JP2002084072A - 電子部品およびその製造法 - Google Patents

電子部品およびその製造法

Info

Publication number
JP2002084072A
JP2002084072A JP2000270502A JP2000270502A JP2002084072A JP 2002084072 A JP2002084072 A JP 2002084072A JP 2000270502 A JP2000270502 A JP 2000270502A JP 2000270502 A JP2000270502 A JP 2000270502A JP 2002084072 A JP2002084072 A JP 2002084072A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive layer
insulating resin
electronic component
resin layer
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000270502A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenzaburo Kawai
合 研三郎 川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2000270502A priority Critical patent/JP2002084072A/ja
Publication of JP2002084072A publication Critical patent/JP2002084072A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厳密な位置合わせを必要とせずに、配線層上
に保護膜を正確に設け、かつ耐熱性、絶縁性および信頼
性が向上した電子部品の提供。 【解決手段】 基板上に導電層が少なくとも1層形成さ
れている電子部品であって、前記導電層の少なくとも一
部に絶縁樹脂層が設けられ、そして前記導電層の少なく
とも一部に前記絶縁樹脂層が設けられていない裸出部を
有する電子部品であって、絶縁樹脂層が導電層にマスク
を施したのち有機溶剤可溶性ポリイミドを含有する水性
媒体を用いて電着法で形成され、裸出部がマスクを除去
することによって設けられた電子部品、および絶縁樹脂
層が前記導電層に有機溶剤可溶性ポリイミドを含有する
水性媒体を用いて電着法で形成された後、マスクを施し
てエッチング処理を行い、次いで前記マスクを除去する
ことによって形成され、裸出部がエッチング処理によっ
て設けられた電子部品、およびそれらの製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品に関する
ものである。さらに具体的には、本発明は、基板上に導
電層が少なくとも1層形成されている電子部品であっ
て、導電層の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設けられそ
して前記導電層の少なくとも一部が裸出した構造の電子
部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気配線用の基板表面に形成された配線
パターンに保護膜を形成する方法として、スクリーン印
刷等のいわゆる印刷法および感光性樹脂を用いる方法が
広く用いられている。この印刷法は安価で量産に適して
おり、また感光性樹脂を用いる方法は高精度高密度であ
る微細パターンで保護膜を形成させることが可能であ
る。
【0003】しかし、上記いずれの方法においても、配
線パターン上に別途用意した保護膜パターンを重ね合わ
せていることから、配線パターンと保護膜パターンとを
正確に位置合わせする必要があった。微細配線になれば
なるほどその精度は厳しく要求されることになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、配線パター
ンと保護膜パターンとの厳密な位置合わせを必要とせず
に、配線上に保護膜を正確に設け、かつ耐熱性、絶縁性
および信頼性の向上がなされた高精度に保護膜(および
露出部)が設けられた電子部品を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、電着法によっ
て保護層の形成を行って、実際の配線パターンそのもの
を利用して保護膜を選択的に形成させているので、保護
膜を正確かつ必要な部分のみに設けることが可能であ
る。
【0006】従って、本発明による電子部品は、基板上
に導電層が少なくとも1層形成されている電子部品であ
って、前記導電層の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設け
られ、そして前記導電層の少なくとも一部に前記絶縁樹
脂層が設けられていない裸出部を有してなり、前記絶縁
樹脂層が前記導電層にマスクを施したのち有機溶剤可溶
性ポリイミドを含有する水性媒体を用いて電着法で形成
されたものであり、前記裸出部が前記マスクを除去する
ことによって設けられたものであることを特徴とするも
のである。
【0007】さらに本発明によるもう一つの電子部品
は、基板上に導電層が少なくとも1層形成されている電
子部品であって、前記導電層の少なくとも一部に絶縁樹
脂層が設けられ、そして前記導電層の少なくとも一部に
前記絶縁樹脂層が設けられていない裸出部を有してな
り、前記絶縁樹脂層が、前記導電層に有機溶剤可溶性ポ
リイミドを含有する水性媒体を用いて電着法で形成され
た後、マスクを施してエッチング処理を行い、次いで前
記マスクを除去することによって形成されたものであ
り、前記裸出部が前記エッチング処理によって設けられ
たものであること、を特徴とするものである。
【0008】そして、本発明による電子部品の製造法
は、基板上に導電層が少なくとも1層形成されてなり、
前記導電層の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設けられ、
そして前記導電層の少なくとも一部に前記絶縁樹脂層が
設けられていない裸出部を有する電子部品の製造法であ
って、前記絶縁樹脂層を前記導電層にマスクを施したの
ち、有機溶剤可溶性ポリイミドを含有する水性媒体を用
いて電着法で形成し、前記裸出部を前記マスクを除去す
ることによって設けること、を特徴とするものである。
【0009】さらに本発明によるもう一つの電子部品の
製造法は、基板上に導電層が少なくとも1層形成されて
なり、前記導電層の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設け
られ、そして前記導電層の少なくとも一部に前記絶縁樹
脂層が設けられていない裸出部を有する電子部品の製造
法であって、前記絶縁樹脂層を前記導電層に有機溶剤可
溶性ポリイミドを含有する水性媒体を用いて電着法で形
成させた後、マスクを施してエッチング処理を行い、次
いで前記マスクを除去することによって形成し、前記裸
出部を前記エッチング処理によって設けること、を特徴
とするものである。
【0010】このような本発明によれば、導電層を保護
する絶縁樹脂層の形成を電着法で行うため、保護膜形成
のための位置合わせ(アライメントの調整)が不要にな
り、微細な配線であっても、確実かつ容易に絶縁樹脂層
を形成させることが可能となる。また、配線の側面にも
きれいに絶縁樹脂層を設けることができる。そして、絶
縁樹脂としてポリイミドを用いているので、アウトガス
はなく、耐熱性および絶縁性に優れている。さらには、
必要な箇所のみに必要最小量で保護層を形成させること
が出来るので、製造コストを著しく低減することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】電子部品 本発明による電子部品は、基板上に導電層が少なくとも
1層形成されている電子部品であって、前記導電層の少
なくとも一部に絶縁樹脂層が設けられ、そして前記導電
層の少なくとも一部に前記絶縁樹脂層が設けられていな
い裸出部を有するものであって、この絶縁樹脂層および
裸出部の形成に関して主要な特徴点を有するものであ
る。
【0012】絶縁樹層脂 本発明による電子部品の絶縁樹脂層は、前記導電層にマ
スクを施したのち有機溶剤可溶性ポリイミドを含有する
水性媒体を用いて電着法で形成されたものである。この
絶縁樹脂層としては、有機溶媒可溶性のポリイミド(成
分(A))と親水性ポリマー(成分(B))とを同一粒
子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μm、好ましく
は0.05〜3μmである粒子を、水性媒体中に分散さ
せてなる電着液から形成されたものが好ましい。
【0013】この電着液における有機溶剤可溶性のポリ
イミドと親水性ポリマーとの使用割合は、有機溶剤可溶
性のポリイミドが、典型的には、20〜90重量%、好
ましくは30〜80重量%であり、親水性ポリマーが、
典型的には、80〜10重量%、好ましくは70〜20
重量%である。この場合、ポリイミドが20重量%未満
で、親水性ポリマーが80重量%を超えると、水性分散
体から得られる硬化物の電気絶縁性が低下する傾向があ
り、またポリイミドが90重量%を超え、親水性ポリマ
ーが10重量%未満では、得られる水性分散体の保存安
定性が低下する傾向がある。
【0014】本発明の電着液における水性媒体とは、水
を主成分とする媒体を意味する。この場合、水性媒体中
における水の含有率は、典型的には、40重量%以上、
好ましくは50重量%以上である。場合により水と共に
使用される他の媒体としては、例えば、前記ポリアミッ
ク酸あるいはポリイミドの合成に使用される非プロトン
性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フェノール類や、
前記親水性ポリマーの合成に使用される極性溶媒と同様
のものを挙げることができる。
【0015】(A)成分(有機溶媒可溶性のポリイミ
ド) <有機溶媒可溶性のポリイミドの合成方法>本発明にお
ける(A)成分は、有機溶媒可溶性のポリイミドからな
る。このようなポリイミドの合成法は特に限定されるも
のではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させ
て、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加
熱イミド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応
させることにより、ポリイミドを合成することができ
る。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を
有するポリイミドを合成することも可能である。
【0016】<テトラカルボン酸二無水物>本発明にお
ける(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合
成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−
ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ジシクロヘキシルテトラルカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二
無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメ
チル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物や、下
記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族
テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボ
ン酸二無水物、
【化1】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在す
るRは相互に同一でも異なっていてもよい)、
【0017】
【化2】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在す
るRは相互に同一でも異なっていてもよい);ピロ
メリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,
4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフ
ェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,
4,4′−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無
水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水
物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホ
ン二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフ
ェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3′,
4,4′−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二
無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオ
キサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニ
ルフタル酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフ
ェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル
酸)−4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス
(トリフェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタ
ン二無水物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロト
リメリテート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス
(アンヒドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオ
ール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オ
クタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビ
ス(アンヒドロトリメリテート)や、下記式(3)〜
(6)で表される化合物等の芳香族テトラカルボン酸二
無水物、
【化3】
【化4】
【0018】
【化5】
【化6】 等を挙げることができる。これらのテトラカルボン酸二
無水物は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。
【0019】<ジアミン化合物>また、本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に
用いられるジアミン化合物としては、例えば、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′
−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミ
ン−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−
ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロ
ロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニ
ル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)
ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピ
リデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)
フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジ
アミン類;
【0020】1,1−メタキシリレンジアミン、1,3
−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジア
ミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミ
ン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチ
レンジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−
ウンデシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビ
ス(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるい
は脂環式ジアミン類;
【0021】2,3−ジアミノピリジン、2,6−ジア
ミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジ
アミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−ジシア
ノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒドロキシ
ピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルアミノ−
1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−アミノプ
ロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イソプロ
ポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−
6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,6−
ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、2,
4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−ジア
ミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチルウラ
シル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、
6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテー
ト、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノア
クリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン
や、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、
分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基
以外の窒素原子を有するジアミン類、
【化7】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジ
ン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒
素環構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示
し、Xは2価の有機基を示す)、
【化8】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジ
ン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒
素環構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示
し、Xは2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に
同一でも異なっていてもよい;
【0022】下記式(9)で表されるモノ置換フェニレ
ンジアミン類、
【化9】 (式中、Yは−O−、−COO−、−OCO−、−NH
CO−、−CONH−または−CO−を示し、R
水素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数
6〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1
価の基を示す);下記式(10)で表されるジアミノオ
ルガノシロキサン、
【化10】 (式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、
複数存在するRは相互に同一でも異なっていてもよ
く、pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る);
【0023】下記式(11)〜(23)で表される化合
物、
【化11】
【化12】
【化13】
【0024】
【化14】 (式中、yは2〜12の整数である)
【化15】 (式中、zは1〜5の整数である)
【化16】
【0025】
【化17】
【化18】
【化19】
【0026】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】 等を挙げることができる。
【0027】これらのジアミン化合物は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0028】<テトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物との使用割合>本発明における(A)成分である有
機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジ
アミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカル
ボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる
割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量
となる割合である。
【0029】<ポリアミック酸の合成>本発明の(A)
成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成における
中間生成物であるポリアミック酸の合成反応は、有機溶
媒中において、典型的には、−20〜150℃、好まし
くは0〜100℃の温度条件下で行われる。
【0030】このポリアミック酸の生成の際に用いる有
機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうる
ものであれば特に制限はなく、その例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ
オン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノ
ール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール類等を挙げることができる。
【0031】有機溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との合計量が、反応溶液の全量
に対して0.1〜30重量%になるような量であること
が好ましい。
【0032】また、前記有機溶媒には、アルコール類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他
の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範
囲で併用することができる。
【0033】前記併用できる他の有機溶媒としては、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0034】以上のようにしてテトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、本発
明における(A)成分の有機溶媒可溶性のポリイミドの
中間生成物であるポリアミック酸の有機溶媒溶液が得ら
れる。
【0035】得られるポリアミック酸は、その対数粘度
(ηIn)の値が、典型的には、0.05〜10dl/
g、好ましくは0.05〜5dl/gである。
【0036】ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−
メチル−2−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.
5g/100ミリリットルである溶液の流下時間と、該
溶媒の流下時間を、30℃で測定して、下記式により求
められるものである。 ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流下時間)/
(溶液の濃度)
【0037】<有機溶媒可溶性のポリイミドの合成>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、前記ポリアミック酸を脱水閉環することにより
合成することができる。
【0038】ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(イ)
ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を
共沸留去する加熱イミド化法、または(ロ)ポリアミッ
ク酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加
し、必要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法に
より行うことができる。
【0039】前記(イ)の方法における反応温度は、典
型的には、50〜400℃、好ましくは100〜250
℃とすることができる。反応温度が50℃未満では、脱
水閉環反応が十分に進行せず、一方反応温度が400℃
を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下する場
合がある。
【0040】また、(イ)の方法においては、副生する
水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外
で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として
存在させることもできる。さらに、脱水閉環を促進する
ために、第三級アミン、例えば、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n
−ブチルアミン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジ
メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族
第三級アミン類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等
の複素環式第三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸
100重量部当たり、例えば10〜400重量部添加す
ることもできる。次に、前記(ロ)の方法において、脱
水剤としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、
無水トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができ
る。脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返し単位1
モルに対して、0.01〜20モルが好ましい。また、
脱水閉環触媒としては、例えば、ピリジン、コリジン、
ルチジン、トリエチルアミン等の第三級アミン類を用い
ることができるが、これらに限定されるものではない。
脱水閉環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対し
て、0.01〜10モルが好ましい。
【0041】(ロ)の方法における反応温度は、典型的
には、0〜180℃、好ましくは10〜150℃であ
る。
【0042】(イ)および(ロ)の方法に使用される有
機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有
機溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0043】また、(イ)および(ロ)の方法により得
られる反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで、ポリイミド
を析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、
ポリイミドを固体として得ることができる。さらには、
この固体ポリイミドを再び有機溶媒に溶解させ、次いで
貧溶媒中に注いで析出させる処理を1回以上行うことに
より、ポリイミドを精製することができる。
【0044】<末端修飾型ポリイミド>本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドは、分子
量が調節された末端修飾型のものであってもよい。
【0045】このような末端修飾型ポリイミドは、ポリ
アミック酸を合成する際に、カルボン酸−無水物、モノ
アミン化合物、アミノ酸、モノイソシアネート化合物等
を反応系に添加することにより合成することができる。
【0046】前記カルボン酸−無水物としては、例え
ば、無水マイレン酸、無水フタル酸、3−ヒドロキシフ
タル酸無水物、無水イタコン酸、n−デシルこはく酸無
水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テトラデシル
こはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無水物、ナ
フタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物等
を挙げることができる。
【0047】また、前記モノアミン化合物としては、例
えば、アニリン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルア
ミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−
ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミ
ン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ド
デシルアミン、n−トリデシルアミン、n−テトラデシ
ルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−ヘキサデシル
アミン、n−ヘプタデシルアミン、n−オクタデシルア
ミン、n−エイコシルアミン等を挙げることができる。
【0048】また、前記アミノ酸としては、例えば、ア
ラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオニン、フ
ェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリ
プトファン、バリン等を挙げることができる。
【0049】また、前記モノイソシアネート化合物とし
ては、例えば、フェニルイソシアネート、1−ナフチル
イソシアネート等を挙げることができる。
【0050】<反応性基(a)を有するポリイミド>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、
スルホン酸基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート
基等の反応性基(a)を1種以上有することができる。
【0051】本発明における反応性基(a)を有するポ
リイミドにおいては、その反応性基(a)を、後述する
(B)成分中の反応性基(b)と反応しうるものとする
ことが好ましく、それにより、該ポリイミドと(B)成
分とが結合して同一粒子内に含む粒子を得ることができ
る。
【0052】このようなポリイミドは、反応性基(a)
を、典型的には、0.1〜50モル%、好ましくは、
0.2〜30モル%、さらに好ましくは、0.5〜20
モル%含有することが望ましい。
【0053】反応性基(a)を有するポリイミドの合成
方法としては、例えば、(ハ)ポリアミック酸中に存在
するアミド酸基(即ち、反応原料のテトラカルボン酸二
無水物およびジアミン化合物から形成される遊離カルボ
キシル基とアミド基)を脱水閉環反応後に残存させる方
法、(ニ)ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン
酸二無水物、ジアミン化合物、カルボン酸−無水物、モ
ノアミン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を
有する化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基
(a)を残存させる方法等を挙げることができる。
【0054】前記(ハ)の方法は、ポリアミック酸の脱
水閉環反応時に、加熱イミド化法においては、反応時間
と反応温度を適切にコントロールすることにより、その
イミド化率を調整することにより実施でき、また前記
(ニ)の方法は、反応性基(a)が脱水閉環反応に関与
する場合、加える脱水剤や脱水閉環触媒の量を調製する
ことにより、イミド化率を調整することにより実施する
ことができる。なお、(ニ)の方法で反応性基(a)が
脱水閉環反応に関与しない場合は、反応条件を特に調整
する必要がない。これらの方法のうち、そのイミド化率
の調整の簡便さから、一般に(ニ)の方法が好ましい。
【0055】以上のようにして得られる有機溶媒可溶性
のポリイミドは、その対数粘度(η In)の値が、典型
的には、0.05〜10dl/g、好ましくは0.05
〜5dl/gである。ここで、対数粘度(ηIn)は、
前記ポリアミック酸の対数粘度(ηIn)と同様の方法
により測定される。
【0056】(B)成分(親水性ポリマー) <親水性ポリマー>本発明における(B)成分は、親水
性基として、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸
基、スルホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対
する20℃の溶解度が、典型的には、0.01g/10
0g以上、好ましくは0.05g/100g以上である
親水性ポリマーからなる。
【0057】また、本発明の(B)成分である親水性ポ
リマーは、前記親水性基に加えて、前記(A)成分中の
反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1種以上
有することが好ましい。
【0058】このような反応性基(b)としては、例え
ば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基の
ほか、前記親水性基と同様のアミノ基、水酸基、スルホ
ン酸基、アミド基等を挙げることができる。
【0059】このような本発明の(B)成分である親水
性ポリマーは、前記(A)成分の有機溶媒可溶性のポリ
イミドと共に同一粒子内に混在することにより、該粒子
を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示すも
のと考えられる。
【0060】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
のうち好ましいものは、親水性基を有するモノビニル単
量体(以下、「親水性単量体」という)の単独重合体、
あるいは親水性単量体単位を、典型的には、0.1〜8
0重量%、好ましくは、1〜60重量%、さらに好まし
くは3〜50重量%含有する共重合体が望ましく、特に
親水性単量体の共重合体が望ましい。
【0061】さらに、本発明の(B)成分である親水性
ポリマーのうち好ましいものは、前記(A)成分中の反
応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を有するモノ
ビニル単量体(以下、「反応性単量体」という)を、典
型的には、0.1〜30重量%、好ましくは、0.2〜
20重量%、さらに好ましくは、0.5〜15重量%含
有する共重合体が望ましい。
【0062】<親水性ポリマーを構成する親水性単量体
または反応性単量体>本発明の好適態様において(B)
成分である親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体
あるいは反応性単量体のうち、アミノ基含有単量体とし
ては、例えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、3−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート
等のアミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2
−(2−ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アク
リレート、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エチル
(メタ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエト
キシ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−ジメ
チルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等
のアミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレー
ト類;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アク
リルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピ
ル)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミ
ノプロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−アミノア
ルキル基含有(メタ)アクリルアミド類;p−ジメチル
アミノメチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチ
レン、p−ジメチルアミノメチル−α−メチルスチレ
ン、p−ジエチルアミノメチル−α−メチルスチレン、
p−(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−(2
−ジエチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジメチ
ルアミノエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ジ
エチルアミノエチル)−α−メチルスチレン、2−ビニ
ルピリン、4−ビニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビ
ニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと第一級
または第二級のアミン化合物との付加物等や、これらの
単量体中のアミノ基を中和あるいは四級化した塩等を挙
げることができる。
【0063】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、カルボキシル基含有単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸、マイレン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸類やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチ
ルエステル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポ
リカルボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこ
れらの塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)エステル等の非重合性
ジカルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ
アルキル)エステル類やこれらの塩等を挙げることがで
きる。
【0064】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、水酸基含有単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル、2−ヒドロキシエチルジエステ
ル等を挙げることができ、スルホン酸基含有ビニル系単
量体としては、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−
α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イソプレン
やこれらの塩等を挙げることができ、アミド基含有単量
体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、クロト
ン酸アミド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フ
マル酸ジアミド等を挙げることができる。
【0065】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記反応性単量体のうち、
また、エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテ
ル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート等を挙げることができる。
【0066】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記反応性単量体のうち、
イソシアネート基含有単量体としては、例えば、2−イ
ソシアナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシア
ナトプロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナト
プロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができ
る。
【0067】これらの親水性単量体および反応性単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0068】<共重合しうる他の単量体>また、本発明
の好適態様において(B)成分である親水性ポリマーを
構成する親水性単量体あるいは反応性単量体と共重合し
うる他のモノビニル単量体としては、例えば、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリルレー
ト、i−ブチル(メタ)アクリルレート、sec−ブチ
ル(メタ)アクリルレート、t−ブチル(メタ)アクリ
ルレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エ
チルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)
アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シクロ)アルキ
ル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリ
レート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、
3−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メト
キシブチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル
(メタ)アクリレート、4−メトキシブチル(メタ)ア
クリレート、p−メトキシシクロヘキシル(メタ)アク
リレート等のアルコキシ(シクロ)アルキル(メタ)ア
クリレート類;(メタ)アクリロニトリル、シアン化ビ
ニリデン、クロトンニトリル、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、2−シアノプロピル(メタ)アクル
レート、3−シアノプロピル(メタ)アクリレート等の
シアノ基含有単量体類;N−メトキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルア
ミド、N−(3−メトキシプロピル)(メタ)アクリル
アミド、N−(4−メトキシブチル)(メタ)アクリル
アミド等の前記アミド基含有単量体のN−アルコキシア
ルキル置換誘導体類;トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヘプタフルオロブチル(メタ)アクリレート等のフ
ルオロアルキル(メタ)アクリレート類;トリメチルシ
ロキサニルジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレー
ト、トリス(トリメチルシロキサニル)シリルプロピル
(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリロイルプロピ
ルジメチルシリルエーテル等のシロキサニル化合物類;
スチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、
p−ビニルトルエン、p−エチルスチレン、α−メチル
スチレン、α−フルオロスチレン等のモノビニル芳香族
化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビ
ニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニ
ルエステル類;エチレン、ブタジエン、イソプレン等の
不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シリコン変性モノマ
ー、マクロモノマー等を挙げることができる。前記他の
モノビニル単量体は、単独でまたは2種以上を混合して
使用することができる。
【0069】さらに、得られる共重合体の親水性を過度
に損なわない範囲の量で、例えば、ジビニルベンゼン、
ジイソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合
物;エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、 テトラメチレンビス
(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミ
ド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)ア
クリロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ
アクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を
有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させ
ることもできる。
【0070】<親水性ポリマーの合成>本発明の(B)
成分である親水性ポリマーは、例えば、ラジカル重合開
始剤を用い、必要に応じて連鎖移動剤の存在下における
公知の溶液重合などにより製造することができる。前記
溶液重合に用いる重合媒体としては、例えば、水、極性
溶剤、水と極性溶媒との混合媒体等を挙げることができ
る。前記極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、
N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセト
アミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
ホキシド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘ
キサメチルホスホルトリアミド、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−プロピル、酢酸n−ブチル、3−メトキシ
プロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチ
ル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプ
ロピオン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチ
ル、乳酸エチル、乳酸ブチル、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、
エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、
1,4−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、
トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール20
0、ポリエチレングリコール400、ポリエチレングリ
コール600、ポリエチレングリコール1500、グリ
セリン、N−メチロールピロリドン、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエー
テル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエーテル、メタノール、エタノール等を挙げることが
できる。これらの極性溶媒は、単独でまたは2種以上を
混合して使用することができる。
【0071】また、本発明における親水性ポリマーとし
ては、好ましくは水に対する前記溶解度条件を満たす公
知の親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリスチレン
のスルホン化物、スチレン−イソプレン共重合体のスル
ホン化物等を使用することもできる。
【0072】本発明における親水性ポリマーのゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平
均分子量(以下、「Mn」という)は、典型的には、
1,000〜100,000、好ましくは3,000〜
20,000である。
【0073】前記親水性ポリマーは、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0074】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、溶液あるいは固体として、転写用電着膜形成液の調
製に使用される。
【0075】添加剤 本発明の転写用電着膜形成液には、必要に応じて各種の
添加剤を配合することができる。このような添加剤とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。
【0076】また、他の添加剤としては、例えば、クレ
ー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブ
ラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワ
ラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミ
ナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポ
リエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリ
ビニルアルーコル等の繊維あるいはウイスカー等の補強
材を挙げることができる。また、前記補強材は、例え
ば、織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛
に本発明の電着液を含浸させて使用することもできる。
【0077】前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0078】さらに、前記以外の添加剤としては、例え
ば、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、
帯電防止剤、難燃剤、着色剤、滑剤、防曇剤、接着性改
善剤、防かび剤等を挙げることができる。
【0079】また必要に応じて、少量の乳化剤や水溶性
分散剤を電着液に添加することもできる。
【0080】電着液の製造方法 本発明の電着液の製造方法としては、前記所定の水性分
散体が得られる限り特に限定されるものではないが、例
えば、(I)有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合したのち、こ
の混合溶液を水性媒体中に分散させて混合して、所定の
平均粒子径の粒子とし、場合により有機溶媒の少なくと
も一部を除去する方法、(II)溶液から分離された有
機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを、固体
状態で混合して、所定の平均粒子径の粒子としたのち、
該粒子を水性媒体中に分散させる方法等を挙げることが
できるが、特に(I)の方法が好ましい。これらの方法
は、必要に応じて加熱下で実施することができる。
【0081】すなわち、本発明の電着液の製造方法とし
ては、例えば、(A)反応性基(a)を有する有機溶媒
可溶性のポリイミドと(B)反応性基(b)を有する親
水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て、必要に応じて加熱しつつ反応させたのち、この反応
溶液と水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少な
くとも一部を除去することにより、前記(A)成分と
(B)成分とを同一粒子内に含み、平均粒子径が0.0
3〜5μmである粒子を、水性媒体中に分散させる方法
が挙げられる。
【0082】以下、本発明の電着液の製造方法を、前記
(I)の方法を中心としてさらに具体的に説明する。
【0083】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法として
は、例えば、(i)別々に調製したポリイミドの溶液と
親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、(ii)ポリ
イミドと親水性ポリマーのいずれか一方の溶液に、他方
を固体として添加して混合溶解する方法、(iii)ポ
リイミドと親水性ポリマーをともに固体として有機溶媒
に添加して、混合溶解する方法等を挙げることができる
が、特に(i)の方法が好ましい。
【0084】ポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態
で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミ
ドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこ
れらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、
例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成
に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケト
ン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使
用される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有
機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、(i)の方法の場合、ポリイミドの
溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶媒は、
同一でも異なってもよい。
【0085】さらに、(i)〜(iii)の方法により
得られる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加
することができる。
【0086】この有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性
ポリマーとの混合溶液に加えることのできる化合物とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。これらの化合物
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0087】有機溶媒可溶性のポリアミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液の濃度は、両成分の合計量として、好
ましくは5〜60重量%、さらに好ましくは10〜50
重量%である。
【0088】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを溶液状態で混合する際には、例えば、攪拌翼、
リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段を採用すること
ができる。また、混合条件は、回転数が、典型的には、
10〜50,000rpm、好ましくは20〜5,00
0rpmである。
【0089】また、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとを溶液状態で混合する際には、必要に応じ
て界面活性剤を適量添加することもできる。但し、得ら
れる電着液を絶縁材として使用する場合は、界面活性剤
が絶縁耐久性を低下させる要因ともなることがあるた
め、その使用量を極力少なくすることが好ましい。
【0090】さらに、本発明においては、電着液のpH
を、好ましくは4〜10、さらに好ましくは5〜9とす
ることが望ましく、それにより、保存安定性が特に優れ
た水性分散体を得ることができる。
【0091】このようなpH調整は、例えば、(iv)
有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合
溶液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性媒体
中に分散させる方法、(v)有機溶媒可溶性のポリイミ
ドと親水性ポリマーとの混合溶液を、必要量のpH調整
剤を添加した水性媒体中に分散させる方法、(vi)有
機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーとの混合溶
液を水性媒体中に分散させながら、必要量のpH調整剤
を添加する方法等により実施することができるが、特に
(iv)の方法が好ましい。なお、前記(II)の方法
においてpH調整する際には、予め必要量のpH調整剤
を水性媒体中に添加しておけばよい。
【0092】前記pH調整剤としては、特に限定される
ものではなく、例えば、アンモニア、水酸化カリウム、
水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、アルカノールアミ
ン等の有機または無機の塩基;ぎ酸、酢酸、酪酸、塩
酸、硫酸等の有機または無機のプロトン酸等を挙げるこ
とができる。これらのpH調整剤は、有機溶媒可溶性の
ポリイミド中の反応性基(a)あるいは親水性ポリマー
中の親水性基や反応性基(b)の種類や、これらの組み
合せ等に応じて使い分けられる。
【0093】次に、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水
性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際に
は、該混合溶液に水性媒体を添加しても、あるいは該混
合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特に後者の方法
が好ましい。
【0094】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとの混合溶液を水性媒体中に分散させる際には、例
えば、攪拌翼、リボン、スクリュウ等の適宜の混合手段
を採用することができる。また、混合条件は、電着液の
固形分濃度、分散粒子の所望の平均粒子径等によって変
わるが、回転数が、典型的には、10〜50,000r
pm、好ましくは20〜5,000rpmである。
【0095】電着液を調製する際に、水以外の有機溶媒
あるいは媒体を除去する方法としては、例えば、蒸留、
限外ろ過等を挙げることができる。
【0096】本発明の電着液における水性媒体の合計使
用量は、有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマー
との合計100重量部に対して、好ましくは10〜1
0,000重量部、さらに好ましくは20〜5,000
重量部である。本発明の転写用電着膜形成液における粒
子の平均粒子径は、0.03〜5μm、好ましくは0.
05〜2μmである。この場合、粒子の平均粒子径が
0.03μm未満では、水性分散体としたときの粘度が
高くなりすぎ、また5μmを超えると、水性分散体とし
ての保存安定性が低下して、粒子が沈降しやすくなる。
この平均粒子径は、公知の光学的方法や電子顕微鏡によ
り測定することができる。
【0097】さらに、本発明においては、電着液を製造
する際に、有機溶媒可溶性のポリイミド中の反応性基
(a)と親水性ポリマー中の反応性基(b)とを適切に
組み合せて、該ポリイミドと該親水性ポリマーとを、有
機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要に応じて加熱し
つつ、反応させたのち、この反応溶液と水性媒体とを混
合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去する
ことにより、該ポリイミドと該親水性ポリマーとを相互
に結合して同一粒子内に含み、前記所定の平均粒子径を
有する粒子を、水性媒体中に分散させることにより、水
系分散体としての保存安定性および硬化物の諸物性に著
しく優れた電着液を製造することができる。
【0098】基板 本発明による電子部品に用いられる基板は、配線板や多
層配線板一般的に用いられているものの中から合目的的
なものを用いることができる。この基板を作製する材料
は、特に限定されない。好ましいものとしては、たとえ
ばエポキシ、ガラスエポキシ、BTレジン、ポリイミ
ド、フェノール樹脂、PPE、環状オレフィンを例示す
ることができる。
【0099】導電層 本発明による電子部品に用いられる導電層の材料は、配
線板や多層配線板一般的に用いられているものの中から
合目的的な任意のものを選択することができる。この基
板を作製する材料は、特に限定されない。好ましいもの
としては、めっき法などの電着法により電着可能なも
の、例えば、銅、銀、金、ニッケル、クロム、亜鉛、
鉛、錫、白金などを例示することができる。
【0100】電子部品 本発明による電子部品の好ましい具体例は、図1〜図4
に示される通りのものである。図1および図2には、レ
ジストタイプの本発明による電子部品およびその製造法
が示されている。図1(d)および図2(d)に示され
る電子部品において、基板(1)上には少なくとも1層
の導電層(2)が形成されており、この導電層(2)の
少なくとも一部に絶縁樹脂層(3)が設けられて、そし
てこの導電層(2)の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設
けられていない裸出部(4)が設けられている。この絶
縁樹脂層(3)は、図1(b)および図2(b)に示さ
れるように、導電層(2)にマスク(5)を施したの
ち、図1(c)および図2(c)に示されるように、有
機溶媒可溶性ポリイミドを含有する水性媒体を用いて電
着法で形成されたものであり、裸出部(4)は、マスク
(5)を除去することによって設けられたものである。
マスク(5)は、好ましくは感光性レジストを使用す
る。
【0101】図3および図4には、エッチングタイプの
本発明による電子部品およびその製造法が示されてい
る。図3(e)および図4(e)に示される電子部品に
おいて、基板(1)上には少なくとも1層の導電層
(2)が形成されており、この導電層(2)の少なくと
も一部に絶縁樹脂層(3)が設けられて、そしてこの導
電層(2)の少なくとも一部に絶縁樹脂層が設けられて
いない裸出部(4)が設けられている。この絶縁樹脂層
(3)は、図3(b)および図4(b)に示されるよう
に、導電層(2)に有機溶剤可溶性ポリイミドを含有す
る水性媒体を用いて電着法で形成された後、図3(c)
および図4(c)に示されるように、マスク(6)を施
して、図3(d)および図4(d)に示されるように、
エッチング処理を行い、図3(e)および図4(e)に
示されるように、次いでマスク(6)を除去することに
よって形成されたものであり(図3(e)および図4
(e))、裸出部(4)はエッチング処理によって設け
られたものである(図3(e)および図4(e))。
【0102】エッチングは、ドライエッチングおよびウ
エットエッチングのいずれでも良いが、本発明において
好ましいのはウエットエッチングである。エッチング液
は、アルカリ性水溶液あるいは有機酸を含むものが好ま
しい。なお、最適なエッチング液は、導電層あるいはマ
スクなどの材料、具体的エッチング処理の内容に応じ適
宜選択できることは言うまでない。マスク(6)は、エ
ッチング処理によって劣化しにくいもの、例えば金属材
料であるものが好ましい。
【0103】
【実施例】ポリイミドの合成 <合成例1>テトラカルボン酸二無水物として3,
3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物32.29g(90ミリモル)および1,3,
3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ
−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2
−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリ
モル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g
(90ミリモル)および式(10)に対応するオルガノ
シロキサンLP7100(商品名、信越化学製)2.4
9g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン
450gに溶解して、室温で12時間反応させた。その
後、この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸7
1gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行っ
た。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対数粘度
0.51dl/g、イミド化率95%で、5%のポリア
ミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A−1)の
溶液を得た。
【0104】<合成例2>テトラカルボン酸二無水物と
して3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカ
ルボン酸二無水物35.88g(100ミリモル)、ジ
アミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル]プロパン32.84g(80ミリ
モル)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン1.98
g(10ミリモル)および式(10)に対応するオルガ
ノシロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学
製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−
ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応さ
せた。その後、この反応溶液に、ピリジン32gおよび
無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反
応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、
対数粘度0.45dl/g、イミド化率95%で、5%
のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミド(A
−2)の溶液を得た。
【0105】<合成例3>テトラカルボン酸二無水物と
して3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカ
ルボン酸二無水物17.94g(50ミリモル)および
3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物16.11g(50ミリモル)、ジアミン化合
物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)およ
び式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−
161AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミ
リモル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶
解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応
溶液に、ピリジン8gおよび無水酢酸10gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.48dl/
g、イミド化率50%で、50%のポリアミック酸を含
む固形分10%のポリイミド(A−3)の溶液を得た。
【0106】親水性ポリマーの合成 <合成例4>ジエチレングリコールモノエチルエーテル
100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85
℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート
65部、ジメチルアミノエチルアクリレート30部、グ
リシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチ
ロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に
添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−1)の溶
液を得た。
【0107】<合成例5>γ−ブチロラクトン100部
を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持
し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、
ジメチルアミノエチルアクリレート30部、イソシアナ
トエチルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチ
ロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に
添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−2)の溶
液を得た。
【0108】<合成例6>ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰
囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチル
アクリレート60部、メチルメタアクリレート5部、ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド30部、グリシジ
ルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチロニト
リル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加し
つつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85
℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、
固形分50%の親水性ポリマー(B−3)の溶液を得
た。
【0109】<合成例7>ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰
囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチル
アクリレート65部、スチレン5部、メタアクリル酸3
0部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水
性ポリマー(B−4)の溶液を得た。
【0110】<合成例8>ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰
囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチル
アクリレート65部、メチルメタアクリレート5部、ア
クリル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部
からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹
拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさら
に2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分5
0%の親水性ポリマー(B−5)の溶液を得た。
【0111】電着液の製造 <製造例1>ポリイミド(A−1)の溶液70部(固形
分)に対して、親水性ポリマー(B−1)の溶液30部
(固形分)を添加して十分混合し、70℃で3時間加熱
したのち、酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整
を行った。次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつ
つ強く撹拌して、凝集物のない電着液Aを得た。
【0112】<製造例2>親水性ポリマーとして(B−
2)を用いた以外は、製造例1と同様にして、電着液B
を得た。
【0113】<製造例3>親水性ポリマーとして(B−
3)を用いた以外は、製造例1と同様にして、電着液C
を得た。
【0114】<製造例4>ポリイミドの量(A−2)を
50部(固形分)とし、添加剤としてエピコートYL9
80(商品名、油化シェル製)20部(固形分)を用い
た以外は、製造例1と同様にして、電着液Dを得た。
【0115】<製造例5>ポリイミド(A−3)を50
部(固形分)、親水性ポリマー(B−1)を30部(固
形分)および添加剤としてエピコートYX400H(油
化シェルエポキシ製)を20部用いた以外は、製造例1
と同様にして、電着液Eを得た。
【0116】<製造例6>ポリイミド(A−1)を30部
(固形分)、親水性ポリマー(B−2)を40部(固形
分量)及び添加剤としてエピコートXL980(商品
名、油化シェルエポキシ製)を30部用いた以外は製造
例1と同様にして、電着液Fを得た。
【0117】<製造例7>ポリイミドとして(A−2)
を50部(固形分量)、親水性ポリマー(B−4)を3
0部(固形分量)、添加剤としてエピコートYX400
H(商品名、油化シェルエポキシ製)を20部(固形
分)、pH調整剤としてトリエタノールアミン酸を用い
た以外は、製造例1と同様にして、電着液Gを得た。
【0118】<製造例8>親水性ポリマーとして(B−
5)を用い、添加剤としてエピコート1001(商品
名、油化シェルエポキシ製)を20部(固形分量)、p
H調整剤としてトリエタノールアミンを用いた以外は、
製造例1と同様にして、電着液Hを得た。
【0119】〔実施例1〕 (1) 電着用マスク(マスキングテープ) 金属板にマスキングテープ(N-300、日東電工製)
で一部マスキングした。 (2) 電着膜の形成 上記マスキングした金属基板を調整された電着液A浴中
で、前記金属板を陰極に、白金電極を陽極にして、温度
25℃、極間4cm、電圧50Vを印加して60秒間電着
し、乾燥80℃−5分し膜厚25μmの電着膜を形成し
た。 (3) 硬化 前記金属板からマスキングテープを剥離した後、250
℃×1時間の熱処理をしたのち、電着膜を得た。
【0120】〔実施例2〕実施例1で電着液Aのかわり
に電着液Bを用いた以外は実施例1と同様にして電着層
を得た。
【0121】〔実施例3〕実施例1で電着液Aのかわり
に電着液Cを用いた以外は実施例1と同様にして電着膜
を得た。
【0122】〔実施例4〕 (1)電着用感光性マスクの形成 金属基材に対して、重クロム酸アンモニウム水溶液を1
0%混合したカゼインFR−15(富士薬品工業(株)
製)を スピンナーで塗布し、80℃のクリーンオーブ
ン中で30分間プレベークした。その後、所定のパター
ンを有するフォトマスクを用い、下記条件で露光を行
い、50℃の温水で現像した。次いで、10%無水クロ
ム酸水溶液に10秒間浸漬し硬膜処理を行い、水洗、乾
燥後、200℃のクリーンオーブンで30分間ポストベ
ークし、膜厚約5μmのマスクパターンを形成した金属
基板を得た。 露光条件 密着露光機 大日本スクリーン製造(株)製 P−202−G 真空引き 30秒 露光時間 300カウント(750mJ/cm) 剥離 (2)電着膜の形成 上記マスクパターンを形成した金属基板を調整された電
着液D浴中で、前記金属板を陰極に、白金電極を陽極に
して、温度25℃、極間4cm、電圧50Vを印加して
60秒間電着し、乾燥80℃−5分、硬化200℃−1
時間して膜厚20μmの電着膜を形成した。 (3)剥離 前記金属板を60℃のNaOH5%水溶液に浸積して、
カゼインレジストのマスクパターンを剥離し、膜厚15
μmのパターン電着膜を得た。
【0123】〔実施例5〕実施例4で電着液Dのかわり
に電着液Eを用いた以外は実施例4と同様にしてパター
ン電着膜を得た。
【0124】〔実施例6〕実施例4で電着液Dのかわり
に電着液Fを用いた以外は実施例4と同様にしてパター
ン電着膜を得た。
【0125】〔実施例7〕実施例4で電着液Dのかわり
に電着液Gを用いた以外は実施例4と同様にしてパター
ン電着膜を得た。
【0126】〔実施例8〕 (1)電着用感光性マスクの形成 金属基材に対して、感光性カバーフィルムSFP−00
AI−25AR(新日鉄化学(株)製)を 90℃でラミネ
ートした。その後、所定のパターンを有するフォトマス
クを用い、下記条件で露光を行い、0.3%乳酸水溶液
(25℃)で現像(40秒)した。90℃−30分乾燥
後、膜厚約25μmのマスクパターンを形成した金属基
板を得た。 ラミネート90℃ 露光:100〜500mJ/cm 現像:0.3%乳酸水溶液(25℃) 20〜40秒 (2)電着 上記金属基板を電着液Hに浸積し、陽極に金属基板、陰
極に白金電極とし、温度25℃、極間4cm、電圧50
Vで60秒間電着し、乾燥90℃×10分間のち、膜厚
25μmの電着膜を得た。 (3)剥離 前記金属板を30%乳酸水溶液(室温)に浸積し、感光
性カバーフィルムを剥離し250℃×30分硬化したの
ち、パターン電着膜を得た。
【0127】〔実施例9〕エッチングの実施例 (1)電着 金属基板を電着液Dに浸積し、陰極に金属基板、陽極に
白金電極とし、温度25℃、極間4cm、電圧50Vで
60秒間電着し、乾燥80℃×10分間のち、硬化25
0℃×1時間、膜厚20μmの電着膜を得た。 (2)感光性レジストの形成 金属基材に対して、感光性カバーフィルムSFP1−0
0AI-25AR(新日鉄化学(株)製)を 90℃でラミネ
ートした。その後、所定のパターンを有するフォトマス
クを用い、下記条件で露光を行い、0.3%乳酸水溶液
(25℃)で現像(40秒)した。90℃-30分乾燥
後、膜厚約25μmのマスクパターンを形成した金属基
板を得た。 ラミネート90℃ 露光:100〜500mJ/cm 現像:0.3%乳酸水溶液(25℃) 20〜40秒 (3)電着ポリイミド膜のエッチング 東レエンジニアリング製ポリイミドエッチング液TPE
−300(≒pH14)に浸積(70℃3分)し、電着
ポリイミドを一部エッチングした。 (4)剥離 前記金属板を30%乳酸水溶液(室温)に浸積し、感光
性カバーフィルムを剥離した。
【0128】〔実施例10〕実施例4で電着液Dのかわ
りに電着液Eを用いた以外は実施例4と同様にしてパタ
ーン電着膜を得た。
【0129】〔実施例11〕実施例4で電着液Dのかわ
りに電着液Fを用いた以外は実施例4と同様にしてパタ
ーン電着膜を得た。
【0130】〔実施例12〕実施例4で電着液Dのかわ
りに電着液Gを用いた以外は実施例4と同様にしてパタ
ーン電着膜を得た。
【0131】〔実施例13〕実施例4で電着液Dのかわ
りに電着液Hを用い、電着時に金属板陽極に、白金電極
を陰極にした以外は実施例4と同様にしてパターン電着
膜を得た。
【0132】〔実施例14〕 (1)電着 金属基板を電着液Dに浸積し、陰極に金属基板、陽極に
白金電極とし、温度25℃、極間4cm、電圧50Vで
60秒間電着し、乾燥80℃×10分間のち、硬化15
0×15分、膜厚25μmの電着膜を得た (2)感光性レジスト塗布 上記の電着膜の上に東京応化製レジスト「PMER−A
R900」を乾燥(85℃−30分)後、10μmの厚
さで塗布。露光現像を行い、所定のパターンを形成し
た。 乾燥条件:85℃30分 露光条件:300mj/cm 現像:P−6G(東京応化工業(株)製)3分浸積 (3)ポリイミドの剥離 前記金属板を20%乳酸水溶液(室温)に浸積し、電着
ポリイミドをエッチングした。 (4)レジスト剥離 アセトンに1分間浸積することによってレジストの剥離
を行い、250℃×1時間硬化を行い、ポリイミドパタ
ーン電着膜を得た。
【0133】〔実施例15〕実施例14で電着液Dのか
わりに電着液Eを用いた以外は実施例4と同様にしてパ
ターン電着膜を得た。
【0134】〔実施例16〕実施例14で電着液Dのか
わりに電着液Fを用いた以外は実施例4と同様にしてパ
ターン電着膜を得た。
【0135】〔実施例17〕実施例14で電着液Dのか
わりに電着液Gを用いた以外は実施例4と同様にしてパ
ターン電着膜を得た。
【0136】
【発明の効果】本発明によれば、導電層を保護する絶縁
樹脂層の形成を電着法で行うため、保護膜形成のための
位置合わせ(アライメントの調整)が不要になり、微細
な配線であっても、確実かつ容易に絶縁樹脂層を形成さ
せることが可能となる。また、配線の側面にもきれいに
絶縁樹脂層を設けることができる。そして、絶縁樹脂と
してポリイミドを用いているので、アウトガスはなく、
耐熱性および絶縁性に優れている。さらには、必要な箇
所のみに必要最小量で保護層を形成させることが出来る
ので、製造コストを著しく低減することができる。よっ
て、本発明では、厳密な位置合わせを必要とせずに、配
線上に保護膜を正確に設け、かつ耐熱性、絶縁性および
信頼性の向上がなされた高精度に保護膜が設けられた電
子部品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子部品および製造法を示す断面
【図2】本発明による電子部品および製造法を示す断面
【図3】本発明による電子部品および製造法を示す断面
【図4】本発明による電子部品および製造法を示す断面
【符号の説明】
1 基板 2 導電層 3 絶縁樹脂層 4 裸出部 5 マスク 6 マスク

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に導電層が少なくとも1層形成され
    ている電子部品であって、前記導電層の少なくとも一部
    に絶縁樹脂層が設けられ、そして前記導電層の少なくと
    も一部に前記絶縁樹脂層が設けられていない裸出部を有
    してなり、 前記絶縁樹脂層が前記導電層にマスクを施したのち有機
    溶剤可溶性ポリイミドを含有する水性媒体を用いて電着
    法で形成されたものであり、 前記裸出部が前記マスクを除去することによって設けら
    れたものであることを特徴とする、電子部品。
  2. 【請求項2】基板上に導電層が少なくとも1層形成され
    ている電子部品であって、前記導電層の少なくとも一部
    に絶縁樹脂層が設けられ、そして前記導電層の少なくと
    も一部に前記絶縁樹脂層が設けられていない裸出部を有
    してなり、 前記絶縁樹脂層が、前記導電層に有機溶剤可溶性ポリイ
    ミドを含有する水性媒体を用いて電着法で形成された
    後、マスクを施してエッチング処理を行い、次いで前記
    マスクを除去することによって形成されたものであり、 前記裸出部が前記エッチング処理によって設けられたも
    のであることを特徴とする、電子部品。
  3. 【請求項3】前記絶縁樹脂層が、(A)有機溶媒可溶性
    のポリイミドと(B)親水性ポリマーとを同一分子内に
    含み、平均粒子径が0.03〜5μmである粒子が水性
    媒体中に分散してなる電着液から形成されたものである
    ことを特徴とする、請求項1または2記載の電子部品。
  4. 【請求項4】前記(A)成分としてカルボキシル基、ア
    ミノ基、水酸基、スルホン基、アミド基、エポキシ基、
    及びイソシアネート基からなる群より選ばれる反応性基
    (a)を1種以上有する有機溶剤可溶性のポリイミドと
    前記(B)成分としてエポキシ基、イソシアネート基、
    カルボシキル基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、及
    びアミド基から選ばれてなる反応性基(b)を1種以上
    有する親水性ポリマー、 とを有機溶媒中にて溶融状態で混合して、反応させたの
    ち、この反応後の溶液と水性媒体とを混合して得られる
    電着液を用いて絶縁樹脂層が形成された、請求項3記載
    の電子部品。
  5. 【請求項5】前記(A)成分と前記(B)成分との反応
    時に、反応物の加熱を行い、この反応後の溶液と水性媒
    体とを混合時に、有機溶媒の少なくとも一部を除去して
    得られた電着液を用いて前記絶縁樹脂層が形成された、
    請求項4記載の電子部品。
  6. 【請求項6】前記マスクに使用する材料が感光性レジス
    トであることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5
    のいずれかに記載の電子部品。
  7. 【請求項7】前記エッチングをウェットエッチングで行
    うことを特徴とする、請求項2、3、4、5のいずれか
    に記載の電子部品。
  8. 【請求項8】前記ウェットエッチング液がアルカリ性溶
    液であることを特徴とする、請求項7記載の電子部品。
  9. 【請求項9】前記マスクを印刷法で形成し、前記絶縁樹
    脂層をエッチングすることを特徴とする請求項2、3、
    5のいずれかに記載の電子部品。
  10. 【請求項10】前記マスクに使用する材料が、金属材料
    であることを特徴とする、請求項2、3、4、5、7、
    8のいずれかに記載の電子部品。
  11. 【請求項11】前記絶縁樹脂層をカチオン電着液で形成
    し、かつウェットエッチング液が有機酸を含む溶液であ
    ることを特徴とする、請求項7、8、9、10のいずれ
    かに記載の電子部品。
  12. 【請求項12】基板上に導電層が少なくとも1層形成さ
    れてなり、前記導電層の少なくとも一部に絶縁樹脂層が
    設けられ、そして前記導電層の少なくとも一部に前記絶
    縁樹脂層が設けられていない裸出部を有する電子部品の
    製造法であって、前記絶縁樹脂層を前記導電層にマスク
    を施したのち、有機溶剤可溶性ポリイミドを含有する水
    性媒体を用いて電着法で形成し、前記裸出部を前記マス
    クを除去することによって設けることを特徴とする、電
    子部品の製造法。
  13. 【請求項13】基板上に導電層が少なくとも1層形成さ
    れてなり、前記導電層の少なくとも一部に絶縁樹脂層が
    設けられ、そして前記導電層の少なくとも一部に前記絶
    縁樹脂層が設けられていない裸出部を有する電子部品の
    製造法であって、前記絶縁樹脂層を前記導電層に有機溶
    剤可溶性ポリイミドを含有する水性媒体を用いて電着法
    で形成させた後、マスクを施してエッチング処理を行
    い、次いで前記マスクを除去することによって形成し、
    前記裸出部を前記エッチング処理によって設けることを
    特徴とする、電子部品の製造法。
JP2000270502A 2000-09-06 2000-09-06 電子部品およびその製造法 Pending JP2002084072A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000270502A JP2002084072A (ja) 2000-09-06 2000-09-06 電子部品およびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000270502A JP2002084072A (ja) 2000-09-06 2000-09-06 電子部品およびその製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002084072A true JP2002084072A (ja) 2002-03-22

Family

ID=18756931

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000270502A Pending JP2002084072A (ja) 2000-09-06 2000-09-06 電子部品およびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002084072A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7246435B2 (en) 2005-02-09 2007-07-24 Fujitsu Limited Wiring board and method for fabricating the same
JP2008227147A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 導電線路構造、その作製方法、及び配線基板
US8178791B2 (en) 2007-12-13 2012-05-15 Fujitsu Limited Wiring substrate including conductive core substrate, and manufacturing method thereof

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7246435B2 (en) 2005-02-09 2007-07-24 Fujitsu Limited Wiring board and method for fabricating the same
US7420130B2 (en) 2005-02-09 2008-09-02 Fujitsu Limited Wiring board and method for fabricating the same
JP2008227147A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 導電線路構造、その作製方法、及び配線基板
US8178791B2 (en) 2007-12-13 2012-05-15 Fujitsu Limited Wiring substrate including conductive core substrate, and manufacturing method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0972805B1 (en) Polyimide-based composite, electronic parts using the composite, and polyimide-based aqueous dispersion
US20060199920A1 (en) Photosensitive resin composition capable of being developed with aqueous developer and photosensitive dry film resist, and use thereof
US8063245B2 (en) Phosphazene compound, photosensitive resin composition and use thereof
JP2000044800A (ja) ポリイミド系複合物、ワニス、フィルム、金属張積層体および印刷配線板
JP7151427B2 (ja) ポジ型感光性樹脂組成物、硬化膜、半導体装置および硬化膜のレリーフパターンの製造方法
JP3635883B2 (ja) 水性分散体およびその製造方法
JP2000178481A (ja) 転写用電着膜形成液
JP2001300951A (ja) フィルムの製造方法およびこの方法により製造されたフィルム
EP1705204B1 (en) Photosensitive resin and a method of preparing the same
JP3644206B2 (ja) ポリイミド系水性分散体およびその製造方法
JP2002084072A (ja) 電子部品およびその製造法
JP2003163444A (ja) 印刷配線板およびその製造方法
JP2004091572A (ja) ポリアミド酸エステル組成物
TW202330719A (zh) 樹脂組成物、膜、硬化膜、以及半導體裝置、多層配線基板
KR20020056818A (ko) 포지티브형 감광성 폴리이미드 전구체 및 이를 포함하는조성물
JP2000236167A (ja) 配線板とその製造方法および配線板の製造に用いる転写用原版
CN114230809A (zh) 聚酰亚胺前体溶液及多孔聚酰亚胺薄膜的制造方法
JP2002084049A (ja) 電子部材
JP2005055545A (ja) 電気信頼性の高い感光性樹脂組成物並びにその利用
JP2002094219A (ja) 配線の製造法およびその方法で製造した配線板
JP4483044B2 (ja) 配線板の製造方法
JP2001196714A (ja) 回路基板およびその製造方法
JP2008089378A (ja) シート状プローブおよびその製造方法
JP2002172733A (ja) 金属張りポリイミドフィルム
JP2000034352A (ja) ポリイミド系水性分散体およびその製造方法