JPH09501693A - 組み換えインスリン様成長因子igf−i様ポリペプチドの再折りたたみ - Google Patents

組み換えインスリン様成長因子igf−i様ポリペプチドの再折りたたみ

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Abstract

(57)【要約】 ポリペプチド約0.1から15mg/mLをアルコールまたは極性非プロトン溶媒約5〜40%(v/v)、約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬および約0.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の緩衝液中に含む組成物を提供する。この緩衝液は誤った折りたたみのポリペプチドを再折りたたみする方法に使用するのに適当である。

Description

【発明の詳細な説明】 発明の名称 組み換えインスリン様成長因子IGF−I様ポリペプチドの再折りたたみ 発明の背景 発明の領域 本発明は特定の緩衝液およびその緩衝液をポリペプチドの再折りたたみのため に使用する方法に関する。関連文献に関する記載 多数のポリペプチドおよび蛋白質の商業的生産のためには、細菌およびその他 の宿主細胞内で大量を生産できるようになったので、組換えDNA技術は選択す るに足る方法になってきた。組換え蛋白質生産は宿主細胞を所期の外来蛋白質を コードするDNAでトランスフェクトまたは形質転換することおよびその細胞を 組換え蛋白質の発現に適切な条件下に培養することを包含する。大腸菌および酵 母は組換え蛋白質を高力価で生産するようにできるので宿主として好適である。 組換えDNAがコードする蛋白質の細菌における一般的発現に関する米国特許 には、細胞外または周辺細胞質の担体蛋白質のための細菌遺伝子および非細菌性 遺伝子を含む組換えDNA分子に関する米国特許4565785;外来ポリペプ チドと凝集体形成ポリペプチドとの共生産に関する米国特許4673641;t rpプロモーター/オペレーターおよびインシュリン様成長因子(IGF−I)の ようなポリペプチドとのtrp・LE融合を持つ発現ベクターに関する米国特許 4738921;異種蛋白質とを含めるための発現調節配列に関する米国特許4 795706;およびIGF−Iをコードするもののような特定環状DNAプラ スミドに関する米国特許4710473などを包含して、多数が存在する。 ある条件下で、細菌宿主から多量に発現されるある種の異種蛋白質は細胞内に 濃厚な凝集体として沈殿し、位相差顕微鏡下に細胞内容物内に明るいスポットと して認識される。これら沈殿蛋白質の凝集体は「屈折体(refractile・body)」とよ ばれて全細胞蛋白質中のかなりの部分を構成する。Bremsなど、Biochemistry、 24巻:7662頁(1985年)。一方、蛋白質凝集体は位相差顕微鏡下に見えないことも ありうるので、用語「屈折体」はしばしば位相差顕微鏡下で見えると見えないと に関わらず蛋白質凝集体を示すために使用される。 発酵温度を30℃以下に低下させることによって、大腸菌内に高水準に発現さ れた蛋白質の可溶部の比率が劇的に増加することが発見されている。種々の外来 蛋白質、たとえばヒトインターフェロン−α(IFN−α2)、インターフェロ ン−γ(IFN−γ)とネズミMX蛋白質[ScheinおよびNotebor n、Bio/Technology、6巻:291〜294頁(1988年)] およびヒトIFN−β[Mizukamiなど、Biotechnol.Let t.、8巻:605〜610頁(1986年)]のかなりの部分が溶液中に残留 する。この操作法は屈折体から再生蛋白質を回収する方法の代案の一つを代表す るが、30℃以下の温度で効果的に誘導できる発現系が必要である。それ故、こ の操作法が効果的なのは蛋白質すべてではない。 屈折体に関する一般的な綜説としては以下を参照:Marston、前出;M itrakiとKing、Bio/Technology、7巻:690頁(1 989年);MarstonとHartley、Methods・in・Enz ymol.、182巻:264〜276頁(1990年);Wetzel、「生 体内の蛋白質凝集:細菌の封入体および哺乳類のアミロイド」、AhernとM anning編、「蛋白質医薬品の安定性:生体内分解経路および蛋白質安定化 への戦略」(Plenum・Press、1991年)中;Wetzel、「試 験管内および生体内における凝集抑制による蛋白質の折りたたみおよび安定性の 強化」、Rees,A.R.など編、「蛋白質工学−−実際的手法」(IRL・ press、オックスフォード大学・出版、Oxford、1991年)中。 これらの器官からの蛋白質回収には、細胞物質および結合している蛋白質から 細胞内に入っている蛋白質を分離する方法および封入体蛋白質を生物学的活性型 で回収する方法のように多数の問題点があった。回収される蛋白質はそれらが活 性蛋白質とは異なる3次元配座に折りたたまれており、しばしば主成分が生物学 的に不活性である。例えば、天然IGF−Iのものとは異なるジスルフィド結合 ペアを持っている誤った折りたたみのIGF−Iでは、生物学的活性が明らかに 減少している。Raschdorfなど、Biomedical・and・En vironmental・Mass・Spectroscopy、16巻:3〜 8頁(1988年)。誤った折りたたみは発酵中の細胞内であるいは分離操作の 間に起きる。蛋白質を生物学的に活性な正しい配座に再折りたたみする方法は機 能的蛋白質を得るためには必須である。 再折りたたみ中の蛋白質で体験される、その他の性質はジスルフィド結合二量 体、三量体および多量体形成の傾向である。Morrisなど、Biochem .J.、268巻:803〜806頁(1990年);Torenなど、Anal .Biochem.、169巻:287〜299頁(1988年);Frank など、「ペプチド:合成−構造−機能」、D.H.RichおよびE.Gros s編中、729〜738頁、(Pierce・Chemical社、Rockf ord、イリノイ州、1981年)。この会合現象は、殊に高蛋白質濃度では蛋 白質再折りたたみの間に普通に頻発し、部分的に折りたたまれた中間体の親水性 相互作用を通しての会合がしばしば含まれると見られる。ClelandとWa ng、Biochemistry、29巻:11072〜11078(1990年) 。 蛋白質折りたたみは蛋白質を含む媒体の性質および水素結合、イオン結合およ び親水性相互作用に関与する弱い吸引性または反発性の分子内力の組合せに影響 される。ペプチド鎖が折りたたまれて一対のシステイン残基が接近すると、シス テイン残基の間に強い共有結合ジスルフィド結合が形成され、その場の配座に固 定される。再折りたたみのプロトコールは不適当なジスルフィド結合を切断し、 ランダムなジスルフィド結合を遮断し、活性配座体形成に好都合な条件下に再折 りたたみと正しいジスルフィド結合とをするように設計されている。 封入体から活性蛋白質を回収する一つの技術は封入体を強変性溶液に溶解する ことおよび次に所望により強変性溶液の代わりに弱変性溶液に交換(または強変 性溶液を希釈)するか、または分子篩または高速遠心分離技術を利用することを 含む。この回収法は、たとえば米国特許4512922;4518256;45 11502および4511503に記載されており、僅かの修正で、封入体から 生物学的活性組換え蛋白質を回収するするために全般的に利用できるものと見ら れる。これらの方法は組換え蛋白質が別の安定化力を通じて巧妙に生物学的に活 性な配座をとる前のランダムなジスルフィド結合反応を排除することを追求して いる。 封入体から蛋白質を回収する方法の一つでは、その蛋白質のシステイン部分を 遊離のスルフヒドリル基に維持する還元条件下に、再折りたたみを所望する変性 蛋白質をさらに精製する。次に還元剤を希釈して水溶液とし、空気またはその他 いずれかの酸化剤の存在下に再折りたたみされた蛋白質が適当なジスルフィド結 合を形成することを可能にする。これで再折りたたみを全精製過程に容易に導入 することが可能になる。 その他の解決法の一つでは、組換え蛋白質の再折りたたみをスルフヒドリル化 合物の還元(R−SH)および酸化(R−S−S−R)両型の存在下に起こさせ る。これで精製過程の間中、常に遊離のスルフヒドリル基およびジスルフィドが 形成され、再形成されるようにする。スルフヒドリル化合物の還元型および酸化 型が、折りたたみをほどき、再折りたたみするの過程の間、蛋白質の中間体配座 を全部溶解しておける、十分な変性力を持つ緩衝液中に供給される。尿素は適当 な緩衝媒体であると示唆されている。このシリーズの第3の選択肢では、封入体 分離中に不適当に形成されていたかもしれないジスルフィド結合をいずれも切断 し、次に得られた組換え蛋白質の遊離スルフヒドリル基を誘導体化するように設 計されている。この目的はランダムなジスルフィドペアの形成を遮断するために 蛋白質をスルホン化し、蛋白質を弱変性溶液中で正しく再折りたたみさせ、次に 正しいスルフヒドリル結合に適する条件下に蛋白質を脱スルホン化することによ って達成される。この脱スルホン化は適当なジスルフィド結合が確実に無変化の まま残すためにスルフヒドリル化合物および少量の対応する酸化型の存在下に行 う。pHはこのスルフヒドリル化合物が少なくとも部分的にはイオン化型になる 値まで上げて、スルホネートの求核的置換を強化する。 これら再折りたたみプロトコルは普遍的な用途については実用的だが、例えば 組換えIGF−Iでは、必ずしも最高に効率的であるとは証明されていない。 生物学的活性の回収には注意深く監視された再生操作法が必要で、問題となる 蛋白質によっては、非常に困難なことがありうる。細菌宿主中に生産されたか、 またはそうでなければ変性型または非天然型であるかの蛋白質を再折りたたみす る試行を報告する多数の文献が発表されている。例えば、大腸菌で発現後の生物 学的活性2量体マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)の形成は、WO 88/8003およびHalenbeckなど、Biotechnology、 7巻:710〜715頁(1989年)に記載されている。ここに記載された操 作法は、最初に尿素または塩酸グアニジンを含むカオトロピックな環境中の還元 的条件下に封入体から分離したM−CSFモノマーの溶解段階、カオトロピック 試薬の段階的希釈により達成される再折りたたみ段階、および最後に空気存在下 または酸化還元系内での再折りたたみした分子の酸化段階、の各段階を含む。 米国特許4923967およびEP361830は屈折体蛋白質を変性剤中で 溶解し、スルフィトルイル化すること、次にこの蛋白質を沈降するために溶媒を 交換することのプロトコルを記載する。この蛋白質を変性剤に再溶解し、還元剤 の存在下に再折りたたみする。正しい折りたたみに達するために必要なこの複数 工程には時間がかかる。 蛋白質を再折りたたみする方法はインターロイキン−2(IL−2)[Tsu jiなど、Biochemistry、26巻:3129〜3134頁(198 7年);WO88/8849(その17頁には酸化剤として高濃度の銅の使用が 開示されている)]、種々の起源からの成長ホルモン[Georgeなど、DN A、4巻:273〜281頁(1984年);Gillなど、Bio/Tech nology、3巻:643〜646頁(1985年);Sekineなど、P roc.Natl.Acad.Sci.USA、82巻:4306〜4310頁 (1985年);米国特許4985544、この最後の文献には変性剤および還 元剤を添加して蛋白質を溶解し、還元剤を除去し、蛋白質を酸化し、変性剤を除 去することを含む]、プロキモシン[Greenなど、J.Dairy−Res .、52巻:281〜286頁(1985年)]、ウロキナーゼ[Winkle rなど、Bio/Technology、3巻:990〜1000頁(1985 年)]、ソマトトロピン[米国特許4652630、ここでは溶解用には尿素を 用い、次 に再折りたたみ用に緩和な酸化剤を用いている]、インターフェロン−β[EP 360937、1990年4月4日発行]および組織プラスミノーゲンアクチベ ータ[Rudolphなど、「623回生化学会会合」、カンタベリー(198 7年)中]のような数種の蛋白質について報告されている。Marston、B iochemical・J.,240巻:1〜12頁(1986年)も参照。さ らにサブチリシンを例として生物学的に不活性なポリペプチドをその活性型への 折りたたみを促進するために天然起源ポリペプチドのプロ配列を使用する折りた たみ操作法が米国特許5191063に開示されている。 いくつかの回収技術では少なくとも60%までの活性外来蛋白質が得られてい る。たとえば、Bossなど、Nucl.Acids・Res.、12巻:37 91〜3806頁(1984年);Cabillyなど、Proc.Natl. Acad.Sci.USA、81巻:3273〜3277頁(1984年);M arstonなど、Bio/Technology、2巻:800〜804頁( 1984年);Rudolphなど、前出参照。 様々な起源に由来する非天然型蛋白質の再折りたたみに関するさらに別の文献 には、溶解用にSDSを、Cu2+イオンを完全に還元された蛋白質の酸化促進用 に用いてIL−2およびインターフェロン−β(INF−β)を再折りたたみす る報告を含む。米国特許4572798。米国特許4620984に記載の組換 え屈折体蛋白質の分離法は蛋白質を溶解するための強変性溶液の使用、正しい折 りたたみを促進するための還元条件の使用、およびジスルフィド結合を再形成す るための空気またはその他酸化剤存在下での変性剤置換の使用を含む。この方法 が適用できる蛋白質にはウロキナーゼ、ヒト、ウシおよびブタ成長ホルモン、イ ンターフェロン、組織型プラスミノーゲンアクチベータ、足口病(FMD)外殻 蛋白質、プローレニン、およびsrc蛋白質を含む。 折りたたみをほどかれた蛋白質、たとえばシトクロムC、卵アルブミンおよび トリプシン阻害剤について、この変性蛋白質を固体マトリックスに可逆的に結合 させ、変性剤を希釈することによって段階的に再生することによる再生法がWO 86/5809に開示されている。大腸菌の中に発現させたヒトの血小板由来増 殖因子(PDGF)の修飾1量体を、精製の間はチオール部分を保護するために S−スルホニル化し、次いで酸化剤の存在下に2量体化して、活性蛋白質を得て いる。Hoppeなど、Biochemistry、28巻:2956〜296 0頁(1989年)。 さらに、1991年6月19日発行のEP433225は生物学的活性2量体 形質転換増殖因子−β蛋白質またはその塩の製法を開示し、そこではこの蛋白質 の変性した単量体型を緩和な界面活性剤、水溶性有機溶媒および/または燐脂質 のような溶解剤を含む再折りたたみ条件に付した。米国特許4705848は封 入体からグアニジンによる変性段階一つと再生段階一つを用いる生物学的活性単 量体成長ホルモンの分離を開示している。β−ラクタメースの細胞質と周辺細胞 質封入体とに関するBowdenなど、Bio/Technology、9巻、 725〜730頁(1991年)およびヒトインターフェロン−γ突然変異体の 再折りたたみに関するSamuelssonなど、Bio/Technolog y、9巻:731頁(1991年)も参照。その上、Hejnaesなど、Pr otein・Engineering、5巻:797〜806頁(1992年) はIGF−Iでカオトロピック試薬の使用を記載している。 IGF−Iの細菌内生産に関する参考文献が数個存在する。これらには細菌内 IGF−I発現に向けた1984年12月19日発行のEP128733および 1985年3月27日発行のEP135094を含む。EP288451は細菌 IGF−I分泌のためにlamBまたはompFシグナルの使用に向けたもので ある。Obukowiczなど、Mol.Gen.Genet.、215巻:1 9〜25頁(1988年)およびWongなど、Gene、68巻:193〜2 03頁(1988年)も同様な教示をしている。EP286345はラムダプロ モータを使用するIGF−Iの発酵を開示している。 さらに、IGF−Iを融合蛋白質として生産する方法も示唆されている。例え ば、EP130166は細菌内での融合ペプチド発現を開示し、米国特許501 9500およびEP219814は細菌内発現のためにIGF−Iと保護ポリペ プチド(protective・polypeptide)との融合を開示して いる。EP264074は分子量500〜50000の保護ポリペプチドとの二 シストロン性met−IGF−I発現ベクターを開示している[米国特許502 8531およびSaitoなど、J.Biochem.、101巻:1281〜 1288頁(1987年)も参照]。その他のIGF−I融合技術にはrop遺 伝子を切除した保護ペプチドとの融合[EP219814]、IGF−I多重体 発現[Schulzなど、J.Bacteriol.、169巻:5385〜5 392頁(1987年)]、結合部位で化学的切断可能なメチオニルまたはトリ プトファン残基を介するIGF−Iと黄体化ホルモン(LH)との融合[Sai toなど、J.Biochem.、101巻:123〜134頁(1987年) ]およびスーパーオキシドジスムターゼとの融合を含む。EP196056。N iwaなど、Ann.NY・Acad.Sci.、469巻:31〜52頁(1 986年)はその他のポリペプチドに融合したIGF−I遺伝子の化学的合成、 クローニングおよび発現の成功を討論している。これらの方法は融合蛋白質を使 用しているが、しかしながら、一般的に比較的に長いリーダー配列を要し、変性 した組換え蛋白質の再折りたたみについての改良ではなく、封入体蛋白質発現の 向上を目指している。 米国特許5158875は宿主細胞にDNAをトランスフェクトする前にプラ ス帯電リーダー配列を持つIGF−I遺伝子をクローニングすることを含む組換 えIGF−I再折りたたみ方法を記載している。この組換えIGF−Iアミノ端 末の付加的プラス電荷は溶解した蛋白質を変性溶液中で2〜16時間撹拌した時 に正しい再折りたたみを促進する。再折りたたみに続いてリーダー配列を切断し て活性の組換え蛋白質を精製する。しかしながら、この多数段階は厄介であり、 余分な材料およびIGF−I遺伝子の前に異種リーダー配列をクローニングし、 次に精製した蛋白質からリーダー配列を除去する努力を必要とする。 組換えIGF−Iの試験管内再折りたたみを促進するもう一つ方法にはブドウ 球菌蛋白質Aに由来するIgG結合ドメイン(ZZ)2個から構成される溶解し た親和性ある融合相手を使用するものを含む。Samuelssonなど、前出 参照。この方法は誤った折りたたみのおよび多重体のIGF−Iを可溶化するた めに蛋白質Aドメインを使用する。この方法は変性剤または酸化還元試薬は使用 しないが、IGF−I遺伝子に別の遺伝子を融合し、融合遺伝子の発現後にその 遺伝子がコードするポリペプチドを除去する余分な段階を含む。 他の研究者は再折りたたみ中間体のジスルフィド交換平衡を含むIGF−I再 折りたたみの研究を記載している。例えば、酸化還元緩衝液を用いるIGF−I の再折りたたみが研究され、部分的酸化型のIGF−I生成がHoberなど、 Biochemistry、31巻:1749〜1756頁(1992年)によ り確認された。 ジスルフィド交換はペプチジルジスルフィドイソメラーゼ(PDI)またはペ プチジルプロリルイソメラーゼ(PPI)を添加剤に使用して調節することもで きる。例えば1988年12月1日発行の日本特許出願昭和63年294796 ;1991年2月20日発行のEP413440;および1988年12月7日 発行のEP293793を参照。 低イオン強度の緩衝液に50%メタノールを添加することにより選択したジス ルフィドペアの形成増加をSnyder、J.Biol.Chem.、259巻 、7468〜7472頁(1984年)が報告している。この戦略は選択したシ ステイン残基に接する逆帯電アミノ酸の並列が有利になるように媒体中での静電 的因子を調整して特定のジスルフィド結合の形成を増加することを含む。正しく 折りたたまれたIGF−Iの生産改善のためにアセトニトリル、DMSO、メタ ノールまたはエタノールの添加を提唱するTamuraなど、1989年7月1 1日開催第11回米国ペプチドシンポジウム抄録およびポスター発表も参照。 20〜40%v/vのエタノールを含む緩衝液に対して5時間までの時間透析 し、混合物を酸性にすることにより酸化還元電位を変化させることを含むAla Glu−IGF−Iの折りたたみ方法が1992年3月5日発行のWO92/0 3477に開示されている。 リボヌレアーゼの変性にある一定濃度のメタノールが使用された。Lusti gとFink、Biochim.Biophys.Acta、1119巻:20 5〜210頁(1992年)。他の研究室による研究は構造不安定化を促進する 条件での中庸濃度のアルコールはインシュリン様ペプチドの会合を減少すること ができることを示している。Bryantなど、Biochemistry、3 1巻:5692〜5698頁(1992年);HuaとWeiss、Bioch im.Biophys.Acta、1078巻:101〜110頁(1991年 );Bremsなど、Biochemistry、29巻:9289〜9293 頁(1990年);Uedaなど、1987年7月20日発行の日本特許出願昭 62−190199。 他の研究者らによる研究で溶液の極性がある種の2次的構造を獲得するための ペプチドの性質に影響することが証明された。JacksonとMantsch 、Biochim.Biophys.Acta、1118巻:139〜143頁 (1992年);Shibataなど、Biochemistry、31巻:5 728〜5733頁(1992年);ZhongとJohnson、Proc. Natl.Acad.Sci.USA、89巻:4462〜4465頁(199 2年)。一般に、短いペプチドでは溶液極性の低下はアルファ螺旋の形成に好都 合であると思われる。JacksonとMantsch、前出。インシュリンの 分光学的研究も中庸濃度のアルコールがアルファ螺旋含量を増加することを証明 している。HuaとWeiss、前出。 不溶性の、誤った折りたたみのIGF−Iその他を含むポリペプチドを再折り たたみし、そのポリペプチドの生物学的活性を回復できる正しい配座とするため に効率的で廉価な操作法に対する必要性が存在する。 それ故、本発明の目的の一つはポリペプチドの効率的な再折りたたみ法を提供 することにある。 他の目的の一つはグルタチオンのような高価なジスルフィド−交換試薬を使用 しない再折りたたみ法を提供することにある。 さらに別の目的の一つはジスルフィド付加体を含む生産物を生産しない再折り たたみ法を提供することにある。 なお別の目的の一つは最高に再現性があり、堅固で予測可能な再折りたたみ条 件を提供することにある。 以上の目的およびその他の目的は当業者にとって明白になるものと思われる。 発明の要約 今回、低濃度の銅またはマンガンの使用がポリペプチドのジスルフィド酸化を 大きく促進することを発見した。それ故、本発明はポリペプチド約0.1から1 5mg/mLをアルコールまたは極性非プロトン溶媒約5〜40%(v/v)、 約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0. 1から9Mのカオトロピック試薬および約0.01から15μMの銅またはマン ガン塩を含有するpH7〜12の緩衝液中に含む組成物を提供する。 別の観点では、この発明は宿主細胞中に含まれる誤った折りたたみのポリペプ チドを正しく折りたたみ直す操作の収率を向上する方法であって、再折りたたみ (refolding)段階の間にポリペプチドを約0.1から15mg/mL の濃度で、pH7〜12の緩衝液であって、アルコールまたは極性非プロトン溶 媒約5〜40%(v/v)、約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属ま たはアンモニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬、および約0.0 1から15μMの銅またはマンガン塩を含有するものの中に存在させる方法を提 供する。 なお別の視点では、本発明は宿主細胞内に含有されている誤った折りたたみの IGF−Iを再活性化する方法であって、 (イ)宿主細胞から該IGF−Iを分離すること、 (ロ)溶解に充分な量のカオトロピック試薬および還元剤を含むアルカリ性緩 衝液中に該IGF−Iを維持すること、および (ハ)インキュベーションの間にIGF−Iの再折りたたみが起きるように酸 素源を導入しつつ、溶解した該IGF−Iを約0.1から15mg/mLの濃度 で約5〜40%(v/v)のアルコールまたは極性非プロトン溶媒、約0.2か ら3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から9M のカオトロピック試薬、および約0.01から15μMの銅またはマンガン塩を 含有するpH7〜12の折りたたみ用緩衝液中でインキュベーションすることか らなる方法を供給する。 本発明の本質は、誤った折りたたみのポリペプチドの再折りたたみを強化する ため、最低濃度の銅またはマンガン塩を含む特定の緩衝液を使用する点にある。 酸化触媒としてのマンガンまたは銅塩の使用によってグルタチオンのようにより 高価なジスルフィド交換試薬の必要を回避する。さらに、本方法はジスルフィド 交換試薬を採用した時に起きる可能性のあるジスルフィド付加物を含むポリペプ チド生産の可能性を回避する。好適な態様の一つにおいて、溶媒条件は原核生物 周辺細胞質の屈折体から回収した誤った折りたたみのIGF−Iから正しい折り たたみのIGF−Iを高収率で得るために再折りたたみをするのに有利に設定さ れている。 殊に、この方法は細胞の周辺細胞質中に屈折体を形成する大腸菌を含む細菌の ような原核生物細胞中で組換え的に生産された非天然型哺乳類ポリペプチドには 好適である。加えるに、本発明は反応混合物中で採用した蛋白質濃度と無関係に 高収率で蛋白質を与える。 図面の簡単な説明 図1はプラスミドp200の制限地図を示すが、これを使用してpLBIGF Tsc生産用中間体プラスミドであるpLamBIGFを生産し、前者を使用し てIGF−Iをコードする発現ベクター、すなわちpBKIGF−2Bを生産す るための中間体プラスミドpBKIGF−2を調製した。 図2はp200のEcoR1−EcoR1断片(1149から1633位まで )であって、MFアルファIプレプロおよびIGF−I遺伝子配列を含むヌレオ チド配列を描く(配列番号1)。 図3はプラスミド断片3個および合成DNA片(配列番号2および3)からの pLamBIGFの構築を描く。 pLamBIGFはpLBIGFTsc生産用中間体プラスミドで、後者はpB KIGF−2の製造に使用される。 図4はpLamBIGFからの中間体プラスミドpLamBIGFTscの構 築を描く。 図5はpBKIGF−2の生産に使用する中間体プラスミドpRanTscの 構築を描く。 図6はpLS32Tsc、pLBIGFTsc、pLS33TscおよびpR anTscからのpBKIGF−2の構築を描く。 図7はpBKIGF−2Bの生産に使用するpBKIGF−2AのpLBIG FTsc、pLKIGF−2および合成DNA片(配列番号4および5)からの の構築を描く。 図8はpBKIGF−2Bの生産に使用するpLamBRanのpLS33L amB、pRANTESおよび合成DNA片(配列番号6および7)からの構築 を描く。 図9はpBKIGF−2、pBKIGF−2A、pLamBRanおよび合成 DNA片(配列番号8および9)からの発現ベクターpBKIGF−2Bの構築 を描く。 図10は再折りたたみの間の各IGF−I種(左から右へ、誤った折りたたみ のIGF−I、正しい折りたたみのIGF−Iおよび還元IGF−I)発生を証 明する一連のHPLCクロマトグラム3枚である。これらクロマトグラムは折り たたみの開始時点(クロマトグラム下)、折りたたみ開始1時間後(クロマトグ ラム中)および折りたたみ開始3時間後(クロマトグラム上)に採取した。 図11は尿素、DTT、非天然型IGF−I、および細胞関連固体を含む全抽 出物に塩とポリマーとを添加して得た水性二相系を記載する相図である。各記号 は二相系(白丸)、一相系(黒丸)、浮遊固体を含む二相系(ρ)、および印刷 された双節点(X)を示すものである。曲線は双節点の概略位置(実線)、固体 沈降限界(破線)、低相の固体含有が許容される相比率の限界(点線)を示すも のである。陰影を付した領域はIGF−Iと細胞関連固体との分離用に最適の領 域を示す。 図12は銅濃度のIGF−I再折りたたみ機構への効果を示す。再折りたたみ は25℃で痕跡(+印)、0.013μM(白丸)、0.052μM(黒丸)、 0.13μM(白四角)、0.52μM(×印)、1.3μM(白三角)、5. 2μM(黒三角)、および13μM(黒四角)の各濃度の塩化銅で行った。 好適な態様の記載 A.定義 ここに用いる「目的ポリペプチド」は一般にアミノ酸約10個またはそれ以上 を持つペプチドおよび蛋白質を示す。このポリペプチドは宿主細胞に同種性でも ありうるが、好ましくは、それらがチャイニーズハムスター卵巣細胞または細菌 細胞により生産されるヒト蛋白質または異なる酵母または細菌または哺乳類細胞 により生産される酵母ポリペプチドのような、異種性、すなわち使用される宿主 細胞に対して外来性であることを意味する外因性であることもありうる。好まし くは、哺乳類ポリペプチド(哺乳類生物起源のポリペプチド)が使用されるので あるが、さらに好ましくは原核生物細胞中で生産されるもの、さらに好ましくは 細菌細胞内の封入体として、殊に細菌の周辺細胞質から由来するものである。 細菌ポリペプチドの例には、たとえばアルカリホスファターゼおよびβ−ラク タマーゼなどを含む。哺乳類ポリペプチドの例には、たとえばレニン、ヒト成長 ホルモン、ウシ成長ホルモンのような成長ホルモン、成長ホルモン放出因子、副 甲状腺ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、リポプロテイン、α1−抗トリプシン、 インシュリンA鎖、インシュリンB鎖、プロインシュリン、濾胞刺激ホルモン、 カルシトニン、黄体形成ホルモン、グルカゴン、たとえばVIIIC因子、IX 因子、組織因子およびウィレブラント因子のような凝血因子、プロテインCのよ うな抗−凝血因子、心房性ナトリウム利尿因子、肺界面活性剤、たとえばウロキ ナーゼまたはヒト尿または組織型プラスミノーゲンアクチベータ(t−PA)の ようなプラスミノーゲンアクチベータ、ボンベシン、トロンビン、造血系増殖因 子、腫瘍壊死因子−アルファおよびベータ、エンケファリナーゼ、たとえばヒト 血清アルブミンのような血清アルブミン、ミューラーの阻害物質、レラキシンの A鎖、レラキシンのB鎖、プロレラキシン、マウスゴナドトロピン関連ペプチド 、たとえばベータ−ラクタマーゼのような微生物プロテイン、DNアーゼ、イン ヒビン、アクチビン、血管内皮増殖因子、ホルモンまたは増殖因子の受容体、イ ンテグリン、プロテインAまたはD、リューマチ因子、たとえば骨由来ニューロ トロフィン因子(BDNF)、ニューロトロフィン−3、−4、−5、または− 6 (NT−3、NT−4、NT−5、NT−6)、NGF−βのような神経成長因 子、血小板由来増殖因子(PDGF)、aFGFおよびbFGFのような繊維芽 細胞増殖因子、表皮増殖因子(EGF)、TGF−αおよびたとえばTGF−β 1、TGF−β2、TGF−β3、TGF−β4、TGF−β5を含む、TGF −βのようなトランスフォーミング増殖因子、インシュリン様増殖因子−Iおよ び−II(IGF−IとIGF−II)、デス(1〜3)−IGF−I(脳IG F−I)、インシュリン様増殖因子結合プロテイン、たとえばCD−3、CD− 4、CD−8、CD−19のようなCDプロテイン、エリスロポイエチン、オス テオ誘導因子、イムノトキシン、骨形態形成プロテイン(BMP)、たとえばイ ンターフェロン−アルファ、−ベータ、および−ガンマのようなインターフェロ ン、たとえばM−CSF、GM−CSFおよびG−CSFなどのコロニー刺激因 子(CSF)、たとえばIL−1からIL−10までのインターロイキン(IL )、スーパーオキシドディスムターゼ、T細胞受容体、表面膜プロテイン、崩壊 促進因子、例えばAIDSエンベロープの一部のようなウイルス抗原、輸送蛋白 質、ホーミング受容体、アドレシン、調節蛋白質、抗体、および前記したポリペ プチドのいずれかの断片、のような分子を含む。 好適な目的ポリペプチドは原核生物細胞中で容易に生産され、蛋白分解が最低 で、目標とする用途についてグリコシル化が不要なものである。この哺乳類ポリ ペプチドの例にはIGF−I、IGF−II、脳IGF−I、成長ホルモン、レ ラキシン鎖、成長ホルモン放出因子、インシュリン鎖またはプロインシュリン、 ウロキナーゼ、イミュノトキシン、NGF、NT−5および抗原を含む。殊に好 適な哺乳類ポリペプチドにはIGF−I、脳IGF−I、成長ホルモンおよび、 たとえばNGF、NT−5を含むNT−3、NT−4、NT−5、NT−6のよ うなニューロトロフィンを含み、さらに最も好適な哺乳類ポリペプチドはIGF −Iである。 ここに使用する「IGF−I」はウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、および好ましく はヒトを含むいかなる種からのものでも、天然配列または変種型のものおよび組 換え的に生産されたものでも、インシュリン様増殖因子−Iを示す。IGF−I 生産法の一つは1984年12月19日発行のEP128733に記載されてい る。 ここで用いる用語「非天然型(non−native)配座にある」は2次、 3次および/または4次構造が天然の対応物ではないポリペプチドを記述する。 ポリペプチドはカオトロピック試薬および相系形成剤と接触段階前であるかまた は接触中または後であるとに係わらずここに請求する方法のいかなる点でそのよ うな配座を取ってもよい。この非天然型配座を取るポリペプチドは溶解性である が、不活性型であってもよく、または非天然型膜蛋白質であってもよく、または 不溶性であって、ミスマッチのまたは非形成のジスルフィド結合を持つ生物学的 に不活性な配座を取っていてもよい。この不溶性ポリペプチドは、好ましくは、 といっても必須ではないが、屈折体中に含まれている。すなわち、位相差顕微鏡 下に見えても見えなくてもよい。 ここに用いる用語「誤った折りたたみの(incorrectly・fold ed」ポリペプチドは屈折体内に含まれる沈殿したまたは凝集したポリペプチド を示す。非天然型ポリペプチドは誤った折りたたみのポリペプチドから得られ、 正しい折りたたみ(correctly・folded)の物質と誤った折りた たみ(misfolded)の物質とを含む。 用語「封入体」または「屈折体」は目的ポリペプチドの凝集体の濃厚な細胞内 集塊であって全細胞成分を含む細胞蛋白質全体のかなりの部分を構成するものを 示す。場合によっては、といっても全ての場合ではないが、これらポリペプチド の凝集体は細胞内容物内で下げても倍率1000倍までの位相差顕微鏡下では明 るいスポットとして認識される。 ここに用いる用語「細胞」はあらゆる細胞を示し、目的ポリペプチドが回収さ れる細胞はその性状に係わらず相系形成試薬および再折りたたみ試薬で処理する ことができる。例えば、本発明は細胞培養物中の細胞(細胞が成長しているタン クに係わりなく細胞が分離されていない全培養液)ならびにホモゲナイズ化また は遠心分離された細胞も包含する。句「細胞培養物」は哺乳類細胞培養物のみな らず、原核生物細胞および酵母細胞を含むいかなる細胞の培養物をも示す。 用語「配座体」は分子内ジスルフィド結合でのみ異なるポリペプチドを示す。 例えば、IGF−Iは70アミノ酸長で、分子内ジスルフィド結合を形成するシ ステイン残基6個を持つ。正しい、活性なIGF−I配座体はアミノ酸残基C6 −C48、C47−C52、およびC18−C61の間にジスルフィド結合を持 つ。その他の主なポリペプチドは生物学的に活性の低い配座体の一つであって、 アミノ酸残基C6−C47、C48−C52、およびC18−C61の間にジス ルフィド結合を持つ。 ここに用いる用語「発酵槽」は目的ポリペプチド生産のために原核生物宿主を 培養するタンクまたはその他の装置を示す。発酵培地または媒体は細胞のために 用いる培養媒体である。 ここに用いる「カオトロピック試薬」は適当な濃度の水性溶液内で水性媒体に ポリペプチドを溶解させるようなその表面での変化を通じてポリペプチドの立体 配置または配座を変化させることのできる化合物を示す。この変化は、たとえば 水和状態、溶媒環境または溶媒−表面相互作用などを変化させることによって起 こさせうる。カオトロピック試薬の濃度はその強度と効果に直接的に影響する。 変性力の強いカオトロピック溶液は高濃度のカオトロピック試薬を含み、溶液中 では効果的に溶液中に存在するポリペプチドの折りたたみをにほどく(unfo ld)。このほどかれ方はかなり徹底的であるが、可逆的である。変性力の中庸 なカオトロピックな溶液はいかに歪んだ配座が想定されるポリペプチドからも、 溶液に可溶性の中間体を経て内因性または同種性の生理学的条件下に活性型で作 動する時にポリペプチドが具現している立体配座へのポリペプチドの部分的な折 りたたみを起こさせるのに充分な濃度のカオトロピック試薬を含む。カオトロピ ック試薬の例はグアニジン塩化水素塩、尿素および水酸化物ナトリウムまたは水 酸化カリウムのような水酸化物を含む。カオトロピック試薬は塩基と尿素または 塩酸グアニジンとの混合物のような、これら試薬の組合せを含む。 ここに用いる「還元剤」は水溶液中で適当な濃度で分子内または分子間ジスル フィド結合を化学的に切断して水硫酸基を維持する化合物を示す。適当な還元剤 の代表例はジチオスレイトール(DTT)、ジチオエリスリトール(DTE)、 ベータ−メルカプトエタノール(BME)、システイン、システアミン、チオグ リコール酸、グルタチオンおよび水素化ホウ素ナトリウムを含む。 ここに用いる「相形成種」または「相形成試薬」は水溶液に添加した時に多相 系を形成するように作用する分子を示す。「水」溶液は溶液の大半(すなわち、 約50%以上)を水が構成する溶液である。そこで、例えば、約60%の水を含 む40%エタノールは相系形成種に対する適当な溶媒の一つである。相系形成種 の例はポリマー−ポリマーの組合せ、溶媒−塩の組合せ、ポリマー−塩の組合せ およびポリマー−溶媒の組合せを含む。ここで、もっとも好適なものはポリマー −塩の組合せである。 ここに用いる「バイオマス固体および核酸」はポリペプチドならびに核酸(D NA、RNA)を生産する細胞または細胞培養物から得られる粒子(非溶解)固 体を示す。これには溶解液および液体抽出成分の添加以外の全ての出所を含む。 この固体には、例えば、細胞、細胞砕片、媒体成分、細胞膜および小胞および溶 解性蛋白質ではなく細胞にとって外因性の蛋白質またはその他の不溶性細胞成分 を含む。この発明を実行すると、バイオマス固体と核酸とはポリペプチドとは反 対側の相に見られることになる。 ここに用いる用語「多重」は相系に用いるときには1以上の相系を示すが、好 ましくは2から4相系であり、最も好ましくは2相系である。「ポリペプチドに 富み、バイオマス固体が乏しい」相はポリペプチドが1より大きい分配係数を持 ち、バイオマス固体が1より小さい分配係数を持つ相系を示し、ここに分配係数 は目的の相系に関するものである。例えば、もし下相が生成物に富むなら、分配 係数は上相中の濃度で下相中の濃度を割ったものである。 ここに用いる「オスモライト(osmolyte)」は、緩衝化された溶液に 容量オスモル濃度を与えるかまたは水和または表面張力に影響する試薬を示す。 例としては、たとえばグリセリン、エリスリトール、アラビトール、ソルビトー ル、マンニトール、キシリトール、マンニシドマンニトール、グリコシルグリセ リン、ブドウ糖、果糖、ショ糖、トレハロースおよびイソフルオロシドのような ポリオールおよび糖類;たとえばデキストラン、レバンおよびポリエチレングリ コールのようなポリマー;およびたとえばグリシン、アラニン、β−アラニン、 プロリン、タウリン、ベタイン、オクトピン、グルタミン酸、ザルコシン、γ− アミノ酪酸、およびトリメチルアミン−N−オキシド(TMAO)のようなある 種のアミノ酸とその誘導体を含み、さらに詳細にはYanceyなど、Scie nce、217巻:1214〜1222(1982年)およびSchein、B io/Technology、8巻:308〜315頁(1990年)に記載が ある。 ここに用いる「緩衝液」は、酸−塩基複合体成分の作用によりpHの変化に抵 抗する緩衝化された溶液を示す。 ここに用いる「溶媒」はアルコールおよび極性非プロトン溶媒を示す。アルコ ールは、アルコールについて普通に使用される術語の意味であり、好ましくは炭 素原子1から10個を持ち、より好ましくはメタノール、エタノール、イソプロ パノール、n−プロパノール、またはt−ブタノール、ならびにグリセリン、プ ロピレングリコール、エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、および ポリエチレングリコールであって、最も好ましくはエタノールまたはイソプロパ ノールである。これらのアルコールは溶媒であり、水溶液に添加した時には溶液 の極性を低下させて親水性を増加する。極性非プロトン性溶媒はジメチルスルホ キシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン (NMP)、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、アセトニトリルなど のような分子であって、アルコールの代わりにまたはアルコールに加えて、使用 することができる。 ここに用いる句「アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩」はアル カリ土類またはアルカリ金属元素からのカチオンまたはアンモニウムカチオンを 持ち、無機または有機(炭化水素由来)アニオンを持つ塩を示す。このような塩 の例には塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カ リウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、燐酸ナトリウム、 燐酸カルシウム、燐酸アンモニウム、燐酸マグネシウム、燐酸カリウム、硫酸ナ トリウム、硫酸アンモニウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウ ムなどを含む。好適な塩はここでは塩化物と硫酸塩である。ここで、最も好適な 塩は塩化ナトリウムである。 ここに用いる句「銅またはマンガン塩」は銅またはマンガンとシステイン残基 の酸化促進に役立つ有機アニオンを含むいずれかのアニオンとの塩を示す。適当 なアニオンには硫酸塩および塩化物を含み、塩化銅は殊に好適である。銅または マンガンは外部から添加してもよく、発酵からの残留物であっても、また、そう でなければ目的ポリペプチドを含む溶液にすでに存在していたものでもよい。B.本発明実施の形態 本発明は緩衝液中の触媒として銅またはマンガン塩の最低量を採用することで 細胞性宿主から得られるポリペプチドの再折りたたみ収率を増加する方法に関す る。この緩衝液は主としてポリペプチドと還元剤との型に依存してpH約7から 12であり、好ましくは約8から11、さらに好ましくはpH8.5から11、 最も好ましくは8.5から10.5である。 この緩衝液の重要成分の一つはアルコール性または極性非プロトン溶媒であっ て、たとえばポリペプチドおよび溶媒の型とカオトロピック試薬の濃度とに依存 して濃度は約5〜40%(v/v)、好ましくは10から30%(容積/容積) である。約20%(v/v)の濃度のものが最も好ましい。 この緩衝液の第2の重要成分はアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウ ム塩であって、主としてカオトロピック試薬の濃度、溶媒濃度、およびアルカリ 土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩の型および採用するポリペプチドに依 存して約0.2から3M、好ましくは0.2から2Mの濃度で存在する。例えば 、もしもカチオンがナトリウム、カリウムまたはアンモニウムであれば、濃度は 約0.5から3Mであるが、もしもカチオンがマグネシウムであれば、濃度は約 0.2から1Mである。 この緩衝液の第3の重要成分の有効量のカオトロピック試薬である。このカオ トロピック試薬の量は主としてアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム 塩の濃度、溶媒の濃度、採用するアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウ ム塩の型、採用するカオトロピック試薬の型、およびポリペプチドの型、ならび に緩衝液のpHに依存するが、一般的には約0.1から9M、好ましくは約0. 5から6M、最も好ましくは約1.5から4Mの範囲とする。特定のカオトロピ ック試薬については、好ましくは約0.1から2Mの塩酸グアニジン、および好 ましくは約1〜3M、さらに好ましくは約1〜2.5M、最も好ましくは約2M の尿素を使用する。 この緩衝液の第4の重要成分は酸化と再折りたたみが起きるような有効量の銅 とマンガンとの塩から選択される遷移金属の塩である。銅またはマンガン塩の量 は主に遷移金属の型および採用するポリペプチドおよび存在する酸素濃度に依存 する。酸素添加速度または酸素濃度が低い程、より多量の銅またはマンガン塩を 採用できる。銅またはマンガン塩濃度は典型的には約0.01から15μM、好 ましくは約0.01から10μM、さらに好ましくは約0.01から5μM、さ らに好ましくは約0.01から0.5μMである。前記好適範囲は殊にIGF− Iについて好適である。もし、濃度が約15μMを超えて増加すると、予期に反 して正しく折りたたみされたポリペプチドの収率は激減する。最も好ましくは銅 またはマンガン塩濃度は約0.5μMである。この遷移金属塩は外因性に遷移金 属塩を添加しなくても、緩衝液中に既に存在するものであってもよく、例えばそ れが発酵から残存したもの、または緩衝液に添加したもの、またはこれらの双方 であってもよい。 所期ポリペプチドをコードするDNAを発現するために適当な宿主細胞は原核 生物、酵母またはより高級な真核生物である。この目的のために適当な原核生物 には古細菌および真正細菌のような細菌を含む。好適な細菌はグラム陰性または グラム陽性菌、例えば腸内細菌科の、たとえば大腸菌のようなエッセリキア属、 エンテロバクター属、エルウィニア属、クレブシェラ属、プロテウス属、たとえ ばサルモネラ・ティフィムリウム種のようなサルモネラ属、たとえばセラチア・ マルセッセンス種のようなセラチア属、およびシゲラ属、たとえばB.サチリス およびリヘニフォルミス(たとえば、B.リヘニフォルミス41Pは1989年 4月12日発行の東独特許DD266710に開示されている)のようなバシラ ス属、たとえばP.エルジノーサ種のようなシュードモナス属、ストレプトマイ セス属、アゾトバクター属、リゾビウム属、ビトレオスシラ属、およびパラコッ カス属である。適当な大腸菌宿主には大腸菌W3110(ATCC27325) 、大腸菌294(ATCC31446)、大腸菌B、大腸菌X1776(ATC C31537)が含まれる。以上の例は限定的ではなく、例示的である。 前記細菌のいずれかの突然変異細胞も採用しうる。勿論、その細菌細胞の細胞 内レプリカの複製能を考慮に入れて適当な細菌を選択することが必要である。例 えば、大腸菌、セラチアまたはサルモネラ種はpBR322、pBR325、p ACYA177またはpKN410のような、よく知られたプラスミドを用いて レプリカを供給するために使用する時に、宿主として用いるのに適当である。 組換えDNA生成物発酵に常用の宿主株なので、大腸菌W3110株は好適な 宿主または親宿主である。好ましくは、宿主細胞は最少量の蛋白質分解酵素を分 泌すべきである。例えば、W3110株を修飾して蛋白質をコードする遺伝子に 遺伝子突然変異を起こさせうるが、このような宿主の例には大腸菌W3110株 27C7がある。27C7の完全遺伝子型はtonAΔ・ptr3・phoAΔ E15・Δ(argF−lac)169・ompTΔ・degP41kanrで ある。27C7株は1991年10月30日にアメリカンタイプカルチャーコレ クションにATCC55244として寄託された。あるいは、1990年8月7 日に発行された米国特許4946783に開示された突然変異周縁細胞質プロテ アーゼを持つ大腸菌株も採用しうる。その他に、試験管内クローニング法、たと えばPCRまたはその他の核酸ポリメラーゼ反応も適当である。 例えば、W3110株はこの宿主にとって外来性の蛋白質をコードする遺伝子 で突然変異を起こさせて修飾しうるが、この宿主の例には、例えば完全遺伝子型 tonAΔを持つ大腸菌W3110株1A2、完全遺伝子型tonAΔ・ptr 3を持つ大腸菌W3110株9E4、完全遺伝子型tonAΔ・ptr3・ph oAΔE15・Δ(argF−lac)169・ompTΔ・degP41ka nrを持つ大腸菌W3110株27C7(ATCC55244)、完全遺伝子型 tonAΔ・ptr3・phoAΔE15・Δ(argF−lac)169・o mpTΔ・degP41kanr・rebs7Δ・ilvGを持つ大腸菌W31 10株37D6、カナマイシン非耐性degP欠失突然変異を持つ大腸菌W31 10株40B4および1990年8月7日発行の米国特許4946783に開示 された突然変異周辺細胞質プロテアーゼを持つ大腸菌も含む。 原核生物に加えて、糸状菌または酵母のような真核生物微生物も適当なポリペ プチドをコードするベクターのクローニングまたは発現宿主である。パン酵母と も呼ばれるサッカロミセス・セレビシェは低級な真核生物宿主微生物の中で最も 普遍的である。しかしながら、たとえばシゾサッカロミセス・ポンベ[Beac hとNurse、Nature、290巻:140頁(1981年);1985 年5月2日発行のEP139383];たとえばK.ラクティス[MW98−8 c、CBS683、CBS4574、Louvencourtなど、J.Bac teriol.、737頁(1983年)]、K.フラジリス(ATCC124 24)、K.ブルガリクス(ATCC16045)、K.ウィッカラミイ(AT CC24178)、K.ワルティイ(ATCC56500)、K.ドロソフィラ ルム(ATCC36906、Van・den・Bergなど、前出)、K.サー モトレランスおよびK.マルキシアヌスのようなクライベロマイセス宿主(米国 特許4943529;Fleerなど、前出);ヤロウィア[EP402226 ];ピチア・パストリス[EP183070、Sreekrishnaなど、J .Basic・Microbiol.、28巻:265〜278頁(1988年 )];カンジダ;トリコデルマ・レエシア[EP244234];ノイロスポラ ・クラッサ[Caseなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、 76巻:5259〜5263頁(1979年)];たとえばシュワンニオマイセ ス・オクシデンタリス[1990年10月31日発行のEP394538]のよ うなシュワンニオマイセス;および糸状菌、たとえばニューロスポラ、ペニシリ ウム、トリポクラジウム[1991年1月10日発行のWO91/00357] およびアスペルギルス・ニデュランス[Ballanceなど、Biochem .Biophys.Res.Commn.、112巻:284〜289頁(19 83年);Tilburnなど、Gene、26巻:205〜221頁(198 3年)、Yeltonなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、 81巻: 1470〜1474頁(1984年)]およびアスペルギルス・ニガー[Kel lyとHynes、EMBO・J.、4巻:475〜479頁(1985年)] のようなアスペルギルス宿主などのようにその他の属、種および株多数も普遍的 に用いられ、本発明に有用である。 所期ポリペプチドをコードするDNA発現に適切な適当な宿主細胞は多細胞生 物からも誘導されうる。そのような宿主細胞は複雑なプロセッシングおよびグリ コシル化作用が可能である。原理的には、脊椎動物または無脊椎動物培養物のい ずれからのものでも、いかなる高級真核生物細胞の培養も適当である。無脊椎動 物細胞の例には植物および昆虫細胞を含む。バキュロウイルスの株およびその変 種多数およびスポドプテラ・フルジペルダ(イモムシ)、アエーデス・アエジプ チ(蚊)、アエーデス・アルボピクツス(蚊)、ドロソフィラ・メラノガステル (ミバエ)、およびボンビクス・モリのような宿主からの対応する可能な昆虫宿 主細胞が確認されている。たとえばLuckowなど、Bio/Technol ogy、6巻:47−55頁(1988年);Millerなど、遺伝子工学、 Setlow,J.K.など編中、8巻:277〜279頁(Plenum・P ublishing、1986年);およびMaedaなど、Nature、3 15巻:592〜594頁(1985年)。トランスフェクション用には、たと えば、アウトグラファ・カリフォルニカ・NPVのL−1変種およびボンビクス ・モリNPVのBm−5株のような種々のウイルス株が公に入手可能であって、 殊にスポドプテラ・フルジペルダ細胞のトランスフェクションのために、このよ うなウイルスを本発明のウイルスとして使用しうる。 綿、トウモロコシ、馬鈴薯、大豆、ペチュニア、トマトおよび煙草の植物細胞 培養物は宿主として利用できる。典型的には、植物細胞を、予め所期ポリペプチ ドをコードするDNAを含むように操作しておいた細菌アガロバクテリウム・ツ メファシエンスのある種の株と、インキュベーションによりトランスフェクトさ せる。植物細胞培養物はA.ツメファシエンスとのインキュベーションの間に所 期のポリペプチドをコードするDNAが植物細胞宿主に移行してトランスフェク トし、適切な条件下には所期ポリペプチドをコードするDNAを発現するであろ う。加えて、植物細胞にも適応ができる、たとえばネオパリン合成酵素プロモー ターおよびポリアデニル化シグナル配列のような調節およびシグナル配列が入手 可能であるDepickerなど、J.Mol.Appl.Gen.、1巻:5 61頁(1982年)。加えて、T−DNA780遺伝子の上流領域から分離し たDNAセグメントは組換えDNA含有植物組織内で植物が発現できる遺伝子の 転写水準を活性化または増加できる。1989年6月21日発行のEP3211 96。 有用な哺乳類宿主細胞系の例はSV40で形質転換したサル腎臓CV1系(C OS−7、ATCC・CRL1651);ヒト胚腎臓系(293または懸濁培養 液中での成育用にサブクローニングした293細胞、Grahamなど、J.G en.Virol.、36巻:59頁[1977年]);幼弱ハムスター腎臓細 胞(BHK、ATCC・CRL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/−D HFR(CHO、UrlaubとChasin、Proc.Natl.Acad .Sci USA、77巻:4216頁[1980年]);マウスセルトリ細胞 (TM4、Mather、Biol.Reprod.、23巻:243〜251 頁[1980年]);サル腎臓細胞(CV1、ATCC・CCL70);アフリ カミドリザル腎臓細胞(VERO−76、ATCC−CRL−1587);ヒト 頚部癌細胞(HELA、ATCC・CCL2);イヌ腎臓細胞(MDCK、AT CC・CCL34);バッファローラット肝細胞(BRL・3A、ATCC−C CL1442);ヒト肺臓細胞(W138、ATCC・CCL75);ヒト肝臓 細胞(Hep−G2、HB8065);マウス乳腺腫瘍(MMT060562、 ATCC・CCL51);TRI細胞(Matherなど、Anals・N.Y .Acad.Sci.、383巻:44〜68頁[1982]);MRC5細胞 ;FS4細胞およびヒト肝細胞癌系(Hep・G2)である。 宿主細胞をトランスフェクトし、好ましくは前記のこの発明の発現用またはク ローニング用ベクターで形質転換し、プロモーターの誘発、形質転換体の選択、 または所期配列をコードする遺伝子の増幅に適応する修正をした通常の栄養培地 中で培養する。 トランスフェクションとはコードされた配列のいずれかが実際に発現されると 否とにかかわらず、宿主細胞による発現ベクターの取込みを示す。トランスフェ クションには、例えば、CaPO4および電気穿孔のような多数の方法が専門家 には公知である。トランスフェクションの成功は一般的に宿主細胞内に起きるベ クター作動の指標のいずれかによって認定する。 形質転換は染色体外エレメントとしてまたは染色体組込物によるかいずれかで DNAが複製可能であるような生物体へのDNA導入を意味する。使用する宿主 細胞に依存して、形質転換はその細胞に適当な標準技術を用いて行う。塩化カル シウムを採用するカルシウム処理はSambrookなど、分子クローニング: 実験室マニュアル[ニューヨーク:Cold・Spring・Harbor・L aboratory・Press、1989年]1.82章に記載され、また、 電気穿孔法はかなりの細胞壁障壁を持つ原核生物またはその他の細胞に対して一 般的に用いられる。Shawなど、Gene、23巻:315頁(1983年) および1989年6月29日発行のWO89/05859に記載のようにアガロ バクテリウム・ツメファシエンスによる感染はある種の植物細胞の形質転換のた めに使用される。加えるに、1991年1月10日発行のWO91/00358 に記載のように植物は超音波処理を使用しても形質転換されうる。 そのような細胞壁を持たない哺乳類細胞では、Grahamとvan・der ・Eb、Virology、52巻:456〜457頁(1978年)の燐酸カ ルシウム沈降法が好適である。哺乳類細胞宿主系の形質転換の一般的概況はAx elにより1983年8月16日発行の米国特許4399216に記載されてい る。酵母への形質転換は典型的にはVan・Solingenなど、J.Bac t.、130巻:946頁(1977年)およびHsiaoなど、Proc.N atl.Acad.Sci.USA、76巻:3829頁(1979年)の方法 に従って実施する。しかしながら、たとえば核微量注入法、電気穿孔法、細菌で の無傷細胞と原形質体との融合法、またはたとえばポリブレン、ポリオルニチン などのポリカチオン法のようにDNAを細胞に導入するその他の方法も使用しう る。哺乳類細胞を形質転換する種々の技術についてはKeownなど、Meth ods・ in・Enzymology(1989年)、Keownなど、Methods ・in・Enzymology、185巻:527〜537頁(1990年)、 およびMansourなど、Nature、336巻:348〜352頁(19 88年)を参照のこと。 もし原核生物細胞を本発明の方法に従って目的ポリペプチドを生産するために 使用するなら、それらはSambrookなど、分子クローニング:実験室マニ ュアル(Cold・Spring・Harbor・Laboratory・Pr ess、NY、1989年)に一般的に記載されているようにしてプロモーター を構成的または人工的に誘発することができる適当な培地中で培養される。適当 な培地の例は以下の実施例部分に記載する。 炭素、窒素および無機燐酸源以外の必要な添加剤も適当な濃度で、単独で、ま たはその他の添加剤または複合窒素源のような培地との混合物としても含有させ うる。培地のpHは主として宿主生物体に依存して約5〜9のいずれかでもあり うる。 もし、哺乳類細胞を使用して本発明のポリペプチドを生産するなら、それらは 種々の培地中で培養しうる。たとえばハムF10(Sigma)、最少必須培地 ([MEM]、Sigma)、RPMI−1640(Sigma)、およびダル ベッコの修正イーグル培地([DMEM]、Sigma)のような購入可能な培 地は宿主細胞を培養するために適当である。これに加えて、HamとWalla ce、Meth.Enz.、58巻:44頁(1979年)、BarnesとS ato、Anal.Biochem.、102巻:255頁(1980年)、米 国特許4767704、4657866、4927762、4560655、W O90/03430、WO87/00195、米国再発行特許30985または 米国特許5122469に記載されている培地はいずれも宿主細胞のための培養 媒体として使用しうる。これらの培地はいずれも必要に応じてホルモンおよび/ またはその他の成長因子(たとえばインシュリン、トランスフェリンまたは皮内 増殖因子のようなもの)、塩(たとえば塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシ ウムおよび燐酸塩のようなもの)、緩衝液(たとえばHEPESのようなもの) 、 ヌクレオシド(たとえばアデノシンおよびチミジンのようなもの)、抗生物質( ゲンタマイシン、薬剤商品名、のようなもの)、微量エレメント(最終濃度で通 常マイクロモルの範囲で存在する無機化合物として定義される)、およびグルコ ースまたは均等なエネルギー源をも補足しうる。その他に必要な補足剤はいずれ も専門家に公知の適当な濃度で含めうる。たとえば温度、pHなどのような培養 条件は選択した宿主細胞で以前に発現のために用いられたものであり、通常の専 門家には明白であると思われる。 一般に、試験管内哺乳類細胞の生産性を最大化するための原理、プロトコル、 および実践的技術は「哺乳類細胞バイオテクノロジー:実践的手法」、M.Bu tler編(IRL・Press)オックスフォード大学出版、Oxford、 1991年)に見出すことができる。 前記プロセスはポリペプチドが細胞内または周辺細胞質空間のいずれにあって も採用することができる。ここにポリペプチドを分離するために提示する好適な 条件は殊に周辺細胞質空間に局在する封入体を指向するものである。 目的ポリペプチドについて実質的に均質な生産物を得るためには、再折りたた みする前に目的ポリペプチドを組換え細胞の蛋白質またはポリペプチドから精製 することがしばしば好適である。態様の一つにおいて、第一段階として培養培地 または溶菌液を遠心分離して細胞破砕物の粒子を除去する。要すれば、膜および 溶解性蛋白質画分を次に分離する。次にポリペプチドを、ポリペプチドが膜結合 しているか、または溶解性であるか、または凝集した型であるかによって、培養 溶菌液の溶解性蛋白質画分からおよび膜画分から精製しうる。その後、ポリペプ チドを溶解し、次に続いて適当な緩衝液を用いて再折りたたみする。この分離の 第一法の詳細は以下に記載する。 非溶解性の非天然ポリペプチドは原核生物宿主細胞から適当な分離緩衝液中で 適当な技術のいずれか、たとえば宿主蛋白質の大部分は溶解するが、凝集ポリペ プチドは不溶である適当なイオン強度を持つ緩衝液に、細胞を接触させること、 封入体を放出させ、例えば遠心分離のような回収技術を可能にするために細胞を 破壊すること、によって分離する。この技術はよく公知であり、例えば米国特許 4511503に記載されている。 概略的に記述すれば、細胞を緩衝液(典型的にはpH5から9、好ましくは約 6から8、でイオン強度約0.01から2M、好ましくは0.1から0.2Mを 使用する)中に懸濁する。塩化ナトリウムを含むいかなる適当な塩も充分なイオ ン強度値を維持するために有用である。この緩衝液に懸濁している間に、細胞を 次に、例えば機械的方法、たとえばManton−Gaulinプレス、フレン チプレスまたは超音波処理、または化学的または酵素的方法のような普通に採用 される技術を使用する溶菌によって崩壊させる。 細胞崩壊の化学的または酵素的方法の例には細菌壁を溶菌するためにリゾチー ムを使用することを含むスフェロプラスト化法[Neuなど、Biochem. Biophys.Res.Comm.、17巻:215頁(1964年)]およ び健常細胞を高張液で処理し、低張性の冷水で洗ってポリペプチドを放出させる ことを含む浸透圧ショック法[Neuなど、J.Biol.Chem.、240 巻:3685〜3692頁(1965年)]を含む。1987年7月14日発行 の米国特許4680262に記載の第三の方法は形質転換細菌細胞と炭素原子2 から4個を持つ低級アルカノールの有効量とを、細胞を殺し、細胞を溶解するに 充分な温度と時間、接触させることを含む。 細胞を崩壊させた後に、懸濁液を典型的には遠心分離して封入体をペレットに する。態様の一つでは、この段階は約500から15000×g、好ましくは約 12000×gで、容積と遠心器の意匠に依存するが、標準的な遠心分離器で充 分な時間、すなわち、普通は約10分から0.5時間実施する。得られるペレッ トは実質的に全ての不溶ポリペプチド画分を含むが、もし細胞崩壊工程が不完全 なら、無傷の細胞または破壊した細胞断片を含みうる。細胞崩壊の完全度はペレ ットを少量の同一緩衝溶液に再懸濁し、懸濁液を位相差顕微鏡で検査すれば評価 できる。破砕細胞断片または全細胞の存在は断片または細胞およびこれに伴う非 屈折体ポリペプチドを除去するために追加の崩壊が必要であることを示す。必要 な場合には、追加の崩壊後、懸濁液を再度遠心分離してペレットを回収し、再溶 解し、分析する。この方法は視覚的検査でペレット物質中に破砕細胞断片の不在 を 確認するまで、あるいは追加的処理が得られるペレットの容積を減らさなくなる まで反復する。 その他の態様の一つでは、好ましくは外因性の目的ポリペプチドを適当な緩衝 液中で溶解して分離する。この操作はポリペプチドが組換え的に生成した後に発 酵槽に試薬を直接添加することでポリペプチドを得るための収穫、ホモゲナイズ 化および遠心分離の余分な段階を回避できる反応液内溶解にすることができる。 残留粒子は遠心分離または濾過またはこの組合せで除去できる。その他には、よ り好ましくは多相分離/抽出系を使用して残留粒子からポリペプチドを精製して もよい。 多相水性分離系ではたとえば尿素、塩酸グアニジンおよび/または塩基のよう な変性剤(カオトロピック試薬)1種またはそれ以上とたとえばジチオスレイト ールまたはシステインのような還元剤とをポリペプチド含有培地に塩基性pHで 添加し、次に相系形成種を培養ブロスに添加する。この第二群の試薬をブロスに 添加すると多相が形成されるが、その一相ではポリペプチドに富み、バイオマス 固体および核酸に乏しい。好ましくは、この系は二相から四相を持ち、さらに好 ましくは二相であって、一相はポリペプチドに富み、他はバイオマス固体と核酸 に富む。好ましくは、上相がポリペプチドに富み、バイオマス固体と核酸に乏し くなるように所期ポリペプチドを上相に分配する。 こうして、発酵完了後、細胞培養物をカオトロピック試薬1種またはそれ以上 、所望による還元剤、および相系形成試薬と接触させて多相系を形成し、その一 相に目的ポリペプチドを豊富化する。カオトロピックおよび還元試薬を最初に添 加して細胞からポリペプチドを抽出し、相系形成剤を添加する前にブロス中での 溶解性を維持することは好適である。また、目的ポリペプチドはどの相からも抽 出できる(豊富化させうる)が、最も上の相から回収するのが好ましい。 最も好ましくは、カオトロピック試薬および所望による還元剤はポリペプチド の分離前に発酵槽中の発酵ブロスに直接添加して試薬を細胞に浸透させ、ポリペ プチドを溶解性とし、周囲の媒体に拡散させる。 適当な還元剤の例はジチオスレイトール(DTT)、β−メルカプトエタノー ル(BME)、システイン、チオグリコール酸、および水素化ホウ素ナトリウム である。緩衝液中に存在する還元剤の量は主として還元剤およびカオトロピック 試薬の型、採用する緩衝液のpHと型、および緩衝液中のポリペプチドの型と濃 度とに依存しよう。還元剤の有効量は分子間でジスルフィドを介する凝集を排除 するために充分な量である。例えば、1〜4Mの尿素を含むpH7.5〜10. 5の緩衝溶液中で0.5〜6mg/mLのIGF−Iでは、DTT濃度は約1〜 20mMであり、システインの濃度は約10〜50mMである。好適な還元剤は 約2〜10mMのDTTまたは約30〜50mMのシステインである。 この発明の実施に適当なカオトロピック試薬は、たとえば尿素およびグアニジ ンまたはチオシアン酸の塩、さらに好ましくは尿素、塩酸グアニジンまたはチオ シアン酸ナトリウムを含む。緩衝液中に存在することが必要なカオトロピック試 薬の量は、例えば、存在するカオトロピック試薬およびポリペプチドの型に依存 する。発酵ブロスに添加すべきカオトロピック試薬の量はポリペプチドを細胞か ら抽出し、ブロス内での溶解性を維持するために充分な量である。もしポリペプ チドを上相から抽出するなら、カオトロピック試薬の量は相系形成種の添加後に 固体が底に沈着している代わりに表面まで上昇する点までには密度が上昇しない 程度に充分に低くなければならない。一般的に、カオトロピック試薬の濃度は約 0.1〜9M、好ましくは約0.5〜9M、さらに好ましくは約0.5〜6M、 最も好ましくは約0.5〜3Mである。また、好ましくは相系形成試薬を添加す る前に培養媒体にカオトロピック試薬を添加する。好適なカオトロピック試薬は ここでは約1.5〜2.5M−尿素、さらに好ましくは約2M、または約0.5 〜3M−塩酸グアニジンである。最も好ましくは、カオトロピック試薬は尿素で ある。 カオトロピック試薬および還元剤を添加すべき水性溶液中のポリペプチド濃度 はポリペプチドが最高収率で回収される値でなければならない。採用すべき正確 な量は、たとえば、ポリペプチドの型および水性溶液中のその他の成分の濃度と 型、殊に還元剤、カオトロピック試薬、相系形成試薬およびpH、に依存する。 ポリペプチド一般としては、好適なポリペプチドの濃度は約0.1から15mg /mLである。好適なIGF−I濃度(変性または非天然型IGF−Iの最高収 率を招く)は0.5〜6mg/mL、さらに好ましくは1.5〜5mg/mLの 範囲にある。 ここで採用する相系形成種の型はポリペプチドおよび処理すべき発酵ブロス中 の各成分の型を含む多数の因子に依存する。各成分はポリペプチドが沈殿せず、 ポリペプチドがより親水性の相に局在し、バイオマス固体および核酸が低親水性 相に落ち着くように、一相が他相よりも親水性になるように選択しなければなら ない。 相系形成種はポリマーの組合せ(ポリマー−ポリマー)、ポリマー−塩の組合 せ、溶媒−塩およびポリマー−溶媒の組合せを含む試薬の組合せでもありうる。 適当なポリマーは高親水性ポリマーおよび低親水性ポリマー双方、すなわち当該 技術で公知の相系形成ポリマーのいずれかである。例には、たとえばPEG40 00、PEG6000、PEG8000のような種々の分子量のPEG、例えば Grunfeldなど、前出、に記載のPEG誘導体のようなポリエチレングリ コールまたはその誘導体、好ましい分子量範囲約36000から360000の ポリビニルピロリドン(PVP)、デキストラン(たとえば、デキストラン70 および500)、デキストリンおよびマルトデキストリン(好ましい分子量は約 600と5000との間)、ショ糖、およびFicoll−400(商品名)ポ リマー(ショ糖とエピクロロヒドリンとのコポリマー)を含む。ここで好適なポ リマーはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロ リドンまたはデキストランのような多糖類である。最も好適なポリマーは、種々 の分子量を持つPEGまたはPEG−ポリプロピレングリコールの組合せまたは コポリマーである。 適当な有機溶媒の例には、エチレングリコール、グリセリン、ジメチルスルホ キシド、ポリビニルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジオキサンおよびメタ ノール、エタノールおよび2−プロパノールのようなアルコールを含む。これら 溶媒は水溶液に添加した時、溶液の親水性を増加するものである。 塩は無機または有機塩であることができ、ポリペプチドを沈殿させるように作 用しないものが好ましい。遷移元素を含む塩はポリペプチドを沈殿させる傾向が あるので好適ではない。アニオンは水性多相系を形成する能力を持つものを選択 する。例には硫酸アンモニウム、燐酸ニナトリウム、硫酸ナトリウム、燐酸アン モニウム、クエン酸カリウム、燐酸マグネシウム、燐酸ナトリウム、燐酸カルシ ウム、燐酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、クエ ン酸ナトリウム、硫酸マンガン、燐酸マンガンなどを含む。二相水性系を形成す るに有用な塩の型はZaslavskiiなど、J.Chrom.、前出に評価 されている。好適な塩は、ここでは硫酸塩、燐酸塩、またはクエン酸塩であり、 アルカリまたはアルカリ土類金属塩である。硫酸塩およびクエン酸塩はより好適 であり、硫酸塩はpH制限が少ないので最も好適である。ここに、最も好適な塩 は硫酸ナトリウムおよびクエン酸ナトリウムである。 満足な多相系を得るために目的ポリペプチドに添加すべき相系形成種の量は当 技術領域では公知のものである。ポリペプチドに添加される相系形成種の量は、 例えば、もしあれば、すでに発酵ブロスに含まれるカオトロピック試薬および還 元剤の量、細胞培養培地の性質、発酵に使用する細胞の型、処理されるポリペプ チドの型、ポリペプチドを上下どちらの相から回収するか、および添加する相系 形成種の型、のような因子に依存する。必要な相−容積比のサイズに依存して、 採用するポリマーの一般的濃度は約5%(w/w)からポリマーの溶解度の限界 までであり、採用する塩濃度は約3%(w/w)から塩の溶解度の限界までであ る。相−容積比はバイオマス固体に適合するのに充分でなければならない。有効 な相系形成種の型と量とは状態図および最終結果、すなわち目的ポリペプチドの 純度と収率との評価によって決定することができる。もし、相系形成種がポリマ ー−塩の組合せならば、バイオマス固体および核酸が存在する相とは反対側の相 に所期ポリペプチドがあるようにするため、好ましくは添加する塩の濃度は約4 〜15%(w/w)、ポリマー濃度は5〜18%(w/w)とする。 もし、所期の系でポリペプチドが上相に分配され、バイオマス固体と核酸とが 下相にあるならば、そこに相系形成種の濃度の枠がある。溶解を維持するため、 より多量のカオトロピック試薬を添加する時には、より多量の相系形成種が必要 である。しかしながら、これら試薬の高濃度は溶液の比重を増加する。高密度は バイオマス固体の沈着し易さの減少を起こすであろう。過剰な高濃度はバイオマ ス固体の表面への浮上を起こすであろう。それ故、カオトロピック試薬および相 系形成種の濃度はポリペプチドの完全な溶解を維持するために充分な高さである が、バイオマス固体および核酸が反対側(下)の相に沈着するために充分な低さ でなければならない。 もし、ポリペプチドを上相から回収するなら、典型的には、たとえば塩、ポリ マーおよびポリペプチドなどの型に依存し、塩濃度は約4〜7%(w/w)で、 ポリマー濃度は約12〜18%(w/w)であろう。もし、たとえばエタノール のような有機溶媒を相系形成種として添加するなら、たとえばポリペプチドおよ びアルコールの型に依存し、好ましくは溶液の約10から30%(容積/容積) の量で添加する。そして、もし、他の相系形成種が存在するなら、約20%(v /v)が好ましい。 細胞培養物を種々の試薬と接触させるための正確な条件は、たとえば、緩衝液 のpH、相系形成種の型、ポリペプチドおよびカオトロピック試薬および還元剤 の型と濃度などに依存する。反応温度は一般的に約20〜40℃、より好ましく は室温である。接触段階は一般的に、副反応が起きるかどうかに依存して、少な くとも約30分間、好ましくは約30分間から12時間、より好ましくは約30 分間から8時間、最も好ましくは約30分間から1.5時間実施する。 もしポリペプチドの折りたたみがほどけていれば、ほどかれた程度は非天然型 ポリペプチドの親水性相互作用クロマトグラフィーまたはイオン交換クロマトグ ラフィーを含むクロマトグラフィーにより適当に決定される。非天然型物質ピー クの面積の増加が非天然型ポリペプチドの存在量を指摘する。 多相系が確立すると、一相はポリペプチドに富み、バイオマス固体および核酸 を含む崩壊粒子および細胞に乏しくなる。二相系では、好ましくは上相はポリペ プチドに富み、一方下相は崩壊粒子および細胞に富む。ポリペプチドは両相の分 離により容易に回収することができる。この回収段階は上相のデカンテーション により、下相の流出により、または遠心分離により達成してもよい。ポリペプチ ドはそれを含む相からポリペプチドを沈殿するようにpHを変化させることによ り、または沈殿するポリペプチドを遠心分離または濾過またはスラリー化により 適当に回収するように適当な溶媒を添加することにより分離される。その他に、 ポリペプチドはポリマー含有相から適当なポリマー、塩または溶媒の添加による 再抽出により回収することができる。IGF−Iの場合、ポリペプチドを分離し たポリマー相からIGF−Iが沈殿するようにpHを下げることにより回収し、 IGF−Iの収率を97%位またはそれ以上に導いた。 多相系の液体相から、または精製の後段階で得られた、ポリペプチドはここに 記載する本発明を使用して適当に再折りたたみをし、活性配座にする。 もしポリペプチドが再折りたたみする前に溶解型でなければ、ポリペプチドを 実質的に溶解するために必要な量のカオトロピック試薬および還元剤を含むアル カリ性緩衝液中でインキュベーションすることによって溶解しうる。このインキ ュベーションはアルカリ性緩衝液中でポリペプチドの溶解を起こすポリペプチド 濃度、インキュベーション時間およびインキュベーション温度で実施する。 ポリペプチドの溶解割合の測定は、濁度測定により、還元SDSゲル上遠心分 離後に上清液とペレットとの間のポリペプチド分配率の分析により、蛋白質検定 (たとえば、Bio−Rad蛋白質検定キット)、またはHPLCにより適当に 実施される。 溶解用アルカリ性緩衝液のpH範囲は典型的には低くとも約7.5、好適範囲 は約8〜11である。後者の範囲のpHを与えるために適当な緩衝液の例には、 グリシン、CAPSO(3−[シクロヘキシルアミノ]−2−ヒドロキシ−1− プロパンスルホン酸)、AMP(2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール) 、CAPS(3−[シクロヘキシルアミノ]−1−プロパンスルホン酸)、CH ES(2−[N−シクロヘキシルアミノ]エタンスルホン酸)およびTRIS・ HCl(トリス[ヒドロキシメチル]アミノメタン・塩酸塩)を含む。ここに、 好適な緩衝液はグリシンまたはCAPSOであり、好ましくは濃度約20mM、 pH約8.5から11、好ましくは約10〜11である。 溶解用緩衝溶液中のポリペプチドの濃度はポリペプチドが実質的に溶解するか または部分的または完全に還元されて変性する濃度でなければならない。あるい は、ポリペプチドは最初は不溶でもよい。採用すべき正確な量は、たとえば、緩 衝溶液中のその他の成分の濃度と型、殊に採用するポリペプチドの型、還元剤の 型と量、カオトロピック試薬の型と量および緩衝液のpHなどに依存する。例え ば、もし還元剤、たとえばDTTなど、の濃度を同時に増加して、DTT:IG F−Iの比率を約3:1から10:1に保持すれば、IGF−I濃度は少なくと も3倍に増加されうる。希釈再折りたたみをする前に、より濃厚な溶解蛋白質を 製造することが望ましい。そこで、ポリペプチドの好適濃度は少なくとも約30 mg/mLで、さらに好適な範囲は30〜50mg/mLである。例えば、IG F−Iを約30〜50mg/mLの濃度に2M−尿素、10mM−DTTで溶解 し、例えば、約1mg/mLまで希釈して折りたたみをさせる。 ポリペプチドを溶解した後は、それを放置するか、前記の溶媒、カオトロピッ ク試薬、および塩を含む緩衝液で希釈する。緩衝液は第一次緩衝液について前記 にリストしたものはどれでもよく、中でもCAPSO、グリシンおよびCAPS はpH8.5〜11では、殊に約20mM濃度で好適であり、最も好ましくは、 CAPSOおよびグリシンであることができる。ポリペプチドは再折りたたみ用 緩衝液で、好ましくは少なくとも5倍に、より好ましくは少なくとも約10倍に 希釈してもよい。あるいは、ポリペプチドを再折りたたみ用緩衝液に対して透析 してもよい。再折りたたみは典型的には約0〜45℃、好ましくは約20〜40 ℃、より好ましくは約23〜37℃、さらにより好ましくは約25〜37℃、最 も好ましくは約25℃で少なくとも約1時間実施する。好適な温度は塩、溶媒お よびカオトロピック試薬濃度によっては明瞭に影響されることはないが、ショ糖 およびグリセリンの存在により影響されうるので、この場合には約20℃または それ以上に保持すべきである。この溶液は、所望ならば還元剤およびオスモライ トも含有する。 還元剤は前記濃度範囲での前記溶解段階に記載したものから適当に選択する。 濃度は、特にアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、ポリペプチド および溶媒の濃度、に依存する。好ましくは、還元剤の濃度は約0.5から8m M、より好ましくは約1〜5mM、さらにより好ましくは約0.5〜2mMであ る。好適な還元剤はDTTおよびシステインである。 所望によるオスモライトは、好ましくはショ糖(約0.25〜1Mの濃度で) またはグリセリン(約1〜4Mの濃度で)である。より好ましくは、ショ糖濃度 は約1Mであり、グリセリン濃度は約4Mである。 折りたたみ緩衝液中のポリペプチドの初期濃度は、回収される正しい折りたた みの配座体の収率およびHPLC、RIAまたは生物検定法で測定して正しい折 りたたみの配座体と誤った折りたたみの配座体との比率が最高になるようにすべ きである。正確な濃度は、例えば採用するポリペプチドの型に依存する。ポリペ プチドの好適な濃度(正しい折りたたみの配座体の最高収率を招く)は約0.1 から15mg/mL、より好ましくは約0.1から6mg/mL、および最も好 ましくは約0.2から5mg/mLである。 これに加え、空気または酸素ガスのような酸素源は緩衝液に入っているか、ま たはそうでなければ導入して銅またはマンガン塩で酸化を起こさせる。この酸素 はポリペプチドまたはその他の試薬が緩衝液に添加される前を含めてどの時点で でも緩衝液中に存在することができる。 導入する酸素源の量は使用する容器、ポリペプチドの型と濃度、酸素源の型、 銅またはマンガン塩の型と量、および、もし存在すれば還元剤の型と量、および 存在するカオトロピック試薬の型と量ならびに緩衝液のpH、に依存する。一般 的にこの酸素源は受動的方法(たとえば、空気空間と液体容積の比率2:1での 頂部空間の空気として)で撹拌機を使用して導入する。あるいは、酸素源は多孔 分散管を通して通気する。酸素導入速度は折りたたみが、好ましくは約1から1 2時間、より好ましくは約1から6時間、最も好ましくは約1から3時間に完了 するに充分なものでなければならない。分子状酸素の添加は還元剤濃度およびポ リペプチド濃度に比例するが、銅またはマンガン塩濃度に逆比例する。酸化速度 は酸素添加速度ではなく、触媒濃度により限定される。大容量の折りたたみには 高い通気速度が必要である。 この第二インキュベーションで起きる再折りたたみの程度は、ポリペプチドの RIA力価または、たとえばVydacまたはBaker・C−18カラムを用 いるHPLC、により適宜測定でき、RIA力価の増加または正しい折りたたみ のポリペプチドのピーク面積の増加は直接的に緩衝液内に存在する正しい折りた たみの生物学的に活性のポリペプチド配座体の増加量に相関する。このインキュ ベーションは、回収される正しい折りたたみのポリペプチド配座体の収率および RIAまたはHPLCで測定される回収された正しい折りたたみのポリペプチド 配座体の誤った折りたたみのポリペプチド配座体に対する比率を最大にし、マス バランスで測定される多重体の会合ポリペプチドの収率を最小にするように実施 する。 ポリペプチドを再折りたたみさせた後の次記操作はより高い純度を得るために 適当な精製操作の例示である:免疫アフィニティーまたはイオン交換カラム上の 分配;エタノール沈降;逆相HPLC;親水性相互作用クロマトグラフィー;シ リカまたはS−SepharoseおよびDEAEのようなイオン交換樹脂上の クロマトグラフィー;クロマトフォーカシング;SDS−PAGE;硫酸アンモ ニウム沈殿;および例えばSephadex・G−75を使用するゲル濾過。 本発明は以下の実施例を参照することによってさらに完全に理解されるであろ う。この実施例は発明の例示を意図するものであって、その範囲を限定する意図 はない。引用した文献および特許はすべて参考のために明示的に組入れたもので ある。 実施例I A.宿主細胞株37D6の構築 本実施例に記載した発酵において組換えヒトIGF−Iを産生するのに使用し た宿主は37D6と名付けられたE.coli W3110の誘導株であった。 37D6の完全な遺伝型はtonA△ ptr3 phoA△E15 △rbs 7 ilvG△(argF−lac)169 ompT△ degP41kanr である。tonA△ ptr3 phoA△E15 △(argF−lac) 169 ompT△ degP41kanrの遺伝型を有する37D6の親株で ある27C7株の誘導化は1993年6月10日公開のWO93/11240に 記載されており、その開示内容は本明細書の一部を構成する。27C7株は19 91年10月30日にAmerical Type Culture Collection(ATCC No.5 5,244)に寄託された。 37D6株は、rbs7が欠失(リボースを利用しない)し、ilvG座が回 復されている以外は上記の27C7と同じである。これら2つのマーカーはP1 形質導入によって導入することができる。 B.IGF−I発現プラスミドpBKIGF2Bの説明/構築 IGF−Iを発現するプラスミドであるpBKIGF−2Bにおいて、E.c oli中でIGF−I遺伝子を発現させるのに必要な転写配列および翻訳配列は アルカリホスファターゼプロモーターとtrp Shine-Dalgarno配列によって提供さ れる。lambda t0転写終了暗号はIGF−Iの終止コドンの近傍に位置している 。細胞質からのこのタンパク質の分泌はlamBシグナル配列か、またはSTI Iシグナル配列によって指令される。大部分のrhIGF−Iは細胞の細胞周辺 腔に見いだされる。プラスミドpBKIGF−2Bは形質転換宿主にテトラサイ クリン耐性を与える。 プラスミドpBKIGF−2Bは、中間体プラスミドにpLS32Tsc、p LBIGFTsc、pLS33TscおよびpRanTscを用いるいくつかの 工程を経て構築された。 工程1:pLS32Tsc 分泌プラスミドpLS32TscはIGF−I遺伝子を含有する。E.col iのIGF−I遺伝子の発現に必要な転写配列と翻訳配列は、アルカリホスファ ターゼプロモーターとtrp Shine-Dalgarno配列によって与えられる。lambda t0 転写終止シグナルはIGF−I終止コドンの近傍に位置している。細胞質からの タンパク質の分泌はlamBシグナル配列またはSTIIシグナル配列によって 指令される。大部分のrhIGF−Iは細胞の細胞周辺腔に見いだされる。プラ スミドpLS32Tscは形質転換宿主にテトラサイクリン耐性を与える。プ ラスミドpLS32Tscは、中間体プラスミドに上記WO93/11240に 詳細に記載されているpLS32、pAPlamB,pLS32lamB、pL S33lamBおよびpLS33Tscを用いるいくつかの工程を経て構築され た。 工程2:pLBIGFTsc 工程a:pLamBIGF 結合の最初の部分では、pBR322からEcoRI−PstIベクター断片 が分離された。結合の2番目の部分では、pAPLamBからPstI−Nco I 1244−bp断片が分離された。結合の3番目の部分では、最初の5’末 端を除くIGF−I遺伝子を含むHaeII−EcoRI 196−bp断片が プラスミドp200から分離された。p200は5’から3’の方向にケラチン プロモター、MFαIプレプロシグナル配列、成熟IGF−Iをコードしている DNA、および2−micronの終止シグナルを有するpBR322由来プラ スミドである。p200は、細菌のColE1の複製起点、および酵母の2−m icron起点を含んでいる。p200の制限酵素プラスミドダイアグラムを図 1に示す。MFaIプレプロおよびIGF−I遺伝子を含むp200のEcoR I(1149位で開始)からEcoRI(1628位で開始)までの断片のヌク レオチド配列(配列番号1)を図2に示す。図2のダイアグラム中のHaeII 、PstI、BamHIおよびSaII制限部位は配列内の下線で示す。シグナ ル配列をIGF−I遺伝子(NcoIからHaeII)に結合している合成DN A断片は次の配列を持つ様に製造した: 3つのプラスミド断片と合成DNAを一緒に結合させ、図3に示すpLamBI GFを形成させた。 工程b:pLBIGFTsc pLS18から最初の結合断片としてXbaI−BamHIベクター断片を単 離した。第二の結合部分は上記のプラスミドpdH108−4からの412−b pのStuI−BamHI断片であった。第三の結合部分はpLamBIGFを EcoRIで消化した後にDNAポリメラーゼKlenow断片で処理し、次いでXb aIで消化することによって製造した。これらの3つの断片を結合させ、図4に 示すpLBIGFTscを得た。工程3:pRanTsc pLS18からのXbaI−BamHIベクター断片を最初の結合断片として 単離した。第二の結合部分は上記のプラスミドpdH108−4からの412b pのStuI−BamHI断片であった。第三の結合部分はpRANTESから 調製した。pRANTESは、XbaIリンカー断片、STIIシグナル、RA NTESをコードするcDNA(Schallらが、J.Immunol.,141:1018(1988)で 発表)およびBamHIリンカーをこの順番に含むpBR322を基礎とするプ ラスミドである。第三の断片はpRANTESをBamHIで消化した後にDN AポリメラーゼKlenow断片で処理し、次いでXbaIで消化することによって製 造した。得られた303bpの断片を単離した。これらの3つの断片を結合させ 、図5に示すpRanTscを得た。 工程4:pBKIGF−2 図6に示すように、アルカリホスファターゼプロモーター、lamBシグナル 配列およびIGF−Iの最初の15個のアミノ酸をコードするDNAを含むEc oRI−PstI 540bpの断片をpLS32Tscから切り出した。IG F−Iの16〜38位のアミノ酸をコードするDNAを含むPst−Bsp12 861断片(〜70bp)をpLBIGFTscから切り出した。IGF−Iの 39〜70位のアミノ酸をコードするDNA、lambda終止シグナルおよび Tcプロモーターを含むBsp12861−HindIII(〜179bp)断 片をpLS33Tscから切り出した。最後に、EcoRI−HindIII〜 4331bpベクター断片(pBR322由来)をpRanTscから切り出し た。これら4個の断片を結合させ、APプロモーター、lamBシグナル配列、 完全なIGF−Iタンパク質をコードするDNA、転写終止シグナル、Tcプロ モーター、およびテトラサイクリンならびにアンピシリン耐性マーカーを含むp BKIGF−2を得た。 工程5:pBKIGF−2A pBKIGF−2をpstIとClaIで消化し、〜245bpの断片を単離 した。この断片はIGF−Iの16〜70位のアミノ酸とlambda t0終止 シグナルを含んでいる。pLBIGFTscをNcoIとClaIで消化し、ベ クター断片を単離した。このベクター断片はAPプロモーター、lamBシグナ ルおよびTetr遺伝子を含んでいる。これら2個の断片を、NcoIからPs tIまでのIGF−I DNAの5’末端が以下の合成によって得られたコドン と置き換わっている合成DNA片と結合させた: 得られたプラスミドはpBKIGF−2Aと名付けた。このプラスミドの構造を 図7に示す。 工程6:pLamBRan 本プラスミドはpLS33LamBをNcoIとBamHIで消化することに よって製造し、ベクター断片を単離した。pLS33LamBは、APプロモー ター、lamBシグナルおよびIGF−I遺伝子を挿入したpBR322から作 られたプラスミドである。BamHIはこのプラスミドのTc部分を切断し、N coIはIGF−I遺伝子の5’末端を切断する。第二の断片はpRANTES をBsaJIとBamHIで消化することによって生じ、得られる〜200bp の断片を単離する。第三の断片はRANTES遺伝子とNcoIからBsaJI までのシグナル配列を結合させるための合成DNA片であった。この合成DNA は以下の配列を有する: 得られたベクターをpLamBRanと名付け、図8にその構造を示す。 工程7:pBKIGF−2B 本プラスミドの構造を図9に示す。pLamBRanをNcoIとSphIで 消化し、プロモーターとシグナル配列を含むベクター断片を単離した。pBKI GF−2をDdeIとSphIで消化し、lambda転写終止シグナルとTetR遺 伝子の5’末端を含む〜600bpの断片を単離した。pBKIGF−2AをN coIとBsp1286Iで消化し、IGF−Iの1〜38位のアミノ酸をコー ドするDNAを含む〜110bpの断片を単離した。これら3個の断片をIGF −Iの39〜70位のアミノ酸をコードする合成DNAと一緒に結合させてpB KIGF−2Bを得た。この合成リンカーは以下の配列を有する: C.発酵法および回収法 i.形質転換 標準的な形質転換技術によってコンピテントE.coli 27C7細胞をp BKIGF−2Bを用いて形質転換した。テトラサイクリン20mg/Lを含む LBプレート上で形質転換体を選別し、単離した。この培地は以下の組成を有す る:バクト−ペプトン19g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g /Lおよびテトラサイクリン−HCl 20mg/L。 ii.発酵接種物 10L発酵槽の接種物は、テトラサイクリンを含む滅菌LB培地約500mL を含む2L振とうフラスコに、新たに解凍した上記の1〜2mL培養バイアルを 最初に接種することによって調製した。このフラスコを35〜39℃で8時間イ ンキュベーションし、本実施例のCに記載した範囲の生産培地を入れた10L発 酵槽に移した。10L発酵槽の接種物をpH7.1〜7.5、35〜39℃で6 〜12時間インキュベーションした。撹拌速度は650〜1000rpmに設定 し、通気速度は空気0.7〜1.5倍容/培養容量/分とした。次に、接種物を 無菌的に、グルコースが底から導入される1000Lの発酵容器に移した。 接種物10Lを500mLの振とうフラスコ培養と同様に中期対数期まで増殖 させた(バッチ培養)。発酵開始時にすべてのグルコースを10L発酵容器に加 えた。1000L発酵のみにおいてグルコースが栄養として利用された。 iii.発酵方法 最初に1000L容器に以下の組成の発酵培地600〜800Lを加えた:成分 量/L グルコース* 250〜350g 硫酸アンモニウム 3〜8g 水酸化アンモニウム pH7.1〜7.5に調節 するのに必要な量 リン酸ナトリウム、1塩基2水和物 1〜2g リン酸カリウム、2塩基 2〜4g クエン酸ナトリウム、2水和物 0.5〜1.5g 塩化カリウム 1〜2.5g 25%Pluronic Polyol L61 最初0.1〜0.2mL及 び泡立ち制御に必要な量 硫酸マグネシウム、7水和物 1〜3g テトラサイクリンHCl 5〜20mg 酵母エキス** 5〜20g NZアミンAS** 5〜25g イソロイシン 0〜10g メチオニン** 0〜1g 塩化第二鉄、7水和物 10〜30mg 硫酸亜鉛、7水和物 2〜5mg 塩化コバルト、6水和物 2〜5mg モリブデン酸ナトリウム、2水和物 2〜5mg 硫酸第二銅、5水和物 2〜5mg ホウ酸 0.5〜2mg 硫酸マグネシウム、1水和物 1〜3mg * 最初にグルコース1〜5gを培養に加えた。残りは発酵の経過中に培養に加え た。 ** 酵母エキス、NZアミンASおよびメチオニンを最初に添加および/または 発酵全体にわたって供給することができる。 発酵はpH7.1〜7.5、35〜39℃で24〜48時間行った。撹拌速度 は200rpmに、通気速度は空気0.7〜1.5倍容/培養容量/分に設定し た。培地中のホスフェートが枯渇した後にIGF−Iの生産が始まった。この方 法では遠心沈澱させたときの細胞容量が約18%であり、IGF−Iが3g/L 以上である発酵ブロスが得られた。なお、IGF−Iは主として細胞周辺腔に存 在し、細胞外培地中には低レベルであった。 D.in−situにおける可溶化 発酵の終了時に、温度を除く全ての栄養と調節器を除去した。温度調節は37 ℃に維持した。吹き込みを止め、発酵槽の背圧を解除した。液体培地の容量を1 200Lまで排出させ、撹拌を200rpmから150rpmに遅くした。次に 、吹き込みラインと発酵槽の上部空間を、窒素ガスを用いて最初は150Lpm で1分間、次いでこの方法の残りの部分では50Lpmでフラッシュした。次に 、尿素174kgを含むスラリー220Lをポンプで速やかに発酵槽中に移し、 その直後にpHを10.0とするに十分な50%(w/w)水酸化ナトリウム約 8Lを加えた。次に、ジチオスレイトール2.9kgを含む溶液20Lを加え、 50%水酸化ナトリウムをさらに約3L加えてpHを再度10.0に調節した。 このバッチを撹拌しながら60分間37℃に保った後、22℃に冷却し、水性2 相抽出用の保持タンクに移した。逆相HPLC分析によって、IGF−Iの最初 の力価が3.8g/Lであり、可溶化した後に、細胞からIGF−Iが定量的に 放出されることが示された。 E.水性2相液体−液体抽出 バッチ温度を22℃に維持し、タンクの上部空間を窒素でフラッシュした。容 量1450Lの、この様に処理した液体培地にPEG−8000 250kgと 硫酸ナトリウム90kgを加えた。バッチを約40分間撹拌した。試料を遠心し 、 分析することにより、相−容量比(Kv)は2.6で安定し、IGF−I分散係 数(Kc)は8.5であることが示された。Westfalia SB-7分離器を用いてバッ チを分け、おおよそ軽い相1300Lと重い相550Lを得た。逆相HPLCに よる分析から、分離した軽い相に、処理した液体培地の最初の1450L中のI GF−Iの約88%が含まれていることが示された。軽い相を窒素下に保ち、重 い相を捨てた。 F.IGF−Iの沈澱 軽い相に22℃で2Mリン酸約36Lを加え、pHを7.0に調節した。バッ チをゆっくり撹拌しながら約8時間維持した(逆相HPLC分析から、この時点 でIGF−Iの約96%が沈澱したことが示された)。次に、Westfalia SB-7浄 化器を用いてペレットを回収した。ペレットスラリーの量は約88kgであった 。 G.リホールディング(再折りたたみ) 十分な固形尿素を加えて最終濃度を2Mとし、十分なジチオスレイトールを加 えて濃度を10mMとし、50%(w/w)水酸化ナトリウムでpHを10.0 に調節することにより、重さ17.6kgのペレットスラリーの一部を溶解させ た。次に、これを2M尿素、1M塩化ナトリウム、19%(v/v)エタノール 、20mMグリシン、0.5μM銅(pH10.5)の組成を持つホールディン グ(折りたたみ)緩衝液700Lに加えた。次いで、ジチオスレイトールの最終 濃度を1mMに調節した。ホールディングは22℃で、酸素ガスを280mL/ 分で吹き込んで静かに撹拌しながら行った。ホールディングの進行は逆相HPL Cによってモニターした。ホールディングの開始時、中間、および終了後の典型 的なHPLCクロマトグラムを図10に示す。約3時間後に酸素の吹き込みを止 め、リン酸試薬約1.6Lを用いてバッチのpHを3.5に滴定することによっ てホールディングを終了した。逆相HPLC分析によってホールディングの収率 は50%であることが示された。 実施例II 宿主の構築、プラスミドの構築および発酵は、実施例IのA−Cの記載に従っ て行った。in−situの可溶化は、DTTを用いる代わりに十分なL−シス テインを加えて液体培地を還元し、最終濃度を50mM(約8.8kg)とする 以外は実施例IのDの記載に従って行った。可溶化の終了時に行った逆相HPL C分析からIGF−Iの93%が細胞から放出されたことが示された。 次に、実施例IのE−Gに記載の操作を小規模用に変更して単離を行った。 実施例III 実施例IのA−Dに記載の宿主、プラスミド、発酵法およびin−situ可 溶化法を用いて、非天然IGF−Iを製造した。 以下の手順を用いて水性2相系を作製した:(1)相を形成する成分を目盛り 付きの15mLポリスチレン培養チューブに入れ;(2)in−situ可溶化 物からの全抽出物7mLを加え、内容物を混合し、その上部空間に窒素をフラッ シュした;(3)この組成物をチューブの上下を入れ替えて混合しながら、室温 もしくは37℃で2時間インキュベーションした。保存溶液(50% w/w P EG Mr 3350ポリマー、50% w/w PEG Mr8000ポリマー および100% w/w DOW ポリグリコール15−200ブランドポリマー )からポリマーを加え、また塩は乾燥化学薬品として加えた。全ての抽出物の濃 度が1g/mLであると仮定して、あらかじめ決定した組成(重量/重量)とな るように成分を加えた。 25℃または37℃で約1300gにて20分間遠心して相を分けた。上相の IGF−I濃度を逆相HPLC分析によって測定した。下相のIGF−I濃度は 質量平衡仮定法を用いて計算した。 相形成ポリマーの濃度と種類、相形成塩の濃度と種類、相非形成塩の濃度と種 類、および温度が異なる3つの実験を行った。得られた系は列挙した5つのカテ ゴリーの1つに属するものとして視覚的に特徴づけることができた:(1)1相 系、(2)固形物が下相に沈澱している2相系、(3)いくらかの固形物が下相 に浮遊している2相系、(4)固形物が上相と下相の両方に分散している2相系 、および(5)固形物が上相に分散している2相系。 図11に示したプロットは、全抽出物、PEG−8000およびNa2SO4の みからなる系における組成と傾向との関係を示している。このプロットでは、「 浮遊する固形物を有する2相系」は、下相に固形物が沈澱していないすべての2 相系を示している。このプロットは、固形物の容量を収容するのにちょうど十分 な大きさの下相中に固形物が沈澱する限界描写系(limit describing system) も示す。固形物が下相に沈澱し、下相の容量が固形物を収容するのに十分であり 、相−容量比が約1より大きい最も好ましい系は、被われた領域内に含まれる。 これらの3つの実験は、表Iに示す異なる水性2相系の定量的な比較を可能に するデータも提供する。誤差を減らし、与えられた変化の影響をより明らかにす るために、示したいくつかの異なる系の容量比と分配係数のデータを平均した。 この分析結果はいくつかの傾向を示している。ポリマーのPEG−8KおよびP EG−4K(Mr値はそれぞれ8000および3350)は、非天然IGF−I が同様に分配する同様の容量比を持つ系を形成する。試験した相系にNaClが 含まれていても容量比には影響しないが、IGF−Iの分配係数は低下する。不 揃いのポリエチレングリコールを加えると、ポリエチレングリコールコポリマー DOW Polygylcol 15-200ブランドポリマー(Mr〜2500)の容量比や分配係 数は変化しない。PEG−8000およびNa2SO4系中に相を形成するクエン 酸塩が含まれていると2節曲線の位置は移動するが、IGF−Iの分配には影響 しない。37℃で水性2相抽出を行うと、25℃に比べて容量比と分配係数は減 少する。 実施例IV 実施例IのA−Dに記載の宿主、プラスミド、発酵法およびin−situ可 溶化法を用いて非天然IGF−Iを製造した。PEG−8000を保存溶液とし てよりむしろ乾燥形で加える以外は、実施例IIIの記載に従って水性2相系を 調製した。上相および下液相中のIGF−I濃度は逆相HPLC分析によって測 定した。分析前に下液相を0.2μmで濾過し、残っている懸濁している固形物 を除去した。 水性2相系中の非天然IGF−Iの分配係数を直接測定した結果を表IIに示 す。5%(w/w)Na2SO4および14%PEG−8000の条件における分 配係数の大きさは9〜10である。塩濃度が1%(w/w)増加するか、または ポリマー濃度が2%(w/w)増加すると、分配係数の大きさは2倍になる。塩 とポリマーの濃度が一緒に増加すると、増加は4倍となり、値は40に近くなる 。この後者の組み合せは、浮遊固形物を有する2相系の形成をもたらす。 値はそれぞれ上から下に、IGF−I分配係数(測定値)、相−容量比、および 上相中の可溶性全抽出IGF−Iの質量パーセンテージを示す。 実施例V 実施例IのA−Eに記載の発酵法、in−situ可溶化法、および水性2相 抽出法を用いて非天然IGF−Iを製造した。IGF−I沈澱法については、軽 い相の一部をいくつかの部分標本に分け、次いで以下の酸の1つを用いて約pH 6に滴定した:2Nリン酸、2N酢酸、2N硫酸、2N塩化水素酸、2Nクエン 酸、または2N硝酸。次に、この部分標本を約5000×g、15分間の短時間 遠心にかけ、上清の液体をデカントした。逆相HPLC分析から、すべての例に おいて出発時のIGF−Iの少なくとも93%がペレット中に回収されているこ とが示された。次に、実施例IのGに記載の方法を小規模様に変更して、ペレッ ト中のタンパク質のホールディングを行った。 実施例VI 実施例IのA−Eに記載の発酵法、in−situ可溶化法、および水性2相 抽出法を用いて非天然IGF−Iを製造した。 実施例IのEで得られた軽い相の試料をいくつかの少量の部分標本に分け、こ れらの部分標本に2M硫酸を加えてpH10、4.5、4.0、3.5または3 .0に滴定することにより、酸沈澱を開始した。次に、これらの5つの保存物の それぞれをさらに5つの部分標本に分け、これに最終濃度を3、4、5、6また は7重量%とするのに十分な固形の硫酸ナトリウムを加えた。試料を静かに混合 しながら25℃で2時間インキュベーションした。次に、約5000×gで20 分間遠心して相を分離した。両方の相中のIGF−I濃度を逆相HPLCで分析 した。 pH10におけるすべての硫酸ナトリウムレベルにおいて、IGF−Iの95 %以上が上相中に残っていた。他のすべてのpH(4.5〜3.0)では、すべ ての試料においてIGF−Iの98%以上が下相中に回収された。 実施例VII 実施例1のA−Gに記載の発酵法、in−situ可溶化法、水性2相抽出法 および中和沈澱法を用いて、非天然IGF−Iを製造した。 中和沈澱法によって得られたIGF−Iペレットから還元IGF−Iを含む懸 濁液を調製した。この懸濁液を作製するためにIGF−Iを含む湿潤ペレット3 0gを、終量100mL中に20mMグリシン(pH10.5)、2M尿素およ び10mM DTTを含む溶液に再懸濁した。必要に応じてNaOHとHClを 加え、得られた懸濁液のpHをpH10.5に調節した。この懸濁液の逆相HP LC分析から、この懸濁液が35mg/mLのIGF−Iを含有することが示さ れた。 適当量の以下の保存溶液を加えることにより15mLポリスチレン培養チュー ブ中にリホールディング緩衝液を調製した:1Mグリシン(pH10.5)およ び25μM CuCl2、9M尿素、100%エタノール、1.8M Na2SO42 0%(v/v)PEG−3350および20%(v/v)PEG−8000。各 チューブにグリシンおよびCuCl2を含む50×緩衝液保存溶液0.1mLを 加えた。終量5mLにおいて示した濃度となるように他の保存液を加えた。リホ ールディング緩衝液成分を含む各チューブを終量4mLとした。 あらかじめ調製したリホールディング緩衝液で還元IGF−Iの懸濁液1mL を希釈し、IGF−Iの出発濃度を7mg/mLとすることによってIGF−I のリホールディングを開始した。チューブに蓋をし、オービタルシェーカーで水 平に振とうさせた。各チューブは液体5mLと空気10mLを含んでいた。リホ ールディングを3時間生じさせた後に試料を回収し、20mMグリシン(pH3 )と2M尿素を含む酸性化緩衝液中、10の因子によって希釈し、逆相HPLC によって分析することにより正しくホールディングされたIGF−Iの含有量を 決定した。 この実施例の目的は、リホールディング中に得られた正しくホールディングさ れたIGF−Iの収率に対する水性相形成成分の影響を示すことである。検討し た具体的な相形成成分はNa2SO4、PEG−3350、PEG−8000およ びエタノールであった。試験した濃度は10〜15の因子で単離した水相を希釈 することによって作製することができる濃度と一致していた。 表IIIに示す結果は、正しくホールディングされたIGF−Iの収率は相形 成成分であるエタノールとNa2SO4の存在下でIGF−Iをリホールディング することによって増加することを示している。相形成成分のPEG−3350ま たはPEG−8000の存在は、IGF−Iの収率に影響しなかった。 実施例VIII 非天然IGF−Iは、実施例IのA−Gに記載の発酵法、in−situ可溶 化法、水性2相抽出法および中和沈澱法を用いて製造した。 中和沈澱法によって得られたIGF−Iペレットから、還元IGF−Iを含む 懸濁液を調製した。IGF−Iを含む湿潤ペレット10gを20mMグリシン( pH10.5)、2M尿素および10mM DTTを含む溶液45mLに再懸濁 することにより本懸濁液を作製した。必要に応じてNaOHを加えることにより 、得られた懸濁液のpHをpH10.5に調節した。pHを補正した懸濁液の逆 相HPLC分析によって、この懸濁液がIGF−I 15mg/mLを含むこと が示された。pHを補正した懸濁液を濃縮DTT溶液を加え、最終濃度15mM のDTTを得た。得られた還元IGF−I懸濁液はIGF−I 15mg/mL 、20mMクリシン(pH10.5)、2M尿素、および15mM DTTを含 んでいた。 適切な量の種々の保存溶液と乾燥化学薬品を加えることにより、リホールディ ング用緩衝液を15mLポリスチレンチューブに調製した。各チューブに1Mグ リシン(pH10.5)と25μM CuCl2を含む50×緩衝液保存溶液0. 1mLを加えた。終量5mLで示された濃度となる様に適切な量の他の化学薬品 を加えた。エタノールとグリセロールは液体で加えた。尿素、NaClおよびN a2SO4は乾燥形で加えた。リホールディングをIGF−I 1または4mg/ mLのいずれかで行うかによって、リホールディング緩衝液成分を含む各チュー ブの終量をそれぞれ4.7または3.7mLとした。 IGF−Iのリホールディングは、IGF−Iの1または4mg/mLをリホ ールディングするために、それぞれ還元IGF−I懸濁液0.3または1.3m Lをあらかじめ調製したリホールディング緩衝液で希釈することによって開始し た。チューブに蓋をし、オービタルシェーカーで水平に振とうさせた。各チュー ブは液体5mLと空気10mLを含んだ。リホールディングを8時間行った後に 試料を回収し、酸性化し、逆相HPLCで分析することにより正しくホールディ ングされたIGF−Iの含有量を測定した。 リホールディング用緩衝組成物の以下の点について検討した:塩の種類と濃度 (0、0.5、1.0M NaCl;または0、0.2、0.6M Na2SO4) 、カオトロプ濃度(1、2、3M尿素)、溶媒濃度(0、10、20%v/vエ タノール)、オスモライト(osmolyte)濃度(0、20、30% v/vグリセ ロール)、および初期IGF−I濃度(1、4mg/mL)。これらの要素の選 択的組み合せによって得られた収率を表IVに示す。分析結果は、以下の条件で リホールディングすることにより正しくホールディングされたIGF−Iの最高 収率が得られたことを示している:IGF−I 1mg/mL、20mMグリシ ン(pH10.5)、2M尿素、1M NaCl、20%(v/v)エタノール および0.5μM CuCl2(試料#0)。 本実施例に記載した実験は、正しくホールディングされたIGF−Iの収率の データを多元統計解析できるように計画され、すべての単一因子およびすべての 2つの因子の相互作用の重要性が調査された。これらの統計解析の結果を表Vお よびVIに示す。これらの結果から、使用した実験条件下において以下の傾向が 明らかであることがわかる:(1)低IGF−I濃度でリホールディングするこ とにより最高収率が得られる;(2)約1Mの濃度の塩を含むことによって特に エタノール存在下におけるリホールディング収率が向上する;(3)NaClは Na2SO4より好ましい塩である;(4)2〜3M尿素中ではそれより低濃度の 尿素中でリホールディングするときより収率がよいが、エタノールの存在下では この差は減少する;(5)20%(v/v)エタノールの存在下では溶媒が存在 しない時に比べて収率が向上する;(6)グリセロールを含むと収率が向上する が、エタノールが存在するとこの利点は減少する。 実施例IX 高度に精製した正しくホールディングされたIGF−Iから還元IGF−I保 存溶液を製造した。IGF−I 1mg/mL、20mMグリシン(pH10. 5)、2mMクエン酸、0.1M NaClおよび2M尿素を含む溶液を栓付き バイアルに入れ、時々バイアルの頭を振りながら、その上部空間を湿潤アルゴン ガスで約1時間フラッシュした。溶液を脱酸素化した後、117mM保存溶液か らシリンジでDTTを加え、最終濃度を1.17mMとした。DTTを加えた後 、 上部空間を連続的にアルゴンでフラッシュしながら、この溶液を2時間インキュ ベーションした。 20mMグリシン(pH10.5)、0.1M NaClおよび2M尿素を含 む通常の緩衝液保存溶液からリホールディング用溶液を調製した。この緩衝液保 存液をバイアルに分配し、CuCl2、NiCl2、ZnCl2、CoCl2、Mn Cl2およびFeCl3を1.3mM保存溶液から別々に加えた。得られた溶液を 含むバイアルに栓をし、湿潤アルゴンまたは酸素のいずれかを液体に連続的に吹 き込んだ。 還元IGF−I保存溶液の部分標本をリホールディング溶液中、10の因子で 急速に希釈することによりリホールディング反応を開始した。還元IGF−I保 存溶液をシリンジで移してリホールディングを開始した。対照リホールディング 反応(遷移金属塩を欠く)と試験リホールディング反応を同時に行い、共通のガ ス源を共用した。 18分間酸化した後、リホールディング反応物からシリンジで試料を回収し、 試料を、少量の6N HClを含む隔膜で被われたミクロバイアルに速やかに加 えた。逆相HPLCで試料を分析することによりIGF−Iのリホールディング の程度を測定した。 表VIIに示すように、CuCl2またはMnCl2のいずれかの存在下で還元 IGF−Iを酸素にばく露することによって、還元IGF−Iの酸化と正しくホ ールディングされたIGF−Iの形成の両方が生じた。CoCl2の存在は還元 IGF−Iの酸化をもたらしたが、正しくホールディングされたものが少ないI GF−Iが形成された。NiCl2とFeCl3ではいずれも、還元IGF−Iの 酸化と正しくホールディングされたIGF−Iの形成がより一層少なかった。Z nCl2に対する反応は微量元素に対する反応と差がなかった。 実施例X 実施例IXに記載の高度に精製された正しくホールディングされたIGF−I から還元IGF−I保存溶液を調製した。 20mMグリシン(pH10.5)、0.1M NaClおよび2M尿素を含 む通常の緩衝液の保存溶液からリホールディング用溶液を調製した。この緩衝液 の保存液をバイアルに分配し、必要に応じてCuCl2を、あらかじめ連続希釈 によって調製した1.3、0.13、0.013および0.0013mM保存溶 液から別々に加えた。CuCl2を加えた後にバイアルに栓をし、この液体に湿 潤アルゴンまたは酸素のいずれかを連続的に吹き込んだ。 還元IGF−I保存溶液の部分標本をリホールディング溶液中、10の因子に よって急速に希釈することによりリホールディング反応を開始した。還元IGF −I保存溶液をシリンジで移してリホールディングを開始した。対照リホールデ ィング反応(CuCl2を欠く)と試験リホールディング反応を同時に行って、 共通のガス源を共用した。 あらかじめ決定した間隔でリホールディング反応物からシリンジで試料を採取 し、少量の6N HClを含む隔膜で被われたミクロバイアルに速やかに加えた 。この処理によって試料のpHはpH3に低下し、リホールディング反応を効果 的に減衰させた。試料を回収し、リホールディング開始から以下の時間で試料を 減衰させた:0、2、4、6、10、20、40、60、100および200分 。逆相HPLCで時間−経過試料を分析することによって、時間によるIGF− Iのリホールディングの程度を決定した。 以下のCuCl2濃度について検討した:微量、0.013μM、0.052 μM、0.13μM、0.52μM、1.3μM、5.2μM、13μM Cu Cl2。これらのCuCl2濃度における好気的酸化触媒反応中の正しくホールデ ィングされたIGF−Iの発生プロットを図12に示す。 その結果、好気的酸化触媒反応時においてCuCl2が低濃度(約0.05μ M〜15μM、好ましくは0.05μM〜0.5μM)の場合は、より高濃度( 約15μM以上)の場合より正しくホールディングされたポリペプチドの収率が 高かく、また、微量元素触媒反応よりもより急速で再現性のある酸化動態が得ら れた。 図12に示す結果は、アルコール溶媒または極性非プロトン性溶媒を欠く溶媒 中でIGF−Iをリホールディングすることによって得られたものである。さら に実験を行うことにより、リホールディング緩衝液がアルコールを含んでいても IGF−Iのリホールディング動態および収率のCuCl2濃度に対する依存性 に影響せず、また他の遷移金属の濃度に対する依存性に影響することも期待され ないことが示された。1.3μM CuCl2を含むリホールディング溶液中にE DTA(CuCl2に対するモル比は1:1)またはo−フェナントロリン(C uCl2に対するモル比は3:1)が含まれていてもCuCl2で触媒された好気 的IGF−I酸化動態には影響しなかった。 実施例XI 発酵 hGHの発現と分泌のために使用する発現プラスミドphGH4Rの構築はCh angらの、Gene,55:189-196(1987)に詳述されている。 E.coli 40G3株はE.coli W3110の誘導株である。40G 3の完全な遺伝型はtonA△ phoA△E15 △(argF−lac)1 69 deoC △ompT degP41(△PstI−kanr) ilv G2096R phn(EcoB)である。40G3株はE.coli W311 0株16C9から誘導することができ、その遺伝型はtonA△ phoA△ E15 △(argF−lac)169 deoCである。ompTの欠失は、 purE遺伝子中に、連結したTn10挿入物とP1を共形質導入することによ り導入された。本株はプリン原栄養性(プロトトロフィ)が形質導入され、トラ ンスポゾンが除去された。degP41(△Pst−kanr)突然変異はカナ マイシン耐性で選別することによって導入された。ilvG2096R遺伝子は P1形質導入を用いてイソロイシン/バリン栄養要求株の原栄養性を回復させる ことによって導入された。最終的に、phn(EcoB)オペロンはE.col i phn遺伝子のP1形質導入によって宿主内に導入された。 標準形質転換技術によりphGH4Rを用いてコンピテントE.coli 4 0G3細胞を形質転換した。テトラマイシン20mg/Lを含むLBプレート上 で、形質転換体を選別し、精製した。本培地の組成は以下の通りであった:バク ト−トリプトン10g/L、酵母エキス5g/L、塩化ナトリウム10g/Lお よびテトラサイクリン−HCl 20mg/L。 テトラサイクリン5mg/Lを含む滅菌LB培地約500mLを入れた2L振 とうフラスコに、新たに解凍した保存培養0.5mLを最初に接種することによ って、10L発酵槽の接種物を調製した。フラスコを35〜39℃で8時間イン キュベーションし、下記の範囲の産生用培地を入れた10L発酵槽に移した。成分 量/L グルコース* 250−350g 硫酸アンモニウム 3−8g 水酸化アンモニウム pHを7.2−7.4に調節 するのに必要な量 リン酸ナトリウム、1塩基2水和物 1−2g リン酸カリウム、2塩基 2−4g クエン酸ナトリウム、2水和物 0.5−1.5g 塩化カリウム 1−2.5g 25%UCON LB625 最初0.1−0.2mL及び発 泡を調節するのに必要な量 硫酸マグネシウム、7水和物 1−3g テトラサイクリン HCl 5−20mg Hycase SF** 5/20g NZ アミン YT 5−25g イソロイシン 0−10g メチオニン 0−1g 塩化第二鉄、7水和物 10−30mg 硫酸亜鉛、7水和物 2−5mg成分 量/L 塩化コバルト、7水和物 2−5mg モリブデン酸ナトリウム、2水和物 2−5mg 硫酸第二銅、5水和物 2−5mg ホウ酸 0.5−2mg 硫酸マグネシウム、1水和物 1−3mg ホスホン酸メチル 1.5−2.5g * グルコース1−5g/Lを最初に培養に加えた。残りは発酵の進行中に培養に 添加した。 ** Hycase SFは発酵全体を通して添加した。 培養10LをpH7.2〜7.4、35〜39℃で42〜48時間増殖させた。 撹拌速度は650〜1000rpmに設定し、通気速度は培養容量当り1分間に 空気を0.7〜1.5倍容とした。 培養10Lを発酵中連続的にグルコースを供給しながら増殖させた。培地中の リン酸塩が枯渇した後にhGHの生産が始まった。ヒト成長ホルモンの可溶化と水性抽出 2Lボトルに入れた発酵ブロス1Lに尿素240g、1Mグリシン(pH10 )20mL、および1Mジチオスレイトール(DTT)10mLを加えることに よって、上記発酵ブロスから得たhGHを可溶化した。1N NaOHを加えて 得られた混合物のpHをpH10に調節した。インキュベーション中、混合物を モーター駆動水中回転翼で連続的に撹拌し、上部空間を窒素でフラッシュした。 2時間インキュベーションした後、一部を回収し、遠心して固形物を沈澱させ、 上清のhGH含有量をアッセイした。逆相HPLC分析により、全hGHの31 %が遠心上清中に存在することが示された。 次に、可溶化混合物にPEG−8000 308gとNa2SO4 103gを加 えることによってhGHを抽出した。得られた相系を連続的に撹拌しながらイン キュベーションし、窒素をさらに1時間フラッシュした。相系の遠心部分標本1 4.5mLを分析したところ、透明な軽い相11.2mLと固形物を含む重い相 3.3mLが含まれていることが示された。インキュベーションした後に相系を 2本の1L遠心管に分けて遠心し、相を分けた。分かれた相をデカントして透明 な軽い相1.2Lを得た。逆相HPLC分析により、この軽い相は可溶化上清中 に含まれていたhGHの82%を含むことが示された。 pH4に調節することにより、分離した軽い相からhGHを沈澱させた。沈澱 物の懸濁液の一部を栓をした15mLチューブに入れ、遠心して不純物を除去し た。遠心した後に透明な上清を新しいチューブにデカントし、ペレットを6Mグ アニジン−HCl、50mM Tris−HCl(pH9)および0.1M DT T中、2.5mLに再懸濁した。逆相HPLC分析から、再懸濁したペレットに は、軽い相に最初に含まれていたhGHの92%が含まれていたが、上清には1 %以下しか含まれていないことが示された。ヒト成長ホルモンのリホールディング 非天然hGHを含む軽い相は、下記の可溶化法と水性抽出法を用いて調製され た。以下の乾燥化学薬品の適切な量を加えることによって、15mLポリスチレ ン培養チューブ中にリホールディング用緩衝液を調製した:尿素、グアニジン− HCl、NaCl、Na2SO4、および試薬級エタノール。各チューブに1M Tris−HCl(pH8)、25μM CuCl2、または1Mグリシン(pH 10)、25μM CuCl2のいずれかを含む50×緩衝液保存溶液0.1mL を加えた。他の化学薬品は終量5mLで示した濃度となるように加えた。リホー ルディング緩衝液成分を含む各チューブを精製水で終量4.5mLとした。 あらかじめ調製したリホールディング緩衝液中、還元hGHを含む軽い相0. 5mLを希釈し、hGHの初期濃度を約0.05mg/mLとすることによって hGHのリホールディングを開始した。チューブに蓋をし、オービタルシェーカ ーで水平に振とうさせた。各チューブは液体5mLと空気10mLを含んでいた 。12時間リホールディングさせた後に試料を回収し、50mM酢酸(pH3) および50mM NaClを含む酸性化緩衝液中、2の因子によって希釈し、逆 相HPLC分析により正しくホールディングされたhGHの含有量を測定した。 この実験の目的はリホールディング中に得られた正しくホールディングされた hGHの収率に対するリホールディング用緩衝組成物の影響を示すことである。 リホールディング用緩衝組成物の以下の点について観察した:塩の種類と濃度( 0.2M Na2SO4、0.5M NaCl)、カオトロプの種類と濃度(0.5 、4M尿素、または0.5、2Mグアニジン−HCl)、溶媒濃度(0、10% [v/v]エタノール)、および緩衝液の種類とpH(Tris−HCl pH 8、グリシンpH10)。これらの要素から選んだ組み合せを用いて得られた収 率を表VIIIに示す。検査の結果は、以下の条件下でリホールディングするこ とによって正しくホールディングされたhGHの最高収率が得られたことを示し ている:20mMグリシン(pH10)、0.5Mグアニジン、0.5M Na Cl、10%(v/v)エタノールおよび0.5μM CuCl2(試料#5)。 本実施例に記載の実験は、正しくホールディングされたhGHの収率データを 多元統計分析するために計画し、すべての単一因子の重要性について評価した。 この統計分析の結果は表IXに示す。 上記の結果は、アルカリ発酵ブロスにカオトロプと還元剤を加えることによっ て、組換えhGHを可溶化し、細胞から放出させることができることを示すもの である(収率は平均約30%)。可溶化剤を加える前に細胞を溶解させると、よ り高い収率が得られる(収率が約50%改善)。可溶化時の他の小さな相違とし ては、尿素よりグアニジンを用いる方が収率が高く(収率が約10%改善)、低 いカオトロプ濃度より中等度のカオトロプ濃度を用いる方が収率が高い(2Mよ り4Mを用いることにより収率が約20%改善)ことが含まれる。 水性抽出法は、バイオマスからの非天然hGHの分離時において、バイオマス からの非天然IGF−Iの分離時と実質的に同様に機能する。認められた唯一の 違いとしては、カオトロプ濃度がより高い方がわずかに好ましいことが挙げられ る(2Mより4Mの尿素を用いることによって収率が約5%改善)。抽出時によ り高濃度のカオトロプが含まれていても、所望の非天然ポリペプチドが軽い相に 豊富に含まれ、重い相にバイオマス固形物が沈澱している2相系を生じるのに必 要なポリマーと塩の濃度に有意な影響はみられなかった。同様に、可溶化前に細 胞を機械的に溶解させても水性抽出に対する影響はみられなかった。 総合するとこれらの違いは一般的に、より大きなタンパク質であるhGHは可 溶化のためにより強く変性するカオトロピックな条件を好み、より小さなタンパ ク質であるIGF−Iよりも透過性化された細胞からの放出が容易でないことを 示している。 結論として、hGHに関する上記の結果から、特許請求の範囲に記載の方法は IGF−Iと同様に非天然hGHの単離にも応用可能であることは明らかである 。IGF−IとhGHは、それらの多くの特性にかなりの違いがみられる通り、 実質的に異なるタンパク質である。具体的にはこれらのタンパク質は、アミノ酸 配列、分子量、ジスルフィド結合の数とパターン、および等電点が異なっている 。これらの違いがあるにも関わらず、IGF−IとhGHは、本発明の方法によ ってバイオマス固形物からそれらを抽出分離する際にきわめて類似した挙動を示 す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C12P 21/02 9637−4B C12P 21/02 H //(C12P 21/02 C12R 1:19) (72)発明者 レスター,フィリップ アメリカ合衆国カリフォルニア94580、サ ン・ロレンツォ、ヴィーア・コルサ15766 番 (72)発明者 レイフスニダー,デイビッド アメリカ合衆国カリフォルニア94403、サ ン・マテオ、マーレイ・コート17番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.IGF−I、成長ホルモンおよびニューロトロフィンから構成される群か ら選択されたポリペプチド約0.1から15mg/mLをアルコールまたは極性 非プロトン溶媒約5〜40%(v/v)、約0.2から3Mのアルカリ土類、ア ルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬およ び約0.01から15μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の緩衝 液中に含む組成物。 2.溶媒の濃度が約10〜30%(v/v)である請求項1の組成物。 3.ポリペプチドの濃度が約0.1から6mg/mLである請求項1の組成 物。 4.アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩の濃度が約0.2か ら2Mである請求項1の組成物。 5.カオトロピック試薬の濃度が約0.5から6Mである請求項1の組成物 。 6.銅塩またはマンガン塩の濃度が約0.01から5μMである請求項1の 組成物。 7.銅塩またはマンガン塩の濃度が約0.01から0.5μMである請求項 1の組成物。 8.溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール 、t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリセリン、アセトニトリルま たはプロピレングリコールである請求項1の組成物。 9.カオトロピック試薬が尿素である請求項1の組成物。 10.アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が約0.5から2M のナトリム、カリウム、またはアンモニウム塩であるか、または約0.2から1 Mのマグネシウム塩である請求項1の組成物。 11.溶媒がエタノールであり、アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニ ウム塩が塩化物または硫酸塩であり、ポリペプチドの濃度が約0.2から5mg /mLの範囲にある請求項10の組成物。 12.アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が塩化ナトリウムで あり、緩衝液のpHが約8から11までの範囲にある請求項11の組成物。 13.ポリペプチドがIGF−Iまたは成長ホルモンである請求項1の組成物 。 14.銅塩またはマンガン塩が塩化物または硫酸塩である請求項1の組成物。 15.銅塩が塩化銅である請求項14の組成物。 16.銅塩が約0.5μMの濃度で存在する請求項14の組成物。 17.緩衝液がオスモライトおよび還元剤も含有する請求項1の組成物。 18.緩衝液がグリシン、CAPSまたはCAPSOである請求項17の組成 物。 19.還元剤が濃度約1〜5mMのシステインまたはジチオスレイトールであ る請求項17の組成物。 20.緩衝液が濃度約20mMのグリシンまたはCAPSOであり、還元剤が 約1mMのジチオスレイトールであり、銅塩が塩化銅であり、カオトロピック試 薬が約1から3Mの尿素であり、緩衝液がpH約8.5から11の値を持つ請求 項19の組成物。 21.尿素が約2Mの濃度である請求項20の組成物。 22.再折りたたみ段階の間、アルコールまたは極性非プロトン溶媒約5〜4 0%(v/v)、約0.2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモ ニウム塩、約0.1から9Mのカオトロピック試薬、および約0.01から15 μMの銅またはマンガン塩を含有するpH7〜12の緩衝液中にポリペプチドを 約0.1から15mg/mLの濃度で存在させるものである、宿主細胞に含有さ れるIGF−I、成長ホルモンおよびニューロトロフィンから構成される群から 選択されたポリペプチドの、誤った折りたたみを正しい折りたたみに折りたたみ 直す収率を向上させる方法。 23.宿主細胞が原核生物である請求項22の方法。 24.アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩が約0.5から2M のナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩であるか、または約0.2から1 Mのマグネシウム塩である請求項22の方法。 25.緩衝液がさらに還元剤およびオスモライトを含有する請求項22の方法 。 26.銅塩が塩化銅である請求項22の方法。 27.緩衝液がpH約8から11のCAPSOまたはグリシンであり、カオト ロピック試薬が約1から3Mの尿素であり、塩が塩化ナトリウムであり、溶媒が 約20%(v/v)濃度のエタノールまたはイソプロパノールであり、ポリペプ チドがIGF−Iであり、還元剤がジチオスレイトールまたはシステインであり 、オスモライトがショ糖またはグリセリンである請求項26の方法。 28.宿主細胞内に含有されている誤った折りたたみのIGF−Iを再活性化 する方法であって、 (イ)宿主細胞から該IGF−Iを分離すること、 (ロ)溶解に充分な濃度のカオトロピック試薬および還元剤を含むアルカリ性 緩衝液中に該IGF−Iを維持すること、および (ハ)アルコールまたは極性非プロトン溶媒約5〜40%(v/v)、約0. 2から3Mのアルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩、約0.1から 9Mのカオトロピック試薬、および約0.01から15μMの銅またはマンガン 塩を含有するpH7〜12の折りたたみ用緩衝液中で溶解した該IGF−Iを約 0.1から15mg/mLの濃度でIGF−Iの再折りたたみが起きるように酸 素源を導入しつつインキュベーションすること を含む方法。 29.IGF−Iが原核生物から分離されたものである請求項28の方法。 30.IGF−Iが宿主細胞の周辺細胞質から分離されたものである請求項2 9の方法。 31.IGF−Iが折りたたみ用緩衝液中に濃度約0.1〜5mg/mLで存 在する請求項28の方法。 32.折りたたみ用緩衝液がさらに還元剤を含有する請求項28の方法。 33.工程(ハ)で、カオトロピック試薬が濃度約1から3Mの尿素であり、 還元剤が濃度約1から5Mのジチオスレイトールまたはシステインであり、pH が約8から11である請求項32の方法。 34.工程(ハ)で、カオトロピック試薬が濃度約0.1から0.5Mの塩酸 グアニジンであり、還元剤が濃度約1から5Mのジチオスレイトールまたはシス テインであり、pHが約8から11である請求項32の方法。 35.溶媒がメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール 、t−ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N−メチル ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリセリン、アセトニトリルま たはプロピレングリコールである請求項28の方法。 36.溶媒がエタノールまたはイソプロパノールであり、濃度が約20%(v /v)である請求項28の方法。 37.アルカリ土類、アルカリ金属またはアンモニウム塩がNaCl、Na2 SO4、MgCl2、MgSO4、NH4Cl、または(NH42SO4であり、銅 またはマンガン塩が塩化物または硫酸塩である請求項28の方法。 38.折りたたみ用緩衝液がpH約10〜11で、約20mM濃度のグリシン であって、約20%のエタノール、約1MのNaCl、約1mMのジチオスレイ トール、約2Mの尿素、および約0.01〜0.5mMの塩化銅を含む請求項2 8の方法。
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