JP3635883B2 - 水性分散体およびその製造方法 - Google Patents

水性分散体およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に含み、水性分散体としての保存安定性に優れるとともに、その硬化物がポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を保持する水性分散体、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミドは、優れた耐熱性、電気絶縁性、耐溶剤性、機械的特性を有し、電気・電子材料分野、航空宇宙分野など様々な分野で使用されている。ポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとの反応により得られるポリアミック酸を脱水閉環して得られるが、このポリアミック酸は、一般に有機溶媒に対する溶解性が低く、しかも溶液状態であっても徐々にアミド酸基(即ち、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボキシル基とアミド基)が加水分解や交換反応を繰り返し、分子構造、分子量および分子量分布などが変化することが知られている。
また近年、特に環境保全に対する社会的意識の高まりから、電子材料分野においても、媒体を有機溶剤系から水系に変更することが要求されており、その場合は、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸の加水分解等を防止する上で、分散体の形態をとることが好ましいが、ポリアミック酸のままでは、水性分散体としての十分な保存安定性を確保することが極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、その硬化物がポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を保持するとともに、水性分散体としての保存安定性に優れたポリアミック酸系の水性分散体、およびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、前記課題は、第一に、
(A)ポリアミック酸と、(B)エポキシ基、イソシアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ジアゾ基およびカルボニル基の群から選ばれる反応性基を1種以上有、水に対する20℃の溶解度が0.05g/100g未満である、当該ポリアミック酸と反応しうる疎水性化合物とを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子が、水の含有率が40重量%以上である水性媒体中に分散してなる水性分散体、
によって達成される。
【0005】
また、本発明によると、前記課題は、第二に、
(A)ポリアミック酸と、(B)エポキシ基、イソシアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ジアゾ基およびカルボニル基の群から選ばれる反応性基を1種以上有、水に対する20℃の溶解度が0.05g/100g未満である、当該ポリアミック酸と反応しうる疎水性化合物とを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して反応させたのち、この反応溶液を、水の含有率が40重量%以上である水性媒体と混合することにより、前記前記(A)成分と(B)成分とを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子を、水性媒体中に分散させることを特徴とする水性分散体の製造方法、
によって達成される。
【0006】
以下、本発明を詳細に説明する。
(A)成分
本発明における(A)成分は、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸からなる。
このようなポリアミック酸の合成法は、特に限定されるものではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重縮合反応によりポリアミック酸を得ることができる。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重縮合反応を多段階で行うことにより、ブロック構造を有するポリアミック酸を合成することも可能である。
【0007】
このポリアミック酸の合成に用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、は、例えば、
1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメチル−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、下記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボン酸二無水物、
【0008】
【化1】
Figure 0003635883
【0009】
(式中、R1 は芳香環を有する2価の有機基を示し、R2 は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR2 は相互に同一でも異なっていてもよい。)
【0010】
【化2】
Figure 0003635883
【0011】
(式中、R3 は芳香環を有する2価の有機基を示し、R4 は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR4 相互に同一でも異なっていてもよい。);
【0012】
ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテート)や、下記式(3)〜(6)で表される化合物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。
【0013】
【化3】
Figure 0003635883
【0014】
【化4】
Figure 0003635883
【0015】
【化5】
Figure 0003635883
【0016】
【化6】
Figure 0003635883
【0017】
これらのテトラカルボン酸二無水物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0018】
また、ポリアミック酸の合成に用いられるジアミン化合物としては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−1−(
4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,5,
5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル、2,4−ジアミノ−6−(ヒドロキシメチル)プテリジン等の芳香族ジアミン;
【0019】
1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7 ]−ウンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは脂環式ジアミン;
【0020】
2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−ジアミノ−2−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノアクリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミンや、下記式(7)または式(8)で表される化合物等の、分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン、
【0021】
【化7】
Figure 0003635883
【0022】
(式中、R5 はピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示す。)、
【0023】
【化8】
Figure 0003635883
【0024】
(式中、R6 は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示し、Xは2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に同一でも異なっていてもよい。);
下記式(9)で表されるモノ置換フェニレンジアミン類、
【0025】
【化9】
Figure 0003635883
【0026】
(式中、Yは、−O−、−COO−、−OCO−、−NHCO−、−CONH−および−CO−から選ばれる2価の有機基を示し、R7 は水素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数6〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1価の基を示す。);
下記式(10)で表されるジアミノオルガノシロキサン、
【0027】
【化10】
Figure 0003635883
【0028】
(式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複数存在するR8 は相互に同一でも異なっていてもよく、pは1〜3の整数、qは1〜20の整数である。);
下記式(11)〜(23)で表される化合物、
【0029】
【化11】
Figure 0003635883
【0030】
【化12】
Figure 0003635883
【0031】
【化13】
Figure 0003635883
【0032】
【化14】
Figure 0003635883
【0033】
(式中、yは2〜12の整数である。)
【0034】
【化15】
Figure 0003635883
【0035】
(式中、zは1〜5の整数である。)
【0036】
【化16】
Figure 0003635883
【0037】
【化17】
Figure 0003635883
【0038】
【化18】
Figure 0003635883
【0039】
【化19】
Figure 0003635883
【0040】
【化20】
Figure 0003635883
【0041】
【化21】
Figure 0003635883
【0042】
【化22】
Figure 0003635883
【0043】
【化23】
Figure 0003635883
【0044】
等を挙げることができる。
これらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0045】
<ポリアミック酸>
ポリアミック酸の合成反応に供されるテトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物の使用割合は、ジアミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカルボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量となる割合である。
ポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中において、通常、−20〜150℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。
前記有機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうるものであれば特に制限はなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェノール等のフェノール類等を挙げることができる。
有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との合計量が、反応溶液の全量に対して0.1〜30重量%になるような量であることが好ましい。
【0046】
また、前記有機溶媒には、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範囲で併用することができる。
前記他の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、1、4−ジオキサン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
以上のようにして、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、ポリアミック酸の有機溶媒溶液が得られる。
【0047】
また、本発明においては、ポリアミック酸を脱水閉環させることにより、部分的にイミド化して使用することもできる。
前記部分的にイミド化されたポリアミック酸におけるイミド化率は、通常、80%以下、好ましくは50%以下である。
部分的にイミド化されたポリアミック酸を合成する際の脱水閉環反応は、例えば、
(イ)ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を共沸留去する方法、
(ロ)ポリアミック酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し、必要に応じて加熱して、反応させる方法
等により行われる。
前記(イ)の方法における反応温度は、通常、50〜400℃、好ましくは100〜250℃である。この場合、反応温度が50℃未満では、脱水閉環反応が十分に進行せず、所望のイミド化率を達成することが困難となる場合があり、一方400℃を超えると、得られる部分イミド化物の分子量が低下するおそれがある。
また、(イ)の方法においては、副生する水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として存在させることもできる。
さらに、脱水閉環を促進するために、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなどの芳香族第三級アミン類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸100重量部当たり、例えば10〜400重量部用いることもできる。
【0048】
次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。
脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰り返し単位1モルに対して、0.01〜20モルが好ましい。
また、脱水閉環触媒としては、例えば、ピリジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第三級アミン類を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して、0.01〜10モルが好ましい。
(ロ)の方法における反応温度は、通常、0〜180℃、好ましくは10〜150℃である。
前記(イ)および(ロ)の方法に使用される有機溶媒としては、例えば、前記ポリアミック酸の合成に用いられるものと同様の有機溶媒を挙げることができる。
このような(イ)あるいは(ロ)の方法により、部分的にイミド化されたポリアミック酸の有機溶媒溶液を得ることができる。
さらに、本発明においては、前記のようにして得られるポリアミック酸の有機溶媒溶液を大量の貧溶媒中に注いでポリマー成分を析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、ポリアミック酸を固体として得ることができる。また、この固体のポリアミック酸を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒で析出させる処理を1回以上行うことにより、ポリアミック酸を精製することができる。
【0049】
〈末端修飾型のポリアミック酸〉
本発明におけるポリアミック酸は、分子鎖末端が修飾されて分子量が調節されたものであってもよい。
このような末端修飾型のポリアミック酸は、ポリアミック酸を合成する際に、カルボン酸酸一無水物、モノアミン化合物、アミノ酸、モノイソシアネート化合物等を反応系に添加することにより合成することができる。
前記カルボン酸酸一無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシルこはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物等を挙げることができる。
また、前記モノアミン化合物としては、例えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。
また、前記アミノ酸としては、例えば、アラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、バリン等を挙げることができる。
また、前記モノイソシアネート化合物としては、例えば、フェニルイソシアネート、ナフチルイソシアネート等を挙げることができる。
【0050】
〈反応性基を有するポリアミック酸〉
また、本発明におけるポリアミック酸は、アミド酸基(即ち、テトラカルボン酸二無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボキシル基とアミド基)以外に、例えば、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、エポキシ基、イソシアネート基等の他の官能基を1種以上有することができる。
このような官能基を有するポリアミック酸は、例えば、ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸一無水物、モノアミン化合物等の反応原料として、前記官能基を有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に該官能基を残存させる方法により得ることができる。
【0051】
[ポリアミック酸の対数粘度]
以上のようにして得られるポリアミック酸は、その対数粘度(ηIn)の値が、通常、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/100ミリリットルである溶液の流下時間と、該溶媒の流下時間を、30℃で測定して、下記式によって求められるものである。
ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流下時間)÷(溶液の濃度)
【0052】
(B)成分
本発明における(B)成分は、前記ポリアミック酸中の少なくともアミド酸基と反応しうる基(以下、「反応性基」という。)を有し、該ポリアミック酸と反応しうる疎水性化合物からなる。ここで、「疎水性」とは、水に対する20℃の溶解度が、0.05g/100g未満、好ましくは0.01/100g未満、さらに好ましくは0.005g/100g未満であることを意味する。
疎水性化合物における反応性基としては、エポキシ基、イソシアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ジアゾ基およびカルボニル基の群から選ばれる1種以上を挙げることができる。
本発明における疎水性化合物としては、常温常圧で液体ないし固体である化合物が使用され、その限りでは分子量が特に限定されるものではなく、また液体の疎水性化合物の沸点は、常圧下で、通常、80℃以上、好ましくは100℃以上である。
このような反応性基を有する疎水性化合物は、前記ポリアミック酸との反応により相互に結合して同一粒子内に存在するとともに、該ポリアミック酸の水溶性を適度に抑制ないし緩和し、該粒子の水性媒体中における分散安定性を向上させる作用を示すものと考えられる。
【0053】
疎水性化合物としては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネート、イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ポリカルボジイミド、コレステロール、ベンジルアルコールp−トルエンスルホン酸エステル、クロロ酢酸エチル、トリアジントリチオール、ジアゾメタン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等を挙げることができる。
これらの反応性化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、疎水性化合物は、液体あるいは固体として、または溶液として、水性分散体の調製に使用される。
【0054】
本発明の水性分散体は、前記ポリアミック酸と前記疎水性化合物とを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子を、水性分散媒中に分散してなるものである。
本発明の水性分散体におけるポリアミック酸と疎水性化合物との使用割合は、両成分の合計に対して、ポリアミック酸が、通常、20〜99.9重量%、好ましくは30〜99重量%であり、疎水性化合物が、通常、80〜0.1重量%、好ましくは70〜1重量%である。この場合、ポリアミック酸が20重量%未満で、疎水性化合物が80重量%を超えると、得られる水性分散体の分散状態が損なわれる傾向があり、一方ポリアミック酸が99.9重量%を超え、疎水性化合物が0.1重量%未満では、得られる水性分散体の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明の水性分散体における水性媒体とは、水を主成分とする媒体を意味する。この場合、水性媒体中における水の含有率は、40重量%以上、好ましくは50重量%以上である。場合により水と共に使用される他の媒体としては、例えば、ポリアミック酸の合成に使用される前記非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フェノール類と同様のものを挙げることができる。
【0055】
本発明の水性分散体の製造方法としては、前記所定の水性分散体が得られる限り特に限定されるものではないが、例えば、
(I)ポリアミック酸と疎水性化合物とを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して反応させたのち、この反応溶液を水性媒体と混合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去することにより、ポリアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に含む所定の平均粒子径の粒子を、水性媒体中に分散させる方法、
(II)溶液から分離されたポリアミック酸と疎水性化合物とを、固体状態で混合して、ポリアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に含む所定の平均粒子径の粒子としたのち、該粒子を水性媒体中に分散させる方法
等を挙げることができるが、特に(I)の方法が好ましい。これらの方法は、必要に応じて加熱下で実施することができる。
【0056】
以下、本発明の水性分散体の製造方法を、前記(I)の方法を中心としてさらに具体的に説明する。
ポリアミック酸と疎水性化合物とを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法としては、例えば、
(i)別々に調製したポリアミック酸の溶液と疎水性化合物の溶液とを混合する方法、
(ii)ポリアミック酸と疎水性化合物のいずれか一方の溶液に、他方を固体として添加して混合溶解する方法、
(iii)ポリアミック酸と疎水性化合物をともに固体として有機溶媒に添加して、混合溶解する方法等を挙げることができるが、特に(i)の方法が好ましい。
ポリアミック酸と疎水性化合物とを溶液状態で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリアミック酸と疎水性化合物に対して不活性であり、かつこれらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、例えば、ポリアミック酸の合成に使用される前記非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フェノール類等を挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。また、(i)の方法の場合、ポリアミック酸の溶液と疎水性化合物の溶液に使用される有機溶媒は、同一でも異なってもよい。
ポリアミック酸と疎水性化合物との混合溶液の濃度は、両成分の合計量として、好ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50重量%である。
ポリアミック酸と疎水性化合物とを溶液状態で混合する際には、例えば、撹拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用することができる。また、混合条件は、回転数が、通常、10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,000rpmである。
また、ポリアミック酸と疎水性化合物とを溶液状態で混合する際には、必要に応じて界面活性剤を適量添加することもできる。但し、得られる水性分散体を絶縁材として使用する場合は、界面活性剤が絶縁耐久性を低下させる要因ともなるため、その使用量を極力少なくすることが好ましい。
【0057】
さらに、本発明においては、水性分散体のpHを、好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜9とすることが望ましく、それにより、保存安定性が特に優れた水性分散体を得ることができる。
このようなpH調整は、例えば、
(iv)ポリアミック酸と疎水性化合物との混合溶液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性媒体中に分散させる方法、
(v)ポリアミック酸と疎水性化合物との混合溶液を、必要量のpH調整剤を添加した水性媒体中に分散させる方法、
(vi)ポリアミック酸と疎水性化合物との混合溶液を水性媒体中に分散させながら、必要量のpH調整剤を添加する方法
等により実施することができるが、特に(iv)の方法が好ましい。なお、前記(II)の方法においてpH調整する際には、予め必要量のpH調整剤を水性媒体中に添加しておけばよい。
前記pH調整剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、アルカノールアミン等の有機または無機の塩基等を挙げることができる。これらのpH調整剤は、ポリアミック酸中の官能基あるいは疎水性化合物中の反応性基の種類や、これらの組み合せ等に応じて使い分けられる。
【0058】
次に、ポリアミック酸と疎水性化合物との混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、該混合溶液に水性媒体を添加しても、あるいは該混合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特に後者の方法が好ましい。
ポリアミック酸と疎水性化合物との混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、例えば、撹拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用することができる。また、混合条件は、水性分散体の固形分濃度、分散粒子の所望の平均粒子径等によって変わるが、回転数が、通常、10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,000rpmである。
水性分散体を調製する際に、水以外の有機溶媒あるいは媒体を除去する方法としては、例えば、蒸留、限外ろ過等を挙げることができる。
本発明の水性分散体における水性媒体の合計使用量は、ポリアミック酸と疎水性化合物との合計100重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量部、さらに好ましくは20〜5,000重量部である。
本発明の水性分散体における粒子の平均粒子径は、0.03〜5μm、好ましくは0.05〜2μmである。この場合、粒子の平均粒子径が0.03μm未満では、水性分散体としたときの粘度が高くなりすぎ、また5μmを超えると、水性分散体としての保存安定性が低下して、粒子が沈降しやすくなる。この平均粒子径は、公知の光学的方法や電子顕微鏡により測定することができる。
【0059】
添加剤
本発明の水性分散体には、必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、クレー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポリエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリビニルアルコール等の繊維あるいはウイスカー等の補強材を挙げることができる。また、前記補強材は、例えば、織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛に本発明の水性分散体を含浸させて使用することもできる。
前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
さらに、前記以外の添加剤としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、防曇剤、接着性改善剤、防かび剤等を挙げることができる。
また必要に応じて、少量の乳化剤や水溶性分散剤を水性分散体に添加することもできる。
【0060】
水性分散体の特性および用途
本発明の水性分散体は、優れた保存安定性を有するとともに、その硬化物は、透明性、電気絶縁性、耐熱性、機械的特性、電着性等に優れ、また吸水性が低く耐湿性および耐湿熱性に優れ、かつ各種基体に対する接着性にも優れている。
したがって、本発明の水性分散体は、特に、各種の電気機器や電子部品等の保護膜や電気絶縁膜等として極めて好適に使用することができるほか、耐熱性が要求される接着剤や塗料としても有用である。また、本発明の水性分散体を予め離型処理した適当な基体に塗布して、熱硬化性薄膜を成形し、該薄膜を硬化前に基体から強制的に剥離することによって、熱硬化性フィルムを取得することができ、該熱硬化性フィルムは、電気機器や電子部品等の耐熱性接着フィルム等として有用である。あるいは、前記基体から強制的に剥離された熱硬化性薄膜を硬化させるか、または予め離型処理した適当な基体上で熱硬化性薄膜を加熱、硬化させたのち、得られた硬化薄膜を基体から強制的に剥離することによって、硬化フィルムを取得することができる。さらに、本発明の水性分散体を構成する粒子を適当な溶媒に溶解した溶液をガラスクロス等の適当な布帛に含浸させたのち乾燥したプリプレグ、あるいは無溶媒の該粒子をガラスクロス等の適当な布帛に含浸させたプリプレグは、銅張り積層板等の積層材等としても有用である。
また、前記(II)の方法によりポリアミック酸と疎水性化合物とを固体状態で混合した粒子、あるいは本発明の水性分散体から分離・採取されたポリアミック酸と疎水性化合物とを含む粒子は、1種の熱硬化性樹脂組成物をなし、例えば、粉末、ペレット等の形態で、例えば、射出成形法、トランスファー成形法、押出し成形法、圧縮成形法等の既知の成形法により成形して、各種の工業製品や工業部品等として使用することもできる。
本発明の水性分散体から熱硬化性フィルムあるいは硬化フィルムを成形する際に使用される基体は、特に限定されるものではなく、例えば、鉄、ニッケル、ステンレス、チタン、アルミニウム、銅、各種合金等の金属;窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化ほう素、酸化ジルコニウム、酸化チタン、アルミナ、シリカや、これらの混合物等のセラミック;Si、Ge、SiC 、SiGe、GaAs等の半導体; ガラス、陶磁器等の窯業材料;芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル等の耐熱性樹脂等を挙げることができる。
前記基体には、所望により、予め離型処理を施しておくことができ、またシランカップリング剤、チタンカップリング剤等による薬品処理や、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着の如き適宜の前処理を施すこともできる。
本発明の水性分散体を前記基体に塗布する際には、回転塗布法、ロール塗布法、流延塗布法、浸漬塗布法、噴霧塗布法、電着法等の適宜の塗布手段を採用することができる。また、塗布厚さは、塗布手段の選択、水性分散体の固形分濃度や粘度を調節することにより、適宜制御することができる。
本発明の水性分散体から形成される熱硬化性フィルムあるいは硬化フィルムの厚さは、適宜選定することができるが、通常、0.1〜10,000μm、好ましくは1〜1,000μmである。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、その要旨を越えない限り、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
以下において、「部」および「%」は、特記しない限り重量基準である。
実施例および比較例中の各測定・評価は、次のようにして行なった。
平均粒子径
水性分散体を蒸留水で固形分濃度0.01重量%に希釈し、動的光散乱測定装置LPA3000(大塚電子(株)製)を用いて測定した。
分散安定性(I)
調製直後の水性分散体をガラス板上に1滴落とし、凝集物の有無を目視にて観察し、下記基準で評価した。
○・・・凝集物なし.
△・・・局部的に凝集物が存在する.
×・・・全体的に凝集する.
分散安定性( II
プラスチック瓶に水性分散体を入れ、20℃で10日間保存したときの分散状態と粘度を目視にて観察し、下記基準で評価した。
○・・・変化なし.
△・・・2層に分離しないが、粘度がかなり上昇する.
×・・・2層に分離する.
熱硬化性フィルム、硬化フィルムおよび薄膜の形成と物性評価
水性分散体を用い、下記塗布法により薄膜を形成して、下記物性を評価した。回転塗布法:
予め離型処理したガラス基体上に、スピンナーを用いて回転塗布して、熱硬化性薄膜を形成させたのち、250℃で60分間加熱して硬化させて、硬化薄膜を得た。次いで、前記熱硬化性薄膜および硬化薄膜を基体から強制的に剥離して、膜厚55μmの熱硬化性フィルムおよび膜厚50μmの硬化フィルムを得た。
アニオン電着法:
希酸で洗浄したステンレス(SUS)基体を用い、定電圧法により陽極側基体に熱硬化性薄膜を形成させたのち、100℃で10分間加熱し、さらに250℃で30分間加熱して硬化させて、基体上に膜厚15μmの硬化薄膜を得た。
物性評価法
引張り強さ:
硬化フィルムについて、JIS K6911またはJIS C2318に準拠して測定した。
10%重量減少温度:
硬化フィルムについて、熱重量分析装置(TGA)を用い、空気中、20℃/分の昇温速度で測定した。
透明性:
硬化フィルムについて、目視にて下記基準で評価した。
○・・・透明.
×・・・濁りあり.
耐湿熱性:
硬化フィルムについて、121℃、湿度100%、2気圧の条件下で、72時間耐湿熱性試験(PCT)を行って、試験の前後で赤外線分光測定を実施し、その変化の程度により、耐湿熱性を下記基準で評価した。
○・・・変化がなく耐性が認められる.
×・・・変化が大きく耐性が認められない.
体積抵抗率および表面抵抗率:
硬化フィルムについて、JIS K6911に準拠して測定した。
剥離強度:
熱硬化性フィルムを、厚さ130μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン、東レ・デュポン社製)と厚さ0.5mmのステンレス(SUS)板との間に挟み、100g/cm2 の加重をかけて、250℃で30分間加熱した。その後、ポリイミドフィルムのステンレス(SUS)面からの剥離強度を、JIS H8630およびJIS C6481に準拠して、密着強度試験器(山本鍍金試験器社製)を用いて測定した。
【0062】
【実施例】
ポリアミック酸の合成
合成例1
テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(100ミリモル)、ジアミン化合物として前記式(19)で表される化合物52.3g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解して、60℃で6時間反応させた。次いで、減圧留去により濃縮して、対数粘度(ηIn)0.48dl/g、固形分15%のポリアミック酸(A−1)の溶液を得た。
【0063】
合成例2
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.88g(90ミリモル)と1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)と前記式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応させた。次いで、減圧留去により濃縮して、対数粘度(ηIn)0.52dl/g、固形分15%のポリアミック酸(A−2)の溶液を得た。
【0064】
合成例3
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.88g(90ミリモル)と2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物2.24g(10ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン32.33g(70ミリモル)、前記式(19)で表される化合物5.23g(10ミリモル)、2,4−ジアミノ−6−(ヒドロキシメチル)プテリジン1.92g(10ミリモル)および前記式(10)に対応するオルガノシロキサンLP7100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解して、室温で12時間反応させた。次いで、この反応溶液に、ピリジン7gおよび無水酢酸9gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。その後、減圧留去により精製して、対数粘度(ηIn)0.50dl/g、イミド化率30%、固形分10%のポリアミック酸(A−3)の溶液を得た。
【0065】
合成例4
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.88g(90ミリモル)と1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)と前記式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応させた。次いで、この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。その後、減圧留去により精製して、対数粘度0.51dl/g、イミド化率20%、固形分10%のポリアミック酸(A−4)の溶液を得た。
【0066】
合成例5
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.88g(90ミリモル)と1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(80ミリモル)、ジアミノ安息香酸1.52g(10ミリモル)および前記式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−161AS(信越化学製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解し、室温で12時間反応させた。次いで、この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。その後、減圧留去により精製して、対数粘度0.51dl/g、イミド化率20%、固形分10%のポリアミック酸(A−5)の溶液を得た。
【0067】
実施例1
ポリアミック酸(A−1)の溶液70部(固形分)に対して、疎水性化合物としてビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート828(商品名、油化シェル製)30部(固形分)を添加して十分混合し、80℃で60分反応させた。次いで、この反応溶液を、pH調整剤としてトリエタノールアミン10部を添加した蒸留水1000部中に徐々に加えながら強く撹拌して、凝集物のない水性分散体を得た。
得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0068】
実施例2
ポリアミック酸として(A−2)を用い、pH調整剤としてジエタノールアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。
得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0069】
実施例3
ポリアミック酸として(A−3)を用い、疎水性化合物としてポリカルボジイミド(商品名Carbodilite HMV-8CA 、日清紡績製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。
得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0070】
実施例4
ポリアミック酸として(A−4)を用い、疎水性化合物としてジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートを用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。
得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0071】
実施例5
ポリアミック酸として(A−5)を用い、pH調整剤としてアンモニアを用いた以外は、実施例1と同様にして、水性分散体を得た。また、塗布方法として回転塗布法を用いて物性評価を行った。
得られた水性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0072】
比較例1
疎水性化合物を使用しなかった以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、全成分が溶解して、水性分散体は得られなかった。
【0073】
比較例2
疎水性化合物を使用しなかった以外は、実施例3と同様の操作を行ったが、全成分が溶解して、水性分散体は得られなかった。
【0074】
【表1】
Figure 0003635883
【0075】
表中の疎水性化合物、反応性基、pH調整剤の種類は、下記の通りである。
(*1)E828:エピコート828
PCDI:ポリカルボジイミド
MDI:ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート
(*2)CDI:カルボジイミド
(*3)TEA:トリエタノールアミン
DEA:ジエタノールアミン
【0076】
【発明の効果】
本発明の水性分散体は、ポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を損なうことなく、水性分散体としての保存安定性に優れ、しかもその硬化物は、耐湿性、透明性、各種基体に対する接着性等にも優れている。
したがって、本発明の水性分散体は、電気機器や電子部品等の保護膜、電気絶縁膜等として極めて好適に使用することができるほか、接着剤、塗料、熱硬化性フィルム、硬化フィルム、プリプレグ、硬化成型品等にも有用である。

Claims (2)

  1. (A)ポリアミック酸と、(B)エポキシ基、イソシアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ジアゾ基およびカルボニル基の群から選ばれる反応性基を1種以上有、水に対する20℃の溶解度が0.05g/100g未満である、当該ポリアミック酸と反応しうる疎水性化合物とを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子が、水の含有率が40重量%以上である水性媒体中に分散してなる水性分散体。
  2. (A)ポリアミック酸と、(B)エポキシ基、イソシアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ジアゾ基およびカルボニル基の群から選ばれる反応性基を1種以上有、水に対する20℃の溶解度が0.05g/100g未満である、当該ポリアミック酸と反応しうる疎水性化合物とを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して反応させたのち、この反応溶液を、水の含有率が40重量%以上である水性媒体と混合することにより、前記前記(A)成分と(B)成分とを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子を、水性媒体中に分散させることを特徴とする水性分散体の製造方法。
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