JP3843373B2 - ポリペプチドの精製法 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、一段階で、細胞培養液のような混合液から、中等度の疎水性を有するポリペプチドを実質的に均質になるまで精製するための一般的な方法に関する。
背景と関連技術の説明
蛋白の大規模で経済的な精製はバイオテクノロジー産業においてますます重要な問題となっている。一般的に蛋白は、目的とする蛋白を製造するためにその蛋白の遺伝子を含む組換えプラスミドを挿入された哺乳動物細胞系または細菌細胞系を用いて細胞培養から製造される。使用する細胞系は生きた有機体であるため、糖、アミノ酸、および通常、動物血清の調製物から供給される成長因子を含有する複雑な増殖培地を用いて培養する必要がある。目的とする蛋白を、ヒトの治療薬として使用するのに十分な純度で、細胞を培養した化合物混合物および細胞自身の副産物から分離することはきわめて困難な問題である。通常、精製手順は複数の段階からなり、高価な装置やクロマトグラフィー法が必要である。Ogezらの、Biotech.Adv.,7:467-488(1989)およびSoferの、Bio/Technology,4:712-715(1986)参照。
細胞屑から蛋白を精製する手順は、まず最初に蛋白の発現部位に依存する。ある蛋白は細胞から増殖培地中に直接分泌され、別の蛋白は細胞内に産生される。後者の蛋白の場合は、精製法の最初の工程に細胞の溶解が含まれるが、これは機械的振盪、浸透圧衝撃、または酵素処理を含む様々な方法によって行うことができる。そのような崩壊によって、細胞の全内容物がホモジネート中に放出され、さらに大きさが小さいために除去することが困難な、細胞より小さい断片が生じる。この断片は、通常、分画遠心や濾過によって除去される。小規模ではあるが、蛋白製造操作の過程で細胞が自然死することによって、直接蛋白が分泌される場合にも同様な問題が生じる。
目的の蛋白を含む、夾雑物を除去した溶液が得られたら、通常、種々のクロマトグラフィー技術の組み合わせによって、目的の蛋白を細胞が産生した他の蛋白と分離する。この技術では、蛋白の価電、疎水性の程度または大きさに基づいて蛋白の混合物が分けられる。これらの技術ごとにいくつかの異なるクロマトグラフィー樹脂を用いて、特定の蛋白の精製計画を正確に立てることができる。
蛋白によっては所望により、精製すべき蛋白と第二蛋白(特異抗体のような)の相互作用を利用するアフィニティークロマトグラフィーを行ってもよい。
これらの各分離法は本質的に、蛋白が長いカラム内を異なる速度で移動することにより、蛋白がカラム内を通過するにつれて蛋白の分離が促され、物理的な分離が達成されるか、または分離媒質に直接吸着し、次いでこれを異なる溶媒で分別溶離することができる。ある場合には、夾雑物がカラムに特異的に吸着し、目的とする蛋白が吸着しない(すなわち、目的の蛋白が「通過(フロースルー)液」中に存在する)ことにより、所望の蛋白が挟雑物から分離される。
これらの精製技術の1つとして、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を製造規模で行うことができる。この場合、極めて高価なカラムサイズと、より通常の条件下できわめて遅い分離工程を必要とする樹脂を用いて、高度の分離を行うことができる。しかしながら、この技術では、高価な装置と、高圧下で数百回ないし数千回精製を繰り返すことができる化学的および機械的安定性を有するクロマトグラフィーカラムとパッキングを用いる必要がある。
吸着クロマトグラフィーはしばしばステロイドのような低分子の精製に用いられており、現在では大規模な蛋白精製にも使用されることが多くなってきている。シリカ粒子が、高いキャパシティーと親和性により蛋白を吸着する能力を有することは以前から知られている。主たる進歩は、活性型の蛋白を高収量で脱着するための方法の決定である。
この方法の初期の使用において、pHを変えるか(Edyらの、J.Gen.Virol.,33:517-521(1976))、カオトロピックな塩を用いて溶離が行われてきた(Whitmanらの、J.Interferon Res.,1:305-312(1981))。ChadhaおよびSulkowskiの、J.Interferon Res.,2:229-234(1982)は、アルキルアミンと有機溶媒を溶離剤に用い、インターフェロンを高率に回収した。彼らはガラス上での蛋白の結合および脱着に関するメカニズムの理論を提案している(ChadhaおよびSulkowskiらの、Prep.Biochem.,11:467-482(1981))。この理論は、蛋白がシリカに結合する際の極性力と非極性力の両方を考慮しており、良好な溶離剤は両タイプの結合を自在に切り離せる必要があることを報告している。
多くの実験が「多孔性制御」ガラスを用いて行われているが、普通のシリカ粒子のような他の多孔性ガラスでも数分の1のコストで同等の性能を得ることができる。非誘導シリカ粒子であるベアーシリカは、主として乾燥剤として販売されている。シリカは高価でなく、十分な化学的活性を有し、広範囲の置換基を加えることができるため、クロマトグラフィー媒質を製造するのによく用いられている骨格である(Anspachらの、J.Chromatog.,443:45-54(1988)参照)。この論文は蛋白の溶離において様々なサイズ排除クロマトグラフィーカラムを検討し、2つの異なるカラムで別々に蛋白の溶離量に影響を与えるように、リン酸緩衝液の塩(塩化ナトリウム)濃度を変えることによって溶離剤のイオン強度を変化させた。さらに、シリカ粒子は強固であり、誘導シリカカラムを精製に反復使用することができ、カラムにおける良好な溶媒の流れが得られる。非誘導シリカは細胞屑および疎水性の高い夾雑物を除去するためのフィルターとして用いられるが、一般的にクロマトグラフィーの媒質としては用いられない。
シリカ粒子は、粒子サイズおよび粒子内のポアサイズが種々異なる、様々な形のものを利用することができる。粒子サイズは主としてシリカのパッキング(充填)特性を決定し、これによってシリカをカラムとして用いるときの流速や逆圧が決定される。しかし、ポアサイズは孔の内部に出入りする蛋白のサイズを決定する。Kiselevら(Column Chromatography, 5th Int.Symposium(Lausanne,10月7-10日、1969)、124-125頁)は、ポアサイズ約500Åが分子量10000〜100000ダルトンの範囲のポリスチレン分子を分離するに最適であることを示した。
インターフェロン−γのような蛋白を吸着するためにシリカ粒子を使用することが知られている。例えば、Panらの、Eur.J.Biochem.,166:145-149(1987)は、0.5M TMAC/トリスHCl(pH8.0)を用いる溶離を開示している。Stankovicらの、Anal.Biochem.,184:100-103(1990)は、クロロホルム:メタノール(1:1)を用いるグラミシジンAの溶離にシリカ粒子を用いている。Manningらの、J.Chromatog.,487:41-50(1989)はメタノールおよびイソ−プロパノールを用いるエラスチンペプチドの分配における誘導シリカの使用を報告している。Skogenらの、Clin.Chem.,33:401-404(1987)は、疎水結合相シリカ粒子を用い、メタノール/水で溶離するジゴキシン様免疫反応性因子の抽出を開示している。Byrneらの、Anal.Biochem.,148:163-173(1985)は、シリカ粒子を含む連続クロマトグラフィーによるガングリオシドの分離を開示している。Takagiらの、J.Chromatog.,208:201-208(1981)は、高速シリカ粒子クロマトグラフィーにおいて、ドデシル硫酸ナトリウムと蛋白ポリペプチド間に形成された複合体の溶離特性に対する塩濃度の影響について開示している。Hillarらの、Bas.Appl.Histochem.,31:299-313(1987)は、C18シリカ粒子カラムにおいて0.1M酢酸アンモニウム緩衝液中のメタノールグラジエントを用いるシリカ粒子法を用い、子ウシ肝臓から核ペプチドを溶離している。本溶媒とブタン−1−オール−プロパン−2−オール−酢酸−水を用いる精製に関しては、Hillarらの、Physiol.Chem.Phys.Med.NMR,17:325-343(1985)、およびHillarらの、Physiol.Chem.Phys.Med.NMR,17:307-323(1985)を参照。
Mordarskiらの、Archivum Immunologiae et Therapiae Exper.,25:273(1977)は、ベンゼン中の10%アセトン、次いでメタノールを用いるシリカ粒子による抗体精製を開示している。JentschおよびMueckeの、Int.J.Pept.Protein Res.,9:78-79(1977)は、ブタノール−1−ピリジン−酢酸−水で平衡化したシリカ粒子クロマトグラフィーによるハチ毒ペプチドの精製を開示している。Flouretらは、Int.J.Pept.Protein Res.,13:137-141(1979)でメタノールとクロロホルムの混合物を用いてシリカ粒子カラム吸着クロマトグラフィーによりオキシトシンを精製している。Stoffelらは、Poppe-Seyler's Z,Physiol.Chem.,364:1455-1466(1983)で、90%蟻酸を溶媒に用いるシリカ粒子排除クロマトグラフィーによってプロテオリピッド アポ蛋白を精製している。Hemmasiらは、Hoppe-Seyler's Z.Physiol.Chem.,365:485-492(1984)で、クロロホルム:メタノールエチルアセテート/酢酸中、シリカ粒子およびセファデックスLH−20によるペプチドIII(ウシインスリンB鎖のデコサペプチド)の精製を開示している。TrucksessとStoloffは、J.Assoc.Off.Anal.Chem.,62:1080-1082(1979)で、シリカ粒子カラム(クロロホルムで洗浄し、クロロホルム−メタノールで溶離する)によるアフラトキシンB1およびM1の精製を開示している。
Visserらの、Neth.Milk Dairy J.,29:319-334(1975);Loginovaらの、Prikl.Biokhim.Mikrobiol.,14:715-718(1978);Schmidtらの、Anal.Chem.,52:177-182(1980).Luらの、Shengwu Huazue Yu Shengwu Wuli Jinzhan,48:46-48(1982);Wangらの、Gaodeng Xuexiao Huaxue Xuebao,6:557-561(1985);Duhamelらの、Tetrahedron Lett.,26:6065-6066(1985);PickartおよびThalerの、Prep.Biochem.,5:397-412(1975);PillotおよびPetitの、Mol.Immunol.,21:53-60(1984);Moriseらの、Jpn Circ J.,52:1309-1316(1988);Wangらの、Biochemistry,19:5111-5117(1980);Adachiらの、J.Chromatogr.,428:247-254(1988);Singhalらの、Cancer Res.,47:5566-5571;Taoらの、Biol.Chem.Hoppe Seyler,368:187-194(1987);Mountらの、Arch.Biochem.Biophys.,240:33-42(1985);およびHuennekensおよびHendersonの、Chemistry and Biology of Pteridines、Pfleiderer編(Berlin,de Gruyter,1975)も参照のこと。
多孔性ガラスによる蛋白精製の総説としては、Mizutaniの、J.Lig.Chromatog.,8:925-983(1985)がある。その947頁でMizutaniは、緩衝液中にエタノール5〜10%を添加すると、蛋白の溶離力が増大するであろうと述べているが、裏付けとなるデータやそれ以上の情報は示していない。Bockらは、Science,191:380-383(1976)で、カオトロピック緩衝液を用いる多孔性制御ガラス吸着クロマトグラフィーによる蛋白精製を開示している。Mizutaniの総説に示された他の参考文献としては、Mizutaniの、J.Pharm.Sci.,69:279-282(1980)(溶離時に0.1%SDSを使用)、MizutaniおよびMizutaniの、J.Chrom.,168:143-150(1979)(標準蛋白を用い、多孔性制御ガラスとCM−セルロースでの溶離を比較)、Mizutaniの、J.Pharm.Sci.69:1226-1227(1980)(0.2Mグリシン(pH8〜9)および0.1%グリシンを用い、多孔性制御ガラスから抗体を溶離)、およびYipらの、Proc.Natl.Acad.sci.USA,78:1601-1605(1981)(リン酸緩衝液中、塩化ナトリウムとエチレングリコールの混合物を用いてインターフェロン−γを溶離)が挙げられる。
さらに、米国特許文献において、シリカ粒子吸着剤を用いる蛋白および他の分子の精製が、米国特許番号4908432号(1990年3月13日発行)、第5057426号(1991年10月15日発行)、第4777242号(1988年10月11日発行)(シリカガラスビーズに腫瘍壊死因子を吸着させ、緩衝溶液で洗浄し、pH8〜11で低級アルカノール、ポリオール、アミン、またはアミノアルコールで溶離した)、第5004688号(1991年4月2日発行)、第4849434号(1989年7月18日発行)、第5071959号(1991年12月10日発行)、第4652529号(1987年3月24日発行)、第4738926号(1988年4月19日発行)、第4894330号(1990年1月16日発行)、第4199450号(1980年4月22日発行)、第3869482号(1975年3月4日発行)、第3904751号(1975年9月9日発行)、第4725673号(1988年2月16日発行)、第3876775号(1975年4月8日発行)、に記載されている。
本主題に関する外国公開特許文献としては、日本国特許出願第1051097号(1989年2月27日公開)、日本国特許出願第59159753号(1984年9月10日公開)、ドイツ国特許出願第209187号(1984年4月25日公開)、欧州特許第431679号(1991年6月12日公開)、欧州特許出願第337492号(1989年10月18日公開)、ドイツ国特許出願第286721号(1991年2月7日公開)、日本国特許出願第90234692号(1990年9月17日公開)、ドイツ国特許出願第280174号(1990年6月27日公開)、日本国特許出願第51118810号(1976年10月19日公開)、日本国特許出願第73008482号(1970年7月20日に日本国特許出願第7063138号として出願)、日本国特許出願第50116691号(1975年9月12日公開)、日本国特許出願第73019318号(1970年4月17日に日本国特許出願第7033355号として発行)、ドイツ国特許出願第217823号(1985年1月23日公開)、ドイツ国特許出願第298275号(1992年2月13日公開)、FR第2653034号(1991年4月19日公開)、SU第560614号(1977年7月20日公開)、SU第1272227号(1986年11月23日公開)、CS第187815号(1981年12月15日公開)、CS第243336号(1987年5月15日公開)、FR第2600341号(1987年12月24日発行)、KR第9206401号(1992年8月6日公開)、WO第93/00361号(1993年1月7日公開)、およびKR第9000748号(1990年2月15日公開)などが挙げられる。
ChadhaとSulkowski(Prep.Biochem.(前述))は、テトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)を用いて、多孔性制御ガラスから蛋白、具体的にはインターフェロン−γを溶離した先駆者である。彼らは50〜75%エチレングリコール、1M塩化アンモニウム、または1M Tris−HClを用いて部分的にインターフェロン−αを回収したことを開示した。しかし、これらの試薬では他の蛋白も溶離されるため、TMACほど選択的ではなかった。Panら(前述)も参照のこと。TMACを用いる溶離にもいくらかの欠点がある。例えば、TMACは、蛋白であるインスリン様成長因子(IGF−I)に比べて比較的疎水性であり、後の工程でIGF−Iから除去することが困難な他のいくつかの蛋白を溶離する。IGF−Iはゲル濾過、次いでスルホプロピル置換カチオン交換カラムでのイオン交換、次いで緩衝液交換、および第二ゲル濾過工程による分画化によって精製されている。次に、プレパラティブ等電点フォーカシングによりさらに同様の等電点を持つ夾雑物からIGF−Iを分離し、次いで2つの逆相クロマトグラフィー工程を経て純粋なIGF−Iを得た(Cornellらの、Prep.Biochem.,14:123(1984))。多くの工程が関与するため、このプロトコールがあまり効率的ではないことは明白である。
これに代わるIGF−I精製プロトコールでは、リンカーによってプロテインAとIGF−Iを融合させる必要がある。この方法によれば、培養上清をアガロースに結合させたIgGからなるアフィニティーカラムを通過させる。夾雑物はカラムを通過するのに対し、IGF−I融合産物はカラムと結合し、この結合した物質を溶離し、処理してリンカーを除去し、次いでIgG−アガロースを通過させて遊離のプロテインAを除去する。Moksらの、Bio/Technology,5:379-382(1987)、およびSoferの、Bio/Technology,4:712-715(1986)を参照。
IGF−Iは、カチオン交換吸着剤と疎水性相互作用吸着剤を組み合わせて用いる一連の吸着−脱着工程によっても精製されてきた。米国特許第5231178号(1993年7月27日発行)も参照のこと。別のIGF−I精製法には、ヒトIGF−I含有培養ブロスを遠心し、上清を蒸留水で希釈し、得られる溶液をpH5.6に調節し、この溶液を弱陰イオン交換樹脂と10mMリン酸緩衝溶液(pH5.6)に通し、ヒトIGF−I分画を150〜200mM NaCl溶液に溶解させ、次いでこの分画をDE陽イオン交換樹脂と10mM トリス緩衝溶液に通して最終産物を得ることが含まれる。KR第9208377号(1992年9月26日公開)参照。さらに、KR第9208378号(1992年9月26日公開)は、IGF−I含有培養ブロスを陰イオン交換樹脂カラムに通し、このカラムをリン酸緩衝液で洗浄し、次いで塩化ナトリウム含有炭酸ナトリウム溶液に溶解させてIGF−I分画を得、この分画を陽イオン交換樹脂カラムに通し、濃縮し、次いでこの濃縮溶液をゲル濾過カラムに通して最終産物を得ることによるIGF−Iの精製法を開示している。
本発明の目的は、高価でない非誘導シリカ粒子のみを用いて疎水性夾雑物からポリペプチドを精製する一般的な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、シリカ粒子を破壊しないイオン性溶媒および有機溶媒を組み合わせて用い、非誘導シリカ粒子からポリペプチドを選択的に溶離させる方法を提供することである。
本発明の具体的な目的は発酵液からIGF−Iを精製する方法を提供することである。
これらおよび他の目的は、当業者には明らかになるであろう。
本発明の要約
したがって、本発明の1つの目的は、
(a)混合物を非誘導シリカ粒子に通してポリペプチドをシリカ粒子に吸着させ、
(b)シリカ粒子を洗浄して夾雑物を除去し、
(c)アルコール溶媒または極性非プロトン性溶媒、およびアルカリ土類塩、アルカリ金属塩または無機アンモニウム塩を含む緩衝液を用いてシリカ粒子からポリペプチドを溶離する、工程からなる混合物中の疎水性の異なる成分から目的とするポリペプチドを選択的に分離する方法を提供することである。
別の目的として、本発明は、
(a)混合物を非誘導シリカ粒子のカラムに通し、
(b)カラムを緩衝液で洗浄して夾雑物を除去し、
(c)アルコール溶媒または極性非プロトン性溶媒約5〜40%(v/v)、および約0.2〜3Mのアルカリ土類塩、アルカリ金属塩または無機アンモニウム塩を含む緩衝液(約pH5〜8)を用いてカラムからIGF−Iを溶離する、工程からなるIGF−Iを含む混合物からIGF−Iを精製する方法を提供するものである。
図の簡単な説明
図1は、シリカ上で0.1Mリン酸緩衝液(pH7)中のTMACを段階的に増量させて得られた分画のRP−HPLC分析結果を示す。クロマトグラムは上からリン酸塩、0.1M TMAC、0.3M TMAC、0.6M TMAC、0.9M TMAC、1.2M TMAC、1.5M TMAC、および2.0M TMACの順である。0.3M TMACのクロマトグラムの矢印はミス−ホールディングされたモノマーとIGFモノマー(左から右に向かって)を表す。
図2は、シリカ上で0.1Mリン酸緩衝液(pH7)中のNaCl、次いでTMACを段階的に増量させて得られた分画のRP−HPLC分析結果を示す。クロマトグラムは上からリン酸塩、0.1M NaCl、1.2M NaCl、1.5M NaCl、2.0M NaCl,0.1M TMAC、0.3M TMAC、0.6M TMAC、および0.9M TMACの順である。0.1M TMACのクロマトグラムの矢印はミス−ホールディングされたモノマーとIGFモノマー(左から右に向かって)を表す。
図3はシリカからのIGF−Iの溶離に対する溶媒の影響を示す。幅の狭い斜線はイソプロピルアルコール、格子はアセトニトリル、点はメタノール、黒はエタノール、および幅広の斜線はエチレングリコールである。
図4はシリカからのIGF−Iの溶離に対するエタノールとNaClの影響を示す。斜線は0.1M NaCl、格子は0.6M NaCl、および点は1.5M NaClである。
図5はシリカからのIGF−Iの溶離に対するエタノールとNaClの様々な濃度の影響を示す。斜線は棒線の黒部分はTMACであり、斜線部分はエタノールとNaClである。棒線Aは10%エタノールと1.5M NaCl、棒線Bは20%エタノールと0.5M NaCl、棒線Cは20%エタノールおよび1.0M NaCl、および棒線Dは20%エタノールおよび1.5M NaClである。
図6はTMACグラジエントを用いて結合したIGF−Iを溶離するシリカクロマトグラムを示す。実線は吸光度(280nm)で、破線は伝導度である。矢印(左から右に向かって)は、カラムローディング、ローディング後のリン酸塩による洗浄およびTMACグラジエントの開始を示す。溶離中に分画を回収し、RP−HPLCアッセイによってIGF−Iのアッセイを行った。IGF−Iを含む分画をプールした(4.4時間から5.2時間までのTMACプール)。約5.2時間から6.5時間までの示した0.7〜1M TMACの分画をプールした。
図7は20%エタノールで洗浄して夾雑物を除去し、エタノールとNaClを組み合わせて結合IGF−Iを溶離するシリカクロマトグラムを示す。実線は吸光度(280nm)で、破線は伝導度である。矢印(左から右に)は、カラムローディング、ローディング後のリン酸塩による洗浄、20%エタノール洗浄、20%エタノールと1M NaClによる洗浄、リン酸塩による洗浄およびTMACによる再生を示す。溶離中に分画を回収し、RP−HPLCアッセイによってIGF−Iのアッセイを行った。IGF−Iモノマーを含む分画をプールした(EtOH/NaClプール;左から2本目の4.7〜5.4時間の水平ライン)。他のプールはクロマトグラムの吸光ピークに基づいて行い、20%エタノールプール(一番左側の水平ライン)およびTMACプール(左から3本目の水平ライン)が含まれる。
図8はシリカからIGF−Iを溶離するためにTMACグラジエントまたはエタノール/NaClの組み合せのいずれかを用いて得られた分画のRP−HPLC分析の結果を示す。クロマトグラムは上から下に順に、ローディング、フロースルー、リン酸塩洗浄、0.1〜0.7M TMAC、0.7〜1.0M TMAC、20%エタノール、20%エタノール/1M NaCl、およびTMACによる再生である。一番上のクロマトグラムの矢印はIGFモノマーである。
図9はシリカからのIGF−Iの溶離に対するエタノール/NaClの組み合せを用いるTMACグラジエントの影響を比較するSDS−PAGE分析の結果を示す。レーンは左から右に順に、分子量標準品、ローディング、フロースルー、リン酸塩洗浄、TMACプール、TMAC後、20%エタノール、エタノール/NaCl、TMAC再生、およびIGF−Iである。
図10はシリカからIGF結合蛋白−3(IGFBP−3)を溶離するために20mMリン酸塩(pH7)中のエタノールとNaClの組み合せを用いて得られた分画のRP−HPLC分析の結果を示す。上から一番目のクロマトグラムは20%エタノール/1M NaCl(矢印はIGFBP−3を示す)、二番目のクロマトグラムは20%エタノール、三番目のクロマトグラムはフロースルー、および一番下のクロマトグラムはロードである。
好ましい態様の詳細な説明
A.定義
本明細書中で用いている「目的とするポリペプチド」とは、一般にアミノ酸約10個以上のペプチドおよび蛋白をいう。このポリペプチドは宿主細胞とホモロガスであってもよいし、好ましくはエクソジェナス(ポリペプチドがチャイニーズハムスター卵巣細胞もしくは細菌細胞によって産生されるヒト蛋白や、異なる酵母細胞、細菌細胞もしくは哺乳動物細胞によって産生される酵母ポリペプチドのような用いられている宿主細胞とヘトロロガスであること、すなわち、外来性であることを意味する)であってもよい。哺乳動物ポリペプチド(本来哺乳動物から得られたポリペプチド)を用いることが好ましく、それらが培地中に直接分泌されることがより好ましい。
細菌ポリペプチドの例には、例えば、アルカリホスファターゼおよびβ−ラクタマーゼが含まれる。哺乳動物ポリペプチドの例には、例えばレニン、ヒト成長ホルモンを含む成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、上皮小体ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、リポプロテイン、α−1−抗トリプシン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、卵胞刺激ホルモン、カルシトニン、黄体形成ホルモン、グルカゴン、第VIIIC因子、第IX因子、組織因子、およびフォンヴィルブランド因子のような凝集因子、プロテインCのような抗凝固因子、心房ナチュリエティック(naturietic)因子、肺サーファクタント(surfactant)、ウロキナーゼもしくはヒト尿プラスミノーゲン活性化因子、組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)のようなプラスミノーゲン活性化因子、ボンベシン、トロンビン、造血成長因子、腫瘍壊死因子−αおよび−β、エンケファリナーゼ、RANTES(発現および分泌T細胞の正常な活性化を制御)、ヒトマクロファージ炎症蛋白(MIP−1−α)、ヒト血清アルブミンのような血清アルブミン、ミューラー(mullerian)阻害物質、レラキシンA鎖、レラキシンB鎖、プロレラキシン、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、β−ラクタマーゼの様な細菌蛋白、DNアーゼ、インヒビン、アクチビン、血管内皮成長因子(VEGF)、ホルモンもしくは成長因子の受容体、インテグリン、プロテインAもしくはD、リウマチ因子、骨由来神経向性因子(BDNF)、ニューロトロピン−3、−4、−5、または−6(NT−3、NT−4、NT−5、またはNT−6)もしくはNGF−βのような神経成長因子のような神経向性因子、血小板由来成長因子(PDGF)、aFGFおよびbFGFのような線維芽細胞成長因子、上皮成長因子(EGF)、TGF−α、およびTGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、もしくはTGF−β5を含むTGF−βのような形質転換成長因子(TGF)、インスリン様成長因子−Iおよび−II(IGF−IおよびIGF−II)、デス(1−3)−IGF−I(脳IGF−I)、インスリン様成長因子結合蛋白、CD−3、CD−4、CD−8、およびCD−19のようなCD蛋白、エリスロポイエチン、骨誘導因子、イムノトキシン、骨形態形成蛋白(BMP)、インターフェロン−α、−βおよび−γのようなインターフェロン、コロニー刺激因子(CSF)、例えばM−CSF、GM−CSFならびにG−CSF、インターロイキン(IL)、例えばIL−1〜IL−10、スーパーオキサイドジスムターゼ、T細胞受容体、表面膜蛋白、崩壊促進因子、例えばエイズエンベロープの一部の様なウイルス抗原、輸送蛋白、ホーミング受容体、アドレシン、制御蛋白、抗体、および上記ポリペプチドの断片が含まれる。
好ましい目的とするポリペプチドは、最小限度の蛋白分解によって細胞中で容易に産生され、それらの意図する用途のためにグリコシル化する必要のないポリペプチドである。このような哺乳動物ポリペプチドの例には、IGF−I、IGF−II、脳IGF−I、成長ホルモン、レラキシン鎖、成長ホルモン放出因子、インスリン鎖もしくはプロインスリン、ウロキナーゼ、イムノトキシン、NGF、NT−5、RANTES、MIP−1−α、血管内皮細胞成長因子、IGF−I結合蛋白、GH結合蛋白、および抗原が含まれる。特に好ましい哺乳動物ポリペプチドには、IGF−I、脳IGF−I、成長ホルモン、NGF、NT−3、NT−4、NT−5、ならびにNT−5を含むNT−6のようなニューロトロピン、IGF−I結合蛋白、血管内皮成長細胞因子、またはRANTESが含まれる。
本明細書中で用いている「IGF−I」とは、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、および好ましくはヒトを含むあらゆる種由来の、天然配列の、または(デス−1−3−IGF−Iまたは脳IGF−Iのような)変異体型および組換え型のインスリン様成長因子−Iを表す。IGF−Iを製造するための方法がEP128733(1984年12月19日公開)に開示されている。
本明細書中で用いている「疎水性を異にする成分」とは、目的とするポリペプチドを含有する混合物中に含まれる成分をいい、この成分から目的とするポリペプチドが選択的に分離される。これらの成分は目的とするポリペプチドと疎水性が異なる。
本明細書中で用いている「非誘導シリカ粒子」とは、吸着ベッドのような吸着法に使用するシリカゲルとしても知られているはだかのシリカビーズをいう。はだかのシリカは、遊離のヒドロキシル基を持つ、すなわち、ヒドロキシル基と他の成分との化学的結合または反応を含むいかなる方法によっても誘導化または修飾されていないシリカである。
本明細書中で用いている「緩衝液」とは、酸−塩基結合成分の作用によるpHの変化に抵抗する緩衝溶液をいう。
本明細書中で用いている「溶媒」とは、アルコールおよび極性非プロトン性溶媒をいう。アルコールは、アルコールが用語として一般に用いられている意味を表し、好ましくは炭素原子1〜10個のアルコール、より好ましくはメタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、およびエチレングリコールならびにポリエチレングリコール、および最も好ましくはエタノールまたはイソ−プロパノールである。このようなアルコールは、水溶液に加えると、溶液の極性を低下させることによって溶液の疎水性を増大させる溶媒である。極性非プロトン性溶媒には、例えばジメチルスルホオキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトニトリルなどのような分子が含まれ、これらをアルコールの代わりにか、またはアルコールに加えて用いることができる。この中で好ましい溶媒は、メタノール、エタノール、イソ−プロパノール、n−プロパノール、またはアセトニトリルであり、最も好ましくはエタノールである。プロピレングリコールとグリセロールはこの定義から除外される。
本明細書中で用いている用語「アルカリ土類塩、アルカリ金属塩、または無機アンモニウム塩」とは、アルカリ土類元素もしくはアルカリ金属元素のカチオン、またはアンモニウムカチオンを有し、このカチオンがアルカリ土類カチオンもしくはアルカリ金属カチオンである場合は無機または有機(炭化水素主体)アニオンを有し、またカチオンがアンモニウムカチオン、例えばTMACの場合の様に、アンモニウムがアニオンと共有結合していない場合は無機アニオンを有する塩をいう。このような塩の例には、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、リン酸マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムなどが含まれる。この内好ましい塩はクロリドまたはサルフェートである。この内最も好ましい塩は塩化ナトリウムである。
B.本発明の実施方法
混合物中のポリペプチドを他の成分と分けるための本発明の方法には、3つの基本的な工程がある。最初に、混合物を非誘導シリカ粒子に通し、ポリペプチドをシリカ粒子に吸着させる。これによりポリペプチドはシリカに吸着する。シリカはいかなる適切なポアサイズ(平均直径)であってもよいが、一般的なポアサイズの範囲は約200〜1500Å、好ましくは約200〜1000Å、より好ましくは約225Åである。シリカの粒子サイズは、一般に約30〜130ミクロンの範囲である。目的とするポリペプチドは保持される。したがって、夾雑物(通常夾雑蛋白または夾雑ポリペプチド)である混合物の他の成分は簡単に洗浄除去することができる。
シリカ粒子上へのポリペプチドの吸着はクロマトグラフィーによるか、または非クロマトグラフィー的なバッチ法によって行うことができる。クロマトグラフィーによる吸着は混合物をカラムクロマトグラフィー装置中のシリカ粒子ベッドに通すことによって行われる。典型的には、混合物約1Lを、シリカ粒子約50mL(乾燥重量約20g)を含むカラム装置に流速約20カラム容積(CV)/時で流す。
通常、シリカへの非クロマトグラフィー的吸着は、混合物を適切な容器、例えば密封できるガラス容器中でシリカ粒子と混合することによって行われる。好ましい方法は、カラス瓶中の混合物約1Lにシリカ粒子約300mLを加え、一定速度で混合しながらインキュベーションする。種々の時間と温度が適用可能であるが、好ましくは吸着を約4〜8℃で約1.5時間続ける。
本方法の第二工程では、シリカ粒子を洗浄して夾雑物を除去する。未吸着物質を含まないシリカの洗浄はクロマトグラフィーを行わずに行うか、またはシリカを既述のごとくカラム装置に注入してクロマトグラフィー的に吸着させることができる。バッチ法的洗浄は混合物をシリカから排出させ、シリカに吸着した目的とするポリペプチドを放出させない緩衝液の数倍量を加えて行われる。好ましい緩衝液はpH約5〜8であり、より好ましくはリン酸緩衝液であり、また洗浄を行うための好ましい溶媒は、上記の定義のごとくアルコールであり、より好ましくはエタノールである。最も好ましい洗浄用溶媒はpH7のリン酸緩衝液中の約20%(v/v)エタノールである。
ポリペプチドが吸着したシリカのクロマトグラフィーによる洗浄は、洗浄が完結するまで約10〜20CV/時の流速でシリカに緩衝液を含む溶媒を通すことによって行う。なお、洗浄の完結は通常の方法で測定することができる。
第三工程では、目的とするポリペプチドを、洗浄したシリカから緩衝溶液を用いて溶離する。緩衝液の第一に重要な成分は、例えばポリペプチドおよび溶媒の種類によって、溶液中の濃度が約5〜40%(v/v)、好ましくは10〜30%(v/v)のアルコール溶媒または極性非プロトン性溶媒である。
本緩衝液の次に重要な成分は、アルカリ土類塩、アルカリ金属塩、または無機アンモニウム塩であり、これらは主として使用する溶媒濃度とアルカリ土類塩、アルカリ金属塩、または無機アンモニウム塩の種類に応じて、約0.2〜3M、好ましくは0.5〜2Mの濃度で存在する。例えば、カチオンがナトリウム、カリウム、またはアンモニウムの場合は濃度は約0.5〜3Mであるが、カチオンがマグネシウムの場合は濃度は約0.2〜1Mである。好ましくは、緩衝液はpHが約5〜8であり、最も好ましくはpH7のリン酸緩衝液である。最も好ましくは、溶媒は約20%(v/v)の濃度のエタノールであり、塩はpH7のリン酸緩衝液中の約1Mの濃度の塩化ナトリウムである。
目的とするポリペプチドの脱着は広範囲にわたって上昇させた温度で促進することができる。おおよそ室温で脱着することが好ましい。
通常、溶離したポリペプチドを濃縮するのが望ましい。好ましい方法では、適切なサイズの分子量を除去する限外濾過システムを用いて溶出液を濃縮する。限外濾過後の残留液は所望によりミクロフィルトレーションまたは他の方法によって滅菌することができる。
ポリペプチドが組換えによって作られている場合は、所望のポリペプチドをコードするDNAを発現させるのに適した宿主細胞は、前核生物細胞、酵母細胞、またはより高等な真核生物細胞である。この目的に適した前核生物には、始原細菌およびユーバクテリアのような細菌が含まれる。好ましい細菌は、例えばEscherichia(例えばE.coli)、Enterobacter、Erwinia、Klebsiella、Proteus、Salmonella(例えばSalmonella typhimurium)、ならびにSerratia(例えばSerratia marcescans)のようなEnterobacteriaceae、B.sutilisならびにB.licheniformis(例えば、DD266710(1989年4月12日公開)に開示されているB.licheniformis 41P)のようなBacillus、P.aeruginosaのようなPseudomonas、Streptomyces、Azotobactor、Rhizobia、Vitreoscilla、およびParacoccusのようなグラム陰性菌またはグラム陽性菌のようなユーバクテリアである。適切なE.coli宿主にはE.coli W3110(ATCC 27325)、E.coli 294(ATCC 31446)、E.coli B、およびE.coli X1776(ATCC 31537)が含まれる。これらの例は例示的なものであって制限を与えるものではない。
上記の細菌のいかなる突然変異細胞も使用することができる。もちろん、細菌細胞内のレプリコンの複製能を考慮して適切な細菌を選択する必要がある。例えば、レプリコンを提供するのにpBR322、pBR325、pACYA177、またはpKN410のようなよく知られたプラスミドを用いる場合は、E.coli、Serratia、またはSalmonella種を適切に使用することができる。
E.coli W3110株は、組換えDNA産物発酵における共通の宿主株であるため、好ましい宿主または親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最小量の蛋白分解酵素を分泌する。例えば、W3110株を修飾することにより、宿主内在性の蛋白をコードする遺伝子中に遺伝的突然変異を起こすことができるが、そのような宿主の例には完全遺伝型tonAΔを持つE.coli W3110 1A2株、完全遺伝型tonAΔ ptr3を持つE.coli W3110 9E4株、完全遺伝型tonAΔ ptr3 phoAΔE15 Δ(argF-lac)169ΔdegP ΔompT kanrを持つE.coli W3110 27C7株(ATCC 55244)、完全遺伝型tonA ptr3 phoAΔE15 Δ(argF-lac)169 ΔdegP ΔompT Δrbs7 ilvG kanrを持つE.coli W3110 37D6株、非カナマイシン耐性degP欠失突然変異を持つ37D6株であるE.coli W3110 40B4株、および米国特許第4946783号(1990年8月7日発行)に開示されている突然変異体ペリプラスミックプロテアーゼを持つE.coli株が含まれる。
前核生物に加え、糸状菌または酵母のような真核生物微生物は、ポリペプチドをコードするベクターの適切な発現宿主である。Saccharomyces cerevisiae、すなわち通常のパン酵母が、低級な真核生物宿主微生物の中で最も一般的に用いられる。しかし、Schizoasccharomyces pombe(BeachおよびNurseの、Nature,290:140(1981)、EP139383(1985年5月2日公開)、例えばK.lactis(MW98-8C、CBS683、CBS4574、Louvencourtらの、J.Bacteriol.,737(1983))、K.fragilis(ATCC 12424)、K.bulgaricus(ATCC 16045)、K.wickeramii(ATCC 24178)、K.waltii(ATCC 56500)、K.drosophilarum(ATCC 36906、Van den Bergらの、Bio/Technology,8:135(1990)、K.thermotolerans、ならびにK.marxianusのようなKluyveromyces宿主(米国特許第4943529号、Fleerらの、Bio/Technology,9:968-975(1991)、yarrowia(EP402226)、Pichia pastoris(EP183070、Sreekrishnaらの、J.Basic Microbiol.,28:265-278(1988)、Candida、Trichoderma reesia(EP244234)、Neurospora crassa(Caseらの、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,76:5259-5263(1979))、Schwanniomyces occidentalis(EP 394538(1990年8月31日公開))のようなSchwanniomyces、例えばNeurospora、Penicillium、Tolypocladium(WO 91/00357、1991年1月10日公開)、ならびにA.nidulans(Ballanceらの、Biochem.Biophys.Res.Commun.,112:284-289(1983))、Tilburnらの、Gene,26:205-221(1983)、Yeltonらの、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:1470-1474(1984))、ならびにA.niger(KellyおよびHynesの、EMBO J.,4:475-479(1985))のようなAspergillus宿主といった糸状菌のような他の多くの属、種、および株が一般に利用でき、本発明において有用である。
所望のポリペプチドをコードするDNAを発現させるのに適した適切な宿主細胞は、多細胞生物からも誘導することができる。そのような宿主細胞は複雑なプロセッシング活性とグリコシル化活性を示し得る。原則として、脊椎生物培養でも無脊椎生物培養でも、いかなる高等真核生物細胞培養も適切である。無脊椎生物細胞の例には植物細胞および昆虫細胞が含まれる。多くのバクロウイルス株と変種、およびそれに対応するSpodoptera frugiperda(毛虫)、Aedes aegypti(蚊)、Aedes albopictus(蚊)、Drosophila melanogaster(ショウジョウバエ)、およびBombyx moriのような宿主由来の複製可能な昆虫宿主細胞が確認されている。例えば、Luckowらの、Bio/Techonlogy,6:47-55(1988)、Millerらの、Genetic Engineering(Setlow J.K.ら編)、8巻(Plenum Publishing,1986),277-279頁、およびMaedaらの、Nature,315:592-594(1985)参照。トランスフェクションには様々なウイルス株例えば、Autographa californica NPVのL−1変種およびBombyx mori NPVのBm-5株が公に利用可能であり、そのようなウイルスは本発明において、特にSpodoptera frugiperda細胞をトランスフェクションするためのウイルスとして使用してもよい。
綿、トウモロコシ、ジャガイモ、大豆、ペチュニア、トマト、およびタバコの植物細胞培養を宿主として利用できる。典型的には、植物細胞は、所望のポリペプチドをコードするDNAを得るために予め操作された細菌のAgrobacterium tumefaciensのある株とインキュベーションすることによってトランスフェクションされる。植物細胞培養とA.tumefaciensとのインキュベーション中に所望のポリペプチドをコードするDNAは植物細胞宿主に伝達され、植物細胞宿主はトランスフェクションされ、適切な条件下で所望のポリペプチドをコードするDNAを発現する。さらに、ノパリン合成酵素プロモーターおよびポリアデニル化シグナル配列のような植物細胞と互換性のある制御配列およびシグナル配列も利用できる(Depickerらの、J.Mol.Appl.Gen.,1:561(1982))。さらに、T−DNA 780遺伝子の上流領域から分離されたDNA部分は組換えDNAを含む植物組織中の植物で発現し得る遺伝子を活性化するか、またはその遺伝子の転写レベルを増大させることができる(EP 321196、1989年6月21日公開)。
有用な哺乳動物宿主細胞系の例としては、SV−40(COS-7、ATCC CRL 1651)で形質転換されたサル腎CV1系、ヒト胎児腎系(293すなわち浮遊細胞中で増殖するサブクローンの293細胞)、乳飲みハムスター腎細胞(BHK ATCC CCL 10)、チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO)、マウスセリトリー細胞(TM4)、サル腎細胞(CV1、ATCC CCL 70)、アフリカミドリザル腎細胞(VERO-76、ATCC CRL-1587)、ヒト子宮頚癌細胞(HELA、ATCC CCL 2)、イヌ腎細胞(MDCK、ATCC CCL 34)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A、ATCC CRL 1442)、ヒト肺細胞(W138、ATCC CCL 75)、ヒト肝細胞(Hep G2、HB 8065)、マウス乳癌細胞(MMT 060562、ATCC CCL51)、TRI細胞(Matherらの、Annals N.Y.Acad.Sci.,383:44-68(1982)、MRC 5細胞、FS4細胞、およびヒト肝細胞癌系(Hep G2)がある。
宿主細胞を、本発明の上記の発現ベクターか、またはクローニングベクターでトランスフェクションし、好ましくは形質転換し、次いでプロモーターを誘発させるか、形質転換体を選択するか、または所望の配列をコードする遺伝子を増幅させるのに適するように改良した通常の栄養培地中で培養する。
トランスフェクションとは、実際に何等かのコード配列が発現されているいないに関わらず、宿主細胞が発現ベクターを取り込むことをいう。多くのトランスフェクション法、例えばCaPO4およびエレクトロポーレーションが当業者に知られている。一般に、このベクターのオペレーションの証が宿主細胞中が見られたらトランスフェクションの成功が確認される。
形質転換とは、DNAを生体内に導入し、DNAを染色体外要素としてか、染色体要素によって複製可能にすることをいう。使用する宿主細胞に応じて、形質転換はそのような細胞に適切な標準技術を用いて行われる。Sambrookらの、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(New York: Cold Spring Harbor Laboratory Press、1989)の1.82項に記載の塩化カルシウムを用いるカルシウム処理、またはエレクトロポーレーションは、一般的に、前核生物または実質的な細胞壁バリアーを含む他の細胞において用いられる。Agrobacterium tumefaciensによる感染は、Shawらの、Gene,23:315(1983)およびWO 89/05859(1989年6月29日公開)に記載のある植物細胞を形質転換するために用いられる。さらに、植物はWO 91/00358(1991年1月10日公開)に記載の超音波処理を用いて形質転換することができる。
そのような細胞壁を持たない哺乳動物細胞では、GrahamおよびVan der EbのVirology,52:456-457(1978)のリン酸カルシウム沈澱法が好ましい。哺乳動物細胞宿主系形質転換の一般的態様は、Axelが米国特許第4399216号(1983年8月16日発行)で開示している。典型的には、酵母中への形質転換はVan Solingenらの、J.Bact.,130:946(1977)およびHsiaoらの、Proc.Natl.Acad.Sci(USA),76:3829(1979)に記載の方法に従って行われる。しかし、核マイクロインジェクション、エレクトロポーレーション、完全細胞との細菌のプロトプラスト融合、またはポリカチオン、例えばポリブレンおよびポリオルニチンなど、によるような細胞中にDNAを導入するための他の方法も用いることができる。哺乳動物細胞を形質転換するための様々な技術については、Keownらの、Methods in Enzymology(1990),Vol.185,527-537頁、およびMansourらの、Nature,336:348-352(1988)を参照。
前核細胞を用い、本発明の方法に従って目的とするポリペプチドを産生する場合は、前核細胞を、プロモーターが構成的にまたは人工的に誘導され得る適切な培地で培養する。これについては、例えば、Sambrookらの、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press,NY,1989)に総括的に記載されている。適切な培地の例は、下記の実施例の項で示す。
炭素、窒素、および無機リン酸塩源のほかにいかなる必要な添加物も、適切な濃度で、単独でか、複合窒素源のような他の添加物質や培地との混合物として含まれていてもよい。
哺乳動物宿主細胞を用いて本発明のポリペプチドを産生する場合は、哺乳動物宿主細胞を様々な培地中で培養することができる。HamのF10(Sigma)、最小基礎培地((MEM)、Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、Dulbeccoの改良Eagle培地(DMEM)、Sigma)のような市販の培地が宿主細胞の培養に適している。さらに、HamおよびWallaceの、Meth.Enz.,58:44(1979)、BarnesおよびSatoの、Anal.Biochem.,102:255(1980)、米国特許第4767704、4657866、4927762、5122469、または4560655号、WO 90/03430、WO 87/00195、または米国再発行特許第30985号に記載のいかなる培地も宿主細胞の培地として使用できる。これらの培地のいずれにも必要に応じてホルモンおよび/または他の成長因子(インスリン、トランスフェリンまたは上皮成長因子など)、塩(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸塩など)、緩衝液(HEPESなど)、ヌクレオシド(アデノシンおよびチミジンなど)、抗体(GentamycinTM薬など)、微量元素(通常ミリモルの範囲の最終濃度で存在する無機化合物をいう)、およびグルコースまたは同等のエネルギー源を添加してもよい。いかなる他の必要な添加物も当業者に知られた適切な濃度で含むことができる。温度およびpHなどのような培養条件は、発現のために選ばれた宿主細胞に既に用いられている以前の条件であり、当業者には明らかであろう。
in vitroでの哺乳動物細胞培養の生産性を最大にするための原理、プロトコールおよび実用的技術は、Mammalian Cell Biotechnology:A Practical Approach,M.Butler編(Oxford Univesity PressでIRL Press、Oxford,1991)に総括的に記載されている。
上記方法は、ポリペプチドが細胞内にか、ペリプラスミック空間中にか、または培地中に直接分泌されるいずれの場合にも用いることができる。ポリペプチドを分離するための本明細書中に示した好ましい条件は、培地中に直接分泌される条件である。
以下に、本発明のシリカ工程後に、更に高純度を得るための適切な精製法を例示する:イムノアフィニティまたはイオン交換カラムによる分画化、エタノール沈澱、逆相PHLC、疎水性相互作用クロマトグラフィー、S-セファロースおよびDEAEのようなイオン交換樹脂によるクロマトグラフィー、クロマトフォーカシング、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈澱、および例えばセファデックスG-75を用いるゲル濾過。
本発明は以下の実施例の内容によってさらに完全に理解できよう。ただし、これらは単に本発明の例示であって、本発明の範囲を制限するものではない。すべての文献および特許文献は本明細書の一部を構成する。
実施例I
発酵ブロスからのIGF−Iの回収
A.カラム調製
乾燥シリカ包装物(W.R. GraceのDavison Chemical Divisionから得たgrade 653)の1容量を水5〜10容量に懸濁し(2回)、微細物を除去する。水2容量に対し樹脂約1容量のスラリーを適切な大きさのガラスカラムに移した。ベッドの長さが一定になるまで水でベッドを平衡化する。次に、上端のフローアダプターを充填したベッドの上に置き、カラムに水を流速20〜40CV/時で流して平衡化した。適切なベースラインに達したら、カラムは使用準備完了とした。一般的には、水を合計3CV用い、均一に充填されたベッドを作製した。カラム直径は1×12.8cm(ベッドボリューム10mL)であった。特に示さない限り、以下の工程はすべて室温で行った。
B.試料調製およびローディング
本実施例に記載の発酵物中の組換えヒトIGF−Iを製造するのに使用した宿主は、E.coli W3110の誘導株である27C7であった。27C7の完全な遺伝型は、WO 93/11240(1993年6月10日公開)に記載のごとくtonA ptr3 phoAΔE15 Δ(argF-lac)169ΔdegP ΔompT kanrである。27C7株はAmerican Type Culture CollectionにATCC 55244として寄託された。
本実施例で用いた分泌プラスミドpLS32TscはIGF−I遺伝子を含んでいる。
E.coli中のIGF−I遺伝子の発現に必要な転写配列および翻訳配列は、アルカリホスファターゼプロモーターおよびtrp シャイン−ダルガーノ配列によって与えられる。Δt0転写ターミネーターはIGF−I終止コドンの近傍に位置している。細胞質からの蛋白分泌は1amBシグナル配列か、またはSTIIシグナル配列によって導かれる。IGF−Iの大部分は細胞のペリプラスミック空間に認められる。プラスミドpLS32TSCは形質転換宿主にテトラサイクリン耐性をもたらす。
プラスミドpLS32Tscは、プラスミドpLS32、pAPlamB、pLS321amB、pLS331amB、およびpLS33Tscを中間体に用いるいくつかの工程を経て構築された(前述のWO 93/11240に詳細に開示)。形質転換体は標準的形質転換技術によって得られ、テトラサイクリン20mg/Lを含むLBプレート上で選別し、純化した。この培地の組成は以下の通りである:Bacto-Trypton10g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/L、テトラサイクリン−HCl 20mg/L、および寒天15g/L。
E.coli 27C7/pLS32Tscを用いる直接分泌法によってIGF−Iを製造するための発酵法は10〜約1000Lの範囲のバッチ中で行った。テトラサイクリン20mg/Lを含む無菌LBブロスに新たに解凍した保存培養を接種することによって振盪フラスコを調製した。この振盪フラスコを35〜39℃、50〜250rpmで7〜12時間インキュベーションした。この振盪フラスコを用いて、生産培地を用いて10L培養器内で増殖させる二次接種物培地に接種した。この二次培養は550nmの吸光度が20〜35に達するまで35〜39℃で培養した。次に、この培養物を用いて1000L生産ブロスに接種した。すべての接種物の量は培地の初期量の0.1%〜10%であった。
培地の組成は以下の通りである。すべての培地成分は加熱処理または濾過によって滅菌された。
成分 量/L
グルコース* 10〜300g
硫酸アンモニウム 2〜6g
リン酸ナトリウム、1塩基2水和物 1〜5g
リン酸カリウム、2塩基 1〜5g
クエン酸ナトリウム、2水和物 0.5〜5g
塩化カリウム 0.5〜5g
硫酸マグネシウム、7水和物 0.5〜5g
Pluronic Polyol、L61 0.1〜2mL
塩化第二鉄、7水和物 10〜100mg
硫酸亜鉛、7水和物 0.1〜10mg
塩化コバルト、7水和物 0.1〜10mg
モリブデン酸ナトリウム、2水和物 0.1〜10mg
硫酸第二銅、5水和物 0.1〜10mg
ホウ酸 0.1〜10mg
硫酸マンガン、1水和物 0.1〜10mg
テトラサイクリン 5〜30mg
酵母エキス** 5〜15g
NZアミンAS** 5〜15g
メチオニン** 0〜5g
水酸化アンモニウム pH調節に必要な量
硫酸 pH調節に必要な量
*グルコースの一部を最初に培地に加え、残りを発酵中を通して供給した。
**これらの成分は発酵中を通して供給することができる。
発酵方法は、35〜39℃およびpH7.0〜7.8で行った。かくはん速度は200〜800rpmに調節し、通気速度は1分間に培養1容あたり空気0.5〜2.0容であった。培地中のリン酸塩が枯渇したとき、IGF−Iの産生が起きた。発酵を25〜35時間続けた後、培養を冷却し、回収を行った。培養物の不活化は、連続フロー装置を用い、60〜70℃および流速15〜25L/分で加熱処理するか、または60〜70℃で5〜15分間タンク内で加熱不活化(10L規模)することによって行った。加熱不活化した培養物をAX Alpha-lavel遠心器またはそれと同等の遠心器を用いて遠心し、次いで上清を深いフィルターを通して浄化した。浄化した発酵ブロスをさらにプロセッシングするために保存し、細胞は捨てた。
浄化したブロスを流速20〜40CV/時で、シリカカラムに直接いれた(ロード)。ロードした総量は40CVであった。ローディング中にブロス中に存在する着色した物質のほとんどが、視覚観察においてカラムを素通りした。HPLCまたはSDS−PAGEによってカラムからの流出物を分析したところ、ローディング中にIGF−Iの損失がないことが示された。
C.TMACによる洗浄と溶離
試料をローディングした後、UVトレースがベースラインに戻るまでカラムを0.01Mリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した。この時点で、充填したベッドはまだ暗褐色であり、まだかなりの量の発酵成分がカラムに結合していることが示された。次に、0.1Mリン酸塩(pH7)中のTMACを段階的に増量してカラムの溶出を行った。リン酸塩による洗浄およびそれに続くすべての洗浄の速度は、約5CV/時であった。各TMAC洗浄物の部分標本を0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)中の29%アセトニトリルで平衡化した0.46×25cm Vydac C−18(5μ/300Å)RP−HPLCカラムで分析した。0.1%TFA中の29〜30%アセトニトリルの直線グラジエントを用い、30分間かけてIGF−Iを溶離した。次に、0.1%TFA中の60%アセトニトリルで5分間カラムを再生した後、再平衡化した。これらの分析では0.5mL/分の一定流速とし、インジェクション間の合計時間は45分であった。このアッセイにおいて約31分に溶離するIGF−Iモノマー(図1)は0.3M TMACで溶離し始めた。すべてのIGF−Iは0.9M TMAC工程後に溶離した。
残念なことに、TMAC溶離工程も、続くIGF−Iの精製を妨げる望ましくない夾雑蛋白をかなりの量含んでいた。グラジエント溶離も試みたが、夾雑蛋白に対するIGF−Iの純度は改善しなかった。したがって、シリカ溶離プールの純度を改善する為に、TMAC緩衝液で溶離する前の種々の洗浄工程の効果を試験した。
実施例II
シリカ溶離に対するNaClの影響
シリカカラムとロード条件は実施例Iに記載の通りであった。0.1Mリン酸緩衝液で洗浄した後、カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)中の0.1〜2M NaClを含む緩衝液を4−CVに増量して洗浄した。次に、0.1Mリン酸塩(pH7)中のTMACを段階的に増量してカラムを溶出した。実施例Iの記載に従ったこれらの分画のHPLC分析結果は図2を示す。NaClを増量してもIGF−Iの溶離、またはTMACによる溶離前の夾雑物の除去に対する効果はなかった。2M NaCl緩衝液の伝導度は1M TMACより高いため、2M NaClでもいかなるIGF−Iまたは夾雑蛋白の除去にも効果がなかったことに注目することは重要である。したがって、TMACを、シリカに結合した蛋白の有効な溶離剤たらしめているのは単にイオン強度だけではない。TMACの溶離力はそのイオン特性と溶媒特性によるので、TMACの溶離能力はイオン強度と溶媒強度の相互作用に依存するはずである。
実施例III
シリカ溶離における溶媒の影響
シリカからのIGF−Iの溶離における様々な溶媒の影響について検討した。これらの実験では、実施例Iに記載のごとくIGF−Iを含む発酵ブロスをシリカカラムにロードした。0.1Mリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した後、0.1Mリン酸塩(pH7)中の溶媒を5、10、20、または30%(v/v)に増加させて5ベッド容量でカラムを洗浄した。次に、30%溶媒+1M NaClで洗浄を行い、NaClを含むことがIGF−Iを溶離するのに遊離であるかについて検討した。最後に、0.1Mリン酸塩(pH7)中の1M TMACを含む緩衝液を用いて、溶媒で洗浄した後にまだカラムに疎水性蛋白が残留しているかについて検討した。試験した溶媒には、イソプロパノール、エチレングリコール、メタノール、エタノール、アセトニトリル、プロピレングリコール、およびグリセロールが含まれる。すべての試料は、実施例Iに記載のRP−HPLCアッセイによるIGF−Iの分析を行った。この試験の結果は図3にまとめている。
一般的に、プロピレングリコールとグリセロールを除くすべての溶媒がシリカに結合したIGF−Iを溶離するのに有効であった。これら2種類の溶媒で洗浄してもIGF−Iは回収されなかった。プロピレングリコールとグリセロールから得られるHPLCクロマトグラムは、これらの溶媒がIGF−Iと相互作用することによって、カラムの再生工程中に溶離される、より疎水性の高い蛋白としての挙動を示すことを示唆した。したがって、プロピレングリコールとグリセロールはもはやシリカからIGF−Iを溶離するのに適した溶媒とは考えられなかった。
他の溶媒の溶離力は2つのグループに分けることができた。イソプロパノールとアセトニトリルは強力な溶離剤と思われたが、有意な量のIGF−Iを回収するにはなお30%の溶媒が必要であった。エチレングリコール、メタノール、およびエタノールは、結合IGF−Iを溶離するために30%溶媒に1M NaClを添加することが必要な弱い溶離剤であった。NaClを添加することにより、強い溶媒であるイソプロパノールおよびアセトニトリルによるIGF−Iの溶離も促進された。他の溶媒に対するエタノールの相対的なコスト、有用性、および安全性の点から、シリカからのIGF−Iの溶離において好ましい効果を示すエタノールと塩の組み合せについてさらに検討を行った。
実施例IV
シリカ溶離に対するエタノールとNaClの影響
エタノールとNaClの組み合せは、各成分を別々に増量したものについて検討した。実施例Iの記載のごとく3本のシリカカラムを調製し、ロードした。ローディング後、各カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した。次に、カラムを0.1、0.6、または1.5M NaCl+0〜30%エタノール(5%ずつ増量)のいずれかを含むリン酸緩衝液4CVで洗浄した。30%エタノール+NaCl工程の終了時に、カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)中の1M TMAC 4CVで再生し、すべてのIGF−Iが溶離されたことを確認した。
これらの溶離液のHPLC分析の結果を図4に示す。各カラムで見られる傾向は同様である。IGF−Iを完全に除去するために、低濃度のNaClでは、高濃度のエタノールが必要であった。事実、0.1M NaClと30%エタノールによってかなりの量のIGF−Iが溶離された。しかし、エタノール濃度を上昇させることによって、IGF−I溶離プロフィールはより低い塩濃度で溶離が高まるようにシフトした。カラムをTMACで再生してもさらにIGF−Iが除去されなかったことから、NaClとエタノールのこれら濃度は樹脂からIGF−Iをすべて除去するのに有効であった。各処理におけるIGF−Iの回収率は各カラムに流した全量の>97%であった。エタノール量を3本のカラムで一定(10、20、または30%)とし、0〜2M NaClの増量を検討した他の実験において同様の傾向が得られた。
実施例V
IGF−Iの溶離における好ましいエタノールおよびNaCl濃度の検討
充填したベッドが5mLである以外は実施例Iの記載に従って4本のシリカカラムを調製した。IGF−Iモノマー約10mgを含む浄化した発酵ブロスを各カラムに流した。0.1Mリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した後、0.1Mリン酸緩衝液(pH7)中の以下の成分約4CVでカラムを洗浄し、溶離した。この再生工程における溶媒とNaClの影響を減少させるために、TMAC処理前に各カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した。
A.10%エタノール、10%エタノール+1.5M NaCl、1M TMAC
B.0.5M NaCl、20%エタノール+0.5M NaCl、1M TMAC
C.20%エタノール、20%エタノール+1.0M NaCl、1M TMAC
D.1.5M NaCl、20%エタノール+1.5M NaCl、1M TMAC
エタノールとNaClの各組み合せの終了時にTMAC洗浄を行い、溶離緩衝液処理後にシリカに結合したIGF−Iを除去した。IGF−Iの除去に加えて、TMACはシリカに結合している多くの疎水性蛋白を非特異的に溶離した。したがって、TMACによる溶離ではエタノールとNaClの組み合せを用いる場合に比べて有意に純度が低かった。この試験の結果は図5にまとめている。それぞれの場合において、これらのすべての条件から得られるIGF−Iの回収量は同様であった(10〜10.5mg)。しかし、IGF−Iの最も特異的な溶離は、20%エタノールと1または1.5M NaCl(条件CまたはD)を用いて得られた。これらの条件を用いてIGF−I約95%が得られた。NaCl濃度が0.5M(B)に低下するとIGF−Iの溶離は不完全となった(80%回収)。しかし、エタノールが減少し、NaClが増加するとIGF−Iの回収により激烈な影響がみられた(A)。溶離前の洗浄工程はIGF−Iを除去しなかったが、様々な量の疎水性夾雑物を除去した。したがって、20%エタノールと1M NaClからの溶離物プールは1.5M NaCl/20%エタノールから得られるものよりわずかに純度が高かった。これらの研究の目的はシリカから最高の回収率で最高純度のIGF−Iを得ることであるから、最も強力な溶離条件は20%エタノール/1M NaClの組み合せであった。この特定の組み合せは、シリカに結合したIGF−Iを溶離するための約5%エタノールと0.5M NaClの緩衝液調製物のセイフティウインドゥとなるので、この条件を選択した。
実施例VI
TMAC対EtOH/NaCl溶離の比較
実施例Iの記載にしたがって2本のシリカカラムを調製した。IGF−I約20mgを含む浄化した発酵ブロスを各カラムにロードした。TMACグラジエント溶離を示すクロマトグラムは図6に示す。20mMリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した後、1本のカラムを20mMリン酸緩衝液(pH7)中の0〜1MTACの直線グラジエントで溶離した。全グラジエントは10CVで流速は約5CV/時であった。グラジエントの終了時にカラムを緩衝液中の1M TMAC 5CVでさらに洗浄し、さらに蛋白が溶離しないことを確認した。エタノールとNaClの組み合せを用いるシリカクロマトグラムを図7に示す。上記のごとくこのカラムにロードし、洗浄した後、2本目のカラムを以下の成分を含む20mMリン酸緩衝液5CVを用い5CV/時の速度で溶離した。
A.20%エタノール
B.20%エタノール+1.0M NaCl
C.添加せず
D.1M TMAC
TMACカラム再生に対するエタノールと塩の影響を最小限にするため工程Cに洗浄を含めた。分画約5mLを、両カラムの溶離プロフィールにしたがって回収した。IGF−Iを含む分画を各カラムから一緒にプールした。他のプールは各カラムのクロマトグラムに基づいて行った。
図8はこれらのカラムからプールした分画のRP−HPLC分析結果を示す。0.1%TFA緩衝液中の29%アセトニトリルで平衡化した0.46×25cm Vydac C−18(5μ/300Å)RP−HPLCカラムを用いて試料の分析を行った。蛋白の溶離は、0.1%TFA緩衝液中の29−30%アセトニトリルの直線グラジエントで10分間、次いで30−40%アセトニトリルのグラジエントで5分間行った。再生する前に、カラムを0.1%TFA中の60%アセトニトリルで再生した。インジェクション間の総時間は20分間で、分析を通して流速は2mL/分とした。
両方の場合とも、シリカプール中に定量できる量のIGF−Iモノマーが得られたが、これらの2つの方法によって得られたIGF−Iプールの純度は異なっていた。TMACグラジエントの間に、IGF−Iは約0.1〜0.7M TMACで溶離した。さらにTMACを加えてもIGF−Iは溶離しなかったが、主としてIGF−Iより疎水性の他の蛋白が溶離し、RP−HPLC分析で11.5分後に溶離した(IGF−Iモノマーはこのアッセイで約7.3分で溶離した)。TMACはグラジエントモードで用いた場合でも、シリカに結合したIGF−Iを特異的に除去するのに有益でなかったことは注目に値する。
他方、リン酸緩衝液(pH7)中の20%エタノールによる洗浄によって有意な量の夾雑蛋白が除去された。エタノール洗浄後、エタノールと塩の組み合せによって、より特異的にIGF−Iが溶離された。総蛋白に対するIGF−Iモノマーの比は、エタノール/NaClプールにおいて、約20%大きかった(表I)。
Figure 0003843373
SDS−PAGEによるこれらの試料の分析結果もTMACプールに比べてエタノール/NaClプールにおける純度が有意に改善されていることを示した(図9)。試料(各0.6mL)を50%トリクロロ酢酸(TCA)と混合し、TCAの最終濃度が20%となるようにした。氷上で20分間インキュベーションし、次いで試料を10000×gで遠心して上清を除去した。ペレットを95%氷冷アセトン0.5mLで2回洗浄し、遠心して上清を上記のごとく除去した。ペレットを約5分間風乾した後、ペレットを、1%β−メルカプトエタノールを含むLaemmli試料緩衝液で最初の試料の容量に再懸濁し、100℃で3〜5分間加熱した。IGF−I約10μgを含む対照もTCA試料処理に含めた。各試料10μLをプレキャスト10−20%アクリルアミドグラジエントゲル(Daiichi)にロードし、Tris−Tricine泳動緩衝液を用い、30mAで約1.5時間泳動した(SchaggerおよびVon Jagowの、Anal.Biochem.,166:368(1987))。次に、40%メタノールおよび10%酢酸中の0.1%クーマシーブリリアントブルーR−250を用いて約1.5時間ゲルを染色した。40%メタノールおよび10%酢酸を数回交換しながら脱色した。レシプロシェーカーを用いてゲルの染色と脱色を促進した。
レーン中の主要な蛋白バンドはIGF−I参照標準品と共に移動したが、RP−HPLC分析結果(図8)から、TMACプールとEtOH/NaClプールのみがIGF−IモノマーまたはミスホルーディングされたIGF−Iを含んでいた。如何なる理論にも制限されることなく、このことは多くのより疎水性の蛋白(RP−HPLCアッセイで11.5分後に溶離)は、還元されると本物のIGF−Iモノマーと一緒に移動するIGF−I凝集物であることを示唆している。TMACプールとEtOH/NaClプールとの比較から、EtOH/NaClプールの純度が改善されることがわかる。エタノール/NaClで溶離したカラムをTMACで再生することによって、TMACグラジエントプールに存在する多くの蛋白が除去された(図8および9)。
実施例VII
シリカからのIGF−Iの特異的溶離(1000L規模)
A.カラム調製
乾燥シリカ包装物(W.R. GraceのDavison Chemical Divisionから得たgrade 653)の1容を水5〜10容に懸濁し(2回)、微細物を除去した。水2に対し樹脂約1のスラリーを適切な大きさのガラスカラムに移した。ベッドの長さが一定になるまで水でベッドを平衡化する。次に、上端のフローアダプターを充填したベッドの上に置き、カラムに水を流速20CV/時で流して平衡化した。適切なベースラインに達したら、カラムは使用準備完了とした。一般に水を合計3CV用い、一様に充填されたベッドを作製した。直径35cmのカラム中の高さ約20cmの充電ベッドを常に使用した(ベッド容積約20L)。
B.試料調製およびローディング
実施例Iに記載のE.coli発酵ブロス約1000Lを65度で30秒間インライン加熱殺菌し、次いでAlpha Lava AX遠心器(10LPM)で遠心することにより細胞屑のない浄化した上清を得た。浄化したブロスを流速約10CV/時で、シリカカラムに直接ロードし、ロードした総量は50CVであった。ローディング中にブロス中に存在する着色した物質のほとんどが、視覚観察においてカラムを素通りした。HPLCまたはSDS−PAGEによるカラムからの流出物を分析したところ、ローディング中にIGF−Iの損失がないことが示された。
C.洗浄と溶離
試料を流した後、吸光度(280nm)がベースラインに戻るまでカラムを20mMリン酸塩(pH7)4CVで洗浄した。リン酸塩による洗浄速度およびそれ以降の全ての洗浄速度は約3CV/時であった。この時点で、充填したベッドはまだ暗褐色であり、まだかなりの量の発酵成分がカラムに結合していることを示した。次に、20mMリン酸塩(pH7)中の20%エタノール4CVをカラムにロードした。これによりこの工程で損失するIGF−Iが少量(約5〜10%)であったのに比べて有意な量の夾雑蛋白が除去された。カラムに結合したIGF−Iのバルクは20mMリン酸塩(pH7)中に20%エタノールおよび1M NaClを含む緩衝液によって優先的に溶離された。
IGF−I溶離プールは一般に4〜5CVであり、浄化した発酵ブロスからは85〜90%の正しくホールディングされたIGF−Iモノマーが常に回収された。SDS−PAGEから、シリカプール中で検出された主要な蛋白はIGF−Iであった。HPLC分析によるこのプール中のIGF−Iの分布は一般的に15〜25%がミスホールディングされたモノマー、2〜5%が酸化されたモノマーであり、30〜40%が正しくホールディングされたモノマーであった。残りの部分は主にIGF−Iの凝集物であった。溶離後、シリカカラムがまだ非常に暗褐色を呈したことに注目すべきである。エタノールとNaClの組み合せによってIGF−Iを溶離した後のカラムの樹脂は1回使用後に捨てられた。
実施例VIII
シリカからの脳IGF−Iの特異的溶離
脳IGF−Iは、脳型が3個のN−末端アミノ酸(gly−pro−glu)を欠いている他は完全長IGF−Iと同様である。脳IGF−Iを生産するのに使用した宿主は実施例Iに記載の27C7であった。この実施例で使用した分泌プラスミドpLS33Tscは脳IGF−Iのコード配列を持っている。プラスミドpLS33Tscは、前述のWO 93/11240に詳細に開示された数工程を経て構築された。形質転換体はテトラサイクリン20mg/Lを含むLBプレート上で選別し、純化した。この培地の組成は以下の通りである:Bacto-Trypton 10g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/L、テトラサイクリン−HCl 20mg/L、および寒天15g/L。
E.coli 27C7/pLS32Tscを用いる脳IGF−Iを製造するための発酵法は10〜約40Lの範囲のバッチ中で行った。テトラサイクリン5mg/Lを含む無菌LBブロス500〜3000mLに新たに解凍した保存培養1〜2mLを接種することによって振盪フラスコ接種物を調製した。この振盪フラスコを35〜39℃、50〜200rpmで7〜12時間インキュベーションした。振盪フラスコ接種物を用いて生産培地を含む10〜50L培養器に接種した。生産培養は550nmの吸光度が70〜90に達するまで35〜39℃で、30℃に温度を変えるかまたは変えずに培養した。
培地の組成は以下の通りである。すべての培地成分は加熱処理または濾過によって滅菌された。
成分 量/L
グルコース* 10〜300g
硫酸アンモニウム 2〜6g
リン酸ナトリウム、1塩基2水和物 1〜5g
リン酸カリウム、2塩基 1〜5g
クエン酸ナトリウム、2水和物 0.5〜5g
塩化カリウム 0.5〜5g
硫酸マグネシウム、7水和物 0.5〜5g
Pluronic Polyol、L61 0.1〜2mL
塩化第二鉄、7水和物 10〜100mg
硫酸亜鉛、7水和物 0.1〜10mg
塩化コバルト、7水和物 0.1〜10mg
モリブデン酸ナトリウム、2水和物 0.1〜10mg
硫酸第二銅、5水和物 0.1〜10mg
ホウ酸 0.1〜10mg
硫酸マンガン、1水和物 0.1〜10mg
テトラサイクリン 5〜30mg
酵母エキス** 5〜15g
NZアミンAS** 5〜15g
イソロイシン** 0〜1g
水酸化アンモニウム pH調節に必要な量
硫酸 pH調節に必要な量
*グルコースの一部を最初に培地に加え、残りを発酵中を通して供給した。
**これらの成分は発酵中を通して供給することができる。
発酵を35〜40時間続けた後、培養を冷却し、回収を行った。培養の不活化は、連続フロー装置を用い、60〜70℃および流速15〜25L/分で加熱処理するか、または60〜70℃で5〜15分間タンク内で加熱不活化(10L規模)することに行った。培養物をAX Alpha-lavel遠心器またはそれと同等の遠心器を用いて遠心し、次いで上清を深いフィルターを通して浄化した。次に、浄化した発酵ブロスをプロセッシングに用い、細胞を捨てた。
浄化した発酵ブロス約12Lを、実施例Iに記載のごとく水を用いて充填し、平衡化した500mLシリカカラムに直接ロードした。流す速度を約10CV/時とし、カラムからの流出液を280nmでモニターした。ローディングを通じて、流出液は20AUFS(吸光度単位全スケール)以上であり、ロードした物質の色のほとんどがカラムに結合しなかったことを示した。ローディング後、カラムを20mMリン酸塩(pH7)4CVを用い、5CV/時の速度で洗浄し、吸光トレースをベースラインに戻した。疎水性夾雑蛋白を20mMリン酸塩(pH7)中の20%エタノール4CVを用い5CV/時の速度で洗浄して除去した。分画を実施例VIに記載のVydac RP−HPLC分析によって分析した。いずれの洗浄分画においても脳IGFモノマーの損失はなかった。脳IGF−Iは20mMリン酸塩(pH7)中の20%エタノール/1M NaClによって溶離された。
20%エタノール、1M NaCl、0.1Mリン酸塩(pH7)溶離液中の様々な形の脳IGF−Iの分布は、ミスホールディングされたモノマーが約5〜15%、酸化モノマーが2〜6%、および正しくホールディングされたモノマーが30〜40%であった。残りのものは還元条件下のSDS−PAGEにおいて脳IGF−Iモノマーと同じ移動パターンを示したことから、凝集した脳IGF−Iであった。シリカプール中の脳IGF−Iの回収率は約95%であった。
実施例IX
シリカからのIGF−I結合蛋白の溶離
IGF−I結合蛋白の1つ(IGFBP−3)を、回収した脂肪培養液からシリカで精製した。ベッドボリューム50mLのシリカカラムを実施例Iの記載に従って調製した。IGFBP−3は、米国特許第5258287号(1993年11月2日発行)、およびMukkuらの、Insulin-like Growth Factor Binding Proteins、S.L.S.DropおよびR.L.Hintz編、65-70頁、1989の記載に従ってヒト腎細胞系(293s)中で製造された。
無血清培養液を遠心(4000rpm、10分間)して得、濾過滅菌した。IGFBP−3 18.4mgを含む回収した細胞培養液約0.9Lを、流速約20CV/時でシリカカラム(ベッドボリューム50mL)にロードした。ローディング終了時に、UVトレース(A280)がベースラインに戻るまで、カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)約4CVで洗浄した。この流速およびこれに続くすべての洗浄の流速は約5CV/時であった。
リン酸塩洗浄の終了時に、シリカカラムの色はローディング開始時と実質的に同じであった。分画はPolymer Labs PLRP-Sカラム(8μ/4000Å)を用いるRP−HPLCによって分析した。カラムは0.1%TFA中の20%アセトニトリルで平衡化した。0.1%TFA中の20〜50%アセトニトリルのグラジエントで、9分間かけて結合蛋白を溶離した。次に、カラムを0.1%TFA中の90%アセトニトリルで再生し、次いで再平衡化した。インジェクション間の総時間は13分間であった。HPLCによるフロースルー試料と洗浄試料の分析結果は、これらの分画中にIGFBP−3が約5%存在したことを示す。次に、カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)中の20%エタノール3CVで洗浄し、全IGFBP−3の10%を含む小さなピークを得た。
0.1Mリン酸塩(pH7)で洗浄して残るエタノールを除去した後、カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)中の1M NaCl 3CVで洗浄したところ、蛋白の溶離はみられなかった。まだカラムに結合しているIGFBP−3のバルク(13.7mgまたは75%)は0.1Mリン酸塩(pH7)中の20%エタノールおよび1M NaClの組み合せを含む緩衝液4CVを用いて溶離した。20%エタノール+1M NaCl溶離物の純度は80%IGFBP−3より大きかった(図10)。この溶離後、カラムを0.1Mリン酸塩(pH7)中の2M TMAC 3CVで再生した。TMAC工程はIGFBP−3約7.5%を除去した。全分画中のIGFBP−3の全回収率は98%であった。
実施例X
シリカからのVEGFの溶離
血管内皮成長因子(VEGF)もシリカに結合し、エタノールとNaClの組み合せによって溶離することができる。VEGFは、ヒト胎児腎細胞(293s)のかわりにCHO細胞を用いる他は、Wo 90/13649(1990年11月15日公開)、およびLeungらの、Science、246:1306-1309(1989)の記載に従って製造された。当該分野でよく知られたCHO細胞に適したプロモーターを使用している同様のベクターを使用した。24時間後、細胞を無血清培地に移しさらに48時間培養した。この無血清培地を0.65μm膜によるマイクロフィルトレーションによって回収し、濾過滅菌した。この濾液を、実施例Iの記載に従って水を用いて充填し、平衡化した5mLシリカカラムにかけた。10CV/時の一定流速を、ローディングおよびそれに続くすべての工程で使用した。
ローディング後、カラムを20mMリン酸塩(pH7)4CVで洗浄することによって、カラム流出物の吸光度をベースラインに戻した。次に、カラムを20mMリン酸塩(pH7)中の1M NaCl 4CVで洗浄した。これによって夾雑蛋白はいくらか除去されたが、VEGFは除去されなかった。1M NaCl緩衝液で洗浄した後、VEGFは20mMリン酸塩(PH7)中の1.5NaClと20%エタノールの組み合せによって溶離された。エタノールとNaClの組み合せによって、シリカに結合しているVEGFの約90%が除去された。残りの結合VEGFは20mMリン酸塩(pH7)中の2M TMACによって除去された。
実施例XI
シリカからのRANTESの溶離
組換えヒトRANTESは、Schallらの、J.EXp.Med.,177:1821-1825(1993)の記載に従って発現プラスミド中で完全長ペプチドのcDNAと細菌STIIプロモーターを結合することによってE.coli中で生産された。発酵ブロスを、Beckman RC3B遠心器を用いて20℃、4500rpmで遠心して細胞を除去した。次に、ブロスを深いフィルターを通して浄化し、20mMリン酸塩(pH7)4CVで平衡化する以外は実施例Iの記載に従って500mLシリカカラムに直接ロードした。流速20CV/時でカラムを平衡化し、ロードした。
浄化した発酵ブロス6.6Lをロードした後、カラムを、平衡緩衝液2CV、次いで20mMリン酸塩(pH7)中の20%エタノール2CVで洗浄した。RANTESは20mMリン酸塩(pH7)中の20%エタノールおよび1M NaClの組み合せで溶離した。
実施例XII
シリカからのヒトMIP−1−αの溶離
組換えヒトマクロファージ炎症蛋白(huMIP)−1αは、Schallらの、J.Exp.Med.,177:1821-1825(1993)に記載の発現ベクター中に完全長ペプチドのcDNAと細菌STIIプロモーターを結合させることにより、E.coli中で生産された。12N HClを加えて、浄化した上清ブロス約200mLをpH3に調節した。5分間かくはんした後、pHを補正したブロスを4000rpmで15分間遠心した。NaOHを加えて遠心上清をpH5に補正した。
この物質約100mLを、実施例Iの記載に従って水で充填した5mLシリカカラムにロードした。ローディング後、10mMクエン酸塩(pH5)4CVでカラムを洗浄した。次に、カラムを10mMクエン酸塩および15%エタノール(pH5)4CVで洗浄して夾雑物を除去した。生成物を10mMクエン酸塩、15%エタノール、および1M NaCl(pH5)で溶離した。10mMクエン酸塩(pH5)中の2M TMACによってシリカカラムを再生したところ、さらにhuMIPが除去されることはなかったが、夾雑蛋白はさらに除去された。
種々の洗浄分画および溶離分画の分析クロマトグラフィーはPolymer Labs PLRP-Sカラム(8μ/4000Å)を用い、50℃で行われた。カラムは0.1%TFA中の20%アセトニトリルで平衡化した。0.1%TFA中の10〜60%アセトニトリルのグラジエントで、9分間かけて結合蛋白を溶離した。次に、カラムを0.1%TFA中の90%アセトニトリルで再生し、次いで再平衡化した。インジェクション間の総時間は13分間であった。HPLCで分析したところ、カラム素通り液におけるhuMIPの損失は全huMIPの5%未満であった。エタノール洗浄によって結合huMIPの約10%が除去されたが、かなりの量の夾雑蛋白も除去された。15%エタノールと1M塩化ナトリウムの組み合せによって結合huMIPの約85%が溶離した。エタノール/NaClプールはRP−HPLCによる分析で純度約90%と判定された。

Claims (20)

  1. (a)混合物を非誘導シリカ粒子に通してポリペプチドをシリカ粒子に吸着させ、
    (b)シリカ粒子を洗浄して夾雑物を除去し、
    (c)溶媒としてエタノールおよび塩として塩化ナトリウムを含む緩衝液でシリカ粒子からポリペプチドを溶離する、工程からなる、混合物中の疎水性の異なる成分から、IGF−I、IGF結合蛋白質、血管内皮成長因子、またはRANTESからなるグループから選択される、目的とするポリペプチドを選択的に分離する方法。
  2. ポリペプチドがIGF−Iである請求項1に記載の方法。
  3. IGF−Iが完全長IGF−Iである請求項2に記載の方法。
  4. シリカ粒子のポアサイズが約225Åである請求項3に記載の方法。
  5. IGF−Iが脳IGF−Iである請求項2に記載の方法。
  6. 粒子が工程(b)においてリン酸緩衝液中のアルコール溶媒を用いて洗浄される請求項1に記載の方法。
  7. アルコール溶媒が、pH7のリン酸緩衝液中、約20%(v/v)エタノールである請求項6に記載の方法。
  8. 工程(c)で用いる緩衝液がリン酸緩衝液である請求項1に記載の方法。
  9. シリカ粒子のポアサイズが約200〜1000Åである請求項1に記載の方法。
  10. 塩化ナトリウムの濃度が約0.2〜3Mである請求項1に記載の方法。
  11. エタノールの濃度が約5〜40%(v/v)である請求項1に記載の方法。
  12. 溶離用緩衝液のpHが約5〜8である請求項1に記載の方法。
  13. (a)混合物を非誘導シリカ粒子のカラムにロードし、
    (b)カラムを緩衝液で洗浄して夾雑物を除去し、
    (c)溶媒として約5〜40%(v/v)のエタノール、および塩として約0.2〜3Mの塩化ナトリウムを含むpH約5〜8の緩衝液でカラムからIGF−Iを溶離する、工程からなる、混合物からIGF−Iを精製する方法。
  14. カラムをリン酸緩衝液中のアルコール溶媒で洗浄する請求項13に記載の方法。
  15. アルコール溶媒が、pH7のリン酸緩衝液中、約20%(v/v)エタノールである請求項14に記載の方法。
  16. エタノールの濃度が約10〜30%(v/v)である請求項13に記載の方法。
  17. 塩化ナトリウムの濃度が約0.5〜2Mである請求項13に記載の方法。
  18. 溶媒が、pH7のリン酸緩衝液中、約20%(v/v)濃度のエタノールであり、塩が約1M濃度の塩化ナトリウムである、請求項13に記載の方法。
  19. IGF−Iが完全長IGF−Iである請求項13に記載の方法。
  20. IGF−Iが脳IGF−Iである請求項13に記載の方法。
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