JP3648242B2 - 組み換えインスリン様成長因子igf−i様ポリペプチドの再折りたたみ - Google Patents

組み換えインスリン様成長因子igf−i様ポリペプチドの再折りたたみ Download PDF

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Description

発明の背景
発明の領域
本発明は特定の緩衝液およびその緩衝液をポリペプチドの再折りたたみのために使用する方法に関する。
関連文献に関する記載
多数のポリペプチドおよび蛋白質の商業的生産のためには、細菌およびその他の宿主細胞内で大量を生産できるようになったので、組換えDNA技術は選択するに足る方法になってきた。組換え蛋白質生産は宿主細胞を所期の外来蛋白質をコードするDNAでトランスフェクトまたは形質転換することおよびその細胞を組換え蛋白質の発現に適切な条件下に培養することを包含する。大腸菌および酵母は組換え蛋白質を高力価で生産するようにできるので宿主として好適である。
組換えDNAがコードする蛋白質の細菌における一般的発現に関する米国特許には、細胞外または周辺細胞質の担体蛋白質のための細菌遺伝子および非細菌性遺伝子を含む組換えDNA分子に関する米国特許4565785;外来ポリペプチドと凝集体形成ポリペプチドとの共生産に関する米国特許4673641;trpプロモーター/オペレーターおよびインシュリン様成長因子(IGF−I)のようなポリペプチドとのtrp・LE融合を持つ発現ベクターに関する米国特許4738921;異種蛋白質とを含めるための発現調節配列に関する米国特許4795706;およびIGF−Iをコードするもののような特定環状DNAプラスミドに関する米国特許4710473などを包含して、多数が存在する。
ある条件下で、細菌宿主から多量に発現されるある種の異種蛋白質は細胞内に濃厚な凝集体として沈殿し、位相差顕微鏡下に細胞内容物内に明るいスポットとして認識される。これら沈殿蛋白質の凝集体は「屈折体(refractile・body)」とよばれて全細胞蛋白質中のかなりの部分を構成する。Bremsなど、Biochemistry、24巻:7662頁(1985年)。一方、蛋白質凝集体は位相差顕微鏡下に見えないこともありうるので、用語「屈折体」はしばしば位相差顕微鏡下で見えると見えないとに関わらず蛋白質凝集体を示すために使用される。
発酵温度を30℃以下に低下させることによって、大腸菌内に高水準に発現された蛋白質の可溶部の比率が劇的に増加することが発見されている。種々の外来蛋白質、たとえばヒトインターフェロン−α(IFN−α2)、インターフェロン−γ(IFN−γ)とネズミMX蛋白質[ScheinおよびNoteborn、Bio/Technology、6巻:291〜294頁(1988年)]およびヒトIFN−β[Mizukamiなど、Biotechnol.Lett.、8巻:605〜610頁(1986年)]のかなりの部分が溶液中に残留する。この操作法は屈折体から再生蛋白質を回収する方法の代案の一つを代表するが、30℃以下の温度で効果的に誘導できる発現系が必要である。それ故、この操作法が効果的なのは蛋白質すべてではない。
屈折体に関する一般的な綜説としては以下を参照:Marston、前出;MitrakiとKing、Bio/Technology、7巻:690頁(1989年);MarstonとHartley、Methods・in・Enzymol.、182巻:264〜276頁(1990年);Wetzel、「生体内の蛋白質凝集:細菌の封入体および哺乳類のアミロイド」、AhernとManning編、「蛋白質医薬品の安定性:生体内分解経路および蛋白質安定化への戦略」(Plenum・Press、1991年)中;Wetzel、「試験管内および生体内における凝集抑制による蛋白質の折りたたみおよび安定性の強化」、Rees,A.R.など編、「蛋白質工学−−実際的手法」(IRL・Press、オックスフォード大学・出版、Oxford、1991年)中。
これらの器官からの蛋白質回収には、細胞物質および結合している蛋白質から細胞内に入っている蛋白質を分離する方法および封入体蛋白質を生物学的活性型で回収する方法のように多数の問題点があった。回収される蛋白質はそれらが活性蛋白質とは異なる3次元配座に折りたたまれており、しばしば主成分が生物学的に不活性である。例えば、天然IGF−Iのものとは異なるジスルフィド結合ペアを持っている誤った折りたたみのIGF−Iでは、生物学的活性が明らかに減少している。Raschdorfなど、Biomedical・and・Environmental・Mass・Spectroscopy、16巻:3〜8頁(1988年)。誤った折りたたみは発酵中の細胞内であるいは分離操作の間に起きる。蛋白質を生物学的に活性な正しい配座に再折りたたみする方法は機能的蛋白質を得るためには必須である。
再折りたたみ中の蛋白質で体験される、その他の性質はジスルフィド結合二量体、三量体および多量体形成の傾向である。Morrisなど、Biochem.J.、268巻:803〜806頁(1990年);Torenなど、Anal.Biochem.、169巻:287〜299頁(1988年);Frankなど、「ペプチド:合成−構造−機能」、D.H.RichおよびE.Gross編中、729〜738頁、(Pierce・Chemical社、Rockford、イリノイ州、1981年)。この会合現象は、殊に高蛋白質濃度では蛋白質再折りたたみの間に普通に頻発し、部分的に折りたたまれた中間体の親水性相互作用を通しての会合がしばしば含まれると見られる。ClelandとWang、Biochemistry、29巻:11072〜11078(1990年)。
蛋白質折りたたみは蛋白質を含む媒体の性質および水素結合、イオン結合および親水性相互作用に関与する弱い吸引性または反発性の分子内力の組合せに影響される。ペプチド鎖が折りたたまれて一対のシステイン残基が接近すると、システイン残基の間に強い共有結合ジスルフィド結合が形成され、その場の配座に固定される。再折りたたみのプロトコールは不適当なジスルフィド結合を切断し、ランダムなジスルフィド結合を遮断し、活性配座体形成に好都合な条件下に再折りたたみと正しいジスルフィド結合とをするように設計されている。
封入体から活性蛋白質を回収する一つの技術は封入体を強変性溶液に溶解することおよび次に所望により強変性溶液の代わりに弱変性溶液に交換(または強変性溶液を希釈)するか、または分子篩または高速遠心分離技術を利用することを含む。この回収法は、たとえば米国特許4512922;4518256;4511502および4511503に記載されており、僅かの修正で、封入体から生物学的活性組換え蛋白質を回収するするために全般的に利用できるものと見られる。これらの方法は組換え蛋白質が別の安定化力を通じて巧妙に生物学的に活性な配座をとる前のランダムなジスルフィド結合反応を排除することを追求している。
封入体から蛋白質を回収する方法の一つでは、その蛋白質のシステイン部分を遊離のスルフヒドリル基に維持する還元条件下に、再折りたたみを所望する変性蛋白質をさらに精製する。次に還元剤を希釈して水溶液とし、空気またはその他いずれかの酸化剤の存在下に再折りたたみされた蛋白質が適当なジスルフィド結合を形成することを可能にする。これで再折りたたみを全精製過程に容易に導入することが可能になる。
その他の解決法の一つでは、組換え蛋白質の再折りたたみをスルフヒドリル化合物の還元(R−SH)および酸化(R−S−S−R)両型の存在下に起こさせる。これで精製過程の間中、常に遊離のスルフヒドリル基およびジスルフィドが形成され、再形成されるようにする。スルフヒドリル化合物の還元型および酸化型が、折りたたみをほどき、再折りたたみするの過程の間、蛋白質の中間体配座を全部溶解しておける、十分な変性力を持つ緩衝液中に供給される。尿素は適当な緩衝媒体であると示唆されている。このシリーズの第3の選択肢では、封入体分離中に不適当に形成されていたかもしれないジスルフィド結合をいずれも切断し、次に得られた組換え蛋白質の遊離スルフヒドリル基を誘導体化するように設計されている。この目的はランダムなジスルフィドペアの形成を遮断するために蛋白質をスルホン化し、蛋白質を弱変性溶液中で正しく再折りたたみさせ、次に正しいスルフヒドリル結合に適する条件下に蛋白質を脱スルホン化することによって達成される。この脱スルホン化は適当なジスルフィド結合が確実に無変化のまま残すためにスルフヒドリル化合物および少量の対応する酸化型の存在下に行う。pHはこのスルフヒドリル化合物が少なくとも部分的にはイオン化型になる値まで上げて、スルホネートの求核的置換を強化する。
これら再折りたたみプロトコルは普遍的な用途については実用的だが、例えば組換えIGF−Iでは、必ずしも最高に効率的であるとは証明されていない。
生物学的活性の回収には注意深く監視された再生操作法が必要で、問題となる蛋白質によっては、非常に困難なことがありえる。細菌宿主中に生産されたか、またはそうでなければ変性型または非天然型であるかの蛋白質を再折りたたみする試行を報告する多数の文献が発表されている。例えば、大腸菌で発現後の生物学的活性2量体マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)の形成は、WO88/8003およびHalenbeckなど、Biotechnology、7巻:710〜715頁(1989年)に記載されている。ここに記載された操作法は、最初に尿素または塩酸グアニジンを含むカオトロピックな環境中の還元的条件下に封入体から分離したM−CSFモノマーの溶解段階、カオトロピック試薬の段階的希釈により達成される再折りたたみ段階、および最後に空気存在下または酸化還元系内での再折りたたみした分子の酸化段階、の各段階を含む。
米国特許4923967およびEP361830は屈折体蛋白質を変性剤中で溶解し、スルフィトルイル化すること、次にこの蛋白質を沈降するために溶媒を交換することのプロトコルを記載する。この蛋白質を変性剤に再溶解し、還元剤の存在下に再折りたたみする。正しい折りたたみに達するために必要なこの複数工程には時間がかかる。
蛋白質を再折りたたみする方法はインターロイキン−2(IL−2)[Tsujiなど、Biochemistry、26巻:3129〜3134頁(1987年);WO88/8849(その17頁には酸化剤として高濃度の銅の使用が開示されている)]、種々の起源からの成長ホルモン[Georgeなど、DNA、4巻:273〜281頁(1984年);Gillなど、Bio/Technology、3巻:643〜646頁(1985年);Sekineなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82巻:4306〜4310頁(1985年);米国特許4985544、この最後の文献には変性剤および還元剤を添加して蛋白質を溶解し、還元剤を除去し、蛋白質を酸化し、変性剤を除去することを含む]、プロキモシン[Greenなど、J.Dairy・Res.、52巻:281〜286頁(1985年)]、ウロキナーゼ[Winklerなど、Bio/Technology、3巻:990〜1000頁(1985年)]、ソマトトロピン[米国特許4652630、ここでは溶解用には尿素を用い、次に再折りたたみ用に緩和な酸化剤を用いている]、インターフェロン−β[EP3609347、1990年4月4日発行]および組織プラスミノーゲンアクチベータ[Rudolphなど、「623回生化学会会合」、カンタベリー(1987年)中]のような数種の蛋白質について報告されている。Marston、Biochemical・J.,240巻:1〜12頁(1986年)も参照。さらにサブチリシンを例として生物学的に不活性なポリペプチドをその活性型への折りたたみを促進するために天然起源ポリペプチドのプロ配列を使用する折りたたみ操作法が米国特許5191063に開示されている。
いくつかの回収技術では少なくとも60%までの活性外来蛋白質が得られている。たとえば、Bossなど、Nucl.Acids・Res.12巻:3791〜3806頁(1984年);Cabillyなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81巻:3273〜3277頁(1984年);Marstonなど、Bio/Technology、2巻:800〜804頁(1984年);Rudolphなど、前出参照。
様々な起源に由来する非天然型蛋白質の再折りたたみに関するさらに別の文献には、溶解用にSDSを、Cu2+イオンを完全に還元された蛋白質の酸化促進用に用いてIL−2およびインターフェロン−β(INF−β)を再折りたたみする報告を含む。米国特許4572798。米国特許4620984に記載の組換え屈折体蛋白質の分離法は蛋白質を溶解するための強変性溶液の使用、正しい折りたたみを促進するための還元条件の使用、およびジスルフィド結合を再形成するための空気またはその他酸化剤存在下での変性剤置換の使用を含む。この方法が適用できる蛋白質にはウロキナーゼ、ヒト、ウシおよびブタ成長ホルモン、インターフェロン、組織型プロスミノーゲンアクチベータ、足口病(FMD)外殻蛋白質、プロ−レニン、およびsrc蛋白質を含む。
折りたたみをほどかれた蛋白質、たとえばシトクロムC、卵アルブミンおよびトリプシン阻害剤について、この変性蛋白質を固体マトリックスに可逆的に結合させ、変性剤を希釈することによって段階的に再生することによる再生法がWO86/5809に開示されている。大腸菌の中に発現させたヒトの血小板由来増殖因子(PDGF)の修飾1量体を、精製の間はチオール部分を保護するためにS−スルホニル化し、次いで酸化剤の存在下に2量体化して、活性蛋白質を得ている。Hoppeなど、Biochemistry、28巻:2956〜2960頁(1989年)。
さらに、1991年6月19日発行のEP433225は生物学的活性2量体形質転換増殖因子−β蛋白質またはその塩の製法を開示し、そこではこの蛋白質の変性した単量体型を緩和な界面活性剤、水溶性有機溶媒および/または燐脂質のような溶解剤を含む再折りたたみ条件に付した。米国特許4705848は封入体からグアニジンによる変性段階一つと再生段階一つを用いる生物学的活性単量体成長ホルモンの分離を開示している。β−ラクタメースの細胞質と周辺細胞質封入体とに関するBowdenなど、Bio/Technology、9巻、725〜730頁(1991年)およびヒトインターフェロン−γ突然変異体の再折りたたみに関するSamuelssonなど、Bio/Technology、9巻:731頁(1991年)も参照。その上、Hejnaesなど、Protein・Engineering、5巻:797〜806頁(1992年)はIGF−Iでカオトロピック試薬の使用を記載している。
IGF−Iの細菌内生産に関する参考文献が数個存在する。これらには細菌内IGF−I発現に向けた1984年12月19日発行のEP128733および1985年3月27日発行のEP135094を含む。EP288451は細菌IGF−I分泌のためにlamBまたはompFシグナルの使用に向けたものである。Obukowiczなど、Mol.Gen.Genet.、215巻:19〜25頁(1988年)およびWongなど、Gene、68巻:193〜203頁(1988年)も同様な教示をしている。EP286345はラムダプロモータを使用するIGF−Iの発酵を開示している。
さらに、IGF−Iを融合蛋白質として生産する方法も示唆されている。例えば、EP130166は細菌内での融合ペプチド発現を開示し、米国特許5019500およびEP219814は細菌内発現のためにIGF−Iと保護ポリペプチド(protective・polypeptide)との融合を開示している。EP264074は分子量500〜50000の保護ポリペプチドとの二シストロン性met−IGF−I発現ベクターを開示している[米国特許5028531およびSaitoなど、J.Biochem.、101巻:1281〜1288頁(1987年)も参照]。その他のIGF−I融合技術にはrop遺伝子を切除した保護ペプチドとの融合[EP219814]、IGF−I多重体発現[Schulzなど、J.Bacteriol.、169巻:5385〜5392頁(1987年)]、結合部位で化学的切断可能なメチオニルまたはトリプトファン残基を介するIGF−Iと黄体化ホルモン(LH)との融合[Saitoなど、J.Biochem.、101巻:123〜134頁(1987年)]およびスーパーオキシドジスムターゼとの融合を含む。EP196056.Niwaなど、Ann.NY・Acad.Sci.469巻:31〜52頁(1986年)はその他のポリペプチドに融合したIGF−I遺伝子の化学的合成、クローニングおよび発現の成功を討論している。これらの方法は融合蛋白質を使用しているが、しかしながら、一般的に比較的に長いリーダー配列を要し、変性した組換え蛋白質の再折りたたみについての改良ではなく、封入体蛋白質発現の向上を目指している。
米国特許5158875は宿主細胞にDNAをトランスフェクトする前にプラス帯電リーダー配列を持つIGF−I遺伝子をクローニングすることを含む組換えIGF−I再折りたたみ方法を記載している。この組換えIGF−Iアミノ端末の付加的プラス電荷は溶解した蛋白質を変性溶液中で2〜16時間撹拌した時に正しい再折りたたみを促進する。再折りたたみに続いてリーダー配列を切断して活性の組換え蛋白質を精製する。しかしながら、この多数段階は厄介であり、余分な材料およびIGF−I遺伝子の前に異種リーダー配列をクローニングし、次に精製した蛋白質からリーダー配列を除去する努力を必要とする。
組換えIGF−Iの試験管内再折りたたみを促進するもう一つ方法にはブドウ球菌蛋白質Aに由来するIgG結合ドメイン(ZZ)2個から構成される溶解した親和性ある融合相手を使用するものを含む。Samuelessonなど、前出参照。この方法は誤った折りたたみのおよび多重体のIGF−Iを可溶化するために蛋白質Aドメインを使用する。この方法は変性剤または酸化還元試薬は使用しないが、IGF−I遺伝子に別の遺伝子を融合し、融合遺伝子の発現後にその遺伝子がコードするポリペプチドを除去する余分な段階を含む。
他の研究者は再折りたたみ中間体のジスルフィド交換平衡を含むIGF−I再折りたたみの研究を記載している。例えば、酸化還元緩衝液を用いるIGF−Iの再折りたたみが研究され、部分的酸化型のIGF−I生成がHoberなど、Biochemistry、31巻:1749〜1756頁(1992年)により確認された。
ジスルフィド交換はペプチジルジスルフィドイソメラーゼ(PDI)またはペプチジルプロリルイソメラーゼ(PPI)を添加剤に使用して調節することもできる。例えば1988年12月1日発行の日本特許出願昭和63年294796;1991年2月20日発行のEP413440;および1988年12月7日発行のEP293793を参照。
低イオン強度の緩衝液に50%メタノールを添加することにより選択したジスルフィドペアの形成増加をSnyder、J.Biol.Chem.、259巻、7468〜7472頁(1984年)が報告している。この戦略は選択したシステイン残基に接する逆帯電アミノ酸の並列が有利になるように媒体中での静電的因子を調整して特定のジスルフィド結合の形成を増加することを含む。正しく折りたたまれたIGF−Iの生産改善のためにアセトニトリル、DMSO、メタノールまたはエタノールの添加を提唱するTamuraなど、1989年7月11日開催第11回米国ペプチドシンポジウム抄録およびポスター発表も参照。
20〜40%v/vのエタノールを含む緩衝液に対して5時間までの時間透析し、混合物を酸性にすることにより酸化還元電位を変化させることを含むAlaGlu−IGF−Iの折りたたみ方法が1991年3月5日発行のWO92/03477に開示されている。
リボヌレアーゼの変性にある一定濃度のメタノールが使用された。LustigとFink、Biochim.Biophys.Acta、1119巻:205〜210頁(1992年)。他の研究室による研究は構造不安定化を促進する条件での中庸濃度のアルコールはインシュリン様ペプチドの会合を減少することができることを示している。Bryantなど、Biochemistry、31巻:5692〜5698頁(1992年);HuaとWeiss、Biochim.Biophys.Acta、1078巻:101〜110頁(1991年);Bremsなど、Biochemistry、29巻:9289〜9293頁(1990年);Uedaなど、1987年7月20日発行の日本特許出願昭62−190199。
他の研究者らによる研究で溶液の極性がある種の2次的構造を獲得するためのペプチドの性質に影響することが証明された。JacksonとMantsch、Biochim.Biophys.Acta、1118巻:139〜143頁(1992年);Shibataなど、Biochemistry、31巻:5728〜5733頁(1992年);ZhongとJohnson、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89巻:4462〜4465頁(1992年)。一般に、短いペプチドでは溶液極性の低下はアルファ螺旋の形成に好都合であると思われる。JacksonとMantsch、前出。インシュリンの分光学的研究も中庸濃度のアルコールがアルファ螺旋含量を増加することを証明している。HuaとWeiss、前出。
不溶性の、誤った折りたたみのIGF−Iその他を含むポリペプチドを再折りたたみし、そのポリペプチドの生物学的活性を回復できる正しい配座とするために効率的で廉価な操作法に対する必要性が存在する。
それ故、本発明の目的の一つはポリペプチドの効率的な再折りたたみ法を提供することにある。
他の目的の一つはグルタチオンのような高価なジスルフィド−交換試薬を使用しない再折りたたみ法を提供することにある。
さらに別の目的の一つはジスルフィド付加体を含む生産物を生産しない再折りたたみ法を提供することにある。
なお別の目的の一つは最高に再現性があり、堅固で予測可能な再折りたたみ条件を提供することにある。
以上の目的およびその他の目的は当業者にとって明白になるものと思われる。
発明の要約
今回、低濃度の銅またはマンガンの使用がポリペプチドのジスルフィド酸化を大きく促進することを発見した。それ故、本発明はポリペプチド約0.1から15mg/mLをアルコールまたは極性非プロトン溶媒約5〜40%(v/v)、約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬および約0.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の緩衝液中に含む組成物を提供する。
別の観点では、この発明は宿主細胞中に含まれる誤った折りたたみのポリペプチドを正しく折りたたみ直す操作の収率を向上する方法であって、再折りたたみ(refolding)段階の間にポリペプチドを約0.1から15mg/mLの濃度で、pH7〜12の緩衝液であって、アルコールまたは極性非プロトン溶媒約5〜40%(v/v)、約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬、および約0.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するものの中に存在させる方法を提供する。
なお別の視点では、本発明は宿主細胞内に含有されている誤った折りたたみのIGF−Iを再活性化する方法であって、
(イ)宿主細胞から該IGF−Iを分離すること、
(ロ)溶解に充分な量のカオトロピック試薬および還元剤を含むアルカリ性緩衝液中に該IGF−Iを維持すること、および
(ハ)インキュベーションの間にIGF−Iの再折りたたみが起きるように酸素源を導入しつつ、溶解した該IGF−Iを約0.1から15mg/mLの濃度で約5〜40%(v/v)のアルコールまたは極性非プロトン溶媒、約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬、および約0.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の折りたたみ用緩衝液中でインキュベーションすることからなる方法を供給する。
本発明の本質は、誤った折りたたみのポリペプチドの再折りたたみを強化するため、最低濃度の銅またはマンガン塩を含む特定の緩衝液を使用する点にある。酸化触媒としてのマンガンまたは銅塩の使用によってグルタチオンのようにより高価なジスルフィド交換試薬の必要を回避する。さらに、本方法はジスルフィド交換試薬を採用した時に起きる可能性のあるジスルフィド付加物を含むポリペプチド生産の可能性を回避する。好適な態様の一つにおいて、溶媒条件は原核生物周辺細胞質の屈折体から回収した誤った折りたたみのIGF−Iから正しい折りたたみのIGF−Iを高収率で得るために再折りたたみをするのに有利に設定されている。
殊に、この方法は細胞の周辺細胞質中に屈折体を形成する大腸菌を含む細菌のような原核生物細胞中で組換え的に生産された非天然型哺乳類ポリペプチドには好適である。加えるに、本発明は反応混合物中で採用した蛋白質濃度と無関係に高収率で蛋白質を与える。
【図面の簡単な説明】
図1はプラスミドp200の制限地図を示すが、これを使用してpLBIGFTsc生産用中間体プラスミドであるpLamBIGFを生産し、前者を使用してIGF−Iをコードする発現ベクター、すなわちpBKIGF−2Bを生産するための中間体プラスミドpBKIGF−2を調製した。
図2はp200のEcoR1−EcoR1断片(1149から1633位まで)であって、MFアルファIプレプロおよびIGF−I遺伝子配列を含むヌクレオチド配列を描く(配列番号1)。
図3はプラスミド断片3個および合成DNA片(配列番号2および3)からのpLamBIGFの構築を描く。
pLamBIGFはpLBIGFTsc生産用中間体プラスミドで、後者はpBKIGF−2の製造に使用される。
図4はpLamBIGFからの中間体プラスミドpLamBIGFTscの構築を描く。
図5はpBKIGF−2の生産に使用する中間体プラスミドpRanTscの構築を描く。
図6はpLS32Tsc、pLBIGFTsc、pLS335TscおよびpRanTscからのpBKIGF−2の構築を描く。
図7はpBKIGF−2Bの生産に使用するpBKIGF−2AのpLBIGFTsc、pLKIGF−2および合成DNA片(配列番号4および5)からのの構築を描く。
図8はpBKIGF−2Bの生産に使用するpLamBRanのpLS33LamB、pRANTESおよび合成DNA片(配列番号6および7)からの構築を描く。
図9はpBKIGF−2、pBKIGF−2A、pLamBRanおよび合成DNA片(配列番号8および9)からの発現ベクターpBKIGF−2Bの構築を描く。
図10は再折りたたみの間の各IGF−I種(左から右へ、誤った折りたたみのIGF−I、正しい折りたたみのIGF−Iおよび還元IGF−I)発生を証明する一連のHPLCクロマトグラム3枚である。これらクロマトグラムは折りたたみの開始時点(クロマトグラム下)、折りたたみ開始1時間後(クロマトグラム中)および折りたたみ開始3時間後(クロマトグラム上)に採取した。
図11は尿素、DTT、非天然型IGF−I、および細胞関連固体を含む全抽出物に塩とポリマーとを添加して得た水性二相系を記載する相図である。各記号は二相系(白丸)、一相系(黒丸)、浮遊固体を含む二相系(ρ)、および印刷された双節点(X)を示すものである。曲線は双節点の概略位置(実線)、固体沈降限界(破線)、低相の固体含有が許容される相比率の限界(点線)を示すものである。陰影を付した領域はIGF−Iと細胞関連固体との分離用に最適の領域を示す。
図12は銅濃度のIGF−I再折りたたみ機構への効果を示す。再折りたたみは25℃で痕跡(+印)、0.013μM(白丸)、0.052μM(黒丸)、0.13μM(白四角)、0.52μM(×印)、1.3μM(白三角)、5.2μM(黒三角)、および13μM(黒四角)の各濃度の塩化銅で行った。
好適な態様の記載
A.定義
ここに用いる「目的ポリペプチド」は一般にアミノ酸約10個またはそれ以上を持つペプチドおよび蛋白質を示す。このポリペプチドは宿主細胞に同種性でもありうるが、好ましくは、それらがチャイニーズハムスター卵巣細胞または細菌細胞により生産されるヒト蛋白質または異なる酵母または細菌または哺乳類細胞により生産される酵母ポリペプチドのような、異種性、すなわち使用される宿主細胞に対して外来性であることを意味する外因性であることもありうる。好ましくは、哺乳類ポリペプチド(哺乳類生物起源のポリペプチド)が使用されるのであるが、さらに好ましくは原核生物細胞中で生産されるもの、さらに好ましくは細菌細胞内の封入体として、殊に細菌の周辺細胞質から由来するものである。
細菌ポリペプチドの例には、たとえばアルカリホスファターゼおよびβ−ラクタマーゼなどを含む。哺乳類ポリペプチドの例には、たとえばレニン、ヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモンのような成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、副甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、リポプロテイン、α1−抗トリプシン、インシュリンA鎖、インシュリンB鎖、プロインシュリン、濾胞刺激ホルモン、カルシトニン、黄体形成ホルモン、グルカゴン、たとえばVIIIC因子、IX因子、組織因子およびウィレブラント因子のような凝血因子、プロテインCのような抗−凝血因子、心房性ナトリウム利尿因子、肺界面活性剤、たとえばウロキナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)のようなプラスミノーゲンアクチベータ、ボンベシン、トロンビン、造血系増殖因子、腫瘍壊死因子−アルファおよびベータ、エンケファリナーゼ、たとえばヒト血清アルブミンのような血清アルブミン、ミューラーの阻害物質、レラキシンのA鎖、レラキシンのB鎖、プロレラキシン、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、たとえばベータ−ラクタマーゼのような微生物プロテイン、DNアーゼ、ヒンヒビン、アクチビン、血管内皮増殖因子、ホルモンまたは増殖因子の受容体、インテグリン、プロテインAまたはD、リューマチ因子、たとえば骨由来ニューロトロフィン因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、または−6(NT−3、NT−4、NT−5、NT−6)、NGF−βのような神経成長因子、血小板由来増殖因子(PDGF)、aFGFおよびbFGFのような繊維芽細胞増殖因子、表皮増殖因子(EGF)、TGF−αおよびたとえばTGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、TGF−β5を含む、TGF−βのようなトランスフォーミング増殖因子、インシュリン様増殖因子−Iおよび−II(IGF−IとIGF−II)、デス(1〜3)−IGF−I(脳IGF−I)、インシュリン様増殖因子結合プロテイン、たとえばCD−3、CD−4、CD−8、CD−19のようなCDプロテイン、エリスロポイエチン、オステオ誘導因子、イムノトキシン、骨形態形成プロテイン(BMP)、たとえばインターフェロン−アルファ、ベータ、および−ガンマのようなインターフェロン、たとえばM−CSF、GM−CSFおよびG−CSFなどのコロニー刺激因子(CSF)、たとえばIL−1からIL−10までのインターロイキン(IL)、スーパーオキシドディスムターゼ、T細胞受容体、表面膜プロテイン、崩壊促進因子、例えばAIDSエンベロープの一部のようなウイルス抗原、輸送蛋白質、ホーミング受容体、アドレシン、調節蛋白質、抗体、および前記したポリペプチドのいずれかの断片、のような分子を含む。
好適な目的ポリペプチドは原核生物細胞中で容易に生産され、蛋白分解が最低で、目標とする用途についてグリコシル化が不要なものである。この哺乳類ポリペプチドの例にはIGF−I、IGF−II、脳IGF−I、成長ホルモン、レラキシン鎖、成長ホルモン放出因子、インシュリン鎖またはプロインシュリン、ウロキナーゼ、イミュノトキシン、NGF、NT−5および抗原を含む。殊に好適な哺乳類ポリペプチドにはIGF−I、脳IGF−I、成長ホルモンおよび、たとえばNGF、NT−5を含むNT−3、NT−4、NT−5、NT−6のようなニューロトロフィンを含み、さらに最も好適な哺乳類ポリペプチドはIGF−Iである。
ここに使用する「IGF−I」はウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、および好ましくはヒトを含むいかなる種からのものでも、天然配列または変種型のものおよび組換え的に生産されたものでも、インシュリン様増殖因子−Iを示す。IGF−I生産法の一つは1984年12月19日発行のEP128733に記載されている。
ここで用いる用語「非天然型(non−native)配座にある」は2次、2次および/または4次構造が天然の対応物ではないポリペプチドを記述する。ポリペプチドはカオトロピック試薬および相系形成剤と接触段階前であるかまたは接触中または後であるとに係わらずここに請求する方法のいかなる点でそのような配座を取ってもよい。この非天然型配座を取るポリペプチドは溶解性であるが、不活性型であってもよく、または非天然型膜蛋白質であってもよく、または不溶性であって、ミスマッチのまたは非形成のジスルフィド結合を持つ生物学的に不活性な配座を取っていてもよい。この不溶性ポリペプチドは、好ましくは、といっても必須ではないが、屈折体中に含まれている。すなわち、位相差顕微鏡下に見えても見えなくてもよい。
ここに用いる用語「誤った折りたたみの(incorrectly・folded」ポリペプチドは屈折体内に含まれる沈殿したまたは凝集したポリペプチドを示す。非天然型ポリペプチドは誤った折りたたみのポリペプチドから得られ、正しい折りたたみ(correctly・folded)の物質と誤った折りたたみ(misfolded)の物質とを含む。
用語「封入体」または「屈折体」は目的ポリペプチドの凝集体の濃厚な細胞内集塊であって全細胞成分を含む細胞蛋白質全体のかなりの部分を構成するものを示す。場合によっては、といっても全ての場合ではないが、これらポリペプチドの凝集体は細胞内容物内で下げても倍率1000倍までの位相差顕微鏡下では明るいスポットとして認識される。
ここに用いる用語「細胞」はあらゆる細胞を示し、目的ポリペプチドが回収される細胞はその性状に係わらず相系形成試薬および再折りたたみ試薬で処理することができる。例えば、本発明は細胞培養物中の細胞(細胞が成長しているタンクに係わりなく細胞が分離されていない全培養液)ならびにホモゲナイズ化または遠心分離された細胞も包含する。句「細胞培養物」は哺乳類細胞培養物のみならず、原核生物細胞および酵母細胞を含むいかなる細胞の培養物をも示す。
用語「配座体」は分子内ジスルフィド結合でのみ異なるポリペプチドを示す。例えば、IGF−Iは70アミノ酸長で、分子内ジスルフィド結合を形成するシステイン残基6個を持つ。正しい、活性なIGF−I配座体はアミノ酸残基C6−C48、C47−C52、およびC18−C61の間にジスルフィド結合を持つ。その他の主なポリペプチドは生物学的に活性の低い配座体の一つであって、アミノ酸残基C6−C47、C48−C52、およびC18−C61の間にジスルフィド結合を持つ。
ここに用いる用語「発酵槽」は目的ポリペプチド生産のために原核生物宿主を培養するタンクまたはその他の装置を示す。発酵培地または媒体は細胞のために用いる培養媒体である。
ここに用いる「カオトロピック試薬」は適当な濃度の水性溶液内で水性媒体にポリペプチドを溶解させるようなその表面での変化を通じてポリペプチドの立体配置または配座を変化させることのできる化合物を示す。この変化は、たとえば水和状態、溶媒環境または溶媒−表面相互作用などを変化させることによって起こさせうる。カオトロピック試薬の濃度はその強度と効果に直接的に影響する。変性力の強いカオトロピック溶液は高濃度のカオトロピック試薬を含み、溶液中では効果的に溶液中に存在するポリペプチドの折りたたみをにほどく(unfold)。このほどかれ方はかなり徹底的であるが、可逆的である。変性力の中庸なカオトロピックな溶液はいかに歪んだ配座が想定されるポリペプチドからも、溶液に可溶性の中間体を経て内因性または同種性の生理学的条件下に活性型で作動する時にポリペプチドが具現している立体配座へのポリペプチドの部分的な折りたたみを起こさせるのに充分な濃度のカオトロピック試薬を含む。カオトロピック試薬の例はグアニジン塩化水素塩、尿素および水酸化物ナトリウムまたは水酸化カリウムのような水酸化物を含む。カオトロピック試薬は塩基と尿素または塩酸グアニジンとの混合物のような、これら試薬の組合せを含む。
ここに用いる「還元剤」は水溶液中で適当な濃度で分子内または分子間ジスルフィド結合を化学的に切断して水硫酸基を維持する化合物を示す。適当な還元剤の代表例はジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)、ベータ−メルカプトエタノール(BME)、システイン、システアミン、チオグリコール酸、グルタチオンおよび水酸化ホウ素ナトリウムを含む。
ここに用いる「相形成種」または「相形成試薬」は水溶液に添加した時に多相系を形成するように作用する分子を示す。「水」溶液は溶液の大半(すなわち、約50%以上)を水が構成する溶液である。そこで、例えば、約60%の水を含む40%エタノールは相系形成種に対する適当な溶媒の一つである。相系形成種の例はポリマー−ポリマーの組合せ、溶媒−塩の組合せ、ポリマー−塩の組合せおよびポリマー−溶媒の組合せを含む。ここで、もっとも好適なものはポリマー−塩の組合せである。
ここに用いる「バイオマス固体および核酸」はポリペプチドならびに核酸(DNA、RNA)を生産する細胞または細胞培養物から得られる粒子(非溶解)固体を示す。これには溶解液および液体抽出成分の添加以外の全ての出所を含む。この固体には、例えば、細胞、細胞砕片、媒体成分、細胞膜および小胞および溶解性蛋白質ではなく細胞にとって外因性の蛋白質またはその他の不溶性細胞成分を含む。この発明を実行すると、バイオマス固体と核酸とはポリペプチドとは反対側の相に見られることになる。
ここに用いる用語「多重」は相系に用いるときには1以上の相系を示すが、好ましくは2から4相系であり、最も好ましくは2相系である。「ポリペプチドに富み、バイオマス固体が乏しい」相はポリペプチドが1より大きい分配係数を持ち、バイオマス固体が1より小さい分配係数を持つ相系を示し、ここに分配係数は目的の相系に関するものである。例えば、もし下相が生成物に富むなら、分配係数は上相中の濃度で下相中の濃度を割ったものである。
ここに用いる「オスモライト(osmolyte)」は、緩衝化された溶液に容量オスモル濃度を与えるかまたは水和または表面張力に影響する試薬を示す。例としては、たとえばグリセリン、エリスリトール、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マンニシドマンニトール、グリコシルグリセリン、ブドウ糖、果糖、ショ糖、トレハロースおよびイソフルオロシドのようなポリオールおよび糖類;たとえばデキストラン、レバンおよびポリエチレングリコールのようなポリマー;およびたとえばグリシン、アラニン、β−アラニン、プロリン、タウリン、ベタイン、オクトピン、グルタミン酸、ザルコシン、γ−アミノ酪酸、およびトリメチルアミン−N−オキシド(TMAO)のようなある種のアミノ酸とその誘導体を含み、さらに詳細にはYanceyなど、Science、217巻:1214〜1222(1982年)およびSchein、Bio/Technology、8巻:308〜315頁(1990年)に記載がある。
ここに用いる「緩衝液」は、酸−塩基複合体成分の作用によりpHの変化に抵抗する緩衝化された溶液を示す。
ここに用いる「溶媒」はアルコールおよび極性非プロトン溶媒を示す。アルコールは、アルコールについて普通に使用される術語の意味であり、好ましくは炭素原子1から10個を持ち、より好ましくはメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、またはt−ブタノール、ならびにグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリエチレングリコールであって、最も好ましくはエタノールまたはイソプロパノールである。これらのアルコールは溶媒であり、水溶液に添加した時には溶液の極性を低下させて親水性を増加する。極性非プロトン性溶媒はジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトニトリルなどのような分子であって、アルコールの代わりにまたはアルコールに加えて、使用することができる。
ここに用いる句「アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩」はアルカリ土類またはアルカリ金属元素からのカチオンまたはアンモニウムカチオンを持ち、無機または有機(炭化水素由来)アニオンを持つ塩を示す。このような塩の例には塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、燐酸アンモニウム、燐酸マグネシウム、燐酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどを含む。好適な塩はここでは塩化物と硫酸塩である。ここで、最も好適な塩は塩化ナトリウムである。
ここに用いる句「銅またはマンガン塩」は銅またはマンガンとシステイン残基の酸化促進に役立つ有機アニオンを含むいずれかのアニオンとの塩を示す。適当なアニオンには硫酸塩および塩化物を含み、塩化銅は殊に好適である。銅またはマンガンは外部から添加してもよく、発酵からの残留物であっても、また、そうでなければ目的ポリペプチドを含む溶液にすでに存在していたものでもよい。
B.本発明実施の形態
本発明は緩衝液中の触媒として銅またはマンガン塩の最低量を採用することで細胞性宿主から得られるポリペプチドの再折りたたみ収率を増加する方法に関する。この緩衝液は主としてポリペプチドと還元剤との型に依存してpH約7から12であり、好ましくは約8から11、さらに好ましくはpH8.5から11、最も好ましくは8.5から10.5である。
この緩衝液の重要成分の一つはアルコール性または極性非プロトン溶媒であって、たとえばポリペプチドおよび溶媒の型とカオトロピック試薬の濃度とに依存して濃度は約5〜40%(v/v)、好ましくは10から305(容積/容積)である。約20%(v/v)の濃度のものが最も好ましい。
この緩衝液の第2の重要成分はアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩であって、主としてカオトロピック試薬の濃度、溶媒濃度、およびアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩の型および採用するポリペプチドに依存しても約0.2から3M、好ましくは0.2から2Mの濃度で存在する。例えば、もしもカチオンがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムであれば、濃度は約0.5から3Mであるが、もしもカチオンがマグネシウムであれば、濃度は約0.2から1Mである。
この緩衝液の第3の重要成分の有効量のカオトロピック試薬である。このカオトロピック試薬の量は主としてアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩の濃度、溶媒の濃度、採用するアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩の型、採用するカオトロピック試薬の型、およびポリペプチドの型、ならびに緩衝液のpHに依存するが、一般的には約0.1から9M、好ましくは約0.5から6M、最も好ましくは約1.5から4Mの範囲とする。特定のカオトロピック試薬については、好ましくは約0.1から2Mの塩酸グアニジン、および好ましくは約1〜3M、さらに好ましくは約1〜2.5M、最も好ましくは約2Mの尿素を使用する。
この緩衝液の第4の重要成分は酸化と再折りたたみが起きるような有効量の銅とマンガンとの塩から選択される遷移金属の塩である。銅またはマンガン塩の量は主に遷移金属の型および採用するポリペプチドおよび存在する酸素濃度に依存する。酸素添加速度または酸素濃度が低い程、より多量の銅またはマンガン塩を採用できる。銅またはマンガン塩濃度は典型的には約0.01から15μM、好ましくは約0.01から10μM、さらに好ましくは約0.01から5μM、さらに好ましくは約0.01から0.5μMである。前記好適範囲は殊にIGF−Iについて好適である。もし、濃度が約15μMを超えて増加すると、予期に反して正しく折りたたみされたポリペプチドの収率は激減する。最も好ましくは銅またはマンガン塩濃度は約0.5μMである。この遷移金属塩は外因性に遷移金属塩を添加しなくても、緩衝液中に既に存在するものであってもよく、例えばそれが発酵から残存したもの、または緩衝液に添加したもの、またはこれらの双方であってもよい。
所期ポリペプチドをコードするDNAを発現するために適当な宿主細胞は原核生物、酵母またはより高級な真核生物である。この目的のために適当な原核生物には古細菌および真正細菌のような細菌を含む。好適な細菌はグラム陰性またはグラム陽性菌、例えば腸内細菌科の、たとえば大腸菌のようなエッセリキア属、エンテロバクター属、エルウィニア属、クレブシェラ属、プロテウス属、たとえばサルモネラ・ティフィムリウム種のようなサルモネラ属、たとえばセラチア・マルセッセンス種のようなセラチア属、およびシゲラ属、たとえばB.サチリスおよびリヘニフォルミス(たとえば、B.リヘニフォルミス41Pは1989年4月12日発行の東独特許DD266710に開示されている)のようなバシラス属、たとえばP.エルジノーサ種のようなシュードモナス属、ストレプトマイセス属、アゾトバクター属、リゾビウム属、ビトレオスシラ属、およびパラコッカス属である。適当な大腸菌宿主には大腸菌W3110(ATCC27325)、大腸菌294(ATCC31446)、大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC31537)が含まれる。以上の例は限定的ではなく、例示的である。
前記細菌のいずれかの突然変異細胞も採用しうる。勿論、その細菌細胞の細胞内レプリカの複製能を考慮に入れて適当な細菌を選択することが必要である。例えば、大腸菌、セラチアまたはサルモネラ菌はpBR322、pBR325、pACYA177またはpKN410のような、よく知られたプラスミドを用いてレプリカを供給するために使用する時に、宿主として用いるのに適当である。
組換えDNA生成物発酵に常用の宿主株なので、大腸菌W3110株は好適な宿主または親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最少量の蛋白質分解酵素を分泌すべきである。例えば、W3110株を修飾して蛋白質をコードする遺伝子に遺伝子突然変異を起こさせうるが、このような宿主の例には大腸菌W3110株27C7がある。27C7の完全遺伝子型はtonAΔ・ptr3・phoAΔE15・Δ(argF−lac)169・ompTΔ・degP41kanrである。27C7株は1991年10月30日にアメリカンタイプカルチャーコレクションにATCC55244として寄託された。あるいは、1990年8月7日に発行された米国特許4946783に開示された突然変異周縁細胞質プロテアーゼを持つ大腸菌株も採用しうる。その他に、試験管内クローニング法、たとえばPCRまたはその他の核酸ポリメラーゼ反応も適当である。
例えば、W3110株はこの宿主にとって外来性の蛋白質をコードする遺伝子で突然変異を起こさせて修飾しうるが、この宿主の例には、例えば完全遺伝子型tonAΔを持つ大腸菌W3110株1A2、完全遺伝子型tonAΔ・ptr3を持つ大腸菌W3110株9E4、完全遺伝子型tonAΔ・ptr3・phoAΔE15・Δ(argF−lac)169・ompTΔ・degP41kanrを持つ大腸菌W3110株27C7(ATCC55244)、完全遺伝子型tonAΔ・ptr3・phoAΔE15・Δ(argF−lac)169・ompTΔ・degP41kanr・rebs7Δ・ilvGを持つ大腸菌W3110株37D6、カナマイシン非耐性degP欠失突然変異を持つ大腸菌W3110株40B4および1990年8月7日発行の米国特許4946783に開示された突然変異周辺細胞質プロテアーゼを持つ大腸菌も含む。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母のよな真核生物微生物も適当なポリペプチドをコードするベクターのクローニングまたは発現宿主である。パン酵母とも呼ばれるサッカロミセス・セレビシェは低級な真核生物宿主微生物の中で最も普遍的である。しかしながら、たとえばシゾサッカロミセス・ポンベ[BeachとNurse、Nature、290巻:140頁(1981年);1985年5月2日発行のEP139383];たとえばK.ラクティス[MW98−8c、CBS683、CBS4574、Louvencourtなど、J.Bacteriol.、737頁(1983年)]、K.フラジリス(ATCC12424)、K.ブルガリクス(ATCC16045)、K.ウィッカラミイ(ATCC24178)、K.ワルティイ(ATCC56500)、K.ドロソフィラルム(ATCC36906、Van・den・Bergなど、前出)、K.サーモトレランスおよびK.マルキシアヌスのようなクライベロマイセス宿主(米国特許4943529;Fleerなど、前出);ヤロウィア[EP402226];ピチア・パストリス[EP183070、Sreekrishnaなど、J.Basic・Microbiol.、28巻:265〜278頁(1988年)];カンジダ;トリコデルマ・レエシア[EP244234];ノイロスポラ・クラッサ[Caseなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、76巻:5259〜5263頁(1979年)];たとえばシュワンニオマイセス・オクシデンタリス[1990年10月31日発行のEP394538]のようなシュワンニオマイセス;および糸状菌、たとえばニューロスポラ、ペニシリウム、トリポクラジウム[1991年1月10日発行のWO91/00357]およびアスペルギルス・ニデュランス[Ballanceなど、Biochem.Biophys.Res.Commn.、112巻:284〜289頁(1983年);Tilburnなど、Gene、26巻:205〜221頁(1983年)、Yeltonなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81巻:1470〜1474頁(1984年)]およびアスペルギルス・ニガー[KellyとHynes、EMBO・J.、4巻:475〜479頁(1985年)]のようなアスペルギルス宿主などのようにその他の属、種および株多数も普遍的に用いられ、本発明に有用である。
所期ポリペプチドをコードするDNA発現に適切な適当な宿主細胞は多細胞生物からも誘導されうる。そのような宿主細胞は複雑なプロセッシングおよびグリコシル化作用が可能である。原理的には、脊椎動物または無脊椎動物培養物のいずれからのものでも、いかなる高級真核生物細胞の培養も適当である。無脊椎動物細胞の例には植物および昆虫細胞を含む。バキュロウイルスの株およびその変種多数およびスポドプテラ・フルジペルダ(イモムシ)、アエーデス・アエジプチ(蚊)、アエーデス・アルボピクツス(蚊)、ドロソフィラ・メラノガステル(ミバエ)、およびボンビクス・モリのような宿主からの対応する可能な昆虫宿主細胞が確認されている。たとえばLuckowなど、Bio/Technology、6巻:47−55頁(1988年);Millerなど、遺伝子工学、Setlow,J.K.など編中、8巻:277〜279頁(Plenum・Publishing、1986年);およびMaedaなど、Nature、315巻:592〜594頁(1985年)。トランスフェクション用には、たとえば、アウトグラファ・カリフォルニカ・NPVのL−1変種およびボンビクス・モリNPVのBm−5株のような種々のウイルス株が公に入手可能であって、殊にスポドプテラ・フルジペルダ細胞のトランスフェクションのために、このようなウイルスを本発明のウイルスとして使用しうる。
綿、トウモロコシ、馬鈴薯、大豆、ペチュニア、トマトおよび煙草の植物細胞培養物は宿主として利用できる。典型的には、植物細胞を、予め所期ポリペプチドをコードするDNAを含むように操作しておいた細菌アガロバクテリウム・ツメファシエンスのある種の株と、インキュベーションによりトランスフェクトさせる。植物細胞培養物はA.ツメファシエンスとのインキュベーションの間に所期のポリペプチドをコードするDNAが植物細胞宿主に移行してトランスフェクトし、適切な条件下には所期ポリペプチドをコードするDNAを発現するであろう。加えて、植物細胞にも適応ができる、たとえばネオパリン合成酵素プロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列のような調節およびシグナル配列が入手可能であるDepickerなど、J.Mol.Appl.Gen.、1巻:561頁(1982年)。加えて、T−DNA780遺伝子の上流領域から分離したDNAセグメントは組換えDNA含有植物組織内で植物が発現できる遺伝子の転写水準を活性化または増加できる。1989年6月21日発行のEP321196。
有用な哺乳類宿主細胞系の例はSV40で形質転換したサル腎臓CV1系(COS−7、ATCC・CRL1651);ヒト胚腎臓系(293または懸濁培養液中での成育用にサブクローニングした293細胞、Grahamなど、J.Gen.Virol.、36巻:59頁[1977年]);幼弱ハムスター腎臓細胞(BHK、ATCC・CRL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO、UrlaubとChasin、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、77巻:4216頁[1980年]);マウスセルトリ細胞(TM4、Mather、Biol.Reprod.、23巻:243〜251頁[1980年]);サル腎臓細胞(CV1、ATCC・CCL70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC・CRL−1587);ヒト頚部癌細胞(HELA、ATCC・CCL2);イヌ腎臓細胞(MDCK、ATCC・CCL34);バッファローラット肝細胞(BRL・3A、ATCC・CCL1442);ヒト肺臓細胞(W138、ATCC・CCL75);ヒト肝臓細胞(Hep・G2、HB8065);マウス乳腺腫瘍(MMT060562、ATCC・CCL51);TRI細胞(Matherなど、Anals・N.Y.Acad.Sci.、383巻:44〜68頁[1982]);MRC5細胞;FS4細胞およびヒト肝細胞癌系(Hep・G2)である。
宿主細胞をトランスフェクトし、好ましくは前記のこの発明の発現用またはクローニング用ベクターで形質転換し、プロモーターの誘発、形質転換体の選択、または所期配列をコードする遺伝子の増幅に適応する修正をした通常の栄養培地中で培養する。
トランスフェクションとはコードされた配列のいずれかが実際に発現されると否とにかかわらず、宿主細胞による発現ベクターの取込みを示す。トランスフェクションには、例えば、CaPO4および電気穿孔のような多数の方法が専門家には公知である。トランスフェクションの成功は一般的に宿主細胞内に起きるベクター作動の指標のいずれかによって認定する。
形質転換は染色体外エレメントとしてまたは染色体組込物によるかいずれかでDNAが複製可能であるような生物体へのDNA導入を意味する。使用する宿主細胞に依存して、形質転換はその細胞に適当な標準技術を用いて行う。塩化カルシウムを採用するカルシウム処理はSambrookなど、分子クローニング:実験室マニュアル[ニューヨーク:Cold・Spring・Harbor・Laboratory・Press、1989年]1.82章に記載され、また、電気穿孔法はかなりの細胞壁障壁を持つ原核生物またはその他の細胞に対して一般的に用いられる。Shawなど、Gene、23巻:315頁(1983年)および1989年6月29日発行のWO89/05859に記載のようにアガロバクテリウム・ツメファシエンスによる感染はある種の植物細胞の形質転換のために使用される。加えるに、1991年1月10日発行のWO91/00358に記載のように植物は超音波処理を使用しても形質転換されうる。
そのような細胞壁を持たない哺乳類細胞では、Grahamとvan・der・Eb、Virology、52巻:456〜457頁(1978年)の燐酸カルシウム沈降法が好適である。哺乳類細胞宿主系の形質転換の一般的概況はAxelにより1983年8月16日発行の米国特許4399216に記載されている。酵母への形質転換は典型的にはVan・Solingenなど、J.Bact.、130巻:946頁(1977年)およびHsiaoなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、76巻:3829頁(1979年)の方法に従って実施する。しかしながら、たとえば核微量注入法、電気穿孔法、細菌での無傷細胞と原形質体との融合法、またはたとえばポリブレン、ポリオルニチンなどのポリカチオン法のようにDNAを細胞に導入するその他の方法も使用しうる。哺乳類細胞を形質転換する種々の技術についてはKeownなど、Methods・in・Enzymology(1989年)、Keownなど、Methods・in・Enzymology、185巻:527〜537頁(1990年)、およびMansourなど、Nature、336巻:348〜352頁(1988年)を参照のこと。
もし原核生物細胞を本発明の方法に従って目的ポリペプチドを生産するために使用するなら、それらはSambrookなど、分子クローニング:実験室マニュアル(Cold・Spring・Harbor・Laboratory・Press、NY、1989年)に一般的に記載されているようにしてプロモーターを構成的または人工的に誘発することができる適当な培地中で培養される。適当な培地の例は以下の実施例部分に記載する。
炭素、窒素および無機燐酸源以外の必要な添加剤も適当な濃度で、単独で、またはその他の添加剤または複合窒素源のような培地との混合物としても含有させうる。培地のpHは主として宿主生物体に依存して約5〜9のいずれかでありうる。
もし、哺乳類細胞を使用して本発明のポリペプチドを生産するなら、それらは種々の培地中で培養しうる。たとえばハムF10(Sigma)、最少必須培地([MEM]、Sigma)、RPMI−1640(Sigma)、およびダルベッコの修正イーグル培地([DMEM]、Sigma)のような購入可能な培地は宿主細胞を培養するために適当である。これに加えて、HamとWallace、Meth.Enz.、58巻:44頁(1979年)、BarnesとSato、Anal.Biochem.、102巻:255頁(1980年)、米国特許4767704、4657866、4927762、4560655、WO90/03430、WO87/00195、米国再発行特許30985または米国特許5122469に記載されている培地はいずれも宿主細胞のための培養媒体として使用しうる。これらの培地はいずれも必要に応じてホルモンおよび/またはその他の成長因子(たとえばインシュリン、トランスフェリンまたは皮内増殖因子のようなもの)、塩(たとえば塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムおよび燐酸塩のようなもの)、緩衝液(たとえばHEPESのようなもの)、ヌクレオシド(たとえばアデノシンおよびチミジンのようなもの)、抗生物質(ゲンタマイシン、薬剤商品名、のようなもの)、微量エレメント(最終濃度で通常マイクロモルの範囲で存在する無機化合物として定義される)、およびグルコースまたは均等なエネルギー源をも補足しうる。その他に必要な補足剤はいずれも専門家に公知の適当な濃度で含めうる。たとえば温度、pHなどのような培養条件は選択した宿主細胞で以前に発現のために用いられたものであり、通常の専門家には明白であると思われる。
一般に、試験管内哺乳類細胞の生産性を最大化するための原理、プロトコル、および実践的技術は「哺乳類細胞バイオテクノロジー:実践的手法」、M.Butler編(IRL・Press、オックスフォード大学出版、Oxford、1991年)に見出すことができる。
前記プロセスはポリペプチドが細胞内または周辺細胞質空間のいずれにあっても採用することができる。ここにポリペプチドを分離するために提示する好適な条件は殊に周辺細胞質空間に局在する封入体を指向するものである。
目的ポリペプチドについて実質的に均質な生産物を得るためには、再折りたたみする前に目的ポリペプチドを組換え細胞の蛋白質またはポリペプチドから精製することがしばしば好適である。態様の一つにおいて、第一段階として培養培地または溶菌液を遠心分離して細胞破砕物の粒子を除去する。要すれば、膜および溶解性蛋白質画分を次に分離する。次にポリペプチドを、ポリペプチドが膜結合しているか、または溶解性であるか、または凝集した型であるかによって、培養溶菌液の溶解性蛋白質画分からおよび膜画分から精製しうる。その後、ポリペプチドを溶解し、次に続いて適当な緩衝液を用いて再折りたたみする。この分離の第一法の詳細は以下に記載する。
非溶解性の非天然ポリペプチドは原核生物宿主細胞から適当な分離緩衝液中で適当な技術のいずれか、たとえば宿主蛋白質の大部分は溶解するが、凝集ポリペプチドは不溶である適当なイオン強度を持つ緩衝液に、細胞を接触させること、封入体を放出させ、例えば遠心分離のような回収技術を可能にするために細胞を破壊すること、によって分離する。この技術はよく公知であり、例えば米国特許4511503に記載されている。
概略的に記述すれば、細胞を緩衝液(典型的にはpH5から9、好ましくは約6から8、でイオン強度約0.01から2M、好ましくは0.1から0.2Mを使用する)中に懸濁する。塩化ナトリウムを含むいかなる適当な塩も充分なイオン強度値を維持するために有用である。この緩衝液に懸濁している間に、細胞を次に、例えば機械的方法、たとえばManton−Gaulinプレス、フレンチプレスまたは超音波処理、または化学的または酵素的方法のような普通に採用される技術を使用する溶菌によって崩壊させる。
細胞崩壊の化学的または酵素的方法の例には細菌壁を溶菌するためにリゾチームを使用することを含むスフェロプラスト化法[Neuなど、Biochem.Biophys.Res.Comm.、17巻:215頁(1964年)]および健常細胞を高張液で処理し、低張性の冷水で洗ってポリペプチドを放出させることを含む浸透圧ショック法[Neuなど、J.Biol.Chem.、240巻:3685〜3692頁(1965年)]を含む。1987年7月14日発行の米国特許4680262に記載の第三の方法は形質転換細菌細胞と炭素原子2から4個を持つ低級アルカノールの有効量とを、細胞を殺し、細胞を溶解するに充分な温度と時間、接触させることを含む。
細胞を崩壊させた後に、懸濁液を典型的には遠心分離して封入体をペレットにする。態様の一つでは、この段階は約500から15000×g、好ましくは約12000×gで、容積と遠心器の意匠に依存するが、標準的な遠心分離器で充分な時間、すなわち、普通は約10分から0.5時間実施する。得られるペレットは実質的に全ての不溶ポリペプチド画分を含むが、もし細胞崩壊工程が不完全なら、無傷の細胞または破壊した細胞断片を含みうる。細胞崩壊の完全度はペレットを少量の同一緩衝溶液に再懸濁し、懸濁液を位相差顕微鏡で検査すれば評価できる。破砕細胞断片または全細胞の存在は断片または細胞およびこれに伴う非屈折体ポリペプチドを除去するために追加の崩壊が必要であることを示す。必要な場合には、追加の崩壊後、懸濁液を再度遠心分離してペレットを回収し、再溶解し、分析する。この方法は視覚的検査でペレット物質中に破砕細胞断片の不在を確認するまで、あるいは追加的処理が得られるペレットの容積を減らさなくなるまで反復する。
その他の態様の一つでは、好ましくは外因性の目的ポリペプチドを適当な緩衝液中で溶解して分離する。この操作はポリペプチドが組換え的に生成した後に発酵槽に試薬を直接添加することでポリペプチドを得るための収穫、ホモゲナイズ化および遠心分離の余分な段階を回避できる反応液内溶解にすることができる。残留粒子は遠心分離または濾過またはこの組合せで除去できる。その他には、より好ましくは多相分離/抽出系を使用して残留粒子からポリペプチドを精製してもよい。
多相水性分離系ではたとえば尿素、塩酸グアニジンおよび/または塩基のような変性剤(カオトロピック試薬)1種またはそれ以上とたとえばジチオスレイトールまたはシステインのような還元剤とをポリペプチド含有培地に塩基性pHで添加し、次に相系形成種を培養ブロスに添加する。この第二群の試薬をブロスに添加すると多相が形成されるが、その一相ではポリペプチドに富み、バイオマス固体および核酸に乏しい。好ましくは、この系は二相から四相を持ち、さらに好ましくは二相であって、一相はポリペプチドに富み、他はバイオマス固体と核酸に富む。好ましくは、上相がポリペプチドに富み、バイオマス固体と核酸に乏しくなるように所期ポリペプチドを上相に分配する。
こうして、発酵完了後、細胞培養物をカオトロピック試薬1種またはそれ以上、所望による還元剤、および相系形成試薬と接触させて多相系を形成し、その一相に目的ポリペプチドを豊富化する。カオトロピックおよび還元試薬を最初に添加して細胞からポリペプチドを抽出し、相系形成剤を添加する前にブロス中での溶解性を維持することは好適である。また、目的ポリペプチドはどの相からも抽出できる(豊富化させうる)が、最も上の相から回収するのが好ましい。
最も好ましくは、カオトロピック試薬および所望による還元剤はポリペプチドの分離前に発酵槽中の発酵ブロスに直接添加して試薬を細胞に浸透させ、ポリペプチドを溶解性とし、周囲の媒体に拡散させる。
適当な還元剤の例はジチオスレイトール(DTT)、β−メルカプトエタノール(BME)、システイン、チオグリコール酸、および水素化ホウ素ナトリウムである。緩衝液中に存在する還元剤の量は主として還元剤およびカオトロピック試薬の型、採用する緩衝液のpHと型、および緩衝液中のポリペプチドの型と濃度とに依存しよう。還元剤の有効量は分子間でジスルフィドを介する凝集を排除するために充分な量である。例えば、1〜4Mの尿素を含むpH7.5〜10.5の緩衝溶液中で0.5〜6mg/mLのIGF−Iでは、DTT濃度は約1〜20mMであり、システインの濃度は約10〜50mMである。好適な還元剤は約2〜10mMのDTTまたは約30〜50mMのシステインである。
この発明の実施に適当なカオトロピック試薬は、たとえば尿素およびグアニジンまたはチオシアン酸の塩、さらに好ましくは尿素、塩酸グアニジンまたはチオシアン酸ナトリウムを含む。緩衝液中に存在することが必要なカオトロピック試薬の量は、例えば、存在するカオトロピック試薬およびポリペプチドの型に依存する。発酵ブロスに添加すべきカオトロピック試薬の量はポリペプチドを細胞から抽出し、ブロス内での溶解性を維持するために充分な量である。もしポリペプチドを上相から抽出するなら、カオトロピック試薬の量は相系形成種の添加後に固体が底に沈着している代わりに表面まで上昇する点までには密度が上昇しない程度に充分に低くなければならない。一般的に、カオトロピック試薬の濃度は約0.1〜9M、好ましくは約0.5〜9M、さらに好ましくは約0.5〜6M、最も好ましくは約0.5〜3Mである。また、好ましくは相系形成試薬を添加する前に培養媒体にカオトロピック試薬を添加する。好適なカオトロピック試薬はここでは約1.5〜2.5M−尿素、さらに好ましくは約2M、または約0.5〜3M−塩酸グアニジンである。最も好ましくは、カオトロピック試薬は尿素である。
カオトロピック試薬および還元剤を添加すべき水性溶液中のポリペプチド濃度はポリペプチドが最高収率で回収される値でなければならない。採用すべき正確な量は、たとえば、ポリペプチドの型および水性溶液中のその他の成分の濃度と型、殊に還元剤、カオトロピック試薬、相系形成試薬およびpH、に依存する。ポリペプチド一般としては、好適なポリペプチドの濃度は約0.1から15mg/mLである。好適なIGF−I濃度(変性または非天然型IGF−Iの最高収率を招く)は0.5〜6mg/mL、さらに好ましくは1.5〜5mg/mLの範囲にある。
ここで採用する相系形成種の型はポリペプチドおよび処理すべき発酵ブロス中の各成分の型を含む多数の因子に依存する。各成分はポリペプチドが沈殿せず、ポリペプチドがより親水性の相に局在し、バイオマス固体および核酸が低親水性相に落ち着くように、一相が他相よりも親水性になるように選択しなければならない。
相系形成種はポリマーの組合せ(ポリマー−ポリマー)、ポリマー−塩の組合せ、溶媒−塩およびポリマー−溶媒の組合せを含む試薬の組合せでもありうる。適当なポリマーは高親水性ポリマーおよび低親水性ポリマー双方、すなわち当該技術で公知の相系形成ポリマーのいずれかである。例には、たとえばPEG4000、PEG6000、PEG8000のような種々の分子量のPEG、例えばGrunfeldなど、前出、に記載のPEG誘導体のようなポリエチレングリコールまたはその誘導体、好ましい分子量範囲約36000から360000のポリビニルピロリドン(PVP)、デキストラン(たとえば、デキストラン70および500)、デキストリンおよびマルトデキストリン(好ましい分子量は約600と5000との間)、ショ糖、およびFicoll−400(商品名)ポリマー(ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマー)を含む。ここで好適なポリマーはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドンまたはデキストランのような多糖類である。最も好適なポリマーは、種々の分子量を持つPEGまたはPEG−ポリプロピレングリコールの組合せまたはコポリマーである。
適当な有機溶媒の例には、エチレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホキシド、ポリビニルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジオキサンおよびメタノール、エタノールおよび2−プロパノールのようなアルコールを含む。これら溶媒は水溶液に添加した時、溶液の親水性を増加するものである。
塩は無機または有機塩であることができ、ポリペプチドを沈殿させるように作用しないものが好ましい。遷移元素を含む塩はポリペプチドを沈殿させる傾向があるので好適ではない。アニオンは水性多相系を形成する能力を持つものを選択する。例には硫酸アンモニウム、燐酸二ナトリウム、硫酸ナトリウム、燐酸アンモニウム、クエン酸カリウム、燐酸マグネシウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシウム、燐酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、硫酸マンガン、燐酸マンガンなどを含む。二相水性系を形成するのに有用な塩の型はZaslavskiiなど、J.Chrom.、前出に評価されている。好適な塩は、ここでは硫酸塩、燐酸塩、またはクエン酸塩であり、アルカリまたはアルカリ土類金属塩である。硫酸塩およびクエン酸塩はより好適であり、硫酸塩はpH制限が少ないので最も好適である。ここに、最も好適な塩は硫酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムである。
満足な多相系を得るために目的ポリペプチドに添加すべき相系形成種の量は当技術領域では公知のものである。ポリペプチドに添加される相系形成種の量は、例えば、もしあれば、すでに発酵ブロスに含まれるカオトロピック試薬および還元剤の量、細胞培養培地の性質、発酵に使用する細胞の型、処理されるポリペプチドの型、ポリペプチドを上下どちらの相から回収するか、および添加する相系形成種の型、のような因子に依存する。必要な相−容積比のサイズに依存して、採用するポリマーの一般的濃度は約5%(w/w)からポリマーの溶解度の限界までであり、採用する塩濃度は約3%(w/w)から塩の溶解度の限界までである。相−容積比はバイオマス固体に適合するのに充分でなければならない。有効な相系形成種の型と量とは状態図および最終結果、すなわち目的ポリペプチドの純度と収率との評価によって決定することができる。もし、相系形成種がポリマー−塩の組合せならば、バイオマス固体および核酸が存在する相とは反対側の相に所期ポリペプチドがあるようにするため、好ましくは添加する塩の濃度は約4〜15%(w/w)、ポリマー濃度は5〜18%(w/w)とする。
もし、所期の系でポリペプチドが上相に分配され、バイオマス固体と核酸とが下相にあるならば、そこに相系形成種の濃度の枠がある。溶解を維持するため、より多量のカオトロピック試薬を添加する時には、より多量の相系形成種が必要である。しかしながら、これら試薬の高濃度は溶液の比重を増加する。高密度はバイオマス固体の沈着し易さの減少を起こすであろう。過剰な高濃度はバイオマス固体の表面への浮上を起こすであろう。それ故、カオトロピック試薬および相系形成種の濃度はポリペプチドの完全な溶解を維持するために充分な高さであるが、バイオマス固体および核酸が反対側(下)の相に沈着するために充分な低さでなければならない。
もし、ポリペプチドを上相から回収するなら、典型的には、たとえば塩、ポリマーおよびポリペプチドなどの型に依存し、塩濃度は約4〜7%(w/w)で、ポリマー濃度は約12〜18%(w/w)であろう。もし、たとえばエタノールのような有機溶媒を相系形成種として添加するなら、たとえばポリペプチドおよびアルコールの型に依存し、好ましくは溶液の約10から30%(容積/容積)の量で添加する。そして、もし、他の相系形成種が存在するなら、約20%(v/v)が好ましい。
細胞培養物を種々の試薬と接触させるための正確な条件は、たとえば、緩衝液のpH、相系形成種の型、ポリペプチドおよびカオトロピック試薬および還元剤の型と濃度などに依存する。反応温度は一般的に約20〜40℃、より好ましくは室温である。接触段階は一般的に、副反応が起きるかどうかに依存して、少なくとも約30分間、好ましくは約30分間から12時間、より好ましくは約30分間から8時間、最も好ましくは約30分間から1.5時間実施する。
もしポリペプチドの折りたたみがほどけていれば、ほどかれた程度は非天然型ポリペプチドの親水性相互作用クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグラフィーを含むクロマトグラフィーにより適当に決定される。非天然型物質ピークの面積の増加が非天然型ポリペプチドの存在量を指摘する。
多相系が確立すると、一相はポリペプチドに富み、バイオマス固体および核酸を含む崩壊粒子および細胞に乏しくなる。二相系では、好ましくは上相はポリペプチドに富み、一方下相は崩壊粒子および細胞に富む。ポリペプチドは両相の分離により容易に回収することができる。この回収段階は上相のデカンテーションにより、下相の流出により、または遠心分離により達成してもよい。ポリペプチドはそれを含む相からポリペプチドを沈殿するようにpHを変化させることにより、または沈殿するポリペプチドを遠心分離または濾過またはスラリー化により適当に回収するように適当な溶媒を添加することにより分離される。その他に、ポリペプチドはポリマー含有相から適当なポリマー、塩または溶媒の添加による再抽出により回収することができる。IGF−Iの場合、ポリペプチドを分離したポリマー相からIGF−Iが沈殿するようにpHを下げることにより回収し、IGF−Iの収率を97%位またはそれ以上に導いた。
多相系の液体相から、または精製の後段階で得られた、ポリペプチドはここに記載する本発明を使用して適当に再折りたたみをし、活性配座にする。
もしポリペプチドが再折りたたみする前に溶解型でなければ、ポリペプチドを実質的に溶解するために必要な量のカオトロピック試薬および還元剤を含むアルカリ性緩衝液中でインキュベーションすることによって溶解しうる。このインキュベーションはアルカリ性緩衝液中でポリペプチドの溶解を起こすポリペプチド濃度、インキュベーション時間およびインキュベーション温度で実施する。
ポリペプチドの溶解割合の測定は、濁度測定により、還元SDSゲル上遠心分離後に上清液とペレットとの間のポリペプチド分配率の分析により、蛋白質検定(たとえば、Bio−Rad蛋白質検定キット)、またはHPLCにより適当に実施される。
溶解用アルカリ性緩衝液のpH範囲は典型的には低くとも約7.5、好適範囲は約8〜11である。後者の範囲のpHを与えるために適当な緩衝液の例には、グリシン、CAPSO(3−[シクロヘキシルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸)、AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール)、CAPS(3−[シクロヘキシルアミノ]−1−プロパンスルホン酸)、CHES(2−[N−シクロヘキシルアミノ]エタンスルホン酸)およびTRIS・HCl(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン・塩酸塩)を含む。ここに、好適な緩衝液はグリシンまたはCAPSOであり、好ましくは濃度約20mM、pH約8.5から11、好ましくは約10〜11である。
溶解用緩衝溶液中のポリペプチドの濃度はポリペプチドが実質的に溶解するかまたは部分的または完全に還元されて変性する濃度でなければならない。あるいは、ポリペプチドは最初は不溶でもよい。採用すべき正確な量は、たとえば、緩衝溶液中のその他の成分の濃度と型、殊に採用するポリペプチドの型、還元剤の型と量、カオトロピック試薬の型と量および緩衝液のpHなどに依存する。例えば、もし還元剤、たとえばDTTなど、の濃度を同時に増加して、DTT:IGF−Iの比率を約3:1から10:1に保持すれば、IGF−I濃度は少なくとも3倍に増加されうる。希釈再折りたたみをする前に、より濃厚な溶解蛋白質を製造することが望ましい。そこで、ポリペプチドの好適濃度は少なくとも約30mg/mLで、さらに好適な範囲は30〜50mg/mLである。例えば、IGF−Iを約30〜50mg/mLの濃度に2M−尿素、10mM−DTTで溶解し、例えば、約1mg/mLまで希釈して折りたたみをさせる。
ポリペプチドを溶解した後は、それを放置するか、前記の溶媒、カオトロピック試薬、および塩を含む緩衝液で希釈する。緩衝液は第一次緩衝液について前記にリストしたものはどれでもよく、中でもCAPSO、グリシンおよびCAPSはpH8.5〜11では、殊に約20mM濃度で好適であり、最も好ましくは、CAPSOおよびグリシンであることができる。ポリペプチドは再折りたたみ用緩衝液で、好ましくは少なくとも5倍に、より好ましくは少なくとも約10倍に希釈してもよい。あるいは、ポリペプチドを再折りたたみ用緩衝液に対して透析してもよい。再折りたたみは典型的には約0〜45℃、好ましくは約20〜40℃、より好ましくは約23〜37℃、さらにより好ましくは約25〜37℃、最も好ましくは約25℃で少なくとも約1時間実施する。好適な温度は塩、溶媒およびカオトロピック試薬濃度によっては明瞭に影響されることはないが、ショ糖およびグリセリンの存在により影響されうるので、この場合には約20℃またはそれ以上に保持すべきである。この溶液は、所望ならば還元剤およびオスモライトも含有する。
還元剤は前記濃度範囲での前記溶解段階に記載したものから適当に選択する。濃度は、特にアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、ポリペプチドおよび溶媒の濃度、に依存する。好ましくは、還元剤の濃度は約0.5から8mM、より好ましくは約1〜5mM、さらにより好ましくは約0.5〜2mMである。好適な還元剤はDTTおよびシステインである。
所望によるオスモライトは、好ましくはショ糖(約0.25〜1Mの濃度で)またはグリセリン(約1〜4Mの濃度で)である。より好ましくは、ショ糖濃度は約1Mであり、グリセリン濃度は約4Mである。
折りたたみ緩衝液中のポリペプチドの初期濃度は、回収される正しい折りたたみの配座体の収率およびHPLC、RIAまたは生物検定法で測定して正しい折りたたみの配座体と誤った折りたたみの配座体との比率が最高になるようにすべきである。正確な濃度は、例えば採用するポリペプチドの型に依存する。ポリペプチドの好適な濃度(正しい折りたたみの配座体の最高収率を招く)は約0.1から15mg/mL、より好ましくは約0.1から6mg/mL、および最も好ましくは約0.2から5mg/mLである。
これに加え、空気または酸素ガスのような酸素源は緩衝液に入っているか、またはそうでなければ導入して銅またはマンガン塩で酸化を起こさせる。この酸素はポリペプチドまたはその他の試薬が緩衝液に添加される前を含めてどの時点ででも緩衝液中に存在することができる。
導入する酸素源の量は使用する容器、ポリペプチドの型と濃度、酸素源の型、銅またはマンガン塩の型と量、および、もし存在すれば還元剤の型と量、および存在するカオトロピック試薬の型と量ならびに緩衝液のpH、に依存する。一般的にこの酸素源は受動的方法(たとえば、空気空間と液体容積の比率2:1での頂部空間の空気として)で撹拌機を使用して導入する。あるいは、酸素源は多孔分散管を通して通気する。酸素導入速度は折りたたみが、好ましくは約1から12時間、より好ましくは約1から6時間、最も好ましくは約1から3時間に完了するに充分なものでなければならない。分子状酸素の添加は還元剤濃度およびポリペプチド濃度に比例するが、銅またはマンガン塩濃度に逆比例する。酸化速度は酸素添加速度ではなく、触媒濃度により限定される。大容量の折りたたみには高い通気速度が必要である。
この第二インキュベーションで起きる再折りたたみの程度は、ポリペプチドのRIA力価または、たとえばVydacまたはBaker・C−18カラムを用いるHPLC、により適宜測定でき、RIA力価の増加または正しい折りたたみのポリペプチドのピーク面積の増加は直接的に緩衝液内に存在する正しい折りたたみの生物学的に活性のポリペプチド配座体の増加量に相関する。このインキュベーションは、回収される正しい折りたたみのポリペプチド配座体の収率およびRIAまたはHPLCで測定される回収された正しい折りたたみのポリペプチド配座体の誤った折りたたみのポリペプチド配座体に対する比率を最大にし、マスバランスで測定される多重体の会合ポリペプチドの収率を最小にするように実施する。
ポリペプチドを再折りたたみさせた後の次記操作はより高い純度を得るために適当な精製操作の例示である:免疫アフィニティーまたはイオン交換カラム上の分配;エタノール沈降;逆相HPLC;親水性相互作用クロマトグラフィー;シリカまたはS−SepharoseおよびDEAEのようなイオン交換樹脂上のクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;および例えばSephadex・G−75を使用するゲル濾過。
本発明は以下の実施例を参照することによってさらに完全に理解されるであろう。この実施例は発明の例示を意図するものであって、その範囲を限定する意図はない。引用した文献および特許はすべて参考のために明示的に組入れたものである。
実施例I
A. 宿主細胞株37D6の構築
本実施例に記載した発酵において組換えヒトIGF−Iを産生するのに使用した宿主は37D6と名付けられたE.coli W3110の誘導株であった。37D6の完全な遺伝型はtonA△ ptr3 phoA△E15 △rbs7 ilvG△(argF−lac)169 ompT△ degP41kanrである。tonA△ ptr3 phoA△E15 △(argF−lac)169 ompT△ degP41kanrの遺伝型を有する37D6の親株である27C7株の誘導化は1993年6月10日公開のWO93/11240に記載されており、その開示内容は本明細書の一部を構成する。27C7株は1991年10月30日にAmerical Type Culture Collection(ATCC No.55,244)に寄託された。
37D6株は、rbs7が欠失(リボースを利用しない)し、ilvG座が回復されている以外は上記の27C7と同じである。これら2つのマーカーはP1形質導入によって導入することができる。
B. IGF−I発現プラスミドpBKIGF2Bの説明/構築
IGF−Iを発現するプラスミドであるpBKIGF−2Bにおいて、E.coli中でIGF−I遺伝子を発現させるのに必要な転写配列および翻訳配列はアルカリホスファターゼプロモーターとtrp Shine−Dalgarno配列によって提供される。lambda t0転写終了暗号はIGF−Iの終止コドンの近傍に位置している。細胞質からのこのタンパク質の分泌は1amBシグナル配列か、またはSTIIシグナル配列によって指令される。大部分のrhIGF−Iは細胞の細胞周辺腔に見いだされる。プラスミドpBKIGF−2Bは形質転換宿主にテトラサイクリン耐性を与える。
プラスミドpBKIGF−2Bは、中間体プラスミドにpLS32Tsc、pLBIGFTsc、pLS33TscおよびpRanTscを用いるいくつかの工程を経て構築された。
工程1:pLS32Tsc
分泌プラスミドpLS32TscはIGF−I遺伝子を含有する。E.coliのIGF−I遺伝子の発現に必要な転写配列と翻訳配列は、アルカリホスファターゼプロモーターとtrp Shine−Dalgarno配列によって与えられる。lambda t0転写終止シグナルはIGF−I終止コドンの近傍に位置している。細胞質からのタンパク質の分泌はlamBシグナル配列またはSTIIシグナル配列によって指令される。大部分のrhIGF−Iは細胞の細胞周辺腔に見いだされる。プラスミドpLS32Tscは形質転換宿主にテトラサイクリン耐性を与える。プラスミドpLS32Tscは、中間体プラスミドに上記WO93/11240に詳細に記載されているpLS32、pAPlamB,ppLS32lamB、pLS33lamBおよびpLS33Tscを用いるいくつかの工程を経て構築された。
工程2:pLBIGFTsc
工程a:pLamBIGF
結合の最初の部分では、pBR322からEcoR I−Pst Iベクター断片が分離された。結合の2番目の部分では、pAPLamBからPst I−Nco I 1244−bp断片が分離された。結合の3番目の部分では、最初の5'末端を除くIGF−I遺伝子を含むHae II−EcoR I 196−bp断片がプラスミドp200から分離された。p200は5'から3'の方向にケラチンプロモター、MFαIプレプロシグナル配列、成熟IGF−IをコードしているDNA、および2−micronの終止シグナルを有するpBR322由来プラスミドである。p200は、細菌のColE1の複製起点、および酵母の2−micron起点を含んでいる。p200の制限酵素プラスミドダイアグラムを図1に示す。MFαIプレプロおよびIGF−I遺伝子を含むp200のEcoR I(1149位で開始)からEcoR I(1628位で開始)までの断片のヌクレオチド配列(配列番号1)を図2に示す。図2のダイアグラム中のHae II、Pst I、BamH IおよびSal I制限部位は配列内の下線で示す。シグナル配列をIGF−I遺伝子(Nco IからHae II)に結合している合成DNA断片は次の配列を持つ様に製造した:
Figure 0003648242
3つのプラスミド断片と合成DNAを一緒に結合させ、図3に示すpLamBIGFを形成させた。
工程b:pLBIGFTsc
pLS18から最初の結合断片としてXba I−BamH Iベクター断片を単離した。第二の結合部分は上記のプラスミドpdH108−4からの412−bpのStu I−BamH I断片であった。第三の結合部分はpLamBIGFをEcoR Iで消化した後にDNAポリメラーゼKlenow断片で処理し、次いでXba Iで消化することによって製造した。これらの3つの断片を結合させ、図4に示すpLBIGFTscを得た。
工程3:pRanTsc
pLS18からのXba I−BamH Iベクター断片を最初の結合断片として単離した。第二の結合部分は上記のプラスミドpdH108−4からの412bpのStu I−BamH I断片であった。第三の結合部分はpRANTESから調製した。pRANTESは、Xba Iリンカー断片、STIIシグナル、RANTESをコードするcDNA(Schallらが、J.Immunol.,141:1018(1988)で発表)およびBamH Iリンカーをこの順番に含むpBR322を基礎とするプラスミドである。第三の断片はpRANTESをBamH Iで消化した後にDNAポリメラーゼKlenow断片で処理し、次いでXba Iで消化することによって製造した。得られた303bpの断片を単離した。これらの3つの断片を結合させ、図5に示すpRanTscを得た。
工程4:pBKIGF−2
図6に示すように、アルカリホスファターゼプロモーター、lamBシグナル配列およびIGF−Iの最初の15個のアミノ酸をコードするDNAを含むEcoR I−Pst I 540bpの断片をpLS32Tscから切り出した。IGF−Iの16〜38位のアミノ酸をコードするDNAを含むPst−Bsp1286I断片(〜70bp)をpLBIGFTscから切り出した。IGF−Iの39〜70位のアミノ酸をコードするDNA、lambda終止シグナルおよびTcプロモーターを含むBsp1286I−Hind III(〜179bp)断片をpLS33Tscから切り出した。最後に、EcoR I−Hind III〜4331bpベクター断片(pBR322由来)をpRanTscから切り出した。これら4個の断片を結合させ、APプロモーター、lamBシグナル配列、完全なIGF−Iタンパク質をコードするDNA、転写終止シグナル、Tcプロモーター、およびテトラサイクリンならびにアンピシリン耐性マーカーを含むpBKIGF−2を得た。
工程5:pBKIGF−2A
pBKIGF−2をpst IとCla Iで消化し、〜245bpの断片を単離した。この断片はIGF−Iの16〜70位のアミノ酸とlambda t0終止シグナルを含んでいる。pLBIGFTscをNco IとCla Iで消化し、ベクター断片を単離した。このベクター断片はAPプロモーター、lamBシグナルおよびTetr遺伝子を含んでいる。これら2個の断片を、Nco IからPst IまでのIGF−I DNAの5'末端が以下の合成によって得られたコドンと置き換わっている合成DNA片と結合させた:
Figure 0003648242
得られたプラスミドはpBKIGF−2Aと名付けた。このプラスミドの構造を図7に示す。
工程6:pLamBRan
本プラスミドはpLS33LamBをNco IとBamH Iで消化することによって製造し、ベクター断片を単離した。pLS33LamBは、APプロモーター、lamBシグナルおよびIGF−I遺伝子を挿入したpBR322から作られたプラスミドである。BamH IはこのプラスミドのTc部分を切断し、Nco IはIGF−I遺伝子の5'末端を切断する。第二の断片はpRANTESをBsaJ IとBamH Iで消化することによって生じ、得られる〜200bpの断片を単離する。第三の断片はRANTES遺伝子とNco IからBsaJ Iまでのシグナル配列を結合させるための合成DNA片であった。この合成DNAは以下の配列を有する:
Figure 0003648242
得られたベクターをpLamBRanと名付け、図8にその構造を示す。
工程7:pBKIGF−2B
本プラスミドの構造を図9に示す。pLamBRanをNco IとSph Iで消化し、プロモーターとシグナル配列を含むベクター断片を単離した。pBKIGF−2をDde IとSph Iで消化し、lambda転写終止シグナルとTetR遺伝子の5'末端を含む〜600bpの断片を単離した。pBKIGF−2AをNco IとBsp1286Iで消化し、IGF−Iの1〜38位のアミノ酸をコードするDNAを含む〜110bpの断片を単離した。これら3個の断片をIGF−Iの39〜70位のアミノ酸をコードする合成DNAと一緒に結合させてpBKIGF−2Bを得た。この合成リンカーは以下の配列を有する:
Figure 0003648242
Figure 0003648242
C. 発酵法および回収法
i.形質転換
標準的な形質転換技術によってコンピテントE.coli 27C7細胞をpBKIGF−2Bを用いて形質転換した。テトラサイクリン20mg/Lを含むLBプレート上で形質転換体を選別し、単離した。この培地は以下の組成を有する:バクト−ペプトン19g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/Lおよびテトラサイクリン−HCl 20mg/L。
ii.発酵接種物
10L発酵槽の接種物は、テトラサイクリンを含む滅菌LB培地約500mLを含む2L振とうフラスコに、新たに解凍した上記の1〜2mL培養バイアルを最初に接種することによって調製した。このフラスコを35〜39℃で8時間インキュベーションし、本実施例のCに記載した範囲の生産培地を入れた10L発酵槽に移した。10L発酵槽の接種物をpH7.1〜7.5、35〜39℃で6〜12時間インキュベーションした。撹拌速度は650〜1000rpmに設定し、通気速度は空気0.7〜1.5倍容/培養容量/分とした。次に、接種物を無菌的に、グルコースが底から導入される1000Lの発酵容器に移した。
接種物10Lを500mLの振とうフラスコ培養と同様に中期対数期まで増殖させた(バッチ培養)。発酵開始時にすべてのグルコースを10L発酵容器に加えた。1000L発酵のみにおいてグルコースが栄養として利用された。
iii.発酵方法
最初に1000L容器に以下の組成の発酵培地600〜800Lを加えた:
Figure 0003648242
発酵はpH7.1〜7.5、35〜39℃で24〜48時間行った。撹拌速度は200rpmに、通気速度は空気0.7〜1.5倍容/培養容量/分に設定した。培地中のホスフェートが枯渇した後にIGF−Iの生産が始まった。この方法では遠心沈澱させたときの細胞容量が約18%であり、IGF−Iが3g/L以上である発酵ブロスが得られた。なお、IGF−Iは主として細胞周辺腔に存在し、細胞外培地中には低レベルであった。
D. in−situにおける可溶化
発酵の終了時に、温度を除く全ての栄養と調節器を除去した。温度調節は37℃に維持した。吹き込みを止め、発酵槽の背圧を解除した。液体培地の容量を1200Lまで排出させ、撹拌を200rpmから150rpmに遅くした。次に、吹き込みラインと発酵槽の上部空間を、窒素ガスを用いて最初は150Lpmで1分間、次いでこの方法の残りの部分では50Lpmでフラッシュした。次に、尿素174kgを含むスラリー220Lをポンプで速やかに発酵槽中に移し、その直後にpHを10.0とするに十分な50%(w/w)水酸化ナトリウム約8Lを加えた。次に、ジチオスレイトール2.9kgを含む溶液20Lを加え、50%水酸化ナトリウムをさらに約3L加えてpHを再度10.0に調節した。このバッチを撹拌しながら60分間37℃に保った後、22℃に冷却し、水性2相抽出用の保持タンクに移した。逆相HPLC分析によって、IGF−Iの最初の力価が3.8g/Lであり、可溶化した後に、細胞からIGF−Iが定量的に放出されることが示された。
E. 水性2相液体−液体抽出
バッチ温度を22℃に維持し、タンクの上部空間を窒素でフラッシュした。容量1450Lの、この様に処理した液体培地にPEG−8000 250kgと硫酸ナトリウム90kgを加えた。バッチを約40分間撹拌した。試料を遠心し、分析することにより、相−容量比(Kv)は2.6で安定し、IGF−I分散係数(Kc)は8.5であることが示された。Westfalia SB−7分離器を用いてバッチを分け、おおよそ軽い相1300Lと重い相550Lを得た。逆相HPLCによる分析から、分離した軽い相に、処理した液体培地の最初の1450L中のIGF−Iの約88%が含まれていることが示された。軽い相を窒素下に保ち、重い相を捨てた。
F. IGF−Iの沈澱
軽い相に22℃で2Mリン酸約36Lを加え、pHを7.0に調節した。バッチをゆっくり撹拌しながら約8時間維持した(逆相HPLC分析から、この時点でIGF−Iの約96%が沈澱したことが示された)。次に、Westfalia SB−7浄化器を用いてペレットを回収した。ペレットすらリーの量は約88kgであった。
G. リホールディング(再折りたたみ)
十分な固形尿素を加えて最終濃度を2Mとし、十分なジチオスレイトールを加えて濃度を10mMとし、50%(w/w)水酸化ナトリウムでpHを10.0に調節することにより、重さ17.6kgのペレットスラリーの一部を溶解させた。次に、これを2M尿素、1M塩化ナトリウム、19%(v/v)エタノール、20mMグリシン、0.5μM銅(pH10.5)の組成を持つホールディング(折りたたみ)緩衝液700Lに加えた。次いで、ジチオスレイトールの最終濃度を1mMに調節した。ホールディングは22℃で、酸素ガスを280mL/分で吹き込んで静かに撹拌しながら行った。ホールディングの進行は逆相HPLCによってモニターした。ホールディングの開始時、中間、および終了後の典型的なHPLCクロマトグラムを図10に示す。約3時間後に酸素の吹き込みを止め、リン酸試薬約1.6Lを用いてバッチのpHを3.5に滴定することによってホールディングを終了した。逆相HPLC分析によってホールディングの収率は50%であることが示された。
実施例II
宿主の構築、プラスミドの構築および発酵は、実施例IのA−Cの記載に従って行った。in−situの可溶化は、DTTを用いる代わりに十分なL−システインを加えて液体培地を還元し、最終濃度を50mM(約8.8kg)とする以外は実施例IのDの記載に従って行った。可溶化の終了時に行った逆相HPLC分析からIGF−Iの93%が細胞から放出されたことが示された。
次に、実施例IのE〜Gに記載の操作を小規模用に変更して単離を行った。
実施例III
実施例IのA〜Dに記載の宿主、プラスミド、発酵法およびin−situ可溶化法を用いて、非天然IGF−Iを製造した。
以下の手順を用いて水性2相系を作製した:(1)相を形成する成分を目盛り付きの15mLポリスチレン培養チューブに入れ;(2)in−situ可溶化物からの全抽出物7mLを加え、内容物を混合し、その上部空間に窒素をフラッシュした;(3)この組成物をチューブの上下を入れ替えて混合しながら、室温もしくは37℃で2時間インキュベーションした。保存溶液(50%w/w PEG Mr 3350ポリマー、50%w/w PEG Mr 8000ポリマーおよび100%w/w DOWポリグリコール15−200ブランドポリマー)からポリマーを加え、また塩は乾燥化学薬品として加えた。全ての抽出物の濃度が1g/mLであると仮定して、あらかじめ決定した組成(重量/重量)となるように成分を加えた。
25℃または37℃で約1300gにて20分間遠心して相を分けた。上相のIGF−I濃度を逆相HPLC分析によって測定した。下相のIGF−I濃度は質量平衡仮定法を用いて計算した。
相形成ポリマーの濃度と種類、相形成塩の濃度と種類、相非形成塩の濃度と種類、および温度が異なる3つの実験を行った。得られた系は列挙した5つのカテゴリーの1つに属するものとして視覚的に特徴づけることができた:(1)1相系、(2)固形物が下相に沈澱している2相系、(3)いくらかの固形物が下相に浮遊している2相系、(4)固形物が上相と下相の両方に分散している2相系、および(5)固形物が上相に分散している2相系。
図11に示したプロットは、全抽出物、PEG−8000およびNa2SO4のみからなる系における組成と傾向との関係を示している。このプロットでは、「浮遊する固形物を有する2相系」は、下相に固形物が沈澱していないすべての2相系を示している。このプロットは、固形物の容量を収容するのにちょうど十分な大きさの下相中に固形物が沈澱する限界描写系(limit describing system)も示す。固形物が下相に沈澱し、下相の容量が固形物を収容するのに十分であり、相−容量比が約1より大きい最も好ましい系は、被われた領域内に含まれる。
これらの3つの実験は、表Iに示す異なる水性2相系の定量的な比較を可能にするデータも提供する。誤差を減らし、与えられた変化の影響をより明らかにするために、示したいくつかの異なる系の容量比と分配係数のデータを平均した。この分析結果はいくつかの傾向を示している。ポリマーのPEG−8KおよびPEG−4K(Mr値はそれぞれ8000および3350)は、非天然IGF−Iが同様に分配する同様の容量比を持つ系を形成する。試験した相系にNaClが含まれていても容量比には影響しないが、IGF−Iの分配係数は低下する。不揃いのポリエチレングリコールを加えると、ポリエチレングリコールコポリマーDOW Polygylcol 15−200ブランドポリマー(Mr〜2500)の容量比や分配係数は変化しない。PEG−8000およびNa2SO4系中に相を形成するクエン酸塩が含まれていると2節曲線の位置は移動するが、IGF−Iの分配には影響しない。37℃で水性2相抽出を行うと、25℃に比べて容量比と分配係数は減少する。
Figure 0003648242
実施例IV
実施例IのA−Dに記載の宿主、プラスミド、発酵法およびin−situ可溶化法を用いて非天然IGF−Iを製造した。PEG−8000を保存溶液としてよりむしろ乾燥形で加える以外は、実施例IIIの記載に従って水性2相系を調製した。上相および下液相中のIGF−I濃度は逆相HPLC分析によって測定した。分析前に下液相を0.2μmで濾過し、残っている懸濁している固形物を除去した。
水性2相系中の非天然IGF−Iの分配係数を直接測定した結果を表IIに示す。5%(w/w)Na2SO4および14%PEG−8000の条件における分配係数の大きさは9〜10である。塩濃度が1%(w/w)増加するか、またはポリマー濃度が2%(w/w)増加すると、分配係数の大きさは2倍になる。塩とポリマーの濃度が一緒に増加すると、増加は4倍となり、値は40に近くなる。この後者の組み合せは、浮遊固形物を有する2相系の形成をもたらす。
Figure 0003648242
実施例V
実施例IのA−Eに記載の発酵法、in−situ可溶化法、および水性2相抽出法を用いて非天然IGF−Iを製造した。IGF−I沈澱法については、軽い相の一部をいくつかの部分標本に分け、次いで以下の酸の1つを用いて約pH6に滴定した:2Nリン酸、2N酢酸、2N硫酸、2N塩化水素酸、2Nクエン酸、または2N硝酸。次に、この部分標本を約5000×g、15分間の短時間遠心にかけ、上清の液体をデカントした。逆相HPLC分析から、すべての例において出発時のIGF−Iの少なくとも93%がペレット中に回収されていることが示された。次に、実施例IのGに記載の方法を小規模様に変更して、ペレット中のタンパク質のホールディングを行った。
実施例VI
実施例IのA−Eに記載の発酵法、in−situ可溶化法、および水性2相抽出法を用いて非天然IGF−Iを製造した。
実施例IのEで得られた軽い相の試料をいくつかの少量の部分標本に分け、これらの部分標本に2M硫酸を加えてpH10、4.5、4.0.3.5または3.0に滴定することにより、酸沈澱を開始した。次に、これらの5つの保存物のそれぞれをさらに5つの部分標本に分け、これに最終濃度を3、4、5、6または7重量%とするのに十分な固形の硫酸ナトリウムを加えた。試料を静かに混合しながら25℃で2時間インキュベーションした。次に、約5000×gで20分間遠心して相を分離した。両方の相中のIGF−I濃度を逆相HPLCで分析した。
pH10におけるすべての硫酸ナトリウムレベルにおいて、IGF−Iの95%以上が上相中に残っていた。他のすべてのpH(4.5〜3.0)では、すべての試料においてIGF−Iの98%以上が下相中に回収された。
実施例VII
実施例IのA−Eに記載の発酵法、in−situ可溶化法、水性2相抽出法および中和沈澱法を用いて、非天然IGF−Iを製造した。
中和沈澱法によって得られたIGF−Iペレットから還元IGF−Iを含む懸濁液を調製した。この懸濁液を作製するためにIGF−Iを含む湿潤ペレット30gを、終量100mL中に20mMグリシン(pH10.5)、2M尿素および10mM DTTを含む溶液に再懸濁した。必要に応じてNaOHとHClを加え、得られた懸濁液のpHをpH10.5に調節した。この懸濁液の逆相HPLC分析から、この懸濁液が35mg/mLのIGF−Iを含有することが示された。
適当量の以下の保存溶液を加えることにより15mLポリスチレン培養チューブ中にリホールディング緩衝液を調製した:1MGリシン(pH10.5)および25μM CuCl2、9M尿素、100%エタノール、1.8M Na2SO420%(v/v)PEG−3350および20%(v/v)PEG−8000。各チューブにグリシンおよびCuCl2を含む50×緩衝液保存溶液0.1mLを加えた。終量5mLにおいて示した濃度となるように他の保存液を加えた。リホールディング緩衝液成分を含む各チューブを終量4mLとした。
あらかじめ調製したリホールディング緩衝液で還元IGF−Iの懸濁液1mLを希釈し、IGF−Iの出発濃度を7mg/mLとすることによってIGF−Iのリホールディングを開始した。チューブに蓋をし、オービタルシェーカーで水平に振とうさせた。各チューブは液体5mLと空気10mLを含んでいた。リホールディングを3時間生じさせた後に試料を回収し、20mMグリシン(pH3)と2M尿素を含む酸性化緩衝液中、10の因子によって希釈し、逆相HPLCによって分析することにより正しくホールディングされたIGF−Iの含有量を決定した。
この実施例の目的は、リホールディング中に得られた正しくホールディングされたIGF−Iの収率に対する水性相形成成分の影響を示すことである。検討した具体的な相形成成分はNa2SO4、PEG−3350、PEG−8000およびエタノールであった。試験した濃度は10〜15の因子で単離した水相を希釈することによって作製することができる濃度と一致していた。
表IIIに示す結果は、正しくホールディングされたIGF−Iの収率は相形成成分であるエタノールとNa2SO4の存在下でIGF−Iをリホールディングすることによって増加することを示している。相形成成分のPEG−3350またはPEG−8000の存在は、IGF−Iの収率に影響しなかった。
Figure 0003648242
実施例VIII
非天然IGF−Iは、実施例IのA−Gに記載の発酵法、in−situ可溶化法、水性2相抽出法および中和沈澱法を用いて製造した。
中和沈澱法によって得られたIGF−Iペレットから、還元IGF−Iを含む懸濁液を調製した。IGF−Iを含む湿潤ペレット10gを20mMグリシン(pH10.5)、2M尿素および10mM DTTを含む溶液45mLに再懸濁することにより本懸濁液を作製した。必要に応じてNaOHを加えることにより、得られた懸濁液のpHをpH10.5に調節した。pHを補正した懸濁液の逆相HPLC分析によって、この懸濁液がIGF−I 15mg/mLを含むことが示された。pHを補正した懸濁液を濃縮DTT溶液を加え、最終濃度15mMのDTTを得た。得られた還元IGF−I懸濁液はIGF−I 15mg/ml、20mMグリシン(pH10.5)、2M尿素、および15mM DTTを含んでいた。
適切な量の種々の保存溶液と乾燥化学薬品を加えることにより、リホールディング用緩衝液を15mLポリスチレンチューブに調製した。各チューブに1Mグリシン(pH10.5)と25μM CuCl2を含む50×緩衝液保存溶液0.1mLを加えた。終量5mLで示された濃度となる様に適切な量の他の化学薬品を加えた。エタノールとグリセロールは液体で加えた。尿素、NaClおよびNa2SO4は乾燥形で加えた。リホールディングをIGF−I 1または4mg/mLのいずれかで行うかによって、リホールディング緩衝液成分を含む各チューブの終量をそれぞれ4.7または3.7mLとした。
IGF−Iのリホールディングは、IGF−Iの1または4mg/mLをリホールディングするために、それぞれ還元IGF−I懸濁液0.3または1.3mLをあらかじめ調製したリホールディング緩衝液で希釈することによって開始した。チューブに蓋をし、オービタルシェーカーで水平に振とうさせた。各チューブは液体5mLと空気10mLを含んだ。リホールディングを8時間行った後に試料を回収し、酸性化し、逆相HPLCで分析することにより正しくホールディングされたIGF−Iの含有量を測定した。
リホールディング用緩衝組成物の以下の点について検討した:塩の種類と濃度(0、0.5、1.0M NaCl;または0、0.2、0.6M Na2SO4)、カオトロプ濃度(1、2、3M尿素)、溶媒濃度(0、10、20%v/vエタノール)、オスモライト(osmolyte)濃度(0、20、30%v/vグリセロール)、および初期IGF−I濃度(1、4mg/mL)。これらの要素の選択的組み合せによって得られた収率を表IVに示す。分析結果は、以下の条件でリホールディングすることにより正しくホールディングされたIGF−Iの最高収率が得られたことを示している:IGF−I 1mg/mL、20mLグリシン(pH10.5)、2M尿素、1M NaCl、20%(v/v)エタノールおよび0.5μM CuCl2(試料#0)。
本実施例に記載した実験は、正しくホールディングされたIGF−Iの収率のデータを多元統計解析できるように計画され、すべての単一因子およびすべての2つの因子の相互作用の重要性が調査された。これらの統計解析の結果を表VおよびVIに示す。これらの結果から、使用した実験条件下において以下の傾向が明らかであることがわかる:(1)低IGF−I濃度でリホールディングすることにより最高収率が得られる;(2)約1Mの濃度の塩を含むことによって特にエタノール存在下におけるリホールディング収率が向上する;(3)NaClはNa2SO4より好ましい塩である;(4)2〜3M尿素中ではそれより低濃度の尿素中でリホールディングするときより収率がよいが、エタノールの存在下ではこの差は減少する;(5)20%(v/v)エタノールの存在下では溶媒が存在しない時に比べて収率が向上する;(6)グリセロールを含むと収率が向上するが、エタノールが存在するとこの利点は減少する。
Figure 0003648242
Figure 0003648242
Figure 0003648242
実施例IX
高度に精製した正しくホールディングされたIGF−Iから還元IGF−I保存溶液を製造した。IGF−I 1mg/mL、20mMグリシン(pH10.5)、2Mクエン酸、0.1M NaClおよび2M尿素を含む溶液を栓付きバイアルに入れ、時々バイアルの頭を振りながら、その上部空間を湿潤アルゴンガスで約1時間フラッシュした。溶液を脱酸素化した後、117mM保存溶液からシリンジでDTTを加え、最終濃度を1.17mMとした。DTTを加えた後、上部空間を連続的にアルゴンでフラッシュしながら、この溶液を2時間インキュベーションした。
20mMグリシン(pH10.5)、0.1M NaClおよび2M尿素を含む通常の緩衝液保存溶液からリホールディング用溶液を調製した。この緩衝液保存液をバイアルに分配し、CuCl2、NiCl2、ZnCl2、CoCl2、MnCl2およびFeCl3を1.3mM保存溶液から別々に加えた。得られた溶液を含むバイアルに栓をし、湿潤アルゴンまたは酸素のいずれかを液体に連続的に吹き込んだ。
還元IGF−I保存溶液の部分標本をリホールディング溶液中、10の因子で急速に希釈することによりリホールディング反応を開始した。還元IGF−I保存溶液をシリンジで移してリホールディングを開始した。対照リホールディング反応(遷移金属塩を欠く)と試験リホールディング反応を同時に行い、共通のガス源を共用した。
18分間酸化した後、リホールディング反応物からシリンジで試料を回収し、試料を、少量の6N HClを含む隔膜で被われたミクロバイアルに速やかに加えた。逆相HPLCで試料を分析することによりIGF−Iのリホールディングの程度を測定した。
表VIIに示すように、CuCl2またはMnCl2のいずれかの存在下で還元IGF−Iを酸素にばく露することによって、還元IGF−Iの酸化と正しくホールディングされたIGF−Iの形成の両方が生じた。CoCl2の存在は還元IGF−Iの酸化をもたらしたが、正しくホールディングされたものが少ないIGF−Iが形成された。NiCl2とFeCl3ではいずれも、還元IGF−Iの酸化と正しくホールディングされたIGF−Iの形成がより一層少なかった。ZnCl2に対する反応は微量元素に対する反応と差がなかった。
Figure 0003648242
実施例X
実施例IXに記載の高度に精製された正しくホールディングされたIGF−Iから還元IGF−I保存溶液を調製した。
20mMグリシン(pH10.5)、0.1M NaClおよび2M尿素を含む通常の緩衝液の保存溶液からリホールディング用溶液を調製した。この緩衝液の保存液をバイアルに分配し、必要に応じてCuCl2を、あらかじめ連続希釈によって調製した1.3、0.13、0.013および0.0013mM保存溶液から別々に加えた。CuCl2を加えた後にバイアルに栓をし、この液体に湿潤アルゴンまたは酸素のいずれかを連続的に吹き込んだ。
還元IGF−I保存溶液の部分標本をリホールディング溶液中、10の因子によって急速に希釈することによりリホールディング反応を開始した。還元IGF−I保存溶液をシリンジで移してリホールディングを開始した。対照リホールディング反応(CuCl2を欠く)と試験リホールディング反応を同時に行って、共通のガス源を共用した。
あらかじめ決定した間隔でリホールディング反応物からシリンジで試料を採取し、少量の6N HClを含む隔膜で被われたミクロバイアルに速やかに加えた。この処理によって試料のpHはpH3に低下し、リホールディング反応を効果的に減衰させた。試料を回収し、リホールディング開始から以下の時間で試料を減衰させた:0、2、4、6、10、20、40、60、100および200分。逆相HPLCで時間−経過試料を分析することによって、時間によるIGF−Iのリホールディングの速度を決定した。
以下のCuCl2濃度について検討した:微量、0.013μM、0.052μM、0.13μM、0.52μM、1.3μM、5.2μM、13μM CuCl2。これらのCuCl2濃度における好気的酸化触媒反応中の正しくホールディングされたIGF−Iの発生プロットを図12に示す。
その結果、好気的酸化触媒反応時においてCuCl2が低濃度(約0.05μM〜15μM、好ましくは0.05μM〜0.5μM)の場合は、より高濃度(約15μM以上)の場合より正しくホールディングされたポリペプチドの収率が高かく、また、微量元素触媒反応よりもより急速で再現性のある酸化動態が得られた。
図12に示す結果は、アルコール溶媒または極性非プロトン性溶媒を欠く溶媒中でIGF−Iをリホールディングすることによって得られたものである。さらに実験を行うことにより、リホールディング緩衝液がアルコールを含んでいてもIGF−Iのリホールディング動態および収率のCuCl2濃度に対する依存性に影響せず、また他の遷移金属の濃度に対する依存性に影響することも期待されないことが示された。1.3μM CuCl2を含むリホールディング溶液中にEDTA(CuCl2に対するモル比は1:1)またはo−フェナントロリン(CuCl2に対するモル比は3:1)が含まれていてもCuCl2で触媒された好気的IGF−I酸化動態には影響しなかった。
実施例XI
発酵
hGHの発現と分泌のために使用する発現プラスミドphGH4Rの構築はChangらの、Gene,55:189−196(1987)に詳述されている。
E.coli 40G3株はE.coli W3110の誘導株である。40G3の完全な遺伝型はtonA△ phoA△E15 △(argF−lac)169 deoC △ompT degP41(△Pst I−kanr) ilvG2096R phn(EcoB)である。40G3株はE.coli W3110株16C9から誘導することができ、その遺伝型はtonA△ phoA△E15 △(argF−lac)169 deoCである。ompTの欠失は、purE遺伝子中に、連結したTn10挿入物とP1を共形質導入することにより導入された。本株はプリン原栄養性(プロトトロフィ)が形質導入され、トランスポゾンが除去された。degP41(△Pst−kanr)突然変異はカナマイシン耐性で選別することによって導入された。ilvGS2096R遺伝子はP1形質導入を用いてイソロイシン/バリン栄養要求株の原栄養性を回復させることによって導入された。最終的に、phn(EcoB)オペロンはE.coli phn遺伝子のP1形質導入によって宿主内に導入された。
標準形質転換技術によりphGH4Rを用いてコンピテントE.coli 40G3細胞を形質転換した。テトラマイシン20mg/Lを含むLBプレート上で、形質転換体を選別し、精製した。本培地は組成は以下の通りであった:バクト−トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/Lおよびテトラサイクリン−HCl 20mg/L。
テトラサイクリン5mg/Lを含む滅菌LB培地約500mLを入れた2L振とうフラスコに、新たに解凍した保存培養0.5mLを最初に接種することによって、10L発酵槽の接種物を調製した。フラスコを35〜39℃で8時間インキュベーションし、下記の範囲の産生用培地を入れた10L発酵槽に移した。
Figure 0003648242
培養10LをpH7.2〜7.4、35〜39℃で42〜48時間増殖させた。撹拌速度は650〜1000rpmに設定し、通気速度は培養容量当り1分間に空気を0.7〜1.5倍容とした。
培養10Lを発酵中連続的にグルコースを供給しながら増殖させた。培地中のリン酸塩が枯渇した後にhGHの生産が始まった。
ヒト成長ホルモンの可溶化と水性抽出
2Lボトルに入れた発酵ブロス1Lに尿素240g、1Mグリシン(pH10)20mL、および1Mジチオスレイトール(DTT)10mLを加えることによって、上記発酵ブロスから得たhGHを可溶化した。1N NaOHを加えて得られた混合物のpHをpH10に調節した。インキュベーション中、混合物をモーター駆動水中回転翼で連続的に撹拌し、上部空間を窒素でフラッシュした。2時間インキュベーションした後、一部を回収し、遠心して固形物を沈澱させ、上清のhGH含有量をアッセイした。逆相HPLC分析により、全hGHの31%が遠心上清中に存在することが示された。
次に、可溶化混合物にPEG−8000 308gとNa2SO4103gを加えることによってhGHを抽出した。得られた相系を連続的に撹拌しながらインキュベーションし、窒素をさらに1時間フラッシュした。相系の遠心部分標本14.5mLを分析したところ、透明な軽い相11.2mLと固形物を含む重い相3.3mLが含まれていることが示された。インキュベーションした後に相系を2本の1L遠心管に分けて遠心し、相を分けた。分かれた相をデカントして透明な軽い相1.2Lを得た。逆相HPLC分析により、この軽い相は可溶化上清中に含まれていたhGHの82%を含むことが示された。
pH4に調節することにより、分離した軽い相からhGHを沈澱させた。沈澱物の懸濁液の一部を栓をした15mLチューブに入れ、遠心して不純物を除去した。遠心した後に透明な上清を新しいチューブにデカントし、ペレットを6Mグアニジン−HCl、50mM Tris−HCl(pH9)および0.1M DTT中、2.5mLに再懸濁した。逆相HPLC分析から、再懸濁したペレットには、軽い相に最初に含まれていたhGHの92%が含まれていたが、上清には1%以下しか含まれていないことが示された。
ヒト成長ホルモンのリホールディング
非天然hGHを含む軽い相は、下記の可溶化法と水性抽出法を用いて調製された。以下の乾燥化学薬品の適切な量を加えることによって、15mLポリスチレン培養チューブ中にリホールディング用緩衝液を調製した:尿素、グアニジン−HCl、NaCl、Na2SO4、および試薬級エタノール。各チューブに1M Tris−HCl(pH8)、25μM CuCl2、または1Mグリシン(pH10)、25μM CuCl2のいずれかを含む50×緩衝液保存溶液0.1mLを加えた。他の化学薬品は終量5mLで示した濃度となるように加えた。リホールディング緩衝液成分を含む各チューブを精製水で終量4.5mLとした。
あらかじめ調製したリホールディング緩衝液中、還元hGHを含む軽い相0.5mLを希釈し、hGHの初期濃度を約0.06mg/mLとすることによってhGHのリホールディングを開始した。チューブに蓋をし、オービタルシェーカーで水平に振とうさせた。各チューブは液体5mLと空気10mLを含んでいた。12時間リホールディングさせた後に試料を回収し、50mM酢酸(pH3)および50mM NaClを含む酸性化緩衝液中、2の因子によって希釈し、逆相HPLC分析により正しくホールディングされたhGHの含有量を測定した。
この実験の目的はリホールディング中に得られた正しくホールディングされたhGHの収率に対するリホールディング用緩衝組成物の影響を示すことである。リホールディング用緩衝組成物の以下の点について観察した:塩の種類と濃度(0.2M Na2SO4、0.5M NaCl)、カオトロプの種類と濃度(0.5、4M尿素、または0.5、2Mグアニジン−HCl)、溶媒濃度(0、10%[v/v]エタノール)、および緩衝液の種類とpH(Tris−HCl pH8、グリシンpH10)。これらの要素から選んだ組み合せを用いて得られた収率を表VIIIに示す。検査の結果は、以下の条件下でリホールディングすることによって正しくホールディングされたhGHの最高収率が得られたことを示している:20mMグリシン(pH10)、0.5Mグアニジン、0.5M NaCl、10%(v/v)エタノールおよび0.5μM CuCl2(試料#5)。
Figure 0003648242
本実施例に記載の実験は、正しくホールディングされたhGHの収率データを多元統計分析するために計画し、すべての単一因子の重要性について評価した。この統計分析の結果は表IXに示す。
Figure 0003648242
上記の結果は、アルカリ発酵ブロスにカオトロプと還元剤を加えることによって、組換えhGHを可溶化し、細胞から放出させることができることを示すものである(収率は平均約30%)。可溶化剤を加える前に細胞を溶解させると、より高い収率が得られる(収率が約50%改善)。可溶化時の他の小さな相違としては、尿素よりグアニジンを用いる方が収率が高く(収率が約10%改善)、低いカオトロプ濃度より中等度のカオトロプ濃度を用いる方が収率が高い(2Mより4Mを用いることにより収率が約20%改善)ことが含まれる。
水性抽出法は、バイオマスからの非天然hGHの分離時において、バイオマスからの非天然IGF−Iの分離時と実質的に同様に機能する。認められた唯一の違いとしては、カオトロプ濃度がより高い方がわずかに好ましいことが挙げられる(2Mより4Mの尿素を用いることによって収率が約5%改善)。抽出時により高濃度のカオトロプが含まれていても、所望の非天然ポリペプチドが軽い相に豊富に含まれ、重い相にバイオマス固形物が沈澱している2相系を生じるのに必要なポリマーと塩の濃度に有意な影響はみられなかった。同様に、可溶化前に細胞を機械的に溶解させても水性抽出に対する影響はみられなかった。
総合するとこれらの違いは一般的に、より大きなタンパク質であるhGHは可溶化のためにより強く変性するカオトロピックな条件を好み、より小さなタンパク質であるIGF−Iよりも透過性化された細胞からの放出が容易でないことを示している。
結論として、hGHに関する上記の結果から、特許請求の範囲に記載の方法はIGF−Iと同様に非天然hGHの単離にも応用可能であることは明らかである。IGF−IとhGHは、それらの多くの特性にかなりの違いがみられる通り、実質的に異なるタンパク質である。具体的にはこれらのタンパク質は、アミノ酸配列、分子量、ジスルフィド結合の数とパターン、および等電点が異なっている。これらの違いがあるにも関わらず、IGF−IとhGHは、本発明の方法によってバイオマス固形物からそれらを抽出分離する際にきわめて類似した挙動を示す。
配列表
(1) 一般的情報
(i) 特許出願人:ジェネンテク,インコーポレイテッド
ビルター,スチュアート
ハート,ロジャー
レスター,フィリップ
レイフスニダー,デイビッド
(ii) 発明の名称:ポリペプチドの再折りたたみ
(iii) 配列の数:9
(iv) 連絡先:
(A) 名宛人:ジェネンテク,インコーポレイテッド
(B) 通り:ポイント・サン・ブルーノ・ブールバード460番
(C) 市:サウス・サン・フランシスコ
(D) 州:カリフォルニア
(E) 国:アメリカ合衆国
(F) ZIP:94080
(v) コンピューター解読書式
(A) 媒体型:5.25インチ、360キロバイト フロッピーディスク
(B) コンピューター:IBM PC適合
(C) オペレーティング・システム:PC−DOS/MS−DOS
(D) ソフトウエア:パテントイン(ジェネンテク)
(vi) 本出願のデータ:
(A) 出願番号:
(B) 出願日:
(C) 分類:
(vii) 優先権主張出願のデータ:
(A) 出願番号:08/110664
(B) 出願日:1993年8月20日
(viii) 弁理士/代理人情報
(A) 氏名:ハザック、ジャネット・イー
(B) 登録番号:28,616
(C) 参照/整理番号:804P1PCT
(ix) 電話連絡先情報:
(A) 電話番号:415/225−1896
(B) ファックス番号:415/952−9881
(C) テレックス:910/371−7168
(2) 配列番号1の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:485塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号1:
Figure 0003648242
(2) 配列番号2の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:30塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号2:
Figure 0003648242
(2) 配列番号3の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:22塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号3:
Figure 0003648242
(2) 配列番号4の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:51塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号4:
Figure 0003648242
(2) 配列番号5の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:43塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号5:
Figure 0003648242
(2) 配列番号6の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:18塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号6:
Figure 0003648242
(2) 配列番号7の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:18塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号7:
Figure 0003648242
(2) 配列番号8の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:67塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号8:
Figure 0003648242
(2) 配列番号9の情報:
(i) 配列の特徴
(A) 長さ:70塩基
(B) 型:核酸
(C) 鎖の数:一本鎖
(D) トポロジー:直鎖状
(xi) 配列:配列番号9:
Figure 0003648242

Claims (38)

  1. IGF−I、成長ホルモンおよびニューロトロフィンから構成される群から選択されたポリペプチド.1から15mg/mLをアルコールまたは極性非プロトン溶媒〜40%(v/v)、.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、.1から9Mのカオトロピック試薬および.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の緩衝液中に含む組成物。
  2. 溶媒の濃度が10〜30%(v/v)である請求項1の組成物。
  3. ポリペプチドの濃度が.1から6mg/mLである請求項1の組成物。
  4. アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩の濃度が.2から2Mである請求項1の組成物。
  5. カオトロピック試薬の濃度が.5から6Mである請求項1の組成物。
  6. 銅塩またはマンガン塩の濃度が.01から5μMである請求項1の組成物。
  7. 銅塩またはマンガン塩の濃度が.01から0.5μMである請求項1の組成物。
  8. 溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリセリン、アセトニトリルまたはプロピレングリコールである請求項1の組成物。
  9. カオトロピック試薬が尿素である請求項1の組成物。
  10. アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が.5から2Mのナトリム、カリウム、またはアンモニウム塩であるか、または.2から1Mのマグネシウム塩である請求項1の組成物。
  11. 溶媒がエタノールであり、アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が塩化物または硫酸塩であり、ポリペプチドの濃度が.2から5mg/mLの範囲にある請求項10の組成物。
  12. アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が塩化ナトリウムであり、緩衝液のpHがから11までの範囲にある請求項11の組成物。
  13. ポリペプチドがIGF−Iまたは成長ホルモンである請求項1の組成物。
  14. 銅塩またはマンガン塩が塩化物または硫酸塩である請求項1の組成物。
  15. 銅塩が塩化銅である請求項14の組成物。
  16. 銅塩が.5μMの濃度で存在する請求項14の組成物。
  17. 緩衝液がオスモライトおよび還元剤も含有する請求項1の組成物。
  18. 緩衝液がグリシン、CAPSまたはCAPSOである請求項17の組成物。
  19. 還元剤が濃度〜5mMのシステインまたはジチオスレイトールである請求項17の組成物。
  20. 緩衝液が濃度20mMのグリシンまたはCAPSOであり、還元剤がmMのジチオスレイトールであり、銅塩が塩化銅であり、カオトロピック試薬がから3Mの尿素であり、緩衝液がpH.5から11の値を持つ請求項19の組成物。
  21. 尿素がMの濃度である請求項20の組成物。
  22. 再折りたたみ段階の間、アルコールまたは極性非プロトン溶媒〜40%(v/v)、.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、.1から9Mのカオトロピック試薬、および.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の緩衝液中にポリペプチドを.1から15mg/mLの濃度で存在させるものである、宿主細胞に含有されるIGF−I、成長ホルモンおよびニューロトロフィンから構成される群から選択されたポリペプチドの、誤った折りたたみを正しい折りたたみに折りたたみ直す収率を向上させる方法。
  23. 宿主細胞が原核生物である請求項22の方法。
  24. アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が.5から2Mのナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩であるか、または.2から1Mのマグネシウム塩である請求項22の方法。
  25. 緩衝液がさらに還元剤およびオスモライトを含有する請求項22の方法。
  26. 銅塩が塩化銅である請求項22の方法。
  27. 緩衝液がpHから11のCAPSOまたはグリシンであり、カオトロピック試薬がから3Mの尿素であり、塩が塩化ナトリウムであり、溶媒が20%(v/v)濃度のエタノールまたはイソプロパノールであり、ポリペプチドがIGF−Iであり、還元剤がジチオスレイトールまたはシステインであり、オスモライトがショ糖またはグリセリンである請求項26の方法。
  28. 宿主細胞内に含有されている誤った折りたたみのIGF−Iを再活性化する方法であって、
    (イ)宿主細胞から該IGF−Iを分離すること、
    (ロ)溶解に充分な濃度のカオトロピック試薬および還元剤を含むアルカリ性緩衝液中に該IGF−Iを維持すること、および
    (ハ)アルコールまたは極性非プロトン溶媒〜40%(v/v)、.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、.1から9Mのカオトロピック試薬、および.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の折りたたみ用緩衝液中で溶解した該IGF−Iを.1から15mg/mLの濃度でIGF−Iの再折りたたみが起きるように酸素源を導入しつつインキュベーションすること
    を含む方法。
  29. IGF−Iが原核生物から分離されたものである請求項28の方法。
  30. IGF−Iが宿主細胞の周辺細胞質から分離されたものである請求項29の方法。
  31. IGF−Iが折りたたみ用緩衝液中に濃度.1〜5mg/mLで存在する請求項28の方法。
  32. 折りたたみ用緩衝液がさらに還元剤を含有する請求項28の方法。
  33. 工程(ハ)で、カオトロピック試薬が濃度から3Mの尿素であり、還元剤が濃度から5Mのジチオスレイトールまたはシステインであり、pHがから11である請求項32の方法。
  34. 工程(ハ)で、カオトロピック試薬が濃度.1から0.5Mの塩酸グアニジンであり、還元剤が濃度から5Mのジチオスレイトールまたはシステインであり、pHがから11である請求項32の方法。
  35. 溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリセリン、アセトニトリルまたはプロピレングリコールである請求項28の方法。
  36. 溶媒がエタノールまたはイソプロパノールであり、濃度が20%(v/v)である請求項28の方法。
  37. アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩がNaCl、Na2SO4、MgCl2、MgSO4、NH4Cl、または(NH42SO4であり、銅またはマンガン塩が塩化物または硫酸塩である請求項28の方法。
  38. 折りたたみ用緩衝液がpH10〜11で、20mM濃度のグリシンであって、20%のエタノール、MのNaCl、mMのジチオスレイトール、Mの尿素、および.01〜0.5mMの塩化銅を含む請求項28の方法。
JP50762695A 1993-08-20 1994-08-15 組み換えインスリン様成長因子igf−i様ポリペプチドの再折りたたみ Expired - Lifetime JP3648242B2 (ja)

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US08/110,664 US5663304A (en) 1993-08-20 1993-08-20 Refolding of misfolded insulin-like growth factor-I
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