JP3644206B2 - ポリイミド系水性分散体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを同一粒子内に含み、水性分散体としての保存安定性に優れるとともに、ポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を保持するポリイミド系水性分散体、およびその好ましい製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリイミドは、優れた耐熱性、電気絶縁性、耐溶剤性、機械的特性を有し、電気・電子材料分野、航空宇宙分野など様々な分野で使用されている。しかしながら、ポリイミドは、一般に特定の有機溶媒にしか溶解できず、また各種基体との接着性も低いなどの問題があった。
また近年、特に環境保全に対する社会的意識の高まりから、電子材料分野においても、媒体を有機溶剤系から水系に変更することが要求されており、その場合は、ポリイミドの水系媒体に対する難溶性のため、分散体の形態をとらざるを得ないが、通常のポリイミドの場合、水性分散体としての十分な保存安定性を確保することが極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、ポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を損なうことなく、水性分散体としての保存安定性に優れたポリイミド系水性分散体、およびその好ましい製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、
(A)反応性基(a)を有する有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有し、水に対する20℃の溶解度が0.01g/100g以上である親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子が、水性媒体中に分散してなるポリイミド系水性分散体、
により達成される。
【0005】
また、本発明のポリイミド系水性分散体の好ましい製造方法は、
(A)反応性基(a)を有する有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有し、水に対する20℃の溶解度が0.01g/100g以上である親水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して反応させたのち、この反応溶液と水性媒体とを混合することにより、前記(A)成分と(B)成分とを相互に結合して同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子を、水性媒体中に分散させることを特徴とするポリイミド系水性分散体の製造方法、からなる。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
本発明における(A)成分は、反応性基(a)を有する有機溶媒可溶性のポリイミド(以下、単に「有機溶媒可溶性のポリイミド」という。)からなる。
このようなポリイミドの合成法は特に限定されるものではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させて、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加熱イミド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応させることにより、ポリイミドを合成することができる。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を有するポリイミドを合成することも可能である。
【0007】
<テトラカルボン酸二無水物>
有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定されるものではなく、その例としては、
ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、
3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物や、下記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボン酸二無水物、
【0008】
【化1】
【0009】
(式中、R1 は芳香環を有する2価の有機基を示し、R2 は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR2 は相互に同一でも異なっていてもよい。)、
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、R3 は芳香環を有する2価の有機基を示し、R4 は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR4 は相互に同一でも異なっていてもよい。);
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)や、下記式(3)〜(6)で表される化合物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】
【化6】
【0016】
等を挙げることができる。
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
<ジアミン化合物>
また、有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるジアミン化合物としては、例えば
p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジアミン類;
【0017】
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7 ]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは脂環式ジアミン類;
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンや、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン類、
【0018】
【化7】
【0019】
(式中、R5 は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)、
【0020】
【化8】
【0021】
(式中、R6 は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に同一でも異なっていてもよい。);
下記式(9)で表されるモノ置換フェニレンジアミン類、
【0022】
【化9】
【0023】
(式中、Yは−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−または−CO−を示し、R7 は水素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数6〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1価の基を示す。);下記式(10)で表されるジアミノオルガノシロキサン、
【0024】
【化10】
【0025】
(式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR8 は相互に同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数である。);
【0026】
下記式(11)〜(23)で表される化合物、
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】
(式中、yは2〜12の整数である。)
【0032】
【化15】
【0033】
(式中、zは1〜5の整数である。)
【0034】
【化16】
【0035】
【化17】
【0036】
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
【化21】
【0040】
【化22】
【0041】
【化23】
【0042】
等を挙げることができる。
これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0043】
前記テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジアミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
【0044】
<ポリアミック酸>
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常、−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。
前記有機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうるものであれば特に制限はなく、その例としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール類等を挙げることができる。
有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との合計量が、反応溶液の全量に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0045】
また、前記有機溶媒には、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。
前記他の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
以上のようにしてテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、ポリアミック酸の有機溶媒溶液が得られる。
得られるポリアミック酸は、その対数粘度(ηIn)の値が、通常、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液の流下時間と、該溶媒の流下時間を、30℃で測定して、下記式により求められるものである。
ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流下時間)÷(溶液の濃度)
【0046】
〔有機溶媒可溶性のポリイミド〕
本発明における有機溶媒可溶性のポリイミドは、前記ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成することができる。
ポリアミック酸の脱水閉環反応は、
(イ)ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を共沸留去する加熱イミド化法、または
(ロ)ポリアミック酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法
により行われる。
前記(イ)の方法における反応温度は、通常、50〜400℃、好ましくは100〜250℃である。反応温度が50℃未満では、脱水閉環反応が十分に進行せず、一方反応温度が400℃を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下する場合がある。
また、(イ)の方法においては、副生する水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として存在させることもできる。
さらに、脱水閉環を促進するために、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸100重量部当たり、例えば10〜400重量部添加することもできる。
【0047】
次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。
脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返し単位1モルに対して、0.01〜20モルが好ましい。
また、脱水閉環触媒としては、例えば、ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第三級アミン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して、0.01〜10モルが好ましい。
(ロ)の方法における反応温度は、通常、0〜180℃、好ましくは10〜150℃である。
(イ)および(ロ)の方法に使用される有機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有機溶媒と同様のものを挙げることができる。
また、(イ)および(ロ)の方法により得られる反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで、ポリイミドを析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、ポリイミドを固体として得ることができる。さらには、この固体ポリイミドを再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒中に注いで析出させる処理を1回以上行うことにより、ポリイミドを精製することができる。
【0048】
<末端修飾型ポリイミド>
本発明における有機溶媒可溶性のポリイミドは、分子量が調節された末端修飾型のものであってもよい。
このような末端修飾型ポリイミドは、ポリアミック酸を合成する際に、カルボン酸一無水物、モノアミン化合物、アミノ酸、モノイソシアネート化合物等を反応系に添加することにより合成することができる。
前記カルボン酸一無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、3−ヒドロキシフタル酸無水物、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシルこはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等を挙げることができる。
また、前記モノアミン化合物としては、例えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。
また、前記アミノ酸としては、例えば、アラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、バリン等を挙げることができる。
また、前記モノイソシアネート化合物としては、例えば、フェニルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート等を挙げることができる。
【0049】
<反応性基(a)を有するポリイミド>
本発明における有機溶媒可溶性のポリイミドは、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基等の反応性基(a)を1種以上有する。
本発明における有機溶媒可溶性のポリイミドにおいては、その反応性基(a)を、後述する(B)成分中の反応性基(b)と反応しうるものであり、それにより、該ポリイミドと(B)成分とが結合して同一粒子内に含む粒子を得ることができる。
このようなポリイミドは、反応性基(a)を、通常、0.1〜50モル%、好ましくは、0.2〜30モル%、さらに好ましくは、0.5〜20モル%含有することが望ましい。
有機溶媒可溶性のポリイミドの合成方法としては、例えば、
(ハ)ポリアミック酸中に存在するアミド酸基(即ち、反応原料のテトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボキシル基とアミド基)を脱水閉環反応後に残存させる方法、
(ニ)ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸一無水物、モノアミン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基(a)を残存させる方法
等を挙げることができる。
前記(ハ)の方法は、ポリアミック酸の脱水閉環反応時に、加熱イミド化法においては、反応時間と反応温度を適切にコントロールすることにより、そのイミド化率を調整することにより実施でき、また前記(ニ)の方法は、反応性基(a)が脱水閉環反応に関与する場合、加える脱水剤や脱水閉環触媒の量を調製することにより、イミド化率を調整することにより実施することができる。なお、(ニ)の方法で反応性基(a)が脱水閉環反応に関与しない場合は、反応条件を特に調整する必要がない。これらの方法のうち、そのイミド化率の調整の簡便さから、一般に(ニ)の方法が好ましい。
以上のようにして得られる有機溶剤可溶性のポリイミドは、その対数粘度(ηIn)の値が、通常、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。ここで、対数粘度(ηIn)は、前記ポリアミック酸の対数粘度(ηIn)と同様の方法により測定される。
【0050】
(B)成分
本発明における(B)成分は、親水性基として、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20℃の溶解度が、0.01g/100g以上、好ましくは0.05g/100g以上である親水性ポリマーからなる。
また、(B)成分は、前記親水性基に加えて、前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1種以上有する。
このような反応性基(b)としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基のほか、前記親水性基と同様の基等を挙げることができる。
このような親水性ポリマーは、前記(A)成分と共に同一粒子内に混在することにより、該粒子を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示すものと考えられる。
本発明における親水性ポリマーとしては、親水性基を有するモノビニル単量体(以下、「親水性単量体」という。)の単独重合体、あるいは親水性単量体単位を、通常、0.1〜80重量%、好ましくは、1〜60重量%、さらに好ましくは3〜50重量%含有する共重合体が望ましく、特に親水性単量体の共重合体が望ましい。
さらに、本発明における親水性ポリマーとしては、前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有するモノビニル単量体(以下、「反応性単量体」という。)を、通常、0.1〜30重量%、好ましくは、0.2〜20重量%、さらに好ましくは、0.5〜15重量%含有する共重合体が望ましい。
【0051】
前記親水性単量体あるいは反応性単量体のうち、アミノ基含有単量体としては、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等のアミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート類;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−アミノアルキル基含有(メタ)アクリルアミド類;p−ジメチルアミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジメチルアミノメチル−α−メチルスチレン、p−ジエチルアミノメチル−α−メチルスチレン、p−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジエチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジメチルアミノエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ジエチルアミノエチル)−α−メチルスチレン、2−ビニルピリン、4−ビニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと第一級または第二級のアミン化合物との付加物等や、これらの単量体中のアミノ基を中和あるいは四級化した塩等を挙げることができる。
【0052】
カルボキシル基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポリカルボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこれらの塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)エステル等の非重合性ジカルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシアルキル)エステル類やこれらの塩等を挙げることができる。
水酸基含有単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アクリロイルオキシエチル・2−ヒドロキシエチルジエステル等を挙げることができ、スホン酸基含有ビニル系単量体としては、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イソプレンやこれらの塩等を挙げることができ、アミド基含有単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド等を挙げることができる。
【0053】
また、エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
イソシアネート基含有単量体としては、例えば、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの親水性単量体および反応性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0054】
また、前記親水性単量体あるいは反応性単量体と共重合しうる他のモノビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレート、i−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチル(メタ)アクリルレート、t−ブチル(メタ)アクリルレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビニリデン、クロトンニトリル、2−シアノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート等のシアノ基含有単量体類;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(4−メトキシブチル)(メタ)アクリルアミド等の前記アミド基含有単量体のN−アルコキシアルキル置換誘導体類;トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;トリメチルシロキサニルジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキサニル)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルプロピルジメチルシリルエーテル等のシロキサニル化合物類;スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−エチルスチレン、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン等のモノビニル芳香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、ブタジエン、イソプレン等の不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シリコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることができる。 前記他のモノビニル単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0055】
さらに、得られる共重合体の親水性を過度に損なわない範囲の量で、例えば、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合物;エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレンビス(メタ)アクリルアミド、テトラメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラアクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させることもできる。
【0056】
本発明における親水性ポリマーは、例えば、ラジカル重合開始剤を用い、必要に応じて連鎖移動剤の存在下における公知の溶液重合などにより製造することができる。
前記溶液重合に用いる重合媒体としては、例えば、水、極性溶剤、水と極性溶媒との混合媒体等を挙げることができる。
前記極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレングリコール1500、グリセリン、N−メチロールピロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエーテル、メタノール、エタノール等を挙げることができる。
これらの極性溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明における親水性ポリマーのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、通常、1,000〜100,000、好ましくは3,000〜20、000である。
前記親水性ポリマーは、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、親水性ポリマーは、溶液あるいは固体として、ポリイミド系水性分散体の調製に使用される。
【0057】
ポリイミド系水性分散体
本発明のポリイミド系水性分散体は、前記有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μm、好ましくは0.05〜3μmである粒子を、水性媒体中に分散させてなるものである。
本発明のポリイミド系水性分散体における有機溶剤可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの使用割合は、有機溶剤可溶性のポリイミドが、通常、20〜90重量%、好ましくは30〜80重量%であり、親水性ポリマーが、通常、80〜10重量%、好ましくは70〜20重量%である。この場合、ポリイミドが20重量%未満で、親水性ポリマーが80重量%を超えると、水性分散体から得られる硬化物の電気絶縁性が低下する傾向があり、またポリイミドが90重量%を超え、親水性ポリマーが10重量%未満では、得られる水性分散体の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明のポリイミド系水性分散体における水性媒体とは、水を主成分とする媒体を意味する。この場合、水性媒体中における水の含有率は、通常、40重量%以上、好ましくは50重量%以上である。場合により水と共に使用される他の媒体としては、例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使用される極性溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0058】
本発明のポリイミド系水性分散体の製造方法としては、前記所定の水性分散体が得られる限り特に限定されるものではないが、例えば、
(I)有機溶媒可溶性のポリイミド中の反応性基(a)と親水性ポリマー中の反応性基(b)とを適切に組み合せて、該ポリイミドと該親水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要に応じて加熱しつつ、反応させたのち、この反応溶液と水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去することにより、該ポリイミドと該親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含み、前記所定の平均粒子径を有する粒子を、水性媒体中に分散させる方法が好ましい。この方法は、必要に応じて加熱下で実施することができる。このような方法により、水系分散体としての保存安定性および硬化物の諸物性に著しく優れたポリイミド系水性分散体を製造することができる。
【0059】
以下、本発明のポリイミド系水性分散体の製造方法を、前記(I)の方法を中心としてさらに具体的に説明する。
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法としては、例えば、
(i)別々に調製したポリイミドの溶液と親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、
(ii)ポリイミドと親水性ポリマーのいずれか一方の溶液に、他方を固体として添加して混合溶解する方法、
(iii)ポリイミドと親水性ポリマーをともに固体として有機溶媒に添加して、混合溶解する方法等を挙げることができるが、特に(i)の方法が好ましい。
ポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこれらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使用される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、(i)の方法の場合、ポリイミドの溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶媒は、同一でも異なってもよい。
さらに、(i)〜(iii)の方法により得られる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加することができる。
この化合物としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙げることができる。
これらの化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0060】
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液の濃度は、両成分の合計量として、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態で混合する際には、例えば、撹拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用することができる。また、混合条件は、回転数が、通常、10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,000rpmである。
また、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態で混合する際には、必要に応じて界面活性剤を適量添加することもできる。但し、得られる水性分散体を絶縁材として使用する場合は、界面活性剤が絶縁耐久性を低下させる要因ともなるため、その使用量を極力少なくすることが好ましい。
【0061】
さらに、本発明においては、ポリイミド系水性分散体のpHを、好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜9とすることが望ましく、それにより、保存安定性が特に優れた水性分散体を得ることができる。
このようなpH調整は、例えば、
(iv)有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性媒体中に分散させる方法、
(v)有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液を、必要量のpH調整剤を添加した水性媒体中に分散させる方法、
(vi)有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させながら、必要量のpH調整剤を添加する方法
等により実施することができるが、特に(iv)の方法が好ましい。なお、前記(II)の方法においてpH調整する際には、予め必要量のpH調整剤を水性媒体中に添加しておけばよい。
前記pH調整剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、アルカノールアミン等の有機または無機の塩基;ぎ酸、酢酸、酪酸、塩酸、硫酸等の有機または無機のプロトン酸等を挙げることができる。これらのpH調整剤は、有機溶媒可溶性のポリイミド中の反応性基(a)あるいは親水性ポリマー中の親水性基や反応性基(b)の種類や、これらの組み合せ等に応じて使い分けられる。
【0062】
次に、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、該混合溶液に水性媒体を添加しても、あるいは該混合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特に後者の方法が好ましい。
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、例えば、撹拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用することができる。また、混合条件は、ポリイミド系水性分散体の固形分濃度、分散粒子の所望の平均粒子径等によって変わるが、回転数が、通常、10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,000rpmである。
ポリイミド系水性分散体を調製する際に、水以外の有機溶媒あるいは媒体を除去する方法としては、例えば、蒸留、限外ろ過等を挙げることができる。
本発明のポリイミド系水性分散体における水性媒体の合計使用量は、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの合計100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部、さらに好ましくは20〜5,000重量部である。 本発明のポリイミド系水性分散体における粒子の平均粒子径は、0.03〜5μm、好ましくは0.05〜2μmである。この場合、粒子の平均粒子径が0.03μm未満では、水性分散体としたときの粘度が高くなりすぎ、また5μmを超えると、水性分散体としての保存安定性が低下して、粒子が沈降しやすくなる。この平均粒子径は、公知の光学的方法や電子顕微鏡により測定することができる。
【0064】
添加剤
本発明のポリイミド系水性分散体には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙げることができる。
また、他の添加剤としては、例えば、クレー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリビニルアルコール等の繊維あるいはウイスカー等の補強材を挙げることができる。また、前記補強材は、例えば、織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛に本発明のポリイミド系水性分散体を含浸させて使用することもできる。
前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、前記以外の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、防曇剤、接着性改善剤、防かび剤等を挙げることができる。
また必要に応じて、少量の乳化剤や水溶性分散剤をポリイミド系水性分散体に添加することもできる。
【0065】
ポリイミド系水性分散体の特性および用途
本発明のポリイミド系水性分散体は、優れた保存安定性を有するとともに、その硬化物は、透明性、電気絶縁性、耐熱性、機械的特性、電着性等に優れ、また吸水性が低く耐湿性および耐湿熱性に優れ、かつ各種基体に対する接着性にも優れている。
したがって、本発明のポリイミド系水性分散体は、特に、各種の電気機器や電子部品等の保護膜や電気絶縁膜等として極めて好適に使用することができるほか、耐熱性が要求される接着剤や塗料としても有用である。また、本発明のポリイミド系水性分散体を予め離型処理した適当な基体に塗布して、熱硬化性薄膜を成形し、該薄膜を硬化前に基体から強制的に剥離することによって、熱硬化性フィルムを取得することができ、該熱硬化性フィルムは、電気機器や電子部品等の耐熱性接着フィルム等として有用である。あるいは、前記基体から強制的に剥離された熱硬化性薄膜を硬化させるか、または予め離型処理した適当な基体上で熱硬化性薄膜を加熱、硬化させたのち、得られた硬化薄膜を基体から強制的に剥離することによって、硬化フィルムを取得することができる。さらに、本発明のポリイミド系水性分散体を構成する粒子を適当な溶媒に溶解した溶液をガラスクロス等の適当な布帛に含浸させたのち乾燥したプリプレグ、あるいは無溶媒の該粒子をガラスクロス等の適当な布帛に含浸させたプリプレグは、銅張り積層板等の積層材等としても有用である。
また、本発明のポリイミド系水性分散体から分離・採取された粒子は、1種の熱硬化性樹脂組成物をなし、例えば、粉末、ペレット等の形態で、例えば、射出成形法、トランスファー成形法、押出し成形法、圧縮成形法等の既知の成形法により成形して、各種の工業製品や工業部品等として使用することもできる。
本発明のポリイミド系水性分散体から熱硬化性フィルムあるいは硬化フィルムを成形する際に使用される基体は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、ニッケル、ステンレス、チタン、アルミニウム、銅、各種合金等の金属;窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化ほう素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルミナ、シリカや、これらの混合物等のセラミック;Si、Ge、SiC 、SiGe、GaAs等の半導体; ガラス、陶磁器等の窯業材料;芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル等の耐熱性樹脂等を挙げることができる。
前記基体には、所望により、予め離型処理を施しておくことができ、またシランカップリング剤、チタンカップリング剤等による薬品処理や、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着の如き適宜の前処理を施すこともできる。 本発明のポリイミド系水性分散体を前記基体に塗布する際には、回転塗布法、ロール塗布法、流延塗布法、浸漬塗布法、噴霧塗布法、電着法等の適宜の塗布手段を採用することができる。また、塗布厚さは、塗布手段の選択、ポリイミド系水性分散体の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
本発明のポリイミド系水性分散体から形成される熱硬化性フィルムあるいは硬化フィルムの厚さは、適宜選定することができるが、通常、0.1〜10,000μm、好ましくは1〜1,000μmである。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施例に何ら制約されるものではない。以下において、特記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
実施例および比較例中の各測定・評価は、次のようにして行なった。
平均粒子径
水性分散体を蒸留水で固形分濃度0.01重量%に希釈し、動的光散乱測定装置LPA3000(大塚電子(株)製)を用いて測定した。
分散安定性(I)
調製直後の水性分散体をガラス板上に1滴落とし、凝集物の有無を目視にて観察し、下記基準で評価した。
○・・・凝集物なし.
△・・・局部的に凝集物が存在する.
×・・・全体的に凝集する.
分散安定性( II)
プラスチック瓶に水性分散体を入れ、20℃で10日間保存したときの分散状態と粘度を目視にて観察し、下記基準で評価した。
○・・・変化なし.
△・・・2層に分離しないが、粘度がかなり上昇する.
×・・・2層に分離する.
熱硬化性フィルム、硬化フィルムおよび薄膜の形成と物性評価
水性分散体を用い、下記塗布法により薄膜を形成して、下記物性を評価した。
回転塗布法:
予め離型処理したガラス基体上に、スピンナーを用いて回転塗布して、熱硬化性薄膜を形成させたのち、250℃で30分間加熱して硬化させて、硬化薄膜を得た。次いで、前記熱硬化性薄膜および硬化薄膜を基体から強制的に剥離して、膜厚55μmの熱硬化性フィルムおよび膜厚50μmの硬化フィルムを得た。
カチオン電着法:
希酸で洗浄した銅基体を用い、定電圧法により陰極側銅基体に熱硬化性薄膜を形成して、100℃で10分間加熱したのち、さらに250℃で30分間加熱して硬化させて、銅基体上に膜厚15μmの硬化薄膜を形成した。
物性評価法
引張り強さ:
硬化フィルムについて、JIS K6911またはJIS C2318に準拠して測定した。
10%重量減少温度:
硬化フィルムについて、熱重量分析装置(TGA)を用い、空気中、20℃/分の昇温速度で測定した。
透明性:
硬化フィルムについて、目視にて、下記基準で評価した。
○・・・透明.
×・・・濁りあり.
耐湿熱性:
硬化フィルムについて、121℃、湿度100%、2気圧の条件下で、72時間耐湿熱性試験(PCT)を行って、試験の前後で赤外線分光測定を実施し、その変化の程度により、耐湿熱性を下記基準で評価した。
○・・・変化がなく耐性が認められる.
×・・・変化が大きく耐性が認められない.
体積抵抗率および表面抵抗率:
硬化フィルムについて、JIS K6911に準拠して測定した。
銅箔剥離強度:
熱硬化性フィルムを、厚さ130μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン、東レ・デュポン社製)と厚さ0.5mmの銅板との間に挟み、100g/cm2 の加重をかけて、250℃で30分間加熱した。その後、ポリイミドフィルムの銅面からの剥離強度を、JIS H8630およびJIS C6481に準拠し、密着強度試験器(山本鍍金試験器(株)製)を用いて測定した。
【0067】
ポリイミドの合成
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.29g(90ミリモル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンLP7100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.51dl/g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A−1)の溶液を得た。
【0068】
合成例2
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.88g(100ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン32.84g(80ミリモル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン1.98g(10ミリモル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.45dl/g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A−2)の溶液を得た。
【0069】
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.94g(50ミリモル)および3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11(50ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液に、ピリジン8gおよび無水酢酸10gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.48dl/g、イミド化率50%で、50%のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A−3)の溶液を得た。
【0070】
親水性ポリマーの合成
合成例4
ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、2−ジメチルアミノエチルアクリレート30部、グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−1)の溶液を得た。
【0071】
合成例5
γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、2−ジメチルアミノエチルアクリレート30部、2−イソシアナトエチルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−2)の溶液を得た。
【0072】
合成例6
ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート60部、メチルメタアクリレート5部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部、グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−3)の溶液を得た。
【0073】
合成例7
ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、スチレン5部、メタアクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−4)の溶液を得た。
【0074】
合成例8
ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、メチルメタアクリレート5部、アクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−5)の溶液を得た。
【0075】
【実施例】
実施例1
ポリイミド(A−1)の溶液70部(固形分)に対して、親水性ポリマー(B−1)の溶液30部(固形分)を添加して十分混合し、70℃で3時間加熱したのち、酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く撹拌して、凝集物のない水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0076】
実施例2
親水性ポリマーとして(B−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0077】
実施例3
親水性ポリマーとして(B−3)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。また、塗布法として回転塗布法を用いて物性評価を行った。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0078】
実施例4
ポリイミドの量を50部(固形分)とし、添加剤としてエピコート828(商品名、油化シェル製)20部(固形分)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0079】
実施例5
pH調整剤としてぎ酸2部を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0080】
実施例6
pH調整剤として酪酸4部を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表2に示す。
【0081】
実施例7
ポリイミドとして(A−2)を用いた以外は、実施例4と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表2に示す。
【0082】
実施例8
親水性ポリマーとして(B−4)を用い、pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いた以外は、実施例4と同様にして、水性分散体を得た。また、塗布法として回転塗布法を用いて物性評価を行った。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表2に示す。
【0083】
実施例9
親水性ポリマーとして(B−5)を用いた以外は、実施例8と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、表2に示す。
【0084】
実施例10
実施例9で得た水性分散体を用い、塗布法として回転塗布法を用いて物性評価を行った。評価結果を、表2に示す。
【0085】
比較例1
親水性ポリマーを使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、水性分散体は得られなかった。この結果を、表3に示す。
【0086】
比較例2
ポリイミドとして(A−3)を100部用い、親水性ポリマーを用いなかった以外は、実施例8と同様の操作を行ったが、得られた水性分散体は凝集物が多く、また物性評価も不可能であった。この結果を、表3に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
表中の添加剤、pH調整剤の種類は、下記の通りである。
(*1) E828:エピコート828(商品名、油化シェル製)
(*2) TEA:トリエタノールアミン
【0091】
【発明の効果】
本発明のポリイミド系水性分散体は、保存安定性に優れ、しかもその硬化物は、ポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を損なうことなく、透明性、耐湿熱性、各種基体に対する接着性等に優れている。
したがって、本発明のポリイミド系水性分散体は、電気機器や電子部品等の保護膜、電気絶縁膜等として極めて好適に使用することができるほか、接着剤、塗料、熱硬化性フィルム、硬化フィルム、プリプレグ、硬化成型品等にも有用である。
Claims (2)
- (A)反応性基(a)を有する有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有し、水に対する20℃の溶解度が0.01g/100g以上である親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子が、水性媒体中に分散してなるポリイミド系水性分散体。
- (A)反応性基(a)を有する有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有し、水に対する20℃の溶解度が0.01g/100g以上である親水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して反応させたのち、この反応溶液と水性媒体とを混合することにより、前記(A)成分と(B)成分とを相互に結合して同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子を、水性媒体中に分散させることを特徴とするポリイミド系水性分散体の製造方法。
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