JP4239131B2 - 分子の精製 - Google Patents

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Description

【0001】
発明の背景
(発明の分野)
本発明は、ペプチド、ポリペプチド、及び有機分子などの分子を、それらに付随する変異体、不純物、及び汚染物質から精製するための改善された方法に関する。
【0002】
(関連技術の説明)
比較的純粋な生物学的に活性な分子の大量生産は、ヒト及び動物の製薬処方、酵素、及び他の専門化学薬品の製造のために経済的に重要である。多くのポリペプチド及びタンパク質の製造のために、組み換えDNA技術は選ばれる方法となっているが、これは、大量の外来タンパク質を細菌及び他の宿主細胞で発現できるからである。生体触媒として機能する細胞又は細胞部分の製造のための組み換えDNA技術によるタンパク質の発現もまた重要な用途である。
【0003】
組み換えタンパク質の製造は、タンパク質をコードするDNAでの宿主細胞の形質転換及び組み換えタンパク質の発現に適した条件下での細胞の成長を含む。原核生物である大腸菌は、高い収率で組み換えタンパク質を産生させることができるので宿主細胞として適している。タンパク質をコードするDNAの一般的な細菌発現に関する多数の米国特許が存在し、細胞外又は細胞質担体タンパク質に関する細菌遺伝子及び非細菌遺伝子を含む組み換えDNA分子に関する米国特許第4,565,785号;凝集体形成ポリペプチドを持つ外来ポリペプチドの共生成についての米国特許第4,673,641号;trpプロモータ/オペレータ及びtrpLEを持つ発現ベクターととポリペプチドとの融合体についての米国特許第4,738,921号、外来タンパク質を含有するための制御配列の発現についての米国特許第4,795,706号;及び、特異的環状DNAプラスミドについての米国特許第4,710,473号を含む。
【0004】
遺伝的に加工された生物薬剤は、典型的には多種多様な宿主細胞の種々の汚染物を含有する上清から精製される。逆相高速液体クロマトグラフィ(RP−HPLC)は、密接に関連したタンパク質不純物を有効に分離できるので、タンパク質精製に通常使用されている。RP−HPLCを利用する方法は、多くの分子について出版されている。Bidlingmeyer, ed., Preparative Liquid Chromatography (Elsevier, Amsterdam, 1987); Lee等, Preparative HPLC. 8th Biotechnology Symposium, Pt. 1, 593-610 (1988)。インシュリン及びプロインシュリンのC18固定相への不可逆的結合が最近報告され(Linde及びWelinder, J. Chromatogr., 536 43 (1991))、生成物回収を最大にするためにはC4アルキル鎖置換が好ましい。Nice等, J. Chromatogr., 218: 569 (1981)。
【0005】
アセトニトリル、エタノール、メタノール、及びイソプロパノールは、逆相クロマトグラフィの溶離剤としてしばしば用いられ、アセトニトリルは、高分解能の分離を生ずるので、この目的のための最も通常の溶離剤である。アセトニトリルは、インシュリンなどの組み換えタンパク質の精製のために大量に用いられる。Kroeff等, J. Chromatography, 461: 45-61 (1989)。しかしながら、アセトニトリル及び他の通常の溶媒は引火性という付随的な困難さを持ち、アセトニトリルは変性効果を有する。
【0006】
組み換えヒトインシュリン様成長因子−I(rhIGF−I)は、8.4のPI(RinderknechtおよびHumbel, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 73: 2365 (1976); Rinderknecht及びHumbe, 253: 2769-2776(1978))及び7649ダルトンの分子量と3つのジスルフィド結合を有する70アミノ酸のタンパク質である。Raschdorf等, Biomedical and Environmental Mass Spectrometry, 16: 3-8 (1988)。
【0007】
IGF−Iは、RP−HPLCによってヒト血清から(Cornell等, Preparative Biochemistry, 14: 123-138 (1984); Petrides等, Endocrinology, 188: 2034-2038 (1986))及び細菌発酵で製造された組み換え物質から精製されていた。Olson等, J. Chromatography, A675: 101-112 (1994) 。また、RP−HPLCを用いたIGF−Iの精製に関する米国特許第5,446,024号、並びにSvoboda等, Biochemistry, 19: 790 (1980); Cornel及びBrady, J. Chromatogr., 421: 61 (1987); 及び Francis等, Endocrinology, 124: 1173 (1989)も参照。
【0008】
RP−HPLCは、met59O変異体(59位におけるメチオニンスルホキシド、HartmanisおよびEngstrom, Techniques in Protein Chemistry, 327-333 (1989)によって同定)、desGlydesGlyPro変異体(N末端グリシンおよびプロリン無し)、カルバミル化変異体(Qin等, J. Biological Chemistry, 267: 26128-26133 (1992)のカルバミル化の化学)、およびIGF−I凝集体を含む幾つかのIGF−I変異形態を分離することができる。IGF−IのHPLC精製の間に、変異体は、met59O変異体の2%未満という要件を含む従前のレベルまで除去されねばならない。純度は、Canova-Davis等, Biochem. J., 285: 207-213 (1992)によって特徴付けされたアッセイに類似する、VYDACTMHPLCアッセイによって決定される。各変異体の量は、バッチ毎に変化させることができる。
【0009】
上掲のOlson等は、IGF−IからpH7.0での100mMリン酸カリウムのバッファーで、アセトニトリルでの溶離によりmet59O変異体を最大分離するためのパラメータを設定した。HPLC精製過程についての典型的なバッチサイズは12kgのIGF−Iである。アセトニトリル過程が60cm径カラムに直接スケールされる(scaled)場合、バッチを処理するのに、13時間の全プロセス時間について5サイクルを必要とするであろう。精製したプールにおけるIGF−Iの質量を添加したIGF−I質量(VYDACTMアッセイで決定した質量)で除することにより計算したアセトニトリル過程の平均回収収率は、約80%であり、スループットは約0.3ghr−1cm−2である。
【0010】
この分野では、アセトニトリル、エタノール、メタノール、およびイソプロパノール等の逆相クロマトグラフィ用の溶離剤としてしばしば用いられている引火性溶媒より毒性が低く、高価でなく、変性させず、そして引火性の低い溶媒を用いて、ペプチド、ポリペプチド、および非ペプチド化合物を他の分子から選択的に精製するための効率的な逆相液体クロマトグラフィのプロトコールの必要性が存在する。特に、IGF−Iを発酵ブロス中の疎水性ポリペプチドから分離する必要があり、特に、典型的には最終工程プールが、分離するのが困難なIGF−Iの幾つかの変異種を含有しているからである。この必要性は、方法が、アセトニトリル等の引火性溶媒によって溶離が行われる液体クロマトグラフィの収率、純度、スループット、及び操作条件をできるだけ多く再現するときに満足される。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、一態様において、ペプチド、ポリペプチド及び生物学的に活性な非ペプチド化合物からなる群から選択される分子の精製方法であって、当該分子を含有する混合物を逆相液体クロマトグラフィカラムに添加し、へキシレングリコールを含むバッファーでその分子をカラムから溶離することを含んでなる方法を提供する。
【0012】
エタノール、メタノール、イソプロパノール、及び、特にアセトニトリルは、逆相液体クロマトグラフィを用いて良好なタンパク質分離を与えることが多いが、それらは引火性溶媒であり(アセトニトリルは約15℃の引火点を持ち)、それらを大量に用いることは高価な非引火性の可能な装置及び設備を必要とする。さらに、アセトニトリルは幾分変性性であり環境に毒性である。ここの方法は、引火性溶離剤ではなく、非引火性の溶離剤であるへキシレングリコールを用いた逆相液体クロマトグラフィにより分子を精製するために開発された。へキシレングリコールは、約93℃の引火点を持ち、アセトニトリルと実質的に同じ収率、純度、及びスループットを与え、変性効果が低い。従って、へキシレングリコールは、例えば、逆相液体クロマトグラフィカラムから溶離されるときに変性される傾向がある全長抗体及び幾つかのグロコシル化タンパク質のための溶離剤として有利である。さらに、へキシレングリコールは、アセトニトリルといったある種の引火性溶媒より環境への毒性が低く、USP等級で大量に利用可能である。また、へキシレングリコールは、アセトニトリルより試料置換のために良好な溶離剤であることがわかった。
【0013】
多くの非引火性溶媒が試験され、へキシレングリコール以外の全てが、以下の問題点の1つ又はそれ以上を有していることがわかった:水性溶液に不溶であること、カラムには粘性が大きすぎること、溶離剤として弱すぎること(エルオトロピック(eluotropic)でないこと)、対象とする分子が吸収する場合に吸収が高すぎること、及び/又は外因性過酸化活性を有すること。これに対して、へキシレングリコールは、水溶液中に可溶で、対象とする分子のスペクトルを妨害せず、高粘度を持たず、なおかつエルオトロピックである。
【0014】
(好ましい実施態様の詳細な説明)
A.定義
ここで用いられる「分子」は、ペプチド、ポリペプチド、又は薬理学的に活性な非ペプチド化合物を意味する。ここで用いられる「ペプチド」は、互いに結合した約30アミノ酸までの分子を意味し、L−異性体型の天然起源のアミノ酸を持つもの、D−異性体型の非天然アミノ酸を持つもの、並びにそれらの誘導体又は類似物を含む。α−アミノ酸類似物は、米国特許第5,493,007号に定義かつ記載されたものを含む。ここで、ペプチドは、環状及び/又は環外の部分を持つもの、及び上記米国特許第5,493,007号に定義されたペプチド結合及びアミド結合を持つものを含む。
【0015】
ここで用いられる「薬理学的に活性な非ペプチド化合物」は、ペプチド、ポリペプチド、又はタンパク質ではなく、生物、好ましくは哺乳動物の組織又は細胞にインビトロ又はインビボの効果を発揮する及び/又は抗原的機能を有する。この化合物は、身体に見られる天然又は天然起源のタンパク質又はレセプターの生物学的及び/又は免疫的活性を模倣してもよい。このような効果は、例えば、分裂促進、肥大、変力、抗不整脈、成長阻害、及び神経栄養といった生物学的効果、並びに、天然コンホメーションにあるタンパク質などの周知の活性分子に結合できる抗体に少なくとも約10L/モルの親和性で結合できる能力を含む。これらの化合物は、合成有機又は無機化合物を含み、一般的には約200〜600ダルトンの分子量を有する。好ましくは、化合物は少なくとも1つの炭素、酸素、及び水素原子からなる有機分子である。より好ましくは、このような化合物はプロドラッグ又はプロドラッグから加水分解又は酵素的切断によって放出されるプロドラッグの一部である。プロドラッグの例は、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、アミド、イミド、又はカルボキシ基といった切断可能な基を有するエステル、アミン、イミン、アミド、及びイミドなどの化合物を含む。
【0016】
ここで用いられる「ポリペプチド」又は「対象とするポリペプチド」は、一般的には約30より多いアミノ酸を持つペプチド及びタンパク質を意味する。好ましくは、ポリペプチドは「外因性」であり、それらが「異種」、即ちCHO細胞で生成されたヒトタンパク質、又は哺乳動物細胞で生成れた酵母ポリペプチド、又はヒト株化細胞から生成されたヒトポリペプチドであって、その細胞が当該ポリペプチドの天然源ではないもの等の利用される宿主細胞には外来であることを意味する。
【0017】
ポリペプチドの例は、例えば、レニン、ヒト成長ホルモン;ウシ成長ホルモン;成長ホルモン放出因子を含む成長ホルモン;副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;リポタンパク;1−アンチトリプシン;インシュリンA−鎖;インシュリンB−鎖;プロインシュリン;トロンボポエチン(TPO);卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;黄体形成ホルモン;グルカゴン;因子VIIIC、因子IX、組織因子、及びvonWillebrands因子等の凝固因子;プロテインC等の抗凝固因子;心房性ナトリウム利尿因子;肺界面活性剤;ウロキナーゼ又はヒト尿又は組織型プラスミノーゲン活性化剤(t−PA)等のプラスミノーゲン活性化剤;ボンベシン;トロンビン;造血性成長因子;腫瘍壊死因子−アルファ及びベータ;エンケファリナーゼ;ヒト血清アルブミン等の血清アルブミン;ミューラー阻害物質;リラキシンA−鎖;リラキシンB−鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;ベータ−ラクタマーゼ等の微生物タンパク質;DNA分解酵素;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子(VEGF);ホルモン又は成長因子のレセプター;インテグリン;プロテインA又はD;リウマチ因子;脳誘導神経向性因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5又は−6(NT−3、NT−4、NT−5、又はNT−6)、又はNGF−ベータ等の神経成長因子などの神経向性因子;カルジオトロフィンー1(CT−1)等のカルジオトロフィン(心臓肥大因子);血小板誘導成長因子(PDGF);aFGF及びbFGF等の繊維芽成長因子;表皮成長因子(EGF);TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、又はTGF−β5、並びに未だ述べていないTGF−βファミリーのメンバー、例えば、グリア細胞誘導成長因子(GDNF)、ニューチュリン(neurturin)、レフティ(Lefty)、及び子宮内膜出血因子などを含むTGF−アルファ及びTGF−ベータ等のトランスホーミング増殖因子(TGF);スムーセンド(Smoothened)、インシュリン様成長因子−I及び−II(IGF−I及びIGF−II);des(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インシュリン様成長因子結合タンパク質;CD−3、CD−4、CD−8、及びCD−19等のCDタンパク質;エリスロポエチン;骨誘導因子;免疫毒素;骨形成タンパク質;インターフェロン−アルファ、−ベータ、及び−ガンマ等のインターフェロン;コロニー刺激因子(CSF)、例えば、M−CSF、GM−SCF、及びG−CSF;インターロイキン(IL)、例えば、IL−1からIL−10;抗−HER−2抗体;スーパーオキシドジスムターゼ;T細胞レセプター;表面膜タンパク質;崩壊促進因子;ウイルス性抗原、例えばAIDSエンベロープの一部等;輸送タンパク質;ホーミングレセプター;アドレシン(addressin);調節タンパク質;抗体;及び上に列挙した任意のポリペプチドの断片を含む。
【0018】
好ましい外因性の対象とするポリペプチドは哺乳動物ポリペプチド、最も好ましいのはヒトポリペプチドである。このような哺乳動物ポリペプチドの例は、TPO、結合タンパク質、成長ホルモン等のホルモン、t−PA、gp120、抗−HER−2、DNA分解酵素、IGF−I、IGF−II、及び脳IGF−I等の成長因子、リラキシン鎖、成長ホルモン放出因子、インシュリン鎖又はプロインシュリン、ウロキナーゼ、免疫毒素、ニューロトロフィン、抗体、及び抗原を含む。
【0019】
ここで最も好ましい分子(ペプチド、ポリペプチド、及び化合物)は、成長因子、インシュリン、TPO、成長ホルモン、ヒドロコルチゾン、又はプロゲステロン等のホルモン、リゾチーム又はオボアルブミン等の鶏卵タンパク質、サブスタンスP又はブラジキニン等の5−25個のアミノ酸残基のペプチド、上記の抗−DC11、抗−HER−2、抗−VEGF、抗−CD18、Fab、又はF(ab')等の抗体及び抗原断片、及びIGFBP、例えば、IGFBP−3、より好ましくはインシュリン様成長因子、最も好ましくはIGF−I等のホルモン又は成長因子に結合するタンパク質である。
【0020】
ここで用いられる「IGF−I」は、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、トリ、及び好ましくはヒトを含む任意の種からのインシュリン様成長因子を意味し、天然配列又は変異体であり、天然、合成、又は組み換え生産の任意の供給源からのものである。好ましくは、UGF−Iは組み換え生産されたものである。好ましい方法において、IGF−Iは、例えば1984年12月19日に発行されたEP128,733に記載されている方法によりクローニングされ、そのDNAが発現される。ヒト使用に好ましいのは、ヒト天然配列、成熟IGF−I、より好ましいのは、例えば、1987年8月5日に発行されたEP230,869;1984年12月19日に発行されたEP128,733;又は1988年10月26日に発行されたEP288,451に記載された方法により調製されるN−末端メチオニンの無いものである。より好ましくは、この天然配列IGF−Iは組み換えで生産され、臨床的研究のためにジェネンテク,インク.,サウス サン フランスシコ,CAから入手できる。
【0021】
好ましいIGF−I変異体は、1991年12月31日発行の米国特許第5,077,276号、1987年2月26日発行のPCT WO 87/01038、及び1989年6月29日発行のPCT WO 89/05822に記載されたもの、即ち、少なくとも成熟分子のN末端から3位におけるグルタミン酸残基を欠くもの、N末端において5アミノ酸までの欠失を有するものある。最も好ましい変異体は、N末端から最初の3つのアミノ酸を欠失している(脳IGF、tIGF−I、des(1−3)−IGF−I、又はdes−IGF−Iと様々に呼ばれる)。
【0022】
ここで用いられる「バッファー」は、その酸−塩基結合成分の作用によりpH変化に抗する緩衝溶液を意味する。バッファーは、トリフルオロ酢酸、塩酸、リン酸、又は酢酸等のイオン対試薬であっても、含んでいてもよい。本発明の液体クロマトグラフィー態様のためのバッファーは、好ましくは約2.5から8の範囲のpHである。この一般的な範囲にpHを調節するバッファーは、例えば、酢酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、リン酸塩、MES、ADA、BIS−TRISプロパン、PIPES、ACES、イミダゾール、ジエチルマロン酸、MOPS、TES、TRIS−HCl等のTRISバッファー、HEPES、HEPPS、TRICINE、グリシンアミド、BICINE、グリシルグリシン、及びホウ酸塩バッファーを含む。
【0023】
ここで用いられる成句「リン酸塩」は、好ましくはアルカリ土類又はアルカリ金属元素からのカチオン又はアンモニウムカチオン、及びリン酸アニオンを有する塩を意味する。このような塩の例は、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、リン酸マグネシウム、及びリン酸カリウムを含む。ここで最も好ましい塩はリン酸ナトリウム及びカリウムである。
【0024】
ここで用いられる「非引火性」溶媒又はグリコールは、任意の型の溶媒又はグリコール、例えば、1から10の炭素原子を持つものであって、一般的に約60−100℃の引火点を有するものを意味する。これは、好ましくは、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及びポリエチレングリコールを除外する。非引火性溶媒の例は、へキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、イソブチレングリコール、イソペンチレングリコール、ネオペンチレングリコール、オクチレングリコール、ジエチレングリコール、3−ヒドロキシルプロピオニトリルなどを含む。全ての分離について最も好ましいのは、へキシレングリコールであり、へキシレングリコールは、ここに特許請求する逆相液体クロマトグラフィー段階のために利用可能である。
【0025】
B.発明の実施の形態
ここで、方法の第1段階は、分子を含有する混合物を逆相液体クロマトグラフィーカラムに負荷することにより、当該混合物から分子を精製することを含む。カラムは低圧(上記の酸C4カラムなど)又は高圧(HPLC)でよく、後者には約20μm未満の粒子径を持つ媒体を詰める。好ましくは、カラムには、約5−40μm、より好ましくは約10−40μm、最も好ましくは約10−15μmの粒子径を持つ媒体を詰める。従って、カラムは、好ましくはHPLCカラム、特にそれを必要とするペプチド精製用である。好ましくは、カラムは約100−4000オングストローム、より好ましくは150−300オングストロームの孔径を有する。カラム長は、好ましくは10−50cm、より好ましくは約25−35cmである。
【0026】
カラムの媒体は、任意の適した材料でよく、ポリマーベースの媒体、シリカベースの媒体、又はメタクリレート媒体を含む。好ましくは、媒体はシリカ、より好ましくは、KROMASILTM C4、C6、C12、又はC18等のC4−C18アルキル基を持つシリカである。
【0027】
カラムは、分析用又は調製用カラムでよい。カラムに負荷される分子の量は、一般的には約0.01から40g分子/リットル総容積、好ましくは約0.02から30g分子/リットル総容積、より好ましくは約1から25g分子/リットル総容積、最も好ましくは約3から25g分子/リットル総容積である。好ましくは、カラムは調製用カラムであり、調製用スケール及び/又は調製用負荷を意味する。調製用スケールのカラムは、少なくとも1cm、好ましくは少なくとも6cmから約15cm、60cm、又はより高いものまでの径を有する。調製用負荷カラムは、少なくとも約0.1g分子/リットル総容積、好ましくは少なくとも約1g分子/リットル総容積の負荷を有する。
【0028】
負荷溶媒は任意の溶媒でよいが、好ましくは、特に大規模精製を実施する場合は、へキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコール、又はポリプロピレングリコール等の非引火性の溶媒とする。より好ましくは、溶媒は、例えば溶媒の型に応じて、溶液の約5から20%(v/v)、より好ましくは10から20%(v/v)である。濃度が高すぎると、分子がカラムを通り抜けてしまう。
【0029】
流速は、一般的には約50−400cm/時間、又は4−20カラム容量(CV)/時間であり、クロマトグラフィーが酸性か中性かによる。勾配傾きは、好ましくは0.1−0.7%(w/w)へキシレングリコール/CVである。
【0030】
ここでの方法の第2段階では、分子がヘキシレングリコールを含有するバッファーでカラムから溶離される。好ましくは、バッファーは約2.5から8のpHであり、酸性クロマトグラフィーを提供するためには約2.5から5、又はより中性のクロマトグラフィーを提供するためには約6から7.5である。好ましくは、バッファーは、リン酸塩、酢酸塩、及び/又はクエン酸塩バッファーであるが、pHを精製に望まれる範囲に維持するならば他のバッファーを用いてもよい。バッファーがリン酸バッファー以外であるとき、バッファーを形成する塩、好ましくは塩化ナトリウム又は塩化カリウムからの異なる塩を、約10mMからその塩の溶解限界までの量でバッファーに添加してもよい。
【0031】
バッファーがリン酸バッファーである場合、好ましくはリン酸塩は約10mMからその塩の溶解限界までの濃度である。より好ましくは、適当なバッファー中のリン酸塩の濃度は、約10−200mM、より好ましくは約15−150mMである。最も好ましくは、バッファーは約100mMのリン酸ナトリウム又はカリウムであり、pHは約6−7.5に調節される。
【0032】
溶離に用いられるヘキシレングリコールの量は、例えば、精製される分子の型及び使用するカラムの型に応じて変わる。即ち、例えば、IGF−IあるいはIGF−II、脳IGF、及び他のIGFファミリーのメンバー等の構造的に類似した分子及び類似物をRP−HPLCを用いて精製するためには、用いるべきヘキシレングリコールの濃度は典型的には約10−15%(v/v)である。これらの分子の低圧液体クロマトグラフィー分離(例えば、酸CA分離)のためには、濃度は典型的には約10−20%(v/v)である。しかしながら、濃度は一般に約10から40%(v/v)、より好ましくは約10から30%(v/v)の範囲である。
【0033】
溶離の温度は、一般的には約20−80℃であるが、より高い又は低い温度を用いてもよい。好ましくは、温度は、酸性C4クロマトグラフィーには約20−40℃、中性クロマトグラフィーには約30−80℃に維持される。
【0034】
IGF−Iのその変異体からの溶離に好ましい条件は、10−15ミクロンのシリカC4媒体及びリン酸バッファーを備えた6−cmから60−cm径RP−HPLCカラムを用い、1−25gIGF−I/リットルCVの負荷で、10−15%(v/v)ヘキシレングリコールを用いることである。IGF−Iのその変異体からの溶離に最も好ましい条件は、10ミクロンのKROMASILTMブランドシリカC4媒体及びpH6−7.5の100mMリン酸カリウムバッファーを備えた60−cm径RP−HPLCカラムで、3−25gのIGF−I/リットルCVの負荷により、10−15%(v/v)ヘキシレングリコールを用いることである。
【0035】
上記の方法は、通常はポリペプチドが既に他の殆どの不純物から精製された後に、ポリペプチドをその変異体から精製するのに使用することができる。即ち、この段階は典型的には、治療的処方に先立つ脱塩又はダイアフィルトレーションの前の最終段階である。変異体の混合物中のポリペプチドは任意の供給源から生成されるが、好ましくは組み換えで生産される。混合物中に存在しうる関連する変異体は、発酵から残る変異体のみではなく、ポリペプチドが貯蔵中に分解した場合に生成される変異体も含む。
【0036】
ポリペプチドが組み換えで調製される場合、ポリペプチドをコードするDNAを発現させるのに好ましい宿主細胞は、原核生物、酵母、又はより高等な真核生物である。この目的に適した原核生物は、古細菌及び真正細菌等の細菌を含む。好ましい細菌は、真正細菌、グラム陰性又はグラム陽性生物体、例えば、大腸菌(Escherichia)、例えば大腸菌(E. coli)、エンテロバクター、エルウィニア(Erwinia)、クレブシエラ、プロテウス、サルモネラ、例えばネズミチフス菌、セラチア、例えば霊菌、及び赤痢菌等の腸内細菌科;枯草菌及びビーリシェニフォルミス(B. licheniformis)等の桿菌(例えば、1989年4月12日に発行されたDD266,710に開示されたビーリシェニフォルミス41P);緑膿菌等のシュードモナス;ストレプトマイセス;アゾトバクタ;根粒菌;ヴィトレオシラ(Vitreoscilla);及びパラコッカス(Paracoccus)である。適した大腸菌(E. coli)宿主は、E. coli W3110(ATCC 27,325)、E. coli 294(ATCC 31,446)、E. coli B、及びE. coli X1776(ATCC 31,537)を含む。これらの例は例示的であり限定するものではない。
【0037】
上記の細菌の任意の変異細胞も用いることができる。当然のことながら、細菌の細胞中のレプリコンの複製能力を考慮して適当な細菌を選択する事が必要である。例えば、大腸菌(E. coli)、セラチア、又はサルモネラ種は、BR322、pBR325、pACYA177、又はpKN410等の良く知られたプラスミドがレプリコンを提供するために用いられる場合の宿主として安定に使用することができる。
【0038】
大腸菌株W3110は、組み換えDNA生産発酵の共通の宿主株であるので好ましい宿主又は親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量のタンパク質分解酵素を分泌する。例えば、株W3110は宿主に外因性のタンパク質をコードする遺伝子において遺伝子変異をもたらすために修飾してもよく、そのような宿主の例は、完全な遺伝子型tonAを有するE.coliW3110株1A2;完全な遺伝子型tonA ptr3を有するE.coliW3110株9E4;完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF-lac)169 degP ompT kanを有するE.coliW3110株27C7(ATCC 55,244);完全な遺伝子型tonA ptr3 phoA E15(argF-lac)169 degP ompT rbs7 ilvG kanを有するE.coliW3110株37D6;株37D6の非カナマイシン耐性degP欠失変異体であるE.coliW3110株40B4;及び1990年8月7日に発行された米国特許第4,946,783号に記載された変異体周辺質プロテアーゼを有するE.coli株を含む。
【0039】
原核生物に加えて、糸状真菌又は酵母等の真核微生物は、好ましいポリペプチドコードベクターのための発現宿主である。酵母(Saccharomyces cerevisiae)、又は通常のパン屋の酵母は、下等真核宿主微生物の中で最も普通に用いられる。しかしながら、分裂酵母ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)(Beach及びNurse, Nature, 290: 140 (1981); 1985年5月2日発行のEP 139,383);クルイベロミセス(Kluiveromyces)宿主(米国特許第4,943,529号; Fleer等, Bio/Technology, 9: 968-975 (1991))、例えば、K.ラクチス(K.lactis)(MW98-8C, CBS683, CBS4574; Louvencourt等, J. Bacteriol., 737 (1983))、K.フラギリス(K. fragilis)(ATCC 12,424)、K.ブルガリクス(K. bulgaricus)(ATCC 16,045)、K.ウィケラミー(K. wickeramii)(ATCC 24,178)、K.ワルチー(K. waltii)(ATCC 56,500)、K.ドロソフィラルム(K. drosophilarum)(ATCC 36,906; Van den Berg等, Bio/Technology, 8: 135 (1990)))、K.サーモトレランス(K. thermotolerans)、及びK.マルキシアヌス(K. marxianus);ヤロウィア(yarowia)(EP 402,226);ピチアパストリス(Pichia pastoris)(EP 183,070; Sreekrishna等, J. Basic Microbiol., 28: 265-278 (1988));カンジダ;トリコデルマレーシア(Tricoderna reesia)(EP 244,234);アカパンカビ(Case等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 76: 5259-5263 (1979));シュワニオミセスオクシデンタリス(Shwanniomyces occidentalis)等のシュワニオミセス(1990年10月31日発行のEP 394,538);及び糸状菌、例えばニューロスポラ(Neurospora)、ペニシリウム(Penicillium)、トリポクラディウム(Tolypocladium)(1991年1月10日発行のWO 91/00357)、及びA.ニデュランス(A. nidulans)等のアスペルギルス(Acpergillus)宿主(Ballance等, Biochem. Biophys. Res. Commun., 112: 284-289 (1983); Tilburn等, Gene, 26: 205-221 (1983); Yelton等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81: 1470-1474 (1984));及びクロカビ(Kelly及びHynes, EMBO J., 4: 475-479 (1985))などの多数の他の属、種、及び株が普通に利用可能であり、ここでも有用である。
【0040】
また、ポリペプチドをコードするDNAの発現に適した宿主細胞は、多細胞生物から誘導することもできる。このような宿主細胞は、複雑なプロセシング及びグリコシル化活動が可能である。原則的には、脊椎動物培養由来であろうと無脊椎動物培養由来であろうと、任意の更に高等の真核生物細胞培養が適している。無脊椎動物細胞の例としては植物及び昆虫細胞が含まれる。多数のバキュロウィルス株及び変異体及び対応する許容可能な昆虫宿主細胞、例えばスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(毛虫)、アエデス・アエジプティ(Aedes aegypti)(蚊)、アエデス・アルボピクトゥス(Aedes albopictus)(蚊)、ドゥロソフィラ・メラノガスター(Drosophila melaogaster)(ショウジョウバエ)、ボンビクス・モリ(Bombyx mori)のような宿主が特定されている。例えば、Luckowら, Bio/Technology, 6:47-55 (1988); Millerら, Genetic Engineering, Setlowら編 Vol. 8 (Plenum Publishing, 1986), pp.277-279; 及びMaedaら, Nature,315:592-594(1985)を参照のこと。形質移入には種々のウィルス株が公に利用でき、例えば、オートグラファ・カリフォルニカ(Autographa californica)NPVのL−1変異体とボンビクス・モリNPVのBm−5株があり、このようなウィルスは、特にスポドプテラ・フルギペルダ(Spodotera frugiperda)細胞の形質移入にここで使用することができる。
【0041】
綿花、コーン、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、及びタバコのような植物細胞培養を宿主として用いることができる。典型的には、ポリペプチドをコードするDNAを含むように前もって操作しておいた細菌アグロバクテリウム・トゥメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)のある菌株と共にインキュベートすることによって植物細胞は形質移入される。A.トゥメファシエンス(A.tumefaciens)と共に植物細胞培養をインキュベートする間に、ポリペプチドをコードするDNAが、植物細胞宿主が形質移入されるようにその植物細胞宿主に移され、適切な条件下でポリペプチドをコードしているDNAを発現する。加えて、例えば、ノパリンシンターゼプロモーター及びポリアデニル化シグナル配列のような、植物細胞と適合しうる調節及びシグナル配列が利用できる。Depickerら,J.Mol.Appl.Gen., 1:561(1982)。また、T−DNA780遺伝子の上流領域から分離されるDNAセグメントは、組換えDNAを含む植物細胞中の植物発現遺伝子の転写レベルを活性化又は増強しうる。1989年6月21日公開のEP321,196。
【0042】
有用な哺乳動物宿主株化細胞の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7, ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(293又は懸濁培養での増殖のためにサブクローン化された293細胞、Grahamら, J. Gen Virol., 36:59 (1977));ハムスター乳児腎細胞(BHK, ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−DHFR(CHO, UrlaubとChasin, Proc.Natl.Acad.Sci.USA,77:4216 (1980));マウスのセルトリ細胞(TM4, Mather,Biol.Reprod., 23:243-251 (1980));サルの腎細胞 (CVI ATCC CCL 70); アフリカミドリザルの腎細胞(VERO-76, ATCC CRL-1587); ヒト子宮頸癌細胞 (HELA, ATCC CCL 2); イヌ腎細胞 (MDCK, ATCC CCL 34); バッファローラット肝臓細胞 (BRL 3A, ATCC CRL 1442); ヒト肺細胞 (W138, ATCC CCL 75); ヒト肝細胞 (Hep G2, HB 8065); マウス乳房腫瘍細胞 (MMT 060562, ATTC CCL51); TRI細胞(Motherら, Annals N.Y. Acad. Sci., 383:44-68 (1982)); MRC5細胞; FS4細胞; 及びヒト肝癌系(Hep G2)である。
【0043】
宿主細胞は、上記の発現又はクローニングベクターで形質移入及び好ましくは形質転換され、プロモーターの誘発、形質転換体の選択、又は所望の配列をコードする遺伝子の増幅にてきするように修飾された従来の滋養培地中でインキュベートされる。
【0044】
形質移入は、如何なるコード配列が実際に発現されるか否かにかかわらず、宿主細胞による発現ベクターの取り込みを意味する。多数の形質移入法が当業者に知られており、例えば、CaPO及びエレクトロポレーションである。このベクターの操作のあらゆる徴候が宿主細胞内で生じたときに一般に形質移入の成功が認められる。
【0045】
形質転換は、染色体外の成分としてであろうと染色体成分によってであろうと、DNAが複製可能であるように、生物体中にDNAを導入することを意味する。用いられる宿主細胞に応じて、そのような細胞に対して適した標準的な方法を用いて形質転換はなされる。SambrookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)の1.82節に記載された塩化カルシウムを用いるカルシウム処理又はエレクトロポレーションは、原核生物又は実質的な細胞壁障壁を含む他の細胞に対して一般に用いられる。アグロバクテリウム・トゥメファシエンスでの感染が、Shawら, 23:315 (1983)及び1989年6月29日公開のWO89/05859に記載されたように、ある種の植物細胞の形質転換に用いられる。加えて、1991年1月10日に公開されたWO91/00358に記載されているように、超音波処理を用いて植物に形質移入することもできる。
【0046】
このような細胞壁のない哺乳動物の細胞に対しては、Graham及びvan der Eb(Virology, 52:456-457(1978))のリン酸カルシウム沈殿法が好ましい。哺乳動物細胞の宿主系形質転換の一般的な態様は1983年8月16日に発行されたAxelによる米国特許第4,399,216号に記載されている。酵母中への形質転換は、典型的には、Van Solingenら J.Bact., 130:946(1977)及びHsiaoら Proc.Natl.Acad.Sci. USA,76:3829(1979)の方法によって実施する。しかしながら、DNAを細胞中に導入する他の方法、例えば、核マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、無傷の細胞、又はポリカチオン、例えばポリブレン、ポリオルニチン等々での細菌プロトプラスト融合もまた用いることができる。哺乳動物細胞を形質転換するための種々の方法については、Keownら Methods in Enzymology(1990),Vol185:pp527-537; 及び Mansourら, Nature,336:348-352(1988)を参照のこと。
【0047】
原核生物細胞がポリペプチドを生産するために使用される場合には、それらは、例えばSambrookらのMolecular Cloning:A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York 1989)において一般的に記載されているようにして、プロモーターを構成的に又は人為的に誘導することができる適切な培地中で培養される。適した培地の例は下記の実験の部分に与える。
【0048】
炭素、窒素、及び無機リン酸塩源以外の、あらゆる必要な補充物質を、単独もしくは複合窒素源のような他の補充物質又は培地との混合物として導入される適当な濃度で含めることもできる。培地のpHは、主に宿主生物に応じて、約5から9の任意のpHとしてよい。
【0049】
ポリペプチドを生産するために哺乳動物の宿主細胞が用いられる場合、これらは種々の培地において培養することができる。ハム(Ham)のF10(Sigma)、最小必須培地(MEM, Sigma)、RPMI−1640(Sigma)及びダルベッコの修正イーグル培地(DMEM, Sigma)のような市販培地が当該宿主細胞の培養に適している。また、HamとWallace, Meth. Enz., 58:44(1979), Barnes及びSato, Anal. Biochem., 102:255 (1980); 米国特許第4,767,704号;4,657,866号;4,927,762号; 5,122,469号;又は4,560,655号;WO90/03430;WO87/00195;米国再発行特許第30,985号に記載された任意の培地を宿主細胞の培養培地として用いることができる。これらの培地はいずれも、ホルモン及び/又は他の成長因子(例えばインスリン、トランスフェリン、又は表皮成長因子)、塩類(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオシド(例えばアデノシン及びチミジン)、抗生物質(例えば、ゲンタマイシンTM薬)、微量元素(最終濃度がマイクロモル範囲で通常存在する無機化合物と定義される)及びグルコース又は同等のエネルギー源を必要に応じて補充することができる。任意の他の必要な補充物質もまた当業者に知られている適当な濃度で含むことができる。培養条件、例えば温度、pH等々は、発現のために選ばれた宿主細胞について従来用いられているものであり、当業者には明らかであろう。
【0050】
一般に、インビトロ哺乳動物の細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコール、及び実用技術は、Mammalian Cell Biotechnology: A Practical Approach, M. Butler編 (IRL Press at Oxford University Press,Oxford,1991)に見出すことができる。
【0051】
上記の方法は、ポリペプチドが細胞内で生産されても、細胞質周辺腔に生産されても、あるいは培地中に直接分泌されても用いることができる。ポリペプチドが培地中に直接分泌される実施態様の一例において、発酵の終了時に細胞を熱死滅させて不活性化し、遠心分離によって培地を細胞細片から分離する。清澄化した発酵ブロスは、次いでシリカ上での精製に使用される。
【0052】
シリカクロマトグラフィーについては、典型的には、ブロスを誘導体化されていないシリカ粒子を通し、ポリペプチドをそのシリカ粒子に接着させ;シリカ粒子を洗浄して汚染物を除去し、そしてポリペプチドを、アルコール性又は極性非プロトン溶媒及びアルカリ土類、アルカリ金属、又は無機アンモニウム塩を含むバッファーでシリカ粒子から溶離するようにする。好ましくは、バッファーは約5−8のpHで、約5−40%(v/v)のアルコール性又は極性非プロトン溶媒、及び0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属、又は無機アンモニウム塩を含有する。その他の詳細は、米国特許第5,451,660号を参照のこと。
【0053】
ポリペプチドが細胞膜周辺腔において生産される実施態様の一例では、培養培地又は可溶化物が遠心分離されて粒子状の細胞片を除去する。ついで、必要に応じて膜と可溶性タンパク質分画を分離することができる。ついで、ポリペプチドは、ポリペプチドが膜結合性か、可溶性か、凝集化形態で存在しているかに応じて、可溶性タンパク質分画から、そして培養可溶化物の膜分画から精製することができる。その後、ポリペプチドは可溶化され、ついで適切なバッファーを使用して再び折りたたまれる。再折りたたみタンパク質を生産するための周辺質からのこの単離方法の詳細については以下に記載する。
【0054】
不溶性の未変性ではないポリペプチドは、適切な単離バッファー中の原核生物宿主細胞から、任意の適当な技術、例えば細胞を適切なイオン強度であるが凝集ポリペプチドは実質的に不溶性であるバッファーに曝露して殆どの宿主タンパク質を可溶化させ、封入体を放出して、例えば遠心分離により回収に利用できるようにするように細胞を破壊することにより単離される。この技術はよく知られており、例えば米国特許第4,511,503号に記載されている。
【0055】
簡単には、細胞は(典型的には、約0.01から2M、好ましくは0.1から0.2Mのイオン強度を使用して、pH5から9、好ましくはpH約6から8の)バッファー中に懸濁される。塩化ナトリウムを含む任意の適切な塩が十分なイオン強度値を維持するために有用である。細胞は、このバッファー中に懸濁され、ついで、例えば機械的方法、例えばManton-Gaulinプレスマイクロフルイダイザー、フレンチプレスもしくは音波オシレーター、あるいは化学的又は酵素的方法のような通常用いられている技術を使用して溶解により破壊する。
【0056】
細胞破壊の化学的もしくは酵素的方法の例には、細菌壁を溶解するリゾチームの使用を伴うスフェロプラスティング(Neuら, Biochem.Biophys.Res.Comm.,17:215(1964))及びポリペプチドの放出のために生細胞を高緊張度の溶液と低緊張度の冷水洗浄で処理することを含む浸透圧ショックが含まれる。Neuら, J.Biol.Chem.,240:3685-3692(1965)。米国特許第4,680,262号に記載されている第3の方法は、形質転換された細菌細胞を、細胞を死滅させ溶解するのに充分な時間と温度で、有効量の2から4の炭素原子を持つ低級アルカノールに接触させるものである。
【0057】
細胞を破壊した後、懸濁液は典型的には遠心分離されて封入体をペレット化する。一実施態様では、この過程は、標準的な遠心機において、容量と遠心設計に依存する充分な時間、通常は約10分から0.5時間、約500から15000xg、好ましくは約12000xgで実施される。得られたペレットは実質的に全ての不溶性のポリペプチド分画を含むが、細胞破壊プロセスが完全でないならば、無傷の細胞もしくは破壊された細胞フラグメントも含有し得る。細胞破壊の完全性は、ペレットを少量の同じバッファー中に懸濁させ、懸濁液を位相差顕微鏡で調べることにより検査することができる。破壊細胞断片もしくは全体細胞の存在は、断片もしくは細胞及び随伴する非屈折性(non-refractile)ポリペプチドを除去するために更なる破壊が必要であることを示している。そのような更なる破壊後に、必要ならば、懸濁液を再び遠心分離し、ペレットを回収し、再懸濁し、分析する。このプロセスを、視覚検査でペレット化材料中に破壊細胞断片が無いことが明らかになるか、更なる処理でも得られるペレットのサイズを低減することができなくなるまで繰り返す。
【0058】
別の実施態様では、ポリペプチドは、適切なバッファー中での可溶化により細胞膜周辺腔から単離される。この方法は、ポリペプチドが組換え的に生産された後に発酵容器に試薬を直接添加して、収集、均質化、及び遠心分離という余分な工程を避けてポリペプチドを得るインシトゥ溶解化とできる。残りの粒子は遠心分離か濾過もしくはその組合せにより除去することができる。あるいは、より好ましくは、残りの粒子からポリペプチドを精製するために、米国特許代5,407,810号に記載されたような多重相単離/抽出系を用いてもよい。
【0059】
多重相系の液相から、あるいは精製の後段階で得られたならば、ポリペプチドは、例えば米国特許第5,663,304号に記載されたような活性コンホメーションに適切に再折りたたみされる。生ずる再折りたたみの程度は、例えば、バッファー中に存在する正しく折りたたまれた、生物学的に活性なポリペプチド配座異性体の増加に直接的に関連してRIA力価又は正しく折りたたまれたポリペプチドピークサイズが増加する、VYDACTM又はBAKERTMC−18カラムを用いたポリペプチドのRIA力価又はHPLC分析により適切に決定される。インキュベーションは、RIA又はHPLCによって決定される正しく折りたたまれたポリペプチド配座異性体の収率及び回収される誤って折りたたまれた配座異性体に対する正しく折りたたまれた配座異性体の比率を最大にし、質量バランスにより決定される多量体関連ポリペプチドの収率を最小にするために行われる。
【0060】
ポリペプチドが再折りたたみされた後、以下の方法が、個別又は組み合わせで、より高い純度を得るための適切な精製方法の例である:免疫親和性又はイオン交換カラムでの分画;エタノール沈殿;逆相HPLC;疎水性相互作用クロマトグラフィー;シリカ上でのクロマトグラフィー;S−セファロースTM及びDEAE等のイオン交換樹脂上でのクロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモニウム沈殿;及び、例えばセファデックスTMG−75を用いたゲル濾過。
【0061】
好ましい実施態様では、折りたたまれたプールは、遠心分離により清澄化され、pHが約3−8、好ましくは約3−5、より好ましくは約3.5に調節され、低圧逆相カラムに直接負荷される。負荷バッファーは、約5−40%(v/v)、好ましくは10−30%のアルコール性又は極性非プロトン溶媒と、約0.2から3M、好ましくは約0.5から2Mのアルカリ土類又はアルカリ金属塩を含む。好ましくは、溶媒はメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、又はアセトニトリル、又は非引火性溶媒又はグリコールであり、アルカリ土類又はアルカリ金属塩はナトリウム又はカリウム塩である。より好ましくは、溶媒はエタノールであり、ナトリウム又はカリウム塩は塩化物又は硫酸塩である。また、負荷バッファーは、尿素又はグアニジン塩酸塩等のカオトロピック(chaotropic)剤、好ましくは尿素を約1から5Mの濃度で含んでもよい。
【0062】
次いで、カラムを好ましくは約3のpHにおいてバッファーで洗浄して不純物を除去し、勾配、即ち好ましくは約pH3のバッファー中で約0.02から0.1Mの塩を含む0から40%(v/v)の溶媒の割合を増加させることによりポリペプチドを溶離する。pH3のバッファーは好ましくは酢酸である。好ましくは、溶離は50mMの酢酸のバッファー、50mMの塩化ナトリウム、及び28から32%(v/v)のエタノール直線勾配を用いて実施する。
【0063】
シリカカラム又は低圧逆相カラムからのこのプールは、次いでS−セファロースTMカラム等のカチオン交換カラムに負荷する。Trisバッファーで行うことのできる洗浄の後、カラムをpH6のクエン酸バッファー等の約5−7のpHに緩衝した塩で溶離する。
【0064】
上記したような部分的に精製したプロセスプールから始めて、分子(ポリペプチド等)及びその不純物(変異体など)の混合物を逆相液体クロマトグラフィーカラムに負荷し、上記のようなプロセスを行う。
【0065】
カラムから分子を溶離した後、それは以下のように製薬組成物中に好適に処方される。溶離物は、約3−5の範囲、好ましくは3.5にpH調節され、S−セファロースTM又はSP−セファロースTM等のカチオン交換カラムに負荷され、洗浄し、クエン酸塩などのpH約5−6の緩衝された塩で溶離する。この過程の後、分子は製薬的に許容されるキャリア、即ち、用量及び用いられる濃度で受容者に非毒性であり、処方中の他の成分に相溶性のものとともに処方される。例えば、処方物は好ましくは酸化剤及び分子に有害であることが知られた他の化合物を含まない。この処方過程は、例えば、米国特許第5,256,294号及び第5,490,937号に述べられた接線流動濾過などの標準的技術を用いて脱塩又はダイアフィルトレーションすることにより行われる。
【0066】
一般的に、処方物は、分子を液体キャリア又は微細に分割された固体キャリア又は両方に接触させて製薬組成物を形成することにより調製される。次いで、必要ならば、生成物を所望の剤形に成形する。好ましくは、キャリアは非経口キャリア、より好ましくは受容者の血液と等張の溶液である。このようなキャリア媒体の例は、水、塩水、リンゲル液、デキストロース溶液を含む。また、固定油及びオレイン酸エチルなどの非水性媒体並びにリポソームもここで有用である。
【0067】
キャリアは好ましくは少量の添加物、例えば等張性及び化学的安定性を向上する物質を含有する。このような物質は、用量及び用いられる濃度で受容者に非毒性であり、リン酸、コハク酸、酢酸、及び他の有機酸又はそれらの塩などの緩衝剤;アスコルビン酸などの酸化防止剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド、例えば、ポリアルギニン又はトリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、又は免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸、又はアルギニンなどのアミノ酸;セルロース又はその誘導体、グルコース、マンノース、又はデキストリンを含む単糖類、二等類、及び他の糖類;EDTAなどのキレート剤;マンニトール又はソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの対イオン;及び/又はポリソルベート、ポロキサマー、又はPEGなどの界面活性剤を含む。
【0068】
分子はこれらの媒体中に典型的には約0.1mg/mLから100mg/mL、好ましくは1から10mg/mLの濃度で、分子が最も安定になるpHに応じて約3から8のpHで処方される。ある種の上記の賦形剤、キャリア、又は安定化剤を使用することが分子の塩の形成をもたらすことは理解されるであろう。この処方物は貯蔵され、好ましくは、クエン酸塩又は酢酸塩などの約5−7のpHのバッファー中に、0.1%ポリソルベート20又はPOLOXAMERTM188などのこのpHで分子の溶解性を向上させる界面活性剤とともに処方される。
【0069】
治療的投与に用いられる分子は無菌でなければならない。無菌性は、滅菌濾過膜(例えば、0.2ミクロン膜)を通した濾過によって容易に達成される。治療的分子組成物は一般的に、無菌アクセスポート、例えば皮下注射針で貫通可能な止め具を有する静脈内溶液バッグ又はバイアルを備えた容器に入れられる。
【0070】
分子は通常単位毎又は多数回用量容器、例えば封入されたアンプル又はバイアルに、水溶液、又は再構成用の凍結乾燥固体製剤として貯蔵される。凍結乾燥製剤の例として、10−mLバイアルを5mLの滅菌濾過した1%(v/v)の分子水溶液で満たし、得られた混合物を凍結乾燥する。注入溶液は、凍結乾燥分子を静菌的注入用水を用いて再構成することにより調製される。
【0071】
本発明は、以下の実施例を参照することにより更に十分に理解されるが、これらは発明の例示を目的とし、その範囲を制限するものではない。全ての文献及び特許引用物は、その全てを出典明示して取り入れる。
【0072】
実施例1
この実施例では、IGF−Iは大腸菌から細胞周辺に分泌され精製される。回収プロセスを1に示す。上流回収はIGF−Iの可溶化及び二相分離を含み、細胞細片を除去して細菌タンパク質からIGF−Iを部分的に精製する。下流回収プロセスはタンパク質折りたたみ及びクロマトグラフィーを含む。4つのクロマトグラフィ−過程:酸C4(低pHでの逆相クロマトグラフィー)、SP−セファロースTM、逆相HPLC、及びS−セファロースTMが用いられる。酸C4精製は、凝集物及び誤って折りたたまれた変異体(位置47−52及び48−6のジスルフィド結合が逆転している)を清澄化する。SP−セファロースTMは誤って折りたたまれた変異体及び溶媒を清澄化し、HPLCはmet59O変異体、N末端グリシン又はグリシン−プロリン欠失のいずれを持つ2つのクリップされた形態(desGly及びdesGlyPro変異体)、及びカルバミル化変異体を清澄化する。カルバミル化についてのさらなる情報は、Qin等, J. Biol. Chem., 267: 26128-2613参照。
【0073】
HPLC過程は最後の高分解能精製過程であり、純度は主要な検討事項である。ここでHPLC過程は2%未満のmet59O変異体及び2%未満の誤って折りたたまれた変異体を含むプールを持つように設定する。
【0074】
材料及び考証
予め充填された1−cm径KROMASILTMカラム及びバルクKROMASIL 媒体は、BTRセパレーションズ(Wilmington, DE)又はエカ−ノベルから得、VYDACTM0.46cm径の予め充填されたKROMASILTMカラムは、フェノメネックス(Torrance, CA)から得た。分析用カラムはフェノメネックスから得た。分析に用いたHPLC−等級アセトニトリル及びイソプロパノールはベーカーから得た。細菌発酵からの一部精製された組み換えIGF−IのHPLC負荷材料は、米国特許第5,446,024号に記載されたように、RP−HPLC過程の直前の過程を通して、即ち、宿主細胞株37D6及びIGF−I発現プラスミドpBKIGF2B('024特許に記載)を構成し、宿主細胞をプラスミドで形質転換し、宿主細胞を発酵させ、IGF−Iにインシトゥ可溶化を施し、次いで水性2相液−液抽出を介してIGF−Iを抽出し、次いでIGF−Iを沈殿させ、次いでエタノールではなくプロピレングリコールを用いて再折りたたみさせ、次いでIGF−Iにエタノールではなくヘキシレングリコールを用いて、カラム調製、試料調製及び負荷を含む酸C−4クロマトグラフィー、及び洗浄及び溶離過程を施し、HPLC過程の直前に、200mMクエン酸バッファー、pH6でIGF−Iが溶離されるSP−セファロースTMでのカチオン交換クロマトグラフィーを施して得た。また、インシトゥ可溶化及び二相分離過程は、Hart等, Bio/Technology, 12: 112-1117 (1994)にも記載されている。
【0075】
精製されたmet59O変異体のバルク量は、HPLCによる精製からの副分画から得た。精製された誤って折りたたまれたIGF−Iのバルク量は、SP−セファロースTMによる精製の副分画から得た。ヘキシレングリコールはアシュランドケミカル(Newark, CA)からのNF等級であった。BioCADTM装置はパースペクティブバイオシステムズ(Framingham, MA)から、HP0190 HPLCはヒューレットパッカード(Mountain View, CA)から、Delta−prepTMはウォータス(Milford, MA)から、PROCHROM DACTMカラム及びHPLCはプロクロムUSA(Indianapolis, ID)からであった。
【0076】
分析用クロマトグラフィー
VYDACTMアッセイは、2ml/分でのVYDACTM4.6x250mmC18(5μm300オングストローム)カラム、10−マイクログラム注入、及び214nmでの検出を用いた。バッファーAは水中0.12%のトリフルオロ酢酸であり、バッファーBはアセトニトリル中0.1%のトリフルオロ酢酸である。方法は:27.5−28.5%B/9分、28.5−40% B/4分、40−90% B/2分、90% B1分間保持、27.5% B4分間であった。2は、VYDACTM法のクロマトグラムを示す。
【0077】
調製用クロマトグラフィー
調製用分離を特徴付ける実験は、全て100mMのKHPO pH7.0及びKROMASILTM1cm径(10μm、150オングストローム)C4カラムを用いた。一般的に、カラムは100mMのKHPO pH7.0中の約10%のヘキシレングリコールで少なくとも3CVについて平衡させ、少なくとも25%のヘキシレングリコール又は100%のBで少なくとも2CVについて再生させた。溶離を通して分画を収集し、VYDACTMアッセイで分析した。負荷材料は、VYDACTMアッセイで測定して10%のmet59O変異体を有していた。クロマトグラフィーは、BioCADTM装置で実施した。
【0078】
流速実験は、30℃での25−cm−長カラムを用い、14.25−15.75%ヘキシレングリコールの勾配で3mgIGF−I/mlCVで15CVに渡って、50、75、150、225、300、及び400cm/時間の流速で負荷した。負荷実験は、3、9、17、及び26mgIGF−I/mlCVの負荷で、12.5−15.5%ヘキシレングリコールの勾配で15CVに渡って、255cm/時間の流速において30℃での25−cm−長カラムを用いた。温度実験は、3mgIGF−I/mlCVの負荷で、12.5−17.5%ヘキシレングリコールの勾配で15CVに渡って、255cm/時間の流速において、30、50、65、及び80℃での25−cm−長カラムを用いた。カラム長実験は、50℃の温度、10−15%ヘキシレングリコール/22CVの勾配、及び各々520、420、400、300、及び200cm/時間の流速で10、15、25、40、及び50cmのカラム長を用いた。勾配傾きの実験は、255cm/時間の流速で30℃での25−cm−長カラムを用い、12.5−22.5、12.5−17.5、14−17、14.25−15.75%ヘキシレングリコールの勾配で、3mgIGF−I/mlCVで15CVに渡って負荷した。インキュベーション実験では、25−cm−長カラムに、10g/Lで負荷し、50℃において5.25ml/分の流速で0、60、又は120分間インキュベートし、次いで20%ヘキシレングリコールで溶離した。
【0079】
滞留時間実験は、1x25cmKROMASILTMC4(10μm、150オングストローム)カラムを用い、pH7.0に調節し9%のヘキシレングリコールを有する材料で10mgIGF−I/mlCVで負荷した。流速は5.25ml/分であり、カラム温度は50℃であった。バッファーAは100mMのKHPO pH7.0、バッファーBは100mMのKHPO pH7.0/30%ヘキシレングリコールであった。カラムに10mg/mlで負荷し、平衡条件下で流動させながら0、60、又は120分間インキュベートし、次いで60%B段までの過程で溶離した。分画を収集し、VYDACTMアッセイで分析した。クロマトグラフィーはBioCADTM装置で実行した。
【0080】
スケールアップ実験は、PROCHROMTMDACカラムに充填した6x25cmKROMASILTMC4(10μm、150オングストローム)媒体で行った。カラム操作の詳細は、Godbille及びDevaux, J. Chromatographic Science, 12: 564-569 (1974)にある。クロマトグラフィーは、ウォーターのDELTA−PREPTMHPLC又はPROCHROMTMHPLCシステムで実行した。バッファーAは55mMのKHPO 45mMのKHPO pH7.0であり、バッファーBは55mMのKHPO 45mMのKHPO pH7.0/30%ヘキシレングリコールである。方法は:30%Bで3CVの平衡化、10mgIGF−I/mlCV負荷(負荷中9%ヘキシレングリコール)、30%Bで1CVの洗浄、10CVに渡り40−50%Bの勾配、80%Bで1CVの再生であった。誤って折りたたまれた変異体の清澄実験のために、負荷を精製した誤折りたたみ変異体でスパイクした。ピーク切断実験では、負荷を精製したmet59O変異体でスパイクした。
【0081】
結果及び議論
3はアセトニトリルでの溶離を用いたHPLCプロセスからのクロマトグラムを示す。3で用いた条件は、流速:1リットル/分、カラム:PROCHROMTMカラムに充填された15x50cmKROMASILTM(10μm、150オングストローム)C4、温度:50℃、負荷:20mg IGF−I/mlCV、バッファーA:100mMのKHPO pH7.0/20%アセトニトリル、バッファーB:100mMのKHPO pH7.0/40%アセトニトリル、方法:3CVの25%Bで平衡化、10CVに渡り33−36%のBで勾配、2CVの80%Bで再生。全実行時間は155分である。平均回収収率は、VYDACTMアッセイで80%、スループットは0.3g時間−1cm−2であった。
【0082】
移動相バッファー、カラム媒体、及び溶離剤は逆相分離に強く影響を与える。分離条件をアセトニトリル用に用いられる条件にできるだけ近づけるため、非引火性溶媒分離は、pH7.0の100mMリン酸カリウム及びKROMASILTM10−μm、150−オングストロームC4媒体を用いた。非引火性溶媒ヘキシレングリコールをアセトニトリルに置き換えた。IGF−I及びKROMASILTMはpH7のバッファー中で安定で良好な分離を生じ、IGF−Iはヘキシレングリコール中で安定であった。KROMASILTMという球状単分散媒体は、力学的な軸方向の圧縮により充填された場合に高効率カラムを生成し(Sarker及びGuiochon, J. Chromatography, 709: 227-239 (1995), 及びStanley等, J. Chromatography, 741: 175-184 (1996))、C4は一般的に良好なタンパク質分離を生ずる(Nice等, J. Chromatography, 218: 569-580 (1981))。
【0083】
これらの条件を用い、一連の実験は、アセトニトリルでの溶離を用いたHPLC精製に等価な収率、純度、及びスループットを持つ非引火性HPLCプロセスの開発に焦点を当てた。
【0084】
調製用負荷では、非常に浅い又は定組成勾配条件でさえ、初期溶離変異体からのIGF−Iのベースライン分解能を生じないので、分離効率測定は、ベースライン分解能に依存しない方法を用いた。met59O変異体は2%未満に減少させなければならず、met59O変異体は検定が容易であり、そして精製したmet59O変異体は容易に利用可能であるので、この方法はIGF−Iからのmet59O変異体の分離を測定する。met59O変異体分離は、全体の分離能力の絶対的な測定ではないが、プロセス変形例を比較するための相対的な分離効率を測定する。
【0085】
分離効率は一定純度に固定して計算する。溶離した調製用HPLCピークの分画は、VYDACTMアッセイによって分析し、各分画におけるIGF−I及びmet59O変異体の濃度を決定した。個々の分画からの結果を合計し、収率は式1によって計算した:
収率= 1% 未満の met 59 O 変異体を含むプール中の IGF-I
(溶離された全IGF-I) (1)
【0086】
この収率計算は、負荷されたIGF−Iではなく溶離されたIGF−Iのみを考慮しており、回収されるIGF−Iを減少させるがIGF−Iのmet59O変異体からの分離には影響しない効果(カラム上のタンパク質凝集など)について補償している。met59O変異体の制限を1%にすることにより、分離が2%未満のmet59O変異体という要件に合致することを確実にする。
【0087】
最も好ましいプロセスの同定は、負荷、流速、勾配傾き、温度、及びカラム長の分離効率に対する影響を測定することにより可能となる。各条件は変化させるが他の条件は一定に維持して、各条件の影響を独立に評価した(カラム長実験は流速も変化させ、短いカラムでは流速を高くしが、溶離収率は流速には無関係であり、それらの結果は流速に関係なく同一であった)。
【0088】
実験結果を4に示し、流速(4A)、負荷(4B)、勾配傾き(4C)、温度(4D)及びカラム長(4E)の相対的分離効率に与える影響の定量的評価を与える。全ての実験は、1−cm径KROMASILTM(10μm、150オングストローム)C4カラム、100mMのリン酸カリウム、pH7.0、及びヘキシレングリコールでの溶離を用いた。全てのグラフのY軸は式1による一定純度における収率を示す。直線近似は参考のためのみに示す。各実験で用いたクロマトグラフィー条件が異なるため、最大溶離収率は実験間で相違する。
【0089】
4において、直線の傾きは各プロセス条件の比例的効果を示す。結果はHPLC理論に良く対応している。タンパク質の調製用逆相HPLCは第1に吸着/脱着に基づくため(GengおよびRegnier, J. Chromatography, 296: 15-30 (1984))、特にC4カラムでは(Tan等, J. Chromatography, 775: 1-12 (1997))、流速およびカラム長(Chen及びHorvath, J. Chromat. A., 705: 3-20 (1995))はクロマトグラフィー分離に殆ど影響しない。高い負荷は分解能(Dwyer, Recent Advances in Separation Techniques III, 82: 120-127 (1986))及び分離効率を低下させるが、これは調製用負荷等温線が線形ではなく、高い負荷で重複ピークを生ずるからである。勾配傾きは分離効率に影響するが(Jandera等, J. Chromatog. A., 760: 25-39 (1997))、各ピークについての相対的保持値が変わることによる(Stadalius等、Journal of Chromatography, 327: 93-113 (1985))。
【0090】
タンパク質の調製用逆相HPLCは、線形勾配溶離(Lee等, J. Chromat., 433: 31-43 (1988))を用いて行われることが多いが、主にそれが一般に定組成溶離より早い分離を与えるからである(Snyder等, Analytical Chemistry, 55: 1412-1430 (1983))。線形勾配溶離は、ここで実験した唯一の技術であり、勾配傾きは溶離収率に検知可能な影響を有する。温度はタンパク質拡散性を増大させ移動相粘度を低下させ、タンパク質の速度論的及び輸送的特性を向上させ(Anita及びHorvath, J. Chromatograhy, 435: 1-15 (1988))、温度は分離効率を向上させる(Yang等, J. Chromatog., 590: 35-47 (1992))。要するに、分離効率は流速又はカラム長には影響されず、温度及び勾配傾きによって僅かに影響され、負荷により大きく影響を受ける。
【0091】
負荷が増加すると、met59O変異体はIGF−Iピークの前に押され、5Aから5Dに示す効果は試料置換挙動に特徴的である。試料置換クロマトグラフィーでは、より弱く相互作用するタンパク質が強く相互作用するタンパク質より前に押され、一方のタンパク質が他方の置換体のように作用する(Hodges等, J. Chromatography, 548: 267-280 (1991))。置換効果が十分強い場合、それは勾配溶離によって生ずる脱着より有意になりうる。McDonald及びBidlingmeyer, Strategies for Successful Preparative Liquid Chromatography, Preparative Liquid Chromatography (Elsevier Science Publishing: New York, 1987), pp.1-104。明らかなmet59O変異体のテイリングが起こり、溶離収率計算における1%未満のmet59O変異体という厳密な要件が、このテイリングに溶離収率への強い効果を与える。低い負荷レベルでさえも、試料置換は起こり、分離は常に幾分試料置換に依存する。
【0092】
カラム長実験は、分離がカラム長に影響されないことを示したが、実験からのデータを詳細に分析すると、カラム長が長くなるにつれ、再生ピークが大きくなるが溶離されるIGF−Iの全体量は減少し、より長いカラム長においては、IGF−Iプールが誤って折りたたまれた物質、ジスルフィド結合が不当に形成された変異体をより高レベルで含むことが明らかになった(Forsberg等, Biochem. J., 271: 357 (1990); Canova-Davis等, Biochem. J., 285: 207-213 (1992))。カラム長が長くなると、カラム上のタンパク質の滞留時間も同様に増加する。IGF−Iの損失及び誤って折りたたまれた変異体の増加の両方が、タンパク質滞留時間と比例的に関連していた。
【0093】
タンパク質滞留時間を定量的に研究するため、6Aに示すように、IGF−Iをカラム上で滞留時間を増加させてインキュベートした。この実験は、カラム上の誤って折りたたまれた形態が毎分0.009%の速度であると決定し、これは50℃での精製したプールにおいて約150倍遅く、室温又は4℃のプールでは更に遅い(プール材料をインキュベートし、VYDACTMアッセイにより誤って折りたたまれた変異体の形成を分析することにより決定した)。タンパク質のカラム上での滞留時間を遅く保つことにより、誤って折りたたまれた変異体の形成を最小にした。
【0094】
好ましいプロセスを得るために、4つの独立した目標を考えた。(1)純度:met59O変異体を2%未満とすること。(2)収率:80%を越える回収収率。(3)スループット:0.3g時間−1cm−2。(4)頑丈さ:プロセスは、供給ストック、バッファー調製、勾配作成、及び負荷における小さな変化に免疫性でなければならず、プロセスは分画回収無しで純粋なピークを確実に回収できなければならない。
【0095】
誤って折りたたまれた変異体は、この実施例のIGF−Iプロセスにおける2つの他のクロマトグラフィー過程によって清澄され(一方はHPLCの前で他方は後)、理想的には、HPLCプロセスは誤って折りたたまれた変異体を生成せずに、そして、タンパク質滞留時間がカラム長、流速、温度、及び勾配量を選択するときの重要な検討事項となる。50℃の温度は低粘度及び逆圧を生ずるが、より高い温度では危うくなるIGF−Iの安定性はまだ確実にする。400cm/時間では、平衡における25−cm長カラムのカラム逆圧は700psiであり、この値はPROCHROMTMカラムの最大1000psiという安全性の大きな限界幅の範囲内である。カラム長が25cmより短いとタンパク質滞留時間の短縮を生じるが、25−cm長カラムはHPLC展開の間に強い分離を生じ、より短いカラムはPROCHROMTMDACカラムに均一に充填するのが困難な場合がある。Guichon等, J.Chromatog. A, 762: 83-88 (1977)。10CVに渡る12−15%ヘキシレングリコール勾配は、浅い勾配傾きを提供するが、プロセスはバッファー生成における小さな変化に対して免疫性である。10mgIGF−I/mlCVの負荷は適当な収率を生じる一方、高いスループットを維持する。負荷材料は、負荷に先立って9%ヘキシレングリコールで調整する。一塩基及び二塩基リン酸カリウムの混合物はpH調節無しでpH7.0の100mMバッファーを与える。
【0096】
6−cm径カラムのスケールアップ条件を用いたクロマトグラムを7A及び7Bに示す。7Aは、6−cm径カラムでのヘキシレングリコール溶離及びここに述べるスケールアップ条件を用いたHPLCプロセスからのクロマトグラムを示す。プール線は1%未満のmet59O変異体についての切断を示す。全実行時間は65分であるが、プール化の終了後即座に再生を開始することにより50分に短縮することができる。挿入図(.7B)は、VYDACTMアッセイで決定したときに示された変異体での調製用ピークである。
【0097】
方法は、幾つかの誤って折りたたまれた変異体を清澄することができ、効果は6Bに示す。負荷に添加する誤って折りたたまれた変異体の量を増加させて、1%未満のmet59O変異体を持つプールにおける誤って折りたたまれた変異体レベルを見出すために負荷及びプールをVYDACTMアッセイで分析した。直線の式は、y=0.1+0.85x、R=0.995である。0.85の傾きで、誤って折りたたまれた変異体の15%の減少がある。
【0098】
プロセスはIGF−Iと初期溶離変異体の間のベースライン分解能を提供せず、分画回収が生産に望ましくないので、プロセスはUV吸収に基づいてピークを正確に切断する方法を必要とする。負荷中の各変異体の特定量は、バッチ毎に変化させることができる。mat59O変異体のIGF−Iからの分離は、精製されたmet59O変異体の量を増加させて負荷プール中にスパイクすることにより変異体レベル変化をモデル化するのに用いた。
【0099】
8A−8Dは、ピーク切断実験の結果を示す。負荷材料は精製したmet59O変異体でスパイクし、6−cm径カラムを走らせた。負荷中のmet59O変異体量が増加するにつれ、met59O変異体ピークはIGF−Iピークの前に更に移動し、増加した量のmet59O変異体を除去するためには、より多くの調製用ピークを切除する必要があることを意味している。75%ピーク高さまでに、殆どのmet59O変異体の溶離は終了し、75%ピーク高さから始まるプールは、全met59O変異体レベルで1%未満のmet59O変異体しか含まず、変異体含有量に関わらず75%ピーク高さでプール化を開始できることを示している。10g/L負荷において、IGF−Iピークの高さは再現的に7g/Lであり、それで、280nmでのピーク高さは、検出器較正による任意のUVモニターにより事前に予測することができる。
【0100】
日常的な製造はカラムのサイクル化を必要とする。9は、6−cm径カラム及びここに述べるスケールアップ条件を用いたカラムのサイクル化の結果を示す。プールは75%から25%ピーク高さを収集した。4つの異なる負荷材料を用い、負荷1は11サイクル、負荷2は5サイクル、負荷3は19サイクル、そして負荷4は32サイクルとした。負荷中の変異体含有量は、GMP生成プールに典型的であった。9において、プールの値は平均値であり、エラーバーは1つの標準偏差である。負荷中でmet59O変異体を3−6%で変化させ、平均で1%未満のmet59O変異体という目標は達成された。スループットは0.3g時間−1cm−2であり、平均回収収率はVYDACTMアッセイによると80%より大きかった。プロセスは、日常的な製造を維持するのに十分に強く、純粋なIGF−Iが確実にプールできる。
【0101】
要旨
非引火性HPLCプロセスは、アセトニトリルのヘキシレングリコールでの直接置換を用い、カラム、バッファー、及び温度は同じままである。処理パラメータがどのように分離効率に影響するかの定量的評価により、スケールアップの最大化が可能となった。変異体が除去できる一方、頑丈で確実なプロセスにおいて80%を越える平均回収収率及び0.3g時間−1cm−2のスループットが保持される。
【0102】
IGF−IがRP−HPLCによって精製された後、それは次いで米国特許第5,446,026号に述べられているようにS−セファロースTMカラムに負荷して溶媒を除去し、クエン酸塩又は酢酸塩バッファー等のIGF−Iを処方が望まれているバッファー中に入れるダイアフィルトレーションのための接線流動濾過(米国特許第5,256,294号及び第5,490,937号)を用いて処方することができ、一つの好ましい型の製剤は、米国特許第5,681,814号として1997年10月28日に発行される係属中の1993年6月4日に出願された米国特許出願第08/071,819号に記載されている。
【0103】
実施例II
モデル化合物の3つの分離は、ヘキシレングリコールの逆相溶離剤としての広範な利用可能性を示す。モデルタンパク質の分離、例えば鶏卵タンパク質(オボアルブミンからのリゾチーム)、ペプチド(ブラジキニンからのサブスタンスP)、及びホルモン(プロゲステロンからのヒドロコルチゾン)は、新しいクロマトグラフィー法の挙動を特徴付けるのにしばしば用いられる(Li及びSpencer, J. Biotechnol., 26: 203-211 (1992); Kenny, Methods Mol. Biol., 11: 249-258 (1992); Sands等, J. Chromatogr., 360: 353-369 (1986); Livison等, J. Chromatgr. A, 734: 137-143 (1996); Wei等, Biomed. Chromatogr., 4: 34-38 (1990); Buckle, J. Physiol., 242: 56P-57P (1974))。
【0104】
各化合物の精製体はシグマ(St. Louis, MO)から得た。各化合物の溶離位置は、各化合物を個々に注入することにより確認した。化合物を表1に記載する(Merck Indexからの情報)。
【0105】
表1
pI 分子量 注記
リソ゛チーム 10.5 14,400 129アミノ酸のホ゜リヘ゜フ゜チト゛一本鎖及び
4つのシ゛スルフィト゛結合
オホ゛アルフ゛ミン 4.63 45,000 400アミノ酸のホ゜リヘ゜フ゜チト゛一本鎖
(約半分は疎水性)、モル当たり2つの
リン酸残基及び糖側鎖
フ゛ラシ゛キニン 1060.25 Arg-Pro-Pro-Gly-Phe-Ser-Pro-Phe-Arg
(配列番号:1)
サフ゛スタンスP 1347.66 Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Phe-Phe-Gly-Leu-Met
(配列番号:2)
ヒト゛ロコルチソ゛ン 362.47 C2130
フ゜ロケ゛ステロン 314.45 C2130
【0106】
全ての分離は2つの移動相を用い:Aは水中0.1%TFA(v/v)でありBは60%ヘキシレングリコール/40%水(v/v)中0.1%TFA(v/v)であった。全ての分離は、4.6mmX150mmのVYDACTM10ミクロンC4カラム、50℃のカラム温度、及び1.25ml/分の流速を用いた。リゾチームのオボアルブミンからの分離及びプロゲステロンのヒドロコルチゾンからの分離は、両方とも10カラム容量に渡って10−100%からの勾配を用い280nmの吸収を用いてピークを検出した。サブスタンスPのブラジキニンからの分離は、10カラム容量に渡って8−70%Bからの勾配を用い、214nmの吸収を用いてピークを検出した。
【0107】
全ての分離は調製用負荷を用いて実施した。リゾチームのオボアルブミンからの分離は、0.1%TFA/10%ヘキシレングリコール/90%水(v/v)中の約10g/Lリゾチーム及び5g/Lオボアルブミンの溶液0.25mlの注入を用いて、1.5gタンパク質/Lカラム容量の全タンパク質負荷について行った。サブスタンスPのブラジキニンからの分離は、0.1%TFA/20%ヘキシレングリコール/80%水(v/v)中の約10g/LサブスタンスP及び0.5g/Lブラジキニンの溶液0.25mlの注入を用いて、約1gペプチド/Lカラム容量の全負荷について行った。ヒドロコルチゾンの
プロゲステロンからの分離は、0.1%TFA/40%ヘキシレングリコール/60%水(v/v)中の約10g/Lヒドロコルチゾン及び5g/Lプロゲステロンの溶液0.25mlの注入を用いて、1.5gホルモン/Lカラム容量の全負荷について行った。
【0108】
分離を10A(リゾチームとオボアルブミン)、10B(ブラジキニンとサブスタンスP)、及び10C(ヒドロコルチゾンとプロゲステロン)に示す。結果から、ヘキシレングリコールが広範な分離のための逆相溶離剤として有用であることは明らかである。
【0109】
実施例III
調製用逆相液体クロマトグラフィー性能は分析的分離を用いてモデル化することができる(Cox及びSnyder, LC-GC, 6: 894 (1988), 及び Snyder等, Practical HPLC Method Development (Wiley-Interscience: New York, 1988))。好ましい溶離剤を決定するために、3つの非引火性溶媒を、それらのIGF−Iからmet59O分離する能力について、20%met59O変異体/80%IGF−Iの混合物10μgを100mMのKHPO pH7.0及び2.2中でVDACTM5−μm90−オングストロームC18カラムに注入することによりアセトニトリルと比較した。定組成条件は、HP1090TMクロマトグラフ上でIGF−Iの滞留時間が約12分である場合に見出された。分解能は次のように計算した。
Rs=2x{(t−t)/(W+W)}
ここで、Rsは分解能であり、t及びtは各々met59O変異体及びIGF−Iの滞留時間であり、W及びWは各々met59O変異体及びIGF−Iのピーク幅(時間単位)である。分解能は無単位測定である。
【0110】
実験の結果を11に示す。分解能は4つの溶離剤について2つのpH値において測定した。pH7.0において、アセトニトリルはmet59O変異体及びIGF−Iの最も高い分解能を有し、非引火性溶媒の中では、ヘキシレングリコールが最も高い分解能を有していた。pH2.2において、アセトニトリルは、この実験でも最高の非引火性溶媒であるヘキシレングリコールより僅かに良い分解能を有するのみであった。
【0111】
実施例IV
幾つかのC4カラムを、3.5mgのIGF−I/mlCVの負荷によりスクリーニングした。全てのカラムは1X25cmであり30℃で実施した。バッファーAは100mMのKHPO pH7.0、バッファーBは100mMのKHPO pH7.0/50%ヘキシレングリコールであった。勾配は、15CVに渡り3ml/分で25から45%Bまで走査した。クロマトグラフィーはBioCAD/20TMカラムで実施した。分画をVYDACTMカラムを用いて分析し、式1によって収率を計算した。
【0112】
12はこの実験の結果を示す。異なる粒子及び孔径のカラムがIGF−I及びmet59O変異体の分離を与え、この分離が広範なクロマトグラフィー媒体で実施できることを示している。少数のカラムは収率ゼロであり、1%未満のmet59O変異体を含む溶離分画が無かった。IMPAQTM樹脂からの結果によって示されるように、粒子サイズと分離効率との間には強い相関があり、他はヘキシレングリコールが任意の伝統的な溶離剤と同様に作用することを示した。KROMASILTMカラムは、この実験で最も高い分離効率の1つを与えた。
【0113】
実施例V
ヘキシレングリコールは高い粘度を持つが、水溶液中ではその粘度が急激に低下し、温度に大きく影響される。13は円盤粘度計により、3つの異なる温度におけるヘキシレングリコール濃度の関数として測定した。ヘキシレングリコールの粘度はアセトニトリルより大きな温度依存性を有するので(Chen及びHorvath, Analytical Methods and Instrumentation, 1: 213-222 (1993))、逆相クロマトグラフィーに有用となる。
【0114】
実施例VI
ヘキシレングリコールはIGF−Iの低圧逆相クロマトグラフィーに有用である。酸性pHにおいてこのクロマトグラフィーを用いた分離を14A−1及び14A−2に示す。この分離の条件は:カラム:1.4X32cmBAKERBONDTMC4(40μm、275オングストローム)、A:50mM酢酸、50mMクエン酸、pH3.0;B:50mM酢酸、20mMクエン酸、pH3.0、50%ヘキシレングリコール;温度:22℃、流動:5CV/時間、負荷:18gIGF−I/L CVとした。用いた方法は、3CVの100%Aで平衡化、10−40%Bの勾配で10CVに渡って負荷、2CVの100%Bでの再生であった。分画を収集し、VYDACTMアッセイで分析し、この分析結果を挿入図14A−2に示す。
【0115】
この分離作業は、広範な負荷、温度、及び勾配傾きに渡っている。これを決定する方法は:カラム:1X25cm(20ml)BAKERBONDTMC4(40μm、275オングストローム)、A:50mM酢酸、50mMクエン酸、pH3.0;B:50mM酢酸、20mMクエン酸、pH3.0;50%ヘキシレングリコール;負荷:勾配実験:12.5mgIGF−I/ml CV;負荷実験:5、8.5、12.5、15mgIGF/ml CV;温度:30℃;流動:20CV/時間で平衡化/負荷/洗浄;9CV/時間で勾配/再生であった。用いた方法では、3CVの100%Aで平衡化、負荷、2CV100%Aで洗浄、勾配:負荷実験:0−50%B/10CV、勾配実験:0−50%B/6.5、10、15、20CV、及び2CVの100%Bで再生であった。プールをVYDACTMアッセイで分析した。VYDACTMによる負荷は、38.4%IGF−I、43.0%凝集体、7.5%誤って折りたたまれた変異体、及び9.1%met59O変異体であった。
【0116】
これらの実験の結果を14B及び14Cに示す。広範な条件に渡って、低いpHにおけるIGF−Iの低圧逆相液体クロマトグラフィーについて、収率及び純度が実質的に一定に維持されることが見られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 4つの段階を具備する以下の実施例1で用いた10K/10KIGF−I回収方法の模式図である。上流精製の間、IGF−Iは細胞から可溶化され、2相抽出が細胞細片を除去てIGF−Iを部分的に精製する。折りたたみによりIGF−Iが正しいコンホメーションとなり、遠心による分類が個体を除去する。酸C4クロマトグラフィーが凝集物を除去し、SP−セファロースTMが誤って折りたたまれたタンパク質を取り除き、逆相HPLCがmet59O、クリップされ、カルバミル化され、そして凝集したタンパク質変異体を除去し、S−セファロースTMが誤って折りたたまれたIGF−Iを除去する。次いで、IGF−Iは、例えば、接線方向流動濾過(TFF)を用いて処方される。
【図2】 IGF−I及び変異体の分析のためのVYDACTM法を示す図である。この高分解能分析方法は、幾つかの変異体をIGF−Iから分離することができる。
【図3】 アセトニトリルでの溶離を用いたHPLCプロセスからの典型的なクロマトグラムを示す図である。Met59O、desGly、及びdesGlyPro変異体がIGF−Iから分離される。
【図4A〜E】 1−cm径KROMASILTM(10μm、150オングストローム)C4カラム、100mMリン酸カリウムpH7.0、及びへキシレングリコールでの溶離を用いた、流速、負荷、勾配傾き、温度、及びカラム長の相対的分離効率に対する影響の定量的評価を示すグラフである。全てのグラフのY−軸は、以下に特定する等式1によって計算した一定の純度における収率である。
【図5A〜5D】 調製的キャラクタリゼーション負荷試験からのクロマトグラムを示す図である。溶離容量は勾配開始後の容量である。
【図6A】 誤って折りたたまれた物質の形成に対する滞留時間の影響を示すグラフである。
【図6B】 負荷中に添加する誤って折りたたまれた物質の量を増加した場合の6−cm径カラムでの誤って折りたたまれた物質のクリアランスを示す図である。
【図7A、B】 6−cm径カラムでのへキシレングリコール溶離及び以下に記載するスケールアップ条件を用いたHPLCプロセスからのクロマトグラムを示す図である。プール線はmet59O変異体1%未満についての切断を示す。挿入図(7B)は、VYDACTMアッセイによって決定した変異体の予備ピークである。
【図8A〜D】 ピーク切断を示す図である。負荷材料はmet59O変異体とともにスパイクした。溶離容量は勾配開始後の容量である。280nmでの吸収を実線で、75%ピーク高を白丸で示した。VYDACTMアッセイによる分画分析は示したように点及び破線で表した。
【図9】 6−cm径カラム及び実施例1に記載したスケールアップ条件を用いたカラムサイクルを示すグラフである。プール(薄い灰色)は、1回目のサイクルの高さを基にして75%から25%のピーク高を回収した。負荷1の11サイクル、負荷2の5サイクル、負荷3の19サイクル、負荷4の32サイクルで、4つの異なる負荷材料(暗い灰色)を用いた。プールの値は平均であり、エラーバーは1つの標準偏差である。
【図10A】 VYDACTMカラム及び溶離剤としてのへキシレングリコールを用いた2つの鶏卵タンパク質、リゾチーム及びオボアルブミンの分離についてのクロマトグラムを示す図である。
【図10B】 VYDACTMカラムでの溶離剤としてへキシレングリコールを用いた2つのペプチド、ブラジキニン及びサブスタンスPの分離についてのクロマトグラムを示す図である。
【図10C】 VYDACTMカラム及び溶離剤としてのへキシレングリコールを用いた2つのホルモン、ヒドロコルチゾン及びプロゲステロンの分離についてのクロマトグラムを示す図である。
【図11】 溶媒のスクリーニング:pH7.0(濃い灰色)及びpH2.2(薄い灰色)における3つの非引火性溶媒及びアセトニトリルを用いたIGF−Iのmet59O変異体からの分析スケールの分離を示すグラフである。
【図12】 カラムスクリーニングについて、1%未満のmet59O変異体という一定純度の%で表した収率を示すグラフである。異なる粒子サイズを持つ4つの異なるカラムと溶離剤としてのへキシレングリコールを用いたmet59O変異体からのIGF−Iの調製的スケールの分離を示している。
【図13】 3つの異なる温度25、30、及び50度摂氏におけるへキシレングリコール濃度の関数としてのその粘度を示すグラフである。
【図14A−1】 へキシレングリコールを用いたIGF−Iの酸C4クロマトグラフィーを示す図である。
【図14A−2】 得られた分画のVYDACTMアッセイの結果を示す挿入図である。
【図14B】 この分離についての収率パーセントを負荷の関数として示すグラフである。
【図14C】 この分離についての収率パーセントを勾配傾きの関数として示すグラフである。

Claims (16)

  1. ペプチド、ポリペプチド、及び生物学的に活性な非ペプチド化合物からなる群から選択される分子を精製する方法において、当該分子を含む混合物を逆相液体クロマトグラフィカラムに添加し、へキシレングリコールを含むバッファーで当該分子をカラムから溶離させることを含んでなる方法。
  2. 分子がポリペプチドである、請求項1に記載の方法。
  3. 分子が、 成長因子、トロンボポエチン、ホルモン、鶏卵タンパク質、5−25個のアミノ酸残基のペプチド、抗体又は抗体断片、及びホルモン又は成長因子に結合するタンパク質からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 成長因子がインシュリン様成長因子である、請求項3に記載の方法。
  5. へキシレングリコールが、10−15%(v/v)の濃度である、請求項4記載の方法。
  6. カラムが高速液体クロマトグラフィカラムである、請求項5に記載の方法。
  7. カラムが高速液体クロマトグラフィカラムである、請求項1に記載の方法。
  8. へキシレングリコールが、10−40%(v/v)の濃度である、請求項1に記載の方法。
  9. バッファーが2.5から8のpHである、請求項1に記載の方法。
  10. pHが2.5−5である、請求項9に記載の方法。
  11. pHが−7.5である、請求項9に記載の方法。
  12. カラムに 、10−40ミクロンの粒子径を持ち、C4−C18アルキル基を持媒体が充填されている、請求項1に記載の方法。
  13. カラムが調製用カラムである、請求項1記載の方法。
  14. カラムが少なくともcmの直径を有するか、又は分子が少なくとも0.1g/リットルの量で添加されるか、又はその両方である、請求項13に記載の方法。
  15. カラムが少なくともcmの直径を有するか、又は分子が少なくともg/リットルの量で添加されるか、又はその両方である請求項13に記載の方法。
  16. 分子を含有する溶離物をカチオン交換カラムに負荷し、分子を溶離することをさらに含む請求項1記載の方法。
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