JP3647583B2 - トリガー式液体噴出器の弁部材 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリガー式液体噴出器の弁部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出器は、通常容器体口頸部へ螺合させる装着筒上端内から垂直筒を起立すると共に、該垂直筒上端から射出筒を、又垂直筒中間部からシリンダを、それぞれ前方突出し、射出筒前部に枢着させて斜下前方へ垂下したトリガーの上部後面に、上記シリンダ内へ前方付勢させて螺合させたプランジャ前端部を係止させ、トリガー操作で容器体内液体を吸込み弁を介してシリンダ内へ吸込み、又該シリンダ内液体を吐出弁を介して射出筒前端へ嵌合させたノズルヘッドのノズル孔から噴出可能に設けている。
上記吸込み弁と吐出弁とは、例えば実開平 6‐34759号が示すように吸込み弁は垂直筒下部に設けた玉弁で、又吐出弁は垂直筒上部内へ嵌合させた吐出弁部材で、それぞれ形成していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記吸込み弁の弁体と吸出弁の弁体とを、合成樹脂材で形成した一箇の弁部材の各一部で形成して、該弁部材を垂直筒内へ装着させるだけで、上記両弁を同時に形成できるよう設けたものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
第１の手段として、波板の断面形状に屈曲部を連続する中間バネ板３の下端に、吸込み弁体４を付設すると共に、
上記中間バネ板３上端から上方へ棒部８を起立して、該棒部８の下部から斜上外方へ逆スカート状の弾性吐出弁体９を突出し、全体を合成樹脂材により一体成形した。
【０００５】
第２の手段として、上記第１の手段を有すると共に吸込み弁体４の外周面に適当数の案内用係合突子７をほぼ等間隔に配設した。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下図面について説明すると、１が本発明に関する弁部材で、波板の断面形状のように屈曲部２を連続して有する中間バネ板３の下端に、吸込み弁体４を付設する。該弁体は図２のように頂板５外周から周壁６を垂下する有頂の筒状でもよく、又棒状でもよい。その下端面は、トリガー式液体噴出器の垂直筒内面に設ける弁座上へ載置可能に設ける。その吸込み弁体４の外周面には、適当数の係合突子７をほぼ等間隔に配設する。
【０００７】
又上記中間バネ板３の上端からは、棒部８を上方起立して、該棒部の下部から斜上外方へ逆スカート状の弾性吐出弁体９を突出する。該弾性吐出弁体は、図２のように棒部に付設した外向きフランジ10を介して突出させてもよい。
【０００８】
上記弁部材１は合成樹脂材により一体成形するものとする。
上記弁部材は、図２が示すように、トリガー式液体噴出器の垂直筒内へ装着させる。
【０００９】
該トリガー式液体噴出器について簡単に説明しておくと、21は容器体口頸部に螺合等して嵌合させる装着筒、22はその装着筒の上部内面から起立する、噴出器本体取付け部材で、噴出器本体の外垂直筒内面へ嵌合させる内垂直筒23を起立する。
【００１０】
24は噴出器本体で、上記内垂直筒外面へ嵌合させた外垂直筒25上端からは射出筒26が、又外垂直筒下部からはシリンダ27が、それぞれ前方へ突出している。射出筒26前部にはノズルヘッド取付筒28を嵌合させ、該取付筒前部にはノズル孔30付きのノズルヘッド29を嵌合させている。尚該ノズルヘッド29はノズル孔30を開閉する蓋板付き部材31を有する。
【００１１】
射出筒26前部からは、前後方向への揺動が自在にトリガー32が斜下前方へ垂下させてあり、又該トリガーの上方後部には、上記シリンダ内へ後部を嵌合させて前方突出するプランジャ33前部を枢着34させている。図示例ではシリンダ27と射出筒26との間の内外垂直筒が形成する垂直筒35前半部分へ平面、Ｃ字形状に設けた基部36を嵌合させ、該基部の左右両側から弯曲突出させた板バネ37，37先端をトリガー32の上方後部に係止させ、その板バネ37，37によりトリガー32およびプランジャ33を前方へ付勢している。但し通常それ等プランジャ等の前方付勢は、シリンダ内へコイルスプリングを装着させて行う。
【００１２】
図示例においては、垂直筒35を内外二重筒で形成したが、内垂直筒23は省略しても よく、この場合は外垂直筒だけが垂直筒を形成することとなる。吸込み弁用の弁座38は垂直筒下部内面に設け、該垂直筒内に弁部材１を装着させる。該弁部材１の棒部８上端は、垂直筒35の上面を閉塞する頂板35a 下面へ、中間バネ板３の弾性に抗して圧接している。
【００１３】
図２が示す状態からトリガー32を引寄せると、シリンダ27内の高圧化でシリンダ後壁に設けた透孔39を通って垂直筒35内に入った液体は、吐出弁体９を弾性変形させることで射出筒26内へ入り、ノズル孔30から噴出する。トリガー32を離すと、板バネ37，37の復元によりトリガー32およびプランジャ33が元の位置へ復元することとなり、このとき高圧状態解消により弾性吐出弁体９はその上端外周部を垂直筒35内面へ圧接して吐出弁を閉じているため、シリンダ27内は負圧化することとなり、該負圧化により吸込み弁孔を閉塞している吸込み弁体４は中間バネ板の弾性に抗して押上げられ、すると吸上げパイプ40更に係合突子７間を通って容器体内液体がシリンダ27内へ入り、次回のトリガー引寄せ操作による、液体噴出に備える。
【００１４】
【発明の効果】
請求項１記載の本発明弁部材は、中間バネ板３の下端に吸込み弁体４を、又中間バネ板３上端から起立する棒部８の下部に弾性吐出弁体９を設けて形成したから、該弁部材をトリガー式液体噴出器の垂直筒35内へ嵌合させるだけで、吸込み弁と吐出弁との両弁を同時に形成できることとなり、それ等両弁を別々に形成する場合に比べてその構成を簡易化できると共にその弁部材の組付けも容易に行うことが出来る。又弾性吐出弁体９は逆スカート状に斜上外方へ突出して形成したから、吸込み弁体４と弾性吐出弁体９との間の垂直筒部分内に開孔するシリンダ27内が負圧化すると、弾性吐出弁体の上端外周は垂直筒の内壁面へ圧接してそれ等筒壁内面と弾性吐出弁体９上端外周部とが形成する吐出弁を確実かつ迅速に閉塞させることが出来る効果を有する。
【００１５】
請求項２記載の弁部材は、上記請求項１記載の弁部材が有する効果を併せ有するほか、吸込み弁体４の外周面に適当数の案内用係合突子７を付設したから、それ等係合突子の案内によって吸込み弁体は吸込み弁用の弁座38へ正確に着脱することとなり、又その弁座が有する弁孔を通った吸上げ液体はそれ等係合突子７間を通って垂直筒35内へ入ることとなり、吸込み弁体４が液体流入の邪魔となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明弁部材の斜視図である。
【図２】 本発明弁部材を有する、トリガー式液体噴出器の縦断面図である。
【符号の説明】
１…弁部材 ４…吸込み弁体 ９…弾性吐出弁体
【発明の属する技術分野】
本発明は、トリガー式液体噴出器の弁部材に関する。
【０００２】
【従来の技術】
トリガー式液体噴出器は、通常容器体口頸部へ螺合させる装着筒上端内から垂直筒を起立すると共に、該垂直筒上端から射出筒を、又垂直筒中間部からシリンダを、それぞれ前方突出し、射出筒前部に枢着させて斜下前方へ垂下したトリガーの上部後面に、上記シリンダ内へ前方付勢させて螺合させたプランジャ前端部を係止させ、トリガー操作で容器体内液体を吸込み弁を介してシリンダ内へ吸込み、又該シリンダ内液体を吐出弁を介して射出筒前端へ嵌合させたノズルヘッドのノズル孔から噴出可能に設けている。
上記吸込み弁と吐出弁とは、例えば実開平 6‐34759号が示すように吸込み弁は垂直筒下部に設けた玉弁で、又吐出弁は垂直筒上部内へ嵌合させた吐出弁部材で、それぞれ形成していた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記吸込み弁の弁体と吸出弁の弁体とを、合成樹脂材で形成した一箇の弁部材の各一部で形成して、該弁部材を垂直筒内へ装着させるだけで、上記両弁を同時に形成できるよう設けたものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
第１の手段として、波板の断面形状に屈曲部を連続する中間バネ板３の下端に、吸込み弁体４を付設すると共に、
上記中間バネ板３上端から上方へ棒部８を起立して、該棒部８の下部から斜上外方へ逆スカート状の弾性吐出弁体９を突出し、全体を合成樹脂材により一体成形した。
【０００５】
第２の手段として、上記第１の手段を有すると共に吸込み弁体４の外周面に適当数の案内用係合突子７をほぼ等間隔に配設した。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下図面について説明すると、１が本発明に関する弁部材で、波板の断面形状のように屈曲部２を連続して有する中間バネ板３の下端に、吸込み弁体４を付設する。該弁体は図２のように頂板５外周から周壁６を垂下する有頂の筒状でもよく、又棒状でもよい。その下端面は、トリガー式液体噴出器の垂直筒内面に設ける弁座上へ載置可能に設ける。その吸込み弁体４の外周面には、適当数の係合突子７をほぼ等間隔に配設する。
【０００７】
又上記中間バネ板３の上端からは、棒部８を上方起立して、該棒部の下部から斜上外方へ逆スカート状の弾性吐出弁体９を突出する。該弾性吐出弁体は、図２のように棒部に付設した外向きフランジ10を介して突出させてもよい。
【０００８】
上記弁部材１は合成樹脂材により一体成形するものとする。
上記弁部材は、図２が示すように、トリガー式液体噴出器の垂直筒内へ装着させる。
【０００９】
該トリガー式液体噴出器について簡単に説明しておくと、21は容器体口頸部に螺合等して嵌合させる装着筒、22はその装着筒の上部内面から起立する、噴出器本体取付け部材で、噴出器本体の外垂直筒内面へ嵌合させる内垂直筒23を起立する。
【００１０】
24は噴出器本体で、上記内垂直筒外面へ嵌合させた外垂直筒25上端からは射出筒26が、又外垂直筒下部からはシリンダ27が、それぞれ前方へ突出している。射出筒26前部にはノズルヘッド取付筒28を嵌合させ、該取付筒前部にはノズル孔30付きのノズルヘッド29を嵌合させている。尚該ノズルヘッド29はノズル孔30を開閉する蓋板付き部材31を有する。
【００１１】
射出筒26前部からは、前後方向への揺動が自在にトリガー32が斜下前方へ垂下させてあり、又該トリガーの上方後部には、上記シリンダ内へ後部を嵌合させて前方突出するプランジャ33前部を枢着34させている。図示例ではシリンダ27と射出筒26との間の内外垂直筒が形成する垂直筒35前半部分へ平面、Ｃ字形状に設けた基部36を嵌合させ、該基部の左右両側から弯曲突出させた板バネ37，37先端をトリガー32の上方後部に係止させ、その板バネ37，37によりトリガー32およびプランジャ33を前方へ付勢している。但し通常それ等プランジャ等の前方付勢は、シリンダ内へコイルスプリングを装着させて行う。
【００１２】
図示例においては、垂直筒35を内外二重筒で形成したが、内垂直筒23は省略しても よく、この場合は外垂直筒だけが垂直筒を形成することとなる。吸込み弁用の弁座38は垂直筒下部内面に設け、該垂直筒内に弁部材１を装着させる。該弁部材１の棒部８上端は、垂直筒35の上面を閉塞する頂板35a 下面へ、中間バネ板３の弾性に抗して圧接している。
【００１３】
図２が示す状態からトリガー32を引寄せると、シリンダ27内の高圧化でシリンダ後壁に設けた透孔39を通って垂直筒35内に入った液体は、吐出弁体９を弾性変形させることで射出筒26内へ入り、ノズル孔30から噴出する。トリガー32を離すと、板バネ37，37の復元によりトリガー32およびプランジャ33が元の位置へ復元することとなり、このとき高圧状態解消により弾性吐出弁体９はその上端外周部を垂直筒35内面へ圧接して吐出弁を閉じているため、シリンダ27内は負圧化することとなり、該負圧化により吸込み弁孔を閉塞している吸込み弁体４は中間バネ板の弾性に抗して押上げられ、すると吸上げパイプ40更に係合突子７間を通って容器体内液体がシリンダ27内へ入り、次回のトリガー引寄せ操作による、液体噴出に備える。
【００１４】
【発明の効果】
請求項１記載の本発明弁部材は、中間バネ板３の下端に吸込み弁体４を、又中間バネ板３上端から起立する棒部８の下部に弾性吐出弁体９を設けて形成したから、該弁部材をトリガー式液体噴出器の垂直筒35内へ嵌合させるだけで、吸込み弁と吐出弁との両弁を同時に形成できることとなり、それ等両弁を別々に形成する場合に比べてその構成を簡易化できると共にその弁部材の組付けも容易に行うことが出来る。又弾性吐出弁体９は逆スカート状に斜上外方へ突出して形成したから、吸込み弁体４と弾性吐出弁体９との間の垂直筒部分内に開孔するシリンダ27内が負圧化すると、弾性吐出弁体の上端外周は垂直筒の内壁面へ圧接してそれ等筒壁内面と弾性吐出弁体９上端外周部とが形成する吐出弁を確実かつ迅速に閉塞させることが出来る効果を有する。
【００１５】
請求項２記載の弁部材は、上記請求項１記載の弁部材が有する効果を併せ有するほか、吸込み弁体４の外周面に適当数の案内用係合突子７を付設したから、それ等係合突子の案内によって吸込み弁体は吸込み弁用の弁座38へ正確に着脱することとなり、又その弁座が有する弁孔を通った吸上げ液体はそれ等係合突子７間を通って垂直筒35内へ入ることとなり、吸込み弁体４が液体流入の邪魔となることがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明弁部材の斜視図である。
【図２】 本発明弁部材を有する、トリガー式液体噴出器の縦断面図である。
【符号の説明】
１…弁部材 ４…吸込み弁体 ９…弾性吐出弁体
Claims (2)
- 波板の断面形状に屈曲部を連続する中間バネ板３の下端に、吸込み弁体４を付設すると共に、上記中間バネ板３上端から上方へ棒部８を起立して、該棒部８の下部から斜上外方へ逆スカート状の弾性吐出弁体９を突出し、全体を合成樹脂材により一体成形したことを特徴とする、トリガー式液体噴出器の弁部材。
- 吸込み弁体４の外周面に適当数の案内用係合突子７をほぼ等間隔に配設したことを特徴とする請求項１記載のトリガー式液体噴出器の弁部材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33024396A JP3647583B2 (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | トリガー式液体噴出器の弁部材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33024396A JP3647583B2 (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | トリガー式液体噴出器の弁部材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10151384A JPH10151384A (ja) | 1998-06-09 |
| JP3647583B2 true JP3647583B2 (ja) | 2005-05-11 |
Family
ID=18230467
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33024396A Expired - Lifetime JP3647583B2 (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | トリガー式液体噴出器の弁部材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3647583B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015182041A1 (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-03 | 株式会社吉野工業所 | トリガー式液体噴出器 |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5469826B2 (ja) * | 2008-06-12 | 2014-04-16 | 花王株式会社 | トリガー式液体吐出器 |
| CN102806163A (zh) * | 2011-05-31 | 2012-12-05 | 王雅灿 | 按压式喷头装置 |
| CN102824976A (zh) * | 2011-06-14 | 2012-12-19 | 王雅灿 | 环保喷头装置 |
| ITBS20120109A1 (it) * | 2012-07-17 | 2014-01-18 | Guala Dispensing Spa | Dispositivo di erogazione a grilletto |
| JP6345095B2 (ja) * | 2014-06-30 | 2018-06-20 | 株式会社吉野工業所 | トリガー式液体噴出器 |
-
1996
- 1996-11-25 JP JP33024396A patent/JP3647583B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2015182041A1 (ja) * | 2014-05-30 | 2015-12-03 | 株式会社吉野工業所 | トリガー式液体噴出器 |
| AU2015265399B2 (en) * | 2014-05-30 | 2018-01-04 | Yoshino Kogyosho Co., Ltd. | Trigger-type liquid sprayer |
| US10040087B2 (en) | 2014-05-30 | 2018-08-07 | Yoshino Kogyosho Co., Ltd. | Trigger-type liquid dispenser |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10151384A (ja) | 1998-06-09 |
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