JP3648043B2 - ボタン錠 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
開示技術は、ボタン操作により住宅等のドアを施解錠し得るキーレスタイプのボタン錠の構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
周知の如く、建物のドア等に用いられる施解錠用の錠には種々のものがあるが、大半のものはキー操作によるシリンダ錠タイプの所謂本締り錠を用いて施解錠する態様のものであるが、外観的な意匠性をさ程重要視しない倉庫等のドアの施解錠等には所謂ナンバー錠が用いられているに過ぎず、住宅用、営業用を問わず、一般の埋込タイプの本締り錠では通常はキー操作態様のものが圧倒的に多く用いられている。
【0003】
さりながら、該種キー操作方式による本締り錠等の錠にあっては、文字通り、錠前とキーがマスターキーを含めて所定の組合せにされたユニットの一体物として機能するようにされており、したがって、一旦、該キーを紛失すると、本来的な機能の喪失をきたす欠点があり、又、統計によると、キー操作忘れによる施解錠不能に至る場合が極めて多い等の難点があり、所謂ピッキング等による防犯上の点からも好ましくないという不都合さがあった。
【0004】
勿論、金庫にセットされるような所謂ダイヤル錠をドア等に設けることも原理的には可能であるが、実際に通常のドアに該種ダイヤル錠を付設することは両者の構造上の制約や設計上のマッチングの条件や、意匠上のネック等の点から設置不可能に近いという不具合がある。
【0005】
[特許文献1] 特開昭57−71968号公報
[特許文献2] 特開平6−66055号公報
これに対処するに、錠を近時ドア等の表面に固設して所定数のボタン本体を予め設定された施解錠用の所定の組合せのキーワードに従うセット状態にし押し込み操作によりシリンダ錠を作動させ、デットボルトを進退応動させて施解錠する所謂タンブラー型の押し込み式のボタン錠が、例えば、出願人の先願発明である特開昭57−71968号公報(特公昭62−54951号公報)や特開平6−66055号公報等に示されている図21,図22に示される様な態様で案出されて実用化されるようになっており、該種ボタン錠は図示しないドアの外側に配設されるケースフレーム2と該ケースフレーム2に対しブリッジパイプ3,3を介し、該ドアの裏側に設けられるバッキングプレート4、及び、ドアの内部に設けられたデッドボルト5を有する周知の本締り錠から成っている。
【0006】
尚、該本締り錠はケースフレーム2のハンドル7と上記バッキングプレート4のハンドル7´との間に介装されて施解錠自在にする角芯棒8が連結されている。
【0007】
而して、該ケースフレーム2内に設けられているカバープレート9に所定に配設された設定数のカバーボタン10,10…に被嵌されたボタン本体が図22に示す様に、板状のタンブラー11であり、図示しないキープレートによりロック状態とアンロック状態にセットすることが出来るスリットノッチ12を中途部分に割設され、上下両端部には該タンブラー11を押し込み状態にセットする同じく図示しないリセットプレートに設けたロックスプリングに係合するフックノッチ13,13を形成されているようなものが用いられていた。
【0008】
したがって、該種ボタン錠1にあっては、使用者が所望に応じて、カバープレート9に表示してあるボタン10の番号をキーワードの指定数(ナンバー)に従って、該ボタン10を記憶状態にすることが選択的に可能であるようにされているがために、該タンブラー11を図示しないドアに初期取付するに際しては、当該タンブラー11を記憶状態(正立状態)、又、該記憶状態には非記憶状態(倒立状態)に選択してセットせねばならず、又、不測にして都合により該ボタン10の記憶状態の配列を変えねばならないような必要状態が生じた場合には、該ケースフレーム2を該ドアから取り外し、機構部を分解して各タンブラー11の正立,倒立姿勢状態を選択的に変えねばならず、したがって、該タンブラー11の正立,倒立の切り換え作業が甚だ面倒であり、又、頻繁な正立,倒立の状態の変更によって該タンブラー11が変形したりしてその機能を失うというデメリットがあった。
【0009】
[特許文献3] 特開昭58−80074号公報
これに対処するに、例えば、同一出願人の先願発明である特開昭58−80074号公報発明に開示されてある様な図23に示す様に板状のタンブラー11に代えて、回転式ボタンを有するボタン錠が改良発明として開発され、市場にあって、それなりに満足が得られるように改良的に実用化されてはきている。
【0010】
而して、該種回転式ボタンに有するボタン錠にあっては当該図23に示す様に、ボタン本体74が円柱状のヘッドに形成され、その下部の表面側に90゜周方向の位相を異ならしめ相互に交叉するように形成された2段のスライドノッチ13´,13´を形成し、当該二段の周方向90゜の位相差を有して形成させたスライドノッチ13´,13´の間にはフラットな垂位面15を形成させて、該スライドノッチ13´,13´の間の大きさがキープレート16に設けたスライドノッチ17を相対スライドすることが出来るようにされ、又、該ボタン本体74のスライドノッチ13´の長さは該キープレート16のスライドノッチ17の幅よりも大きくされ、したがって、当該図23に示す様な姿勢では、該キープレート16のボタン本体74に対するスライドは不可能にされて結果的にロック状態が現出される場合がり、これに対し、ボタン本体74のシャンク先端に設けたマイナスノッチ19によりドライバー等を介しボタンを90゜回転させて、カバーボタン10を介し該ボタン本体74を押し込むと、ボタン本体74の上段のスライドノッチ13´がキープレート16のスライドノッチ17に会合可能にされ、したがって、該キープレート16はボタン本体74に対しスライド自在にされ、これによってハンドル7は左右(L,R方向)に旋回し、角芯棒8を介し本締り錠を作動させてデッドボルト5を進退させて施解錠することが可能になるようにされてはいる。
【0011】
したがって、当該図23に示す様な、ボタン本体74の下段のスライドノッチ13´がキープレート16のスライドノッチ17に対向して該スライドノッチ17のショルダー部20´に干渉する姿勢では非記憶状態になり、該キープレート16はスライドせず、又、ボタン本体74のシャンクの先端に形成したマイナスノッチ19によって90゜回転させることにより、ボタン本体74をスプリング21に抗して押し込み、下側のリセットプレート22をスライドノッチ13´に対して設けたフックスプリング24に該シャンクのマイナスノッチ19の上部に設けたリング状のノッチ25に係合させることにより記憶状態を維持し、当該記憶状態においては上段のスライドノッチ13´がキープレート16のスライドノッチ17に会合するために、該キープレート16はスライド可能となり、ハンドル7が回転可能になり、角芯棒8を介して本締り錠6を解錠し、デッドボルト5を後退させることが出来るようにされてはいる。
【0012】
そして、当該図23の態様において、26はキープレート16の押えプレートであり、27は該押えプレート26の裏板であり、28は該押えプレート26と裏板27をしてキープレート16に押圧するスナップワッシャーであり、29は裏板であり、30はバッキングプレートであり、31はリセットプレート22の戻り付勢用の弾圧スプリングである。
【0013】
而して、当該図23の態様に示す回転式のバー状のボタン本体74を有するボタン錠1にあって、キープレート16の該バー状のボタン本体74に対するロック状態はスライドノッチ17のショルダー部20´によって行われ、したがって、該亜鉛製のキープレート16にあっては、該ショルダー部20´とスライドノッチ13´の高頻度の当接では摩耗が生じ易く、ロック状態が常に確実に図れないという欠点があり、又、ボタン本体74がそのシャンクの先端部のマイナスノッチ19による90゜回転によるロック状態,アンロック状態の現出では限界角が90゜であるために、上下二段のスライドノッチ13´,13´の上記ショルダー部20´における摩耗の激しさが少なく、記憶状態と非記憶状態の現出が確実に保証出来難いという難点があった。
【0014】
而して、上述図21や図23によるタンブラー式のボタンのボタン錠1にあっては、実際の使用態様によっては図示しないドアとの取り合いにおいて、右勝手や左勝手等の使い勝手が必要な場合があり、これに対処するに、図24の態様に示す様に、ハンドル7に連係する回転カム23がキープレート16に当接して該キープレート16をスライドさせる作動の際の右作動(R)用の右作動ピン48と左作動(L)用の作動ピン48´を選択的に押し込んで嵌合させて使用せねばならず、デッドボルト5に対するボタン錠の左勝手用,右勝手用の取り付け等の施工が極めて煩瑣であり、又、該作動ピン48,48´の部品の保管や管理が繁雑であるというマイナス点もあった。
【0015】
又、該種在来態様においては、ドアの一方側のケースフレーム2に設けたハンドル7は単にボルト固定方式であるために、泥棒や悪気がある悪戯行為によりボルトを外してハンドル7が持ち去られるという被害が頻繁に生じ、ボタン錠としての本来的な機能が全う出来ないという不都合さがあった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
この出願の発明の目的は上述旧来技術,従来技術に基づくボタン錠の種々の問題点を解決すべき技術的課題とし、回動式ボタンの作動のメリットを生かしながら、その押し込みによる記憶状態,非記憶状態のいずれにもかかわらず、キープレートのボタンのシャンクに対するスライドが自在に出来、ボタンのロック状態,アンロック状態の選択的な高頻度の現出によっても、ボタンの、或いは、キープレートのスライドノッチの摩耗がなく、耐久性が良好で、各機械的機構部に対する作動部は耐磨耗性金属製のものとし、ボタン錠としての機能が設計通りに常時維持することが出来、初期ドアに対する取付工事は勿論のこと、中途において、左勝手,右勝手の使用状態も安定してスムーズに選択的に自由に行え、しかも、ハンドルの抜き取り等の防犯対策も出来、ボタン錠の本来的なメリットを充分に生かし、スムーズな利便性が保証出来るようにして建築産業における錠使用技術利用分野に益する優れた機能を有するボタン錠を提供せんとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出願の発明の構成は、前述課題を解決するために、外側のドアの表側のケースフレームのカバープレートに露呈状態に設けられた多数の同一形状、同一サイズのカバーボタンに被嵌されたバー状のボタン本体が本締り錠のデッドボルトをロック,アンロックするキーワードに従う配列状態に記憶状態,非記憶状態にセット自在に、又、ケースフレーム内にスライド自在なキープレートに係合解離自在に設けられ、而して、該キープレートに連係されるハンドルが角芯棒を介し上記本締り錠に係合されるようにされている回転式のボタン錠であって、上記ボタン本体がバー状に形成されて上下二段のストッパフランジを一体的に有し、又、上記ケースフレーム内にてスライド自在に設けられたキープレートの所定位置に該ボタン本体を挿脱自在にされた設定数の同一形状、同一サイズのスリットノッチが穿設され、上記各バー状のボタン本体が該キープレートの該スリットノッチに遊挿されてケースフレームに直交して進退自在にされると共に一つの旋回姿勢で該キープレートと交叉して該キープレートの進退を遮断し、他の旋回姿勢ではキープレートの進退を許容する位置に該キープレートに平行な上記ストッパフランジがボタン本体の選択的姿勢を決定するマイナスノッチがボタン本体の先端に設けられ、又、バー状のボタン本体の各々がリセットプレートに解離自在に掛止されてロック状態を現出し得るようにされ、而して、上記本締り錠に連係するハンドルが該キープレートとリセットプレートに旋回カムを介して係合自在にされ、更に、該旋回カムの回転軸に対するハンドルに左右の使い勝手の固定用ネジが設けられ、又、上記ケースフレームのカバープレートに対してキープレートのアンロック用のクリヤーボタンが設けられていることを第1の基幹とし、而して、上記キープレートに上記バー状のボタン本体のストッパフランジに係合自在なフックノッチが形成されているようにし、又、上記フックノッチが山形に形成されているようにもし、更に、上記キープレートがボタン押えプレートとリセットプレートとの間にスライド自在に介装されているようにし、更に又、上記リセットプレートにボタン本体のフックスリットに対するストッパスプリングが配設されているようにもし、上記クリヤーボタンがリセットプレートの各ボタン本体に対するロックが解除自在なカム面を形成されているようにし、上記キープレートとリセットプレートとの間に弾圧スプリングが介装されているようにし、又、上記回転軸にハンドル抜け止め用のスナップワッシャーが介設されているようにもし、上記スナップワッシャーと回転軸との間にハンドル固定用のワッシャーが介装されているようにもし、更に、上記回転軸がハンドルの基部にネジボルトを介して挿設されているようにし、上記ボタン本体の前記マイナスノッチの左右側が各々別個の色に色分けされているようにもし、上記キープレートとボタン押えプレートにボタン座金がスプリングを介して嵌挿されているようにもした技術的手段を講じたものである。
【0018】
[作用]
上述構成において、この出願の発明のボタン錠をドアに取り付けるに際し、又は、中途で取付位置を交換する等の時に左勝手、又は、右勝手用にハンドルをボタン錠のケースフレームに取り付けるに際し、介装する回転カムの回転軸にハンドルの基部を角スパナ用ネジを介し選択的に固定し、而して、該回転軸との間にハンドル抜け止め用のワッシャーにより第一義的に固定し、次に、該ハンドル固定用のワッシャーと回転カムとの間にスナップワッシャーを介装して抜け止めが第二義的に確実には出来ないようし、且つ、旋回動は自在に出来るようにし、而して、該ハンドルのボス部に側方から角スパナを用いて上記ネジを右勝手用位置、或いは、左勝手用位置に締め付け固定し、該ハンドルがケースフレームからは上述の如く絶対に取り除けないようにし、該ハンドルの所望方向に旋回はさせることにより、しかも、該ハンドルの回転軸に固定された回転カムがケースフレームによって設けられたキープレートをスライドし、ボタン押えプレートに装着されたカバーボタンに対してバー状のボタン本体を戻りスプリングを介装した状態で該戻りスプリングに抗してカバーボタンを押し込むことにより該バー状のボタン本体は押し込まれ、該ボタン本体の上下二段のストッパフランジがボタン本体レートに対応して設けられたフックノッチに会合してスライドするようにされた記憶状態においては、該キープレートのフックノッチにストッパフランジがスライドし、非記憶状態のボタン本体のストッパフランジはキープレートのフックノッチに係合しないようにスライド不可能にされ、記憶状態と非記憶状態はボタン本体のシャンク先端に設けたマイナスノッチを各々個別の色に色分け等を目印として180゜旋回させることにより、ストッパフランジがキープレートの所定のフックノッチにも係合してハンドル操作によりロック状態が維持されてキープレートがスライドせずに解錠を不可能にされたボタン本体を戻りスプリングに抗して押し込むことにより、他のストッパフランジがキープレートのスライドノッチに会合してスライドを許容されるようにされる。
【0019】
又、記憶状態のボタン本体のストッパフランジは予めキープレートのスライドノッチに会合状態にされることにより、全てのキープレートはスライド可能にされ、ハンドルは回動し、角芯棒を介し本締り錠の解錠を可能とし、デッドボルトが後退して解錠が可能にされ、上述施解錠の反復動作により亜鉛製の各ピン等の部品はボタン本体のシャンクに設けられた上下二段のストッパフランジ、及び、キープレート、及び、ボタン押えプレートの双方に設けた山形等のフックノッチによる掛合があっても、損耗等が生ぜず、したがって、耐久性が良好であり、ボタン本体がシャンクの先端のマイナスノッチにより180゜の旋回動によって左右の色分けを介して記憶状態と非記憶状態が選定され、ボタン本体のストッパフランジとキープレートのフックノッチと180゜位相差による係合を介し、又、全機械的機構部の作動部が耐摩耗性金属製とされて作動中の損耗が避けられ、耐久性が良好でキープレートのロック状態やアンロック状態が維持され、又、ハンドルはその基部に螺合されたネジに対する角スパナを介してその回転軸に対し相対回転することにより、右勝手,左勝手が自在に選定出来、抜け止めが防止される。
【0020】
使い勝手が良い面を有しながら、防犯性が向上し、安全性と耐久性の向上が図られるようにしたものであり、又、ボタン押えプレートとキープレートのボタン孔にはボタン座金がスプリングを介して介装され、該ボタン座金はキープレートのスライドノッチの側部に設けたロックノッチに嵌着してハンドルを回しながら、キープレートを少しずつスライドして記憶状態のボタン本体のキーワードを探ろうとしても、当該スライドを防止し、記憶されたボタン本体のキーワードを探られないようにし、ボタンの耐久性と防犯性の向上、並びに、ハンドルの抜け止めを防止するようにしたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、この出願の発明の実施しようとする形態を実施例の態様として図1〜図20に基づいて説明すれば以下の通りである。
【0022】
尚、図21以下の図面を参照して同一態様部分は同一符号を用いて説明するものとする。
【0023】
而して、図示形態は住宅等の観音開きタイプのドアに設置される態様であり、図1に図示する態様において、1はこの出願の発明の要旨の中心を成すボタン錠であり、図示しない観音開きタイプのドアに対し、該ドア内に図21に示す在来態様同様に、該ドア内に所定に埋め込み式に設置された本締り錠のデッドボルト5を進退動させて施解錠を成すものであり、そのケースは当該図21に示す様に、ドアの表側に取り付けられる機構部のケースフレーム2´と該機構部のケースフレーム2´に対し、ドアの裏側にブリッジパイプ3,3を介し連結されるバッキングプレート4´より成るものであり、該表側のケースフレーム2´には該本締り錠を施解錠するハンドルとしてのレバーハンドル7´´が、又、裏側のバッキングプレート4´には該レバーハンドル7´´に対応するレバーハンドル7´´´が上記本締り錠を挿通する連結自在な角芯棒8´を介して連動自在に設けられている。
【0024】
而して、ドアの表側に取り付けられる機構部を成すケースフレーム2´内には図2に示す様に、レバーハンドル7´´側からカバープレート9´が図10に示すセット孔33と1から0までの9つの数を側部に表記されたカバーボタン10、及び当該図10に示す様に、A,B,Cの表示が側部になされたクリヤーカバーボタン10´の計11個に対するセット孔33、及び、該クリヤ−カバ−ボタン10´のセット穴33´が穿設されて該カバープレート9´に続いて図2,図5に示す様に、ボタン本体54を挿通するボタン孔34,34を12個、及び、頂部にクリヤーボタン48を挿通するクリヤーボタン孔35を有するボタン押えプレート36が敷設的にセットされるようにされており、更に、図上その上部にはキープレート40が該各ボタン孔34に対応する後述記載のボタン孔のスリットノッチ37が対応的に12個穿設され、頂部の両側には後記する戻りスプリングの受フランジ38,38を形成し、該両受フランジ38の間に上記クリヤーボタン孔35に対応するクリヤーボタン孔39を穿設されて積層されるようにされ、更に、該キープレート40の上部側には次述する如く、リセットプレート43が重層的に固設されるようにされ、該キープレート40のクリアーボタン孔39に重位されるクリヤーボタン孔42を先端部に設けられ、ボタン押えプレート36の各ボタン孔34,キープレ−ト40のスリットノッチ37に各々対応するスリットノッチ41,41…が設けられ、ボタン孔44,44…を12個形成されて後記ボタン本体54を挿通する所定スパンスライド可能なリセットプレート43が積層されるようにされ、そして、ボタン押えプレート36の各ボタン孔34,スリットノッチ37,41とに後記する各バー状のボタン本体54を挿通されるようにされ、又先端部のクリヤーボタン孔45の側部部分には図10に示すCの記号が、又、各ボタン孔44の側部に対しては1〜0の記号、及び、A,Bの記号を刻印されてキーワードを明示するようにされている裏板46が図2に示す様に、重層的にケースフレーム2´内に相互に密着状に、且つ、積層状態に図示しないビス等により取り付け固定されるようにされている。
【0025】
そして、該裏板46に対しては、ドアの裏側にバッキングプレート4´が前述の如くブリッジパイプ3,3を介し一体的に結合するようにされている。
【0026】
尚、ケースフレーム2´のレバーハンドル7´´とバッキングプレート4´のレバーハンドル7´´´の端部寄りに設けられているノッチ32,32´は不測のトラブルに備えて用いられるマスターキー用の挿入孔であり、そして、該レバーハンドル7´´の基部には該角芯棒8´を有する回転カム47が設けられている。
【0027】
次に、ケースフレーム2´内に設けられて重層式にセット組付される各機構部について各論的に詳述すれば次の通りである。
【0028】
まず、クリヤーボタン48については、その形状は図3に示す通りに形成されており、図示態様は都合により、前記カバーボタン10側を下側にして示されてあり、バッキングプレート4´側には所定径の断面短円柱状の所定サイズのシャンク49がその下部側に一体的に形成されたカムフランジ52の劣弧部にはフラット面51が形成され、該劣弧部にはカバーボタン10側に広がるテーパー面のカムフランジ52が形成され、該カムフランジ52の下面には上記断面円形のシャンク49よりも幅広で両側面にフラット面51´が形成されたサブカムフランジ53が形成され、該サブカムフランジ53からは両面にフラット面50を形成された所定長さのシャンク49´が、又、該フラット面50とサブカムフランジ53のフラット面51´は当該図3の(b),(e)に示す様に、面一形状に形成されていることになる。
【0029】
尚、該カムフランジ52の劣弧部のフラット面51とシャンク49、及び、サブフランジ53のフラット面51´の側部は当該図3の(e)に示す様に、僅かな段差を有して形成されており、当該図3の(a)〜(e)に示す様な形状については上記のリセットプレート43の所定スパンのスライドをスムーズに行え、干渉性を少くするために設けられると共に空錠に対する作動を許容するために形成されているものであり、そして、該リセットプレート43と裏板46の間には図18に示す様に該裏板46に植設した係止ピン66を介してリセットプレート押えプレート46´が介装されるようにされている。
【0030】
したがって、上記カムフランジ52、該リセット押えプレート46´はそのテーパー面をして図17に示す様に、リセットプレート43、該リセット押えプレート46´の端部に形成された方形のカムフレーム42の内側に形成されたカム面42´に対するカム作用を行い、該リセット押えプレート46´を所定スパンでスライドしてリセットすることが出来るようにされているものである。
【0031】
次に、バー状の各ボタン本体54の形状は図4に示す様な形状に形成されてあり、当該図4に於いても、説明の都合上、カバーボタン10に対するシャンク55´を下側にしてバッキングプレート4´に対するシャンク55を上側にして示されており、裏板46のボタン孔44に臨ませる断面円柱状のシャンク55の頂部には該ボタン本体54を記憶状態、又は、非記憶状態に旋回動してキーワードを設定するマイナス状のノッチ56がすり割り状に刻設されており、その片方側の表面には黒、又は、赤の色分け65´´がつけられており、該シャンク55の下部にはカバーボタン10側に向けて広がるリング状であって上面がテーパー状に形成されたストッパフランジ57が当該図4の(g)に示す様に、一体的に形成され、該ストッパフランジ57からはキーワードとして記憶状態に軸方向に押し込まれた際の該ボタン本体54の記憶状態を保持するべく、図16,図17に示されているリセットプレート43と該リセットプレート43と裏板46との間に密着状にセットされる図18に示す前記上記押えプレート46´の間に該押えプレート46´から植設されている係止ピン66を介して該リセットプレート43と押えプレート46´の各ボタン孔としてのスリットノッチ41,41´を斜めにトラバースするリセットスプリングとしてのトーションスプリング66´が前記係止ピン66を介してトラバース状に渡設されているのに係合するように図4の(j)に示す様に、ストッパフランジ57の先部にストッパフランジ60´の段差部58が形成され、カバーボタン10側寄りに軸方向に二段のストッパフランジ60,60´がシャンク55の径と対角長さが等しい断面方形のシャンク62に一体的に形成されている。
【0032】
而して、該各ストッパフランジ60,60´はシャンク55のマイナスノッチ56に対し平行に面対称的に優弧面59とその両部のフラット面58´,58´を有し略扇形に形成され、当該図4の(f),(h),(i),(j)に示す様に、面対称的に形成され、その鈍角的なショルダー部は図13に示す様に、ボタン押えプレート36のボタン孔としてのスリットノッチ34の深さ方向中途部に形成された山形形状の突起部71と、キープレート40の図14,図15に示したボタン挿通孔としてのスリットノッチ37の端面に形成された両山形形状の突起部71´に対し該ボタン押えプレート36とキープレート40の上下面と前後面の双方から図9に示す様に、押え当接係合して、不測のオーバーなスライドを阻止し、亜鉛製のボタン押えプレート36とキープレート40の該ボタン本体54の係合による余分な損耗を防止するようにされている。
【0033】
尚、上下二段のストッパフランジ60,60´に一体的にカバーボタン10側に延設している断面方形のシャンク62の表面の幅サイズはキープレート40の縦方向のスリットノッチ37に略合致して両者の相対スライドを許容するようにされており、又、図8の(n)に示す様に、ボタン本体54をしてそのマイナスノッチ状のすり割り56により、記憶状態に旋回動した姿勢では軸方向に押し込まれたボタン本体54の上段のストッパフランジ60の優弧部59がスライドして停止する形状に図15に示す様に、スリットノッチ37の底部37´が上記優弧面59に合致する形状に成形されている。
【0034】
当該図8において、左側の上向矢印の×印はキープレート40のスライド不可能な状態を示し、右側上向矢印の○印はスライド可能な状態を示してものである。
【0035】
そして、図8の(m),(n)はボタン本体54を記憶状態に回転させた状態を示すものであり、(m)はボタン本体54が押し込まない姿勢状態であり、(n)はボタン本体54を押し込んだ姿勢状態を示すものであり、又、(o)は非記憶状態のボタン本体54の押し込まれていない状態を示すものであり、(p)は当該非記憶状態のボタン本体54を押し込んだ状態(押し込まなくても良い)を示すものであり、(o),(p)の状態は、いずれにしても、キープレート40のボタン孔としてのスライドノッチ37に対し、上下二段の各ストッパフランジ60,60´の鈍角のショルダー部がスライドノッチ37の端部のショルダー部に係合して、又、図9の(q),(r),(s)に示す様に、ボタン押えプレート36の裏面の図13に示すリング状のサブノッチ34´´の中央部端の底部に設けられた三角形状の突起部71、及び、キープレート40のスリットノッチ37の上端部に下向きに設けられた山形形状の突起部71´にも係合してボタン本体54とキープレート40の相対スライドを阻止し、又、ショルダー部と各突起部71,71´の過剰な係合を介しての相互摩耗による機能減退を阻止するようにされている。
【0036】
而して、図13に示す様に、ボタン押えプレート36の表裏面に於いては、ボタン本体47の挿通孔のスライドノッチ34の両側には相対向して方形のロックノッチ69が貫設され、又、キープレート40のスライドノッチ37の両側にも同様に図14,15に示す様に該方形のロックノッチ69´が対応的に形成され、図5の(k)に示す様に、ボタン本体54を裏板46、キープレート40の各ボタン孔としてのスライドノッチ44,37に挿通して組付するに際し、カバーボタン10の内部にフォーク状のボタン押え座金63の双方のフォーク部を当該方形のロックノッチ69,69´に挿通し、操作者が悪意、又は、犯意をもってレバーハンドル7´´を外部から回すことにより、該レバーハンドル7´´の回転軸77(図19)に一体の図2に示す回転カム47を介しキープレート40を微少量だけスライドすることにより、そのクリアランスにより刻印されたキーワードを探って解錠することが出来ないように、当該悪意又は犯意をもってキープレート40を微少量スライドすることを阻止するようにされている。
【0037】
而して、ボタン押えプレート36に於いては、図13に示す様に、そのボタン孔34の周囲には所定深さでリング状のサブノッチ34´が隣設状に穿設され、該サブノッチ34´の底部にはその表面から該サブノッチ34´の深さの半分相当の三角形状の三角形状の突起部71が設けられて図9の(q)に示す様に形成され、当該図9の(r)に示す様に、記憶状態のボタン本体54の記憶状態の上下のストッパフランジ60,60´がボタン押えプレート36の三角形状の突起部71とキープレート40の山形形状の突起部71´の双方にそのショルダー部が上下両面、及び、前後両方向から係合してボタン本体54に対し、キープレート40が相対スライドしないようにされている。
【0038】
そして、当該図9の(s)に示す様に、記憶状態にあるバー状のボタン本体54を弾圧スプリング64に抗して軸方向に押し込み状態にするキーワードに対しては図8に示す様に、一方側のストッパフランジ60´がキープレート40のスライドノッチ37を通過し、同様に他方のストッパフランジ60もスライドノッチ37を通過する姿勢にされてキープレート40のボタン本体54に対する相対スライドを許容するようにされている。
【0039】
尚、当該図9の(r),(s)は図示の都合上、シャンク62,55は省略してある。
【0040】
而して、ボタン本体54の組付セット時には図5の(k)に示す様に、まず、カバーボタン10内の凹部分にボタン座金63を挿入し、次いで、ストレート状に圧縮したの弾圧スプリング64を介装し、ワッシャー65をグリース付けを介し該ボタン押えプレート36のリング状のサブノッチ34´に張り付けて脱落しないようにし、次いで、ボタン本体54のシャンク62を該ワッシャー65の四角孔65´に挿通し、上下のストッパフランジ60,60´をキープレート40のスライドノッチ37に挿通し、次いで、リセットプレート43、リセットプレート押え43´の間に介装し、ピン66を介して張設されているリセットスプリングとしてのトーションスプリングのロックスプリング66´をストッパフランジ60と60´の間隙部に係止し、最後に外形がテーパー形状のスプリング67を介しボタン押えプレート36をセットする組み付けを各ボタン本体54に対して行う。
【0041】
又、クリヤーボタン48の組付に際しては図5の(l)に示す様に、そのカバーボタン10に対し保護カバー68を介しストレート状に圧縮したスプリング64´を組付けてシャンク50部分を挿入し、リセットプレート43のボタン孔42の孔を挿通し、該ボタン孔42の孔のカム面42´にカムフランジ52のテーパー面を係合するようにし、最後に裏板46との間にテーパー状にセットしたスプリング67を介装して弾圧付勢させて組付を終わるようにする。
【0042】
而して、外側のレバーハンドル7´´の不測の悪意による抜け取り等を防止し、且つ、右勝手,左勝手の使用状態が自在に出来るように、該レバーハンドル7´´のレバーの基部72に対しては図19の(t),(u)に示す様に、両側の方向にノッチ73,73を有するフォーク状に形成した回転軸77を挿通し、該回転軸77の略中央部のフランジを介して形成した短角筒部にリング状に形成したノッチ74にレバー角孔79を介して止め座金80を貫挿させ、該リング状のノッチ74に隣設する4つの部分ノッチ75にレバー止めスナップワッシャー84を介装し、更に、回転軸77、及び、レバー止め座金80の角孔79にレバー軸83を挿通し、該スナップワッシャー84を介し六角スパナ用のボルト85を捩じ込み、六角スパナ86をもって、その部品全体をレバーハンドル7´´の基部72に一体的に固定させ、回転軸72の回転軸77の部位に対しては、該レバーハンドル7´´の基部72に螺刻したネジ孔82´にネジ85を六角スパナ86´を介して該フォーク部の180゜位相差を介して相対向して刻設された第19の(u)に示す様に回転軸77をノッチ73,73に選択的に通して緊締させることにより、該レバーハンドル7´´は回転軸77に対し回転自在であると共に、一方側の右勝手,他方側の左勝手の使用状態に対する締め付け固定が行われ、又、その抜け止めを図るには、回転軸77に介装したレバー止め座金80、スナップワッシャー84による軸方向反力により確実に抜け止めが図られ、故意、又は、犯意によるレバーハンドル7´´の抜き取り等は行われず、又、右勝手,左勝手の使用状態に対する適用も自在である。
【0043】
又、ドアの裏側のバッキングプレート4´側のレバーハンドル7´´´についても図20に示す様に、上述レバーハンドル7´´に対する態様同様に、その基部72´に対する回転軸77´へのレバー軸83,スナップワッシャー84´を介しての抜け止め、及び、回転自在が図られるものである。
【0044】
而して、このように、クリヤーボタン48を組み付けた姿勢状態は図6に示す通りであり、又、各ボタン本体54を組み付けた状態は図7に示す通りであり、その左半分は非記憶状態の断面図であり、その右半分は記憶状態の断面図である。
【0045】
尚、記憶状態の裏板46のボタン孔44の側部に示されている1〜0,A,Bのキーワードに示された該各ボタン孔44を目視して見える各ボタン本体54のカバーボタン10とは反対側のシャンク55のマイナスノッチ56をマイナスドライバー等により180゜回転することにより、記憶状態のキーワードを設定することが出来、該キーワードのバー状のボタン本体54が記憶状態であるか、非記憶状態であるかは図4の(f)のシャンク55のマイナスノッチ56の片側、或いは、反対側に図4に示す様に赤色、或いは、黒等の色65´´を各々色別につけることにより、右半分が黒等に着色されている場合は記憶状態のキーワードであることが視認されるようにする等が可能である。(而して、当然のことであるが、非記憶状態のキーワードであることが視認される。)
【0046】
上述構成において、初期組付に際し、施工業者が発注主の注文するオーダーとしてのキーワードに応じて該ボタン本体54の裏板46の各ボタン孔44を視認することが出来る各ボタン本体54のカバーボタン10とは反対側のシャンク55のマイナスノッチ56を介し180゜マイナスドライバー等に旋回させて所定の記憶状態に対応してセットすると、ケースフレーム2´内のキープレート40に対する各ボタン本体54の上下二段の各ストッパフランジ60,60´は記憶状態のものにあっては、図8の(m)の状態となり、及び、図9の(r)の状態となり、又、非記憶状態のボタン本体54の上下二段のストッパフランジ60,60´は当該図8の(o)の状態になって、該各ストッパフランジ60,60´の一方側はキープレート40のスライドノッチ37の山形形状の突起部71´に係合し、又、他方の側はボタン押えプレート36のスライドノッチ34の底部に設けられた三角形状の突起部71に係合して回転は阻止され、したがって、この状態でレバーハンドル7´´を解錠方向(右勝手の場合には右側R、左勝手の場合には左L側)に旋回させても、回転カム47はキープレート40をスライドさせることが出来ず、したがって、角芯棒8´は旋回せず、該本締り錠6のデッドボルト5は後退せず、そのため、該本締り錠6の解錠は不可能となる。
【0047】
又、犯意、又は、故意によってレバーハンドル7´´を旋回付勢させながら、回転カム47を介し該キープレート40を微少量ずつスライドさせて解錠可能な記憶状態のキーワードを探ろうとしても、ボタン止め座金63のフォーク部がボタン押えプレート36、及び、キープレート40のロックノッチ69,69´に係合しているために、両者は固定状態を維持し、記憶状態のキーワードが探られる虞れがない。
【0048】
そして、使用人自身が解錠してドアを開くに際しては、記憶状態のキーワードのカバープレート9´の各カバーボタン10をその決められたキーワードに従って軸方向に押し込むことにより、ボタン本体54の上下のストッパフランジ60,60´が図8の(m)の状態から(n),図9の(s)の状態に押し出され、キープレート40のスライドノッチ37の山形形状の突起部71´、及び、押えプレート36の三角形状の突起部71に対する係合が外れ、又、該スライドノッチ37に会合し、そして、非記憶状態のボタン本体54は両ストッパフランジ60,60´がキープレート40のスリットノッチ37に非会合状態でレバーハンドル7´´を所定の方向に旋回動することにより、回転カム47を介し錠キープレート40は各ボタン本体54に干渉することなく、戻りスプリング64に抗して所定量スライドし、したがって、該回転カム47は回動し、該本締り錠6は解錠されてデッドボルト5は後退し、ドアを開くことが可能にされる。
【0049】
その間、各記憶状態に対応するキーワードのボタン本体54をカバーボタン10を介し軸方向に押し込み動作することにより、該記憶状態のキーワードに従って軸方向に押し込まれたボタン本体54は図5の(k)に示す様に、又、図4に示す様にそのロックノッチ58に対するロックスプリング66´が係合してロック状態を現出し、押し込まれたボタン本体54は戻ることがなくロック状態が保持される。
【0050】
そして、当該記憶されたボタン本体54を非記憶状態に戻すには、クリヤーボタン48をそのカバーボタン10を介して軸方向に押し込むことにより、そのロックフランジ52が図16〜図18に示す様に、リセットプレート43のロックフレーム42のカム面42´に係合して図6に示す様に、該リセットプレート43をスライドさせることにより、ロックスプリング66´は各ボタン本体54のストッパフランジ57から外れ、したがって、全ボタン本体54はスプリング62による弾圧力により初期姿勢に復帰する。
【0051】
尚、この間、非記憶状態のボタン本体54は押し込まれた姿勢にはない図7の左半分の状態にあるために、クリヤーボタン48を押しても、リセット状態にあることになり、そこで、全てのボタン本体54は非記憶状態のリセット姿勢になる。
【0052】
そして、再びドアを締める時に施錠する場合には、使用者が記憶しているキーワードに従って当該カバープレート9のキーワードの番号に応じて、カバーボタン10を軸方向に押し込んで各ストッパフランジ57とストッパフランジ60´の間隙58にロックスプリング66´を係止させて押し込み状態のロック状態を維持し、そこで、レバーハンドル7´´を施錠方向に回転させると、解錠状態と同様にキープレート40はボタン本体54とは干渉せず、会合状態にあるために所定量スライドし、角芯棒8´を介し本締り錠6が施錠方向に回転しデッドボルト5は進出状態になり、本来の施解錠機能が全うされる。
【0053】
そして、不測の事態により当該ボタン錠1´が施解錠不能になった場合には、図示しないマスターキーをマスターキー孔32,32´を介して差し込み、本締り錠を施解錠すれば良い。
【0054】
そして、使用者の都合により、不測状態のキーワードを変更したい場合には、デッドボルト5の表側のケースフレーム2´の裏板46の孔44の側部に記載されているキーワードの数字、及び、文字をガイドにして視認され得る各ボタン本体54のマイナスノッチのすり割り56をして記憶状態のキーワード方向に180゜回転させることにより、記憶状態のキーワードが変更することが自在に行得る。
【0055】
尚、この出願の発明の実施態様は上述実施例に限るものでないことは勿論であり、例えば、ハンドルはレバーハンドルタイプのみならず、例えば、握り玉方式等のタイプやサムターン方式のタイプのハンドルでも良く、設計変更的にはボタン本体48のストッパフランジ57の扇形状については設計的に適宜に行えることは勿論のことである。
【0056】
又、ボタン本体54やカバーボタン10については硬質ゴム製や樹脂製のものにする等も設計変更の範囲内である。
【0057】
そして、又、適用対象のドアは観音開きタイプのものばかりでなく、スライド式のものにも適用出来ることは勿論のことである。
【0058】
【発明の効果】
以上、この出願の発明によれば、基本的にドアに埋設された本締り錠のデッドボルトを進退自在にする該本締り錠に対し、予め設計されたキーワードのボタンを押し込むことにより、施解錠可能であることが現出され、したがって、煩瑣なキー操作の必要がなく、そのため、キー忘れによる施解錠の不便さもなく、スムーズに施解錠が出来、防犯錠としても極めて安心感がもてるという優れた効果が奏される。
【0059】
又、施錠に際してもキー操作が不要であり、ボタン操作が不必要で、所謂締り勝手にする利点もある。
【0060】
又、ボタン本体やカバーボタンやボタン本体,ロックスプリング等を組付上、同一サイズにすることが出来るために、量産性が良く、したがって、コスト的にも安く出来、部品の共通化が図られ、単にボタン本体のマイナスノッチの片側のみの色分けをすることにより、ボタンの記憶状態のキーワードの選択が自由に行え易いというメリットがある。
【0061】
而して、この出願の発明においては、ボタン本体の記憶状態のキーワードの組み合わせを予め選定することにより、記憶状態,非記憶状態のボタンのキーワードの組み合わせの選定や非選定を選択的に行うことが出来るために、上述の如く量産性が良く、コスト的にも安く出来るのみならず、キーワードの選択的な組み合わせが容易に出来る自由度があり、製造段階や卸段階における取り付け施工業者の同一キーワードの組み合わせ番号は勿論のこと、使用者側の必要性に応じて当該キーワードの組み替えが容易に行えるという組付、使用時における自由度が高いという効果がある。
【0062】
又、ボタン本体のシャンクが板状でなくバー状に形成されてそのシャンクに二段のストッパフランジを設け、キープレートのスライドノッチに会合して遊装自在にされているために、該キープレートと会合して交叉する状態においてのみキープレートが該ボタン本体を相対スライド出来、会合状態にあっても、ボタン本体の上下二段のストッパフランジがキープレートのスライドノッチの一方端に設けられた山形形状の突起部、及び、キープレートが相対スライドするボタン押えプレートのボタン孔の他方端側に設けられている三角形状の突起部に係合することにより、絶対的にボタン本体の回転が防止されて不測にして故意、又は、犯意によるボタン本体の押し込みに伴う回転が生ずる虞がなく、又、無理にキープレートをハンドルの回転により自由にスライドさせようとしても、該二段のストッパフランジと両フックノッチの二重の係合により、キープレートとボタン本体の相対スライドが阻止され、したがって、当該係合部が亜鉛製のキープレートであっても、摩耗が生ずることがなく、その限り、耐久性も良好となる優れた効果が奏される。
【0063】
又、キープレートに相対スライドするボタン押えプレートとリセットプレートとの間に該キープレートがスライド自在に介装されていることにより、それらの間に弾圧スプリングが介装されているために、不測にしてハンドルを自由に回転させても、キープレートが自由にはスライドせず、使用に応じたハンドルの回転作用によってのみキープレートがスライド出来るという利点がある。
【0064】
而して、ハンドルの回転軸にはスナップワッシャーやハンドル固定用のワッシャーが介設されていることにより、該ハンドルが容易には抜け取りされず、したがって、故意、又は、犯意によりハンドルを取り外して持ち去るということ等が出来ず、防犯上の安全対策としては極めて有効であるという効果が奏され、又、該ハンドルの回転軸との間にはネジボルトを挿設されているために、上述の如くハンドルの故意、又は、犯意による抜け取りが防止されるのみならず、該ハンドルの右勝手,左勝手が該ネジボルトの切り換え、締め付けにより選択的に自由に行えるという利点がある。
【0065】
又、キープレートとボタン押えプレートの間にボタン座金がスプリングを介して挿入されていることにより、悪意,犯意を持ってハンドルを介しキーをプレートを微少量移動させることにより、順にキーワードを察知して記憶状態のボタンが探られることがなく、この点からも防犯上の安全性は極めて高いという優れた効果が奏される。
【0066】
又、ボタンの回転用のマイナスノッチの片側を色分けすることにより、裏板側から該ボタンのマイナスノッチをマイナスドライバーにより180゜回転させることが出来るため、記憶状態のキーワードを設定出来易いという優れた効果が奏される。
【0067】
更に、ボタンの一つにボタン解除用のクリヤーボタンとして設けることが出来ることにより、キーワードに従わないボタンの押し込み操作を誤ってなされた場合に、該クリヤーボタンを押し込むことによりリセットプレートが所定量スライドされて全てのボタンがロック解除されるようにされることにより、ハンドルを回転させてキープレートやボタン押えプレートのフックノッチ等の会合部を破壊することがなく、したがって、全機械的機構部の作動部は対摩耗性の金属性のものにされていることと相俟ってボタン錠の機構部の耐久性が向上し、不測のトラブル等が発生せずに済むという利点がある。
【0068】
そして、クリヤーボタンにより初期状態にリセットされることにより、ボタンのミス押し込みがなされた場合にも、再びキーワードによる正規の記憶状態のボタンを軸方向に押し込むことにより、ハンドルの回転による回転カムを介してのキープレートのスライドが可能となり、本締り錠の正規の解錠が可能となる効果がある。
【0069】
そして、上述の如くキープレートやボタン押えプレートが耐久性が良く、したがって、亜鉛製品を用いることが出来るために、金型等の流用も可能となり、成形加工がし安く、原材料に対するコストダウンを維持出来るというメリットもある。
【0070】
又、ボタン本体を旧来技術の板状のものにせず、バー状に形成し、記憶状態,非記憶状態の正立状態や反転状態にする必要がなく、したがって、正反転して差し替える必要がなく、単に、ボタン本体をマイナスノッチのすり割りを介して回転させるだけで記憶状態と非記憶状態が検出出来るという操作上の利点があり、又、マイナスノッチのすり割りを介してキーワードに従って180゜回転することにより、記憶状態と非記憶状態に選択的に切り換えすることが出来るために、在来態様のボタン本体の如く、90゜切り換えよりも切り換え角度が大きく、したがって、キープレートとボタン本体の二段のストッパフランジとの係合の自由度が大きくなり、そのため、ボタン本体のロックとキープレートとの相対スライド可能な会合状態以外の該スライド状態における係合部の摩耗度が少く、したがって、上述の如く量産可能な亜鉛製の材料を用いても、耐久性が良好に保持出来るという優れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この出願の発明の1実施例の全体概略斜視図である。
【図2】 同ドア表側のケースフレーム内の機構部の部分積層状態の分解斜視図である。
【図3】 クリヤーボタンの外観図であり、(a)はその上面図であり、(b)はその斜視図であり、(c)は底面図であり、(d)は側面図であり、(e)背面図である。
【図4】 ボタン本体の外観図であり、(f)はその底面図であり、(g)はその平面図であり、(h)は底面図であり、(i)は一方向からの側面図であり、(j)他方向からの側面図である。
【図5】 ボタンの外観図であり、(k)はカバーボタンとボタン本体の取り合い分解斜視図であり、(l)はカバーボタンとクリヤーボタンの取り合い分解斜視図である。
【図6】 クリヤーボタンのリセットプレートに対する作用断面図である。
【図7】 ボタン本体のキープレートに対する記憶状態,非記憶状態の断面図である。
【図8】 ボタン本体のストッパフランジとキープレートのスライドノッチの取り合い機能図であり、(m)は記憶状態のボタン本体の非押し込み状態の平面図であり、(n)は押し込み状態の底面図であり、(o)非記憶状態のボタン本体とキープレートのスライドノッチの取り合い機能図であり、(p)は係合状態の底面図である。
【図9】 ボタン本体のロック機能図であり、(q)はキープレートのフックノッチとボタン押えプレートのフックノッチの相互取り合いの斜視図であり、(r)はフックノッチとボタン本体の二段ストッパフランジの非押し込み状態の取り合い斜視図であり、(s)は押し込み状態の取り合い斜視図である。
【図10】 カバープレートの表面図である。
【図11】 同裏面図である。
【図12】 ボタン押えプレートの表面図である。
【図13】 同裏面図である。
【図14】 キープレートの表面図である。
【図15】 同キープレートのスライドノッチの拡大正面図である。
【図16】 リセットプレートの平面図である。
【図17】 同中心縦断面図である。
【図18】 リセットプレートの平面図である。
【図19】 外側レバーハンドルの部分図であり、(t)その分解斜視図であり、(u)は同回転軸の概略斜視図である。
【図20】 内側のレバーハンドルの取り合い斜視図である。
【図21】 旧来技術に基づくボタン錠の分解斜視図である。
【図22】 同ボタン本体としてのタンブラーの斜視図である。
【図23】 従来技術に基づくボタン錠の分解取り合い斜視図である。
【図24】 同右勝手,左勝手の切り換え機構の平面図である。
【符号の説明】
2´ ケースフレーム
9´ カバープレート
10 カバーボタン
54 ボタン本体
5 デッドボルト
40 キープレート
7´´ ハンドル
8´ 角芯棒
6 本締り錠
1´ ボタン錠
37 スライドノッチ
60,60´ ストッパフランジ(カムフランジ)
56 マイナスノッチ(すり割り状の)
43 リセットプレート
72´ 回転軸
85´ 固定用ネジ
48 クリヤーボタン
71,71´ 突起部(山形状の)
36 ボタン押えプレート
66´ ロックスプリング
61 フックノッチ
42´ カム面
64 スプリング
81 ハンドル固定用のワッシャー
72 基部
85 ネジボルト
63 ボタン止め座金
64 スプリング
84,84´ スナップワッシャー
69,69´ ロックノッチ
37 スリットノッチ

Claims (8)

  1. 外側のドアの表側のケースフレーム(2´)のカバープレート(9´)に露呈状態に設けられた多数の同一形状、同一サイズのカバーボタン(10)に被嵌されたバー状のボタン本体(54)が本締り錠(6)のデッドボルト(5)をアンロックするキーワードに従う配列状態にセット自在にされ、又該ケースフレーム(2´)内にスライド自在なキープレート(40)に係合解離自在に設けられ、而して該キープレート(40)に連係される上記ドアの表側、及び、裏側のハンドル(7´´,7´´´)が角芯棒(8´)を介し上記本締り錠(6)に係合されるようにされている回転式のボタン錠(1)において、
    上記バー状のボタン本体(54)が多数バー状に形成され、スライド自在の押えプレート(36)及びキープレート(40)に側方から当接することによって該プレート(36,40)のオーバースライドを阻止するための上下2つのストッパフランジ(60,60´)と、その一のストッパフランジ(60´)との間に段差部(58)が形成されるように設けられた周囲がテーパー状の他のストッパフランジ(57)と、を一体的に有し、
    スライド自在に設けたリセットプレート(43)に係合ピン(66)が植設され、該係合ピン(66)を介してロックスプリング(66´)が張設され、該ロックスプリング(66´)が上記ストッパフランジ(57,60´)の間の段差部(58)で係止されることによって、上記ボタン本体(54)の押し込み状態が維持されるようになっており、
    又上記ケースフレーム(2´)内にて押えプレート(36)と重層され、スライド自在に設けられたキープレート(40)の所定位置に該バー状のボタン本体(54)を挿脱自在にされた設定数の同一形状、同一サイズのスリットノッチ(37)が穿設され、
    上記各ボタン本体(54)が該キープレート(40)のスリットノッチ(37)に遊挿されてケースフレーム(2´)に直交して進退自在にされ一つの旋回姿勢で該キープレート(40)と交叉して該キープレート(40)の進退を遮断し、他の旋回姿勢でキープレート(40)の進退を許容する位置にて該キープレート(40)に平行な上記ストッパフランジ(60,60´)に対しバー状のボタン本体(54)の選択的姿勢を許容するマイナスノッチ(56)がすり割り状に各ボタン本体(54)の先端に形成され、
    又該バー状のボタン本体(54)の各々がリセットプレート(43)に上記ロックスプリング(66´)を介して解離自在に掛止され得るような形状にされ、
    上記ハンドル(7´´,7´´´)が角芯棒(8´)を介して上記本締り錠(6)に係合自在にされ、更にその回転軸(77´)に対し選択的に左右使い勝手の固定用ネジ(85´)が設けられ、
    上記ケースフレーム(2´)のカバープレート(9´)クリヤーボタン(48)が一本設けられ、該クリヤーボタン(48)はカムフランジ(52)を有し、該カムフランジ(52)が上記リセットプレート(43)のカム面(42´)と係合するようになっていることを特徴とするボタン錠(1)
  2. 上記バー状のボタン本体(54)に対して上記ロックスプリング(66´)が係合自在なフックノッチ(61)ボタン本体(54)に形成されていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
  3. 上記キープレート(40)がボタン押えプレート(36)とボタンに対するリセットプレート(43)との間にスライド自在に介装されていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
  4. 上記クリヤーボタン(48)のカムフランジ(52)にはテーパ面が形成されており、
    該クリヤーボタン(48)のカムフランジ(52)のテーパ面と、上記リセットプレート(43)のカム面(42´)とが係合することによって、該リセットプレート(43)の各バー状のボタン本体(54)に対するロックが解除されるようになっていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
  5. 上記回転軸(77´)にハンドル抜け止め用のスナップワッシャー(84)が介設されていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
  6. 上記回転軸(77´)がハンドル(7´´,7´´´)の基部(72)にネジボルト(85)を介して挿設されていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
  7. 上記ボタン本体(54)の前記マイナスノッチ(56)のすり割りの左右の両側が相互に異なる色(65´´)に色分けされていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
  8. 上記キープレート(40)とボタン押えプレート(36)のロックノッチ(69,69´)にボタン座金(63)がスプリング(64)を介してバー状のボタン本体(54)に沿って嵌挿されていることを特徴とする請求項1記載のボタン錠(1)
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