JP2000178481A - 転写用電着膜形成液 - Google Patents

転写用電着膜形成液

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JP2000178481A
JP2000178481A JP35772798A JP35772798A JP2000178481A JP 2000178481 A JP2000178481 A JP 2000178481A JP 35772798 A JP35772798 A JP 35772798A JP 35772798 A JP35772798 A JP 35772798A JP 2000178481 A JP2000178481 A JP 2000178481A
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meth
transfer
polyimide
solution
hydrophilic polymer
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JP35772798A
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English (en)
Inventor
Hirofumi Goto
藤 宏 文 後
Nobuyuki Ito
藤 信 幸 伊
Kenzaburo Kawai
合 研三郎 川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
JSR Corp
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
JSR Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写性の向上と耐熱性、絶縁性および信頼性
の向上がなされた高精度のパターンを得ることができる
転写用電着膜形成液の提供。 【解決手段】 (A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
(B)親水性ポリマーとを同一粒子内に含み、平均粒子
径が0.03〜5μmである粒子が、水性媒体中に分散
してなるポリイミド系転写用電着膜形成液であって、前
記転写用電着膜形成液を用いて形成される転写用電着膜
の弾性率が、100〜350℃の温度範囲において10
5〜109Paであることを特徴とする、転写用電着膜形
成液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写用の電着膜を
形成するための電着液に関し、特に配線基板や電子回路
などのパターンの転写に用いられる転写用電着膜形成液
とその転写用電着膜形成液を用いた転写用電着膜形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気配線用の基板表面に配線、電子部品
またはマーク等のパターンを形成する方法として、スク
リーン印刷等のいわゆる印刷法が広く用いられている。
この印刷法は安価で量産に適しているが、得られるパタ
ーンの精度が低く、細線の印刷が困難である点で、高精
度高密度パターンの形成には適した方法であるとはいえ
ない。
【0003】一方、感光性樹脂を用い光学的に露光現像
する方法であるフォトグラフィ法は、極めて高精度高密
度である微細パターンの形成が可能であるため、半導体
電子部品その他の微細加工に一般的に用いられている。
しかしながら、その加工工程が長くかつ複雑であり、加
工設備も高価である問題点がある。
【0004】このような欠点を解決する方法として、特
開昭63−266482号公報には電着法によるパター
ン形成法が開示されている。この公報に開示された電着
法は、電気絶縁性基板上に導電性パターンを形成し、こ
の導電性パターン上に電着塗料を含む電着液中で対極を
配して電流を流し、析出した電着樹脂層を転写用基板に
転写し定着させる方法である。この方法は基板を反復使
用する転写法である点で印刷法同様に安価で量産に適し
ているうえ、印刷法よりも高精度にパターン転写が可能
である点で優れている。
【0005】しかしながら、このような従来の電着塗料
組成物を用いた電着膜では、転写が完全に行われない場
合があり、転写性の向上が望まれていた。また、従来の
電着膜では、電子部品用途に必要な耐熱性、絶縁性およ
び信頼性を満たすことが困難であった。さらに、機械的
特性、電着性、および電着液の保存安定性の向上も求め
られており、これらをすべて満たすことは困難であっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の課題
を解決しようとするものであって、本発明の目的は、転
写性の向上と耐熱性、絶縁性および信頼性の向上がなさ
れた高精度のパターンを得ることができる転写用の電着
膜を形成する電着液(転写用電着膜形成液)を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような転写用電着膜
形成液の検討過程において、本発明者らは、(A)有機
溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーとを同
一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μmである
粒子が、水性媒体中に分散してなるポリイミド系転写用
電着膜形成液であって、前記転写用電着膜形成液を用い
て形成される転写用電着膜の圧着転写時の温度における
弾性率が、105〜109Paであるものが極めて好適で
あることを見出し本発明を完成させた。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の転写用電着膜形成液は、
電着法によって電着膜を形成するものである。この電着
膜は転写に用られ、被転写物に圧着することによって被
転写物に接着するものである。
【0009】圧着転写温度と弾性率 転写工程においては、電着膜の成分である樹脂に柔軟性
および流動性をもたせ、被転写基板表面の微細凹凸に追
従させ、十分に密着させるため、加熱が行われる。この
場合、圧着転写温度が低すぎると十分な接着力が得られ
ないため、100℃以上に加熱することが望ましい。ま
た、圧着転写温度が高すぎると逆パターンを形成する絶
縁皮膜(転写用基板に形成した電着時のマスク部分)
被転写基板に接着してしまうため、圧着転写温度は35
0℃以下が望ましい。より望ましくは150℃〜300
℃である。また、圧着転写を良好に行うためには、この
圧着転写温度領域で電着膜が柔軟になりかつ適度な流動
性を発現させることが必要であり、圧着転写温度におけ
る電着膜の弾性率は109Paを超えると十分な接着力
を得ることができないため、109Pa以下が好まし
い。また、105Pa未満であると十分な転写性が得ら
れないと同時に、膜がつぶれてしまい十分な膜厚を維持
することができないため、105Pa以上が好ましい。
【0010】転写用電着膜形成液 本発明の転写用電着膜形成液は、前記有機溶媒可溶性の
ポリイミドと親水性ポリマーとを同一粒子内に含み、平
均粒子径が0.03〜5μm、好ましくは0.05〜3
μmである粒子を、水性媒体中に分散させてなるもので
ある。
【0011】本発明の転写用電着膜形成液における有機
溶剤可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの使用割合
は、有機溶剤可溶性のポリイミドが、典型的には、20
〜90重量%、好ましくは30〜80重量%であり、親
水性ポリマーが、典型的には、80〜10重量%、好ま
しくは70〜20重量%である。この場合、ポリイミド
が20重量%未満で、親水性ポリマーが80重量%を超
えると、水性分散体から得られる硬化物の電気絶縁性が
低下する傾向があり、またポリイミドが90重量%を超
え、親水性ポリマーが10重量%未満では、得られる水
性分散体の保存安定性が低下する傾向がある。
【0012】本発明の転写用電着膜形成液における水性
媒体とは、水を主成分とする媒体を意味する。この場
合、水性媒体中における水の含有率は、典型的には、4
0重量%以上、好ましくは50重量%以上である。場合
により水と共に使用される他の媒体としては、例えば、
前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成に使用さ
れる非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フ
ェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使用される
極性溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0013】(A)成分(有機溶媒可溶性のポリイミ
ド) <有機溶媒可溶性のポリイミドの合成方法>本発明にお
ける(A)成分は、有機溶媒可溶性のポリイミドからな
る。このようなポリイミドの合成法は特に限定されるも
のではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させ
て、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加
熱イミド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応
させることにより、ポリイミドを合成することができ
る。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を
有するポリイミドを合成することも可能である。
【0014】<テトラカルボン酸二無水物>本発明にお
ける(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合
成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−
ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ジシクロヘキシルテトラルカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二
無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメ
チル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物や、下
記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族
テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボ
ン酸二無水物、
【0015】
【化1】 (式中、R1は芳香環を有する2価の有機基を示し、R2
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR2
は相互に同一でも異なっていてもよい)、
【0016】
【化2】 (式中、R3は芳香環を有する2価の有機基を示し、R4
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR4
は相互に同一でも異なっていてもよい);ピロメリット
酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテト
ラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,
7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシランテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−テトラ
フェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4′−
ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルス
ルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボ
キシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,
4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェ
ニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パーフル
オロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3′,
4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス
(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、
p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水
物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二
無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジ
フェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水物、エチレン
グリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロ
ピレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリ
メリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジオール−
ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロト
リメリテート)や、下記式(3)〜(6)で表される化
合物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】 等を挙げることができる。
【0021】これらのテトラカルボン酸二無水物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0022】<ジアミン化合物>また、本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に
用いられるジアミン化合物としては、例えば、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′
−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミ
ン−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−
ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロ
ロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニ
ル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)
ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピ
リデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)
フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジ
アミン類;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウンデ
シレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス(シ
クロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは脂環
式ジアミン類;2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジ
アミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−
ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシ
アノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキ
シピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ
−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノ
プロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプ
ロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジ
アミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−
ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジア
ミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラ
シル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、
6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテー
ト、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノア
クリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン
や、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、
分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基
以外の窒素原子を有するジアミン類、
【0023】
【化7】 (式中、R5は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示す)、
【0024】
【化8】 (式中、R6は、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に同一で
も異なっていてもよい;下記式(9)で表されるモノ置
換フェニレンジアミン類、
【0025】
【化9】 (式中、Yは−O−、−COO−、−OCO−、−NH
CO−、−CONH−または−CO−を示し、R7は水
素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数6
〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1価
の基を示す);下記式(10)で表されるジアミノオル
ガノシロキサン、
【0026】
【化10】 (式中、R8は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複
数存在するR8は相互に同一でも異なっていてもよく、
pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る);下記式(11)〜(23)で表される化合物、
【0027】
【化11】
【0028】
【化12】
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】 (式中、yは2〜12の整数である)
【0031】
【化15】 (式中、zは1〜5の整数である)
【0032】
【化16】
【0033】
【化17】
【0034】
【化18】
【0035】
【化19】
【0036】
【化20】
【0037】
【化21】
【0038】
【化22】
【0039】
【化23】 等を挙げることができる。
【0040】これらのジアミン化合物は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0041】<テトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物との使用割合>本発明における(A)成分である有
機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジ
アミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカル
ボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる
割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量
となる割合である。
【0042】<ポリアミック酸の合成>本発明の(A)
成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成ににおけ
る中間生成物であるポリアミック酸の合成反応は、有機
溶媒中において、典型的には、−20〜150℃、好ま
しくは0〜100℃の温度条件下で行われる。
【0043】このポリアミック酸の生成の際に用いる有
機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうる
ものであれば特に制限はなく、その例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ
オン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノ
ール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール類等を挙げることができる。
【0044】有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との合計量が、反応溶液の全量
に対して0.1〜30重量%になるような量であること
が好ましい。
【0045】また、前記有機溶媒には、アルコール類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他
の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範
囲で併用することができる。
【0046】前記併用できる他の有機溶媒としては、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0047】以上のようにしてテトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、本発
明における(A)成分の有機溶媒可溶性のポリイミドの
中間生成物であるポリアミック酸の有機溶媒溶液が得ら
れる。
【0048】得られるポリアミック酸は、その対数粘度
(ηIn)の値が、典型的には、0.05〜10dl/
g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0049】ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−メ
チル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5
g/100ミリリットルである溶液の流下時間と、該溶
媒の流下時間を、30℃で測定して、下記式により求め
られるものである。
【0050】ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流下
時間)/(溶液の濃度) <有機溶媒可溶性のポリイミドの合成>本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドは、前記
ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成すること
ができる。
【0051】ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(イ)
ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を
共沸留去する加熱イミド化法、または(ロ)ポリアミッ
ク酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加
し、必要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法に
より行うことができる。
【0052】前記(イ)の方法における反応温度は、典
型的には、50〜400℃、好ましくは100〜250
℃とすることができる。反応温度が50℃未満では、脱
水閉環反応が十分に進行せず、一方反応温度が400℃
を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下する場
合がある。
【0053】また、(イ)の方法においては、副生する
水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外
で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として
存在させることもできる。
【0054】さらに、脱水閉環を促進するために、第三
級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン
類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第
三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸100重量部
当たり、例えば10〜400重量部添加することもでき
る。
【0055】次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤
としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。
【0056】脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返
し単位1モルに対して、0.01〜20モルが好まし
い。
【0057】また、脱水閉環触媒としては、例えば、ピ
リジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第
三級アミン類を用いることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0058】脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤
1モルに対して、0.01〜10モルが好ましい。
【0059】(ロ)の方法における反応温度は、典型的
には、0〜180℃、好ましくは10〜150℃であ
る。
【0060】(イ)および(ロ)の方法に使用される有
機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有
機溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0061】また、(イ)および(ロ)の方法により得
られる反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで、ポリイミド
を析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、
ポリイミドを固体として得ることができる。さらには、
この固体ポリイミドを再び有機溶媒に溶解させ、次いで
貧溶媒中に注いで析出させる処理を1回以上行うことに
より、ポリイミドを精製することができる。
【0062】<末端修飾型ポリイミド>本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドは、分子
量が調節された末端修飾型のものであってもよい。
【0063】このような末端修飾型ポリイミドは、ポリ
アミック酸を合成する際に、カルボン酸−無水物、モノ
アミン化合物、アミノ酸、モノイソシアネート化合物等
を反応系に添加することにより合成することができる。
【0064】前記カルボン酸−無水物としては、例え
ば、無水マイレン酸、無水フタル酸、3−ヒドロキシフ
タル酸無水物、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無
水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシル
こはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物、ナ
フタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等
を挙げることができる。
【0065】また、前記モノアミン化合物としては、例
えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルア
ミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−
ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。
【0066】また、前記アミノ酸としては、例えば、ア
ラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオニン、フ
ェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリ
プトファン、バリン等を挙げることができる。
【0067】また、前記モノイソシアネート化合物とし
ては、例えば、フェニルイソシアネート、1−ナフチル
イソシアネート等を挙げることができる。
【0068】<反応性基(a)を有するポリイミド>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、
スルホン酸基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート
基等の反応性基(a)を1種以上有することができる。
【0069】本発明における反応性基(a)を有するポ
リイミドにおいては、その反応性基(a)を、後述する
(B)成分中の反応性基(b)と反応しうるものとする
ことが好ましく、それにより、該ポリイミドと(B)成
分とが結合して同一粒子内に含む粒子を得ることができ
る。
【0070】このようなポリイミドは、反応性基(a)
を、典型的には、0.1〜50モル%、好ましくは、
0.2〜30モル%、さらに好ましくは、0.5〜20
モル%含有することが望ましい。
【0071】反応性基(a)を有するポリイミドの合成
方法としては、例えば、(ハ)ポリアミック酸中に存在
するアミド酸基(即ち、反応原料のテトラカルボン酸二
無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボ
キシル基とアミド基)を脱水閉環反応後に残存させる方
法、(ニ)ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン
酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸−無水物、モ
ノアミン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を
有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基
(a)を残存させる方法等を挙げることができる。
【0072】前記(ハ)の方法は、ポリアミック酸の脱
水閉環反応時に、加熱イミド化法においては、反応時間
と反応温度を適切にコントロールすることにより、その
イミド化率を調整することにより実施でき、また前記
(ニ)の方法は、反応性基(a)が脱水閉環反応に関与
する場合、加える脱水剤や脱水閉環触媒の量を調製する
ことにより、イミド化率を調整することにより実施する
ことができる。なお、(ニ)の方法で反応性基(a)が
脱水閉環反応に関与しない場合は、反応条件を特に調整
する必要がない。これらの方法のうち、そのイミド化率
の調整の簡便さから、一般に(ニ)の方法が好ましい。
【0073】以上のようにして得られる有機溶媒可溶性
のポリイミドは、その対数粘度(ηIn)の値が、典型的
には、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05〜
5dl/gである。ここで、対数粘度(ηIn)は、前記
ポリアミック酸の対数粘度(ηIn)と同様の方法により
測定される。
【0074】(B)成分(親水性ポリマー) <親水性ポリマー>本発明における(B)成分は、親水
性基として、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸
基、スルホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対
する20℃の溶解度が、典型的には、0.01g/10
0g以上、好ましくは0.05g/100g以上である
親水性ポリマーからなる。
【0075】また、本発明の(B)成分である親水性ポ
リマーは、前記親水性基に加えて、前記(A)成分中の
反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1種以上
有することが好ましい。
【0076】このような反応性基(b)としては、例え
ば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基の
ほか、前記親水性基と同様のアミノ基、水酸基、スルホ
ン酸基、アミド基等を挙げることができる。
【0077】このような本発明の(B)成分である親水
性ポリマーは、前記(A)成分の有機溶媒可溶性のポリ
イミドと共に同一粒子内に混在することにより、該粒子
を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示すも
のと考えられる。
【0078】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
のうち好ましいものは、親水性基を有するモノビニル単
量体(以下、「親水性単量体」という)の単独重合体、
あるいは親水性単量体単位を、典型的には、0.1〜8
0重量%、好ましくは、1〜60重量%、さらに好まし
くは3〜50重量%含有する共重合体が望ましく、特に
親水性単量体の共重合体が望ましい。
【0079】さらに、本発明の(B)成分である親水性
ポリマーのうち好ましいものは、前記(A)成分中の反
応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有するモノ
ビニル単量体(以下、「反応性単量体」という)を、典
型的には、0.1〜30重量%、好ましくは、0.2〜
20重量%、さらに好ましくは、0.5〜15重量%含
有する共重合体が望ましい。
【0080】<親水性ポリマーを構成する親水性単量体
または反応性単量体>本発明の好適態様において(B)
成分である親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体
あるいは反応性単量体のうち、アミノ基含有単量体とし
ては、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート
等のアミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2
−(2−ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アク
リレート、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エチル
(メタ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエト
キシ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−ジメ
チルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等
のアミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレー
ト類;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アク
リルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピ
ル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−アミノア
ルキル基含有(メタ)アクリルアミド類;p−ジメチル
アミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチ
レン、p−ジメチルアミノメチル−α−メチルスチレ
ン、p−ジエチルアミノメチル−α−メチルスチレン、
p−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−(2
−ジエチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジメチ
ルアミノエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ジ
エチルアミノエチル)−α−メチルスチレン、2−ビニ
ルピリン、4−ビニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビ
ニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと第一級
または第二級のアミン化合物との付加物等や、これらの
単量体中のアミノ基を中和あるいは四級化した塩等を挙
げることができる。
【0081】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、カルボキシル基含有単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸、マイレン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸類やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチ
ルエステル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポ
リカルボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこ
れらの塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)エステル等の非重合性
ジカルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ
アルキル)エステル類やこれらの塩等を挙げることがで
きる。
【0082】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、水酸基含有単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル、2−ヒドロキシエチルジエステ
ル等を挙げることができ、スルホン酸基含有ビニル系単
量体としては、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−
α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イソプレン
やこれらの塩等を挙げることができ、アミド基含有単量
体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、クロト
ン酸アミド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フ
マル酸ジアミド等を挙げることができる。
【0083】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記反応性単量体のうち、
また、エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができる。
【0084】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記反応性単量体のうち、
イソシアネート基含有単量体としては、例えば、2−イ
ソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシア
ナトプロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナト
プロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。
【0085】これらの親水性単量体および反応性単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0086】<共重合しうる他の単量体>また、本発明
の好適態様において(B)成分である親水性ポリマーを
構成する親水性単量体あるいは反応性単量体と共重合し
うる他のモノビニル単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチ
ル(メタ)アクリルレート、t−ブチル(メタ)アクリ
ルレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シクロ)アルキ
ル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メト
キシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル
(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)ア
クリレート、p−メトキシシクロヘキシル(メタ)アク
リレート等のアルコキシ(シクロ)アルキル(メタ)ア
クリレート類;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビ
ニリデン、クロトンニトリル、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクル
レート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート等の
シアノ基含有単量体類;N−メトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルア
ミド、N−(3−メトキシプロピル)(メタ)アクリル
アミド、N−(4−メトキシブチル)(メタ)アクリル
アミド等の前記アミド基含有単量体のN−アルコキシア
ルキル置換誘導体類;トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート等のフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート類;トリメチルシ
ロキサニルジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリス(トリメチルシロキサニル)シリルプロピル
(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルプロピ
ルジメチルシリルエーテル等のシロキサニル化合物類;
スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、
p−ビニルトルエン、p−エチルスチレン、α−メチル
スチレン、α−フルオロスチレン等のモノビニル芳香族
化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビ
ニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;エチレン、ブタジエン、イソプレン等の
不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シリコン変性モノマ
ー、マクロモノマー等を挙げることができる。前記他の
モノビニル単量体は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。
【0087】さらに、得られる共重合体の親水性を過度
に損なわない範囲の量で、例えば、ジビニルベンゼン、
ジイソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合
物;エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、 テトラメチレンビス
(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミ
ド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)ア
クリロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ
アクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を
有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させ
ることもできる。
【0088】<親水性ポリマーの合成>本発明の(B)
成分である親水性ポリマーは、例えば、ラジカル重合開
始剤を用い、必要に応じて連鎖移動剤の存在下における
公知の溶液重合などにより製造することができる。前記
溶液重合に用いる重合媒体としては、例えば、水、極性
溶剤、水と極性溶媒との混合媒体等を挙げることができ
る。前記極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルトリアミド、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ
プロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプ
ロピオン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチ
ル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール20
0、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリ
コール600、ポリエチレングリコール1500、グリ
セリン、N−メチロールピロリドン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエー
テル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエーテル、メタノール、エタノール等を挙げることが
できる。これらの極性溶媒は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。
【0089】また、本発明における親水性ポリマーとし
ては、好ましくは水に対する前記溶解度条件を満たす公
知の親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリスチレン
のスルホン化物、スチレン−イソプレン共重合体のスル
ホン化物等を使用することもできる。
【0090】本発明における親水性ポリマーのゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平
均分子量(以下、「Mn」という)は、典型的には、
1,000〜100,000、好ましくは3,000〜
20,000である。
【0091】前記親水性ポリマーは、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0092】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、溶液あるいは固体として、転写用電着膜形成液の調
製に使用される。
【0093】添加剤 本発明の転写用電着膜形成液には、必要に応じて各種の
添加剤を配合することができる。このような添加剤とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。
【0094】また、他の添加剤としては、例えば、クレ
ー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブ
ラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワ
ラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミ
ナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポ
リエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリ
ビニルアルーコル等の繊維あるいはウイスカー等の補強
材を挙げることができる。また、前記補強材は、例え
ば、織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛
に本発明の転写用電着膜形成液を含浸させて使用するこ
ともできる。
【0095】前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0096】さらに、前記以外の添加剤としては、例え
ば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、防曇剤、接着性改
善剤、防かび剤等を挙げることができる。
【0097】また必要に応じて、少量の乳化剤や水溶性
分散剤を転写用電着膜形成液に添加することもできる。
【0098】転写用電着膜形成液の製造方法 本発明の転写用電着膜形成液の製造方法としては、前記
所定の水性分散体が得られる限り特に限定されるもので
はないが、例えば、(I)有機溶媒可溶性のポリイミド
と親水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合
したのち、この混合溶液を水性媒体中に分散させて混合
して、所定の平均粒子径の粒子とし、場合により有機溶
媒の少なくとも一部を除去する方法、(II)溶液から
分離された有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマ
ーとを、固体状態で混合して、所定の平均粒子径の粒子
としたのち、該粒子を水性媒体中に分散させる方法等を
挙げることができるが、特に(I)の方法が好ましい。
これらの方法は、必要に応じて加熱下で実施することが
できる。
【0099】すなわち、本発明の転写用電着膜形成液の
製造方法としては、例えば、(A)反応性基(a)を有
する有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)反応性基
(b)を有する親水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶
液状態で混合して、必要に応じて加熱しつつ反応させた
のち、この反応溶液と水性媒体とを混合し、場合により
有機溶媒の少なくとも一部を除去することにより、前記
(A)成分と(B)成分とを同一粒子内に含み、平均粒
子径が0.03〜5μmである粒子を、水性媒体中に分
散させる方法が挙げられる。
【0100】以下、本発明の転写用電着膜形成液の製造
方法を、前記(I)の方法を中心としてさらに具体的に
説明する。
【0101】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法として
は、例えば、(i)別々に調製したポリイミドの溶液と
親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、(ii)ポリ
イミドと親水性ポリマーのいずれか一方の溶液に、他方
を固体として添加して混合溶解する方法、(iii)ポ
リイミドと親水性ポリマーをともに固体として有機溶媒
に添加して、混合溶解する方法等を挙げることができる
が、特に(i)の方法が好ましい。
【0102】ポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態
で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミ
ドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこ
れらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、
例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成
に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケト
ン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使
用される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有
機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、(i)の方法の場合、ポリイミドの
溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶媒は、
同一でも異なってもよい。
【0103】さらに、(i)〜(iii)の方法により
得られる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加
することができる。
【0104】この有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性
ポリマーとの混合溶液に加えることのできる化合物とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。これらの化合物
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0105】有機溶媒可溶性のポリアミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液の濃度は、両成分の合計量として、好
ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50
重量%である。
【0106】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを溶液状態で混合する際には、例えば、攪拌翼、
リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用すること
ができる。また、混合条件は、回転数が、典型的には、
10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,00
0rpmである。
【0107】また、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとを溶液状態で混合する際には、必要に応じ
て界面活性剤を適量添加することもできる。但し、得ら
れる転写用電着膜形成液を絶縁材として使用する場合
は、界面活性剤が絶縁耐久性を低下させる要因ともなる
ことがあるため、その使用量を極力少なくすることが好
ましい。
【0108】さらに、本発明においては、転写用電着膜
形成液のpHを、好ましくは4〜10、さらに好ましく
は5〜9とすることが望ましく、それにより、保存安定
性が特に優れた水性分散体を得ることができる。
【0109】このようなpH調整は、例えば、(iv)
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合
溶液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性媒体
中に分散させる方法、(v)有機溶媒可溶性のポリイミ
ドと親水性ポリマーとの混合溶液を、必要量のpH調整
剤を添加した水性媒体中に分散させる方法、(vi)有
機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶
液を水性媒体中に分散させながら、必要量のpH調整剤
を添加する方法等により実施することができるが、特に
(iv)の方法が好ましい。なお、前記(II)の方法
においてpH調整する際には、予め必要量のpH調整剤
を水性媒体中に添加しておけばよい。
【0110】前記pH調整剤としては、特に限定される
ものではなく、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、アルカノールアミ
ン等の有機または無機の塩基;ぎ酸、酢酸、酪酸、塩
酸、硫酸等の有機または無機のプロトン酸等を挙げるこ
とができる。これらのpH調整剤は、有機溶媒可溶性の
ポリイミド中の反応性基(a)あるいは親水性ポリマー
中の親水性基や反応性基(b)の種類や、これらの組み
合せ等に応じて使い分けられる。
【0111】次に、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際に
は、該混合溶液に水性媒体を添加しても、あるいは該混
合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特に後者の方法
が好ましい。
【0112】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、例
えば、攪拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段
を採用することができる。また、混合条件は、転写用電
着膜形成液の固形分濃度、分散粒子の所望の平均粒子径
等によって変わるが、回転数が、典型的には、10〜5
0,000rpm、好ましくは20〜5,000rpm
である。
【0113】転写用電着膜形成液を調製する際に、水以
外の有機溶媒あるいは媒体を除去する方法としては、例
えば、蒸留、限外ろ過等を挙げることができる。
【0114】本発明の転写用電着膜形成液における水性
媒体の合計使用量は、有機溶媒可溶性のポリイミドと親
水性ポリマーとの合計100重量部に対して、好ましく
は10〜10,000重量部、さらに好ましくは20〜
5,000重量部である。本発明の転写用電着膜形成液
における粒子の平均粒子径は、0.03〜5μm、好ま
しくは0.05〜2μmである。この場合、粒子の平均
粒子径が0.03μm未満では、水性分散体としたとき
の粘度が高くなりすぎ、また5μmを超えると、水性分
散体としての保存安定性が低下して、粒子が沈降しやす
くなる。この平均粒子径は、公知の光学的方法や電子顕
微鏡により測定することができる。
【0115】さらに、本発明においては、転写用電着膜
形成液を製造する際に、有機溶媒可溶性のポリイミド中
の反応性基(a)と親水性ポリマー中の反応性基(b)
とを適切に組み合せて、該ポリイミドと該親水性ポリマ
ーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要に応
じて加熱しつつ、反応させたのち、この反応溶液と水性
媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部
を除去することにより、該ポリイミドと該親水性ポリマ
ーとを相互に結合して同一粒子内に含み、前記所定の平
均粒子径を有する粒子を、水性媒体中に分散させること
により、水系分散体としての保存安定性および硬化物の
諸物性に著しく優れた転写用電着膜形成液を製造するこ
とができる。
【0116】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの
実施例に何ら制約されるものではない。以下において、
特記しない限り、「部」および「%」は重量基準であ
る。
【0117】測定、評価方法 実施例および比較例中の各測定・評価は、次のようにし
て行なった。
【0118】平均粒子径 水性分散体を蒸留水で固形分濃度0.01重量%に希釈
し、動的光散乱測定装置LPA3000(大塚電子
(株)製)を用いて測定した。
【0119】分散安定性(I) 調製直後の水性分散体をガラス板上に1滴落とし、凝集
物の有無を目視にて観察し、下記基準で評価した。
【0120】○・・・凝集物なし。
【0121】△・・・局部的に凝集物が存在する。
【0122】×・・・全体的に凝集する。
【0123】分散安定性(II) プラスチック瓶に水性分散体を入れ、20℃で10日間
保存したときの分散状態と粘度を目視にて観察し、下記
基準で評価した。
【0124】○・・・変化なし。
【0125】△・・・2層に分離しないが、粘度がかな
り上昇する。
【0126】×・・・2層に分離する。
【0127】熱硬化性フィルム、硬化フィルムおよび薄
膜の形成と物性評価 水性分散体を用い、下記塗布法により薄膜を形成して、
下記物性を評価した。
【0128】回転塗布法:予め離型処理したガラス基体
上に、スピンナーを用いて回転塗布して、熱硬化性薄膜
を形成させたのち、250℃で30分間加熱して硬化さ
せて、硬化薄膜を得た。次いで、前記熱硬化性薄膜およ
び硬化薄膜を基体から強制的に剥離して、膜厚55μm
の熱硬化性フィルムおよび膜厚50μmの硬化フィルム
を得た。
【0129】カチオン電着法:希酸で洗浄した銅基体を
用い、定電圧法により陰極側銅基体に熱硬化性薄膜を形
成して、100℃で10分間加熱したのち、さらに25
0℃で30分間加熱して硬化させて、銅基体上に膜厚1
5μmの硬化薄膜を形成した。
【0130】物性評価法 引張り強さ:硬化フィルムについて、JIS K69
11またはJIS C2318に準拠して測定した。
【0131】10%重量減少温度:硬化フィルムについ
て、熱重量分析装置(TGA)を用い、空気中、20℃
/分の昇温速度で測定した。
【0132】透明性:硬化フィルムについて、目視に
て、下記基準で評価した。
【0133】○・・・透明。
【0134】×・・・濁りあり。
【0135】耐湿熱性:硬化フィルムについて、121
℃、湿度100%、2気圧の条件下で、72時間耐湿熱
性試験(PCT)を行って、試験の前後で赤外線分光測
定を実施し、その変化の程度により、耐湿熱性を下記基
準で評価した。
【0136】○・・・変化がなく耐性が認められる。
【0137】×・・・変化が大きく耐性が認められな
い。
【0138】体積抵抗率および表面抵抗率:硬化フィル
ムについて、JIS K6911に準拠して測定し
た。
【0139】銅箔剥離強度:熱硬化性フィルムを、厚さ
130μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン、東
レ・デュポン社製)と厚さ0.5mmの銅板との間に挟
み、100g/cm2の加重をかけて、250℃で30
分間加熱した。その後、ポレイミドフィルムの銅面から
の剥離強度を、JIS H8630およびJIS
C6481に準拠し、密着強度試験器(山本鍍金試験器
(株)製)を用いて測定した。
【0140】弾性率の測定:転写用電着膜形成液により
SUS箔上に電着膜を形成し、SUS箔を塩化第二鉄溶
液でエッチイングし、フィルムを得た。フィルムのDM
TA(Polymer Laboratories社
製)から弾性率を求めた。
【0141】転写率の評価:転写しためっきの面積÷め
っき面積=転写率とした。
【0142】ポリイミドの合成 合成例1 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)、4,4’−[2,2,2−トリ
フルオロメチル−1−(トリフルオロメチル)エチリデ
ン]ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物17.
78g(40ミリモル)および1,3,3a,4,5,
9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン
−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミ
ン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモ
ル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンL
P7100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミ
リモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶
解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応
溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加
し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、
反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.51dl
/g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含
む固形分10%のポリイミド(A−1)の溶液を得た。
【0143】合成例2 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8
8g(100ミリモル)、ジアミン化合物として2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン32.84g(80ミリモル)、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン1.98g(10ミリモル)および
式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−1
61AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリ
モル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解
して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶
液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.45dl/
g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む
固形分10%のポリイミド(A−2)の溶液を得た。
【0144】合成例3 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)および3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11(50
ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン28.7
4g(70ミリモル)、ジアミノ安息香酸3.04g
(20ミリモル)および式(10)に対応するオルガノ
シロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学
製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−
ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応さ
せた。その後、この反応溶液に、ピリジン8gおよび無
水酢酸10gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応
を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対
数粘度0.48dl/g、イミド化率50%で、50%
のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A
−3)の溶液を得た。
【0145】合成例4 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)、4,4’−[2,2,2−トリ
フルオロメチル−1−(トリフルオロメチル)エチリデ
ン]ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物17.
78g(40ミリモル)および1,3,3a,4,5,
9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン
−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミ
ン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン32.84g(80ミリモ
ル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンX
−22−161A(商品名、信越化学製)33.6g
(20ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン45
0gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、
この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71g
を添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次
いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.5
0dl/g、イミド化率95%で、5%のポリアミック
酸を含む固形分10%のポリイミド(A−4)の溶液を
得た。
【0146】親水性ポリマーの合成 合成例5 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、グリシジルメタアクリレート5部およ
びアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5
時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行
なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続け
て、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマ
ー(B−1)の溶液を得た。
【0147】合成例6 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、イソシアナトエチルメタアクリレート
5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水
性ポリマー(B−2)の溶液を得た。
【0148】合成例7 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート60部、メチルメタアクリレート
5部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部、
グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブ
チロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的
に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−3)の溶
液を得た。
【0149】合成例8 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、スチレン5部、メタアクリ
ル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部から
なる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下
で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2
時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%
の親水性ポリマー(B−4)の溶液を得た。
【0150】合成例9 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート65部、スメチルメタアクリレー
ト5部、アクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニ
トリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加
しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、8
5℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結さ
せ、固形分50%の親水性ポリマー(B−5)の溶液を
得た。
【0151】合成例10 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、2−
エチルヘキシルアクリレート70部、ジメチルアミノエ
チルアクリレート25部、メタクリロイルオキシエチル
イソシアネート5部およびアゾビスイソブチロニトリル
1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつ
つ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃
でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固
形分50%の親水性ポリマー(B−6)の溶液を得た。
【0152】実施例1 ポリイミド(A−1)の溶液70部(固形分)に対し
て、親水性ポリマー(B−1)の溶液30部(固形分)
を添加して十分混合し、70℃で3時間加熱したのち、
酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。
次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く撹拌
して、凝集物のない電着膜形成液を得た。
【0153】パターンの形成 工程 金属配線形成 下記表1に示すレジスト形成、工程金属配線形成工
程、次いで、下記表2に示す工程電着層を行いパター
ンを形成した。
【0154】
【表1】
【0155】
【表2】 以上の工程を介して得られたパターンは、30μm以上
の線幅のパターンが均一に形成されていた。 (1)塗膜物性 工程まで形成された電着塗膜を下記表3に示す工程
aの要領で硬化し、特性を確認したところ、300℃で
10%以内の熱重量変化であり、10μmの塗膜の両面
に金属電極を形成し、80℃、85%、の環境下で30
vのバイアスを印加し、抵抗値を測定したところ、体積
抵抗で1013Ω/cm以上を1000時間以上確保でき
ていた。
【0156】
【表3】 得られた電着塗料組成物の性状および評価結果を、表5
に示す。 (2)転写 転写率を測定するために工程まで作製した電着付きめ
っきパターンを下記表4に示す工程bの要領で、ポリ
イミドフィルムへ圧着・剥離を行いめっきを転写した。
その結果を表8に示す。
【0157】
【表4】 電着塗料組成物を次のものに変え、パターンの形成と特
性を確認した。
【0158】実施例2 親水性ポリマーとして(B−2)を用いた以外は、実施
例1と同様にして、電着膜形成液を得た。得られた電着
膜形成液の性状および評価結果を、表5と表8に示す。
【0159】実施例3 親水性ポリマーとして(B−3)を用いた以外は、実施
例1と同様にして、電着膜形成液を得た。また、塗布法
として電着法を用いて物性評価を行った。得られた電着
膜形成液の性状および評価結果を、表5と表8に示す。
【0160】実施例4 ポリイミド(A−2)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−1)を30部(固形分)および添加剤として
エピコートYL980(商品名、油化シェルエポキシ
製)を20部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様
にして、電着膜形成液を得た。得られた電着膜形成液の
性状および評価結果を、表5と表8に示す。
【0161】実施例5 ポリイミド(A−3)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−1)を30部(固形分)および添加剤として
エピコートYX4000H(商品名、油化シェルエポキ
シ)を20部用いた以外は、実施例1と同様にして、電
着膜形成液を得た。得られた電着膜形成液の性状および
評価結果を、表5と表8に示す。
【0162】実施例6 ポリイミド(A−1)を30部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−2)を40部(固形分)および添加剤として
エピコートYL980(商品名、油化シェルエポキシ
製)を30部用いた以外は、実施例1と同様にして、電
着膜形成液を得た。得られた電着膜形成液の性状および
評価結果を、表6と表9に示す。
【0163】実施例7 ポリイミド(A−2)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−4)を30部(固形分)、添加剤としてエピ
コートYX4000H(商品名、油化シェルエポキシ
製)を20部(固形分)、pH調節剤としてトリエタノ
ールアミンを用いた以外は、実施例1と同様にして、転
写用電着膜形成液を得た。得られた電着膜形成液の性状
および評価結果を、表6と表9に示す。
【0164】実施例8 ポリイミド(A−3)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−5)を30部(固形分)、添加剤としてエピ
コート1001(商品名、油化シェルエポキシ製)を2
0部(固形分)、pH調節剤としてトリエタノールアミ
ンを用いた以外は、実施例1と同様にして、転写用電着
膜形成液を得た。得られた電着膜形成液の性状および評
価結果を、表6と表9に示す。
【0165】比較例1 ポリイミド(A−4)を15部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−6)を80部(固形分)、添加剤としてエピ
コートYL980(商品名、油化シェルエポキシ製)を
5部(固形分)用いた以外は、実施例1と同様にして、
転写用電着膜形成液を得た。得られた電着膜形成液の性
状および評価結果を、表7と表10に示す。
【0166】比較例2 ピロメリット酸二無水物10.91g(50ミリモ
ル)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物17.94g(50ミリモル)、
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル20.02g
(100ミリモル)にN−メチルピロリドン450gを
加え、110℃で2時間反応を行った。40℃まで冷却
し、28%アンモニア水5.0gついでイオン交換水4
5.0gを加え、分散体を得た。得られた分散体の性状
および評価結果を、表7と表10に示す。
【0167】比較例3 ブロックイソシアネート:コロネートL/2・エチルヘ
キサノール46.3部、エポキシアミン付加物:ビスフ
ェノールAのジグリシジルエーテル/ジエチルアミン8
9.3部、pH調整剤として酢酸3.8部を用い、水性
分散体を得た。
【0168】
【表5】
【0169】
【表6】
【0170】
【表7】
【0171】
【表8】
【0172】
【表9】
【0173】
【表10】 表中の添加剤、pH調整剤の種類は、下記の通りであ
る。
【0174】YL980:エピコートYL980(商品
名、油化シェルエポキシ製) YX4000H:エピコートYX4000H(商品名、
油化シェルエポキシ製) E1001:エピコート1001(商品名、油化シェル
エポキシ製) TEA:トリエタノールアミン
【0175】
【発明の効果】本発明の転写用電着膜形成液は、保存安
定性に優れ、しかもその硬化物は、ポリイミド本来の耐
熱性、電気絶縁性、機械的特性等を損なうことなく、透
明性、耐湿熱性、各種基体に対する接着性等に優れてい
る。
【0176】したがって、本発明の転写用電着膜形成液
は、電気機器や電子部品の保護膜、電気絶縁膜等として
極めて好適に使用することができるほか、接着剤、塗
料、熱硬化性フィルム、硬化フィルム、プリプレグ、硬
化成型品等にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 11/00 C09D 11/00 H05K 3/20 H05K 3/20 B (72)発明者 伊 藤 信 幸 東京都中央区築地二丁目11番24号 ジェイ エスアール株式会社内 (72)発明者 川 合 研三郎 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
    (B)親水性ポリマーとを同一粒子内に含み、平均粒子
    径が0.03〜5μmである粒子が、水性媒体中に分散
    してなるポリイミド系転写用電着膜形成液であって、 前記転写用電着膜形成液を用いて形成される転写用電着
    膜の圧着転写時の温度における弾性率が、105〜109
    Paであることを特徴とする、転写用電着膜形成液。
  2. 【請求項2】前記転写用電着膜形成液が、回路基板のパ
    ターン形成工程における転写に用いるものである、請求
    項1に記載の転写用電着膜形成液。
  3. 【請求項3】前記転写が、100〜350℃の温度範囲
    で圧着されることによってなされるものである、請求項
    1に記載の転写用電着膜形成液。
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