JP3593230B2 - トリガー式液体噴出ポンプ - Google Patents
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- B05B11/1009—Piston pumps actuated by a lever
- B05B11/1011—Piston pumps actuated by a lever without substantial movement of the nozzle in the direction of the pressure stroke
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出ポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出ポンプとして、容器体口頚部に装着キャップを嵌合させ、また、該キャップ上に嵌着固定するとともに、該キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上端部からは射出筒をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体を設け、シリンダの前端開口より前方付勢状態で押し込み可能に突設したプランジャの先端にトリガーを連係させ、該トリガーの操作により容器体内の液を吸い上げて射出筒前端より噴出する如く構成してなるもの等が知られている。
【０００３】
従来のこの種ポンプに於けるプランジャの前方への付勢は、一般にシリンダ内に於いてプランジャ後部に介在させた金属製のコイルスプリングにより行われている。
【０００４】
即ち、プランジャはコイルスプリングにより常時前方へ押圧され、トリガーを引いてプランジャを押し込むことによりコイルスプリングを圧縮させつつプランジャが後退し、また、トリガーの押圧を解除するとスプリングの弾発力によりプランジャが押し戻される如き前後動を行う。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記金属製のコイルスプリングを採用しているものでは、良好な復帰機能を発揮してポンプの良好な液注出機能を発揮できるものではあるが、近年の廃棄物処理事情では、金属とプラスチックの分別処理が要望され、従来のものでは、これらコイルスプリングが一般に微細であること、内部に密閉されていること等の理由によりこの分別が極めて困難であった。また、組み立てに際しても、これらコイルスプリングは微細のため取り扱いが不便であった。
【０００６】
この様な事情を考慮して上記コイルスプリングを金属製からプラスチック製に変える試みも行われている様ではあるが、プラスチック製は金属製に比べて一般に耐久性，弾性復元力に劣る。従って、金属性のものと同様の復元力を得ようとすると、その径や太さが大きくならざるを得ず、ポンプ全体の形態或いは大きさに大幅な影響を与え、現状では現実的ではない。
【０００７】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、金属製のコイルスプリングを使用せずに全体を合成樹脂等の分別処理を必要としない材質でのみ形成することができ、しかも従来のこの種ポンプの形態を大きく変えることなく形成できるとともに、プランジャの優れた復帰能力を備えたトリガー式液体噴出ポンプを提案するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本請求項１発明のポンプは上記課題を解決するため、容器体口頚部に嵌合させる装着キャップ４と、該装着キャップ上に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒５の中間部からシリンダ６を、その上端部からは射出筒７をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体８と、上記シリンダ内を前方付勢状態で押し込み可能に設けたプランジャ９と、上記射出筒前部に上端部を枢着させて垂下させるとともに、上記プランジャ前端部をその上部に連係させたトリガー１０とを備え、該トリガーの操作により容器体内の液体を吸い上げて射出筒７前端より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、上記縦筒基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と、該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のバネ部材１１を設け、且つ、上記プランジャの前端部をトリガーの揺動に合わせた回動が可能にトリガー上部に連結させて、バネ部材によりプランジャの前方付勢力を付与したことを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図１に示す如く、容器体２の口頚部３に嵌合させる装着キャップ４と、該装着キャップ上に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒５の中間部からシリンダ６を、その上端部からは射出筒７をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体８と、上記シリンダ内を前方付勢状態で押し込み可能に設けたプランジャ９と、上記射出筒前部に上端部を枢着させて垂下させるとともに、上記プランジャ前端部をその上部に連係させたトリガー１０とを備え、該トリガーの操作により容器体内の液体を吸い上げて射出筒７前端より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプ１の改良に係わるものである。
【００１０】
本発明ポンプは、上記したこの種ポンプに於いて、特殊構成のバネ部材１１を設けるとともに、プランジャ９の前端部をトリガー１０の揺動に合わせた回動が可能にトリガー１０上部に連結させて両者を連係させ、バネ部材１１によりプランジャ９の前方付勢力を付与する如く構成している。
【００１１】
上記バネ部材１１は、縦筒５基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー１０裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のものである。
【００１２】
本実施例に於けるバネ部材１１は、図２に示す如く、後述する縦筒５の大径部外周に合わせて固定リング部１２を平面視円形状に構成し、また、弾性基部１３は平面視半楕円状に形成しており、更に、弾性板１４は前方へ水平に突出する板状に構成している。上記弾性基部１３及び弾性板１４の形状は本実施例のものに限らず、弾性基部１３にあっては上記した構成を満たす形状であれば採用でき、また、弾性板１４も装着前から前方下方へ湾曲下降した形状であっても良い。
【００１３】
また、本実施例ではポンプ本体８の縦筒５の下端部を大径部５ａに構成するとともに、大径部５ａの後部偏心位置より上方に小径部５ｂを延設して構成している。また縦筒５内には、その大径部５ａ内面から小径部５ｂ内面上下中央部に至る部分に沿って外面を嵌着するとともに、上面閉塞で下端開口の区画壁形成部材１５を嵌着しており、その頂板部を、上記縦筒小径部５ｂを上下に区画する区画壁１６として構成している。また、区画壁形成部材１５の大径部分外面下部より、その上面を縦筒下面に当接してその外方へ突出させたフランジ１７を設けている。そして、縦筒５の上記大径部５ａ外面に固定リング部１２を嵌着固定させている。また、この際固定リング部１２の前部中央内面に凹溝１８を凹設して、上記大径部５ａ前面に突設した縦突条１９と係合させて回動防止を図っている。
【００１４】
また、本実施例に於いて上記トリガー１０は、上記射出筒７の前部両側に於いて、側板１０ａ の上端部を回動可能に連結し、また、両側板１０ａ 前縁間に上端部を除いて前板１０ｂ を掛け渡している。また、前板１０ｂ の上端縁より後方へ係止板２０を突設し、この係止板２０上面を射出筒７下面に当接させて前方付勢されたトリガー１０がそれ以上前方へ回動しないよう構成している。本実施例に於けるトリガー１０とプランジャ９の連係は、このトリガー１０の両側板１０ａ 上部内面とプランジャ９両側前部とを枢着し、その枢着部の突部が若干の移動が可能なごとく、例えば楕円状に凹部を形成し、トリガー１０の揺動に合わせた回動が可能に連結し、このことにより、プランジャ９が真っ直ぐ押し込まれる如く構成している。
【００１５】
そして、トリガー１０を後方へ引くと、弾性板１４が弾性変形しつつその先端縁を上記前板１０ｂ 裏面下方へ摺動させ、トリガー１０の押圧を解除すれば、この弾性板１４の弾性復元力により、トリガー１０が前方へ押し戻され、その結果、プランジャ９も前方へ引き出される如く構成している。
【００１６】
ここで、本実施例に於けるその他の部分を説明する。
装着キャップ４は、容器体口頚部３外周に周壁２１を螺着させて着脱可能に容器体２に装着し、ひいてはポンプ全体を容器体に固定させるためのもので、その周壁２１上端縁より内方へフランジ２２を延設し、該フランジにより上記区画壁形成部材１５のフランジ１７上面を容器体口頚部３上面に押圧係止する如く構成している。
【００１７】
また、縦筒５内の区画壁形成部材１５の小径部分の下端に吸い上げパイプ２３を嵌合させて容器体内に垂下させている。
【００１８】
シリンダ６は、その後端面を、上記縦筒５の前壁で形成する後端壁により閉塞するとともに、該後端壁の中央部から後方大径の弁体嵌合筒部２４を、かつその後端壁外周部から短筒部２５を、それぞれ前方突設し、その弁体嵌合筒部２４の基端開口を透孔２６を介して区画壁１６下方の縦筒５内と連通させ、また、短筒部２５と弁体嵌合筒部２４との間の後端壁部分に穿設した透孔２７を介して、シリンダ６内と区画壁１６上方の縦筒５内とを連通させている。
【００１９】
シリンダ６内には吸い込み弁２８及び吐出弁２９を設けている。吸い込み弁２８及び吐出弁２９は、弾性を有する合成樹脂で一体成形した弁部材を設けることにより構成している。該弁部材は、上記弁体嵌合筒部２４の外面基端部に凹凸の係合手段を介して嵌着させた基筒部３０と、該基筒部３０の前端面から前方へ突設した複数の弾性螺旋帯部３１で支持され、且つ弁体嵌合筒部２４の前端面へ圧接させた弁板３２と、上記基筒部３０の前端部外面から後方外方へ拡開突設し、且つ、上記短筒部２５の内面へ後端部外面を圧接させた弾性筒状弁板３３とで構成している。そして、上記弁板３２により弁体嵌合筒部２４前面を開閉可能に閉塞することにより吸い込み弁２８を、また、弾性筒状弁板３３により短筒部２５内面を開閉可能に閉塞することにより吐出弁２９をそれぞれ形成している。
【００２０】
尚、射出筒７の先端には噴霧ノズル３４を嵌着固定させており、ポンプ本体８は、その縦筒５及び射出筒７を被覆してカバー３５を一体に形成している。
【００２１】
上記の如きポンプを使用する場合は、例えば、図１が示す状態からトリガー１０を弾性板１４の弾発力に抗して容器体側へ引き寄せると、プランジャ９が押し込まれて、シリンダ６内の液体が加圧されて吐出弁２９が開弁し、シリンダ６内液体が透孔２７から縦筒５上部を介して射出筒７を通り、噴霧ノズル３４から射出する。次いで、トリガー１０の押圧を解放すると、プランジャ９が前進して、シリンダ６内が負圧化するため、吸い込み弁２８が開き、容器体２内の液体がシリンダ６内へ流入する。
【００２２】
尚、上記各実施例において、各部材は主として合成樹脂を使用して形成し、必要に応じてエラストマー等の弾性材料を併用しても良い。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明トリガー式液体噴出ポンプは、既述構成とすることにより、特に、ポンプ本体８の縦筒５基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と、該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー１０裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のバネ部材１１を設け、且つ、上記プランジャ９の前端部をトリガーの揺動に合わせた回動が可能にトリガー１０上部に連結させて、バネ部材１１によりプランジャ９の前方付勢力を付与したしたので、従来、プランジャの前方付勢力付与のために使用されていた金属製のコイルスプリングを排除して全体を合成樹脂或いは合成樹脂とエラストマー等により形成できるため、廃棄の際に金属と合成樹脂等を分別する必要がなく、近年の廃棄物処理事情に則した優れたポンプである。
【００２４】
また、バネ部材は上記弾性基部の存在で、その弾性変形部位を大きく成形できるためより容易に弾性変形させることができ、トリガー操作を円滑に行うことができ、特に、ポンプ全体の大きさが比較的小さい場合に好適である。また、バネ部材は構造が簡単でその大きさもコイルスプリングと比較して大きいため、組み付け操作を容易に行えるという利点も備えている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明トリガー式液体噴出ポンプの一実施例を示す縦断面図である。
【図２】同実施例のバネ部材を示す斜視図である。
【図３】同実施例の側面図である。
【符号の説明】
４…装着キャップ，５…縦筒，６…シリンダ，７…射出筒，
８…ポンプ本体，９…プランジャ，１０…トリガー，１１…バネ部材，
１２…固定リング部，１３…弾性基部，１４…弾性板，
【発明の属する技術分野】
本発明はトリガー式液体噴出ポンプに関する。
【０００２】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出ポンプとして、容器体口頚部に装着キャップを嵌合させ、また、該キャップ上に嵌着固定するとともに、該キャップ上端から起立した縦筒の中間部からシリンダを、その上端部からは射出筒をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体を設け、シリンダの前端開口より前方付勢状態で押し込み可能に突設したプランジャの先端にトリガーを連係させ、該トリガーの操作により容器体内の液を吸い上げて射出筒前端より噴出する如く構成してなるもの等が知られている。
【０００３】
従来のこの種ポンプに於けるプランジャの前方への付勢は、一般にシリンダ内に於いてプランジャ後部に介在させた金属製のコイルスプリングにより行われている。
【０００４】
即ち、プランジャはコイルスプリングにより常時前方へ押圧され、トリガーを引いてプランジャを押し込むことによりコイルスプリングを圧縮させつつプランジャが後退し、また、トリガーの押圧を解除するとスプリングの弾発力によりプランジャが押し戻される如き前後動を行う。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記金属製のコイルスプリングを採用しているものでは、良好な復帰機能を発揮してポンプの良好な液注出機能を発揮できるものではあるが、近年の廃棄物処理事情では、金属とプラスチックの分別処理が要望され、従来のものでは、これらコイルスプリングが一般に微細であること、内部に密閉されていること等の理由によりこの分別が極めて困難であった。また、組み立てに際しても、これらコイルスプリングは微細のため取り扱いが不便であった。
【０００６】
この様な事情を考慮して上記コイルスプリングを金属製からプラスチック製に変える試みも行われている様ではあるが、プラスチック製は金属製に比べて一般に耐久性，弾性復元力に劣る。従って、金属性のものと同様の復元力を得ようとすると、その径や太さが大きくならざるを得ず、ポンプ全体の形態或いは大きさに大幅な影響を与え、現状では現実的ではない。
【０００７】
本発明は上記した点に鑑みなされたもので、金属製のコイルスプリングを使用せずに全体を合成樹脂等の分別処理を必要としない材質でのみ形成することができ、しかも従来のこの種ポンプの形態を大きく変えることなく形成できるとともに、プランジャの優れた復帰能力を備えたトリガー式液体噴出ポンプを提案するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本請求項１発明のポンプは上記課題を解決するため、容器体口頚部に嵌合させる装着キャップ４と、該装着キャップ上に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒５の中間部からシリンダ６を、その上端部からは射出筒７をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体８と、上記シリンダ内を前方付勢状態で押し込み可能に設けたプランジャ９と、上記射出筒前部に上端部を枢着させて垂下させるとともに、上記プランジャ前端部をその上部に連係させたトリガー１０とを備え、該トリガーの操作により容器体内の液体を吸い上げて射出筒７前端より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、上記縦筒基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と、該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のバネ部材１１を設け、且つ、上記プランジャの前端部をトリガーの揺動に合わせた回動が可能にトリガー上部に連結させて、バネ部材によりプランジャの前方付勢力を付与したことを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプとして構成した。
【０００９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図１に示す如く、容器体２の口頚部３に嵌合させる装着キャップ４と、該装着キャップ上に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒５の中間部からシリンダ６を、その上端部からは射出筒７をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体８と、上記シリンダ内を前方付勢状態で押し込み可能に設けたプランジャ９と、上記射出筒前部に上端部を枢着させて垂下させるとともに、上記プランジャ前端部をその上部に連係させたトリガー１０とを備え、該トリガーの操作により容器体内の液体を吸い上げて射出筒７前端より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプ１の改良に係わるものである。
【００１０】
本発明ポンプは、上記したこの種ポンプに於いて、特殊構成のバネ部材１１を設けるとともに、プランジャ９の前端部をトリガー１０の揺動に合わせた回動が可能にトリガー１０上部に連結させて両者を連係させ、バネ部材１１によりプランジャ９の前方付勢力を付与する如く構成している。
【００１１】
上記バネ部材１１は、縦筒５基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー１０裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のものである。
【００１２】
本実施例に於けるバネ部材１１は、図２に示す如く、後述する縦筒５の大径部外周に合わせて固定リング部１２を平面視円形状に構成し、また、弾性基部１３は平面視半楕円状に形成しており、更に、弾性板１４は前方へ水平に突出する板状に構成している。上記弾性基部１３及び弾性板１４の形状は本実施例のものに限らず、弾性基部１３にあっては上記した構成を満たす形状であれば採用でき、また、弾性板１４も装着前から前方下方へ湾曲下降した形状であっても良い。
【００１３】
また、本実施例ではポンプ本体８の縦筒５の下端部を大径部５ａに構成するとともに、大径部５ａの後部偏心位置より上方に小径部５ｂを延設して構成している。また縦筒５内には、その大径部５ａ内面から小径部５ｂ内面上下中央部に至る部分に沿って外面を嵌着するとともに、上面閉塞で下端開口の区画壁形成部材１５を嵌着しており、その頂板部を、上記縦筒小径部５ｂを上下に区画する区画壁１６として構成している。また、区画壁形成部材１５の大径部分外面下部より、その上面を縦筒下面に当接してその外方へ突出させたフランジ１７を設けている。そして、縦筒５の上記大径部５ａ外面に固定リング部１２を嵌着固定させている。また、この際固定リング部１２の前部中央内面に凹溝１８を凹設して、上記大径部５ａ前面に突設した縦突条１９と係合させて回動防止を図っている。
【００１４】
また、本実施例に於いて上記トリガー１０は、上記射出筒７の前部両側に於いて、側板１０ａ の上端部を回動可能に連結し、また、両側板１０ａ 前縁間に上端部を除いて前板１０ｂ を掛け渡している。また、前板１０ｂ の上端縁より後方へ係止板２０を突設し、この係止板２０上面を射出筒７下面に当接させて前方付勢されたトリガー１０がそれ以上前方へ回動しないよう構成している。本実施例に於けるトリガー１０とプランジャ９の連係は、このトリガー１０の両側板１０ａ 上部内面とプランジャ９両側前部とを枢着し、その枢着部の突部が若干の移動が可能なごとく、例えば楕円状に凹部を形成し、トリガー１０の揺動に合わせた回動が可能に連結し、このことにより、プランジャ９が真っ直ぐ押し込まれる如く構成している。
【００１５】
そして、トリガー１０を後方へ引くと、弾性板１４が弾性変形しつつその先端縁を上記前板１０ｂ 裏面下方へ摺動させ、トリガー１０の押圧を解除すれば、この弾性板１４の弾性復元力により、トリガー１０が前方へ押し戻され、その結果、プランジャ９も前方へ引き出される如く構成している。
【００１６】
ここで、本実施例に於けるその他の部分を説明する。
装着キャップ４は、容器体口頚部３外周に周壁２１を螺着させて着脱可能に容器体２に装着し、ひいてはポンプ全体を容器体に固定させるためのもので、その周壁２１上端縁より内方へフランジ２２を延設し、該フランジにより上記区画壁形成部材１５のフランジ１７上面を容器体口頚部３上面に押圧係止する如く構成している。
【００１７】
また、縦筒５内の区画壁形成部材１５の小径部分の下端に吸い上げパイプ２３を嵌合させて容器体内に垂下させている。
【００１８】
シリンダ６は、その後端面を、上記縦筒５の前壁で形成する後端壁により閉塞するとともに、該後端壁の中央部から後方大径の弁体嵌合筒部２４を、かつその後端壁外周部から短筒部２５を、それぞれ前方突設し、その弁体嵌合筒部２４の基端開口を透孔２６を介して区画壁１６下方の縦筒５内と連通させ、また、短筒部２５と弁体嵌合筒部２４との間の後端壁部分に穿設した透孔２７を介して、シリンダ６内と区画壁１６上方の縦筒５内とを連通させている。
【００１９】
シリンダ６内には吸い込み弁２８及び吐出弁２９を設けている。吸い込み弁２８及び吐出弁２９は、弾性を有する合成樹脂で一体成形した弁部材を設けることにより構成している。該弁部材は、上記弁体嵌合筒部２４の外面基端部に凹凸の係合手段を介して嵌着させた基筒部３０と、該基筒部３０の前端面から前方へ突設した複数の弾性螺旋帯部３１で支持され、且つ弁体嵌合筒部２４の前端面へ圧接させた弁板３２と、上記基筒部３０の前端部外面から後方外方へ拡開突設し、且つ、上記短筒部２５の内面へ後端部外面を圧接させた弾性筒状弁板３３とで構成している。そして、上記弁板３２により弁体嵌合筒部２４前面を開閉可能に閉塞することにより吸い込み弁２８を、また、弾性筒状弁板３３により短筒部２５内面を開閉可能に閉塞することにより吐出弁２９をそれぞれ形成している。
【００２０】
尚、射出筒７の先端には噴霧ノズル３４を嵌着固定させており、ポンプ本体８は、その縦筒５及び射出筒７を被覆してカバー３５を一体に形成している。
【００２１】
上記の如きポンプを使用する場合は、例えば、図１が示す状態からトリガー１０を弾性板１４の弾発力に抗して容器体側へ引き寄せると、プランジャ９が押し込まれて、シリンダ６内の液体が加圧されて吐出弁２９が開弁し、シリンダ６内液体が透孔２７から縦筒５上部を介して射出筒７を通り、噴霧ノズル３４から射出する。次いで、トリガー１０の押圧を解放すると、プランジャ９が前進して、シリンダ６内が負圧化するため、吸い込み弁２８が開き、容器体２内の液体がシリンダ６内へ流入する。
【００２２】
尚、上記各実施例において、各部材は主として合成樹脂を使用して形成し、必要に応じてエラストマー等の弾性材料を併用しても良い。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明トリガー式液体噴出ポンプは、既述構成とすることにより、特に、ポンプ本体８の縦筒５基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と、該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー１０裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のバネ部材１１を設け、且つ、上記プランジャ９の前端部をトリガーの揺動に合わせた回動が可能にトリガー１０上部に連結させて、バネ部材１１によりプランジャ９の前方付勢力を付与したしたので、従来、プランジャの前方付勢力付与のために使用されていた金属製のコイルスプリングを排除して全体を合成樹脂或いは合成樹脂とエラストマー等により形成できるため、廃棄の際に金属と合成樹脂等を分別する必要がなく、近年の廃棄物処理事情に則した優れたポンプである。
【００２４】
また、バネ部材は上記弾性基部の存在で、その弾性変形部位を大きく成形できるためより容易に弾性変形させることができ、トリガー操作を円滑に行うことができ、特に、ポンプ全体の大きさが比較的小さい場合に好適である。また、バネ部材は構造が簡単でその大きさもコイルスプリングと比較して大きいため、組み付け操作を容易に行えるという利点も備えている。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明トリガー式液体噴出ポンプの一実施例を示す縦断面図である。
【図２】同実施例のバネ部材を示す斜視図である。
【図３】同実施例の側面図である。
【符号の説明】
４…装着キャップ，５…縦筒，６…シリンダ，７…射出筒，
８…ポンプ本体，９…プランジャ，１０…トリガー，１１…バネ部材，
１２…固定リング部，１３…弾性基部，１４…弾性板，
Claims (1)
- 容器体口頚部に嵌合させる装着キャップ４と、該装着キャップ上に嵌着固定するとともに、装着キャップ上端から起立した縦筒５の中間部からシリンダ６を、その上端部からは射出筒７をそれぞれ前方へ突設してなるポンプ本体８と、上記シリンダ内を前方付勢状態で押し込み可能に設けたプランジャ９と、上記射出筒前部に上端部を枢着させて垂下させるとともに、上記プランジャ前端部をその上部に連係させたトリガー１０とを備え、該トリガーの操作により容器体内の液体を吸い上げて射出筒７前端より噴出する如く構成したトリガー式液体噴出ポンプに於いて、上記縦筒基端部外周部位に嵌着固定するとともに、後部を丈高に形成した固定リング部１２と、該リング部の丈高部分前面間に一体に掛け渡して縦筒基端部前部外周を囲繞するとともに、下方への圧縮弾性変形が可能に少なくとも固定リング部１２前部上面及び縦筒５前面と隙間をあけて突設した半環状の弾性基部１３と、該弾性基部前面より前方へ一体に突設するとともに、前方へ湾曲下降してその前端をトリガー裏面に当接させた弾性板１４とからなる合成樹脂製のバネ部材１１を設け、且つ、上記プランジャの前端部をトリガーの揺動に合わせた回動が可能にトリガー上部に連結させて、バネ部材によりプランジャの前方付勢力を付与したことを特徴とするトリガー式液体噴出ポンプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35451696A JP3593230B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | トリガー式液体噴出ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35451696A JP3593230B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | トリガー式液体噴出ポンプ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10174917A JPH10174917A (ja) | 1998-06-30 |
| JP3593230B2 true JP3593230B2 (ja) | 2004-11-24 |
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|---|---|---|---|---|
| JP4919269B2 (ja) * | 2006-07-31 | 2012-04-18 | 株式会社吉野工業所 | トリガー式液体噴出ポンプ |
-
1996
- 1996-12-18 JP JP35451696A patent/JP3593230B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| JPH10174917A (ja) | 1998-06-30 |
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