JP2502563B2 - フロントパネルの外観仕上げ方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、カセットデッキ，アンプ等の音響機器にお
いて、フロントパネルが多数の別部材によって構成され
ている場合に使用するフロントパネルの外観仕上げ方法
に関するものである 従来の技術 近年、カセットデッキ，アンプ等の音響機器におい
て、フロントパネルには製品を特徴づける外観仕上げが
施こされている。しかし、従来のフロントパネルは外観
品質やコストアップ等の問題があった。以下従来例につ
いて説明する。

第４図は従来のカセットデッキのフロントパネルを示
すもので、２はフロントパネルであり、外観仕上げ工程
は、生地フロントパネルを形成する第１工程と塗装及び
印刷を行う第２工程により構成されている。ここで、フ
ロントパネル２の2a部はカセットテープ装着及びメカニ
ズム取付部で、これはカセットデッキのフロントパネル
の主機能部分でる。2bはカセットデッキの付属機能を構
成する部分である。しかし、上記のフロントパネル構成
では、外観仕上げ工程は２工程と少ないにもかかわら
ず、フロントパネルの主機能部分2aを現状の形状で利用
し付加機能部分2bを機能的及びデザイン的に変えて新製
品に展開するためには、フロントパネル２全体を新たに
作成しなければならないため、金型作成費用が高額にな
りコストアップとなる問題点があった。

第５図は、上記問題点の改善を図るために考え出され
たフロントパネル構成を示すものである。3aはフロント
パネルの主機能部分を構成するメインパネルで、3bは付
属機能部分を構成するサブパネルである。外観仕上げ工
程は、生地メインパネルと生地サブパネルを別体で成形
する第１工程と、生地メインパネルと生地サブパネルに
それぞれ別々に同色の塗装及び印刷を行う第２工程と、
メインパネル3aにサブパネル3bを装着しフロントパネル
を形成する第３工程により構成されている。

発明が解決しようとする問題点 第６図は、第５図のメインパネル3aとサブパネル3bの
結合部の断面形状を示すものであり、メインパネル3aと
サブパネル3bとは外観部が同一平面で構成されているた
め、メインパネルにサブパネルを装着した状態で塗装及
び印刷を行うと、隙間ｃのバラツキにより塗装や印刷の
ひび割れ等を発生するため、メインパネル3aとサブパネ
ル3bと別々に塗装及び印刷を行なわなければならなくコ
ストアップとなる問題点と、メインパネル3aとサブパネ
ル3bとで塗装及び印刷の色調が微妙に異なり、製比状態
において外観品質上の問題点があった。

本発明は上記問題点を解決したフロントパネルの外観
仕上げ方法を提供することを目的とするものである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明のフロントパネル
の外観仕上げ方法は、フロントパネルの外観を構成する
生地メインパネルとそれに着脱可能な外観の一部分を構
成する生地サブパネルとを別体で、かつ両パネルを結合
時に結合部に溝が形成されるような形状に生地メインパ
ネルおよび生地サブパネルのおのおのを成形する第１の
工程と、前記生地メインパネルに前記生地サブパネルを
装着し生地フロントパネルを形成する第２の工程と、前
記生地フロントパネルに前記結合部の溝を挟んで前記生
地メインパネルと前記生地サブパネルとの両パネルにわ
たって同時に塗装または印刷を行う第３の工程とを有す
るものである。

作 用 本発明は上記構成によって、第１の工程で別体に成形
した生地メインパネルと生地サブパネルとを第２の工程
で結合部の溝を挟んで一体に形成したのち、第３の工程
で生地フロントパネルに結合部の溝を挟んで生地メイン
パネルと生地サブパネルとの両パネルにわたって同時に
塗装または印刷等を行うことにより、機種変更の場合に
も生地メインパネルをそのまま使用し、生地サブパネル
だけを新たに作ればよく金型投資が少なくて済み、かつ
塗装工程を削減できることによりコストダウンができ、
また複数のパネルを同時に塗装、印刷することにより色
調合わせが容易で、かつ塗装または印刷のひび割れを結
合部の溝で吸収することができ、また溝を境に色分けす
ることもでき、外観品質を向上させることができる。

実施例 以下本発明の一実施例のフロントパネルの外観仕上げ
方法について説明する。

第１図はカセットデッキのフロントパネルの外観仕上
げ工程を示すものである。第１図において、1aはフロン
トパネルの主機能部分を構成するメインパネルで、1bは
付属機能部分を構成するサブパネルである。第１工程
は、生地メインパネルと生地サブパネルを形成する工程
で、第２工程は、生地メインパネルに生地サブパネルを
装着しフロントパネルを構成する工程で、第３工程は、
上記フロントパネルに塗装及び印刷の外観仕上げを行う
工程である。第２図はメインパネルとサブパネルのドッ
キング工程を示すものである。第３図の（ａ）図はドッ
キング後の状態を示すもので、メインパネルとサブパネ
ルの結合部に溝1cが形成され、塗装及び印刷の割れをこ
の溝で吸収させることができる。（ｂ）図は、メインパ
ネル1aとサブパネル1bの結合部の断面形状を示すもので
ある。

発明の効果 以上のように本発明は、フロントパネルの外観部を主
要部分であるメインパネルと、それに着脱可能なサブパ
ネルとに分割しかつ結合部に溝が設けられる構成による
ことにより外観仕上げ工程において、塗装及び印刷を生
地メインパネルに生地サブパネルをあらかじめ結合させ
た状態で行え、メインパネルとサブパネルとの塗装や印
刷の色調を同じにすることが可能で、かつ塗装または印
刷のひび割れを係合部の溝で吸収することができ、外観
品質を向上させることができる。また、サブパネルの形
状を変えることにより、新製品への展開を低コストで実
現することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例におけるフロントパネルの外観
仕上げ方法の工程を示す流れ図、第２図は本発明の実施
例のメインパネルとサブパネルのドッキング工程を示す
斜視図、第３図（ａ）は第２図のドッキング状態を示す
斜視図で同図（ｂ）はメインパネルとサブパネルの断面
図、第４図（ａ），（ｂ）は従来のフロントパネルの外
観仕上げ工程を示す流れ図及び斜視図、第５図（ａ），
（ｂ）は同他の従来例の流れ図及び斜視図、第６図は第
５図のメインパネルとサブパネルの断面図である。 1a……メインパネル、1b……サブパネル。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フロントパネルの外観を構成する生地メイ
   ンパネルとそれに着脱可能な外観の一部分を構成する生
   地サブパネルとを別体で、かつ両パネルを結合時に結合
   部に溝が形成されるような形状に生地メインパネルおよ
   び生地サブパネルのおのおのを成形する第１の工程と、 前記生地メインパネルに前記生地サブパネルを装着し生
   地フロントパネルを形成する第２の工程と、 前記生地フロントパネルに前記結合部の溝を挟んで前記
   生地メインパネルと前記生地サブパネルとの両パネルに
   わたって同時に塗装または印刷を行う第３の工程とを有
   するフロントパネルの外観仕上げ方法。