を除くことも出来、この場合は外垂直筒だけで垂直筒を形成することとなる。
【0016】
上記射出筒13の前部にはノズル嵌合筒22を介してノズルヘッドを嵌合させている。図示例では更にノズルヘッド前部にノズル孔閉塞用蓋板付き部材37を嵌合させている。
【0017】
ノズル嵌合筒22は、前板26の後面から、その前板に対し上方へ偏芯させて射出筒前部へ嵌合させる基筒27を後方突出すると共に前板26の前面から、その前板に対し下方へ偏芯させてノズルヘッド嵌合用の外筒28を前方突出し、又該外筒との間に小間隙をおいて短内筒29を前方突出している。
【0018】
ノズル嵌合筒22前部には、ノズルヘッド31を嵌合させる。該ノズルヘッドは、頂板後面からノズル嵌合筒22の外筒28内面と外面とへ嵌合させる内外嵌合筒を後方突出し、又頂板中央部からノズル棒32を、かつ該ノズル棒を囲んでノズル筒33を、それぞれ前方突出し、ノズル筒内面へノズル孔34を前壁中心に有するノズルチップ35の周壁を嵌着させている。更に内嵌合筒が囲む頂板部分からは弁座筒36を後方突出している。
【0019】
ノズル嵌合筒22とノズルヘッドとの間内部には蓄圧式弁部材41を嵌合させている。該部材は、射出筒13内が高圧化すると、受圧面積の相違から弾性圧縮リング42の弾性に抗して蓄圧式弁部材41が後退し、すると弁板43が後退して吐出弁が開き、頂板に穿設した透孔を通ってノズル孔34から液体が噴出し、該液体噴出により射出筒13内が減圧すると同時に弾性圧縮リング42が弾性復元することで、蓄圧式弁部材41が前進して吐出弁が閉塞するよう設けている。
【0020】
射出筒13の前部からは、前後方向への揺動が可能にトリガー51を下前方へ僅かに傾斜させて垂下し、該トリガーの上方後部には、既述シリンダ14内から前方突出させたプランジヤ56の前端部を枢止57させている。
【0021】
トリガー51は、前壁52の左右側縁から側壁を後方突設し、又トリガー上端部の左右からは二又状に側壁を上方延長して分岐板53,53を起立し、該分岐板上端を射出筒13の前部左右両側近辺に枢止54させる。図示のように射出筒前部外面へノズル嵌合筒を嵌合させた場合はその左右両側へ枢止させればよい。又分岐板53,53の後部からは斜下後方へレバー55,55を突設する。
【0022】
吸込み弁61は、吸込み弁部材62で形成する。該弁部材は、波板の断面形状に複数屈曲部を連続させて形成した中間板バネ63の下端に吸込み弁体64を付設すると共に、中間板バネ上端から係合棒65を起立する。上記吸込み弁体64を吸込み弁座8上へ載置させ、係合棒65上端を垂直筒21上端の頂壁下面へ圧接させる。図示例で吸込み弁体は上面閉塞の短筒状とし、かつ外面へほぼ等間隔に、内垂直筒7内面へ摺動自在に複数係合子を付設し、又係合棒上部には放射状に係合板を付設している。
【0023】
カバー71は、装着筒1と、ノズルヘッド31と、トリガー51下半とを除く、噴出器主要部分のうち、前面側と下面側とを除いたほぼ全体を覆合可能に、頂壁72の左右から側壁73,73を、かつ頂壁後部から、左右両側壁の後端部と連続させて後壁74を、それぞれ垂下する。カバー71の下部は、既述噴出器本体11の大外径筒部16外面へ嵌合させ、カバー後壁の下部内面から左右両側壁の下部内面にかけて、又大外径筒部16の左右側面から後面にかけて、それぞれ横設した凹凸の第1、第2の係合条を嵌合させて係止手段としている。カバー後壁74は図示のように、その上部を後方への張出し部に形成し、その張出し部下面を、トリガー使用時に手の甲の上面へ載置できるよう設けるとよい。その張出し部内面から押え棒75を突出する。
【0024】
上記構成の液体噴出器に対して、既述トリガー付勢用バネ部材81を、図2のように弾性半筒状保持板82をシリンダ14と射出筒13との間の垂直筒部分の後半部外面へ係合手段により固着させ、又への字状弯曲バネ板83,83前端を、レバー55,55の後部上面へ圧接させて、トリガー51とプランジヤ56とを前方付勢する。上記係合手段として図示例では、半環状係合板21a ,21a を、上記半筒状保持板82嵌合部分上下の垂直筒部分上下の後半部外面へ付設し、それ等半環状係合板21a ,21a 間に半筒状保持板82を嵌合させている。又それ等半環状係合板21a ,21a の後部内には、カバーの張出し部から前方突出する押え棒75を嵌合させ、押え棒前端を半筒状保持板82後面へ圧接させている。
【0025】
上記構成において、まず蓋板を開いた後、トリガー51を引寄せすると、レバー55,55がへの字状弯曲バネ板83,83前端を弾性に抗して押上げると共に、トリガー51に前端部を枢止したプランジヤ56はシリンダ内へ押込みされ、よってシリンダ内は高圧化され、シリンダ内液体は射出筒13内を通り、吐出弁を開いてノズル孔34から噴出する。次いでトリガーを離すとへの字状弯曲バネ板83,83の弾性復元により、トリガー51およびプランジヤ56が前進し、するとこのとき吐出弁は高圧状態解消により自動閉塞しているため、シリンダ14内負圧化により吸込み弁61が開いて容器体内液体をシリンダ14内へ吸込むこととなるものである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするものであり、請求項1記載の発明にあっては、平面でみて横向きU字形状に、前部を開口する弾性半筒状保持板82の両前端から、側面からみてへの字状の弯曲バネ板83,83を平行に前方突出して、全体を合成樹脂材で一体成形したから、半筒状保持板82の開口部分を垂直筒嵌合部分の後面へ押付け、そのまま押込むことで容易に嵌合できると共に、そのへの字状弯曲バネ板83,83の長さ、および弾性を大として、トリガーおよびプランジヤを前方付勢できるバネ部材とすることが出来、構造も又簡易であるからコストを廉価とすることができる。
【0027】
請求項2記載の発明にあっては、トリガー51の上方後部と、シリンダ内に嵌合されて前方突出するプランジヤ56前端部とを枢止すると共に、射出筒13前部の左右両側近辺に枢止させた、トリガー上部の二又状分岐板53,53後部から斜後方へレバー55,55を突設しておき、請求項1記載のバネ部材81の弾性半筒状保持板82を、シリンダ14と射出筒13との間の垂直筒21部分の後半部外面へ固着させると共にへの字状弯曲バネ板83,83前端を、上記レバー55,55の後部上面へ圧接させてトリガー51と共にプランジヤ56を前方付勢させたから、従来のように金属製のコイルバネを使用することなく、合成樹脂製とした請求項1記載のバネ部材81でプランジヤの前方付勢を行うことが出来る。
【0028】
請求項3記載の発明は、上記請求項2記載発明の効果を有するほか、上記バネ部材81を含めてトリガー式液体噴出器の全構成部材を合成樹脂製としたから、既述分別廃棄の際、全体を合成樹脂製品としてそのまま廃棄できる便利がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明バネ部材の斜視図である。
【図2】 図1バネ部材を使用する、トリガー式液体噴出器の断面図である。
【符号の説明】
13…射出筒 21…垂直筒 51…トリガー
53…分岐板 81…バネ部材 82…半筒状保持板
83…への字状弯曲バネ板
Claims (3)
- 平面でみて、横向きU字形状に、前部を開口する弾性半筒状保持板82の両前端から、側面からみてへの字状の弯曲バネ板83,83を平行に前方突出し、全体を弾性に富む合成樹脂材で一体成形した
ことを特徴とする、トリガー式液体噴出器の付勢用バネ部材。 - 容器体口頸部外面へ嵌合させる装着筒1の上部内から垂直筒21を起立し、該垂直筒上端から射出筒13を、中間部からシリンダ14を、それぞれ前方突出すると共に、上記射出筒13前部からトリガー51を、該トリガー上部が形成する二又状分岐板53,53上端を射出筒13の前部左右両側近辺に枢止させて、かつ分岐板後部から斜下後方へレバー55,55を突設させて垂下し、
トリガー51の上方後部に、上記シリンダ内へ嵌合されて前方突出するプランジヤ56の前端部を枢止57させたトリガー式液体噴出器を設け、
請求項1記載のバネ部材81の弾性半筒状保持板82を、上記シリンダ14と射出筒13との間の垂直筒21部分の後半部外面へ、係合手段を用いて固着させるとと共に、への字状弯曲バネ板83,83前端を、レバー55,55の後部上面へ圧接させて、トリガーと共にプランジヤ56を前方付勢させた
ことを特徴とするトリガー式液体噴出器。 - 全構造部材を、合成樹脂材で形成した
ことを特徴とする請求項2記載のトリガー式液体噴出器。
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JPH10174915A JPH10174915A (ja) | 1998-06-30 |
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- 1996-12-18 JP JP35451296A patent/JP3657376B2/ja not_active Expired - Fee Related
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