JP2002084049A - 電子部材 - Google Patents

電子部材

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JP2002084049A
JP2002084049A JP2000270522A JP2000270522A JP2002084049A JP 2002084049 A JP2002084049 A JP 2002084049A JP 2000270522 A JP2000270522 A JP 2000270522A JP 2000270522 A JP2000270522 A JP 2000270522A JP 2002084049 A JP2002084049 A JP 2002084049A
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Japan
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electronic member
group
solution
resin layer
insulating resin
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JP2000270522A
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English (en)
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Kenzaburo Kawai
合 研三郎 川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原版から被基板への性が向上した電子部材の
提供 【解決手段】 導電性基材の表面の少なくとも一部に絶
縁樹脂層が設けられ、この絶縁樹脂層上に導電性材料を
有する電子部材であって、前記絶縁樹脂層が(A)有機
溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーとから
なるものであり、かつ前記導電性材料が前記絶縁樹脂層
の物理処理および/または化学処理と同時にまたは処理
後に、形成されたものであることを特徴とする、電子部

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】導電性基材の表面に絶縁樹脂層および導
電性材料が設けられた電子部材は、例えば半導体パッケ
ージ用リードフレーム、半導体パッケージ用基板、コネ
クター、半導体装置用検査用治具等として用いられてい
る。このような電子部材の製造にあたっては、基材表面
に上記用途に応じた所定のパターンを形成させることが
行われている。
【0003】基板表面に配線、電子部品またはマーク等
のパターンを形成する方法として、スクリーン印刷等の
いわゆる印刷法が広く用いられている。この印刷法は安
価で量産に適しているが、得られる配線パターンの精度
が低く、細線の印刷が困難である点で、高精度高密度パ
ターンの形成には適した方法であるとは言い難い。
【0004】一方、感光性樹脂を用い光学的に露光現像
する方法であるフォトグラフィ法は、極めて高精度高密
度である微細パターンの形成が可能であるため、半導体
電子部品その他の微細加工に一般的に用いられている。
しかしながら、その加工工程が長くかつ複雑であり、加
工設備も高価である問題点がある。
【0005】このような問題点を解決する方法の一つと
して、電着法によるパターン形成法が提案されている。
この方法は、印刷法同様に安価で量産に適しているう
え、印刷法よりも高精度にパターン形成が可能である点
で優れている。しかしながら、このような従来の方法で
は、電子部品用途に必要な耐熱性、絶縁性および信頼性
を満たすことが困難であった。また、電着によって形成
された層上に導電性材料を設ける場合には、電着層と導
電性材料との接着強度が十分でないという問題点があっ
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、絶縁樹脂
層として特定の有機溶剤可溶性ポリイミドと水溶性ポリ
マーとを含む電着層としかつこの絶縁樹脂層を物理処理
および/または化学処理することによって前記課題を解
決できることを見出して、本発明を完成させた。
【0007】したがって、本発明による電子部材は、導
電性基材の表面の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設けら
れ、この絶縁樹脂層上に導電性材料を有する電子部材で
あって、前記絶縁樹脂層が(A)有機溶媒可溶性のポリ
イミドと(B)親水性ポリマーとからなるものであり、
かつ前記導電性材料が前記絶縁樹脂層の物理処理および
/または化学処理と同時に、または処理後に、形成され
たものであること、を特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明による電子部材を説
明する。
【0009】絶縁樹脂層 本発明による電子部材を構成する絶縁樹脂層は、(A)
有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーと
からなるものである。
【0010】(A)成分(有機溶媒可溶性のポリイミ
ド) <有機溶媒可溶性のポリイミドの合成方法>本発明にお
ける(A)成分は、有機溶媒可溶性のポリイミドからな
る。このようなポリイミドの合成法は特に限定されるも
のではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させ
て、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加
熱イミド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応
させることにより、ポリイミドを合成することができ
る。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を
有するポリイミドを合成することも可能である。
【0011】<テトラカルボン酸二無水物>本発明にお
ける(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合
成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−
ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ジシクロヘキシルテトラルカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二
無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメ
チル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物や、下
記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族
テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボ
ン酸二無水物、
【化1】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、R
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR
は相互に同一でも異なっていてもよい)、
【化2】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、R
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR
は相互に同一でも異なっていてもよい);ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシ
ランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,
4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェ
ニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、
4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジ
フェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パー
フルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二
無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル
酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフ
タル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−
4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフ
ェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水
物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテ
ート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリ
メリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジ
オール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)や、下記式(3)〜(6)で表
される化合物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】 等を挙げることができる。
【0012】これらのテトラカルボン酸二無水物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0013】<ジアミン化合物>また、本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に
用いられるジアミン化合物としては、例えば、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′
−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミ
ノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−
ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロ
ロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニ
ル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)
ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピ
リデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)
フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジ
アミン類;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウン
デシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは
脂環式ジアミン類;2,3−ジアミノピリジン、2,6
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,
4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−
ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒド
ロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルア
ミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−ア
ミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イ
ソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,
6−ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−
ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチル
ウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテ
ート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノア
クリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン
や、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、
分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基
以外の窒素原子を有するジアミン類、
【化7】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示す)、
【化8】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に同一で
も異なっていてもよい;下記式(9)で表されるモノ置
換フェニレンジアミン類、
【化9】 (式中、Yは−O−、−COO−、−OCO−、−NH
CO−、−CONH−または−CO−を示し、Rは水
素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数6
〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1価
の基を示す);下記式(10)で表されるジアミノオル
ガノシロキサン、
【化10】 (式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複
数存在するRは相互に同一でも異なっていてもよく、
pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る);下記式(11)〜(23)で表される化合物、
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 (式中、yは2〜12の整数である)
【化15】 (式中、zは1〜5の整数である)
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】 等を挙げることができる。
【0014】これらのジアミン化合物は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0015】<テトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物との使用割合>本発明における(A)成分である有
機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジ
アミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカル
ボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる
割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量
となる割合である。
【0016】<ポリアミック酸の生成>(A)成分であ
る有機溶媒可溶性のポリイミドの合成における中間生成
物であるポリアミック酸の合成反応は、有機溶媒中にお
いて、典型的には、−20〜150℃、好ましくは0〜
100℃の温度条件下で行われる。
【0017】このポリアミック酸の生成の際に用いる有
機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうる
ものであれば特に制限はなく、その例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ
オン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノ
ール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール類等を挙げることができる。
【0018】有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との合計量が、反応溶液の全量
に対して0.1〜30重量%になるような量であること
が好ましい。
【0019】また、前記有機溶媒には、アルコール類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他
の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範
囲で併用することができる。
【0020】前記併用できる他の有機溶媒としては、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0021】以上のようにしてテトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、本発
明における(A)成分の有機溶媒可溶性のポリイミドの
中間生成物であるポリアミック酸の有機溶媒溶液が得ら
れる。
【0022】得られるポリアミック酸は、その対数粘度
(ηIn)の値が、典型的には、0.05〜10dl/
g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0023】ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−
メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.
5g/100ミリリットルである溶液の流下時間と、該
溶媒の流下時間を、30℃で測定して、下記式により求
められるものである。 ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流下時間)÷
(溶液の濃度)
【0024】<有機溶媒可溶性のポリイミドの生成>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、前記ポリアミック酸を脱水閉環することにより
合成することができる。
【0025】ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(イ)
ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を
共沸留去する加熱イミド化法、または(ロ)ポリアミッ
ク酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加
し、必要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法に
より行うことができる。
【0026】前記(イ)の方法における反応温度は、典
型的には、50〜400℃、好ましくは100〜250
℃とすることができる。反応温度が50℃未満では、脱
水閉環反応が十分に進行せず、一方反応温度が400℃
を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下する場
合がある。
【0027】また、(イ)の方法においては、副生する
水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外
で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として
存在させることもできる。
【0028】さらに、脱水閉環を促進するために、第三
級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン
類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第
三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸100重量部
当たり、例えば10〜400重量部添加することもでき
る。
【0029】次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤
としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。
【0030】脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返
し単位1モルに対して、0.01〜20モルが好まし
い。
【0031】また、脱水閉環触媒としては、例えば、ピ
リジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第
三級アミン類を用いることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0032】脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤
1モルに対して、0.01〜10モルが好ましい。
【0033】(ロ)の方法における反応温度は、典型的
には、0〜180℃、好ましくは10〜150℃であ
る。
【0034】(イ)および(ロ)の方法に使用される有
機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有
機溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0035】また、(イ)および(ロ)の方法により得
られる反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで、ポリイミド
を析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、
ポリイミドを固体として得ることができる。さらには、
この固体ポリイミドを再び有機溶媒に溶解させ、次いで
貧溶媒中に注いで析出させる処理を1回以上行うことに
より、ポリイミドを精製することができる。
【0036】<有機溶媒可溶性のポリイミドの一態様>
本発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリ
イミドは、分子量が調節された末端修飾型のものであっ
てもよい。
【0037】このような末端修飾型ポリイミドは、ポリ
アミック酸を合成する際に、カルボン酸−無水物、モノ
アミン化合物、アミノ酸、モノイソシアネート化合物等
を反応系に添加することにより合成することができる。
【0038】前記カルボン酸−無水物としては、例え
ば、無水マイレン酸、無水フタル酸、3−ヒドロキシフ
タル酸無水物、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無
水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシル
こはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物、ナ
フタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等
を挙げることができる。
【0039】また、前記モノアミン化合物としては、例
えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルア
ミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−
ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。
【0040】また、前記アミノ酸としては、例えば、ア
ラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオニン、フ
ェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリ
プトファン、バリン等を挙げることができる。
【0041】また、前記モノイソシアネート化合物とし
ては、例えば、フェニルイソシアネート、1−ナフチル
イソシアネート等を挙げることができる。
【0042】<反応性基(a)を有するポリイミド>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、
スルホン酸基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート
基等の反応性基(a)を1種以上有することができる。
【0043】本発明における反応性基(a)を有するポ
リイミドにおいては、その反応性基(a)を、後述する
(B)成分中の反応性基(b)と反応しうるものとする
ことが好ましく、それにより、該ポリイミドと(B)成
分とが結合して同一粒子内に含む粒子を得ることができ
る。
【0044】このようなポリイミドは、反応性基(a)
を、典型的には、0.1〜50モル%、好ましくは、
0.2〜30モル%、さらに好ましくは、0.5〜20
モル%含有することが望ましい。
【0045】反応性基(a)を有するポリイミドの合成
方法としては、例えば、(ハ)ポリアミック酸中に存在
するアミド酸基(即ち、反応原料のテトラカルボン酸二
無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボ
キシル基とアミド基)を脱水閉環反応後に残存させる方
法、(ニ)ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン
酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸−無水物、モ
ノアミン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を
有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基
(a)を残存させる方法等を挙げることができる。
【0046】前記(ハ)の方法は、ポリアミック酸の脱
水閉環反応時に、加熱イミド化法においては、反応時間
と反応温度を適切にコントロールすることにより、その
イミド化率を調整することにより実施でき、また前記
(ニ)の方法は、反応性基(a)が脱水閉環反応に関与
する場合、加える脱水剤や脱水閉環触媒の量を調製する
ことにより、イミド化率を調整することにより実施する
ことができる。なお、(ニ)の方法で反応性基(a)が
脱水閉環反応に関与しない場合は、反応条件を特に調整
する必要がない。これらの方法のうち、そのイミド化率
の調整の簡便さから、一般に(ニ)の方法が好ましい。
【0047】以上のようにして得られる有機溶媒可溶性
のポリイミドは、その対数粘度(η In)の値が、典型
的には、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05
〜5dl/gである。ここで、対数粘度(ηIn)は、
前記ポリアミック酸の対数粘度(ηIn)と同様の方法
により測定される。
【0048】(B)成分(親水性ポリマー) 本発明の電子部材における(B)成分は、親水性基とし
て、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スル
ホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20
℃の溶解度が、典型的には、0.01g/100g以
上、好ましくは0.05g/100g以上である親水性
ポリマーからなる。
【0049】また、本発明における(B)成分である親
水性ポリマーは、前記親水性基に加えて、前記(A)成
分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1
種以上有することが好ましい。
【0050】このような反応性基(b)としては、例え
ば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基の
ほか、前記親水性基と同様のアミノ基、水酸基、スルホ
ン酸基、アミド基等を挙げることができる。
【0051】このような本発明の(B)成分である親水
性ポリマーは、前記(A)成分の有機溶媒可溶性のポリ
イミドと共に同一粒子内に混在することにより、該粒子
を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示すも
のと考えられる。
【0052】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
のうち好ましいものは、親水性基を有するモノビニル単
量体(以下、「親水性単量体」という)の単独重合体、
あるいは親水性単量体単位を、典型的には、0.1〜8
0重量%、好ましくは、1〜60重量%、さらに好まし
くは3〜50重量%含有する共重合体が望ましく、特に
親水性単量体の共重合体が望ましい。
【0053】さらに、本発明の(B)成分である親水性
ポリマーのうち好ましいものは、前記(A)成分中の反
応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有するモノ
ビニル単量体(以下、「反応性単量体」という)を、典
型的には、0.1〜30重量%、好ましくは、0.2〜
20重量%、さらに好ましくは、0.5〜15重量%含
有する共重合体が望ましい。
【0054】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、アミノ基含有単量体としては、例
えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のア
ミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2−(2
−ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエトキ
シ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−ジメチ
ルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の
アミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート
類;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)
アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−アミノアルキ
ル基含有(メタ)アクリルアミド類;p−ジメチルアミ
ノメチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレ
ン、p−ジメチルアミノメチル−α−メチルスチレン、
p−ジエチルアミノメチル−α−メチルスチレン、p−
(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジ
エチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジメチルア
ミノエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ジエチ
ルアミノエチル)−α−メチルスチレン、2−ビニルピ
リン、4−ビニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビニル
化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと第一級また
は第二級のアミン化合物との付加物等や、これらの単量
体中のアミノ基を中和あるいは四級化した塩等を挙げる
ことができる。
【0055】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、カルボキシル基含有単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸、マイレン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸類やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチ
ルエステル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポ
リカルボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこ
れらの塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)エステル等の非重合性
ジカルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ
アルキル)エステル類やこれらの塩等を挙げることがで
きる。
【0056】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、水酸基含有単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル、2−ヒドロキシエチルジエステ
ル等を挙げることができ、スルホン酸基含有ビニル系単
量体としては、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−
α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イソプレン
やこれらの塩等を挙げることができ、アミド基含有単量
体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、クロト
ン酸アミド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フ
マル酸ジアミド等を挙げることができる。
【0057】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する反応性単量体のうち、ま
た、エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
【0058】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する反応性単量体のうち、イソ
シアネート基含有単量体としては、例えば、2−イソシ
アナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト
プロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロ
ピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0059】これらの親水性単量体および反応性単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0060】また、本発明の好適態様において(B)成
分である親水性ポリマーを構成する親水性単量体あるい
は反応性単量体と共重合しうる他のモノビニル単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シ
クロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アク
リレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メ
トキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキ
ル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリ
ル、シアン化ビニリデン、クロトンニトリル、2−シア
ノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル
(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)ア
クリレート等のシアノ基含有単量体類;N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(4−メトキシブチル)
(メタ)アクリルアミド等の前記アミド基含有単量体の
N−アルコキシアルキル置換誘導体類;トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)
アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト類;トリメチルシロキサニルジメチルシリルプロピル
(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキサニ
ル)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)
アクリロイルプロピルジメチルシリルエーテル等のシロ
キサニル化合物類;スチレン、o−ビニルトルエン、m
−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−エチルス
チレン、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン等
のモノビニル芳香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等の不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シ
リコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることが
できる。前記他のモノビニル単量体は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0061】さらに、得られる共重合体の親水性を過度
に損なわない範囲の量で、例えば、ジビニルベンゼン、
ジイソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合
物;エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、 テトラメチレンビス
(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミ
ド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)ア
クリロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ
アクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を
有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させ
ることもできる。
【0062】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、例えば、ラジカル重合開始剤を用い、必要に応じて
連鎖移動剤の存在下における公知の溶液重合などにより
製造することができる。この溶液重合に用いる重合媒体
としては、例えば、水、極性溶剤、水と極性溶媒との混
合媒体等を挙げることができる。この極性溶媒として
は、例えば、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラ
クトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリ
アミド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、
酢酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3
−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオ
ン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、しゅう
酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸ブチ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコー
ル400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレ
ングリコール1500、グリセリン、N−メチロールピ
ロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジエーテル、メタノール、
エタノール等を挙げることができる。これらの極性溶媒
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0063】また、本発明における親水性ポリマーとし
ては、好ましくは水に対する前記溶解度条件を満たす公
知の親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリスチレン
のスルホン化物、スチレン−イソプレン共重合体のスル
ホン化物等を使用することもできる。
【0064】本発明における親水性ポリマーのゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平
均分子量(以下、「Mn」という)は、典型的には、
1,000〜100,000、好ましくは3,000〜
20,000である。
【0065】前記親水性ポリマーは、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。本発明の(B)
成分である親水性ポリマーは、溶液あるいは固体として
電着層形成液の調製に使用される。
【0066】導電性基板 本発明による電子部材に用いられる導電性基板は、従来
から一般的に用いられているものであれば特に限定され
ない。例えば、半導体パッケージ用リードフレーム、半
導体パッケージ用基板、コネクター、半導体装置用検査
用治具において用いられたものを用いることができる。
【0067】本発明では、銅、ステンレス、銀、金、ニ
ッケル、クロム、亜鉛、鉛、錫、白金などを用いること
ができる。
【0068】導電性材料 本発明による電子部材に用いられる導電性材料層の材料
は、配線板や多層配線板に一般に用いられているもので
あれば特に限定されない。好ましくは、めっき法などの
電着法により薄膜形成が可能なものであり、たとえば、
銅、銀、金、ニッケル、クロム、亜鉛、鉛、錫、白金な
どを用いることができる。
【0069】電子部材の製造方法 本発明による電子部材は、導電性基材の表面の少なくと
も一部に絶縁樹脂層が設けられ、この絶縁樹脂層上に導
電性材料が設けられてなる電子部材であって、前記絶縁
樹脂層が(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親
水性ポリマーとからなるものであり、かつ前記導電性材
料が前記絶縁樹脂層の物理処理および/または化学処理
と同時に、または処理後に、形成されたものであること
を特徴とするものである。
【0070】図1は、このような電子部材の製造法の好
ましい一例の概要を示すものである。
【0071】図1(a)には、導電性基材(1)の断面
を示されている。この図1(a)の導電性基材(1)に
はスルーホールが設けられている。
【0072】この導電性基材(1)の表面には、図1
(b)に示されるように、絶縁樹脂層(2)が設けられ
る。この絶縁樹脂層(2)が電着法で形成されたもので
ある場合、その導電性基材(1)のスルーホール内壁面
にも絶縁樹脂層(2)が形成される。
【0073】そして、この絶縁樹脂層(2)は物理処理
または化学処理によってその表面が処理され(図1
(c))、次いで導電性材料(3)が絶縁樹脂層(2)
上に設けられ、本発明による電子部材が製造される。
【0074】このようにして得られた電子部材は、その
後、所望の配線パターンが得られるようにレジスト
(4)を設けた後(図2(a)、電解メッキ層(5)を
設け(図2(b))、レジストを剥離し(図2
(c))、次いで、フラッシュエッチング処理によっ
て、前記の導電性材料(3)を除去すれば、導電性基材
(1)に、絶縁樹脂層(2)、導電性材料(3)および
電解メッキ層が順次形成された電子部材を得ることがで
きる。
【0075】電着層形成液 本発明の電子部材に用いることのできる電着層形成液
は、(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性
ポリマーを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜
5μm、好ましくは0.05〜3μmである粒子から構
成される水性分散体からなるものを主成分とする。
【0076】(成分AとBの割合)本発明の電子部材に
用いることのできる電着層形成液における有機溶剤可溶
性のポリイミドと親水性ポリマーとの使用割合は、有機
溶剤可溶性のポリイミドが、典型的には、20〜90重
量%、好ましくは30〜80重量%であり、親水性ポリ
マーが、典型的には、80〜10重量%、好ましくは7
0〜20重量%である。この場合、ポリイミドが20重
量%未満で、親水性ポリマーが80重量%を超えると、
水性分散体から得られる硬化物の電気絶縁性が低下する
傾向があり、またポリイミドが90重量%を超え、親水
性ポリマーが10重量%未満では、得られる水性分散体
の保存安定性が低下する傾向がある。
【0077】本発明の電子部材に用いることのできる電
着層形成液における水性媒体とは、水を主成分とする媒
体を意味する。この場合、水性媒体中における水の含有
率は、典型的には、40重量%以上、好ましくは50重
量%以上である。場合により水と共に使用される他の媒
体としては、例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリ
イミドの合成に使用される非プロトン性極性溶媒、エス
テル類、ケトン類、フェノール類や、前記親水性ポリマ
ーの合成に使用される極性溶媒と同様のものを挙げるこ
とができる。
【0078】電着層形成液の製造方法 本発明の電子部材に用いることのできる電着層形成液の
製造方法としては、前記所定の水性分散体が得られる限
り特に限定されるものではないが、例えば、(I)有機
溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを、有機溶
媒中にて溶液状態で混合したのち、この混合溶液を水性
媒体中に分散させて混合して、所定の平均粒子径の粒子
とし、場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去する
方法、(II)溶液から分離された有機溶媒可溶性のポリ
イミドと親水性ポリマーとを、固体状態で混合して、所
定の平均粒子径の粒子としたのち、該粒子を水性媒体中
に分散させる方法等を挙げることができるが、特に
(I)の方法が好ましい。これらの方法は、必要に応じ
て加熱下で実施することができる。
【0079】以下、本発明に用いることのできる電着層
形成液の製造方法を、前記(I)の方法を中心としてさ
らに具体的に説明する。
【0080】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法として
は、例えば、(i)別々に調製したポリイミドの溶液と
親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、(ii)ポリイ
ミドと親水性ポリマーのいずれか一方の溶液に、他方を
固体として添加して混合溶解する方法、(iii)ポリイ
ミドと親水性ポリマーをともに固体として有機溶媒に添
加して、混合溶解する方法等を挙げることができるが、
特に(i)の方法が好ましい。
【0081】ポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態
で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミ
ドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこ
れらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、
例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成
に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケト
ン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使
用される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有
機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、(i)の方法の場合、ポリイミドの
溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶媒は、
同一でも異なってもよい。
【0082】さらに、(i)〜(iii)の方法により得ら
れる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加する
ことができる。
【0083】この有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性
ポリマーとの混合溶液に加えることのできる化合物とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。これらの化合物
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0084】有機溶媒可溶性のポリアミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液の濃度は、両成分の合計量として、好
ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50
重量%である。
【0085】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを溶液状態で混合する際には、例えば、攪拌翼、
リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用すること
ができる。また、混合条件は、回転数が、典型的には、
10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,00
0rpmである。
【0086】また、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとを溶液状態で混合する際には、必要に応じ
て界面活性剤を適量添加することもできる。但し、得ら
れる電着層形成液を絶縁材として使用する場合は、界面
活性剤が絶縁耐久性を低下させる要因ともなることがあ
るため、その使用量を極力少なくすることが好ましい。
【0087】さらに、本発明においては、電着層形成液
のpHを、好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜
9とすることが望ましく、それにより、保存安定性が特
に優れた水性分散体を得ることができる。
【0088】このようなpH調整は、例えば、(iv)有
機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶
液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性媒体中
に分散させる方法、(v)有機溶媒可溶性のポリイミド
と親水性ポリマーとの混合溶液を、必要量のpH調整剤
を添加した水性媒体中に分散させる方法、(vi)有機溶
媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶液を
水性媒体中に分散させながら、必要量のpH調整剤を添
加する方法等により実施することができるが、特に(i
v)の方法が好ましい。なお、前記(ii)の方法におい
てpH調整する際には、予め必要量のpH調整剤を水性
媒体中に添加しておけばよい。
【0089】前記pH調整剤としては、特に限定される
ものではなく、例えば、アンモニア、トリエチルアミ
ン、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウ
ム、アルカノールアミン等の有機または無機の塩基;ぎ
酸、酢酸、酪酸、塩酸、硫酸等の有機または無機のプロ
トン酸等を挙げることができる。これらのpH調整剤
は、有機溶媒可溶性のポリイミド中の反応性基(a)あ
るいは親水性ポリマー中の親水性基や反応性基(b)の
種類や、これらの組み合せ等に応じて使い分けられる。
【0090】次に、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際に
は、該混合溶液に水性媒体を添加しても、あるいは該混
合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特に後者の方法
が好ましい。
【0091】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、例
えば、攪拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段
を採用することができる。また、混合条件は、電着層形
成液の固形分濃度、分散粒子の所望の平均粒子径等によ
って変わるが、回転数が、典型的には、10〜50,0
00rpm、好ましくは20〜5,000rpmであ
る。
【0092】電着層形成液を調製する際に、水以外の有
機溶媒あるいは媒体を除去する方法としては、例えば、
蒸留、限外ろ過等を挙げることができる。
【0093】本発明の電子部材形成に用いることのでき
る電着層形成液における水性媒体の合計使用量は、有機
溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの合計10
0重量部に対して、好ましくは10〜10,000重量
部、さらに好ましくは20〜5,000重量部である。
本発明の電子部材形成に用いることのできる電着層形成
液における粒子の平均粒子径は、0.03〜5μm、好
ましくは0.05〜2μmである。この場合、粒子の平
均粒子径が0.03μm未満では、水性分散体としたと
きの粘度が高くなりすぎ、また5μmを超えると、水性
分散体としての保存安定性が低下して、粒子が沈降しや
すくなる。この平均粒子径は、公知の光学的方法や電子
顕微鏡により測定することができる。
【0094】さらに、本発明においては、電着層形成液
を製造する際に、有機溶媒可溶性のポリイミド中の反応
性基(a)と親水性ポリマー中の反応性基(b)とを適
切に組み合せて、該ポリイミドと該親水性ポリマーと
を、有機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要に応じて
加熱しつつ、反応させたのち、この反応溶液と水性媒体
とを混合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部を除
去することにより、該ポリイミドと該親水性ポリマーと
を相互に結合して同一粒子内に含み、前記所定の平均粒
子径を有する粒子を、水性媒体中に分散させることによ
り、水系分散体としての保存安定性および硬化物の諸物
性に著しく優れた電着層形成液を製造することができ
る。
【0095】添加剤 本発明の電子部材形成に用いることのできる電着層形成
液には、必要に応じて各種の添加剤を配合することがで
きる。このような添加剤としては、例えば、エポキシ化
ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナ
フタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、
ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポ
キシ樹脂等のエポキシ化合物;トリレンジイソシアネー
ト等のジイソシアネート化合物やそのブロック化物;高
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂肪族ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフ
ィド、(変性)ポリカルボジイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレンオキシド
等の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙げることが
できる。
【0096】また、他の添加剤としては、例えば、クレ
ー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブ
ラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、酸
化チタン、ワラストナイト等の充填剤や、ガラス、カー
ボン、アルミナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウ
ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリ
アミドイミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超
高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂、高強度ポリアクリ
ロニトリル、高強力ポリビニルアルーコル等の繊維ある
いはウイスカー等の補強材を挙げることができる。ま
た、前記補強材は、例えば、織布、不織布、編み物等の
布帛の形で用い、該布帛に本発明の電子部材形成に用い
ることのできる電着層形成液を含浸させて使用すること
もできる。
【0097】前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0098】さらに、前記以外の添加剤としては、例え
ば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、防曇剤、接着性改
善剤、防かび剤等を挙げることができる。
【0099】また必要に応じて、少量の乳化剤や水溶性
分散剤を電着層形成液に添加することもできる。
【0100】導電性材料の形成 導電性材料は、好ましくは無電解めっきによって絶縁樹
脂層に形成させることができる。導電性材料および無電
解めっき方法は、従来から配線板や多層配線板などの電
子部材に従来から用いられているものの中から適当なも
のと適宜選択して使用することができあたる。例えば、
銅、コバルト、銀、金、ニッケル、クロム、亜鉛、鉛、
錫、白金、などを用いることができる。このような無電
解めっきにあたっては、各種の還元剤、錯化剤、pH調
整剤、pH緩衝剤、安定剤、改良剤などを共存させるこ
とができる。また、触媒としては、塩化パラジウムが好
ましい。
【0101】物理処理および化学処理 前記の導電性材料は、物理処理および/または化学的処
理と同時に、処理後に、形成される。物理的処理の好ま
しいものとしては、ウェットブラスト処理および放電処
理、UV処理、プラズマ処理があり、化学的処理の好ま
しい例としては過マンガン酸塩溶液に浸漬することから
なるものがある。
【0102】具体的処理内容は適宜定めることができる
が、本発明で好ましいものを示せば下記の通りである。
【0103】ウェットブラスト処理) アルミナビーズや球状シリカの砥粒を水に混入した状態
で、吹きつけて粗面化する方法 放電処理)放電現象を利用した表面処理法。放電にはア
ーク放電・グロー放電・コロナ放電があり、処理は適宜
定めることができる。 プラズマ処理法)プラズマを利用した表面処理法。プラ
ズマを発生させる方法にはグロー放電処理とコロナ放電
処理がある。また、プラズマ中の励起不活性気体による
CASING処理もできる。 UV処理)UV(紫外線)処理は255nm以下の低波
長成分を含むUV(紫外線)光およびそれによってよれ
に発生したオゾンにより有機物表面を改質させる方法で
ある。 過マンガン酸塩溶液処理)過マンガン酸塩溶液処理の通
常の工程は、膨潤処理、過マンガン酸塩処理、中和処理
の3ステップから成り立っている。膨潤処理は樹脂を柔
らかくし、この柔らかになった樹脂を過マンガン酸塩処
理で酸化エッチングし粗面化させる。最後に中和処理に
て過マンガン酸塩の残さ物と反応生成物を中和除去す
る。
【0104】導電性材料は、物理処理および/または化
学的処理と同時にまたは処理後に形成される。ここで、
導電性材料を物理処理および/または化学的処理と同時
に形成されるとは、具体的には、イオンプレーティン
グ、真空蒸着、スパッタリングされるということを示す
ものである。
【0105】レジストの形成 本発明の電子部材に用いることのできるレジスト(4)
の形成方法および材料は、電気絶縁層をパターンニング
することが可能であれば、特に限定されない。この方法
としては、例えばフォトレジスト、スクリーン印刷、精
密ディスペンス、エッチングが挙げられる。このうち、
微細パターン形成に有利なフォトレジストを使用するこ
とが好ましい。また、材料は、絶縁性であれば有機膜、
無機膜を問わず適用することができるが、後の工程にお
いて耐酸性、耐溶剤性、耐電圧等が要求される場合があ
るため、このような特性を有するものを使用することが
より好ましい。特に好ましい具体例としては、環化ゴム
系フォトレジスト、熱硬化性を有するアクリル系レジス
ト、メラミン系レジスト、水溶性コロイド系フォトレジ
ストがあげられる。
【0106】本発明の電子部材に用いることのできる原
版に用いることのできる電気絶縁性のマスクパターンは
典型的には以下のように形成する。導電性基板の表面に
公知の方法でマスクを形成する。次いで所定パターンの
フォトマスクを介してマスクパターンに紫外線を照射
し、露光、現像する。かくして、導電性基板の表面に所
定パターンのマスクパターン及び非マスク部が形成され
る。
【0107】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの
実施例に何ら制約されるものではない。以下において、
特記しない限り、「部」および「%」は重量基準であ
る。
【0108】ポリイミドの合成 合成例1 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)、4,4’−[2,2,2−トリ
フルオロメチル−1−(トリフルオロ)エチリデン]ビ
ス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物)17.78
g(40ミリモル)および1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン
化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)
および式(10)に対応するオルガノシロキサンLP7
100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミリモ
ル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し
て、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液
に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、1
00℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶
液を減圧留去して精製し、対数粘度0.51dl/g、
イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む固形
分10%のポリイミド(A−1)の溶液を得た。
【0109】合成例2 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8
8g(100ミリモル)、ジアミン化合物として2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン32.84g(80ミリモル)、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン1.98g(10ミリモル)および
式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−1
61AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリ
モル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解
して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶
液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.45dl/
g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む
固形分10%のポリイミド(A−2)の溶液を得た。
【0110】合成例3 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)および3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11(50
ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン28.7
4g(70ミリモル)、ジアミノ安息香酸(20ミリモ
ル)および式(10)に対応するオルガノシロキサンX
−22−161AS(商品名、信越化学製)9.00g
(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン50
0gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、
この反応溶液に、ピリジン8gおよび無水酢酸10gを
添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次い
で、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.48
dl/g、イミド化率50%で、50%のポリアミック
酸を含む固形分10%のポリイミド(A−3)の溶液を
得た。
【0111】親水性ポリマーの合成 合成例4 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、グリシジルメタアクリレート5部およ
びアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5
時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行
なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続け
て、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマ
ー(B−1)の溶液を得た。
【0112】合成例5 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、イソシアナトエチルメタアクリレート
5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水
性ポリマー(B−2)の溶液を得た。
【0113】合成例6 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート60部、メチルメタアクリレート
5部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部、
グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブ
チロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的
に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−3)の溶
液を得た。
【0114】合成例7 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、スチレン5部、メタクリル
酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からな
る混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で
溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時
間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の
親水性ポリマー(B−4)の溶液を得た。
【0115】合成例8 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート65部、メチルメタアクリレート
5部、アクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニト
リル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加し
つつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85
℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、
固形分50%の親水性ポリマー(B−5)の溶液を得
た。
【0116】電着膜形成液の調製 調製例1 ポリイミド(A−1)の溶液70部(固形分)に対し
て、親水性ポリマー(B−1)の溶液30部(固形分)
を添加して十分混合し、70℃で3時間加熱したのち、
酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。
次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く撹拌
して、凝集物のない電着液Aを得た。
【0117】調製例2 親水性ポリマーとして(B−2)を用いた以外は、調製
例1と同様にして、電着液Bを得た。
【0118】調製例3 親水性ポリマーとして(B−3)を用いた以外は、調製
例1と同様にして、電着液Cを得た。
【0119】調製例4 ポリイミドの量(A-2)を50部(固形分)、親水性
ポリマー(B−1)を30部(固形分)および添加剤と
してエピコートYL980(商品名、油化シェル製)2
0部(固形分)を用いた以外は、調製例1と同様にし
て、電着液Dを得た。
【0120】調製例5 ポリイミド(A-3)を50部(固形分)、親水性ポリ
マー(B−1)を30部(固形分)および添加剤として
エピコートYX4000H(油化シェルエポキシ)を2
0部用いた以外は、調製例1と同様にして、電着液Eを
得た。
【0121】調製例6 ポリイミド(A-1)を30部(固形分)、親水性ポリマ
ー(B-2)を40部(固形分量)および添加剤として
エピコートXL980(商品名、油化シェルエポキシ
製)を30部用いた以外は調製例1と同様にして、電着
液Fを得た。
【0122】調製例7 ポリイミドとして(A−2)を50部(固形分)、親水
性ポリマー(B―4)を30部(固形分量)、添加剤と
してエピコートYX4000H(商品名、油化シェルエ
ポキシ製)を20部(固形分)、pH調節剤としてトリ
エタノールアミンを用いた以外は、調製例1と同様にし
て、電着液Gを得た。
【0123】調製例8 ポリイミド(A−3)を50部(固形分)、親水性ポリ
マーとして(B−5)を30部、添加剤としてエピコー
ト1001(商品名、油化シェルエポキシ製)を20部
(固形分)、pH調節剤としてトリエタノールアミンを
用いた以外は、調製例1と同様にして、電着液Hを得
た。
【0124】実施例1 1)電着被覆 金属基板(SUS304、厚さ0.1mm)上にレジス
トを塗布し、露光現像によりパターンを両面に設け、塩
化第二鉄溶液にてエッチング、レジスト剥離を行い、2
00μmの貫通穴を設けた。調整された電着液A浴中
で、金属基板を陰極に、白金電極を陽極にして、温度2
5℃、極間4cm、電圧150Vを印加し、60sec
で電着し、ウェット膜厚50μmの塗膜を得た。
【0125】2)乾燥、硬化 減圧下60℃-1時間の乾燥の後、窒素雰囲気下で25
0℃-1時間硬化処理を行い、絶縁被覆金属基板を得
た。
【0126】3)粗化処理 マコー(株)製ウェットブラスト装置にて、アルミナ砥
石、0.7kg/mの水圧、10m/minの処理速度
で絶縁被覆金属基板に処理を行った。
【0127】4)無電解めっき 水洗後、下記の材料、工程で絶縁被覆金属基板に無電解
Niめっき処理を行った。 センタイジング:S−10X(上村工業製)室温 3
分 アクチベータ:A-10X(上村工業製)室温 3分 無電解めっき:NPR-4(上村工業製)80℃ 1
分 めっき層が約0.2μmの無電解Niめっき層付き絶縁
被覆部材を得た。
【0128】5)レジストイメージング 上記無電解Niめっき付き絶縁被覆部材上に東京応化製
レジスト「PMER-AR900」を乾燥(85℃-30
分)後10μmの厚さで塗布。露光現像を行い、所定の
パターンを形成した。 乾燥条件:85℃30分 露光条件:300mj/cm 現像:P−6G(東京応化工業(株)製)3分浸漬
【0129】6)電解めっき 下記のめっき浴にて電解めっきを行い、銅の膜厚を10
μmにした。 銅めっき組成 硫酸銅5水和物 70g/L 硫酸 200g/L 塩酸 0.5g/L スーパースロー2000光沢剤 10ml/L スーパースロー2000補正剤 5ml/L 温度 25℃ 電流密度 4A/dm 処理時間 12分
【0130】7)レジスト剥離 アセトンに1分間浸漬することによって上記レジストの
剥離を行った。
【0131】8)余分な金属層の除去 余分なNiめっきはニムデンリップC−11にて剥離。
触媒除去するために、アルメックス(株)製PTHパラ
ジウムリムーサーにて除去を行い電子部材を作製した。
【0132】実施例2 実施例1の電着液Aを、電着液Bに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0133】実施例3 実施例1の電着液Aを、電着液Cに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0134】実施例4 実施例1の電着液Aを、電着液Dに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0135】実施例5 実施例1の電着液Aを、電着液Eに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0136】実施例6 実施例1の電着液Aを、電着液Fに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0137】実施例7 実施例1の電着液Aを、電着液Gに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0138】実施例8 実施例1の電着液Aを、電着液Hに換えて1)電着被覆
時に金属基板を陽極に、白金電極を陰極にして電着し、
後は同様に電子部材を作製した。
【0139】実施例9 1)電着被覆 金属基板(SUS304、厚さ0.1mm)上にレジス
トを塗布し、露光現像によりパターンを両面に設け、塩
化第二鉄溶液にてエッチング、レジスト剥離を行い、2
00μmの貫通穴を設けた。調整された電着液浴中で、
温度25℃、極間4cm、電圧150Vを印加し、60
secで電着し、ウェット膜厚50μmの塗膜を得た。
【0140】2)乾燥、硬化 減圧下60℃-1時間の乾燥の後、窒素雰囲気下で25
0℃-1時間硬化処理を行い、絶縁被覆金属基板を得
た。
【0141】3)スパッタ工程 アネルバ(株)製:装置SPF−530Hにて銅金属を
スパッタリングし、銅金属層が約0.2μmの銅金属層
付き絶縁被覆部材を得た。
【0142】4)レジストイメージング 上記銅金属層付き絶縁被覆部材上に東京応化製レジスト
「PMER-AR900」を乾燥(85℃-30分)後10
μmの厚さで塗布。露光現像を行い、所定のパターンを
形成した。 乾燥条件:85℃30分 露光条件:300mj/cm 現像:P−6G(東京応化工業(株)製)3分浸漬
【0143】5)電解めっき 下記のめっき浴にて電解めっきを行い、銅の膜厚を10
μmにした。 銅めっき組成 硫酸銅5水和物 70g/L 硫酸 200g/L 塩酸 0.5g/L スーパースロー2000光沢剤 10ml/L スーパースロー2000補正剤 5ml/L 温度 25℃ 電流密度 4A/dm 処理時間 12分
【0144】6)レジスト剥離 アセトンに1分間浸積することによって上記レジストの
剥離を行った。
【0145】7)余分な金属層の除去 余分な銅めっきはエンプレートAD−485(メルテッ
クス社製)でソフトエッチングして、電子部材を形成し
た。
【0146】実施例10 実施例9の電着液Aを、電着液Dに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0147】実施例11 実施例9の電着液Aを、電着液Eに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0148】実施例12 実施例9の電着液Aを、電着液Fに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0149】実施例13 実施例9の電着液Aを、電着液Gに換えて同様に電子部
材を作製した。
【0150】実施例14(コロナ放電) 実施例1の3)の粗化処理をウエットブラストの代わり
に、コロナ保電(+極)5KVで3分間処理した以外は
実施例1と同様に電子部材を作製した。
【0151】実施例15 実施例14の電着液Aを、電着液Dに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0152】実施例16 実施例14の電着液Aを、電着液Eに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0153】実施例17 実施例14の電着液Aを、電着液Fに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0154】実施例18 実施例14の電着液Aを、電着液Gに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0155】実施例19(UV処理) 実施例1の3)の粗化処理をウエットブラストのかわり
に、ステージ温度150℃でUV・オゾン処理(装置:
DUV−1100−2B/日本電池(株)製)3分間処
理した以外は実施例1と同様にして電子部材を作製し
た。
【0156】実施例20 実施例19の電着液Aを、電着液Dに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0157】実施例21 実施例14の電着液Aを、電着液Eに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0158】実施例22 実施例14の電着液Aを、電着液Fに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0159】実施例23 実施例14の電着液Aを、電着液Gに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0160】実施例24(プラズマ処理) 実施例1の3)の粗化処理をウエットブラストの代わり
に、放電電流150mAで酸素プラズマ処理を5分間施
した以外は実施例1と同様にして電子部材を作製した。
【0161】実施例25 実施例24の電着液Aを、電着液Dに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0162】実施例26 実施例24の電着液Aを、電着液Eに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0163】実施例27 実施例24の電着液Aを、電着液Fに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0164】実施例28 実施例24の電着液Aを、電着液Gに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0165】実施例29(過マンガン酸塩処理) 実施例1の3)の粗化処理をウエットブラストの代わり
に、以下に示す工程を行った以外は実施例1と同様にし
て電子部材を作製した。
【0166】1)試料を、マキュダイザー9204(商
品名/日本マクダミッド株式会社製)にて、液温35で
1分間浸漬し、水洗する。
【0167】2)試料を、マキュダイザー9275(商
品名/日本マクダミッド株式会社製)にて、75℃の過
マンガン酸塩溶液に2分間浸漬し、回収水洗し、水洗す
る。
【0168】3)試料を、43℃のマキュダイザー92
79(商品名/日本マクダミッド株式会社製)にて、1
分間浸漬後、水洗し、乾燥する。
【0169】実施例30 実施例29の電着液Aを、電着液Dに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0170】実施例31 実施例29の電着液Aを、電着液Eに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0171】実施例32 実施例29の電着液Aを、電着液Fに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0172】実施例33 実施例29の電着液Aを、電着液Gに換えて同様に電子
部材を作製した。
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁性の高い樹脂層と
金属層の密着性が高い電子部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部材の製造法の好ましい一例
の概要を示す図
【図2】本発明による電子部材の製造法の好ましい一例
の概要を示す図
【符号の説明】
1 導電性基材 2 絶縁樹脂層 3 導電性材料 4 レジスト 5 電解メッキ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/05 H05K 1/05 B Fターム(参考) 4F100 AB04 AK01B AK49B BA03 BA10A BA10C DE01B EA06B EH66B EH71B EJ01 EJ12B EJ15 EJ34B EJ42B EJ51 EJ54B EJ61B GB41 JB05B JB07B JG01A JG01C JG04B JK06 JL11 JM01B YY00B 5E315 AA05 BB01 BB16 CC09 CC11 DD11 GG20

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基材の表面の少なくとも一部に絶縁
    樹脂層が設けられ、この絶縁樹脂層上に導電性材料を有
    する電子部材であって、前記絶縁樹脂層が(A)有機溶
    媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーとからな
    るものであり、かつ前記導電性材料が前記絶縁樹脂層の
    物理処理および/または化学処理と同時に、または処理
    後に、形成されたものであることを特徴とする、電子部
    材。
  2. 【請求項2】前記絶縁樹脂層が、(A)有機可溶性のポ
    リイミドと(B)親水性ポリマーとを同一分子内に含
    み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子が水性媒
    体中に分散してなるエマルジョン溶液から形成された絶
    縁樹脂層であることを特徴とする、請求項1記載の電子
    部材。
  3. 【請求項3】前記絶縁樹脂層が、電着法により形成され
    たものであることを特徴とする、請求項2記載の電子部
    材。
  4. 【請求項4】前記絶縁樹脂層が、(A)成分としてカル
    ボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン基、アミド
    基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より
    選ばれた反応性基(a)を1種以上有する有機溶媒可溶
    性のポリイミドと前記(B)成分としてエポキシ基、イ
    ソシアネート基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、
    スルホン酸基、およびアミド基から選ばれた反応性基
    (b)を1種以上有する親水性ポリマー、 とを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して、反応させた
    のち、この反応後の溶液と水性媒体とを混合して得られ
    る電着液を用いて形成されたものであることを特徴とす
    る、請求項3記載の電子部材。
  5. 【請求項5】前記絶縁樹脂層が、前記(A)成分と前記
    (B)成分との反応時に、反応物の加熱を行い、この反
    応後の溶液と水性媒体との混合時に有機溶媒の少なくと
    も一部を除去して得られた電着液から形成されたもので
    あることを特徴とする、請求項4に記載の電子部材。
  6. 【請求項6】前記導電性材料が、無電解めっきによって
    形成されたものであることを特徴とする、請求項1〜5
    のいずれか1項に記載の電子部材。
  7. 【請求項7】前記導電性材料が、スパッタ法にで形成さ
    れたものであることを特徴とする、請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の電子部材。
  8. 【請求項8】前記物理処理が、ウェットブラストである
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに1項に記
    載の電子部材。
  9. 【請求項9】前記物理処理が、プラズマ処理であること
    を特徴とする、請求項1〜7のいずれかに1項に記載の
    電子部材。
  10. 【請求項10】前記化学処理が、過マンガン酸塩溶液に
    浸漬することからなることを特徴とする、請求項1〜7
    項のいずれか1項に記載の電子部材。
  11. 【請求項11】前記物理処理が、UV処理であることを
    特徴とする、請求項1〜7のいずれかに1項に記載の電
    子部材。
  12. 【請求項12】前記物理処理が、放電処理であることを
    特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子
    部材。
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