JP2002172733A - 金属張りポリイミドフィルム - Google Patents

金属張りポリイミドフィルム

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JP2002172733A
JP2002172733A JP2000372869A JP2000372869A JP2002172733A JP 2002172733 A JP2002172733 A JP 2002172733A JP 2000372869 A JP2000372869 A JP 2000372869A JP 2000372869 A JP2000372869 A JP 2000372869A JP 2002172733 A JP2002172733 A JP 2002172733A
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JP
Japan
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group
electrodeposition
polyimide
solution
meth
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Application number
JP2000372869A
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English (en)
Inventor
Kenzaburo Kawai
合 研三郎 川
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 十分な機械的強度、耐熱性を有する金属張り
ポリイミドフィルムの提供。 【解決手段】 導電性基板上に、厚さ1μm以上10μ
m以下の金属層を形成し、この金属層の表面に、有機可
溶性ポリイミドから形成された電着膜からなる絶縁樹脂
層を設けたのち、上記導電性基板を剥離することを特徴
とする金属張りポリイミドフィルムの製造法、およびこ
の方法によって製造された金属張りポリイミドフィル
ム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属張りポリイミ
ドフィルムの製造法および方法で製造された銅張りポリ
イミドフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリイミドフィルムに金属層が積
層されたポリイミドフィルムの製造する際には、ポリイ
ミドフィルム及び金属層を別途用意し両者を接着剤など
によって接着する方法と、ポリイミドフィルムスパッタ
リング法により金属層を形成する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、半導体技術の飛
躍的な発展により半導体パッケージの小型化、多ピン
化、ファインピッチ化、電子部品の極小化などが急速に
進み、いわゆる高密度化が進行している。それに伴い、
配線板ならびに配線板基材材料の薄型化および軽量化が
進められている。
【0004】しかし、上記のような接着剤を使用した金
属張りポリイミドフィルムは、ポリイミドフィルムと金
属箔を接着剤で張りつけることから、金属層の薄膜化は
難しく、それに伴い配線の微細化に限界があった。ま
た、金属箔、接着剤、ポリイミドと積層することによる
応力が発生し、結果としてフィルムが反ってしまうこと
もあった。
【0005】また、スパッタリング法による金属張りポ
リイミドの場合はピールが弱く、特に熱処理後のピール
強度が下がってしまうという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリイミ
ドフィルムに金属層が積層された金属張りポリイミドフ
ィルムにおいて、ポリイミドとして特定の有機溶剤可溶
性ポリイミドと水溶性ポリマーとから形成させた電着膜
を用いることで、十分な機械的強度、耐熱性を有するも
のが得られることを見出して本発明を完成させた。
【0007】したがって、本発明による金属張りポリイ
ミドフィルムの製造法は、導電性基板上に、厚さ1μm
以上10μm以下の金属層を形成し、この金属層の表面
に、有機可溶性ポリイミドから形成された電着膜からな
る絶縁樹脂層を設けたのち、上記導電性基板を剥離する
こと、を特徴とするものである。
【0008】そして、本発明による銅張りポリイミドフ
ィルムは、導電性基板上に、厚さ1μm以上10μm以
下の金属層を形成し、この金属層の表面に、有機可溶性
ポリイミドから形成された電着膜からなる絶縁樹脂層を
設けたのち、上記導電性基板を剥離することによって作
製されたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】銅張りポリイミドフィルムの製造
本発明による金属張ポリイミドフィルムの製造法は、導
電性基板上に、厚さ1μm以上10μm以下の金属層を
形成し、この金属層の表面に、有機可溶性ポリイミドか
ら形成された厚さ1μm以上10μmの電着膜からなる
絶縁樹脂層を設けたのち、上記導電性基板と上記金属層
との界面を剥離すること、を特徴とするものである。
【0010】図1は、このような の製造法の好ましい
一例の概要を示すものである。
【0011】図1(a)は、導電性基板(1)の断面を
示すものである。本発明による銅張ポリイミドフィルム
の製造にあたっては、この導電性基板(1)の上に、図
1(b)に示されるように金属層(2)を形成し、この
金属層(2)の表面に、図1(c)に示されるように、
有機可溶性ポリイミドから形成された電着膜からなる絶
縁樹脂層(3)を設けたのち、図1(d)に示されるよ
うに、上記導電性基板(1)を剥離することが行われ
る。
【0012】導電性基板 本発明における導電性基板は、その表面に銅金属層およ
び絶縁樹脂層を設けたのちに、この銅金属層から剥離可
能なものであれば特に制限されるものではない。このよ
うなものとしては、例えば各種の金属板及び各種の絶縁
体に金属を被覆したもの、例えば銅、ニッケル、ステン
レス鋼、および各種の絶縁体に金属を被覆したもの、た
とえば、銅、ニッケル、ステンレス鋼、鉄、アルミニウ
ム、42アロイ及びスパッタリング等でメタライズした
樹脂フィルムをあげることができる。この導電性基板の
厚さは制限されないが、0.05〜1.5mm程度が一
般的に好ましい。
【0013】金属層 本発明における金属層の厚さは、1μm以上10μm以
下、好ましくは、1μm以上、8μm以下、である。ま
た、金属層としては、銅、ニッケル、金、銀、すず、ク
ロム、鉄、コバルト、鉛、また、これら二種以上からな
る合金等があげられる。金属層の厚さが1μm未満で
は、強度が不足して導電性基板を剥離するときに部分的
に破断する恐れがある。また、1μm以下では連続層の
形成が難しくなる。一方、10μm超過では、配線パタ
ーンの形成をサブトラクティブ法で行った際にサイドエ
ッチが大きくなって、20μm以下の微細配線の加工が
難しくなることがある。
【0014】このような金属層は、好ましくは前記の導
電性基板表面に金属を直接析出させることからならめっ
き法などの電着法によって形成することができる。な
お、本発明においては、必要に応じ、前記の導電性基板
に金属層を形成させる前に、導電性または絶縁性の層を
導電性基板上に形成させて、該層を前記の導電性基板と
銅金属層との間に設けることもできる。このような層と
して、前記の導電性基板に対する付着力が金属層に対す
る付着力よりも弱いものを使用すると、前記の導電性基
板を剥離が容易になる。この場合、該層は導電性基板を
剥離した後に金属層の保護層として作用する。
【0015】電着膜 本発明による金属張りポリイミドフィルムを構成してい
る絶縁樹脂層は、有機可溶性ポリイミドから形成された
電着膜、好ましくは(A)有機溶媒可溶性のポリイミド
と(B)親水性ポリマーから形成された電着膜、からな
るものである。
【0016】この電着膜の厚さは必要に応じ適宜決定す
ることができる。この電着膜の厚さは、12〜100μ
m、好ましくは12〜50μm、である。
【0017】(A)成分(有機溶媒可溶性のポリイミ
ド) <有機溶媒可溶性のポリイミドの合成方法>本発明にお
ける(A)成分は、有機溶媒可溶性のポリイミドからな
る。このようなポリイミドの合成法は特に限定されるも
のではないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボ
ン酸二無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させ
て、ポリアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加
熱イミド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応
させることにより、ポリイミドを合成することができ
る。また、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物
との重縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を
有するポリイミドを合成することも可能である。
【0018】<テトラカルボン酸二無水物>本発明にお
ける(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合
成に用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2−ジメチル−1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−
ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボ
ン酸二無水物、1,3−ジクロロ−1,2,3,4−シ
クロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4
−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘ
キサンテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′
−ジシクロヘキシルテトラルカルボン酸二無水物、2,
3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、
3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二
無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキ
サヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3
−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3
−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ
−5−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ
−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−5−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−7−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5
−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−
フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b
−ヘキサヒドロ−7−エチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,
5,9b−ヘキサヒドロ−8−メチル−5−(テトラヒ
ドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−8−エチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5,8−ジメ
チル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フ
ラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジ
オン、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−
3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エ
ン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物や、下
記式(1)または式(2)で表される化合物等の脂肪族
テトラカルボン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボ
ン酸二無水物、
【化1】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、R
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR
は相互に同一でも異なっていてもよい)、
【化2】 (式中、Rは芳香環を有する2価の有機基を示し、R
は水素原子またはアルキル基を示し、複数存在するR
は相互に同一でも異なっていてもよい);ピロメリッ
ト酸二無水物、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェ
ニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,
8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,
6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジメチルジフェニルシ
ランテトラカルボン酸二無水物、3,3′,4,4′−
テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,
4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェ
ニルスルフィド二無水物、4,4′−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、
4,4′−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジ
フェニルプロパン二無水物、3,3′,4,4′−パー
フルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水
物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二
無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル
酸)二無水物、m−フェニレン−ビス(トリフェニルフ
タル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−
4,4′−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフ
ェニルフタル酸)−4,4′−ジフェニルメタン二無水
物、エチレングリコール−ビス(アンヒドロトリメリテ
ート)、プロピレングリコール−ビス(アンヒドロトリ
メリテート)、1,4−ブタンジオール−ビス(アンヒ
ドロトリメリテート)、1,6−ヘキサンジオール−ビ
ス(アンヒドロトリメリテート)、1,8−オクタンジ
オール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン−ビス(アン
ヒドロトリメリテート)や、下記式(3)〜(6)で表
される化合物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】 等を挙げることができる。
【0019】これらのテトラカルボン酸二無水物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0020】<ジアミン化合物>また、本発明における
(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成に
用いられるジアミン化合物としては、例えば、p−フェ
ニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、4,4′
−ジアミノベンズアニリド、4,4′−ジアミノジフェ
ニルエーテル、1,5−ジアミノナフタレン、3,3′
−ジメチル−4,4′−ジアミノビフェニル、5−アミ
ノ−1−(4′−アミノフェニル)−1,3,3−トリ
メチルインダン、6−アミノ−1−(4′−アミノフェ
ニル)−1,3,3−トリメチルインダン、3,4′−
ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノベン
ゾフェノン、3,4′−ジアミノベンゾフェノン、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、2,2−ビス[4−
(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキ
サフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、1,4−ビ
ス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−ア
ミノフェニル)−10−ヒドロアントラセン、2,7−
ジアミノフルオレン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4′−メチレン−ビス(2−クロ
ロアニリン)、2,2′,5,5′−テトラクロロ−
4,4′−ジアミノビフェニル、2,2′−ジクロロ−
4,4′−ジアミノ−5,5′−ジメトキシビフェニ
ル、3,3′−ジメトキシ−4,4′−ジアミノビフェ
ニル、4,4′−(p−フェニレンイソプロピリデン)
ビスアニリン、4,4′−(m−フェニレンイソプロピ
リデン)ビスアニリン、2,2′−ビス[4−(4−ア
ミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)フェニル]
ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ジアミノ−2,
2′−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,
4′−ビス[(4−アミノ−2−トリフルオロメチル)
フェノキシ]−オクタフルオロビフェニル等の芳香族ジ
アミン類;1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−
プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチ
レンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレン
ジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミン、
1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミ
ン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミン、
ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチレン
ジアミン、トリシクロ[6,2,1,02.7]−ウン
デシレンジメチルジアミン、4,4′−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは
脂環式ジアミン類;2,3−ジアミノピリジン、2,6
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,
4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−
ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒド
ロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルア
ミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−ア
ミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イ
ソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,
6−ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−
ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチル
ウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテ
ート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノア
クリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン
や、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、
分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基
以外の窒素原子を有するジアミン類、
【化7】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する1価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示す)、
【化8】 (式中、Rは、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、
ピペリジンおよびピペラジンの群から選ばれる含窒素環
構造を有する化合物に由来する2価の有機基を示し、X
は2価の有機基を示し、複数存在するXは相互に同一で
も異なっていてもよい;下記式(9)で表されるモノ置
換フェニレンジアミン類、
【化9】 (式中、Yは−O−、−COO−、−OCO−、−NH
CO−、−CONH−または−CO−を示し、Rは水
素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル基、炭素数6
〜30のアルキル基またはステロイド骨格を有する1価
の基を示す);下記式(10)で表されるジアミノオル
ガノシロキサン、
【化10】 (式中、Rは炭素数1〜12の炭化水素基を示し、複
数存在するRは相互に同一でも異なっていてもよく、
pは1〜3の整数であり、qは1〜20の整数であ
る);下記式(11)〜(23)で表される化合物、
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】 (式中、yは2〜12の整数である)
【化15】 (式中、zは1〜5の整数である)
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】 等を挙げることができる。
【0021】これらのジアミン化合物は、単独でまたは
2種以上を混合して使用することができる。
【0022】<テトラカルボン酸二無水物とジアミン化
合物との使用割合>本発明における(A)成分である有
機溶媒可溶性のポリイミドの合成に用いられるテトラカ
ルボン酸二無水物とジアミン化合物との使用割合は、ジ
アミン化合物中のアミノ基1当量に対して、テトラカル
ボン酸二無水物中の酸無水物基が0.2〜2当量となる
割合が好ましく、さらに好ましくは0.3〜1.2当量
となる割合である。
【0023】<ポリアミック酸の生成>本発明の(A)
成分である有機溶媒可溶性のポリイミドの合成における
中間生成物であるポリアミック酸の合成反応は、有機溶
媒中において、典型的には、−20〜150℃、好まし
くは0〜100℃の温度条件下で行われる。
【0024】このポリアミック酸の生成の際に用いる有
機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しうる
ものであれば特に制限はなく、その例としては、N−メ
チル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ
オン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノ
ール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール類等を挙げることができる。
【0025】また、前記有機溶媒には、アルコール類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他
の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範
囲で併用することができる。
【0026】前記併用できる他の有機溶媒としては、例
えば、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0027】以上のようにしてテトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを重縮合させることにより、本発
明における(A)成分の有機溶媒可溶性のポリイミドの
中間生成物であるポリアミック酸の有機溶媒溶液が得ら
れる。
【0028】<有機溶媒可溶性のポリイミドの生成>本
発明における(A)成分である有機溶媒可溶性のポリイ
ミドは、前記ポリアミック酸を脱水閉環することにより
合成することができる。
【0029】ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(イ)
ポリアミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を
共沸留去する加熱イミド化法、または(ロ)ポリアミッ
ク酸の有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加
し、必要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法に
より行うことができる。
【0030】前記(イ)の方法における反応温度は、典
型的には、50〜400℃、好ましくは100〜250
℃とすることができる。反応温度が50℃未満では、脱
水閉環反応が十分に進行せず、一方反応温度が400℃
を超えると、得られるポリイミドの分子量が低下する場
合がある。
【0031】また、(イ)の方法においては、副生する
水の除去を容易とするため、水と共沸し、特に反応系外
で水と容易に分離しうる成分、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒を脱水剤として
存在させることもできる。
【0032】さらに、脱水閉環を促進するために、第三
級アミン、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン等の脂肪族第三級アミン類;N,N−ジメチルアニリ
ン、N,N−ジエチルアニリン等の芳香族第三級アミン
類;ピリジン、キノリン、イソキノリン等の複素環式第
三級アミン類等の触媒を、ポリアミック酸100重量部
当たり、例えば10〜400重量部添加することもでき
る。
【0033】次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤
としては、例えば、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水
トリフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。
【0034】脱水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返
し単位1モルに対して、0.01〜20モルが好まし
い。
【0035】また、脱水閉環触媒としては、例えば、ピ
リジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン等の第
三級アミン類を用いることができるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0036】(ロ)の方法における反応温度は、典型的
には、0〜180℃、好ましくは10〜150℃であ
る。
【0037】(イ)および(ロ)の方法に使用される有
機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有
機溶媒と同様のものを挙げることができる。
【0038】また、(イ)および(ロ)の方法により得
られる反応溶液を大量の貧溶媒中に注いで、ポリイミド
を析出させ、この析出物を減圧下乾燥することにより、
ポリイミドを固体として得ることができる。さらには、
この固体ポリイミドを再び有機溶媒に溶解させ、次いで
貧溶媒中に注いで析出させる処理を1回以上行うことに
より、ポリイミドを精製することができる。
【0039】(B)成分(親水性ポリマー) 本発明における(B)成分は、親水性基として、例え
ば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、スルホン酸
基、アミド基等を1種以上有し、水に対する20℃の溶
解度が、典型的には、0.01g/100g以上、好ま
しくは0.05g/100g以上である親水性ポリマー
からなる。
【0040】また、本発明における(B)成分である親
水性ポリマーは、前記親水性基に加えて、前記(A)成
分中の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1
種以上有することが好ましい。
【0041】このような反応性基(b)としては、例え
ば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基の
ほか、前記親水性基と同様のアミノ基、水酸基、スルホ
ン酸基、アミド基等を挙げることができる。
【0042】このような本発明の(B)成分である親水
性ポリマーは、前記(A)成分の有機溶媒可溶性のポリ
イミドと共に同一粒子内に混在することにより、該粒子
を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示すも
のと考えられる。
【0043】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、アミノ基含有単量体としては、例
えば、2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
2−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、3
−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のア
ミノアルキル基含有(メタ)アクリレート類;2−(2
−ジメチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エチル(メ
タ)アクリレート、2−(2−ジメチルアミノエトキ
シ)プロピル(メタ)アクリレート、3−(2−ジメチ
ルアミノエトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の
アミノアルコキシアルキル基含有(メタ)アクリレート
類;N−(2−ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリ
ルアミド、N−(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)
アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)(メタ)アクリルアミド等のN−アミノアルキ
ル基含有(メタ)アクリルアミド類;p−ジメチルアミ
ノメチルスチレン、p−ジエチルアミノメチルスチレ
ン、p−ジメチルアミノメチル−α−メチルスチレン、
p−ジエチルアミノメチル−α−メチルスチレン、p−
(2−ジメチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジ
エチルアミノエチル)スチレン、p−(2−ジメチルア
ミノエチル)−α−メチルスチレン、p−(2−ジエチ
ルアミノエチル)−α−メチルスチレン、2−ビニルピ
リン、4−ビニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビニル
化合物;グリシジル(メタ)アクリレートと第一級また
は第二級のアミン化合物との付加物等や、これらの単量
体中のアミノ基を中和あるいは四級化した塩等を挙げる
ことができる。
【0044】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、カルボキシル基含有単量体として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮
酸、マイレン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カル
ボン酸類やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチ
ルエステル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポ
リカルボン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこ
れらの塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイル
オキシエチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチル)エステル等の非重合性
ジカルボン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ
アルキル)エステル類やこれらの塩等を挙げることがで
きる。
【0045】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する前記親水性単量体あるいは
反応性単量体のうち、水酸基含有単量体としては、例え
ば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル、2−ヒドロキシエチルジエステ
ル等を挙げることができ、スルホン酸基含有ビニル系単
量体としては、例えば、p−スチレンスルホン酸、p−
α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イソプレン
やこれらの塩等を挙げることができ、アミド基含有単量
体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、クロト
ン酸アミド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フ
マル酸ジアミド等を挙げることができる。
【0046】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する反応性単量体のうち、ま
た、エポキシ基含有単量体としては、例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、
3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート
等を挙げることができる。
【0047】本発明の好適態様において(B)成分であ
る親水性ポリマーを構成する反応性単量体のうち、イソ
シアネート基含有単量体としては、例えば、2−イソシ
アナトエチル(メタ)アクリレート、2−イソシアナト
プロピル(メタ)アクリレート、3−イソシアナトプロ
ピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0048】これらの親水性単量体および反応性単量体
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0049】また、本発明の好適態様において(B)成
分である親水性ポリマーを構成する親水性単量体あるい
は反応性単量体と共重合しうる他のモノビニル単量体と
しては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル
(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレー
ト、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウ
リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シ
クロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アク
リレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メ
トキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキ
ル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリ
ル、シアン化ビニリデン、クロトンニトリル、2−シア
ノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル
(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)ア
クリレート等のシアノ基含有単量体類;N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(4−メトキシブチル)
(メタ)アクリルアミド等の前記アミド基含有単量体の
N−アルコキシアルキル置換誘導体類;トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)
アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト類;トリメチルシロキサニルジメチルシリルプロピル
(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキサニ
ル)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)
アクリロイルプロピルジメチルシリルエーテル等のシロ
キサニル化合物類;スチレン、o−ビニルトルエン、m
−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−エチルス
チレン、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン等
のモノビニル芳香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等の不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シ
リコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることが
できる。前記他のモノビニル単量体は、単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0050】さらに、得られる共重合体の親水性を過度
に損なわない範囲の量で、例えば、ジビニルベンゼン、
ジイソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合
物;エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレ
ンビス(メタ)アクリルアミド、 テトラメチレンビス
(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミ
ド類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、プロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)ア
クリロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ
アクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を
有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させ
ることもできる。
【0051】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、例えば、ラジカル重合開始剤を用い、必要に応じて
連鎖移動剤の存在下における公知の溶液重合などにより
製造することができる。この溶液重合に用いる重合媒体
としては、例えば、水、極性溶剤、水と極性溶媒との混
合媒体等を挙げることができる。この極性溶媒として
は、例えば、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリ
ドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラ
クトン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリ
アミド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、
酢酸n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3
−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオ
ン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、しゅう
酸ジエチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸ブチ
ル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、エチレングリコール、1,
3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール200、ポリエチレングリコー
ル400、ポリエチレングリコール600、ポリエチレ
ングリコール1500、グリセリン、N−メチロールピ
ロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコ
ールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコール
モノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
メチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジエーテル、メタノール、
エタノール等を挙げることができる。これらの極性溶媒
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0052】また、本発明における親水性ポリマーとし
ては、好ましくは水に対する前記溶解度条件を満たす公
知の親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、
ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリスチレン
のスルホン化物、スチレン−イソプレン共重合体のスル
ホン化物等を使用することもできる。
【0053】本発明における親水性ポリマーのゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平
均分子量(以下、「Mn」という)は、典型的には、
1,000〜100,000、好ましくは3,000〜
20,000である。
【0054】前記親水性ポリマーは、単独でまたは2種
以上を混合して使用することができる。
【0055】本発明の(B)成分である親水性ポリマー
は、溶液あるいは固体として、電着液の調製に使用され
る。
【0056】電着液 本発明において用いることのできる電着液は、(A)有
機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーを同
一粒子内に含み、平均粒子径が0.03〜5μm、好ま
しくは0.05〜3μmである粒子から構成される水性
分散体からなるものを主成分とする。
【0057】電着液の製造方法 電着液の製造方法としては、前記所定の水性分散体が得
られる限り特に限定されるものではないが、例えば、
(I)有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリマーと
を、有機溶媒中にて溶液状態で混合したのち、この混合
溶液を水性媒体中に分散させて混合して、所定の平均粒
子径の粒子とし、場合により有機溶媒の少なくとも一部
を除去する方法、(II)溶液から分離された有機溶媒可
溶性のポリイミドと親水性ポリマーとを、固体状態で混
合して、所定の平均粒子径の粒子としたのち、該粒子を
水性媒体中に分散させる方法等を挙げることができる
が、特に(I)の方法が好ましい。これらの方法は、必
要に応じて加熱下で実施することができる。
【0058】以下、本発明の銅張りポリイミドフィルム
の形成に用いることのできる電着液の製造方法を、前記
(I)の方法を中心としてさらに具体的に説明する。
【0059】有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性ポリ
マーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法として
は、例えば、(i)別々に調製したポリイミドの溶液と
親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、(ii)ポリイ
ミドと親水性ポリマーのいずれか一方の溶液に、他方を
固体として添加して混合溶解する方法、(iii)ポリイ
ミドと親水性ポリマーをともに固体として有機溶媒に添
加して、混合溶解する方法等を挙げることができるが、
特に(i)の方法が好ましい。
【0060】ポリイミドと親水性ポリマーとを溶液状態
で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミ
ドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこ
れらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、
例えば、前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成
に使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケト
ン類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使
用される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有
機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して使用するこ
とができる。また、(i)の方法の場合、ポリイミドの
溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶媒は、
同一でも異なってもよい。
【0061】さらに、(i)〜(iii)の方法により得ら
れる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加する
ことができる。
【0062】この有機溶媒可溶性のポリイミドと親水性
ポリマーとの混合溶液に加えることのできる化合物とし
ては、例えば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フ
ルオレン系エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、
グリシジルエステル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合
物;トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化
合物やそのブロック化物;高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポ
リアリレート、脂肪族ポリイミド、ポリイミドイミド、
ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケ
トン、ポリフェニレンスルフィド、(変性)ポリカルボ
ジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド、
変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬
化性の樹脂等を挙げることができる。これらの化合物
は、単独でまたは2種以上を混合して使用することがで
きる。
【0063】さらに、本発明においては、電着液を製造
する際に、有機溶媒可溶性のポリイミド中の反応性基
(a)と親水性ポリマー中の反応性基(b)とを適切に
組み合せて、該ポリイミドと該親水性ポリマーとを、有
機溶媒中にて溶液状態で混合して、必要に応じて加熱し
つつ、反応させたのち、この反応溶液と水性媒体とを混
合し、場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去する
ことにより、該ポリイミドと該親水性ポリマーとを相互
に結合して同一粒子内に含み、前記所定の平均粒子径を
有する粒子を、水性媒体中に分散させることにより、水
系分散体としての保存安定性および硬化物の諸物性に著
しく優れた電着液を製造することができる。
【0064】添加剤 上記の電着液には、必要に応じて各種の添加剤を配合す
ることができる。このような添加剤としては、例えば、
エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポ
キシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエス
テル型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物;トリレンジイ
ソシアネート等のジイソシアネート化合物やそのブロッ
ク化物;高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂
肪族ポリイミド、ポリイミドイミド、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニ
レンスルフィド、(変性)ポリカルボジイミド、ポリエ
ーテルイミド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレ
ンオキシド等の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙
げることができる。
【0065】また、他の添加剤としては、例えば、クレ
ー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブ
ラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワ
ラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミ
ナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、芳香族ポリイミド、ポリイミドイミ
ド、ポリイミド、芳香族ポリエステル、超高分子量ポリ
エチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリビ
ニルアルーコル等の繊維あるいはウイスカー等の補強材
を挙げることができる。
【0066】前記各添加剤は、それぞれ単独でまたは2
種以上を混合して使用することができる。
【0067】弾性率 本発明による絶縁樹脂層は、好ましくは100℃におけ
る弾性率が、1500MPa以下、1MPa以上、特に
好ましくは1300MPa以下、10MPa以上、のも
のである。
【0068】上記の弾性率を有する本絶縁樹脂層を有す
る本発明による銅張りポリイミドフィルムは、寸法およ
び形状安定性が良好で、使用に際して問題となるような
反りやねじれが実質的になく、信頼性が高いものであ
る。
【0069】剥離 導電性基板の剥離は、銅金属層と絶縁樹脂層とが積層し
た銅張りポリイミドフィルムが得られるように行う。剥
離は、物理的あるい化学的処理によって行うことができ
る。
【0070】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、これらの
実施例に何ら制約されるものではない。以下において、
特記しない限り、「部」および「%」は重量基準であ
る。
【0071】ポリイミドの合成 合成例1 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.2
9g(90ミリモル)および1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン
化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)
および式(10)に対応するオルガノシロキサンLP7
100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミリモ
ル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し
て、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液
に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、1
00℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶
液を減圧留去して精製し、対数粘度0.51dl/g、
イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む固形
分10%のポリイミド(A−1)の溶液を得た。
【0072】合成例2 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8
8g(100ミリモル)、ジアミン化合物として2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン32.84g(80ミリモル)、4,4’−ジアミ
ノジフェニルメタン1.98g(10ミリモル)および
式(10)に対応するオルガノシロキサンX−22−1
61AS(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリ
モル)を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解
して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶
液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、
100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応
溶液を減圧留去して精製し、対数粘度0.45dl/
g、イミド化率95%で、5%のポリアミック酸を含む
固形分10%のポリイミド(A−2)の溶液を得た。 合成例3 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)および3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物16.11g(5
0ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4
−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.
95g(90ミリモル)および式(10)に対応するオ
ルガノシロキサンX−22−161AS(商品名、信越
化学製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−
2−ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反
応させた。その後、この反応溶液に、ピリジン8gおよ
び無水酢酸10gを添加し、100℃で3時間脱水閉環
反応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製
し、対数粘度0.48dl/g、イミド化率50%で、
50%のポリアミック酸を含む固形分10%のポリイミ
ド(A−3)の溶液を得た。
【0073】親水性ポリマーの合成 合成例4 ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入
れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、
この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、ジメ
チルアミノエチルアクリレート30部、グリシジルメタ
アクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル1
部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、
撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさ
らに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分
50%の親水性ポリマー(B−1)の溶液を得た。
【0074】合成例5 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、イソシアナトエチルメタアクリレート
5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水
性ポリマー(B−2)の溶液を得た。
【0075】合成例6 ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入
れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、
この反応容器に、n−ブチルアクリレート60部、メチ
ルメタアクリレート5部、ジメチルアミノプロピルアク
リルアミド30部、グリシジルメタアクリレート5部お
よびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を
5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を
行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続
けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリ
マー(B−3)の溶液を得た。
【0076】合成例7 ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入
れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、
この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、スチ
レン5部、メタアクリル酸30部およびアゾビスイソブ
チロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的
に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(B−4)の溶
液を得た。
【0077】合成例8 ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入
れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、
この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、メチ
ルメタアクリレート5部、アクリル酸30部およびアゾ
ビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間か
けて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なっ
た。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、
溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリマー
(B−5)の溶液を得た。
【0078】[実施例1](弾性率上限の実施例) 1−1 ポリイミド(A−1)の溶液70部(固形分)に対し
て、親水性ポリマー(B−1)の溶液30部(固形分)
を添加して充分混合し、70℃で3時間加熱したのち、
酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。
次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く撹拌
して、凝集物のない電着液Aを得た。
【0079】1−2 銅金属層付きSUS板の作製 下記の表1に示される銅金属層の形成工程(工程)を
行い、次いで、下記の表2に示されるポリイミド層形成
工程(工程)を行った。
【0080】
【表1】
【表2】 1−3 下記の表3に示される要領で、硬化処理、SUS板の剥
離を行って、銅張りポリイミドフィルムを作製した。作
製した銅張りポリイミドフィルムに反りは観察されなか
った。
【0081】
【表3】 1−4(弾性率の測定) 上記の銅張りポリイミドフィルムの銅箔を塩化第二鉄溶
液でエッチングし、フィルムを得た。フィルムのDMT
A(Polymer Laboratories社製)から弾性率を求めた。
100℃の弾性率は1200Mpa であった。
【0082】[実施例2] 2−1 電着液の調製 ポリイミド(A−2)を50部(固形分)、親水性ポリマ
ー(B−1)を30部(固形分)及び添加剤としてエピ
コートYL980(商品名、油化シェルエポキシ製)を
20部用いた以外は実施例1と同様にして、電着液Bを
得た。
【0083】2−2 ポリイミド層の形成 実施例1の電着液Aを電着液Bにかえた以外は実施例1
と同様にして銅張りポリイミドフィルムを得た。 2−3 弾性率の測定 電着液Bにより銅箔上に電着層を形成し、硬化後、銅箔
を第二鉄溶液でエッチングし、フィルムを得た。フィル
ムのDMTA(Polymer Laboratories社製)から弾性率
を求めた。100℃の弾性率は900Mpa であった。
【0084】[実施例3] 3−1 電着液の調製 ポリイミド(A−3)の溶液50部(固形分)に対して、
親水性ポリマー(B−1)を30部(固形分)及び添加
剤としてエピコートYX4000H(商品名、油化シェ
ルエポキシ製)を20部用いた以外は実施例1と同様に
して、電着液Cを得た。
【0085】3−2 ポリイミド膜の形成 実施例1の電着液Aを電着液Cにかえた以外は実施例1
と同様にして銅張りポリイミドフィルムを得た。
【0086】3−3 弾性率の測定 電着液Aを電着液Cに換えた以外は代えた以外は同様に
してフィルムを得た。フィルムのDMTA(Polymer La
boratories社製)から弾性率を求めた。100℃の弾性
率は900Mpa であった。
【0087】[実施例4] 4−1 電着液の調製 ポリイミド(A−1)の溶液30部(固形分)に対して、
親水性ポリマー(B−2)を40部(固形分)及び添加
剤としてエピコートYX980(商品名、油化シェルエ
ポキシ製)を30部用いた以外は実施例1と同様にし
て、電着液Dを得た。
【0088】4−2 ポリイミド膜の形成 実施例1の電着液Aを電着液Dにかえた以外は実施例1
と同様にして銅張りポリイミドフィルムを得た。
【0089】4−3 弾性率の測定 電着液Aを電着液Dに換えた以外は代えた以外は同様に
してフィルムを得た。フィルムのDMTA(Polymer La
boratories社製)から弾性率を求めた。100℃の弾性
率は1200Mpa であった。
【0090】[実施例5] 5−1 電着液の調製 ポリイミド(A−2)の溶液50部(固形分)に対して、
親水性ポリマー(B−4)を30部(固形分)及び添加
剤としてエピコートYX400H(商品名、油化シェル
エポキシ製)を20部、pH調節剤としてフマル酸を用
いた以外は実施例1と同様にして、電着液Eを得た。
【0091】5−2 ポリイミド膜の形成 実施例1の電着液Aを電着液Eにかえた以外は実施例1
と同様にして銅張りポリイミドフィルムを得た。
【0092】5−3 弾性率の測定 電着液Aを電着液Eに換えた以外は同様にしてフィルム
を得た。フィルムのDMTA(Polymer Laboratories社
製)から弾性率を求めた。100℃の弾性率は800Mp
a であった。
【0093】[実施例6] 6−1 電着液の調製 ポリイミド(A−3)の溶液50部(固形分)に対して、
親水性ポリマー(B−5)を30部(固形分)及び添加
剤としてエピコート1001(商品名、油化シェルエポ
キシ製)を20部(固形分)を添加して充分混合し、7
0℃で3時間加熱したのち、トリエタノールアミン3部
を徐々に添加して混合し、pH調節を行った。次いで、
蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く攪拌して、凝
集物のない電着液Fを得た。
【0094】6−2 ポリイミド膜の形成 実施例1の電着液Aを電着液Fに換えた以外は実施例1
と同様にして銅張りポリイミドフィルムを得た。
【0095】6−3 弾性率の測定 電着液Aを電着液Fに換えた以外は代えた以外は同様に
してフィルムを得た。フィルムのDMTA(Polymer La
boratories社製)から弾性率を求めた。100℃の弾性
率は500Mpa であった。
【0096】[比較例1] 7−1 合成 攪拌機、還流冷却機および窒素導入管を備えた反応容器
に、ビス[4−{4−(アミノフェノキシ)フェノキ
シ}フェニル]スルホン30.835g(0.05mo
l)とN,N−ジメチルアセトアミド236.5gを入
れ、ピロメリット酸二無水物10.9g(0.05mo
l)を常温、窒素雰囲気下で溶液温度の上昇に注意しな
がら加え、約20時間攪拌してポリアミド酸を得た。調
整したポリアミド酸の対数粘度(N,N−ジメチルアセ
トアミドを溶媒とし、温度35℃、濃度0.5g/10
0mlで測定)は1.52dLであった。
【0097】7−2 電着液の調製 次に、このポリアミド酸溶液にジエタノールアミン8.
9g(対カルボキシル当量90mol%)を徐々に加
え、20分間常温で攪拌後、水130.2gを攪拌しつ
つ、徐々に加え希釈して電着液Gを調製した。
【0098】7−3 ポリイミド膜の形成 実施例1の電着液Aを電着液Gにかえて、配線を陽極に
して、対向電極として白金電極を陰極にした以外は実施
例1と同様にして、銅張りポリイミドフィルムを得た。
銅張りポリイミドフィルムは電着樹脂側に大きく反っ
た。
【0099】7−4 弾性率の測定 実施例1の電着液Aを電着液Gに換えた以外は代えた以
外は同様にフィルムの弾性率を測定したところ、100
℃での弾性率は3000Mpa であった。
【0100】[比較例2] 8−1 電着液の合成 ポリブタジエン(数平均分子量1800、1,2結合6
4%)の過酢酸を用いてエポキシ化し、オキシシラン酸
素含有量6.5%のエポキシ化ポリブタジエンを製造し
た。清浄な容量3リットルの4ツ口フラスコに上記エポ
キシ化ポリブタジエン1000重量部とエチルセロソル
ブ377重量部およびメチルエタノールアミン131重
量部を仕込み、170℃で6時間反応させた。その後、
この反応生成物を120℃まで冷却し、アクリル酸8
1.4重量部、ハイドロキノン8.8重量部およびエチ
ルセロソルブ27.1重量部を加え、120℃で4時間
反応させ、カチオン化ポリブタジエンを得た。得られた
カチオン化ポリブタジエンのアミン価は108ミリ当量
/100g、酸価は5.5mgKOH/gおよび固形分
濃度は75重量%であった。
【0101】カチオン化ポリブタジエン40重量部に酢
酸3重量部を加え、水を徐々に加えて固形分20%まで
希釈して電着液Hを得た。
【0102】8−2 フィルムの形成 実施例1の電着液Aを電着液Hに換えた以外は実施例1
と同様にして、銅張りフィルムを得た。硬化後のフィル
ムの電着膜は粘性をもっていた。
【0103】8−3 弾性率の測定 実施例1の電着液Aを電着液Hに換えた以外は代えた以
外は同様にフィルムの弾性率を測定したところ、弾性率
は500Kpaであった。
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、特定の有機溶剤可溶性
ポリイミドから形成された電着膜を用いることによっ
て、十分な機械的強度、耐熱性を有する金属張りポリイ
ミドフィルムを得ることができる。このような銅張りポ
リイミドフィルムは、高温圧着にも対応可能であり、サ
ブトラクティブ法でもセミアディティブ法でも微細配線
加工が容易で、かつ反りの発生がなく取り扱いが容易な
ものである。
【0105】さらに、ポリイミド層を均一かつ所望の厚
さに設けることが容易であって、材料コストを低減する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による金属張りポリイミドフィルムの製
造法の好ましい一例の概要を示す図。
【符号の説明】
1 導電性基板 2 金属層 3 絶縁樹脂層(有機可溶性ポリイミドから形成された
電着膜層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/46 H05K 3/46 G Fターム(参考) 4F100 AB01A AB17 AK01B AK49B AL01B AT00C BA02 BA03 BA07 DE01B EC032 EH462 EH712 EJ302 GB43 JB05B JB08B JG04B JJ03 JK01 JK07B JM01B 4J031 AA19 AA20 AA22 AA26 AA57 AC03 AC04 AC05 AC07 AC08 AD01 AE03 AF26 5E346 AA05 AA12 AA15 AA22 AA32 AA51 CC08 CC10 CC32 DD01 DD02 DD03 DD22 EE06 EE12 EE13 GG17 GG28 HH11 HH18

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に、厚さ1μm以上10μm
    以下の金属層を形成し、この金属層の表面に、有機可溶
    性ポリイミドから形成された電着膜からなる絶縁樹脂層
    を設けたのち、上記導電性基板を剥離することを特徴と
    する、金属張りポリイミドフィルムの製造法。
  2. 【請求項2】電着膜が、(A)有機可溶性のポリイミド
    と(B)親水性ポリマーとを同一分子内に含み、平均粒
    子径が0.03〜5μmであり、水性媒体中に分散して
    なる電着液から形成された絶縁樹脂膜であることを特徴
    とする、請求項1記載の金属張りポリイミドフィルムの
    製造法。
  3. 【請求項3】電着膜が、(A)成分としてカルボキシル
    基、アミノ基、水酸基、スルホン基、アミド基、エポキ
    シ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれてな
    る反応性基(a)を1種以上有する有機溶媒可溶性のポ
    リイミドと前記(B)成分としてエポキシ基、イソシア
    ネート基、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホ
    ン酸基、およびアミド基から選ばれてなる反応性基
    (b)を1種以上有する親水性ポリマー、とを、有機溶
    媒中にて溶液状態で混合して、反応させたのち、この反
    応後の溶液と水性媒体とを混合して得られる電着液を用
    いて形成されたものであることを特徴とする 、請求項
    1記載の金属張りポリイミドフィルムの製造法。
  4. 【請求項4】前記(A)成分と前記(B)成分との反応
    時に、反応物の加熱を行い、この反応後の溶液と水性媒
    体との混合時に有機溶媒の少なくとも一部を除去して得
    られた電着液を用いて前記絶縁樹脂膜を形成することを
    特徴とする、請求項3記載の金属張りポリイミドフィル
    ムの製造法。
  5. 【請求項5】前記有機可溶性ポリイミドが、テトラカル
    ボン酸二無水物とジアミンとの反応生成物であり、前記
    ジアミンの少なくとも一部がカルボキシル基を有するも
    のであることを特徴とする、請求項1記載の金属張ポリ
    イミドフィルムの製造法。
  6. 【請求項6】導電性基板上に二種以上の金属層をメッキ
    法により形成し、導電性層の表面に、有機可溶性ポリイ
    ミドから形成された電着膜からなる絶縁樹脂層を設けた
    のち、上記導電性層を剥離することによって作製され
    た、請求項1記載の金属張りポリイミドフィルムの製造
    方法。
  7. 【請求項7】導電性基板上に、厚さ1μm以上10μm
    以下の金属層を形成し、この金属層の表面に、有機可溶
    性ポリイミドから形成された電着膜からなる絶縁樹脂層
    を設けたのち、上記導電性基板を剥離することによって
    作製された、金属張ポリイミドフィルム。
  8. 【請求項8】前記絶縁樹脂層が、100℃における弾性
    率が1500MPa以下、1MPa以上のものである、
    請求項6に記載の銅張りポリイミドフィルム。
  9. 【請求項9】導電性基板上に厚さ1μm以上10μm以
    下の金属層を形成し、この金属層の表面に、可溶性ポリ
    イミドから形成された電着膜からなる絶縁樹脂層を設
    け、配線基板に電着膜からなる絶縁層を介して圧着した
    のち、上記の導電性基板を剥離することによって作製さ
    れた配線部材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004358961A (ja) * 2003-05-06 2004-12-24 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 金属張り積層体
JP2008047676A (ja) * 2006-08-15 2008-02-28 Fujifilm Corp 積層型圧電素子

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