JP2000034352A - ポリイミド系水性分散体およびその製造方法 - Google Patents

ポリイミド系水性分散体およびその製造方法

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JP2000034352A
JP2000034352A JP10202503A JP20250398A JP2000034352A JP 2000034352 A JP2000034352 A JP 2000034352A JP 10202503 A JP10202503 A JP 10202503A JP 20250398 A JP20250398 A JP 20250398A JP 2000034352 A JP2000034352 A JP 2000034352A
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acid
organic solvent
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Hirofumi Goto
宏文 後藤
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性分散体としての保存安定性および電着塗
装特性に優れ、その硬化物がポリイミド本来の耐熱性、
電気絶縁性、機械的特性等を損なうことのないポリイミ
ド系水性分散体、ならびにその製造方法を提供するこ
と。 【解決手段】 多価酸の存在下に、(A)有機溶媒可溶
性のポリイミドと(B−1)カチオン性ポリマーとを水
性媒体中に粒子状に分散させることにより形成され、あ
るいはポリアミンの存在下に、(A)有機溶媒可溶性の
ポリイミドと(B−2)アニオン性ポリマーとを水性媒
体中に粒子状に分散させることにより形成され、 同一
粒子内に(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B−
1)カチオン性ポリマーまたは(B−2)アニオン性ポ
リマーとが含まれ、そして粒子の平均粒子径が0.03
〜5μmであるポリイミド系水性分散体、ならびにその
製造方法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒可溶性の
ポリイミドと親水性ポリマーとを同一粒子内に含み、保
存安定性および電着塗装性に優れると共に、その硬化物
がポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性等
を保持するポリイミド系水性分散体、ならびにその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】テトラカルボン酸二無水物とジアミンと
の反応により得られるポリイミドは、優れた耐熱性、電
気絶縁性、耐溶剤性、機械的特性を有し、電気・電子材
料分野、航空宇宙分野など様々な分野で使用されてい
る。しかしながら、ポリイミドは、一般に特定の有機溶
媒にしか溶解できず、また各種基体との接着性も低いな
どの問題があった。また近年、特に環境保全に対する社
会的意識の高まりから、電子材料分野においても、媒体
を有機溶剤系から水系に変更することが要求されてお
り、その場合は、ポリイミドの水系媒体に対する難溶性
のため、分散体の形態をとらざるを得ないが、通常のポ
リイミドの場合、水性分散体としての十分な保存安定性
を確保することが極めて困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水性
分散体としての保存安定性および電着塗装特性に優れ、
その硬化物がポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機
械的特性等を損なうことのないポリイミド系水性分散
体、ならびにその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記構
成のポリイミド系水性分散体およびポリイミド系水性分
散体の製造方法が提供されて、上記目的が達成される。 (1)多価酸の存在下に、(A)有機溶媒可溶性のポリ
イミドと(B−1)カチオン性ポリマーとを水性媒体中
に粒子状に分散させることにより形成され、同一粒子内
に(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B−1)カチ
オン性ポリマーとが含まれ、そして粒子の平均粒子径が
0.03〜5μmであることを特徴とするポリイミド系
水性分散体。 (2)ポリアミンの存在下に、(A)有機溶媒可溶性の
ポリイミドと(B−2)アニオン性ポリマーとを水性媒
体中に粒子状に分散させることにより形成され、同一粒
子内に(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B−2)
カチオン性ポリマーとが含まれ、そして粒子の平均粒子
径が0.03〜5μmであることを特徴とするポリイミ
ド系水性分散体。 (3)多価酸の存在下に、(A)有機溶媒可溶性のポリ
イミドと(B−1)カチオン性ポリマーとを水性媒体中
に、平均粒子径が0.03〜5μmの粒子状となるよう
に分散させることを特徴とするポリイミド系水性分散体
の製造方法。 (4)ポリアミンの存在下に、(A)有機溶媒可溶性の
ポリイミドと(B−1)アニオン性ポリマーとを水性媒
体中に、平均粒子径が0.03〜5μmの粒子状となる
ように分散させることを特徴とするポリイミド系水性分
散体の製造方法。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明で用いられる親水性ポリマー成分として、
(B−1)カチオン性ポリマーと(B−2)アニオン性
ポリマーがあるが、以下「(B)親水性ポリマー」、
「(B)親水性ポリマー成分」、あるいは「(B)成
分」というときは、両者を合わせて指すものとする。
【0006】〔(A)有機溶媒可溶性のポリイミド成
分〕 (A)ポリイミド成分の製造法は特に限定されるもので
はないが、例えば有機極性溶媒中、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物とを混合して重縮合させて、ポ
リアミック酸を得たのち、該ポリアミック酸を加熱イミ
ド化法または化学イミド化法により脱水閉環反応させる
ことにより、ポリイミドを製造することができる。ま
た、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合物との重
縮合を多段階で行うことにより、ブロック構造を有する
ポリイミドを製造することも可能である。
【0007】<テトラカルボン酸二無水物>有機溶媒可
溶性のポリイミドの製造に用いられるテトラカルボン酸
二無水物は特に限定されるものではなく、その具体例と
しては、ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカ
ルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4
−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジ
クロロ−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン
酸二無水物、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,
3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水
物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシ
クロペンチル酢酸二無水物、3,5,6−トリカルボキ
シノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−
テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラ
ヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト
[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,3,3
a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−メチル−5−
(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−
ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン、1,
3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−エチル−
5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニ
ル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオ
ン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−7−
メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−
フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−
ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−
7−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−
3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,
3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒド
ロ−8−メチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサ
ヒドロ−8−エチル−5−(テトラヒドロ−2,5−ジ
オキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラ
ン−1,3−ジオン、1,3,3a,4,5,9b−ヘ
キサヒドロ−5,8−ジメチル−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン、5−(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキ
セン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.
2.2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラ
カルボン酸二無水物や、下記式(1)および式(2)で
表される化合物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物お
よび脂環式テトラカルボン酸二無水物、
【0008】
【化1】
【0009】(式中、R1は芳香環を有する2価の有機
基を示し、R2は、同一または異なって、水素原子また
はアルキル基を示す)、
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R3は芳香環を有する2価の有機
基を示し、R4は、同一または異なって、水素原子また
はアルキル基を示す);ピロメリット酸二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラ
カルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテト
ラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテ
トラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸
二無水物、3,3’,4,4’−テトラフェニルシラン
テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテ
トラカルボン酸二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジ
カルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水
物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4’−ビス
(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパ
ン二無水物、3,3’,4,4’−パーフルオロイソプ
ロピリデンジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−
ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル
酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェ
ニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、m−
フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、
ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニル
エーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−
4,4’−ジフェニルメタン二無水物、エチレングリコ
ール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、プロピレン
グリコール−ビス(アンヒドロトリメリテート)、1,
4−ブタンジオール−ビス(アンヒドロトリメリテー
ト)、1,6−ヘキサンジオール−ビス(アンヒドロト
リメリテート)、1,8−オクタンジオール−ビス(ア
ンヒドロトリメリテート)、2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン−ビス(アンヒドロトリメリテ
ート)や、下記式(3)〜(6)で表される化合物等の
芳香族テトラカルボン酸二無水物、
【0012】
【化3】
【0013】等を挙げることができる。これらのテトラ
カルボン酸二無水物は、1種単独でまたは2種以上を組
み合わせて使用することができる。
【0014】<ジアミン化合物>また、有機溶媒可溶性
のポリイミドの製造に用いられるジアミン化合物として
は、例えばp−フェニレンジアミン、m−フェニレンジ
アミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ
ジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニル
スルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビ
フェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、4,
4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,5−ジアミノ
ナフタレン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ビフェニル、5−アミノ−1−(4’−アミノフェニ
ル)−1,3,3−トリメチルインダン、6−アミノ−
1−(4’−アミノフェニル)−1,3,3−トリメチ
ルインダン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミ
ノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノ
ン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−
ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル]スルホン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベン
ゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼ
ン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)−10−ヒド
ロアントラセン、2,7−ジアミノフルオレン、9,9
−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、4,4’−
メチレン−ビス(2−クロロアニリン)、2,2’,
5,5’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノビフェニ
ル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノ−5,
5’−ジメトキシビフェニル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−(p−フェ
ニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−
(m−フェニレンイソプロピリデン)ビスアニリン、
2,2’−ビス[4−(4−アミノ−2−トリフルオロ
メチルフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオ
ロメチル)ビフェニル、4,4’−ビス[(4−アミノ
−2−トリフルオロメチル)フェノキシ]−オクタフル
オロビフェニル等の芳香族ジアミン類;
【0015】1,1−メタキシリレンジアミン、1,3
−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメ
チレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレ
ンジアミン、4,4−ジアミノヘプタメチレンジアミ
ン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジア
ミン、テトラヒドロジシクロペンタジエニレンジアミ
ン、ヘキサヒドロ−4,7−メタノインダニレンジメチ
レンジアミン、トリシクロ[6.2.1.02,7 ]−ウ
ンデシレンジメチルジアミン、4,4’−メチレンビス
(シクロヘキシルアミン)等の脂肪族ジアミンあるいは
脂環式ジアミン類;2,3−ジアミノピリジン、2,6
−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,
4−ジアミノピリミジン、5,6−ジアミノ−2,3−
ジシアノピラジン、5,6−ジアミノ−2,4−ジヒド
ロキシピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチルア
ミノ−1,3,5−トリアジン、1,4−ビス(3−ア
ミノプロピル)ピペラジン、2,4−ジアミノ−6−イ
ソプロポキシ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−メトキシ−1,3,5−トリアジン、2,4
−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−6−メチル−1,3,5−トリアジ
ン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,
6−ジアミノ−2−ビニル−1,3,5−トリアジン、
2,4−ジアミノ−5−フェニルチアゾール、2,6−
ジアミノプリン、5,6−ジアミノ−1,3−ジメチル
ウラシル、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾー
ル、6,9−ジアミノ−2−エトキシアクリジンラクテ
ート、3,8−ジアミノ−6−フェニルフェナントリジ
ン、1,4−ジアミノピペラジン、3,6−ジアミノア
クリジン、ビス(4−アミノフェニル)フェニルアミン
や、下記式(7)または(8)で表される化合物等の、
分子内に2つの第一級アミノ基および該第一級アミノ基
以外の窒素原子を有するジアミン類、
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R5は、ピリジン、ピリミジン、
トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ば
れる含窒素環構造を有する化合物に由来する1価の有機
基を示し、Xは2価の有機基を示す)、
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R6は、ピリジン、ピリミジン、
トリアジン、ピペリジンおよびピペラジンの群から選ば
れる含窒素環構造を有する化合物に由来する2価の有機
基を示し、Xは、同一または異なって、2価の有機基を
示す);下記式(9)で表されるモノ置換フェニレンジ
アミン類、
【0020】
【化6】
【0021】(式中、Yは−O−、−COO−、−OC
O−、−NHCO−、−CONH−または−CO−を示
し、R7は水素原子、ふっ素原子、トリフルオロメチル
基、炭素数6〜30のアルキル基またはステロイド骨格
を有する1価の基を示す。);下記式(10)で表され
るジアミノオルガノシロキサン、
【0022】
【化7】
【0023】(式中、R8は、同一または異なって、炭
素数1〜12の炭化水素基を示し、pは1〜3の整数で
あり、qは1〜20の整数である);
【0024】下記式(11)〜(23)で表される化合
物、
【0025】
【化8】
【0026】(式中、yは2〜12の整数であり、zは
1〜5の整数である。)
【0027】
【化9】
【0028】等を挙げることができる。これらのジアミ
ン化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて
使用することができる。
【0029】前記テトラカルボン酸二無水物とジアミン
化合物との使用割合は、ジアミン化合物中のアミノ基1
当量に対して、テトラカルボン酸二無水物中の酸無水物
基が0.2〜2当量となる割合が好ましく、さらに好ま
しくは0.3〜1.2当量となる割合である。
【0030】<ポリアミック酸>ポリイミドを製造する
ための中間体としてのポリアミック酸の合成は、上記テ
トラカルボン酸二無水物と上記ジアミン化合物とを有機
溶媒中で、通常−20〜150℃、好ましくは0〜10
0℃の温度条件下で反応することにより行われる。上記
有機溶媒としては、生成するポリアミック酸を溶解しう
るものであれば特に制限はなく、その例としては、N−
メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
シド、γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、ヘキサ
メチルホスホルトリアミド等の非プロトン系極性溶媒;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸n−
ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピ
オン酸エチル、しゅう酸ジエチル、マロン酸ジエチル、
乳酸エチル、乳酸n−プロピル、乳酸n−ブチル等のエ
ステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;フェノ
ール、m−クレゾール、キシレノール、ハロゲン化フェ
ノール等のフェノール類等を挙げることができる。有機
溶媒の使用量は、テトラカルボン酸二無水物とジアミン
化合物との合計量が、反応溶液の全量に対して0.1〜
30重量%になるような量であることが好ましい。
【0031】また、上記有機溶媒には、アルコール類、
エーテル類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類等の他
の有機溶媒を、生成するポリアミック酸が析出しない範
囲で併用することができる。上記他の有機溶媒として
は、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、イソ
プロピルアルコール、シクロヘキサノール、エチレング
リコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチレングリコ
ールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテ
ル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチ
レングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリ
コール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメ
チルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエ
チレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサ
ン、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,4
−ジクロロブタン、トリクロロエタン、クロルベンゼ
ン、o−ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。
【0032】以上のようにしてテトラカルボン酸二無水
物とジアミン化合物とを反応させることにより、ポリア
ミック酸の有機溶媒溶液が得られる。得られるポリアミ
ック酸は、その対数粘度(ηIn)の値が、通常0.05
〜10dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gであ
る。ここで、対数粘度(ηIn)の値は、N−メチル−2
−ピロリドンを溶媒として用い、濃度が0.5g/10
0ミリリットルである溶液の流下時間と、該溶媒の流下
時間を、30℃で測定して、下記式により求められるも
のである。 ηIn=In(溶液の流下時間/溶媒の流下時間)÷(溶
液の濃度)
【0033】<有機溶媒可溶性のポリイミドの合成>本
発明における有機溶媒可溶性のポリイミドは、前記ポリ
アミック酸を脱水閉環することにより合成することがで
きる。ポリアミック酸の脱水閉環反応は、(イ)ポリア
ミック酸の有機溶媒溶液を加熱し、副生する水を共沸留
去する加熱イミド化法、または(ロ)ポリアミック酸の
有機溶媒溶液に脱水剤および脱水閉環触媒を添加し、必
要に応じて加熱して反応させる化学イミド化法により行
われる。前記(イ)の方法における反応温度は、通常5
0〜400℃、好ましくは100〜250℃である。反
応温度が50℃未満では、脱水閉環反応が十分に進行せ
ず、一方反応温度が400℃を超えると、得られるポリ
イミドの分子量が低下する場合がある。また、(イ)の
方法においては、副生する水の除去を容易とするため、
水と共沸し、特に反応系外で水と容易に分離しうる成
分、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶媒を脱水剤として存在させることもできる。
さらに、脱水閉環を促進するために、第三級アミン、例
えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−
プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の脂肪族第
三級アミン類;N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジ
エチルアニリン等の芳香族第三級アミン類;ピリジン、
キノリン、イソキノリン等の複素環式第三級アミン類等
の触媒を、ポリアミック酸100重量部当たり、例えば
10〜400重量部添加することもできる。
【0034】次に、前記(ロ)の方法において、脱水剤
としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ト
リフルオロ酢酸等の酸無水物を用いることができる。脱
水剤の使用量は、ポリアミック酸の繰返し単位1モルに
対して、0.01〜20モルが好ましい。また、脱水閉
環触媒としては、例えばピリジン、コリジン、ルチジ
ン、トリエチルアミン等の第三級アミン類を用いること
ができるが、これらに限定されるものではない。脱水閉
環触媒の使用量は、使用する脱水剤1モルに対して、
0.01〜10モルが好ましい。(ロ)の方法における
反応温度は、通常0〜180℃、好ましくは10〜15
0℃である。(イ)および(ロ)の方法に使用される有
機溶媒としては、ポリアミック酸の合成に用いられる有
機溶媒と同様のものを挙げることができる。また、
(イ)および(ロ)の方法により得られる反応溶液を大
量の貧溶媒中に注いで、ポリイミドを析出させ、この析
出物を減圧下乾燥することにより、ポリイミドを固体と
して得ることができる。さらには、この固体ポリイミド
を再び有機溶媒に溶解させ、次いで貧溶媒中に注いで析
出させる処理を1回以上行うことにより、ポリイミドを
精製することができる。
【0035】<末端修飾型ポリイミド>本発明における
(A)有機溶媒可溶性のポリイミドは、分子量が調節さ
れた末端修飾型のものであってもよい。このような末端
修飾型ポリイミドは、ポリアミック酸を合成する際に、
カルボン酸一無水物、モノアミン化合物、アミノ酸、モ
ノイソシアネート化合物等を反応系に添加することによ
り合成することができる。前記カルボン酸一無水物とし
ては、例えば無水マレイン酸、無水フタル酸、3−ヒド
ロキシフタル酸無水物、無水イタコン酸、n−デシルこ
はく酸無水物、n−ドデシルこはく酸無水物、n−テト
ラデシルこはく酸無水物、n−ヘキサデシルこはく酸無
水物、ナフタレンジカルボン酸無水物、トリメリット酸
無水物等を挙げることができる。また、前記モノアミン
化合物としては、例えばアニリン、シクロヘキシルアミ
ン、n−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキ
シルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミ
ン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデ
シルアミン、n−ドデシルアミン、n−トリデシルアミ
ン、n−テトラデシルアミン、n−ペンタデシルアミ
ン、n−ヘキサデシルアミン、n−ヘプタデシルアミ
ン、n−オクタデシルアミン、n−エイコシルアミン等
を挙げることができる。また、前記アミノ酸としては、
例えばアラニン、シスチン、ロイシン、リシン、メチオ
ニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニ
ン、トリプトファン、バリン等を挙げることができる。
また、前記モノイソシアネート化合物としては、例えば
フェニルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート
等を挙げることができる。
【0036】<反応性基を有するポリイミド>本発明に
おける(A)有機溶媒可溶性のポリイミドは、例えばカ
ルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン酸基、アミ
ド基、イミド基、エポキシ基、イソシアネート基、カル
ボニル基、炭素−炭素不飽和基等の反応性基を1種以上
有することができる(以下、ポリイミド中の反応基を
「反応基(a)」という)。本発明における反応性基を
有するポリイミドにおいては、その反応性基(a)を、
後述する(B)成分中の反応性基(以下、(B)成分中
の反応性基を「反応基(b)」という)と反応しうるも
のとすることが好ましく、それにより、該ポリイミドと
(B)成分とが結合して同一粒子内に含む粒子を得るこ
とができる。このようなポリイミドは、反応性基(a)
を、イミド基を100モル%として、通常0.1〜50
モル%、好ましくは、0.2〜30モル%、さらに好ま
しくは、0.5〜20モル%含有することが望ましい。
反応性基(a)を有するポリイミドの合成方法として
は、例えば、(ハ)ポリアミック酸中に存在するアミド
酸基(即ち、反応原料のテトラカルボン酸二無水物およ
びジアミン化合物から形成される遊離カルボキシル基と
アミド基)を脱水閉環反応後に残存させる方法、(ニ)
ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン酸二無水
物、ジアミン化合物、カルボン酸一無水物、モノアミン
化合物等の反応原料として、反応性基(a)を有する化
合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基(a)を残存
させる方法等を挙げることができる。
【0037】上記(ハ)の方法は、ポリアミック酸の脱
水閉環反応時に、加熱イミド化法においては、反応時間
と反応温度を適切にコントロールすることにより、その
イミド化率を調整することにより実施でき、また前記
(ニ)の方法は、反応性基(a)が脱水閉環反応に関与
する場合、加える脱水剤や脱水閉環触媒の量を調製する
ことにより、イミド化率を調整することにより実施する
ことができる。なお、(ニ)の方法で反応性基(a)が
脱水閉環反応に関与しない場合は、反応条件を特に調整
する必要がない。これらの方法のうち、そのイミド化率
の調整の簡便さから、一般に(ニ)の方法が好ましい。
以上のようにして得られる有機溶剤可溶性のポリイミド
は、その対数粘度(η In)の値が、通常0.05〜10
dl/g、好ましくは0.05〜5dl/gである。こ
こで、対数粘度(ηIn)は、前記ポリアミック酸の対数
粘度(ηIn)と同様の方法により測定される。
【0038】〔(B)親水性ポリマー成分〕本発明にお
ける(B)成分の内、(B−1)カチオン性ポリマー
は、親水性基として、例えばアミノ基、アミノ基の4級
化塩等のカチオン性親水基の少なくとも1種を有するポ
リマーであり、(B−2)アニオン性ポリマーは、例え
ばカルボキシル基、スルホン酸基、これらの基の塩等の
アニオン性親水基の少なくとも1種を有するポリマーで
ある。これらの親水性ポリマーは、必要に応じてその他
の親水性基、例えば水酸基、アミド基等を含有していて
もよい。親水性基を有している(B)成分の水に対する
20℃の溶解度は、通常0.01g/100g以上、好ま
しくは0.05g/100g以上である。また、(B)
成分は上記親水性基に加えて、(A)成分中の前記反応
性基(a)と反応し得る反応性基(b)を1種以上有す
ることが好ましい。このような反応性基(b)として
は、例えばエポキシ基、イソシアネート基、カルボキシ
ル基のほか、前記親水性基と同様の基等を挙げることが
できる。このような(B)親水性ポリマーは、前記
(A)成分と共に同一粒子内に混在することにより、該
粒子を水性媒体中に安定した状態で分散させる作用を示
すものと考えられる。(B)親水性ポリマーは、親水性
基を有するモノビニル単量体(以下、「親水性単量体」
という。)の単独重合体、あるいは親水性単量体単位
を、通常0.1〜80重量%、好ましくは1〜60重量
%、さらに好ましくは3〜50重量%含有する共重合体
であることが望ましい。さらに、(B)親水性ポリマー
は、前記(A)成分中の反応性基(a)と反応しうる反
応性基(b)を有するモノビニル単量体(以下、「反応
性単量体」という。)を、通常0.1〜30重量%、好
ましくは、0.2〜20重量%、さらに好ましくは、
0.5〜15重量%含有する共重合体であることが望ま
しい。
【0039】上記親水性単量体あるいは反応性単量体の
うち、カチオン性基含有単量体としては、例えば2−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル基
含有(メタ)アクリレート類;2−(2−ジメチルアミ
ノエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−
ジエチルアミノエトキシ)エチル(メタ)アクリレー
ト、2−(2−ジメチルアミノエトキシ)プロピル(メ
タ)アクリレート、3−(2−ジメチルアミノエトキ
シ)プロピル(メタ)アクリレート等のアミノアルコキ
シアルキル基含有(メタ)アクリレート類;N−(2−
ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−
(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−(2−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アク
リルアミド、N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メ
タ)アクリルアミド等のN−アミノアルキル基含有(メ
タ)アクリルアミド類;p−ジメチルアミノメチルスチ
レン、p−ジエチルアミノメチルスチレン、p−ジメチ
ルアミノメチル−α−メチルスチレン、p−ジエチルア
ミノメチル−α−メチルスチレン、p−(2−ジメチル
アミノエチル)スチレン、p−(2−ジエチルアミノエ
チル)スチレン、p−(2−ジメチルアミノエチル)−
α−メチルスチレン、p−(2−ジエチルアミノエチ
ル)−α−メチルスチレン、2−ビニルピリン、4−ビ
ニルピリン等のアミノ基含有芳香族ビニル化合物;グリ
シジル(メタ)アクリレートと第一級または第二級のア
ミン化合物との付加物等や、これらの単量体中のアミノ
基を中和あるいは四級化した塩等を挙げることができ
る。
【0040】アニオン性基含有単量体としては、例え
ば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、けい皮酸、マレ
イン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類
やこれらの塩;マレイン酸モノメチルエステル、マレイ
ン酸モノエチルエステル、フマル酸モノメチルエステ
ル、フマル酸モノエチルエステル等の不飽和ポリカルボ
ン酸の遊離カルボキシル基含有エステル類やこれらの
塩;こはく酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)エステル、フタル酸のモノ(2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル)エステル等の非重合性ジカルボ
ン酸のモノ(2−(メタ)アクリロイルオキシアルキ
ル)エステル類やこれらの塩;p−スチレンスルホン
酸、p−α−メチルスチレンスルホン酸、スルホン化イ
ソプレンやこれらの塩;等を挙げることができる。
【0041】その他の親水性基、例えば水酸基、アミド
基を含有する単量体の内、水酸基含有単量体としては、
例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、フタル酸の2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル・2−ヒドロキシエチルジエステ
ル等を挙げることができ、アミド基含有単量体として
は、例えば(メタ)アクリルアミド、クロトン酸アミ
ド、けい皮酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジ
アミド等を挙げることができる。
【0042】また、エポキシ基含有単量体としては、例
えばグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)
アクリレート等を挙げることができる。イソシアネート
基含有単量体としては、例えば2−イソシアナトエチル
(メタ)アクリレート、2−イソシアナトプロピル(メ
タ)アクリレート、3−イソシアナトプロピル(メタ)
アクリレート等を挙げることができる。これらの親水性
単量体および反応性単量体は、1種単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用することができる。
【0043】また、上記親水性単量体あるいは反応性単
量体と共重合しうる他のモノビニル単量体としては、例
えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リルレート、i−ブチル(メタ)アクリルレート、se
c−ブチル(メタ)アクリルレート、t−ブチル(メ
タ)アクリルレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリ
ル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレ
ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(シク
ロ)アルキル(メタ)アクリレート類;2−メトキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アク
リレート、3−メトキシプロピル(メタ)アクリレー
ト、2−メトキシブチル(メタ)アクリレート、3−メ
トキシブチル(メタ)アクリレート、4−メトキシブチ
ル(メタ)アクリレート、p−メトキシシクロヘキシル
(メタ)アクリレート等のアルコキシ(シクロ)アルキ
ル(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリロニトリ
ル、シアン化ビニリデン、クロトンニトリル、2−シア
ノエチル(メタ)アクリレート、2−シアノプロピル
(メタ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)ア
クリレート等のシアノ基含有単量体類;N−メトキシメ
チル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メ
タ)アクリルアミド、N−(3−メトキシプロピル)
(メタ)アクリルアミド、N−(4−メトキシブチル)
(メタ)アクリルアミド等の前記アミド基含有単量体の
N−アルコキシアルキル置換誘導体類;トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル
(メタ)アクリレート、ヘプタフルオロブチル(メタ)
アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレー
ト類;トリメチルシロキサニルジメチルシリルプロピル
(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキサニ
ル)シリルプロピル(メタ)アクリレート、ジ(メタ)
アクリロイルプロピルジメチルシリルエーテル等のシロ
キサニル化合物類;スチレン、o−ビニルトルエン、m
−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−エチルス
チレン、α−メチルスチレン、α−フルオロスチレン等
のモノビニル芳香族化合物;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオ
ン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、ブタジエ
ン、イソプレン等の不飽和脂肪族炭化水素類のほか、シ
リコン変性モノマー、マクロモノマー等を挙げることが
できる。これら他のモノビニル単量体は、1種単独でま
たは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0044】さらに、得られる共重合体の親水性を過度
に損なわない範囲の量で、例えばジビニルベンゼン、ジ
イソプロペニルベンゼン等のポリビニル芳香族化合物;
エチレンビス(メタ)アクリルアミド、トリメチレンビ
ス(メタ)アクリルアミド、テトラメチレンビス(メ
タ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド
類;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,6−ヘキシレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ
タ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリ
ロキシプロピオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロ
パン等のジ(メタ)アクリレート類;グリセリントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジ−トリメチロールプロパンテトラ
アクリレート等の3個以上の(メタ)アクリロキシ基を
有する単量体等の1種以上の架橋性単量体を共重合させ
ることもできる。
【0045】本発明で用いられる(B)親水性ポリマー
は、例えばラジカル重合開始剤を用い、必要に応じて連
鎖移動剤の存在下における公知の溶液重合などにより製
造することができる。上記溶液重合に用いる重合媒体と
しては、例えば水、極性溶剤、水と極性溶媒との混合媒
体等を挙げることができる。上記極性溶媒としては、例
えばアセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクト
ン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルトリアミ
ド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸
n−ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エ
トキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸
エチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、しゅう酸ジ
エチル、マロン酸ジエチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノン、エチレングリコール、1,3−
プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリ
エチレングリコール200、ポリエチレングリコール4
00、ポリエチレングリコール600、ポリエチレング
リコール1500、グリセリン、N−メチロールピロリ
ドン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ
−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジエーテル、メタノール、エ
タノール等を挙げることができる。これらの極性溶媒
は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0046】また、本発明で用いられる(B)親水性ポ
リマーとして、好ましくは水に対する前記溶解度条件を
満たす公知の親水性ポリマー、例えばポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリス
チレンのスルホン化物、スチレンーイソプレン共重合体
のスルホン化物等を使用することもできる。
【0047】本発明で用いられる(B)親水性ポリマー
のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)
による数平均分子量(以下、「Mn」という。)は、ポ
リスチレン換算で、通常1,000〜100,000、
好ましくは3,000〜20、000である。また、
(B)親水性ポリマーは、1種単独でまたは2種以上を
組み合わせて使用することができる。本発明において、
(B)親水性ポリマーは、溶液あるいは固体として、ポ
リイミド系水性分散体の調製に使用される。
【0048】<pH調整剤>本発明のポリイミド系水性
分散体を調製する際に、(B)成分が(B−1)カチオ
ン性ポリマーの場合は、pH調整剤として多価酸が用い
られ、(B)成分が(B−2)アニオン性ポリマーの場
合は、pH調整剤としてポリアミンが用いられる。上記
多価酸としては、例えば、(イ)シュウ酸、マロン酸、
コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、フマール酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、
テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、スベリン酸、ナ
フタレンジカルボン酸等のジカルボン酸類;トリカルバ
リン酸、クエン酸、ベンゼントリカルボン酸等のトリカ
ルボン酸類;ベンゼンテトラカルボン酸、ブタンテトラ
カルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸等のテト
ラカルボン酸類等で例示される多価有機酸、(ロ)硫
酸、リン酸等で例示される多価無機酸が挙げられる。な
かでも、多価有機酸が好ましく、特にジカルボン酸類が
好ましい。これら多価酸は、1種単独であるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。また、蟻酸、酢
酸等の単官能性の酸を併用してもよい。
【0049】上記ポリアミンとしては、例えばエチレン
ジアミン、ヘキサメチレンジアミン等のジアミン類を好
ましく挙げることができる。これらのポリアミンは、1
種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。また、エタノールアミン等のモノアミンと併用
してもよい。
【0050】上記多価酸およびポリアミンはpH調整剤
の役割を果たし、特にこのような多官能性のものを用い
ることにより、本発明のポリイミド系水性分散体は分散
安定性に優れ、かつ電着塗装に用いたときに電着塗装特
性に優れる結果となる。
【0051】〔ポリイミド系水性分散体〕本発明のポリ
イミド系水性分散体は、その中に分散している同一粒子
内に前記(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親
水性ポリマーとが含有されており、しかも粒子の平均粒
子径は0.03〜5μm、好ましくは0.05〜3μm
である。上記(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと上記
(B)親水性ポリマーとの使用割合は、(A)有機溶剤
可溶性のポリイミドが、通常10〜90重量%、好まし
くは20〜80重量%であり、(B)親水性ポリマー
が、通常90〜10重量%、好ましくは80〜20重量
%である(ここで、(A)成分と(B)成分の合計量は
100重量%とする)。(A)ポリイミドが10重量%
未満で、(B)親水性ポリマーが90重量%を超える
と、水性分散体から得られる硬化物の電気絶縁性が低下
する傾向があり、また(A)ポリイミドが90重量%を
超え、(B)親水性ポリマーが10重量%未満では、得
られる水性分散体の保存安定性が低下する傾向がある。
【0052】本発明のポリイミド系水性分散体における
水性媒体とは、水を主成分とする媒体を意味する。この
場合、水性媒体中における水の含有率は、通常40重量
%以上、好ましくは50重量%以上である。場合により
水と共に使用される他の媒体としては、例えば前記ポリ
アミック酸あるいはポリイミドの製造に使用される非プ
ロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、フェノール
類や、前記親水性ポリマーの合成に使用される極性溶媒
と同様のものを挙げることができる。
【0053】〔ポリイミド系水性分散体の製造方法〕本
発明のポリイミド系水性分散体の製造方法としては、前
記所定の水性分散体が得られる限り特に限定されるもの
ではないが、例えば(I)(A)有機溶媒可溶性のポリ
イミドと(B)親水性ポリマーとを、有機溶媒中にて溶
液状態で混合したのち、この混合溶液を水性媒体中に分
散させて混合し、所定の平均粒子径の粒子とし、場合に
より有機溶媒の少なくとも一部を除去する方法、(II)
溶液から分離された有機溶媒可溶性の(A)ポリイミド
と(B)親水性ポリマーとを、固体状態で混合して、所
定の平均粒子径の粒子としたのち、該粒子を水性媒体中
に分散させる方法等を挙げることができるが、特に
(I)の方法が好ましい。これらの方法は、必要に応じ
て加熱下で実施することができる。
【0054】以下、本発明のポリイミド系水性分散体の
製造方法を、前記(I)の方法を中心としてさらに具体
的に説明する。 (A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリ
マーとを有機溶媒中にて溶液状態で混合する方法として
は、例えば(i)別々に調製した(A)ポリイミドの溶
液と(B)親水性ポリマーの溶液とを混合する方法、
(ii)(A)ポリイミドと(B)親水性ポリマーのいず
れか一方の溶液に、他方を固体として添加して混合溶解
する方法、(iii)ポリイミドと親水性ポリマーをともに
固体として有機溶媒に添加して、混合溶解する方法等を
挙げることができるが、特に(i)の方法が好ましい。
(A)ポリイミドと(B)親水性ポリマーとを溶液状態
で混合する際に使用される有機溶媒としては、ポリイミ
ドおよび親水性ポリマーに対して不活性であり、かつこ
れらを溶解しうる限り、特に限定されるものでないが、
例えば前記ポリアミック酸あるいはポリイミドの合成に
使用される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン
類、フェノール類や、前記親水性ポリマーの合成に使用
される極性溶媒等を挙げることができる。これらの有機
溶媒は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用
することができる。また、(i)の方法の場合、ポリイ
ミドの溶液と親水性ポリマーの溶液に使用される有機溶
媒は、同一でも異なってもよい。
【0055】さらに、(i)〜(iii)の方法により得ら
れる混合溶液には、目的に応じて他の化合物を添加する
ことができる。この化合物としては、例えばエポキシ化
ポリブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナ
フタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、
ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポ
キシ樹脂等のエポキシ化合物;トリレンジイソシアネー
ト等のジイソシアネート化合物やそのブロック化物;高
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリカーボネート、ポリアリレート、脂肪族ポリア
ミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフ
ィド、(変性)ポリカルボジイミド、ポリエーテルイミ
ド、ポリエステルイミド、変性ポリフェニレンオキシド
等の熱可塑性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙げることが
できる。これらの化合物は、1種単独でまたは2種以上
を混合して使用することができる。
【0056】(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
(B)親水性ポリマーとの混合溶液の濃度は、両成分の
合計量として、好ましくは5〜60重量%、さらに好ま
しくは10〜50重量%である。(A)有機溶媒可溶性
のポリイミドと(B)親水性ポリマーとを溶液状態で混
合する際には、例えば撹拌翼、リボン、スクリュウ等の
適宜の混合手段を採用することができる。また、混合条
件は、回転数が、通常10〜50,000rpm、好ま
しくは20〜5,000rpmである。また、(A)有
機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーとを
溶液状態で混合する際には、必要に応じて界面活性剤を
適量添加することもできる。但し、得られる水性分散体
を絶縁材として使用する場合は、界面活性剤が絶縁耐久
性を低下させる要因ともなるため、その使用量を極力少
なくすることが好ましい。
【0057】さらに、本発明においては、前記で示した
多価酸あるいはポリアミンをpH調製剤として用い、ポ
リイミド系水性分散体のpHを、好ましくは3〜11、
さらに好ましくは4〜10とすることが望ましく、それ
により保存安定性が特に優れた水性分散体を得ることが
できる。このようなpH調整は、例えば(iv)(A)有
機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水性ポリマーとの
混合溶液に、必要量のpH調整剤を添加したのち、水性
媒体中に分散させる方法、(v)(A)有機溶媒可溶性
のポリイミドと(B)親水性ポリマーとの混合溶液を、
必要量のpH調整剤を添加した水性媒体中に分散させる
方法、(vi)(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
(B)親水性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分散
させながら、必要量のpH調整剤を添加する方法等によ
り実施することができるが、特に(iv)の方法が好まし
い。なお、前記(II)の方法においてpH調整する際に
は、予め必要量のpH調整剤を水性媒体中に添加してお
けばよい。
【0058】次に、(A)有機溶媒可溶性のポリイミド
と(B)親水性ポリマーとの混合溶液を水性媒体中に分
散させる際には、該混合溶液に水性媒体を添加しても、
あるいは該混合溶液を水性媒体に添加してもよいが、特
に後者の方法が好ましい。(A)有機溶媒可溶性のポリ
イミドと(B)親水性ポリマーとの混合溶液を水性媒体
中に分散させる際には、例えば撹拌翼、リボン、スクリ
ュウ等の適宜の混合手段を採用することができる。ま
た、混合条件は、ポリイミド系水性分散体の固形分濃
度、分散粒子の所望の平均粒子径等によって変わるが、
回転数が、通常10〜50,000rpm、好ましくは
20〜5,000rpmである。ポリイミド系水性分散
体を調製する際に、水以外の有機溶媒あるいは媒体を除
去する方法としては、例えば蒸留、限外ろ過等を挙げる
ことができる。本発明のポリイミド系水性分散体におけ
る水性媒体の合計使用量は、有機溶媒可溶性のポリイミ
ドと親水性ポリマーとの合計100重量部に対して、好
ましくは10〜10,000重量部、さらに好ましくは
20〜5,000重量部である。
【0059】本発明のポリイミド系水性分散体における
粒子の平均粒子径は、0.03〜5μm、好ましくは
0.05〜2μmである。この場合、粒子の平均粒子径
が0.03μm未満では、水性分散体としたときの粘度
が高くなりすぎ、また5μmを超えると、水性分散体と
しての保存安定性が低下して、粒子が沈降しやすくな
る。この平均粒子径は、公知の光学的方法や電子顕微鏡
により測定することができる。
【0060】さらに、本発明においては、ポリイミド系
水性分散体を製造する際に、有機溶媒可溶性のポリイミ
ド中の反応性基(a)と親水性ポリマー中の反応性基
(b)とを適切に組み合せて、該ポリイミドと該親水性
ポリマーとを、有機溶媒中にて溶液状態で混合して、必
要に応じて加熱しつつ、反応させたのち、この反応溶液
と水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少なくと
も一部を除去することにより、該ポリイミドと該親水性
ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含み、前記所
定の平均粒子径を有する粒子を、水性媒体中に分散させ
ることにより、水系分散体としての保存安定性および硬
化物の諸物性に著しく優れたポリイミド系水性分散体を
製造することができる。
【0061】〔添加剤〕本発明のポリイミド系水性分散
体には、必要に応じて各種の添加剤を配合することがで
きる。このような添加剤としては、例えばエポキシ化ポ
リブタジエン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ナフ
タレン系エポキシ樹脂、フルオレン系エポキシ樹脂、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキ
シ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等
のエポキシ化合物;トリレンジイソシアネート等のジイ
ソシアネート化合物やそのブロック化物;高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリアリレート、脂肪族ポリアミド、ポリ
アミドイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
ポリエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、(変
性)ポリカルボジイミド、ポリエーテルイミド、ポリエ
ステルイミド、変性ポリフェニレンオキシド等の熱可塑
性あるいは熱硬化性の樹脂等を挙げることができる。
【0062】また、他の添加剤としては、例えばクレ
ー、ゼオライト、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブ
ラック、グラファイト、アルミナ、炭酸カルシウム、ワ
ラストナイト等の充填剤や、ガラス、カーボン、アルミ
ナ、チタン酸カリウム、ほう酸アルミニウム、炭化ケイ
素、窒化ケイ素、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミ
ド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル、超高分子量ポ
リエチレン、高強度ポリアクリロニトリル、高強力ポリ
ビニルアルコール等の繊維あるいはウイスカー等の補強
材を挙げることができる。また、前記補強材は、例えば
織布、不織布、編み物等の布帛の形で用い、該布帛に本
発明のポリイミド系水性分散体を含浸させて使用するこ
ともできる。
【0063】上記各添加剤は、それぞれ1種単独でまた
は2種以上を混合して使用することができる。さらに、
上記以外の添加剤としては、例えば酸化防止剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、難燃剤、着
色剤、滑剤、防曇剤、接着性改善剤、防かび剤等を挙げ
ることができる。また必要に応じて、少量の乳化剤や水
溶性分散剤をポリイミド系水性分散体に添加することも
できる。
【0064】〔ポリイミド系水性分散体の特性および用
途〕本発明のポリイミド系水性分散体は、優れた保存安
定性を有するとともに、その硬化物は、透明性、電気絶
縁性、耐熱性、機械的特性、電着性等に優れ、また吸水
性が低く耐湿性および耐湿熱性に優れ、かつ各種基体に
対する接着性にも優れている。したがって、本発明のポ
リイミド系水性分散体は、特に、各種の電気機器や電子
部品等の保護膜や電気絶縁膜等として極めて好適に使用
することができるほか、耐熱性が要求される接着剤や塗
料としても有用である。また、本発明のポリイミド系水
性分散体を予め離型処理した適当な基体に塗布して、熱
硬化性薄膜を成形し、該薄膜を硬化前に基体から強制的
に剥離することによって、熱硬化性フィルムを取得する
ことができ、該熱硬化性フィルムは、電気機器や電子部
品等の耐熱性接着フィルム等として有用である。あるい
は、前記基体から強制的に剥離された熱硬化性薄膜を硬
化させるか、または予め離型処理した適当な基体上で熱
硬化性薄膜を加熱、硬化させたのち、得られた硬化薄膜
を基体から強制的に剥離することによって、硬化フィル
ムを取得することができる。さらに、本発明のポリイミ
ド系水性分散体を構成する粒子を適当な溶媒に溶解した
溶液をガラスクロス等の適当な布帛に含浸させたのち乾
燥したプリプレグ、あるいは無溶媒の該粒子をガラスク
ロス等の適当な布帛に含浸させたプリプレグは、銅張り
積層板等の積層材等としても有用である。
【0065】また、前記(II)の方法により固体状態で
混合した粒子、あるいは本発明のポリイミド系水性分散
体から分離・採取された粒子は、1種の熱硬化性樹脂組
成物をなし、例えば粉末、ペレット等の形態で、例えば
射出成形法、トランスファー成形法、押出し成形法、圧
縮成形法等の既知の成形法により成形して、各種の工業
製品や工業部品等として使用することもできる。本発明
のポリイミド系水性分散体から熱硬化性フィルムあるい
は硬化フィルムを成形する際に使用される基体は、特に
限定されるものではなく、例えば鉄、ニッケル、ステン
レス、チタン、アルミニウム、銅、各種合金等の金属;
窒化ケイ素、炭化ケイ素、サイアロン、窒化アルミニウ
ム、窒化ほう素、炭化ほう素、酸化ジルコニウム、酸化
チタン、アルミナ、シリカや、これらの混合物等のセラ
ミック;Si、Ge、SiC 、SiGe、GaAs等の半導体; ガラ
ス、陶磁器等の窯業材料;芳香族ポリアミド、ポリアミ
ドイミド、ポリイミド、全芳香族ポリエステル等の耐熱
性樹脂等を挙げることができる。前記基体には、所望に
より、予め離型処理を施しておくことができ、またシラ
ンカップリング剤、チタンカップリング剤等による薬品
処理や、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッ
タリング、気相反応法、真空蒸着の如き適宜の前処理を
施すこともできる。
【0066】本発明のポリイミド系水性分散体を前記基
体に塗布する際には、回転塗布法、ロール塗布法、流延
塗布法、浸漬塗布法、噴霧塗布法、電着法等の適宜の塗
布手段を採用することができる。また、塗布厚さは、塗
布手段の選択、ポリイミド系水性分散体の固形分濃度や
粘度を調節することにより、適宜制御することができ
る。本発明のポリイミド系水性分散体から形成される熱
硬化性フィルムあるいは硬化フィルムの厚さは、適宜選
定することができるが、通常0.1〜10,000μ
m、好ましくは1〜1,000μmである。
【0067】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態
をさらに具体的に説明する。但し、本発明の範囲はこれ
らの実施例に何ら制約されるものではない。以下におい
て、特記しない限り、「部」および「%」は重量基準で
ある。
【0068】実施例および比較例中の各測定、評価は、
次のようにして行なった。 (1)平均粒子径 水性分散体を蒸留水で固形分濃度0.01重量%に希釈
し、動的光散乱測定装置LPA3000(大塚電子
(株)製)を用いて測定した。 (2)分散安定性(I) 調製直後の水性分散体をガラス板上に1滴落とし、凝集
物の有無を目視にて観察し、下記基準で評価した。 ○・・・凝集物なし △・・・局部的に凝集物が存在する ×・・・全体的に凝集する (3)分散安定性(II) プラスチック瓶に水性分散体を入れ、40℃で30日間
保存したときの分散状態と粘度を目視にて観察し、下記
基準で評価した。 ○・・・変化なし △・・・2層に分離しないが、粘度がかなり上昇する ×・・・2層に分離する (4)熱硬化性フィルム、硬化フィルムおよび薄膜の形
成 水性分散体を用い、下記方法により薄膜を形成して、下
記物性を評価した。 (i)回転塗布法:予め離型処理したガラス基体上に、
スピンナーを用いて回転塗布して、熱硬化性薄膜を形成
させたのち、250℃で30分間加熱して硬化させて、
硬化薄膜を得た。次いで、前記熱硬化性薄膜および硬化
薄膜を基体から強制的に剥離して、膜厚55μmの熱硬
化性フィルムおよび膜厚50μmの硬化フィルムを得
た。 (ii)カチオン電着法:希酸で洗浄した銅基体を用い、
定電圧法により陰極側銅基体に熱硬化性薄膜を形成し
て、100℃で10分間加熱したのち、さらに250℃
で30分間加熱して硬化させて、銅基体上に膜厚15μ
mの硬化薄膜を形成した。
【0069】(5)物性評価法 (i)引張り強さ:硬化フィルムについて、JIS K
6911またはJISC2318に準拠して測定した。 (ii)10%重量減少温度:硬化フィルムについて、熱
重量分析装置(TGA)を用い、空気中、20℃/分の
昇温速度で測定した。 (iii)透明性:硬化フィルムについて、目視にて、下
記基準で評価した。 ○・・・透明 ×・・・濁りあり (iv)耐湿熱性:硬化フィルムについて、121℃、湿
度100%、2気圧の条件下で、72時間耐湿熱性試験
(PCT)を行って、試験の前後で赤外線分光測定を実
施し、その変化の程度により、耐湿熱性を下記基準で評
価した。 ○・・・変化がなく耐性が認められる. ×・・・変化が大きく耐性が認められない. (v)体積抵抗率および表面抵抗率:硬化フィルムにつ
いて、JIS K6911に準拠して測定した。 (vi)銅箔剥離強度:熱硬化性フィルムを、厚さ130
μmのポリイミドフィルム(商品名カプトン、東レ・デ
ュポン社製)と厚さ0.5mmの銅板との間に挟み、1
00g/cm2 の加重をかけて、250℃で30分間加
熱した。その後、ポリイミドフィルムの銅面からの剥離
強度を、JIS H8630およびJIS C6481
に準拠し、密着強度試験器(山本鍍金試験器(株)製)
を用いて測定した。
【0070】(A)有機溶媒可溶性のポリイミドの合成 合成例1 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.2
9g(90ミリモル)および1,3,3a,4,5,9
b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキ
ソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−
1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン
化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)
および式(10)に対応するオルガノシロキサンLP7
100(商品名、信越化学製)2.49g(10ミリモ
ル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し
て、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液
に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、1
00℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶
液を減圧留去して精製し、対数粘度0.51dl/g、
イミド化率95%で、5%のアミック酸単位を含む固形
分10%のポリイミド(a−1)の溶液を得た。
【0071】合成例2 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物35.8
8g(100ミリモル)、ジアミン化合物として2,2
−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロ
パン32.84g(80ミリモル)、3,5−ジアミノ
安息香酸1.52g(10ミリモル)および式(10)
に対応するオルガノシロキサンX−22−161AS
(商品名、信越化学製)9.00g(10ミリモル)
を、N−メチル−2−ピロリドン500gに溶解して、
室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液に、
ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、100
℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶液を
減圧留去して精製し、対数粘度0.45dl/g、イミ
ド化率95%で、5%のアミック酸単位を含む固形分1
0%のポリイミド(a−2)の溶液を得た。
【0072】合成例3 テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−
ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物17.9
4g(50ミリモル)および3,3’,4,4’−ベン
ゾフェノンテトラカルボン酸二無水物9.67(30ミ
リモル)、4,4'−[2,2,2−トリフルオロ−1−
(トリフルオロメチル)エチリデン]ビス(1,2−ベ
ンゼンジカルボン)酸無水物8.8g(20ミリモ
ル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g
(90ミリモル)および式(10)に対応するオルガノ
シロキサンX−22−161AS(商品名、信越化学
製)9.00g(10ミリモル)を、N−メチル−2−
ピロリドン500gに溶解して、室温で12時間反応さ
せた。その後、この反応溶液に、ピリジン8gおよび無
水酢酸10gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応
を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、対
数粘度0.48dl/g、イミド化率50%で、50%
のアミック酸単位を含む固形分10%のポリイミド(a
−3)の溶液を得た。
【0073】(B)親水性ポリマーの合成 合成例4 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルア
クリレート30部、グリシジルメタアクリレート5部お
よびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を
5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を
行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続
けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水性ポリ
マー(b−1)の溶液を得た。
【0074】合成例5 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアク
リレート30部、イソシアナトエチルメタアクリレート
5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混
合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液
重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹
拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%の親水
性ポリマー(b−2)の溶液を得た。
【0075】合成例6 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート60部、メチルメタアクリレート
5部、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド30部、
グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブ
チロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的
に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了
後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完
結させ、固形分50%の親水性ポリマー(b−3)の溶
液を得た。
【0076】合成例7 γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容器を、窒素
ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−
ブチルアクリレート65部、スチレン5部、メタアクリ
ル酸30部およびアゾビスイソブチロニトリル1部から
なる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下
で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2
時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%
の親水性ポリマー(b−4)の溶液を得た。
【0077】合成例8 N−メチルピロリドン100部を入れた反応容器を、窒
素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n
−ブチルアクリレート65部、メチルメタアクリレート
5部、アクリル酸30部およびアゾビスイソブチロニト
リル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加し
つつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85
℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、
固形分50%の親水性ポリマー(b−5)の溶液を得
た。
【0078】実施例1 ポリイミド(a−1)の溶液70部(固形分)に対し
て、親水性ポリマー(b−1)の溶液30部(固形分)
を添加して十分混合し、70℃で3時間加熱したのち、
コハク酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行っ
た。次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く
撹拌して、凝集物のない水性分散体を得た。得られた水
性分散体の性状および評価結果を、表1に示す。
【0079】実施例2 親水性ポリマーとして(b−2)を用い、pH調整剤と
してマレイン酸を用いた以外は、実施例1と同様にし
て、水性分散体を得た。得られた水性分散体の性状およ
び評価結果を、表1に示す。
【0080】実施例3 ポリイミド(a−1)の量を50重量部(固形分)と
し、添加剤としてエポキシ樹脂エピコートYX4000
(商品名、油化シェル製)20部を用い、pH調整剤と
してリンゴ酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、
水性分散体を得た。また、塗布法として回転塗布法を用
いて物性評価を行った。得られた水性分散体の性状およ
び評価結果を、表1に示す。
【0081】実施例4 ポリイミド(a−1)の量を50部(固形分)とし、添
加剤としてエポキシ樹脂エピコート828(商品名、油
化シェル製)20部(固形分)を用い、pH調整剤とし
て酒石酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、水性
分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結
果を、表1に示す。
【0082】実施例5 添加剤としてエポキシ樹脂エピコート1001(商品
名、油化シェル製)を用い、pH調整剤としてイタコン
酸を用いた以外は、実施例4と同様にして、水性分散体
を得た。得られた水性分散体の性状および評価結果を、
表1に示す。
【0083】実施例6 pH調整剤としてテレフタル酸を用いた以外は、実施例
1と同様にして、水性分散体を得た。得られた水性分散
体の性状および評価結果を表2に示す。
【0084】実施例7 ポリイミドとして(a−2)を用い、pH調整剤として
フマル酸を用いた以外は、実施例4と同様にして、水性
分散体を得た。得られた水性分散体の性状および評価結
果を表2に示す。
【0085】実施例8 親水性ポリマーとして(b−4)を用い、pH調整剤と
してエチレンジアミンを用いた以外は、実施例4と同様
にして、水性分散体を得た。また、塗布法として回転塗
布法を用いて物性評価を行った。得られた水性分散体の
性状および評価結果を表2に示す。
【0086】実施例9 親水性ポリマーとして(B−5)を用い、添加剤として
エポキシ樹脂エピコートYX4000(商品名、油化シ
ェル製)を用い、pH調整剤としてヘキサメチレンジア
ミンを用いた以外は、実施例8と同様にして、水性分散
体を得た。また、塗布法としてアニオン電着法を用いて
物性評価を行った。得られた水性分散体の性状および評
価結果を表2に示す。
【0087】実施例10 実施例9で得た水性分散体を用い、塗布法として回転塗
布法を用いて物性評価を行った。評価結果を表2に示
す。
【0088】比較例1 pH調整剤として酢酸を用いた以外は、実施例9と同様
にして水性分散体を得た。この結果を表3に示す。
【0089】比較例2 pH調整剤としてトリエタノールアミンを用いた以外
は、実施例9と同様にして水性分散体を得た。この結果
を表3に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】
【表3】
【0093】表中の添加剤、pH調整剤の種類は、下記
の通りである。 (*1)添加剤種 E828:エピコート828(商品名、油化シェル製) E1001:エピコート1001(商品名、油化シェル
製) YX4000:エピコートYX4000(商品名、油化
シェル製) (*2)pH調整剤 EDA:エチレンジアミン HDA:ヘキサメチレンジアミン
【0094】
【発明の効果】本発明のポリイミド系水性分散体は、保
存安定性および電着塗装性に優れ、しかもその硬化物
は、ポリイミド本来の耐熱性、電気絶縁性、機械的特性
等を損なうことなく、透明性、耐湿熱性、各種基体に対
する接着性等に優れている。したがって、本発明のポリ
イミド系水性分散体は、電着塗装法に適用して、銅、ニ
ッケル、金等の表面にポリイミド被膜を形成することが
できると共に、電気機器や電子部品等の保護膜、電気絶
縁膜等として極めて好適に使用することができるほか、
接着剤、塗料、熱硬化性フィルム、硬化フィルム、プリ
プレグ、硬化成型品等にも有用である。また、本発明の
製造方法によれば、上記諸性質に優れたポリイミド水性
分散体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F070 AA55 AA57 AA71 CA03 CA18 CB02 CB15 4J038 CG012 CG032 CG062 CG072 CG142 CH202 DJ021 GA06 GA08 GA09 GA13 JA39 JA41 JB04 JB05 JB07 MA08 MA10 MA14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多価酸の存在下に、(A)有機溶媒可溶
    性のポリイミドと(B−1)カチオン性ポリマーとを水
    性媒体中に粒子状に分散させることにより形成され、 同一粒子内に(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B
    −1)カチオン性ポリマーとが含まれ、そして粒子の平
    均粒子径が0.03〜5μmであることを特徴とするポ
    リイミド系水性分散体。
  2. 【請求項2】 ポリアミンの存在下に、(A)有機溶媒
    可溶性のポリイミドと(B−2)アニオン性ポリマーと
    を水性媒体中に粒子状に分散させることにより形成さ
    れ、 同一粒子内に(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B
    −2)カチオン性ポリマーとが含まれ、そして粒子の平
    均粒子径が0.03〜5μmであることを特徴とするポ
    リイミド系水性分散体。
  3. 【請求項3】 多価酸の存在下に、(A)有機溶媒可溶
    性のポリイミドと(B−1)カチオン性ポリマーとを水
    性媒体中に、平均粒子径が0.03〜5μmの粒子状と
    なるように分散させることを特徴とするポリイミド系水
    性分散体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリアミンの存在下に、(A)有機溶媒
    可溶性のポリイミドと(B−1)アニオン性ポリマーと
    を水性媒体中に、平均粒子径が0.03〜5μmの粒子
    状となるように分散させることを特徴とするポリイミド
    系水性分散体の製造方法。
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JP2003268235A (ja) * 2002-03-15 2003-09-25 Shimizu:Kk 樹脂組成物および水性電着塗料

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