JP3650864B2 - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、処理液の低補充化、低廃液化のニーズが年々高まってきている。低補充化することにより処理液中の感光材料からの銀や溶出物濃度が高くなり水洗に負荷がかかってくる。しかし、水不足はこれまた毎年深刻な問題となっており、節水効果/水洗効率の高い自動現像機処理が必要となった。
【0003】
また、感材中の硬調化剤(ヒドラジン、テトラゾリウム化合物)は処理液中に溶出するとランニングでの感度安定性を劣化させたり、スラッジが発生しやすくなるため、感光材料中に固定化させる試みがなされているが、現像や定着液中で溶出しにくくなった分、乾燥工程に持ち込まれローラを汚すことが多くなった。そこで写真性能を劣化させず自動現像機を汚さない硬調化剤や硬調化方法の開発が必要となってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記問題を解決するためになされた。
【0005】
即ち、処理液の供給量と廃液量が少なく、ローラの汚れがなく水洗水量も少なくてすむ硬調化されたハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、下記構成を採ることにより達成された。
【0007】
(1) 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロイド層中にヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、自動現像機処理の工程中に該感光材料を上下方向に搬送する部分を有し、上下方向に搬送される該感光材料に接触または近接するようにローラを複数本配列して設け、処理液保持機能を有するローラ及び/またはローラ列下部にローラの一部が浸漬する液溜め容器の設置により、処理液を該感光材料に供給する構造とし、上部のローラ及び/または感光材料に処理液を供給する手段を設け、供給された該処理液を自然落下及び/またはオーバーフロー落下により下部のローラ及び/または液溜め容器に落下する自動現像機を用いて処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0008】
(2) 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロイド層中に、テトラゾリウム化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、自動現像機処理の工程中に該感光材料を上下方向に搬送する部分を有し、上下方向に搬送される該感光材料に接触または近接するようにローラを複数本配列して設け、処理液保持機能を有するローラの使用及び/またはローラ列下部にローラの一部が浸漬する液溜め容器の設置により処理液を該感光材料に供給する構造とし、上部のローラ及び/または液溜め容器及び/または該感光材料に処理液を供給する手段を設け、供給された該処理液を自然落下及び/またはオーバーフロー落下により下部のローラ及び/または液溜め容器に落下する自動現像機を用いて処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0009】
環境問題は年々重要問題化し、水不足も問題化してきているため、双方への対応が必要である。しかし、感光材料から硬調化剤が現像液中に溶出すると現像特性が変わり、現像液の低補充量化を図るとこの傾向はひどくなるため、感光材料中から硬調化剤が溶出しないよう非拡散化する傾向がある。したがって、添加剤の溶出しづらい水洗効率が悪い感光材料が出来てしまい、自動現像機や感光材料を汚さず節水はできないという問題が起こる。
【0010】
即ち、節水と汚れ防止を両立させるという技術課題を解決するためには、下記の点に留意しなければならない。
【0011】
▲1▼汚れを乾燥工程まで持ち込まない硬調化剤が必要であり、従来の硬調化剤は粒子近傍に固定化させたいため耐拡散性基を有し、溶出性が劣化していた。
【0012】
▲2▼水洗槽はほとんどの自動現像機で1槽であり、水洗効率が悪かった。少しでも水洗効率を上げるため、給水量を増やし垂れ流しの状態で使用せざるを得ず、節水が出来なかった。
【0013】
▲3▼それでも自動現像機のローラ汚れは解消せず、自動現像機の定期清掃はかかせないものであった。
【0014】
しかしながら、この問題は後述するマルチローラ方式の自動現像機と新規硬調化剤で解決できることがわかり、本発明に至った。
【0015】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられるヒドラジン誘導体としては、下記の一般式(1)で表されるものを用いることが出来る。一般式(1)で表されるヒドラジン誘導体について説明する。
【0016】
【化1】
Figure 0003650864
【0017】
(式中、Aはアリール基、又は硫黄原子または酸素原子を少なくとも1個を含む複素環を表し、Gは−(CO)n−基、スルホニル基、スルホキシ基、−P(=O)R52−基、またはイミノメチレン基を表し、nは1または2の整数を表し、A1、A2はともに水素原子あるいは一方が水素原子で他方が置換もしくは無置換のアルキルスルホニル基、または置換もしくは無置換のアシル基を表し、Rは水素原子、各々置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アミノ基、カルバモイル基、またはオキシカルボニル基を表す。R52は各々置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、アミノ基を表す。)
一般式(1)で表される化合物のうち、下記一般式(1a)で表される化合物が更に好ましい。
【0018】
【化2】
Figure 0003650864
【0019】
(式中、R1は脂肪族基(例えばオクチル基、デシル基)、芳香族基(例えばフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、クロロフェニル基)又は複素環基(例えばピリジル基、チェニル基、フリル基)を表し、これらの基はさらに適当な置換基で置換されたものが好ましく用いられる。更に、R1には、バラスト基又はハロゲン化銀吸着促進基を少なくとも一つ含むことが好ましい。
【0020】
耐拡散基としてはカプラーなどの不動性写真用添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラスト基としては炭素数8以上の写真性に対して比較的不活性である例えばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基などが挙げられる。
【0021】
ハロゲン化銀吸着促進基としては、チオ尿素、チオウレタン基、メルカプト基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミド複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−90439号に記載の吸着基などが挙げられる。
【0022】
一般式(1a)において、Xは、フェニル基に置換可能な基を表し、mは0〜4の整数を表し、mが2以上の場合Xは同じであっても異なってもよい。
【0023】
一般式(1a)において、A3、A4は一般式(1)におけるA1及びA2と同義であり、ともに水素原子であることが好ましい。
【0024】
一般式(1a)において、Gはカルボニル基、スルホニル基、スルホキシ基、ホスホリル基またはイミノメチレン基を表すが、Gはカルボニル基が好ましい。
【0025】
一般式(1a)において、R2としては水素原子、各々置換もしくは無置換のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリル基、複素環基、アルコキシ基、水酸基、アミノ基、カルバモイル基、オキシカルボニル基を表す。好ましいR2としては、Gで置換された炭素原子が少なくとも1つの電子吸引基で置換された置換アルキル基及び−COOR3基及び−CON(R4)(R5)基が挙げられる(R3はアルキニル基または飽和複素環基を表し、R4は水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基または複素環基を表し、R5はアルケニル基、アルキニル基、飽和複素環基、ヒドロキシ基またはアルコキシ基を表す)。さらに好ましくは2つの電子吸引基で、特に好ましくは3つの電子吸引基で置換された置換アルキル基を表す。R2のGで置換された炭素原子を置換する電子吸引基は好ましくはσp値が0.2以上、σm値が0.3以上のもので例えばハロゲン、シアノ、ニトロ、ニトロソポリハロアルキル、ポリハロアリール、アルキルもしくはアリールカルボニル基、ホルミル基、アルキルもしくはアリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルバモイル基、アルキルもしくはアリールスルフィニル基、アルキルもしくはアリールスルホニル基、アルキルもしくはアリールスルホニルオキシ基、スルファモイル基、ホスフィノ基、ホスフィンオキシド基、ホスホン酸エステル基、ホスホン酸アミド基、アリールアゾ基、アミジノ基、アンモニオ基、スルホニオ基、電子欠乏性複素環基を表す。一般式(1a)のR2は特に好ましくはフッ素置換アルキル基、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基を表す。
【0026】
次に一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化3】
Figure 0003650864
【0028】
【化4】
Figure 0003650864
【0029】
【化5】
Figure 0003650864
【0030】
【化6】
Figure 0003650864
【0031】
【化7】
Figure 0003650864
【0032】
【化8】
Figure 0003650864
【0033】
【化9】
Figure 0003650864
【0034】
【化10】
Figure 0003650864
【0035】
【化11】
Figure 0003650864
【0036】
【化12】
Figure 0003650864
【0037】
【化13】
Figure 0003650864
【0038】
【化14】
Figure 0003650864
【0039】
その他の好ましいヒドラジン誘導体の具体例としては、米国特許5,229,248号第4カラム〜第60カラムに記載されている(1)〜(252)である。
【0040】
本発明に係るヒドラジン誘導体は、公知の方法により合成することができ、例えば米国特許5,229,248号第59カラム〜第80カラムに記載されたような方法により合成することができる。
【0041】
添加量は、硬調化させる量(硬調化量)であれば良く、ハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組成、化学増感の程度、抑制剤の種類などにより最適量は異なるが、一般的にハロゲン化銀1モル当たり10-6〜10-1モルの範囲であり、10-5〜10-2モルの範囲が好ましい。
【0042】
本発明に用いられるヒドラジン誘導体は、ハロゲン化銀乳剤層側の少なくとも一層に添加され、好ましくはハロゲン化銀乳剤層及び/またはその隣接層、さらに好ましくは乳剤層に添加される。
【0043】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用いられるテトラゾリウム化合物は、下記の一般式(2)で表されるものを用いることが出来る。一般式(2)で表されるテトラゾリウム化合物について説明する。
【0044】
【化15】
Figure 0003650864
【0045】
上記一般式(2)で示されるトリフェニルのフェニル基の置換基R1、R2、R3は水素原子もしくは電子吸引性度を示すハメットのシグマ値(σP)が負のものが好ましい。
【0046】
フェニル置換におけるハメットのシグマ値は多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケミストリー(Journal of Medical Chemistry)第20巻、304頁、1977年、記載のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文等に見ることができ、特に好ましい負のシグマ値を有する基としては、例えばメチル基(σP=−0.17以下いずれもσP値)エチル基(−0.15)、シクロプロピル基(−0.21)、n−プロピル基(−0.13)、isoプロピル基(−0.15)、シクロブチル基(−0.15)、n−ブチル基(−0.16)、iso−ブチル基(−0.20)、n−ペンチル基(−0.15)、シクロヘキシル基(−0.22)、アミノ基(−0.66)、アセチルアミノ基(−0.15)、ヒドロキシル基(−0.37)、メトキシ基(−0.27)、エトキシ基(−0.24)、プロポキシ基(−0.25)、ブトキシ基(−0.32)、ペントキシ基(−0.34)等が挙げられ、これらはいずれも本発明の一般式(T)の化合物の置換基として有用である。
【0047】
Tは1あるいは2を表し、XT n-で示されるアニオンとしては例えば塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネートアニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等のポリエーテルアルコール硫酸エステルアニオン、ステアリン酸アニオン等の高級脂肪族アニオン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに酸根のついたもの等を挙げることができる。
【0048】
以下、一般式(2)で表される化合物の具体例を下記に挙げるが、テトラゾリウム化合物はこれに限定されるものではない。
【0049】
【化16】
Figure 0003650864
【0050】
上記テトラゾリウム化合物は、例えばケミカル・レビュー(ChemicalReviews)第55巻、第335頁〜483頁に記載の方法にしたがって容易に合成することができる。
【0051】
次に本発明に係わる自動現像機について説明する。特に特願平7−221991号記載のごとき自動現像機である。
【0052】
ローラ複数本を上下方向にハロゲン化銀写真感光材料に接触させて設置した構成は具体的には次のようになる。
【0053】
感光材料を挟持するローラ対が上下方向に設置されているか、あるいは、ローラと少なくとも片面が平面的なガイド部材とで感光材料を挟持する方式でローラが上下方向に設置されている構成である。ローラの配置は水平でも千鳥状でもよい。
【0054】
また、処理液保持機能を有するローラの構成は、ローラの表面に常に処理液が付着あるいは含まれている状態のものであり、例えばローラ表面が吸水性材料で製作されていたり、ローラ表面に処理液を常に一定量供給できる機構を備えているものである。
【0055】
また、ハロゲン化銀写真感光材料は単に感材と言うこともあるが、カラーペーパー、カラーフィルム、白黒フィルム、印刷用フィルム、X線撮影用フィルム等がある。
【0056】
処理液とは、現像液、発色現像液、定着液、漂白液、漂白定着液、無水洗安定液、安定液、リンス液、水洗水、少量水洗水、予備水洗水等を総称している。
【0057】
また、処理液保持機能を有するローラとは、処理液を含浸するような吸水性の材質からできているローラである。
【0058】
感材処理液保持機能を有するローラにより、下から上方に空中で搬送され、上部からローラ及び/又は感材に処理液を供給する方式なので、感材は下部ローラに保持された処理液と接触後、上部ローラに保持された処理液と接触することになり、感材は、ローラに搬送される毎に順次、より汚染度の少ない(感材からの溶出物濃度の低い)処理液で処理されることになる。つまり、感材の搬送方向に対して処理液を向流させる方式であり、従来の複数の処理槽を直列に配置した多段向流方式と同様の機能を有するため、少量の処理液で効率よく処理することができ、迅速処理化が可能となる。
【0059】
また、上部から処理液を供給し、感材を上から下へ搬送する場合においても、充分、少量の処理液で効率良く処理することができるが、好ましくは前記の上部から処理液を供給し、下から上へ感材を搬送する構造である。
【0060】
更に、温度調節機構を設け、高温(≧40℃)の処理液で処理することにより、著しく処理時間が短縮され、搬送経路を短くすることができ、従来の多段向流方式のように複数の処理槽を直列に並べる必要もなく、装置を大幅に小型化することが可能となった。
【0061】
即ち、その作用効果としては補充量低減、処理迅速化、装置小型化につながる。そして、上下方向に設置したローラの本数は、多段向流処理の場合の直列に配置した処理槽の数に相当する。
【0062】
また、処理液供給方式は、感材の処理量に対応した量を供給する方式であり、貯留量はローラ等の保有量を確保するのみであるから、従来の液浸処理方式と比較して、貯溜部の液量は少量で処理可能である。従って、処理液の更新率が高く、高温迅速処理を実施しても経時による空気酸化が問題とならない程度に処理液が早く更新され、ローラ部等に酸化沈澱物等の発生がない。
【0063】
処理液保持機能を有するローラは織布、不織布、焼結体、スポンジ等で耐薬品性を有する材質が好ましく、感材の傷防止の点から、軟らかい材質が好ましい。そしてローラ表面が吸水性を有する材質であるか、又は吸水性材質で覆われていることが好ましい。
【0064】
織布、不織布の材質はポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、脂肪族ポリアミド系繊維、芳香族ポリアミド系繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維などが好ましい。
【0065】
多孔質材(スポンジ系)の材質は、シリコンゴム、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリビニルアルコール(PVA)、ネオプレンゴム、ブチルゴム系繊維などが好ましい。
【0066】
処理液保持機能を有するローラの好ましい材質は、具体的には多孔質材であり、これによってローラは供給した処理液を充分吸収保持することができ、多段向流機能が有効に働く。
【0067】
処理液保持機能を有するローラの好ましい形態は、ローラ下部に液溜め容器を設け、ローラ上部より供給した処理液の1部が容器内に溜まり、容器内の液にローラの1部が浸漬する構造となっているので、ローラが吸水性材質でなくても、多段向流機能をもたせることができる。ローラの回転により、ローラ表面に処理液が付着保持され、搬送中の感材とローラ表面に付着した処理液が接触処理される。
【0068】
なお、好ましくは、液溜め容器がローラが回転した時に、ローラ表面全体に均一に液が付着するような構成のものがよい。
【0069】
又、ローラ表面が吸水性材質であるローラと液溜め容器を組み合わせることが好ましい。
【0070】
さらに好ましい他の態様としては、ローラに処理液保持機能を持たせるかわりに、処理液保持部材を設置したものである。処理液保持部材をローラの間、上部、下部の少なくとも1ヶ所に設置し、処理液保持部材に含浸保持された処理液と感材が接触して処理されるため、多段向流機能を持たせることができ、処理性が向上し、処理時間を短縮させることができる。
【0071】
処理液保持部材は、処理液を含浸保持するような吸水性の材質であればよく、例えば前述のように吸水性を有する織布、不織布、多孔質材があげられる。この役割としては、処理液保持部材が感材のガイド部材の役目をし、直接該部材に含浸保持された処理液を感材と接触させる手段であってもよいし、処理液保持部材をローラと接触させることにより、ローラ表面に処理液を付着させ、ローラが感材と接触することにより、間接的に感材に処理液を供給する手段であってもよい。
【0072】
図1に示す自動現像機の概略側面図は、本発明に係わる自動現像機の代表的なものの一つである。多機能な処理が可能なことを示すと共に第2工程である定着工程又は漂白定着工程と、第3工程である水洗工程又は安定液工程との間の仕切壁を軽量簡単化のため除去することも可能なことを示している。即ち、各循環処理液や濃厚処理液や水道水又は安定液の上方からの新液としての供給や下方の処理液溜まり32からの循環処理液の供給は、必要最低量に近い適量だけであるので、下部の液溜まり32にある処理液は常に適性な定着液又は漂白定着液として周囲への飛び散りもなく、感光材料Fへの効率的な接触が可能になる(図1参照)。
【0073】
そして、下部の処理液貯溜部32にある定着液又は漂白定着液は常に適性な濃度の状態に保持されていて上部のノズル38から散布しながら循環使用される。
【0074】
そして、定着液又は漂白定着液の新液は上部の補給槽91からノズル98を通じて適時補給される。
【0075】
また、水洗水を使用する場合は水道水の適量供給がなされるが、安定液を使用する場合は上部の安定液補給槽95からヒーター75を通って適温にされ、ノズル48から流し込まれる。
【0076】
尚、各循環路には温度センサーやヒーターがポンプと共に設けられることが望ましい。
【0077】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0078】
実施例1
一般式(2)を含有する感光材料の試料を調製した。
【0079】
《一般式(2)を含有する試料の調製》
同時混合法を用いて塩化銀98モル%、臭化銀2モル%の平均粒径0.15μmの単分散、立方晶の塩臭化銀粒子を調製した。混合時にK3Rh(H2O)Br5を銀1モル当たり7×10-5モル添加した。また常法による可溶性塩類を除去する脱塩工程の前に4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン(TAI)を銀1モル当たり0.6g添加した(以下、特に記載がない場合は、銀1モル当たりの量とする)。
【0080】
この乳剤を60℃に昇温し、TAIを60mg、チオ硫酸ナトリウム0.75mgを添加し、TAIを添加してから60分後に更にTAIを600mg添加し温度を下げてセットさせた。
【0081】
ついで添加物をm2当たり以下の量になるように加えて塗布液を調製した。
【0082】
Figure 0003650864
Figure 0003650864
【0083】
【化17】
Figure 0003650864
【0084】
【化18】
Figure 0003650864
【0085】
【化19】
Figure 0003650864
【0086】
【化20】
Figure 0003650864
【0087】
上記塗布液を調整して塗布した。塗布量は乳剤層の銀量が2.0g/m2、バッキング層のゼラチン量が2.1g/m2になるよう均一塗布した。
【0088】
現像処理液の組成は下記のものを用いた。
【0089】
Figure 0003650864
水と水酸化カリウムを加えて1リットルに仕上げてpH10.4にする。
【0090】
《定着液組成》
チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 200ml
亜硫酸ナトリウム 22g
ほう酸 9.8g
酢酸ナトリウム・3水和物 34g
酢酸(90%水溶液) 14.5g
酒石酸 3.0g
硫酸アルミニウム(27%水溶液) 25ml
使用液のpHは4.9とした。
【0091】
露光は大日本スクリーン社製P−627を使用した。処理については全処理時間が表1,2,3に示すようになるようにラインスピード変化幅をひろげ、かつ自動現像機はラックを改造したコニカ社製GR−680を使用した。
【0092】
その概要は、前述の図1に示す通りである(自動現像機▲1▼)。
【0093】
又、比較として従来タイプの自動現像機を用いたがその概要図は図2に示す(自動現像機▲2▼)。
【0094】
どちらも処理条件は、
現像 35℃ 15″ 30″ 32cc/m2
定着 35℃ 10″ 20″ 32cc/m2
水洗 17℃ 8″ 16″ 300cc/m2
乾燥 50℃ 12″ 24″
全工程時間 45″ 90″
とした。
【0095】
(なお、全工程時間90″の場合の実施においては、上記のごとく、現像は30″乾燥は24″とした。)
《汚れ評価》
大全508mm×610mmサイズの上記塗布のごとき未露光試料を200枚連続処理し、24時間後に再び連続10枚処理した。その時の10枚のフィルム上に転写した0.5mm以上の汚れの総数をカウントし、大全1枚当たりの個数を表に示した。
【0096】
《残色評価》
現像処理した未露光フィルムを5枚重ねて、ドットメーター(X−Rite)でカブリ値として測定し、1枚当たりの値として表に示した。
【0097】
《定着性評価》
定着性は、10枚の処理後のフィルムを目視評価し、定着ヌケ不良が発生していない大全枚数を表に示した。
【0098】
【表1】
Figure 0003650864
【0099】
表1から明らかなように、本発明の構成は汚れ、残色及び定着性において優れている。
【0100】
実施例2
《印刷用明室感光材料試料の作製》
印刷用明室感光材料試料の作製は、単分散度8.8%、平均粒子径0.13μm、塩化銀が98モル%、臭化銀が2モル%、粒子内部にRu(NO)Cl5が10-4モル/銀1モルを含有する乳剤を用いた。裏側に帯電防止とハレーション防止を施した支持体の表側に、高感度乳剤層、低感度乳剤層、乳剤保護層下層、乳剤保護層上層を順次塗設した。
【0101】
高感度乳剤層の乳剤の増感は、銀1モル当たりハイポ8.2mg、KSCN2mg、塩化金酸15.4mg、ジフェニルペンタフロロフェニルセレナイド5mgで温度70℃で48分間の金−硫黄−セレン増感を施した。低感度乳剤層の増感は体積平均粒子径0.08μの粒子を同様に55℃44分間の金−硫黄−セレン増感を施して使用した。高感度乳剤と低感度乳剤との感度差は26%であった。
【0102】
乳剤層のゼラチン付き量は高感度乳剤層、低感度乳剤層それぞれ1g/m2、ポリ(メチルメタクリレート30−エチルアクリレート40−ブチルアクリレート28−アクリル酸2:下付き文字は重量組成比を表す。)共重合ラテックスの付き量0.5g/m2、銀付き量は高感度乳剤層および低感度乳剤層ともそれぞれ1.5g/m2とした。
【0103】
乳剤層上層および下層にはそれぞれ銀1モル当たり硬調化剤として下記表2に記載のようにヒドラジン誘導体を1×10-3モル、また低感度乳剤層には硬調化助剤として下記化合物ツを1×10-3モル、ホスホニウム塩化合物ネを1×10-3モル添加した。更に乳剤層上層および下層にそれぞれ平米当たり、界面活性剤としてノニルフェノキシドコサエチレンオキサイドスルホネート・ナトリウム塩を0.02g、カブリ防止剤として1−(p−カルボキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール0.001g、ベンゾトリアゾール0.002g、1−ブタンスルホン酸−2,3,−ジチアシクロヘキサン0.001g、アデニンを0.003g添加した。増粘剤として分子量68万のポリスチレンスルホン酸を0.06gおよびスチレン−マレイン酸共重合体0.04g、ポリビニルピロリドンを0.05g添加した。
【0104】
乳剤保護層上層および下層のゼラチン付き量はそれぞれ0.4g/m2、0.5g/m2、ラテックスの付き量は両層とも0.2g/m2、平均粒径3.3μの二酸化ケイ素のマット剤を保護層上層に0.03g/m2含むよう塗布した。尚、保護層の上層および下層には、化合物ニおよび水溶性染料をそれぞれ1m2当り1.3×10-3モル添加した。親水性コロイド層の硬膜は、化合物レを80mg/m2と化合物ソを46mg/m2添加して硬膜した。
【0105】
ヒドラジン誘導体:明細書中の一般式(1)の具体例番号を示す
ホスホニウム化合物は、下記化合物ネを用いた。
【0106】
【化21】
Figure 0003650864
【0107】
《使用した現像液の組成》
1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.5g
ハイドロキノン 30g
エリソルビン酸 25g
5−ニトロインダゾール 0.250g
5−メチルベンゾトリアゾール 0.06g
臭化カリウム 3.4g
亜硫酸ナトリウム 50g
水酸化カリウム 30g
硼酸 12g
水を加えて1リットルとし、pHは10.20に調節した。
【0108】
Figure 0003650864
水を加えて1リットルとし、pHを5.6に調節した。
【0109】
《評価》
実施例1と同様に行った。
【0110】
以上の結果を表2に示す。
【0111】
【表2】
Figure 0003650864
【0112】
表2から明らかなように、本発明の構成は汚れ、残色及び定着性において優れている。
【0113】
また、特開平8−297340号の実施例にあるようなヒドラジンを使用したイメージセッター用感材(Ar,He−Ne,赤色LD,赤外LD光源等)の調製法に従い、本発明のヒドラジン化合物に置き換えて行った実験においても、本発明の構成は、実施例2と同様に良好な結果が得られた。
【0114】
更に、特開平8−278608号にあるような固形処理剤を用いて、実施例1,2の明室感材及び上記イメージセッター用感材を処理しても本発明の構成は、汚れ、残色及び定着性において優れている結果が得られた。
【0115】
【発明の効果】
本発明により、処理液の供給量と廃液量が少なく、定着性に優れ、ローラの汚れがなく水洗水量も少なくてすむ硬調化されたハロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる自動現像機の概要図である。
【図2】通常用いられている本発明に係わる自動現像機とは異なる機構の自動現像機概要図である。
【符号の説明】
32 下部の液溜まり
33 処理液保持機能を持つローラ
38 上部ノズル
75 ヒーター
91 定着液又は漂白定着液の新液補給槽
98 補給槽よりのノズル
95 安定液補給槽
F 感光材料(フィルム)

Claims (2)

  1. 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロイド層中にヒドラジン誘導体を含有するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、自動現像機処理の工程中に該感光材料を上下方向に搬送する部分を有し、上下方向に搬送される該感光材料に接触または近接するようにローラを複数本配列して設け、処理液保持機能を有するローラ及び/またはローラ列下部にローラの一部が浸漬する液溜め容器の設置により、処理液を該感光材料に供給する構造とし、上部のローラ及び/または感光材料に処理液を供給する手段を設け、供給された該処理液を自然落下及び/またはオーバーフロー落下により下部のローラ及び/または液溜め容器に落下する自動現像機を用いて処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  2. 支持体上に感光性ハロゲン化銀乳剤層を有し、該乳剤層またはその他の親水性コロイド層中に、テトラゾリウム化合物を含有するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法において、自動現像機処理の工程中に該感光材料を上下方向に搬送する部分を有し、上下方向に搬送される該感光材料に接触または近接するようにローラを複数本配列して設け、処理液保持機能を有するローラの使用及び/またはローラ列下部にローラの一部が浸漬する液溜め容器の設置により処理液を該感光材料に供給する構造とし、上部のローラ及び/または液溜め容器及び/または該感光材料に処理液を供給する手段を設け、供給された該処理液を自然落下及び/またはオーバーフロー落下により下部のローラ及び/または液溜め容器に落下する自動現像機を用いて処理することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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