JP2001300951A - フィルムの製造方法およびこの方法により製造されたフィルム - Google Patents

フィルムの製造方法およびこの方法により製造されたフィルム

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JP2001300951A
JP2001300951A JP2000118245A JP2000118245A JP2001300951A JP 2001300951 A JP2001300951 A JP 2001300951A JP 2000118245 A JP2000118245 A JP 2000118245A JP 2000118245 A JP2000118245 A JP 2000118245A JP 2001300951 A JP2001300951 A JP 2001300951A
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conductive
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conductive pattern
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Takako Yamada
貴子 山田
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムとの分離性および耐薬品性のよい非
導電性パターンを用いたフィルムの製造方法、およびこ
の方法により製造されたフィルムを提供する。 【解決手段】 下記成分〔A〕と光酸発生剤とを含む組
成物を光硬化させてなる非導電性パターンにより導電性
基体の一部を被覆し、これに重合体等からなる電着性粒
子を電着してフィルムを形成させ、次いで上記非導電性
パターンを剥離する。あるいは、非導電性パターンによ
り導電性基体の一部を被覆した後、導電性基体の他部に
離型性の導電性層を形成し、これに電着性粒子を電着し
てフィルムを形成させ、次いでこのフィルムを導電性層
から離型する。 〔A〕一般式「(R1PSi(X)4-P」で示される加
水分解性シラン化合物、その加水分解物、およびその縮
合物のうち少なくとも一つの化合物。式中、R 1は非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、pは0〜3の整
数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光硬化性組成物を
光硬化させてなるシラン系の非導電性パターンを用いて
パターン化されたフィルムを形成するフィルムの製造方
法、およびこの方法により製造されたフィルムに関す
る。本発明は、回路基板、半導体装置等の絶縁保護層、
絶縁性接着層、応力緩和層等に用いられるフィルム、お
よびその製造方法として好適である。
【0002】
【従来の技術】導電体上にフィルムを形成する方法とし
て電着法が知られている。この電着法において、導電体
の一部を非導電性パターンで覆った後に電着を行うこと
により、導電体のうち非導電性パターンで覆われていな
い部分の形状に沿ってパターン化されたフィルム(以
下、「パターン化フィルム」ともいう。)等を得ること
ができる。導電体上に非導電性パターンを設けるには、
塗布法、印刷法、フォトリソグラフィー法等が用いられ
る。このうちフォトリソグラフィー法は、超微細加工が
可能であることから半導体やプリント回路基板等の製造
に使用されている。従来、上記非導電性パターンとして
は、一般的なレジスト樹脂等からなる有機系のものが多
く用いられている。また、パターン化に用いられた非導
電性パターンは、フィルムの形成後には通常不要となる
ためフィルムとは分離される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、形成されたフ
ィルムと非導電性パターンとを分離する際、フィルムお
よび非導電性パターンの材質がいずれも有機系である
と、フィルムと非導電性パターンとの界面の密着性が高
いため、フィルムから非導電性パターンを確実に分離除
去することが困難であった。例えば、フィルムとの界面
(特にパターンの隅部等)に非導電性パターンが残存し
たり、あるいはフィルムの端部が変形したり切れたりす
る場合があった。また、従来のレジスト用樹脂等からな
る非導電性パターンは耐薬品性が十分とはいえず、例え
ば強酸性のメッキ液を用いて金属メッキを施す場合等に
おいて、この非導電性パターンの剥離や溶解を生じると
いう問題があった。
【0004】本発明の目的は、有機系材料からなるフィ
ルムとの分離性が良好であり、かつ耐薬品性の高い非導
電性パターンを用いたフィルムの製造方法を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、上記の製造方法により
製造されたフィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の有
機系の非導電性パターンに代えて、所定の光硬化性組成
物を光硬化させてなるシラン系の非導電性パターンを用
いることにより、上記課題を解決できることを見出して
本発明を完成した。
【0006】請求項1記載のフィルムの製造方法は、導
電性材料からなる基体の表面の一部を、下記〔A〕成分
および下記〔B〕成分を含有する光硬化性組成物を光硬
化させてなる非導電性パターンにより被覆した後、重合
性化合物および重合体の少なくとも一方を含む電着性粒
子を電着してフィルムを形成させ、次いで上記非導電性
パターンを剥離することにより上記基体上にパターン化
フィルムを得ることを特徴とする。 〔A〕成分;下記一般式(1)で示される加水分解性シ
ラン化合物、その加水分解物、およびその縮合物からな
る群から選択される少なくとも一つの化合物。 (R1PSi(X)4-P (1) 〔一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、pは0〜3の整
数である。〕 〔B〕成分;光酸発生剤
【0007】請求項2記載のフィルムの製造方法は、導
電性材料からなる基体の表面の一部を請求項1記載の非
導電性パターンにより被覆した後、上記基体の表面の他
部に無機微粒子およびフッ素含有有機微粒子の少なくと
も一方を含む導電性層を形成してなる導電性層付基体
に、重合性化合物および重合体の少なくとも一方を含む
電着性粒子を電着してフィルムを形成させ、次いで上記
フィルムを上記導電性層から離型することによりパター
ン化フィルムを得ることを特徴とする。
【0008】上記電着性粒子は、請求項3記載のよう
に、粒子表面に電荷を有し、ポリイミド系樹脂、エポキ
シ系樹脂、アクリル系樹脂およびポリエステル系樹脂か
ら選択される少なくとも一種の樹脂からなることが好ま
しい。そして、請求項4記載のフィルムは、請求項1か
ら3のいずれか一項に記載の方法により製造されたこと
を特徴とする。
【0009】以下、本発明につきさらに詳しく説明す
る。なお、本発明における「フィルム」とは、ある程度
の面積を有する連続フィルムのみならず、たとえば半導
体装置における絶縁膜のような微小面積の膜等をも含む
意味である。
【0010】(1)導電性基体 本発明の製造方法では、導電性材料からなる基体(以下
「導電性基体」ともいう。)を使用する。この導電性基
体は、導電性を有する材料からなるものであれば特に限
定されないが、通常はSUS、アルミニウム、銅、鉄、
ニッケル、シリコン等の金属からなるものが好ましく使
用される。基体の形状は問わないが、通常は平板状の基
体を用いることが好ましい。
【0011】(2)非導電性パターン 本発明の製造方法では、上記導電性基体の表面の一部を
非導電性材料からなるパターン(非導電性パターン)で
覆い、製造しようとするフィルムの形状に合わせたパタ
ーンで基体を露出させる。この非導電性パターンは、所
定のシラン系化合物〔A〕と、光酸発生剤〔B〕とを含
有する光硬化性組成物を光硬化させて形成される。以
下、この光硬化性組成物につき説明する。
【0012】(2−1)加水分解性シラン化合物 構造 上記光硬化性組成物の〔A〕成分は、下記一般式(1)
で示される加水分解性シラン化合物、その加水分解物、
およびその縮合物からなる群から選択される少なくとも
一つの化合物である。 (R1PSi(X)4-P (1) 〔一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
水分解性の有機基、Xは加水分解性基、pは0〜3の整
数である。〕
【0013】ここで、Xで表される加水分解性基は、通
常、無触媒、過剰の水の共存下、室温(25℃)〜10
0℃の温度範囲内で加熱することにより、加水分解され
てシラノール基を生成することができる基、もしくはシ
ロキサン縮合物を形成することができる基を指す。ま
た、一般式(1)中の添え字pは0〜3の整数であ
り、、より好ましくは0〜2の整数であり、特に好まし
くは1である。
【0014】ただし、一般式(1)で示される加水分解
性シラン化合物の加水分解物において、一部は未加水分
解の加水分解性基が残っていても良く、その場合、加水
分解性シラン化合物と加水分解物との混合物となる。ま
た、加水分解性シラン化合物の「加水分解物」というと
きは、加水分解反応によりアルコキシ基がシラノール基
に変わった化合物ばかりでなく、一部のシラノール基同
士が縮合した部分縮合物をも意味している。さらに、加
水分解性シラン化合物は、光硬化性組成物を配合する時
点で加水分解されている必要は必ずしもなく、光照射す
る段階で、少なくとも一部の加水分解性基が加水分解さ
れていれば良い。すなわち、加水分解性シラン化合物を
予め加水分解せずに光硬化性組成物を調整した場合に
は、事前に水を添加し、加水分解性基を加水分解させて
シラノール基を生成することにより、この光硬化性組成
物を光硬化させて非導電性パターンを形成することがで
きる。
【0015】有機基R1 一般式(1)における有機基R1は、非加水分解性であ
る1価の有機基の中から選ぶことができる。このような
非加水分解性の有機基として、非重合性の有機基および
重合性の有機基あるいはいずれか一方の有機基を選ぶこ
とができる。なお、有機基R1における「非加水分解
性」とは、加水分解性基Xが加水分解される条件におい
て、そのまま安定に存在する性質であることを意味す
る。
【0016】ここで、非重合性の有機基R1としては、
アルキル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられ
る。これらは、直鎖状、分岐状、環状あるいはこれらの
組合わせであっても良い。また、非重合性の有機基R1
は、ヘテロ原子を含む構造単位とすることも好ましい。
そのような構造単位としては、エーテル、エステル、ス
ルフィド等を例示することができる。ただし、ヘテロ原
子を含む場合、光硬化性を阻害することがないことから
非塩基性であることが好ましい。
【0017】また、重合性の有機基R1としては、分子
中にラジカル重合性の官能基およびカチオン重合性の官
能基あるいはいずれか一方の官能基を有する有機基であ
ることが好ましい。このような官能基を有機基R1中に
導入することにより、ラジカル重合やカチオン重合を併
用して、光硬化性組成物をより速く硬化させることがで
きる。特に、カチオン重合性の官能基、例えば、オキセ
タン基やエポキシ基を有機基R1に導入すると、これら
の基の硬化反応を同時に生じさせることができることか
ら、光硬化性組成物をより速く硬化させることができ
る。
【0018】加水分解性基X 一般式(1)における加水分解性基Xとしては、水素原
子、炭素数1〜12のアルコキシ基(メトキシ基、エト
キシ基等)、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ
素等)、アミノ基(アミノ基、ジメチルアミノ基等)お
よびカルボキシル基(アセトキシ基、ブチロイルオキシ
基等)等が挙げられる。
【0019】加水分解物の分子量 加水分解性シラン化合物の加水分解物における分子量
は、移動相にテトラヒドロフランを使用したゲルパーミ
エーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記す
る。)を用い、ポリスチレン換算の重量平均分子量とし
て測定することができる。この重量平均分子量の好まし
い範囲は通常500〜10000であり、より好ましく
は1000〜5000である。加水分解物における重量
平均分子量の値が500未満の場合には塗膜の成膜性が
低下する傾向があり、一方10000を超えると光硬化
性が低下する傾向がある。
【0020】(2−2)光酸発生剤 定義 上記光硬化性組成物の〔B〕成分である光酸発生剤は、
光等のエネルギー線を照射することにより、上記〔A〕
成分を光硬化(架橋)可能な酸性活性物質を放出するこ
とができる化合物と定義される。この光酸発生剤を分解
させてカチオンを発生するために照射する光エネルギー
線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β
線、γ線等を挙げることができる。このうち紫外線を使
用することが好ましい。
【0021】光酸発生剤の種類 光硬化性組成物に使用する光酸発生剤としては、一般式
(2)で表される構造を有するオニウム塩(第1群の化
合物)や一般式(3)で表される構造を有するスルフォ
ン酸誘導体(第2群の化合物)を挙げることができる。
【0022】 [R2 a3 b4 c5 dW]+m[MZm+n]+m (2) [一般式(2)中、カチオンはオニウムイオンであり、
WはS、Se、Te、P、As、Sb、Bi、O,I、
Br、Clまたは−N≡Nであり、R2、R3、R 4およ
びR5は同一または異なる有機基であり、a、b、cお
よびdはそれぞれ0〜3の整数であって、(a+b+c
+d)はWの価数に等しい。また、Mはハロゲン化物錯
体[MXm+n] の中心原子を構成する金属またはメタロイ
ドであり、例えばB、P、As、Sb、Fe、Sn、B
i、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、V、Cr、
Mn、Coである。Zは、例えばF、Cl、Br等のハ
ロゲン原子またはアリール基であり、mはハロゲン化物
錯体イオンの正味の電荷であり、nはMの原子価であ
る。]
【0023】 Qs−〔S(=O)2−R6t (3) [一般式(3)中、Qは1価もしくは2価の有機基、R
6は炭素数1〜12の1価の有機基、添え字sは0又は
1、添え字tは1又は2である。]
【0024】まず、第1群の化合物であるオニウム塩
は、光を受けることにより酸性活性物質を放出すること
ができる化合物である。このような第1群の化合物のう
ち、より有効なオニウム塩は芳香族オニウム塩であり、
特に好ましくは下記一般式(4)で表されるジアリール
ヨードニウム塩である。 [R7−Ar1−I+−Ar2−R8][Y-] (4) [一般式(4)中、R7およびR8は同一または異なる1
価の有機基であり、R7およびR8の少なくとも一方は炭
素数が4以上のアルキル基を有しており、Ar1および
Ar2は同一または異なる芳香族基であり、Y-は1価の
陰イオンであって周期表3族および5族元素のフッ化物
陰イオンならびにClO4 -、CF3 -、SO 3 -から選択さ
れる。]
【0025】また、第2群の化合物としての一般式
(3)で表されるスルフォン酸誘導体としては、ジスル
ホン類、ジスルホニルジアゾメタン類、ジスルホニルメ
タン類、スルホニルベンゾイルメタン類、イミドスルホ
ネート類、ベンゾインスルホネート類、1−オキシ−2
−ヒドロキシ−3−プロピルアルコールのスルホネート
類、ピロガロールトリスルホネート類、ベンジルスルホ
ネート類が挙げられる。このうちイミドスルホネート類
が好ましく、イミドスルホネートのうちトリフルオロメ
チルスルホネート誘導体が特に好ましく用いられる。
【0026】光酸発生剤の添加量 上記光硬化性組成物に使用される光酸発生剤〔B〕の添
加量(含有割合)は、特に制限されるものではないが、
〔A〕成分100重量部に対して、通常0.1〜15重
量部の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10重量部
である。光酸発生剤の添加量が0.1重量部未満となる
と光硬化性が低下し、十分な硬化速度が得られない傾向
がある。一方、光酸発生剤の添加量が15重量部を超え
ると、得られる硬化物の耐候性や耐熱性が低下する傾向
がある。
【0027】(2−3)その他の成分 上記光硬化性組成物は、必須成分である〔A〕成分およ
び〔B〕成分に加えてラジカル発生剤、脱水剤、光増感
剤、有機溶剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング
剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、
無機充填剤、顔料、染料等の添加剤を必要に応じてさら
に含有させることができる。
【0028】上記「ラジカル発生剤」としては、一般的
なラジカル重合開始剤等を使用することができる。中性
の活性物質であるラジカルは、シラノール基の縮合反応
を促進することはないが、〔A〕成分中にラジカル重合
性の官能基を有する場合に、この官能基の重合を推進さ
せることができる。したがって、光硬化性組成物をより
効率的に硬化させることができる。
【0029】上記「脱水剤」は、化学反応により水以外
の物質に変換する化合物、物理吸着または包接により、
光硬化性および保存安定性に水の影響を与えなくする化
合物と定義される。このような脱水剤を含有させること
により、光硬化性組成物の耐候性や耐熱性を損なうこと
なく、保存安定性や光硬化性という相反する特性を向上
させることができる。脱水剤の種類は特に制限されるも
のでないが、有機化合物としてはカルボン酸エステル、
アセタール類(ケタール類を含む。)、およびカルボン
酸無水物等の化合物群から適宜選択して用いることがで
きる。また、無機化合物では、脱水機能を有するセラミ
ック粉体が好ましく使用される。
【0030】(2−4)硬化方法 上記光硬化性組成物から非導電性パターンを形成する際
には、従来の一般的な光硬化性組成物と同様の塗布方
法、マスク方法、硬化方法等を用いることができる。例
えば光硬化の手段としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀
ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーランプ等の
光源を用いて、波長200〜500nmの光を、露光量
が50〜5000mJ/cm2の範囲内の値となるよう
に照射することが好ましい。なお、現像液の好ましい例
としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド
(以下、「TMAH」ともいう。)、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ
水溶液が挙げられる。
【0031】本発明の製造方法に用いる非導電性パター
ンの厚さは、0.1〜100μmとすることが好まし
く、1〜50μmとすることがより好ましい。この厚さ
が0.1μm未満ではピンホールが発生して導通部が生
じる場合があり、また厚さが100μmを超えると非導
電性パターンの寸法精度が低下する恐れがある。
【0032】(3)導電性層付基体 請求項2記載の製造方法においては、上記非導電性パタ
ーンが形成された基体(以下、「非導電性パターン付基
体」ともいう。)の表面のうち、非導電性パターンが形
成されていない部分(すなわち、基体が露出している部
分)に、無機微粒子およびフッ素含有有機微粒子の少な
くとも一方を含む導電性層を形成してなる「導電性層付
基体」を使用する。
【0033】上記無機微粒子は、導電性層に離型性を付
与しうるものであれば特に限定されないが、その硬度は
2以上(より好ましくは硬度3以上、さらに好ましくは
硬度4以上)であることが好ましい。無機微粒子の硬度
が2未満であると導電性層の耐久性が不足する場合があ
る。無機微粒子の例としては、アルミナ、シリカ、炭化
珪素、黒鉛、フッ化黒鉛、窒化ホウ素等から選択される
一種または二種以上からなる微粒子が挙げられ、一般に
固体潤滑剤といわれる物質からなるものが好ましく使用
される。特に炭化珪素またはシリカを用いることが好ま
しい。
【0034】上記フッ素含有有機微粒子は、導電性層に
離型性を付与しうるものであれば特に限定されるもので
はない。フッ素含有有機微粒子の例としては、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチ
レン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、
テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)等から選択される一種また
は二種以上からなる微粒子が挙げられる。本発明の製造
方法においては、PTFE微粒子が特に好ましく使用さ
れる。
【0035】これらの無機微粒子およびフッ素含有有機
微粒子(以下、「離型性微粒子」ともいう。)の平均粒
子径は特に制限されるものではないが、通常は0.01
〜100μmであり、0.01〜30μmであることが
好ましく、0.05〜10μmであることがより好まし
い。
【0036】上記導電性層を形成する方法は特に限定さ
れず、塗布法、印刷法、メッキ法等の従来公知の方法を
使用することができる。このうち、非導電性パターンに
覆われていない部分の形状に沿った導電性層を形成しや
すいことから、メッキ法を用いることが特に好ましい。
例えば、上記離型性微粒子を含むメッキ液を用いて、亜
鉛、銅、ニッケル、金、スズ、コバルト、銀、またはこ
れらの合金等の金属類と上記離型性微粒子とを共析させ
るメッキ処理により導電性層を形成することができる
(以下、本発明の導電性層がメッキ処理により形成され
たものである場合、この導電性層を「導電性メッキ層」
ともいう。また、導電性メッキ層が形成された基体を
「メッキ層付基体」ともいう。)。上記メッキ液は、フ
ィルムの製造に必要な導電性が確保される範囲で、金属
以外の無機材料または有機材料をさらに含有してもよ
い。メッキ液中に含まれる離型性微粒子の量は、この微
粒子の共析量が1〜60重量%となる範囲が好ましく、
より好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは10
〜30重量%である。微粒子の共析量が1重量%以下で
は十分な離型性が得られず、また共析量60重量%を超
えると導電性メッキ層の強度が著しく低下する。
【0037】上記メッキ処理の方法は電解メッキ法でも
無電解メッキ法でもよい。電解メッキ法による場合に
は、例えば青酸亜鉛、青酸銅等の青酸塩、硫酸銅等と上
記離型性微粒子とを含むメッキ液を使用することができ
る。一方、無電解メッキ法による場合には、ニッケル、
ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素等と上記離型性微粒
子とを含むメッキ液を使用することができる。本発明の
導電性メッキ層は、ニッケルと離型性微粒子とを含むメ
ッキ液を用いた無電解メッキ法により形成することが好
ましく、このメッキ液としてはニッケル−リンと離型性
微粒子とを含むものがさらに好ましい。得られたメッキ
面は、必要に応じて加熱処理してもよい。これにより導
電性メッキ層の耐久性が向上する。なお、導電性を確保
できる限りにおいて、金属メッキの代わりにポリマーメ
ッキにより導電性層を形成してもよい。
【0038】導電性層の厚さは、0.1μm〜100μ
mとすることが好ましく、1〜70μmとすることがよ
り好ましい。導電性層の厚さが上記範囲未満であると、
表面処理効果が十分に発揮されない場合がある。一方、
導電性層の厚さが大きすぎると、特にこの導電性層が導
電性メッキ層である場合においては、層の厚さが不均一
となって平滑性が低下する恐れがある。また、導電性層
の動摩擦係数は0.02〜0.15であることが好まし
く、0.05〜0.10であることがより好ましい。動
摩擦係数が0.15を超えると、この導電性層の上に形
成させたフィルムを離型し難くなる。一方、動摩擦係数
が0.02未満では、乾燥中などの意図しない段階で導
電性層からフィルムが剥がれ落ちる恐れがある。
【0039】なお、非導電性パターンが形成された導電
性基体上に、メッキ処理により上記導電性層を形成する
際、この非導電性パターンが従来公知のレジスト用樹脂
等からなる場合には、強酸性等のメッキ液(例えば、ニ
ッケル−リンと離型性微粒子とを含む強酸性のメッキ液
等)を用いると、レジスト用樹脂が導電性基体から剥が
れたり、さらには溶解してしまうという問題があった。
特に、非導電性パターンのサイズが小さい場合には、レ
ジスト用樹脂がメッキ液により速やかに侵されるため、
高精細なパターンの形成は困難であった。本発明の製造
方法に用いる非導電性パターンは、所定の光硬化性組成
物を光硬化させてなるシラン系の非導電性パターンであ
るので、従来のレジスト用樹脂等から形成された有機系
の非導電性パターンに比べて耐薬品性が高い。このた
め、強酸性等のメッキ液を用いて導電性層を形成する場
合等にも、高精細なパターンを形成することができる。
【0040】(4)電着性粒子 請求項1記載の製造方法では上記非導電性パターン付基
体に、また請求項2記載の製造方法では上記導電性層付
基体に、「重合性化合物および重合体の少なくとも一方
を含む電着性粒子」を電着してフィルムを形成させる。
例えば、上記電着性粒子のエマルジョンからなる電着液
に、非導電性パターン付基体を浸漬して電極とし、対極
を配して電流を流すことにより、導電性基体の表面(非
導電性パターンの形成されていない部分)に上記電着性
粒子が電着されてフィルムが形成される。この電着を可
能とするために、上記電着性粒子は表面に電荷を有する
ことが好ましい。この表面電荷はアニオン型でもカチオ
ン型でもよいが、基体側を陰極として電着することによ
りこの基体または導電性層からの金属の溶出が防止でき
ることから、カチオン型の電着性粒子であることが好ま
しい。ここで、「重合性化合物」とは重合性基を有する
化合物を指し、完全硬化前の前駆的重合体、重合性オリ
ゴマー、単量体などを含む意味である。一方、「重合
体」とは実質的に重合反応が完了した化合物を指す。た
だし、加熱、湿気などによりこの重合体を電着後に架橋
させることも可能である。
【0041】上記電着性粒子は、ポリイミド系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂およびポリエステル系樹
脂から選択される一種または二種以上からなることが好
ましい。また、これらの樹脂に加えてさらに他の成分を
含んでもよい。また、これらの樹脂は互いに、あるいは
他の成分と化学的に結合されていてもよい。本発明にお
いては、絶縁信頼性、耐熱性等に優れたフィルムが得ら
れることから、ポリイミド系樹脂を主成分とする電着性
粒子を用いることが特に好ましい。ここで、「ポリイミ
ド系樹脂」とは、ポリイミド樹脂または電着後の加熱な
どにより硬化可能な前駆的重合体(たとえばポリアミッ
ク酸など。)、ポリイミド樹脂の形成に用いられる単量
体と他の単量体との共重合体樹脂またはその前駆的重合
体、ポリイミド樹脂またはその前駆的重合体と他の化合
物との反応物、さらにポリイミド系樹脂の形成に用いら
れる単量体、オリゴマーなどをも含む意味であり、他の
樹脂についても同様である。
【0042】以下、主としてポリイミド系樹脂からから
なる電着性粒子のエマルジョン(以下、「ポリイミド系
樹脂エマルジョン」という。)、主としてエポキシ系樹
脂からなる電着性粒子のエマルジョン(以下、「エポキ
シ系樹脂エマルジョン」という。)、主としてアクリル
系樹脂からなる電着性粒子のエマルジョン(以下、「ア
クリル系樹脂エマルジョン」という。)および主として
ポリエステル系樹脂からなる電着性粒子のエマルジョン
(以下、「ポリエステル系樹脂エマルジョン」とい
う。)の製造方法について説明する。
【0043】ポリイミド系樹脂エマルジョン 本発明の製造方法においてフィルムの形成に用いる電着
液は、ポリイミド系樹脂エマルジョンからなることが特
に好ましい。このポリイミド系樹脂エマルジョンの好ま
しい例としては下記の二種類が挙げられる。 〔1〕(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水
性ポリマーとの複合粒子からなるポリイミド系樹脂エマ
ルジョン。例えば特開平11−49951公報に記載の
方法により好ましく製造される。 〔2〕(C)ポリアミック酸と(D)疎水性化合物との
複合粒子を含む粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジ
ョン。例えば特開平11−60947号公報に記載の方
法により好ましく製造される。 これらのポリイミド系樹脂エマルジョンは、水性分散体
としての保存安定性に優れるとともに、このエマルジョ
ン中の粒子を電着して得られた樹脂はポリイミド本来の
耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等を保持しているため
好ましい。
【0044】上記〔1〕のポリイミド系樹脂エマルジョ
ンの製造方法についてさらに詳しく説明する。 (A)有機溶媒可溶性のポリイミドの合成法は特に限定
されるものではないが、例えば、有機極性溶媒中、テト
ラカルボン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重
縮合させて、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミッ
ク酸を加熱イミド化法または化学イミド化法により脱水
閉環反応させることにより、ポリイミドを合成すること
ができる。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン
化合物との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック
構造を有するポリイミドを合成することも可能である。
この有機溶媒可溶性のポリイミドは、例えば、カルボキ
シル基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アミド基、
エポキシ基、イソシアネート基等の反応性基(a)を1
種以上有することが好ましい。反応性基(a)を有する
ポリイミドの合成方法としては、例えば、ポリアミック
酸の合成に使用されるカルボン酸二無水物、ジアミン化
合物、カルボン酸一無水物、モノアミン化合物等の反応
原料として、反応性基(a)を有する化合物を使用し、
脱水閉環反応後に反応性基(a)を残存させる方法等を
挙げることができる。
【0045】(B)親水性ポリマーは、親水性基とし
て、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スル
ホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20
℃の溶解度が、通常0.01g/100g以上、好まし
くは0.05g/100g以上である親水性ポリマーか
らなる。前記親水性基に加えて、前記(A)成分中の反
応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1種以上有
することが好ましい。このような反応性基(b)として
は、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキ
シル基のほか、前記親水性基と同様の基等を挙げること
ができる。このような親水性ポリマーは、親水性基およ
び/または反応性基(b)を有するモノビニル単量体を
単独重合または共重合させるか、あるいはこれらのモノ
ビニル単量体と他の単量体とを共重合させることにより
得ることができる。
【0046】この(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
(B)親水性ポリマーとを、反応性基(a)と親水性ポ
リマー中の反応性基(b)とが適切な反応性を有する組
み合わせとなるように選択し、該ポリイミドと該親水性
ポリマーとを、例えば有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て、必要に応じて加熱しつつ、反応させたのち、この反
応溶液と水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少
なくとも一部を除去することにより、該ポリイミドと該
親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含む複
合粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジョンを得るこ
とができる。
【0047】次に、上記〔2〕のポリイミド系樹脂エマ
ルジョンの製造方法についてさらに詳しく説明する。ポ
リイミドの前駆体である(C)ポリアミック酸の合成法
は、特に限定されるものではないが、例えば、有機極性
溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物と
の重縮合反応によりポリアミック酸を得ることができ
る。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との重縮合反応を多段階で行うことにより、ブロック構
造を有するポリアミック酸を合成することも可能であ
る。なお、ポリアミック酸を脱水閉環させることにより
部分的にイミド化したポリアミック酸も使用可能であ
る。
【0048】一方、(D)疎水性化合物は、前記ポリア
ミック酸中の少なくともアミド酸基と反応しうる基(以
下、「反応性基」という。)を有する化合物である。こ
の反応性基としては、例えば、エポキシ基、イソシアナ
ト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト基、ハロ
ゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル
基、ジアゾ基、カルボニル基等を挙げることができる。
これらの反応性基は、疎水性化合物中に1種以上存在す
ることができる。なお、「疎水性」とは、水に対する2
0℃の溶解度が、通常、0.05g/100g未満、好
ましくは0.01/100g未満、さらに好ましくは
0.005g/100g未満であることを意味する。
【0049】このような疎水性化合物としては、例え
ば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル、
グリシジル(メタ)アクリレート、1,3,5,6−テ
トラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミ
ン、トリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、ポリカルボジイミド、コレステロール、ベ
ンジルアルコールp−トルエンスルホン酸エステル、ク
ロロ酢酸エチル、トリアジントリチオール、ジアゾメタ
ン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等から選択され
る1種または2種以上を使用することができる。
【0050】この(C)ポリアミック酸と(D)疎水性
化合物とを、例えば、有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て反応させたのち、この反応溶液を水性媒体と混合し、
場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去することに
より、ポリアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に
含む複合粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジョンを
得ることができる。
【0051】なお、上記〔1〕および〔2〕のエマルジ
ョンの製造において用いられるテトラカルボン酸二無水
物は特に限定されるものではなく、その例としては、ブ
タンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シク
ロブタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,
4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物、
2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水
物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン等の脂
肪族テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカ
ルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水
物;等を挙げることができる。これらのテトラカルボン
酸二無水物は、単独でまたは2種以上を混合して使用す
ることができる。
【0052】また、上記〔1〕および〔2〕のエマルジ
ョンの製造において用いられるジアミン化合物は特に限
定されるものではなく、その例としては、p−フェニレ
ンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]プロパン等の芳香族ジアミン類;1,1−メタキシ
リレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキ
シルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは脂環式ジアミ
ン類;2,3−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノ−
6−ジメチルアミノ−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、ビス(4−アミ
ノフェニル)フェニルアミン等の、分子内に2つの第一
級アミノ基および該第一級アミノ基以外の窒素原子を有
するジアミン類;モノ置換フェニレンジアミン類;ジア
ミノオルガノシロキサン;等を挙げることができる。こ
れらのジアミン化合物は、単独でまたは2種以上を混合
して使用することができる。
【0053】エポキシ系樹脂エマルジョン エポキシ系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定され
るものではなく、従来公知の方法、例えば特開平9−2
35495号公報、同9−208865号公報に記載の
方法などによればよい。
【0054】アクリル系樹脂エマルジョン アクリル系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定され
るものではないが、例えば通常の乳化重合法により製造
できる。単量体としては一般的なアクリル系および/ま
たはメタクリル系単量体から選択される一種または二種
以上を用いればよい。このとき、粒子を電着可能とする
ために、アミノ基、アミド基などのカチオン性基を有す
る単量体、またはカルボキシル基、スルホン酸基等など
のアニオン性基を有する単量体を共重合させることが好
ましく、その共重合量は使用する単量体全体に対して5
〜80重量%(より好ましくは10〜50重量%)とす
ることが好ましい。上記アミノ基を有する単量体の具体
例としては、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミドなどが好ましく使用
される。
【0055】ポリエステル系樹脂エマルジョン ポリエステル系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定
されるものではなく、従来公知の方法、例えば特開昭5
7−10663号公報、同57−70153号公報、同
58−174421号公報に記載の方法などによればよ
い。
【0056】(5)パターン化フィルムの形成 上記電着性粒子を電着した後、通常は導電性基体上また
は導電性層上に形成されたフィルムを乾燥させる。この
乾燥時の熱等により、電着された粒子を一部あるいは完
全に硬化させてもよい。好ましい乾燥温度は、電着性粒
子の組成および目的とする熱硬化の程度により異なる
が、一般に40〜150℃であり(より好ましくは60
〜100℃)、好ましい乾燥時間は0.5〜30分(よ
り好ましくは1〜10分)である。
【0057】その後、請求項1記載の製造方法では、基
体から非電導性パターンを剥離することにより、基体の
表面に形成されたパターン化フィルムを得る。なお、非
電導性パターンを剥離するには、例えば水酸化ナトリウ
ムやモノエタノールアミン等のアルカリ水溶液に浸漬す
る等の方法によればよい。また、請求項2記載の方法で
は、導電性層からフィルムを離型することによりパター
ン化フィルムを得る。離型の方法としては、パターン化
フィルムを任意の被着体等に転写する方法が好ましい。
【0058】本発明の製造方法において用いられる非電
導性パターンは、電着性粒子から形成されたフィルムと
の分離性がよいので、フィルムと非電導性パターンとの
界面でフィルムを変形または損傷させることなく、非電
導性パターンを確実に除去し、あるいはフィルムを離型
することができる。さらに、請求項2記載の方法で形成
された導電性層付基体を「版」として使用すれば、この
導電性層のパターンに沿った形状のパターン化フィルム
を繰り返して製造することができる。
【0059】本発明の製造方法においては、電着性粒子
として樹脂前駆体を用い、これを電着した後に乾燥時の
熱により一部硬化させることが好ましい。この一部硬化
フィルムは完全硬化フィルムに比べて接着性がよいの
で、例えば請求項2記載の方法においては、離型された
フィルムを任意の被着体に載置するか、または導電性メ
ッキ層等の導電性層から被着体に直接フィルムを転写し
て、その後このフィルムを被着体上で熱処理して完全硬
化させることにより、フィルムを被着体に密着させるこ
とができる。また、一部硬化フィルムを二つの被着体の
間に配置した状態、あるいは請求項1記載の方法におい
て導電性基体上に形成された一部硬化フィルムの上から
他の被着体を重ねた状態で、この一部硬化フィルムを熱
処理して完全硬化させることにより、フィルムを接着剤
として使用することができる。上記熱処理によりフィル
ムの硬度および耐薬品性も向上する。
【0060】一部硬化フィルムを熱処理する際の条件は
特に限定されるものではないが、好ましい加熱温度は1
00℃以上であり、特に好ましくは150〜300℃で
ある。加熱温度が100℃未満であると、硬化が不十分
であるため十分なフィルム強度が得られず、また被着体
への十分な密着力が得られない場合がある。一方、加熱
温度が400℃を超えると、このフィルムを構成する化
合物が分解しやすいので好ましくない。
【0061】本発明の方法により製造するパターン化フ
ィルムの厚さは、このフィルムの用途等により異なる
が、0.1μm〜100μmとすることが好ましく、1
〜70μmとすることがより好ましい。フィルムの厚さ
が上記範囲未満であると均一に電着することが困難であ
る。一方、フィルムの厚さが大きすぎると電着に長時間
を要するため製造効率が低下する。
【0062】本発明の製造方法により製造されたフィル
ムは、請求項1において導電性基体としての銅箔上に形
成し、もう一枚の銅箔で挟んで加熱圧着させた場合には
JIS C6481に基づく90度引きはがし強さが
0.3〜1.5kN/m、また請求項2において被転写
基板としての銅箔に転写し、もう一枚の銅箔で挟んで加
熱圧着させた場合には、90度引きはがし強さが0.3
〜1.5kN/mという、良好な接着力を示すものとす
ることができる。また、電着性粒子がポリイミド樹脂か
らなる場合、本発明の方法によると表面抵抗率1015Ω
以上(より好ましい条件では1016Ω以上、通常1019
Ω以下)、体積抵抗率1016Ω・cm(より好ましい条
件では1017Ω・cm以上、通常1019Ω・cm以下)
という、良好な絶縁特性を示すフィルムが得られる。さ
らに、本発明の製造方法によると、L/S=10/10
μm程度まで(より好ましい条件では5/5μm程度ま
で)の精度を有するパターン化フィルムを製造すること
ができる。
【0063】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例により
本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下におい
て、特記しない限り、「部」および「%」は重量基準で
ある。
【0064】(1)光硬化性組成物(I)の調整 攪拌機付の容器内に、メチルトリメトキシシラン270
g(1.98モル)、、メチルオキセタニルメトキシプ
ロピルトリエトキシシラン67.2g(0.22モ
ル)、および電気伝導率8×10-5S・cm-1のイオン
交換水89.1g(4.95モル)を収容した後、温度
60℃で6時間加熱攪拌することにより、シラン化合物
の加水分解を行った。次いで、メチルイソブチルケトン
(以下、MIBKと略記)を滴下しながら、加水分解に
より副生したメタノールを蒸留除去した。そして、最終
的に固形分を75%に調整し、光硬化性組成物における
〔A〕成分であるポリシロキサンを含有する溶液を得
た。得られたポリシロキサン溶液について、GPCを用
いてポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したとこ
ろ、1500という値が得られた。次いで、得られたポ
リシロキサン100部あたり、〔B〕成分の光酸発生剤
としてのトリフェニルスルフォントリフルオロメタンス
ルフォネート1部、増感剤としての9−アントラセンメ
タノール0.33部、および界面活性剤(大日本インキ
化学工業株式会社製、商品名「メガファックF−17
2」)0.1部をそれぞれ添加して、光硬化性組成物
(I)を得た。
【0065】(2)エマルジョンの合成 以下の合成例1〜5により、電着性粒子のエマルジョン
を合成した。 (合成例1:ポリイミド系樹脂エマルジョン)テトラカ
ルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニ
ルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.29g(9
0ミリモル)および1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−
ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物と
して2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン36.95g(90ミリモル)およびオ
ルガノシロキサン「LP7100」(信越化学製の商品
名)2.49g(10ミリモル)を、N−メチル−2−
ピロリドン450gに溶解して、室温で12時間反応さ
せた。その後、この反応溶液に、ピリジン32gおよび
無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反
応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、
固形分10%のポリイミド溶液を得た。ジエチレングリ
コールモノエチルエーテル100部を入れた反応容器
を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器
に、n−ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエ
チルアクリレート30部、グリシジルメタアクリレート
5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%のアク
リルポリマー溶液を得た。ポリイミド溶液50部(固形
分)とアクリルポリマー溶液30部(固形分)と「エピ
コート828」(油化シェルエポキシ社製の商品名)2
0部を混合し、70℃×3時間反応させた後、酢酸3部
を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。次いで、
蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く撹拌して、カ
チオン性のポリイミド系樹脂エマルジョンを得た。
【0066】(合成例2;ポリアミック酸エマルジョ
ン)テトラカルボン酸二無水物として2,3,5−トリ
カルボキシシクロペンチル酢酸二無水物22.4g(1
00ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン4
1.1g(100ミリモル)を、N−メチル−2−ピロ
リドン450gに溶解させ、60℃で6時間反応させ
た。減圧留去により、濃縮を行い、固形分15%のポリ
アミック酸溶液を得た。前記ポリアミック酸の溶液70
部(固形分)に対して、「エピコート828」(油化シ
ェルエポキシ社製)30部を添加して十分混合し、80
℃×60分反応させたのち、トリエタノールアミン10
部を添加した蒸留水1000部に徐々に加えながら強く
撹拌して、アニオン性のポリアミック酸エマルジョン
(ポリイミド系樹脂エマルジョンの一例である)を得
た。
【0067】(合成例3:エポキシ系樹脂エマルジョ
ン)トリレンジイソシアネートと2−エチルヘキサノー
ルからなるブロックイソシアネート46.3部と、「エ
ピコート828」(油化シェルエポキシ社製の商品名)
とジエチルアミンとを反応させて得られたエポキシアミ
ン付加物89.3部とを混合し、pH調節剤として酢酸
3.8部を加えた。これを、イオン交換水1200部中
に攪拌しながら投入することによって、カチオン性のエ
ポキシ系樹脂前駆体を主成分とする電着性粒子のエマル
ジョンを得た。
【0068】(合成例4:アクリル系樹脂エマルジョ
ン)イオン交換水200部、「コータミン24」(花王
株式会社製、界面活性剤の商品名)1部を反応器に仕込
み、窒素気流下で系を60℃まで昇温した後、「V−5
0」(和光純薬株式会社製、開始剤の商品名)を仕込ん
で重合反応を開始させた。反応開始直後から、イオン交
換水30部、ブチルアクリレート20部、メチルメタク
リレート77部、「DMAPAA−Q」3部(興人株式
会社製の商品名)、「コータミン24」0.3部、「エ
マルゲンE−920」(花王株式会社製、界面活性剤の
商品名)2部からなるモノマーエマルジョンを、3時間
かけて連続的に滴下した。滴下終了後、系を65℃に昇
温してさらに3時間反応させることによって、カチオン
性のアクリル系樹脂重合体を主成分とする電着性粒子の
エマルジョンを得た。
【0069】(合成例5:ポリエステル系樹脂エマルジ
ョン)ジメチルテレフタレート466部、ジメチルイソ
フタレート388部、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチル178部、エチレングリコール443部、ネ
オペンチルグリコール400部、酢酸亜鉛0.44部、
酢酸ナトリウム0.04部、三酸化アンチモン0.43
部を反応器に仕込み、140〜220℃で4時間かけて
エステル交換反応を行った。次に260℃20mmHg
の真空下で重縮合反応を1時間行ってポリエステル系樹
脂を得た。このポリエステル系樹脂30部をイソプロパ
ノール14部と水56部の混合液中に入れ、70〜75
℃で3時間かけて分散させることによって、カチオン性
のポリエステル系樹脂重合体を主成分とする電着性粒子
のエマルジョンを得た。
【0070】(3)フィルムの製造方法 〔実施例1〕この実施例1は、請求項1記載の方法によ
りパターン化フィルムを形成した例である。各工程を図
1(a)〜(c)に模式的に示す。 非導電性パターンの形成 直径4インチ、厚さ0.5mmのシリコンウエハーを導
電性基体11として、上記(1)で調整した光硬化性組
成物(I)を、出来上がり20μmの膜厚で回転塗布し
た。これをプレベーク(120℃×10分)した後、フ
ォトマスク(L/S=30/70μm)を介して、大気
中、露光量300mJ/cm2の条件で高温水銀ランプ
を用いて紫外線を照射した。次いで、現像液としてTM
AHの2.4%水溶液を用い、室温にて90秒間現像し
て、導電性基体11の一部がシラン系の非導電性パター
ン12で被覆された非導電性パターン付基体1を得た
〔図1(a)〕。 電着 2リットルのガラス製容器に、合成例1で得たポリイミ
ド系樹脂エマルジョンからなる電着液を入れ、上記の
工程で得た非導電性パターン付基体12を陰極に、対向
電極を陽極にして、攪拌しながら温度25℃、極間距離
4cm、電圧50Vで2分間電着を行った。その後、電
着されたポリイミド系樹脂を80℃×5分間の乾燥によ
り一部硬化させて、膜厚30μmの一部硬化フィルム
2’を得た〔図1(b)〕。 非導電性パターンの剥離 上記の工程で一部硬化フィルム2’が形成された非導
電性パターン付基体1を、60℃の1%水酸化ナトリウ
ム水溶液に5分間浸漬することにより、シラン系の非導
電性パターン12を剥離した。このとき、非導電性パタ
ーン12と一部硬化フィルム2’との界面〔図1(b)
に示す符号S〕の分離性は良好であり、一部硬化フィル
ム2’を損傷することなく非導電性パターン12を除去
することができた。その後、一部硬化フィルム2’が形
成された導電性基体11を250℃×10分間熱処理し
てポリイミド系樹脂を硬化させ、パターン化されたフィ
ルム(硬化フィルム)2を得た〔図1(c)〕。
【0071】〔実施例2〕電着液として合成例5で得た
ポリエステル系樹脂エマルジョンを用いた点以外は、実
施例1と同様にしてパターン化フィルムを得た。なお、
非導電性パターンを剥離する際、この非導電性パターン
とフィルム2との界面の分離性は良好であり、フィルム
を損傷することなく非導電性パターンを除去することが
できた。
【0072】〔比較例1〕直径4インチ、厚さ0.5m
mのシリコンウエハーを導電性基体として、これに環化
ゴム系ネガレジスト用樹脂(東京応化工業株式会社製)
を、出来上がり5μmの膜厚で回転塗布した。これをプ
レベーク(100℃×5分)した後、フォトマスク(L
/S=30/70μm)を介して、大気中、露光量20
0mJ/cm2の条件で紫外線を照射した。次いで、現
像液として1%炭酸水素ナトリウム水溶液を用い、室温
で60秒間現像し、基体の一部が従来のレジスト用樹脂
からなる非導電性パターンで覆われた非導電性パターン
付基体を得た。この非導電性パターン付基体を用い、実
施例1の工程と同様に電着および一部硬化を行って、
一部硬化フィルムを得た。その後、一部硬化フィルムが
形成された非導電性パターン付基体を、40℃の1%水
酸化ナトリウム水溶液に3分間浸漬して、レジスト用樹
脂からなる非導電性パターンを剥離した。しかしこの比
較例1では、非導電性パターンを完全には剥離できず、
ポリイミド系樹脂からなるフィルムとの界面付近にレジ
スト残りを生じたため、良好なパターン化フィルムを得
ることができなかった。上記実施例1、2および比較例
1の製造条件および製造結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
【0074】表1から判るように、光硬化性組成物
(I)(請求項1および2記載の光硬化性組成物に相当
する。)を硬化させてなる非導電性パターンは、電着性
粒子がポリイミド系樹脂からなる場合、ポリエステル系
樹脂からなる場合のいずれにおいてもパターン形成性が
良好であった。すなわち、これらの樹脂からなる電着性
粒子を電着して形成されたフィルムと非導電性パターン
との分離性がよいため、非導電性パターンを容易にかつ
確実に除去することができ、良好なパターン化フィルム
が得られた。
【0075】〔実施例3〕この実施例3は、請求項2記
載の方法によりパターン化フィルムを製造した例であ
る。各工程を図2(a)〜(d)に模式的に示す。 非導電性パターンの形成 300×300×0.5mmのステンレス板(SUS3
04)を導電性基体11として、これに光硬化性組成物
(I)を、出来上がり20μmの膜厚で回転塗布した。
これをプレベーク(120℃×10分)した後、フォト
マスク(L/S=30/70μm)を介して、大気中、
露光量300mJ/cm2の条件で紫外線を照射した。
次いで、現像液としてTMAHの2.4%水溶液を用
い、室温で90秒間現像して、導電性基体11の一部が
シラン系の非導電性パターン12で被覆された非導電性
パターン付基体1を得た〔図2(a)〕。 複合メッキ 上記の工程で得られた非導電性パターン付基体1を、
ニッケル−リン−PTFE複合メッキ液(上村工業株式
会社製、商品名「ニムフロン」)に浸漬して、液温90
℃で無電解メッキ法によりメッキを行った。これによ
り、非導電性パターン12により被覆されない部分の導
電性基体11の表面に、ニッケル−リン−PTFE複合
メッキからなる7μm厚の導電性メッキ層13を形成し
て、メッキ層付基体3を得た〔図2(b)〕。なお、こ
のニッケル−リン−PTFE複合メッキからなる導電性
メッキ層13の動摩擦係数は0.07であった。 電着 2リットルのガラス製容器に、合成例1で得たポリイミ
ド系樹脂エマルジョンからなる電着液を入れ、上記の
工程で得たメッキ層付基体3を陰極に、対向電極を陽極
にして、攪拌しながら温度25℃、極間距離4cm、電
圧50Vで2分間電着を行った。その後、電着されたポ
リイミド系樹脂を80℃×5分間の乾燥により一部硬化
させて、導電性メッキ層13上に膜厚30μmの一部硬
化フィルム2’を形成した〔図2(c)〕。 フィルムの離型 あらかじめ100℃に加熱されたアライナーを有する精
密プレス機(図示せず)に、上記の工程により一部硬
化フィルム2’が形成されたメッキ層付基体3と、厚さ
18μmの銅箔である被転写基板4とを設置し、これら
を0.2MPaの圧力で20分間圧着することによっ
て、導電性メッキ層13上から一部硬化フィルム2’を
離型して被転写基板4に転写した〔図2(d)〕。この
とき、非導電性パターン12と一部硬化フィルム2’と
の界面〔図2(c)に示す符号S〕の分離性は良好であ
り(フィルム離型性が良い)、一部硬化フィルム2’を
損傷することなく被転写基板4上に転写することができ
た。その後、被転写基板4上の一部硬化フィルム2’を
250℃×10分熱処理してパターン化フィルム(硬化
フィルム)を得た。
【0076】〔実施例4〕導電性メッキ層の形成におい
て、ニッケル−リン−PTFE複合メッキに代えてニッ
ケル−リン−シリカ複合メッキ(離型性微粒子として、
実施例3で用いたPTFE粒子に代えて平均粒子径0.
3μmのシリカ5g/リットルを使用。)を行った。ま
た、電着液としては、合成例3で得たエポキシ系樹脂エ
マルジョンを用いた。他の点については実施例3と同様
にしてパターン化フィルムを形成した。なお、このニッ
ケル−リン−シリカ複合メッキ層の厚さは7μmであ
り、動摩擦係数は0.1であった。
【0077】〔実施例5〕電着液として合成例4で得た
アクリル系樹脂エマルジョンを用いた点以外は実施例3
と同様にしてパターン化フィルムを形成した。
【0078】〔実施例6〕導電性メッキ層の形成におい
てニッケル−リン−PTFE複合メッキに代えて実施例
4と同様にニッケル−リン−シリカ複合メッキを行い、
電着液として合成例2で得たポリアミック酸エマルジョ
ンを用い、電極の正負を逆転させた点以外は、実施例3
と同様にしてパターン化フィルムを形成した。
【0079】〔比較例2〕導電性メッキ層の形成におい
てニッケル−リン−PTFE複合メッキに代えてニッケ
ル−リンメッキ(すなわち、離型性微粒子を使用しな
い)を行った点以外は実施例3と同様に電着、離型を行
った。このニッケル−リンメッキ層の動摩擦係数は0.
3であった。しかし、この導電性メッキ層上に電着され
たフィルムは、導電性メッキ層から離型することができ
なかった。
【0080】〔比較例3〕光硬化性樹脂(I)に代え
て、比較例1と同様にレジスト用樹脂からなる非導電性
パターンを形成し、実施例3と同様に複合メッキを行っ
た。しかし、レジスト用樹脂のメッキ液に対する耐性が
低いため、メッキ処理中に非導電性パターンが溶解して
しまった。上記実施例3〜6および比較例2および3の
製造条件および製造結果を表2および3に示す。
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】表2および表3から判るように、実施例2
〜6の製造方法により形成されたフィルムは、導電性メ
ッキ層からの離型性、光硬化性組成物を硬化させてなる
非導電性パターンからの分離性のいずれも良好であるた
め、このフィルムをメッキ層付基体から被転写基板へと
容易に転写することができた。
【0084】(4)性能評価 上記実施例1および実施例3より得られたポリイミド樹
脂フィルムの性能を下記の方法により評価した。その結
果を表4に示す。 〔引きはがし強さ〕実施例1の導電性基体に代えて実施
例3で被転写基板に用いた厚さ18μmの銅箔を用い、
この銅箔上に実施例1と同様の方法により一部硬化フィ
ルムを形成した。この実施例1に相当する一部硬化フィ
ルムと、実施例3で銅箔上に転写した一部硬化フィルム
につき評価を行った。すなわち、これらの一部硬化フィ
ルムを別の銅箔(厚さ18μm)に、0.3MPa、2
50℃×30分の条件で加熱圧着し、JIS C648
1に準拠して90度引きはがし強さを測定した。 〔表面抵抗率および体積抵抗率〕いずれもJIS K6
911に準拠して測定した。 〔HAST試験(耐湿熱性)〕熱硬化後の樹脂フィルム
について、温度121℃、湿度100%、2気圧の条件
下で、72時間のHAST試験(耐湿熱性試験)を行っ
た。試験の前および試験後のポリイミド系樹脂フィルム
に対して赤外線分光測定を実施し、その変化の程度によ
り耐湿熱性を下記基準で評価した。 ○;変化がなく耐性が認められる ×;変化が大きく耐性が認められない 〔鉛筆硬度〕JIS K 5400に準拠して測定し
た。
【0085】
【表4】
【0086】表4から判るように、実施例1および3の
方法により得られたポリイミド系樹脂フィルムは、いず
れも銅箔に対する良好な接着性を示し、かつ絶縁特性、
硬度および耐湿熱性にも優れていた。
【0087】
【発明の効果】本発明のフィルムの製造方法は、導電性
基体の一部を非導電性パターンで被覆し、他部に電着性
粒子を電着し、その後、非導電性パターンとフィルムと
を分離するものである。本発明の方法においては、従来
のレジスト用樹脂等とは異なり、所定の光硬化性組成物
から形成されたシラン系の非導電性パターンを使用す
る。これにより、非導電性パターンとフィルムとを確実
に分離することができ、かつ非導電性パターンとの分離
時にフィルムが損傷を受けにくい。
【0088】また、非導電性パターン付基体に離型性の
導電性層を形成し、この導電性層の上に電着性粒子を電
着してフィルムを形成し、さらにこのフィルムを導電性
層から離型する製造方法によると、転写等の方法により
被着体の任意の部分(例えば導電性をもたない部分)に
フィルムを接着することができる。本発明に用いる非導
電性パターンはフィルムとの分離性がよいので、容易に
フィルムを離型(転写)することができる。この方法に
用いる導電性層をメッキ処理により形成する場合、従来
のレジスト用樹脂等から形成されたものに比べて本発明
に用いる非導電性パターンは耐薬品性が高いので、メッ
キ液による剥がれ等を生じることなく高精細なパターン
を形成することができる。
【0089】本発明のフィルムの製造方法およびこの方
法により得られたフィルムの特長は、このフィルムがポ
リイミド系樹脂またはエポキシ系樹脂からなる場合に特
に有効に発揮され、このフィルムは回路基板、半導体装
置等の絶縁保護層、絶縁性接着剤、応力緩和層などとし
て好適に利用することができる。
【0090】例えば、本発明によるポリイミド系樹脂フ
ィルムを用いて半導体装置上に絶縁保護層を形成する場
合には、請求項2記載の導電性層付基体にポリイミド系
樹脂(電着性粒子)を電着してフィルムを形成させ、こ
れを乾燥温度60〜100℃、乾燥時間1〜10分の条
件で乾燥させてポリイミド系樹脂の一部を硬化させるこ
とにより厚さ10〜50μmの一部硬化ポリイミド系樹
脂フィルムとし、このフィルムを導電性層上から半導体
装置上に圧着転写した後、200〜300℃で10〜6
0分の熱処理を行ってフィルムを完全硬化させることが
好ましい。
【0091】また、このポリイミド系樹脂フィルムを絶
縁性接着剤として使用する場合には、上記一部硬化ポリ
イミド系樹脂フィルムを半導体装置上に圧着転写したの
ち、このフィルムの上に上層となるべき回路等を配置
し、次いで上記と同様の条件により熱処理を行えばよ
い。あるいは、請求項1記載の方法において、電着され
たポリイミド系樹脂の一部を硬化させて一部硬化ポリイ
ミド系樹脂フィルムとし、次いで非導電性パターンを除
去した後、この一部硬化ポリイミド系樹脂フィルムの上
に上層となるべき回路等を配置して熱処理を行ってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)は、実施例1の製造方法を示す
模式的断面図である。
【図2】(a)〜(d)は、実施例3の製造方法を示す
模式的断面図である。
【符号の説明】
1;非導電性パターン付基体、11;導電性基体、1
2;非導電性パターン、13;導電性メッキ層(導電性
層)、2;パターン化されたフィルム、2’;一部硬化
フィルム、3;メッキ層付基体(導電性層付基体)、
4;被転写基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 13/16 C25D 13/16 B H01L 21/312 H01L 21/312 D // B29K 33:00 B29K 33:00 63:00 63:00 67:00 67:00 79:00 79:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 83:04 C08L 83:04 Fターム(参考) 4F006 AA42 AB24 AB34 AB35 AB38 BA08 CA08 DA02 4F202 AA21 AA24 AA39 AA40 AG01 AG21 AH33 AJ03 AJ09 AJ11 CA03 CB01 CK12 CM26 4F205 AA21 AA24 AA39 AA40 AG01 AG21 AH33 AJ03 AJ09 AJ11 GA17 GB01 GC01 GE21 GF01 GF23 GN28 GN29 GW41 5F058 AB05 AC01 AC02 AC03 AC07 AF04 AG09 AG10 AH02 AH03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性材料からなる基体の表面の一部
    を、下記〔A〕成分および下記〔B〕成分を含有する光
    硬化性組成物を光硬化させてなる非導電性パターンによ
    り被覆した後、重合性化合物および重合体の少なくとも
    一方を含む電着性粒子を電着してフィルムを形成させ、
    次いで上記非導電性パターンを剥離することにより上記
    基体上にパターン化されたフィルムを得ることを特徴と
    するフィルムの製造方法。 〔A〕成分;下記一般式(1)で示される加水分解性シ
    ラン化合物、その加水分解物、およびその縮合物からな
    る群から選択される少なくとも一つの化合物。 (R1PSi(X)4-P (1) 〔一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、pは0〜3の整
    数である。〕 〔B〕成分;光酸発生剤
  2. 【請求項2】 導電性材料からなる基体の表面の一部
    を、下記〔A〕成分および下記〔B〕成分を含有する光
    硬化性組成物を光硬化させてなる非導電性パターンによ
    り被覆した後、上記基体の表面の他部に無機微粒子およ
    びフッ素含有有機微粒子の少なくとも一方を含む導電性
    層を形成してなる導電性層付基体に、重合性化合物およ
    び重合体の少なくとも一方を含む電着性粒子を電着して
    フィルムを形成させ、次いで上記フィルムを上記導電性
    層から離型することによりパターン化されたフィルムを
    得ることを特徴とするフィルムの製造方法。 〔A〕成分;下記一般式(1)で示される加水分解性シ
    ラン化合物、その加水分解物、およびその縮合物からな
    る群から選択される少なくとも一つの化合物。 (R1PSi(X)4-P (1) 〔一般式(1)中、R1は炭素数が1〜12である非加
    水分解性の有機基、Xは加水分解性基、pは0〜3の整
    数である。〕 〔B〕成分;光酸発生剤
  3. 【請求項3】 上記電着性粒子は、粒子表面に電荷を有
    し、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹
    脂およびポリエステル系樹脂から選択される少なくとも
    一種の樹脂からなる請求項1または2記載のフィルムの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項に記載の
    方法により製造されたことを特徴とするフィルム。
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