JP2002094219A - 配線の製造法およびその方法で製造した配線板 - Google Patents

配線の製造法およびその方法で製造した配線板

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JP2002094219A
JP2002094219A JP2000285581A JP2000285581A JP2002094219A JP 2002094219 A JP2002094219 A JP 2002094219A JP 2000285581 A JP2000285581 A JP 2000285581A JP 2000285581 A JP2000285581 A JP 2000285581A JP 2002094219 A JP2002094219 A JP 2002094219A
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hydrophilic polymer
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JP2000285581A
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Kenzaburo Kawai
合 研三郎 川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 転写用原版から被転写用基板への転写性が向
上した配線板の製造方法 【解決手段】 転写用基板1上に導電層2と導電層上に
形成された電着膜4とを有する転写用原版を、物理処理
あるいは化学処理に付して前記電着膜の表面を粗面化し
たのち、被転写基板5に圧着し、次いで転写用基板を剥
離することにより、導電層と電着膜を少なくとも一回転
写する工程を含んでなり、電着膜が(A)有機溶媒可溶
性のポリイミドと(B)親水性ポリマーからなることを
特徴とする、配線板の製造法、および基板上に絶縁樹脂
層3を介して導電層が少なくとも1層形成されている配
線板であって、絶縁樹脂層および導電層が転写によって
形成されたものであり、絶縁樹脂層が有機溶媒可溶性の
ポリイミドと(B)親水性ポリマーからなる前着膜の基
板との接触面を物理的処理あるいは化学的処理によって
表面を粗面化したのち転写されたものであることを特徴
とする、配線板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配線の製造法およ
びその方法で製造した配線板に関するものである。
【従来の技術】電気配線用の基板表面に配線、電子部品
またはマーク等どのパターンを形成する方法として、ス
クリーン印刷等のいわゆる印刷法が広く用いられてい
る。この印刷法は安価で量産に適しているが、得られる
配線パターンの精度が低く、細線の印刷が困難である点
で、高精度高密度パターンの形成には適した方法である
とはいえない。
【0002】一方、感光性樹脂を用い光学的に露光現像
する方法であるフォトグラフィ法は、極めて高精度高密
度である微細パターンの形成が可能であるため、半導体
電子部品その他の微細加工に一般的に用いられている。
しかしながら、その加工工程が長くかつ複雑であり、加
工設備も高価である問題点があるある。
【0003】このような問題点を解決する方法の一つと
して、電着法によるパターン形成法が提案されている。
例えば、電気絶縁性基板上に導電性パターンを形成し、
この導電性パターン上に電着塗料を含む電着液中で対極
を配して電流を流し、析出した電着樹脂層を転写用基板
に転写し定着させる方法がある。この方法は、基板を反
復使用する転写法である点で印刷法同様に安価で量産に
適しているうえ、印刷法よりも高精度にパターン転写が
可能である点で優れている。
【0004】しかしながら、このような従来の方法で
は、転写が完全に行われない場合があり、転写性の向上
が望まれていた。また、従来の電着膜では、電子部品用
途に必要な耐熱性、絶縁性および信頼性を満たすことが
困難であった。さらに、機械的特性、電着性の向上も求
められてきており、これらをすべて満たすことは困難で
あった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、配線板の
絶縁樹脂層として用いる樹脂を、特定の有機溶剤可溶性
ポリイミドと水溶性ポリマーとを含む電着膜とすること
で前記課題を解決できることを見出し本発明を完成させ
た。
【0006】したがって、本発明による配線板の製造法
は、転写用基板上に導電層と前記導電層上に形成された
電着膜とを有する転写用原版を、物理処理あるいは化学
処理に付して前記電着膜の表面を粗面化したのち、被転
写基板に圧着し、次いで前記転写用基板を剥離すること
により、前記導電層と前記電着膜を少なくとも一回転写
する工程を含んでなり、前記電着膜が(A)有機溶媒可
溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーからなるこ
と、を特徴とするものである。
【0007】そして、本発明による配線板は、基板上に
絶縁樹脂層を介して導電層が少なくとも1層形成されて
いる配線板であって、前記絶縁樹脂層および前記導電層
が転写によって形成されたものであり、前記絶縁樹脂層
が有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマー
からなる前着膜の前記基板との接触面を物理的処理ある
いは化学的処理によって表面を粗面化したのち転写され
たものであること、を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の配線板とその製造
方法および本発明の配線板を製造するために用いること
のできる転写用原版とその製造方法を説明する。
【0009】本発明による配線板は、転写用基板上に導
電層と前記導電層上に形成された電着膜とを有する転写
用原版を、物理処理あるいは化学処理に付して前記電着
膜の表面を粗面化したのち、被転写基板に圧着し、次い
で前記転写用基板を剥離することによって、前記前着膜
および導電層を転写することによって製造することがで
きる。
【0010】このように、表面が粗面化処理された電着
膜(4)を有する転写用原版は、被転写用基板(5)に
圧着される。次いで、前記転写用基板を剥離すると、図
1(d)に示されるように、前記電着膜(4)および導
電層(2)が被転写用基板(5)に転写される。
【0011】電着膜 本発明に用いる電着膜は、配線板において導電層と配線
基板との間に介在し、転写を行う際に被転写基板(即
ち、配線基板)に接着することのできる材料であって、
(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリ
マーから形成されたものである。
【0012】(A)成分(有機溶媒可溶性のポリイミ
ド) <有機溶媒可溶性のポリイミドの合成方法>本発明にお
ける(A)成分は、有機溶媒可溶性のポリイミドからな
る。このようなポリイミドの合成法は特に限定されるも
のではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させ
て、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加
熱イミド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応
させることにより、ポリイミドを合成することができ
る。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を
有するポリイミドを合成することも可能である。
【0013】<テトラカルボン酸二無水物>本発明にお
ける(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合
成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−
ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ジシクロヘキシルテトラルカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二
無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメ
チル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物や、下
記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族
テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボ
ン酸二無水物、
【化1】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、R
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR
は相互に同一でも異なっていてもよい)、
【化2】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、R
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR
は相互に同一でも異なっていてもよい);ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシ
ランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,
4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェ
ニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、
4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジ
フェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パー
フルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二
無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル
酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフ
タル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−
4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフ
ェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水
物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテ
ート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリ
メリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジ
オール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)や、下記式(3)〜(6)で表
される化合物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】 等を挙げることができる。
【0014】これらのテトラカルボン酸二無水物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0015】<ジアミン化合物>また、本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に
用いられるジアミン化合物としては、例えば、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′
−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミ
ノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−
ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロ
ロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニ
ル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)
ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピ
リデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)
フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジ
アミン類;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウン
デシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは
脂環式ジアミン類;2,3−ジアミノピリジン、2,6
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,
4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−
ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒド
ロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルア
ミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−ア
ミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イ
ソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,
6−ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−
ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチル
ウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテ
ート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノア
クリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン
や、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、
分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基
以外の窒素原子を有するジアミン類、
【化7】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示す)、
【化8】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に同一で
も異なっていてもよい;下記式(9)で表されるモノ置
換フェニレンジアミン類、
【化9】 (式中、Yは−O−、−COO−、−OCO−、−NH
CO−、−CONH−または−CO−を示し、Rは水
素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数6
〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1価
の基を示す);下記式(10)で表されるジアミノオル
ガノシロキサン、
【化10】 (式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複
数存在するRは相互に同一でも異なっていてもよく、
pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る);下記式(11)〜(23)で表される化合物、
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 (式中、yは2〜12の整数である)
【化15】 (式中、zは1〜5の整数である)
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】 等を挙げることができる。
【0016】これらのジアミン化合物は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0017】<テトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物との使用割合>本発明における(A)成分である有
機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジ
アミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカル
ボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる
割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量
となる割合である。
【0018】<ポリアミック酸の生成>本発明の配線板
の(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成
における中間生成物であるポリアミック酸の合成反応
は、有機溶媒中において、典型的には、−20〜150
℃、好ましくは0〜100℃の温度条件下で行われる。
【0019】このポリアミック酸の生成の際に用いる有
機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうる
ものであれば特に制限はなく、その例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ
オン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノ
ール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール類等を挙げることができる。
【0020】有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との合計量が、反応溶液の全量
に対して0.1〜30重量%になるような量であること
が好ましい。
【0021】また、前記有機溶媒には、アルコール類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他
の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範
囲で併用することができる。
【0022】前記併用できる他の有機溶媒としては、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0023】以上のようにしてテトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、本発
明における(A)成分の有機溶媒可溶性のポリイミドの
中間生成物であるポリアミック酸の有機溶媒溶液が得ら
れる。
【0024】得られるポリアミック酸は、その対数粘度
(ηIn)の値が、典型的には、0.05〜10dl/
g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0025】ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−
メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.
5g/100ミリリットルである溶液の流下時間と、該
溶媒の流下時間を、30℃で測定して、下記式により求
められるものである。
【0026】ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流
下時間)÷(溶液の濃度) <有機溶媒可溶性のポリイミドの生成>本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドは、前記
ポリアミック酸を脱水閉環することにより合成すること
ができる。
【0027】ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(イ)
ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を
共沸留去する加熱イミド化法、または(ロ)ポリアミッ
ク酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加
し、必要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法に
より行うことができる。
【0028】前記(イ)の方法における反応温度は、典
型的には、50〜400℃、好ましくは100〜250
℃とすることができる。反応温度が50℃未満では、脱
水閉環反応が十分に進行せず、一方反応温度が400℃
を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下する場
合がある。
【0029】また、(イ)の方法においては、副生する
水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外
で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として
存在させることもできる。
【0030】さらに、脱水閉環を促進するために、第三
級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン
類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第
三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸100重量部
当たり、例えば10〜400重量部添加することもでき
る。
【0031】次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤
としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。
【0032】脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返
し単位1モルに対して、0.01〜20モルが好まし
い。
【0033】また、脱水閉環触媒としては、例えば、ピ
リジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第
三級アミン類を用いることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0034】脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤
1モルに対して、0.01〜10モルが好ましい。
【0035】(ロ)の方法における反応温度は、典型的
には、0〜180℃、好ましくは10〜150℃であ
る。
【0036】(イ)および(ロ)の方法に使用される有
機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有
機溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0037】また、(イ)および(ロ)の方法により得
られる反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで、ポリイミド
を析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、
ポリイミドを固体として得ることができる。さらには、
この固体ポリイミドを再び有機溶媒に溶解させ、次いで
貧溶媒中に注いで析出させる処理を1回以上行うことに
より、ポリイミドを精製することができる。
【0038】<有機溶媒可溶性のポリイミドの一態様>
本発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリ
イミドは、分子量が調節された末端修飾型のものであっ
てもよい。
【0039】このような末端修飾型ポリイミドは、ポリ
アミック酸を合成する際に、カルボン酸−無水物、モノ
アミン化合物、アミノ酸、モノイソシアネート化合物等
を反応系に添加することにより合成することができる。
【0040】前記カルボン酸−無水物としては、例え
ば、無水マイレン酸、無水フタル酸、3−ヒドロキシフ
タル酸無水物、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無
水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシル
こはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物、ナ
フタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等
を挙げることができる。
【0041】また、前記モノアミン化合物としては、例
えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルア
ミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−
ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。
【0042】また、前記アミノ酸としては、例えば、ア
ラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオニン、フ
ェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリ
プトファン、バリン等を挙げることができる。
【0043】また、前記モノイソシアネート化合物とし
ては、例えば、フェニルイソシアネート、1−ナフチル
イソシアネート等を挙げることができる。
【0044】<反応性基(a)を有するポリイミド>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、
スルホン酸基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート
基等の反応性基(a)を1種以上有することができる。
【0045】本発明における反応性基(a)を有するポ
リイミドにおいては、その反応性基(a)を、後述する
(B)成分中の反応性基(b)と反応しうるものとする
ことが好ましく、それにより、該ポリイミドと(B)成
分とが結合して同一粒子内に含む粒子を得ることができ
る。
【0046】このようなポリイミドは、反応性基(a)
を、典型的には、0.1〜50モル%、好ましくは、
0.2〜30モル%、さらに好ましくは、0.5〜20
モル%含有することが望ましい。
【0047】反応性基(a)を有するポリイミドの合成
方法としては、例えば、(ハ)ポリアミック酸中に存在
するアミド酸基(即ち、反応原料のテトラカルボン酸二
無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボ
キシル基とアミド基)を脱水閉環反応後に残存させる方
法、(ニ)ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン
酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸−無水物、モ
ノアミン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を
有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基
(a)を残存させる方法等を挙げることができる。
【0048】前記(ハ)の方法は、ポリアミック酸の脱
水閉環反応時に、加熱イミド化法においては、反応時間
と反応温度を適切にコントロールすることにより、その
イミド化率を調整することにより実施でき、また前記
(ニ)の方法は、反応性基(a)が脱水閉環反応に関与
する場合、加える脱水剤や脱水閉環触媒の量を調製する
ことにより、イミド化率を調整することにより実施する
ことができる。なお、(ニ)の方法で反応性基(a)が
脱水閉環反応に関与しない場合は、反応条件を特に調整
する必要がない。これらの方法のうち、そのイミド化率
の調整の簡便さから、一般に(ニ)の方法が好ましい。
【0049】以上のようにして得られる有機溶媒可溶性
のポリイミドは、その対数粘度(η In)の値が、典型
的には、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05
〜5dl/gである。ここで、対数粘度(ηIn)は、
前記ポリアミック酸の対数粘度(ηIn)と同様の方法
により測定される。
【0050】(B)成分(親水性ポリマー) 本発明の配線板における(B)成分は、親水性基とし
て、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スル
ホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20
℃の溶解度が、典型的には、0.01g/100g以
上、好ましくは0.05g/100g以上である親水性
ポリマーからなる。
【0051】また、本発明における(B)成分である親
水性ポリマーは、前記親水性基に加えて、前記(A)成
分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1
種以上有することが好ましい。
【0052】このような反応性基(b)としては、例え
ば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基の
ほか、前記親水性基と同様のアミノ基、水酸基、スルホ
ン酸基、アミド基等を挙げることができる。
【0053】このような本発明の(B)成分である親水
性ポリマーは、前記(A)成分の有機溶媒可溶性のポリ
イミドと共に同一粒子内に混在することにより、該粒子
を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示すも
のと考えられる。
【0054】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
のうち好ましいものは、親水性基を有するモノビニル単
量体(以下、「親水性単量体」という)の単独重合体、
あるいは親水性単量体単位を、典型的には、0.1〜8
0重量%、好ましくは、1〜60重量%、さらに好まし
くは3〜50重量%含有する共重合体が望ましく、特に
親水性単量体の共重合体が望ましい。
【0055】さらに、本発明の(B)成分である親水性
ポリマーのうち好ましいものは、前記(A)成分中の反
応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有するモノ
ビニル単量体(以下、「反応性単量体」という)を、典
型的には、0.1〜30重量%、好ましくは、0.2〜
20重量%、さらに好ましくは、0.5〜15重量%含
有する共重合体が望ましい。
【0056】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、アミノ基含有単量体としては、例
えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のア
ミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2−(2
−ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエトキ
シ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−ジメチ
ルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の
アミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート
類;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)
アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−アミノアルキ
ル基含有(メタ)アクリルアミド類;p−ジメチルアミ
ノメチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレ
ン、p−ジメチルアミノメチル−α−メチルスチレン、
p−ジエチルアミノメチル−α−メチルスチレン、p−
(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジ
エチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジメチルア
ミノエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ジエチ
ルアミノエチル)−α−メチルスチレン、2−ビニルピ
リン、4−ビニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビニル
化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと第一級また
は第二級のアミン化合物との付加物等や、これらの単量
体中のアミノ基を中和あるいは四級化した塩等を挙げる
ことができる。
【0057】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、カルボキシル基含有単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸、マイレン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸類やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチ
ルエステル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポ
リカルボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこ
れらの塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)エステル等の非重合性
ジカルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ
アルキル)エステル類やこれらの塩等を挙げることがで
きる。
【0058】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、水酸基含有単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル、2−ヒドロキシエチルジエステ
ル等を挙げることができ、スルホン酸基含有ビニル系単
量体としては、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−
α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イソプレン
やこれらの塩等を挙げることができ、アミド基含有単量
体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、クロト
ン酸アミド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フ
マル酸ジアミド等を挙げることができる。
【0059】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する反応性単量体のうち、ま
た、エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
【0060】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する反応性単量体のうち、イソ
シアネート基含有単量体としては、例えば、2−イソシ
アナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト
プロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロ
ピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0061】これらの親水性単量体および反応性単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0062】また、本発明の好適態様において(B)成
分である親水性ポリマーを構成する親水性単量体あるい
は反応性単量体と共重合しうる他のモノビニル単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シ
クロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アク
リレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メ
トキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキ
ル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリ
ル、シアン化ビニリデン、クロトンニトリル、2−シア
ノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル
(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)ア
クリレート等のシアノ基含有単量体類;N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(4−メトキシブチル)
(メタ)アクリルアミド等の前記アミド基含有単量体の
N−アルコキシアルキル置換誘導体類;トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)
アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト類;トリメチルシロキサニルジメチルシリルプロピル
(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキサニ
ル)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)
アクリロイルプロピルジメチルシリルエーテル等のシロ
キサニル化合物類;スチレン、o−ビニルトルエン、m
−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−エチルス
チレン、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン等
のモノビニル芳香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等の不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シ
リコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることが
できる。前記他のモノビニル単量体は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0063】さらに、得られる共重合体の親水性を過度
に損なわない範囲の量で、例えば、ジビニルベンゼン、
ジイソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合
物;エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、 テトラメチレンビス
(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミ
ド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)ア
クリロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ
アクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を
有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させ
ることもできる。
【0064】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、例えば、ラジカル重合開始剤を用い、必要に応じて
連鎖移動剤の存在下における公知の溶液重合などにより
製造することができる。この溶液重合に用いる重合媒体
としては、例えば、水、極性溶剤、水と極性溶媒との混
合媒体等を挙げることができる。この極性溶媒として
は、例えば、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラ
クトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリ
アミド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、
酢酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3
−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオ
ン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、しゅう
酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸ブチ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコー
ル400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレ
ングリコール1500、グリセリン、N−メチロールピ
ロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジエーテル、メタノール、
エタノール等を挙げることができる。これらの極性溶媒
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0065】また、本発明における親水性ポリマーとし
ては、好ましくは水に対する前記溶解度条件を満たす公
知の親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリスチレン
のスルホン化物、スチレン−イソプレン共重合体のスル
ホン化物等を使用することもできる。
【0066】本発明における親水性ポリマーのゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平
均分子量(以下、「Mn」という)は、典型的には、
1,000〜100,000、好ましくは3,000〜
20,000である。
【0067】前記親水性ポリマーは、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0068】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、溶液あるいは固体として、転写用電着膜形成液の調
製に使用される。
【0069】基板 本発明による配線板に用いられている基板は、配線板や
多層配線板または絶縁被覆部材に一般的に用いられてい
るものであれば特に限定されていない。この基板を作製
する材料は、特に限定されないが、たとえば、エポキ
シ、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリイミド、フェノ
ール樹脂、PPE、環状オレフィンの他、導電性を有す
る材料例えば金属材料などを挙げることができる。な
お、配線板の製造において、この基板を本明細書におい
て被転写基板ということもある。
【0070】導電層 本発明による配線板に用いられる導電層の材料は、配線
板や多層配線板に一般に用いられているものであれば特
に限定されない。好ましくは、めっき法などの電着法に
より薄膜形成が可能なものであり、たとえば、銅、銀、
金、ニッケル、クロム、亜鉛、鉛、錫、白金などを用い
ることができる。
【0071】多層配線板 本発明による配線板の好適態様としては、導電層が2層
以上形成され、導電層と導電層との間が絶縁樹脂層によ
って絶縁されている多層配線板が挙げられる。この多層
配線板においては、典型的には、基板に近い方から第1
導電層、第2導電層第3導電層……と順に積層してある
もののほか、上層の導電層が部分的に直接2つ以上下位
の導電層や基板上に積層されているもの、例えば、第3
導電層が第導電層だけではなく、第1導電層や、基板上
に部分的に直接積層されている構造(いわゆる乗り上げ
構造)であってもよい。導電層は、必要に応じて、必要
な部分において導通をさせることができる。
【0072】配線板の製造方法 本発明による配線板は、転写用基板上に導電層と前記導
電層上に形成された電着膜とを有する転写用原版を、物
理処理あるいは化学処理に付して前記電着膜の表面を粗
面化したのち、被転写基板に圧着し、次いで前記転写用
基板を剥離することにより、前記導電層と前記電着膜を
少なくとも一回転写する工程を含んでなり、前記電着膜
が(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポ
リマーからなることを特徴とするものである。
【0073】図1は、このような配線板の製造法の好ま
しい一例の概要を示すものである。
【0074】図1(b)は、転写用基板(1)上に導電
層(2)が設けられてなる転写用原版の断面を示すもの
である。図1(a)に示されるように、転写用基板
(1)上に電気絶縁層(3)を所定のパターンで予め設
けておくことによって、転写用基板(1)上に電気絶縁
層(3)を所望の配線パターンで設けることができる。
【0075】この導電層(2)の上には、図1(c)に
示されるように、電着膜(4)が形成され、次いで、こ
の電着膜(4)は物理処理あるいは化学処理に付されて
その表面が粗面化される。
【0076】このように、表面が粗面化処理された電着
膜(4)を有する転写用原版は、被転写用基板(5)に
圧着される。次いで、前記転写用基板を剥離すると、図
1(d)に示されるように、前記電着膜(4)および導
電層(2)が被転写用基板(5)に転写されて、本発明
による配線板(6)が形成される。
【0077】転写は同一または異なる転写用原版を使用
して、複数回行うことができる。好ましくは、同一の被
転写基板に、2枚以上の転写用原版を用いて、前記導電
層と前記電着膜を2回以上転写することにより、多層配
線板を形成することができる。本発明の配線板は必要に
応じさらに各種の電子部品が搭載される。
【0078】圧着温度と弾性率 転写工程においては、典型的には加熱を行うことによ
り、電着膜の成分である樹脂に柔軟性および流動性をも
たせ、被転写基板表面の微細な凹凸に追従させ、十分に
密着させる。この場合、転写温度が低すぎると十分な接
着力が得られないため、100℃以上に加熱することが
望ましい。また、転写温度が高すぎると逆パターンを形
成する絶縁皮膜が被転写基板に接着してしまうため、転
写温度は350℃以下が望ましい。最も望ましくは16
0℃〜280℃である。また、転写を良好に行なう為に
は、この転写温度領域で電着膜が柔軟になりかつ適度な
流動性を発現させることが必要であり、圧着温度におけ
る電着膜の弾性率は10Paを超えると十分な接着力
を得ることができないため10Pa以下が好ましい。
また10Pa未満であると十分な転写性が得られない
と同時に、膜がつぶれてしまい十分な膜厚を維持するこ
とができないため、10Pa以上が好ましい。
【0079】転写用原版とその製造方法 本発明による配線板の製造に用いることのできる転写用
原版は、具体的には例えば、少なくとも一方の表面が導
電性を有する転写用基板と、前記転写用基板の導電性を
有する面に設けられた電気絶縁層と、前記転写用基板の
導電性を有する面であって、電気絶縁層が設けられてい
ない部分に形成された導電層と、前記導電層上に設けら
れた電着膜とからなるものであることができる。
【0080】また、この転写用原版の製造方法は、具体
的には例えば、少なくとも一方の表面が導電性を有する
転写用基板の導電性を有する面に電気絶縁層を設ける工
程と、前記転写用基板の導電性を有する面であって、電
気絶縁層が設けられていない部分に導電層をめっき法に
より形成する工程と、前記導電層上に電着法により電着
膜を形成させることから製造することができる。
【0081】電着膜形成液 本発明の配線板形成に用いることのできる電着膜形成液
は、(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性
ポリマーを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜
5μm、好ましくは0.05〜3μmである粒子から構
成される水性分散体からなるものを主成分とする。
【0082】(成分AとBの割合)本発明の配線板形成
に用いることのできる電着膜形成液における有機溶剤可
溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの使用割合は、有
機溶剤可溶性のポリイミドが、典型的には、20〜90
重量%、好ましくは30〜80重量%であり、親水性ポ
リマーが、典型的には、80〜10重量%、好ましくは
70〜20重量%である。この場合、ポリイミドが20
重量%未満で、親水性ポリマーが80重量%を超える
と、水性分散体から得られる硬化物の電気絶縁性が低下
する傾向があり、またポリイミドが90重量%を超え、
親水性ポリマーが10重量%未満では、得られる水性分
散体の保存安定性が低下する傾向がある。
【0083】本発明の配線板形成に用いることのできる
転写用電着膜形成液における水性媒体とは、水を主成分
とする媒体を意味する。この場合、水性媒体中における
水の含有率は、典型的には、40重量%以上、好ましく
は50重量%以上である。場合により水と共に使用され
る他の媒体としては、例えば、前記ポリアミック酸ある
いはポリイミドの合成に使用される非プロトン性極性溶
媒、エステル類、ケトン類、フェノール類や、前記親水
性ポリマーの合成に使用される極性溶媒と同様のものを
挙げることができる。
【0084】転写用電着膜形成液の製造方法 本発明の配線板形成に用いることのできる転写用電着膜
形成液の製造方法としては、前記所定の水性分散体が得
られる限り特に限定されるものではないが、例えば、
(I)有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーと
を、有機溶媒中にて溶液状態で混合したのち、この混合
溶液を水性媒体中に分散させて混合して、所定の平均粒
子径の粒子とし、場合により有機溶媒の少なくとも一部
を除去する方法、(II)溶液から分離された有機溶媒
可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを、固体状態で
混合して、所定の平均粒子径の粒子としたのち、該粒子
を水性媒体中に分散させる方法等を挙げることができる
が、特に(I)の方法が好ましい。これらの方法は、必
要に応じて加熱下で実施することができる。
【0085】以下、本発明の配線板形成に用いることの
できる転写用電着膜形成液の製造方法を、前記(I)の
方法を中心としてさらに具体的に説明する。
【0086】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法として
は、例えば、(i)別々に調製したポリイミドの溶液と
親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、(ii)ポリイ
ミドと親水性ポリマーのいずれか一方の溶液に、他方を
固体として添加して混合溶解する方法、(iii)ポリイ
ミドと親水性ポリマーをともに固体として有機溶媒に添
加して、混合溶解する方法等を挙げることができるが、
特に(i)の方法が好ましい。
【0087】ポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態
で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミ
ドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこ
れらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、
例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成
に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケト
ン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使
用される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有
機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、(i)の方法の場合、ポリイミドの
溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶媒は、
同一でも異なってもよい。
【0088】さらに、(i)〜(iii)の方法により得ら
れる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加する
ことができる。
【0089】この有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性
ポリマーとの混合溶液に加えることのできる化合物とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。これらの化合物
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0090】有機溶媒可溶性のポリアミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液の濃度は、両成分の合計量として、好
ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50
重量%である。
【0091】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを溶液状態で混合する際には、例えば、攪拌翼、
リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用すること
ができる。また、混合条件は、回転数が、典型的には、
10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,00
0rpmである。
【0092】また、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとを溶液状態で混合する際には、必要に応じ
て界面活性剤を適量添加することもできる。但し、得ら
れる転写用電着膜形成液を絶縁材として使用する場合
は、界面活性剤が絶縁耐久性を低下させる要因ともなる
ことがあるため、その使用量を極力少なくすることが好
ましい。
【0093】さらに、本発明においては、転写用電着膜
形成液のpHを、好ましくは4〜10、さらに好ましく
は5〜9とすることが望ましく、それにより、保存安定
性が特に優れた水性分散体を得ることができる。
【0094】このようなpH調整は、例えば、(iv)有
機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶
液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性媒体中
に分散させる方法、(v)有機溶媒可溶性のポリイミド
と親水性ポリマーとの混合溶液を、必要量のpH調整剤
を添加した水性媒体中に分散させる方法、(vi)有機溶
媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液を
水性媒体中に分散させながら、必要量のpH調整剤を添
加する方法等により実施することができるが、特に(i
v)の方法が好ましい。なお、前記(ii)の方法におい
てpH調整する際には、予め必要量のpH調整剤を水性
媒体中に添加しておけばよい。
【0095】前記pH調整剤としては、特に限定される
ものではなく、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、アルカノールアミ
ン等の有機または無機の塩基;ぎ酸、酢酸、酪酸、塩
酸、硫酸等の有機または無機のプロトン酸等を挙げるこ
とができる。これらのpH調整剤は、有機溶媒可溶性の
ポリイミド中の反応性基(a)あるいは親水性ポリマー
中の親水性基や反応性基(b)の種類や、これらの組み
合せ等に応じて使い分けられる。
【0096】次に、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際に
は、該混合溶液に水性媒体を添加しても、あるいは該混
合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特に後者の方法
が好ましい。
【0097】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、例
えば、攪拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段
を採用することができる。また、混合条件は、転写用電
着膜形成液の固形分濃度、分散粒子の所望の平均粒子径
等によって変わるが、回転数が、典型的には、10〜5
0,000rpm、好ましくは20〜5,000rpm
である。
【0098】転写用電着膜形成液を調製する際に、水以
外の有機溶媒あるいは媒体を除去する方法としては、例
えば、蒸留、限外ろ過等を挙げることができる。
【0099】本発明の配線板形成に用いることのできる
転写用電着膜形成液における水性媒体の合計使用量は、
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの合計
100重量部に対して、好ましくは10〜10,000
重量部、さらに好ましくは20〜5,000重量部であ
る。本発明の配線板形成に用いることのできる転写用電
着膜形成液における粒子の平均粒子径は、0.03〜5
μm、好ましくは0.05〜2μmである。この場合、
粒子の平均粒子径が0.03μm未満では、水性分散体
としたときの粘度が高くなりすぎ、また5μmを超える
と、水性分散体としての保存安定性が低下して、粒子が
沈降しやすくなる。この平均粒子径は、公知の光学的方
法や電子顕微鏡により測定することができる。
【0100】さらに、本発明においては、転写用電着膜
形成液を製造する際に、有機溶媒可溶性のポリイミド中
の反応性基(a)と親水性ポリマー中の反応性基(b)
とを適切に組み合せて、該ポリイミドと該親水性ポリマ
ーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要に応
じて加熱しつつ、反応させたのち、この反応溶液と水性
媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部
を除去することにより、該ポリイミドと該親水性ポリマ
ーとを相互に結合して同一粒子内に含み、前記所定の平
均粒子径を有する粒子を、水性媒体中に分散させること
により、水系分散体としての保存安定性および硬化物の
諸物性に著しく優れた転写用電着膜形成液を製造するこ
とができる。
【0101】添加剤 本発明の配線板形成に用いることのできる転写用電着膜
形成液には、必要に応じて各種の添加剤を配合すること
ができる。このような添加剤としては、例えば、エポキ
シ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ
樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル
型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;トリレンジイソシ
アネート等のジイソシアネート化合物やそのブロック化
物;高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂肪族
ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレン
スルフィド、(変性)ポリカルボジイミド、ポリエーテ
ルイミド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレンオ
キシド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙げる
ことができる。
【0102】また、他の添加剤としては、例えば、クレ
ー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブ
ラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワ
ラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミ
ナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポ
リエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリ
ビニルアルーコル等の繊維あるいはウイスカー等の補強
材を挙げることができる。また、前記補強材は、例え
ば、織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛
に本発明の配線板形成に用いることのできる転写用電着
膜形成液を含浸させて使用することもできる。
【0103】前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0104】さらに、前記以外の添加剤としては、例え
ば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、防曇剤、接着性改
善剤、防かび剤等を挙げることができる。
【0105】また必要に応じて、少量の乳化剤や水溶性
分散剤を転写用電着膜形成液に添加することもできる。
【0106】転写用基板 本発明の配線板形成に用いることのできる転写用原版に
用いられる転写用基板の材料は、少なくとも片側の表面
が導電性を有するものであれば特に制限されるものでは
ない。このようなものとしては、例えば各種の金属板及
び各種の絶縁体に金属を被覆したもの、例えば銅、ニッ
ケル、ステンレス鋼、および各種の絶縁体に金属を被覆
したもの、たとえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、
鉄、アルミニウム、42アロイ及びスパッタリング等で
メタライズした樹脂フィルムをあげられることができ
る。好ましくは、電解めっき法によって、銅、ニッケ
ル、金、銀、白金、錫、はんだ等が析出可能で、該転写
用基板から析出金属層を剥離することが可能な材料、具
体的には、たとえば、ステンレス鋼、チタン系材料等は
好ましい。本発明の配線板形成に用いることのできる転
写用原版に用いることのできる転写用基板の厚さは制限
されないが、0.05〜1.0mm程度が一般的に好ま
しい。
【0107】電気絶縁層の形成 本発明の転写用原版に用いることのできる電気絶縁層
(3)の形成方法および材料は、電気絶縁層をパターン
ニングすることが可能であれば、特に限定されない。こ
の方法としては、例えばフォトレジスト、スクリーン印
刷、精密ディスペンス、エッチングが挙げられる。この
うち、微細パターン形成に有利なフォトレジストを使用
することが好ましい。また、材料は、絶縁性であれば有
機膜、無機膜を問わず適用することができるが、後の工
程において耐酸性、耐溶剤性、耐電圧等が要求される場
合があるため、このような特性を有するものを使用する
ことがより好ましい。特に好ましい具体例としては、環
化ゴム系フォトレジスト、熱硬化性を有するアクリル系
レジスト、メラミン系レジスト、水溶性コロイド系フォ
トレジストがあげられる。
【0108】本発明の配線板形成に用いることのできる
転写用原版に用いることのできる電気絶縁性のマスクパ
ターンは典型的には以下のように形成する。導電性基板
の表面に公知の方法でマスクを形成する。次いで所定パ
ターンのフォトマスクを介してマスクパターンに紫外線
を照射し、露光、現像する。かくして、導電性基板の表
面に所定パターンのマスクパターン及び非マスク部が形
成される。
【0109】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの
実施例に何ら制約されるものではない。以下において、
特記しない限り、「部」および「%」は重量基準であ
る。
【0110】[転写率の評価]転写しためっきの面積÷め
っき面積=転写率、とした。
【0111】ポリイミドの合成 合成例1 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
g(50ミリモル)、4,4’−[2,2,2−トリフ
ルオロメチル−1−(トリフルオロメチル)エチリデ
ン]ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物17.
78g(40ミリモル)および1,3,3a,4,5,
9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1.2−c]−フラン
−1.3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミ
ン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモ
ル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンL
P7100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミ
リモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶
解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応
溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加
し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、
反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.51dl
/g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含
む固形分10%のポリイミド(A−1)の溶液を得た。
【0112】合成例2 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8
8g(100ミリモル)、ジアミン化合物として2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン32.84g(80ミリモル)、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン1.98g(10ミリモル)および
式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−1
61AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリ
モル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解
して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶
液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.45dl/
g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む
固形物10%のポリイミド(A−2)の溶液を得た。
【0113】合成例3 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)および3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11(50
ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン28.7
4g(70ミリモル)、ジアミノ安息香酸3.04g
(20ミリモル)および式(10)に対応するオルガノ
シロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学
製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−
ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応さ
せた。その後、この反応溶液に、ピリジン8gおよび無
水酢酸10gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応
を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対
数粘度0.48dl/g、イミド化率50%で、50%
のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A
−3)の溶液を得た。
【0114】合成例4 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)、4,4’−[2,2,2−トリ
フルオロメチル−1−(トリフルオロメチル)エチリデ
ン]ビス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物17.
78g(40ミリモル)および1,3,3a,4,5,
9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオ
キソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン
−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミ
ン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノ
キシ)フェニル]プロパン32.84g(80ミリモ
ル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンX
−22−161A(商品名、信越化学製)33.6g
(20ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン45
0gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、
この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71g
を添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次
いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.5
0dl/g、イミド化率95%で、5%のポリアミック
酸を含む固形分10%のポリイミド(A−4)の溶液を
得た。
【0115】親水性ポリマーの合成 合成例5 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、グリシジルメタアクリレート5部およ
びアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5
時間かけて連続的に添加しつつ、攪拌下で溶液重合を行
なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間攪拌を続け
て、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマ
ー(B−1)の溶液を得た。
【0116】合成例6 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、イソシアナトエチルメタアクリレート
5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、攪拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間攪
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水
性ポリマー(B−2)の溶液を得た。
【0117】合成例7 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート60部、メチルメタアクリレート
5部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部、
グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブ
チロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的
に添加しつつ、攪拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間攪拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−3)の溶
液を得た。
【0118】合成例8 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、スチレン5部、メタアクリ
ル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部から
なる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、攪拌下
で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2
時間攪拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%
の親水性ポリマー(B−4)の溶液を得た。
【0119】合成例9 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート65部、メチルメタアクリレート
5部、アクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニト
リル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加し
つつ、攪拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85
℃でさらに2時間攪拌を続けて、溶液重合を完結させ、
固形分50%の親水性ポリマー(B−5)の溶液を得
た。
【0120】合成例10 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、2−
エチルヘキシルアクリレート70部、ジメチルアミノエ
チルアクリレート25部、メタクリロイルオキシエチル
イソシアネート5部およびアゾビスイソブチロニトリル
1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつ
つ、攪拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃
でさらに2時間攪拌を続けて、溶液重合を完結させ、固
形分50%の親水性ポリマー(B−6)の溶液を得た。
【0121】[電着膜形成液の調製] 調製例1 ポリイミド(A−1)の溶液70部(固形分)に対し
て、親水性ポリマー(B−1)の溶液30部(固形分)
を添加して十分混合し、70℃で3時間加熱したのち、
酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。
次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く攪拌
して、凝集物のない電着膜形成液Aを得た。
【0122】調製例2 親水性ポリマーとして(B−2)を用いた以外は、実施
例1と同様にして、を電着膜形成液Bを得た。
【0123】調製例3 親水性ポリマーとして(B−3)を用いた以外は、実施
例1と同様にして、電着膜形成液Cを得た。
【0124】調製例4 ポリイミド(A−2)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−1)を30部(固形分)および添加剤として
エピコートTL980(商品名、油化シェルエポキシ
製)を20部(固形分)を用いた以外は、実施例1と同
様にして、電着膜形成液Dを得た。
【0125】調製例5 ポリイミド(A−3)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−1)を30部(固形分)および添加剤として
エピコートYX4000H(商品名、油化シェルエポキ
シ)を20部用いた以外は、調製例1と同様にして、電
着膜形成液Eを得た。
【0126】調製例6 ポリイミド(A−1)を30部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−2)を40部(固形分)および添加剤として
エピコートYL980(商品名、油化シェルエポキシ
製)を30部用いた以外は、調製例1と同様にして、電
着膜形成液Fを得た。
【0127】調製例7 ポリイミド(A−2)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−4)を30部(固形分)、添加剤としてエピ
コートYX4000H(商品名、油化シェルエポキシ
製)を20部(固形分)、pH調製剤としてトリエタノ
ールアミンを用いた以外は、調製例1と同様にして、電
着膜形成液Gを得た。
【0128】調製例8 ポリイミド(A−3)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−5)を30部(固形分)、添加剤としてエピ
コート1001(商品名、油化シェルエポキシ製)を2
0部(固形分)、pH調整剤としてトリエタノールアミ
ンを用いた以外は、調製例1と同様にして、電着膜形成
液Hを得た。
【0129】比較例1 (1)パターンの形成 下記表1に示すレジスト形成、工程金属配線形成、
工程金属配線形成工程、次いで、下記表2に示す工程
を電着液Aを用いて行いパターンを形成した。
【0130】
【表1】
【表2】 以上の工程を介して得られてパターンは幅30μm×長さ
1cm (900本)のパターンが均一に形成された。
【0131】(2)転写 転写率を測定するために工程まで作製した電着付きパ
ターンを下記表3に示す工程の要領で、ポリイミドフ
ィルム上へ圧着・剥離を行いめっきを転写した。その結
果を表4に示す。
【0132】
【表3】 実施例1 比較例1の乾燥後(転写前)に電着膜にコロナ放電(+
極)5KVで3分間処理した以外は比較例1と同様にし
て転写率を求めた。その結果を表4に示す。
【0133】実施例2 比較例1の乾燥後(転写前)にUV・オゾン処理(装
置:DUV−1100−2B/日本電池(株)製)3分間処
理した以外は比較例1と同様にして転写率を求めた。そ
の結果を表4に示す。
【0134】実施例3 比較例1の乾燥後(転写前)にマコー(株)製ウェット
ブラスト装置にて、アルミナ砥石、0.5kg/m
水圧、10m/minの処理速度で処理した後、80℃で
5分乾燥した以外は比較例1と同様にして転写率を求め
た。その結果を表4に示す。
【0135】実施例4 実施例3で電着液Aのかわりに電着液Bを用いた以外は
実施例3と同様にして転写率を求めた。その結果を表4
に示す。
【0136】実施例5 実施例3で電着液Aのかわりに電着液Cを用いた以外は
実施例3と同様にして転写率を求めた。その結果を表4
に示す。
【0137】実施例6 実施例3で電着液Aのかわりに電着液Dを用いた以外は
実施例3と同様にして転写率を求めた。その結果を表4
に示す。
【0138】実施例7 実施例3で電着液Aのかわりに電着液Eを用いた以外は
実施例3と同様にして転写率を求めた。その結果を表4
に示す。
【0139】実施例8 実施例3で電着液Aのかわりに電着液Fを用いた以外は
実施例3と同様にして転写率を求めた。その結果を表4
に示す。
【0140】実施例9 実施例3で電着液Aのかわりに電着液Hを用いた以外は
実施例3と同様にして転写率を求めた。その結果を表4
に示す。
【0141】
【表4】
【0142】
【発明の効果】本発明によれば、被転写用基板へ転写さ
れるパターンを形成する樹脂層が有機溶媒可溶性のポリ
イミドと親水性ポリマーからなる電着膜からなりかつこ
の電着膜の表面が物理処理または化学処理により粗面化
されていることから、被転写用基板とこの樹脂層との接
着性が良好であり、その結果、良好な転写性が得られ
る。
【0143】そして、歩留まりよく高精細なパターンお
よび高耐熱性と高絶縁信頼性の絶縁樹脂層を有する配線
板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による配線板の製造法の好ましい一例の
概要を示す図
【符号の説明】
1 転写用基板 2 導電層 3 電気絶縁層 4 電着膜 5 被転写用基板 6 配線板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/38 H05K 3/38 E // C09D 5/44 C09D 5/44 Z 179/08 179/08 A 201/00 201/00 C08L 87:00 C08L 87:00 Fターム(参考) 4F073 BA18 BA31 BB01 BB07 BB09 CA01 CA21 CA45 CA62 DA07 4J031 AA20 AA57 AB01 AC03 AC07 AC08 AC11 AD01 AF24 4J038 CC091 CC092 CG061 CG062 CG091 CG092 CG141 CG142 CG171 CG172 CH121 CH122 CH171 CH172 CH191 CH192 CH201 CH202 DB221 DB222 DJ021 DJ022 GA03 GA06 GA07 GA09 GA11 GA13 MA08 MA10 MA14 MA16 NA11 NA14 NA21 NA27 PA04 PB09 PC02 PC03 PC08 5E343 AA18 CC01 CC04 DD56 EE21 EE33 EE36 GG02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】転写用基板上に導電層と前記導電層上に形
    成された電着膜とを有する転写用原版を、物理処理ある
    いは化学処理に付して前記電着膜の表面を粗面化したの
    ち、被転写基板に圧着し、次いで前記転写用基板を剥離
    することにより、前記導電層と前記電着膜を少なくとも
    一回転写する工程を含んでなり、前記電着膜が(A)有
    機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーから
    なることを特徴とする、配線板の製造法。
  2. 【請求項2】前記物理処理がコロナ放電処理であること
    を特徴とする、請求項1記載の配線板の製造法。
  3. 【請求項3】前記物理処理がプラズマ処理であることを
    特徴とする、請求項1記載の配線板の製造法。
  4. 【請求項4】前記物理処理がUV処理および/またはオゾ
    ン処理であることを特徴とする、請求項1記載の配線板
    の製造法。
  5. 【請求項5】前記物理的処理がウェットブラスト処理で
    あることを特徴とする、請求項1記載の配線板の製造
    法。
  6. 【請求項6】電着膜が、(A)有機可溶性のポリイミド
    と(B)親水性ポリマーとを同一分子内に含み、平均粒
    子径が0.03〜5μmであり、水性媒体中に分散して
    なる電着液から形成された絶縁樹脂膜であることを特徴
    とする、請求項1記載の配線板の製造法。
  7. 【請求項7】電着膜が、(A)成分としてカルボキシル
    基、アミノ基、水酸基、スルホン基、アミド基、エポキ
    シ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれてな
    る反応性基(a)を1種以上有する有機溶媒可溶性のポ
    リイミドと前記(B)成分としてエポキシ基、イソシア
    ネート基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホ
    ン酸基、およびアミド基から選ばれてなる反応性基
    (b)を1種以上有する親水性ポリマー、とを、有機溶
    媒中にて溶液状態で混合して、反応させたのち、この反
    応後の溶液と水性媒体とを混合して得られる電着液を用
    いて形成されたものであることを特徴とする 、請求項
    1記載の配線板の製造法。
  8. 【請求項8】前記(A)成分と前記(B)成分との反応
    時に、反応物の加熱を行い、この反応後の溶液と水性媒
    体との混合時に有機溶媒の少なくとも一部を除去して得
    られた電着液を用いて前記絶縁樹脂膜を形成することを
    特徴とする、請求項1記載の配線板の製造法。
  9. 【請求項9】基板上に絶縁樹脂層を介して導電層が少な
    くとも1層形成されている配線板であって、前記絶縁樹
    脂層および前記導電層が転写によって形成されたもので
    あり、前記絶縁樹脂層が有機溶媒可溶性のポリイミドと
    (B)親水性ポリマーからなる前着膜の前記基板との接
    触面を物理的処理あるいは化学的処理によって表面を粗
    面化したのち転写されたものであることを特徴とする、
    配線板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006052268A (ja) * 2004-08-10 2006-02-23 Shimizu:Kk 樹脂組成物および水性電着塗料

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