JPS6026833Y2 - 正倒立両用の往復ポンプ式噴霧器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は正倒立両用の往復ポンプ式噴霧器で、手動でかつ
小型の噴霧器に係る。

この種噴霧器として、従来正立時にだけ使用できるもの
が広く知られているが、正立時だけの使用では不便であ
り、倒立時にも使用できることが望ましい。

しかし正倒立両用の噴霧器にすると、その構造が複雑化
して高価となり易く、又弁の数も通常の往復ポンプ止噴
霧器の場合のように吸込み弁と吐出弁のほか、正立時の
液体吸込み路からの空気吸込みを防止する弁、又倒立時
用液体吸込み路、更に正立時においてその倒立時用液体
吸込み路を閉塞する弁が必要となり、これ等の構造を簡
易化しようとすると弁が正確に作動しない恐れも生ずる
。

本案は、それ等欠点を除去して構造が簡易でかつ弁が確
実に作動するよう設けたものであり、以下図面について
説明する。

１は往復ポンプ式の噴霧器の一例を示す。

まず従来知られている基本構造について説明すると、２
は容器体、３は小径シリンダ、４は大径シリンダ、５は
下端外周を小径ピストン６、上端を大径ピストン７とし
、かつ上端面から吐出弁体８を突出させた摺動管、９は
噴霧ヘッド、１０は保持筒である、噴霧ヘッド９を付勢
に抗して押し下げると、摺動管５も下降し、吸込み弁１
１は閉塞状態にあるため、圧縮室１２内は高圧化し、す
るとピストンの径差により摺動管５は大径シリンダ４に
対して下降して吐出弁１３を開きノズル孔９ａから噴霧
する。

噴霧ヘッドが下降限に達すると、吐出弁１３が閉じ、続
いて噴霧ヘッドを離すと摺動管、噴霧ヘッドも上昇し、
圧縮室内の負圧化によって吸込み弁１１が開いて吸込み
管１４を介して容器体内液体を吸込み、次の噴霧ヘッド
押下げ備える。

尚１５は圧縮室内を狭小化するための挿入部材である。

図示例は、いわゆる蓄圧式噴霧器の一例を示すが、その
他種々の構造のものが知られており、本案はそのほとん
どに用いることが可能であるから、往復ポンプ式噴霧器
の基本構造としては、そのうちどのようなものであって
も差支えない。

本案にあっては、まず圧縮室下端に遊嵌される正立時用
の吸込み弁１１の弁体２０を図示のように形成される。

即ち上端開口の筒部２１の下面から、下端を球面状部２
２とする突部２３を垂設させて形成する。

筒部外径よりも突部外径を小とするがよく、又筒部上端
部には液体流路としての割溝２４・・・を設けてもよい
。

その球面状部２２がその下方の弁座１１ａへ着脱するこ
とで正立時用の吸込み弁１１は開閉される。

又上記弁体の筒部２１内には、倒立時用液体吸込み防止
弁の弁体としての天井２５を遊嵌させ、かつその上方に
弁座２６を形成させて第２図のように噴霧器倒立時に天
井２５が弁座２６に接して正立時の液体吸込み路１４ａ
が閉塞されるよう設けておく。

尚その弁座２６は、図示のように挿入部材１５の下部利
用のほか、どのように形成させてもよい。

更に小径シリンダ３の胴部へは、倒立時用液体吸込み孔
２７を穿設させる。

該吸込み孔２７は、摺動管５が上限にある状態でだけ、
容器体内とポンプの圧縮室１２内とを連通可能とするも
ので、小径ピストン６が下降すると直ちにその連通は遮
断されるように設けておく。

尚図示の噴霧器の場合は、小径シリンダに上記吸込み孔
２７を穿設させるが、異る構造の噴霧器の場合は、大径
シリンダに穿設する場合もある。

第１図において、噴霧ヘッド９を押下げすると、摺動管
５が下降することで、上記の吸込み孔２７による圧縮室
内と容器体内との連通は遮断されるため、圧縮室は高圧
化され、よって通常の噴霧器と同様に操作できる。

第２図のように噴霧器を倒立させたときは、容器体内液
体に空気が上昇するため、正立時用の液体吸込み管１４
の端部は空気中に露出することとなる。

該状態から噴霧ヘッド９を押上げすると、倒立時用液体
吸込み孔２７は小径ピストン６の上昇によって直ちに圧
縮室１２から外れ、そのため圧縮室内の高圧化によって
正立時用吸込み弁１１の弁体２０は弁座１１ａに押付け
られ、よって吐出弁１３が開き噴霧することが出来る。

噴霧ヘッド９を離すと、吐出弁が閉じられたま）噴霧ヘ
ッドおよび摺動管がスプリング１６の付勢で下降し、天
井２５が弁座２６に接することで正立時用液体吸込み路
１４ａが閉じ、圧縮室内１２は負圧化する。

小径ピストン６が正立時における上限、（倒立時におけ
る下限）に達したとき、倒立時用液体吸込み孔２７が開
くため容器体内液体が吸込みされ、次回の噴霧ヘッド押
上げに備える。

本案か上記構成とするもので、通常の正立時用に比べて
特に設けるものは倒立時用空気吸込み防止弁２８とシリ
ンダ胴部に穿設させた倒立時用液体吸込み孔２７だけで
あり、よって従来の往復ポンプ式噴霧器に僅かな変更を
施すだけで正倒立両用噴霧器とすることが出来て特にコ
スト高となることがなく、又正立時用吸込み弁１１の弁
体２０を上端開口の筒部２１から下端面を球面状部２２
とする突部２３を垂設させて形成させ、かつその筒部内
に倒立時用空気吸込み防止弁２８の弁体たる天井２５を
遊嵌させたから、その両弁体の両弁座間の間隔を狭める
ことで相対的に圧縮室内を広くすることが出来、又天井
２５は筒部内にあるため、正立状態での吸込み液体によ
りその天井が上方の弁座２６に押付けられて液体吸込み
が不良となるおそれもないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案噴霧器の正立状態での断面図、第２図はそ
の倒立状態での断面図である。 １・・・・・・噴霧器、３・・・・・・小径シリンダ、
４・・・・・・大径シリンダ、５・・・・・・摺動管、
６・・・・・・小径ピストン、７・・・・・・大径ピス
トン、８・・・・・・吐出弁、９・・・・・・噴霧ヘッ
ド、１０・・・・・・保持筒、１１・・・・・・吸込み
弁、１２・・・・・・圧縮室、１３・・・・・・吐出弁
。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 往復ポンプ式噴霧器で、そのポンプ部から上方へ突出さ
   れた噴霧ヘッド９を上下動させることで容器体内液体が
   正立時用液体吸込み路１４ａを介して吸込まれ、かつ噴
   霧ヘッドのノズル孔から噴霧するよう設けた噴霧器にお
   いて、上端開口の筒部２１から下端面を球面状部２２と
   する突部２３を垂設させてなる弁体２０を、ポンプ部の
   圧縮室１２下端に遊嵌させて該弁体とその下方に設けら
   れた弁座１１ａとで正立時用液体吸込み弁１１を、又そ
   の筒部内に天井２５を遊嵌させて該天井とその上方に設
   けられた弁座２６とで倒立時用空気吸込み防止弁２８を
   、それぞれ形成させ、更にピストンが上限にあるときに
   だけポンプ部の圧縮室１２内と容器体内とを連通ずる倒
   立時用液体吸込み孔２７をシリンダ胴部に穿設させてな
   ることを特徴とする正倒立両用の往復ポンプ式噴霧器。