JP2593393Y2 - 液体注出ポンプ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は液体注出ポンプに関する。

「従来の技術及び考案が解決しようとする課題」 液体注出ポンプとして、容器体に装着して使用する押
下げヘッドを上下動させることにより容器体内の液体を
ヘッドのノズル孔より注出する如く構成してなるものが
種々使用されている。

これらポンプは、その構造が複雑な為、数多くの部品
を使用して形成しており、例えば、第２図に示す如く、
上からノズル付き押下げヘッドａ、ステムｂ、吐出弁体
ｃ、ナット部材ｄ、装着筒ｅ、シリンダーｆ、ピストン
ｇ、コイルスプリングｈ、調整棒ｉ、吸込弁体ｊ、吸上
げパイプｋ、という様な具合である。部品数が多ければ
それだけ部品の製造コストが嵩み、さらに組立作業も手
間がかかる。

本考案は、この様な従来のポンプと比較してより部品
の数を少なく構成し、製造コストの低減、組立作業の簡
素化を図り、しかも機能上も従来品に劣ることのない優
れた液体注出ポンプを提供することを目的とするもので
ある。

「課題を解決するための手段」 本考案液体注出ポンプは、上記課題を解決するため、
容器体口頚部外周に嵌合させる嵌合筒部８上端縁より頂
壁９を延設するとともに、該頂壁９上面中央より上方へ
上端面開口の筒部10を立設し、且つ、該筒部10前部下端
に穿設させた透孔外周縁より前方へノズル11を突設して
なる基体２と、筒部10内下端部に嵌着固定させた上端面
開口の有底筒状をなすシリンダー３と、該シリンダー３
内を上下に摺動すべく嵌合させた環状ピストン20を周壁
外周下端より突設するとともに、シリンダー３上方の基
体筒部10内周を上下に摺動すべく嵌合させたスカート状
の吸気弁21を周壁外周上部より突設してなるピストン部
材４と、該部材４周壁上端に嵌着させた頂壁23外周縁よ
り基体筒部10外周を上下動可能に且つ抜け出し不能に嵌
合させた周壁25を垂下してなる押下げヘッド５と、シリ
ンダー３内に装着させてピストン部材４を常時上方へ付
勢させているコイルスプリング６と、基体頂壁９裏面に
上端を嵌着させた吸上げパイプ７とからなり、該吸上げ
パイプ７上方の基体頂壁９に吸込弁口12を穿設するとと
もに、シリンダー３底壁中央に穿設した透孔の一端より
吸込弁口12の上面を開閉自在に閉塞させる吸込弁板15を
一体に突設して吸込弁16を形成し、シリンダー３の周壁
前部下端にノズル11に連通する吐出弁口17を穿設すると
ともに、該吐出弁口17前面を開閉可能に閉塞させる吐出
弁板18をノズル11内より一体に垂設して吐出弁19を形成
し、基体筒部10後方の基体頂壁９に下端を開口して一部
周壁を筒部10周壁と共有する上端閉塞の小筒部10aをシ
リンダー３上方まで延設し、小筒部10aと共有する筒部1
0周壁部分に切り溝14を縦設することにより、シリンダ
ー３上方に一端を開口して筒部10内と嵌合筒８内とを連
通する通気路26を設けてなること特徴とする。

「作用」 嵌合筒部８を容器体口頚部に嵌合して使用する。押下
げヘッド５をコイルスプリング６の弾発力に抗して押し
下げると、ピストン部材４が下降し、環状ピストン20が
シリンダー３内を下降するためシリンダー３内が加圧さ
れ、吸込弁16が閉じるとともに、シリンダー３内の加圧
液体は吐出弁19を介してノズル11より外部に吐出され
る。一方、押下げヘッド５の押圧を解除すると、スプリ
ング６の弾発力でピストン部材４が上昇し、シリンダー
３内は負圧化するため吐出弁19は閉じ、吸込弁16が開い
て容器体内の液体が吸上げパイプ７を介してシリンダー
３内に吸入される。この際、液上部の容器体内が負圧化
すれば、上昇するスカート状の吸気弁21は窄まる如く変
形して外気が通気路26へ導入され、容器体内上部に外気
が吸入される。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

第１図は本考案の一実施例を示すもので、図中１は液
体注出ポンプを示す。該ポンプ１は、基体２と、シリン
ダー３と、ピストン部材４と、押下げヘッド５と、コイ
ルスプリング６と、吸上げパイプ７とから構成してい
る。

基体２は、容器体口頚部外周に嵌合させる嵌合筒部８
上端縁より頂壁９を延設するとともに、該頂壁９上面中
央より筒部10を立設している。また、筒部10の前部下端
には透孔を穿設し、その外周縁より前方にノズル11を突
設している。更に、頂壁中央には上記筒部10内と連通す
る吸込弁口12を穿設しており、基体頂壁９下面の上記吸
込弁口12外周より嵌合筒部13を下方へ垂設している。
又、上記筒部10後方の基体頂壁９に透孔を穿設し、該透
孔周縁よりシリンダー３上方に至り、且つ筒部10の周壁
を一部共有する上端面閉塞の小筒部10aを立設するとと
もに、筒部10との周壁共有部分に切り溝14を形成して筒
部10内と基体２の嵌合筒部８内とを連通する通気路26を
形成している。

シリンダー３は、上記基体筒部10内下端に嵌着固定さ
れ、上面開口の有底円筒状をなし、底壁中央に穿設した
透孔に上記吸込弁口12上面を開閉自在に閉塞する吸込弁
板15を弾性薄肉ヒンジを介して一体に突出形成すること
により吸込弁16を形成している。又、周壁前部下端に上
記ノズル11内に連通する吐出弁口17を穿設し、該口17前
面を開閉自在に閉塞させる吐出弁体18を、基体２のノズ
ル11内基端上部より弾性薄肉ヒンジを介して一体に突出
形成させて吐出弁19を形成している。

ピストン部材４は、上記シリンダー３内を上下に摺動
可能に嵌合させた環状ピストン20を周壁外周下端より突
設しており、また、周壁外周上方より基体２の筒部10内
周を上下に摺動可能に嵌合させた環状の吸気弁21を突設
して、基体筒部10及びシリンダー３内を上下動可能に装
着させている。更に、該部材４底壁下面より吸込弁体15
を押圧する押圧突起22を垂設している。

押下げヘッド５は、上記ピストン部材４の上端内周に
頂壁23裏面より垂設した嵌合筒部24を嵌着固定して装着
され、また、頂壁23周縁より下方へ垂設した周壁25内周
を、上記基体筒部10外周に上下動可能且つ抜け出し不能
に嵌合させている。

コイルスプリング６は、上記シリンダー３底壁上面
と、ピストン部材４底壁裏面間に介在させて、ピストン
部材４を常時上方へ付設させている。

吸上げパイプ７は、上記基体２の嵌合筒部13に上端を
嵌着させて装着している。

尚、上記各部材は全て合成樹脂にて形成すると良い。

「考案の効果」 以上の如く本考案液体注出容器は、既述構成としたこ
とにより、従来のこの種のポンプと比較してポンプを構
成する部品数が少ないため、製造コストの低減を図るこ
とができ、また、組立も容易に行えるという利点を有す
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案液体注出ポンプの一実施例を示す要部縦
断面図、第２図は従来の液体注出ポンプを示す半断面図
である。 ２……基体,3……シリンダー,4……ピストン部材,5……
押下げヘッド,6……コイルスプリング,7……吸上げパイ
プ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体口頚部外周に嵌合させる嵌合筒部８
   上端縁より頂壁９を延設するとともに、該頂壁９上面中
   央より上方へ上端面開口の筒部10を立設し、且つ、該筒
   部10前部下端に穿設させた透孔外周縁より前方へノズル
   11を突設してなる基体２と、筒部10内下端部に嵌着固定
   させた上端面開口の有底筒状をなすシリンダー３と、該
   シリンダー３内を上下に摺動すべく嵌合させた環状ピス
   トン20を周壁外周下端より突設するとともに、シリンダ
   ー３上方の基体筒部10内周を上下に摺動すべく嵌合させ
   たスカート状の吸気弁21を周壁外周上部より突設してな
   るピストン部材４と、該部材４周壁上端に嵌着させた頂
   壁23外周縁より基体筒部10外周を上下動可能に且つ抜け
   出し不能に嵌合させた周壁25を垂下してなる押下げヘッ
   ド５と、シリンダー３内に装着させてピストン部材４を
   常時上方へ付勢させているコイルスプリング６と、基体
   頂壁９裏面に上端を嵌着させた吸上げパイプ７とからな
   り、該吸上げパイプ７上方の基体頂壁９に吸込弁口12を
   穿設するとともに、シリンダー３底壁中央に穿設した透
   孔の一端より吸込弁口12の上面を開閉自在に閉塞させる
   吸込弁板15を一体に突設して吸込弁16を形成し、シリン
   ダー３の周壁前部下端にノズル11に連通する吐出弁口17
   を穿設するとともに、該吐出弁口17前面を開閉可能に閉
   塞させる吐出弁板18をノズル11内より一体に垂設して吐
   出弁19を形成し、基体筒部10後方の基体頂壁９に下端を
   開口して一部周壁を筒部10周壁と共有する上端閉塞の小
   筒部10aをシリンダー３上方まで延設し、小筒部10aと共
   有する筒部10周壁部分に切り溝14を縦設することによ
   り、シリンダー３上方に一端を開口して筒部10内と嵌合
   筒８内とを連通する通気路26を設けてなること特徴とす
   る液体注出ポンプ。