JP3701393B2 - トリガー式液体噴出器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリガー式の液体噴出器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば実開平4‐17855 号が示すように、垂直筒の中間部からシリンダを、かつ上端から射出筒を、それぞれ前方突出する噴出器本体の下端に、容器体口頸部嵌合用の装着筒を、該装着筒の上面を閉塞する頂板に貫設した起立筒上部を上記垂直筒下部内へ嵌合させて付設し、上記射出筒前部に枢着させて垂下したトリガー上部に、上記シリンダ内へ嵌合されて前方突出するプランジヤ前部を係合させ、上記トリガー操作で容器内液体を吸込み弁を介してシリンダ内へ、又該シリンダ内液体を吐出弁を介して射出筒前端へ嵌着させたノズル筒から噴出するよう設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のトリガー式液体噴出器は、吸込み弁と吐出弁とを別々に設けているから構造が複雑化することとなり、又吸い込み弁を玉弁で形成しているから、容器を傾けた場合に玉弁が弁座から離れることがあり、すると液体を噴出させることが不能となるものであった。
【0004】
本発明は上記従来の欠点を除去するもので、請求項1記載の液体噴出器の場合は、合成樹脂材で一体成形した弁部材一部を吸込み弁の弁体に、又他の一部を吐出弁の弁体とすることで、該弁部材を液体噴出器内へ装着させるだけで、吸込み弁と吐出弁とを形成可能とすると共に、上記吸込み弁の弁体は屈曲するバネ片先端に付設することで、そのバネ片が弾性によりその吸込み弁閉塞状態を保持するよう設けて、容器を傾ける等しただけでは吸込み弁が開弁することがないようにしたものであり、又請求項2記載の液体噴出器は、請求項1記載の液体噴出器が有する課題を共に有すると共に、吸込み弁座に対する弁体の着脱が常に正確に行われるよう設けたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の手段として、垂直筒2の中間部からシリンダ3を、かつ上端から射出筒4を、それぞれ前方突出する噴出器本体1の下端に、容器体口頸部嵌合用の装着筒11を、該装着筒上面を閉塞する頂壁12に貫設した起立筒13上部を上記垂直筒2下部内へ嵌合させて付設し、上記射出筒4前部に枢着させて垂下したトリガー21上部に、上記シリンダ内へ嵌合されて前方突出するプランジヤ31前部を係合させ、上記トリガー操作で容器体内液体をシリンダ3内へ、又該シリンダ内液体を射出筒前端に嵌着させたノズル筒6から噴出可能としたトリガー式液体噴出器において、
【0006】
上記起立筒13の上部内からシリンダ上方の垂直筒部分内までの間に、
円板42の下面から、外面に適当数の凹溝43を縦設した栓状部44を、かつ該栓状部下面から蛇行状に屈曲するバネ片45を、それぞれ垂下し、かつバネ片下端に弁板46を付設すると共に、円板外周から上外方へ拡開させて弾性円筒状部47を起立する、弾性に富む合成樹脂材で一体成形した弁部材41を、
【0007】
上記栓状部44の下半は起立筒13の上端部内へ抜出し不能に嵌着させると共に、起立筒13内面に付設した内向きフランジ15上面へ弁板46を、又シリンダ上方の垂直筒部分内面へ円筒状部47の上端外縁を、それぞれ圧接させて嵌合させ、上記内向きフランジと弁板とで吸込み弁48を、垂直筒部分内面と円筒状部上端とで吐出弁49を、それぞれ形成した。
【0008】
第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に、弁板46下面中央部から弁棒51を垂下して、起立筒13内面に付設した内向きフランジ15のフランジ孔15a 内へ遊挿させた。
【0009】
【発明の実施の形態】
まずトリガー式液体噴出器の一般的構造について説明すると、1はトリガー式液体噴出器の噴出器本体で、該本体は垂直筒2の中間部からシリンダ3を、かつ上端から射出筒4を、それぞれ前方へ突出する。尚図示例ではシリンダを囲んで垂直筒前面からシリンダよりも大径かつシリンダよりも長いガイド筒5を突出させている。
【0010】
上記噴出器本体1の下端には、容器体口頸部嵌合用の装着筒11を付設している。該装着筒はその上面を頂壁12で閉塞し、該頂壁中央部に起立筒13を貫設して、該起立筒上部を既述の垂直筒2の下部内へ嵌着させ、又起立筒下部を容器体内へ垂下させる吸上げパイプ14の嵌合筒としている。上記起立筒上部の中間部内面には内向きフランジ15を付設し、その上面内周縁を上部大径のテーパ状弁座としている。図示例にあっては、上記起立筒貫設部分を囲む頂壁部分を隆起して下面開口の内外二重筒状部16となし、その外筒16a 外面へ噴出器本体1から垂下する嵌合筒17を嵌合させ、上記起立筒13上部に対する垂直筒2下部の嵌合と、外筒16a に対する嵌合筒17の嵌合とで、噴出器本体下端へ装着筒11を抜出し不能に嵌着させている。尚装着筒11内へは、パッキング兼用の外気吸入弁形成用バルブ部材18を嵌合させている。
【0011】
射出筒4の前部に枢着22させてトリガー21が垂下させてあり、該トリガー下端からは折返し部23を介して板バネ24を上後方へ突出してその先端を既述ガイド筒5の後部下面と該後部下面から垂下する嵌合筒17部分との接合部に設けた前面開口の凹部25内へ係止させている。
【0012】
31はプランジヤで、その後端部をシリンダ3の前部内へ嵌合させ、又中間部外面に周設した係合突条32をガイド筒5の前部内へ嵌合させて、プランジヤ前端部をトリガー上部から後方突出した係合筒部33の後部内へ揺動可能に枢着34させている。但し通常該プランジヤは、シリンダ内へ装着された金属製のコイルスプリングで前方付勢されて、シリンダ内から前方突出させてあり、そのプランジヤ前端をトリガー上部後面へ係合させる。
【0013】
本発明にあっては、既述起立筒13の上部内からシリンダ上方の垂直筒部分内までの間に、弾性に富む合成樹脂材で一体成形した弁部材41を嵌合させた。該弁部材は、円板42の下面から、外面に適当数の凹溝43を縦設した栓状部44を、かつ該栓状部下面から蛇行状に屈曲するバネ片45を、それぞれ垂下し、かつバネ片下端に弁板46を付設すると共に、円板外周から上外方へ拡開させて弾性円筒状部47を起立したもので、上記栓状部44下半を起立筒13の上端部内へ抜出し不能に嵌着させ、又弁板46を起立筒内面に付設した内向きフランジ15上面へ圧接させて吸込み弁48となし、更にシリンダ3上方の垂直筒部分内面へ円筒状部47の上端外縁を圧接させて吐出弁49とした。起立筒13の上端部内への栓状部44下半の嵌着を確実とするため、図示のように起立筒上部内面に突条を周設し、栓状部44外面に周設した凹溝内へ上記突条を嵌合させるとよい。又栓状部44の抜出し防止のためには、垂直筒2上端面を閉塞する頂板部分から係合筒50を垂下して該筒下端へ円板42上面を係合させるとよい。弁板46下面の中央部からは弁棒51を垂下し、該弁棒を内向きフランジ15のフランジ孔内へ遊挿させている。このようにすることで、弁棒51がガイドとなって内向きフランジ上面内周縁が形成する弁座への弁板46の着脱を確実とすることが出来る。
【0014】
既述構成において、容器体装着状態においてトリガー21を引寄せすると、プランジヤ31がシリンダ後方へ押込まれることでシリンダ内が高圧化し、すると吐出弁49を通り射出筒4前端に嵌着されたノズル筒6からシリンダ内液体が噴出され、次いでトリガー21を離すとトリガーと共にプランジヤ31が前進し、このとき吐出弁49は閉塞しているためシリンダ内は負圧化し、吸上げパイプ14、吸込み弁48、栓状部44の凹溝43、垂直筒とシリンダとの連通孔7を通って容器体内液体がシリンダ3内へ入る。シリンダ内液体が吐出弁49を通過する際は、高圧液体が弾性円筒状部47の上部を、その弾性に抗して内方へ弯曲させて通過し、該液体通過後、弾性円筒状部47は直ちに弾性復元してその上端外縁を垂直筒2の内壁面へ圧接して吐出弁49を閉じる。又容器内液体が吸込み弁48を通過する際は、バネ片45の弾性に抗して弁板46を押上げて弁孔、つまりフランジ孔15a を通過し、通過後直ちにバネ片45が弾性復元して弁板46が上記フランジ孔15a を密閉する。弁板46から弁棒51を垂下した場合は、弁板46が吸上げ液体により押上げられ、弁座から離れても、弁棒51下部はフランジ孔15a 内に挿通されているため、弁板46がフランジ孔15a 上方から側方へ移動することはなく、液体通過完了後弁板46は弁棒51がガイドとなって再びフランジ孔15a を密閉する。
【0015】
【発明の効果】
本発明は既述構成とするもので、請求項1記載の液体噴出器の場合は、トリガー式液体噴出器の起立筒13の上部内からシリンダ上方の垂直筒部分までの間に、弾性に富む合成樹脂材で一体成形した既述構成の弁部材41を、該部材の栓状部44下半は起立筒13の上端部内へ抜出し不能に嵌着させると共に、起立筒13内面に付設した内向きフランジ15上面へ弁板46を、又シリンダ上方の垂直筒部分内面へ円筒状部47の上端外縁を、それぞれ圧接させて嵌合させ、上記内向きフランジと弁板とで吸込み弁48を、垂直筒部分内面と円筒状部上端とで吐出弁49を、それぞれ形成させたから、上記一体成形した弁部材41を嵌合させるだけで吸込み弁と吐出弁とを形成できる便利があり、又吸込み弁48は内向きフランジ15上面へ、栓状部44下面から蛇行状に屈曲して垂下するバネ片45下端に付設した弁板46を、又吐出弁49は垂直筒部分内面へ円筒状部47の上端外縁を、それぞれ圧接させて形成したから、それ等両弁を玉弁で形成した場合のように、液体噴出器を傾けて使用してもそのため玉弁が移動して弁が開くようなことがない。
【0016】
請求項2記載の液体噴出器の場合は、上記効果を有するほか上記弁板46の下面中央部から弁棒51を垂下して内向きフランジ15のフランジ孔15a 内へ遊挿させたから、吸込み弁開弁時に吸上げ液体が弁板46を内向きフランジ15から押上げても、その弁棒51下部はフランジ孔15a 内に挿入された状態を保つこととなり、よって上記押上げによって弁板46がフランジ孔15a 上方から側方へずれることがなく、吸上げ液体通過後、弁板46は再び内向きフランジ15の所定位置へ着座することとなり、吸込み弁の開閉を確実に行わせることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明トリガー式液体噴出器の縦断面図である。
【図2】 図1の液体噴出器に使用する弁部材の斜視図である。
【符号の説明】
11…装着筒 13…起立筒
41…弁部材 44…栓状部
48…吸込み弁 49…吐出弁

Claims (2)

  1. 垂直筒2の中間部からシリンダ3を、かつ上端から射出筒4を、それぞれ前方突出する噴出器本体1の下端に、容器体口頸部嵌合用の装着筒11を、該装着筒上面を閉塞する頂壁12に貫設した起立筒13上部を上記垂直筒2下部内へ嵌合させて付設し、上記射出筒4前部に枢着させて垂下したトリガー21上部に、上記シリンダ内へ嵌合されて前方突出するプランジヤ31前部を係合させ、上記トリガー操作で容器体内液体をシリンダ3内へ、又該シリンダ内液体を射出筒前端に嵌着させたノズル筒6から噴出可能としたトリガー式液体噴出器において、
    上記起立筒13の上部内からシリンダ上方の垂直筒部分内までの間に、
    円板42の下面から、外面に適当数の凹溝43を縦設した栓状部44を、かつ該栓状部下面から蛇行状に屈曲するバネ片45を、それぞれ垂下し、かつバネ片下端に弁板46を付設すると共に、円板外周から上外方へ拡開させて弾性円筒状部47を起立する、弾性に富む合成樹脂材で一体成形した弁部材41を、
    上記栓状部44の下半は起立筒13の上端部内へ抜出し不能に嵌着させると共に、起立筒13内面に付設した内向きフランジ15上面へ弁板46を、又シリンダ上方の垂直筒部分内面へ円筒状部47の上端外縁を、それぞれ圧接させて嵌合させ、上記内向きフランジと弁板とで吸込み弁48を、垂直筒部分内面と円筒状部上端とで吐出弁49を、それぞれ形成した
    ことを特徴とするトリガー式液体噴出器。
  2. 弁板46下面中央部から弁棒51を垂下して、起立筒13内面に付設した内向きフランジ15のフランジ孔15a 内へ遊挿させたことを特徴とする請求項1記載のトリガー式液体噴出器。
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