JPH0511180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は主として液体をそのまま注出させるため
の手動式液体注出容器に係る。

「従来の技術」 従来の手動式液体注出容器は、容器体と、該容
器体の口頂面へ、上端部に付設した外向きフラン
ジを係合させて容器体内に垂設された吸込み弁付
きシリンダと、上記外向きフランジを容器体口頂
面との間で挟持する内向きフランジ状頂壁を周壁
上端に付設し、該周壁を上記容器体口頸部に螺合
させた保持筒と、上記シリンダ内へ上方付勢状態
に嵌合させた筒状ピストンからステムを起立さ
せ、該ステム上端にノズル付きヘツドを嵌着させ
た吐出弁付きの作動部材とからなるもので、ヘツ
ドを介して作動部材をシリンダに対して上下動さ
せることで、容器体内液体がシリンダ内へ吸込み
され、かつ該シリンダ内液体がステムを通つてノ
ズルから注出されるように形成されている。

「考案が解決しようとする問題点」 上記従来の液体注出容器は、作動部材が上下動
するため液体注出時にノズルの位置が下降するこ
ととなり、よつて例えば容器体内液体を別の小容
器内へ入れたいような場合には、ノズル先端に小
容器を当て、ノズル下降と共に小容器も下げる必
要があつた。又ステムには、その上端のヘツドを
押下げたとき下端の筒状ピストンをシリンダ内下
方へ移動させることが出来るだけの長さが必要で
あり、すると、吐出弁を筒状ピストンに近ずけて
設けると吐出弁からノズル先端までの吐出路の長
さが長くなつて該吐出路内に残る液体が多くな
り、又吐出弁をノズル基端に近けると、ポンプの
圧縮比が低下することとなる欠点があつた。

本案はシリンダないし吸込み弁に対してノズル
の位置が変ることなく、又これ等に対して筒状ピ
ストンおよび吐出弁の位置が上下動するように設
けることで、上記欠点を除去するものである。

「問題点を解決するための手段」 口頸部２を上方へ起立する容器体１と該容器体
口頸部の上端面へ、シリンダ上端部の外向きフラ
ンジ４を係合させて容器体１内へ垂設された、吸
込み弁６付きシリンダ３と、該シリンダ内へ上方
付勢状態に嵌合させた筒状ピストン９から、吐出
弁１０を内面に有する第１筒部１１を起立すると
共に、該第１筒部の下部に付設した外向きフラン
ジ１２を介して第２筒部１３を起立し、該第２筒
部の上端一部に押下げレバー１４を付設する作動
部材１５と、上記容器体口頸部２の外面に嵌合さ
せた周壁１７上端の内向きフランジ状頂壁１８と
容器体口頸部の上端面との間で上記シリンダの外
向きフランジ４を挟持させると共に、その頂壁１
８内周縁から起立する頂壁１９ａ付き外筒１９内
に、該外筒に縦設した長孔２１に通してレバー１
４を外方へ突出させることで、上記第２筒部１３
を嵌合させ、かつ外筒１９上端からノズル２０を
突出させると共に外筒頂壁の内面から、上記第
１、第２筒部１１，１３の間へノズル孔に連通す
る内筒２２を垂設したノズル付きキヤツプ状部材
１６とからなり、上記第１筒部１１の上部を内筒
２２内壁面へ水密に当接させ、上記レバー操作に
よつてキヤツプ状部材１６およびシリンダ３内を
作動部材１５が上下動可能に形成させた。

「作用」 シリンダ３内に液体がある状態から、押下げレ
バー１４を押下げると、容器体内液体を吐出弁１
０から流出させ乍ら作動部材１５はコイルスプリ
ング８の不勢に抗して下降する。下限で吐出弁１
０は閉じコイルスプリングの復元力により作動部
材が上昇すると、吸込み弁６が開いて容器体内液
体がシリンダ３内へ吸込まれると共に吐出弁１０
付きの第１筒部１１がキヤツプ状部材１６の内筒
２２内を上昇することで、該内筒内に残つた液体
はノズル２０から注出される。ノズル２０は、容
器体口頸部に嵌合させた周壁１７を有するキヤツ
プ状部材１６の一部をなすため、上記作動部材１
５の上下動に拘らず、上下動しない。

「実施例」 １は口頸部２を上方へ起立する液体収納用容器
体である。

上記容器体内にはシリンダ３が垂設させてあ
る。該シリンダは上端に付設した外向きフランジ
４を容器体口頸部の上端面にパツキング５を介し
て載置しており、その底部には吸込み弁６を有
し、該弁から容器体底部まで吸上げパイプ７を垂
設させている。

上記シリンダ上部内へは、シリンダ内に内装さ
せたコイルスプリング８により上方へ付勢して筒
状ピストン９が嵌合させてあり、該ピストンから
は、吐出弁１０を上部内面に有する第１筒部１１
を起立させ、又該第１筒部の下部外面から外向き
フランジ１２を介して第２筒部１３を起立させ、
該第２筒部の上端一部に押下げレバー１４を付設
させて作動部材１５が形成させてある。該部材は
図示のように二部材で形成させてもよい。第１筒
部１１上端は後述内筒２２の内面へ水密に当接さ
せるため逆スカート状に上外方へ拡開させてい
る。

１６はキヤツプ状部材で、容器体口頸部２の外
面に螺合させた周壁１７上端に、シリンダの外向
きフランジ４を容器体口頸部の上端との間で挟持
する内向きフランジ状頂壁１８を有し、かつ該頂
壁内周縁から上端面閉塞の外筒１９を起立させ、
該外筒上端側部から横外方向へノズル２０を突出
させている。その外筒には長孔２１が縦設してあ
つて、該長孔を通してレバー１４を外方へ突出さ
せて作動部材１５の第２筒部１３を外筒１９内へ
嵌合させている。又外筒上端面を閉塞する頂壁１
９ａ内面からは、作動部材の第１、第２筒部１
１，１３間へ、ノズル孔２０ａと連通する内筒２
２を垂設させている。図示例では更に、外筒頂壁
１９ａから短筒２３を垂下させて、該短筒下端を
第１筒部１１の上部内面へ水密に当接させ、吐出
弁とノズル孔との間が遮断されるよう設けてい
る。

既述作動部材１５はキヤツプ状部材１６に対し
て上下動可能に形成させたものである。尚キヤツ
プ状部材１６に対して作動部材１５を下限まで押
下げたとき、第１筒部１１上端が内筒２２下端か
ら外れないように設けておく。

「考案の効果」 本案は既述構成としたから、作動部材の上下動
に拘らず、ノズル２０は上下動せず、よつてノズ
ルが上下動する従来の場合に比べて液体を他容器
に移す等の操作を行い易く、又作動部材の吐出弁
付き第１筒部１１は、キヤツプ状部材１６の内筒
２２内へ水密に嵌合されていて該内筒内を上下動
することとなるから、吐出弁からノズル孔先端ま
での吐出路が長く、或いは短かく変わることとな
り、吐出弁からノズル孔先端までの吐出路内に残
る液体を最小限度に減らすことが出来ると共に、
又筒状ピストンと吐出弁との間の距離を短かく出
来るから、ポンプの効率を高めることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本案容器の縦断面図である。 １……容器体、３……シリンダ、１５……作動
部材、１６……キヤツプ状部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口頸部２を上方へ起立する容器体１と、該容器
   体口頸部の上端面へ、シリンダ上端部の外向きフ
   ランジ４を係合させて容器体１内へ垂設された、
   吸込み弁６付きシリンダ３と、該シリンダ内へ上
   方付勢状態に嵌合させた筒状ピストン９から、吐
   出弁１０を内面に有する第１筒部１１を起立する
   と共に、該第１筒部の下部に付設した外向きフラ
   ンジ１２を介して第２筒部１３を起立し、該第２
   筒部の上端一部に押下げレバー１４を付設する作
   動部材１５と、上記容器体口頸部２の外面に嵌合
   させた周壁１７上端の内向きフランジ状頂壁１８
   と容器体口頸部の上端面との間で上記シリンダの
   外向きフランジ４を挟持させると共に、その頂壁
   １８内周縁から起立する頂壁１９ａ付き外筒１９
   内に、該外筒に縦設した長孔２１に通してレバー
   １４を外方へ突出させることで、上記第２筒部１
   ３を嵌合させ、かつ外筒１９上端からノズル２０
   を突出させると共に外筒頂壁の内面から、上記第
   １、第２筒部１１，１３の間へノズル孔に連通す
   る内筒２２を垂設したノズル付きキヤツプ状部材
   １６とからなり、上記第１筒部１１の上部を内筒
   ２２内壁面へ水密に当接させ、上記レバー操作に
   よつてキヤツプ状部材１６およびシリンダ３内を
   作動部材１５が上下動可能に形成させたことを特
   徴とする手動式液体注出容器。