JP2004091572A - ポリアミド酸エステル組成物 - Google Patents

ポリアミド酸エステル組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】電気・電子材料の製造に有用な、高伸度であり、高い耐熱性、高い耐薬品性、耐水接着性を合わせ持ち、かつ高い解像度のポリイミドパターンを与え、かつ保存安定性が高い感光性組成物を提供する。
【解決手段】(A)4価のカルボン酸を構成する芳香族基の全モル量に対して、5〜30%がベンゼン基であり、20〜90%がジフェニルエーテル基であり、ベンゼン基とジフェニルエーテル基の合計が50%以上であるポリアミド酸エステル、(B)0.3〜10重量%の有機チタン化合物、(C)溶媒、を含有する感光性組成物を調製する。
【選択図】 選択図なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有用な新規感光性材料に関するものである。さらに詳しく言えば、本発明は、ポリイミド塗膜として、高い耐熱性、高い耐薬品性を合わせ持ち、かつ高い解像度のポリイミドパターンを与え、かつ高い保存安定性を与えうるポリアミド酸エステル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイミド樹脂は、その高い熱的及び化学的安定性、低い誘電率及び優れた平坦化能のために、マイクロエレクトロニクス関係の材料として注目されており、半導体の表面保護膜、層間絶縁膜、あるいはマルチチップモジュールなどの材料として広く使用されている。
ポリイミド樹脂を用いて半導体装置を製造する場合には、通常、ポリイミド樹脂膜を基材上に形成し、リソグラフィー技術を利用して所望のパターンを形成する。具体的には、ポリイミド樹脂膜の上に、フォトレジストとフォトマスクを用いてフォトレジストのパターンを形成し、その後にエッチィングによるポリイミド樹脂のパターン化を行うという間接的なパターン形成方法が用いられる。しかしながら、この方法においては、初めに、マスクとなるフォトレジストのパターンをポリイミド樹脂膜の上に形成し、次にポリイミド樹脂をエッチングを行い、最後に不要になったフォトレジストパターンの剥離を行わなければならないため、工程が複雑であり、更に間接的なパターン形成であるが故に解像度が低い。又、エッチングにヒドラジンのような有毒物質を溶剤として用いる必要があるため、安全性の問題もある。
【0003】
上記のような問題点を克服する目的で、近年、光重合成の感光基をポリイミド前駆体に導入し、ポリイミド前駆体膜に直接パターンを形成する方法などが研究されてきた。例えば、二重結合を有する化合物をエステル結合、アミド結合、イオン結合などを介してポリアミド酸誘導体に結合してなるポリイミド前駆体及び光開始剤等を含む感光性組成物で膜を形成し、これをパターンを有するフォトマスクを介して露光することによって上記塗膜の露光された部分のポリイミド前駆体を不溶化させる手段を用いてパターンを形成し、現像処理に付し、その後、加熱して感光基成分を除去することにより、ポリイミド前駆体を熱安定性を有するポリイミドに変換する方法などが提案されている[山岡、表、「ポリファイル」、第27巻、第2号、第14〜18頁(1990年)]。この技術は、一般に感光性ポリイミド技術と呼ばれている。この技術によって、上記の従来の非感光性ポリイミド前駆体を用いるプロセスに伴う問題は克服された。そのため、ポリイミドパターンの形成を上記の感光性ポリイミド技術で行うことが多くなっている。
【0004】
しかし、近年、半導体装置等に用いられるポリイミド膜のパターンを形成する際の解像度の向上が求められている。上記の感光性ポリイミド技術が開発される以前の非感光性ポリイミドを用いたプロセスにおいては高い解像度が得られなかったため、それを前提にして半導体装置や製造プロセスが設計されており、それによって半導体装置の集積率や精度が限られていた。一方、感光性ポリイミドを用いると、パターン形成時に高い解像度が得られることから、集積率や精度の高い半導体装置の製造が可能となる。これに関して以下に説明する。例えば、メモリー素子等を製造する場合、製品の収率を上げるために、あらかじめ予備の回路を作っておいて製品の検査後に不要な回路を切るという操作を行う。従来の非感光性ポリイミドを用いたプロセスでは、不要な回路の切断は、ポリイミドパターンの形成前に行っていたのに対し、感光性ポリイミドを用いるプロセスでは、ポリイミドパターン形成時の解像度が高いため、パターンに不要な回路を切るための穴を設けておいて、ポリイミドパターンの形成後に予備回路を切ることができる。したがって、最終製品の完成時点により近い段階で予備回路を切断することが可能となり、更に高い製品の収率が達成される。
【0005】
ポリイミドパターンに不要な回路を切るための穴を設けておく際には、素子の高集積化のためにこの穴をより小さくすることが望まれており、そのためには、現在よりも更に高い解像度でパターン形成が可能な感光性ポリイミド前駆体が求められている。また、高解像度のパターン形成を可能にする感光性ポリイミド前駆体を用いると、半導体装置の高集積化や高精度化に必要な広いプロセスマージンを達成することができる。「広いプロセスマージン」とは、パターン形成のための露光や現像時の使用可能条件(例えば時間や温度などの条件)がより広くなるプロセスを意味する。従って、ポリイミドパターン形成時の解像度は高ければ高いほど望ましい。上記のことは、ポリイミドパターンをその他の素子(マルチチップモジュール等)に用いる場合にも当てはまる。そのため、精度の高いパターンの形成を可能にする解像度の高い感光性ポリイミド前駆体組成物への要求は増してきている。
【0006】
更にポリイミドの厚膜化、及び配線の高密度化が要求される傾向にあるため、高精度のポリイミドパターンの形成を可能にする高解像度の感光性ポリイミド前駆体組成物への要求は大きい。
半導体装置の表面保護膜としてポリイミドを用いる場合には、更に基材とポリイミドとの高い接着性及びその接着力の耐水性(以下、両者の性質をまとめて、「耐水接着性」と称す)が必要である。
近年、環境問題から、半導体素子パッケージで使用する半田材料をPbフリー化する傾向があり、そのため半田リフロー温度が高温化する傾向にある。ポリイミド膜の耐熱性が不足していると、リフローしたときの温度でポリイミドが変質し、クラックが発生するなどの欠陥を生じることがあることから、ポリイミド膜の耐熱性が重要である。さらにそのような高温条件下においても良好な機械物性、特に伸度が良好であることが期待されている。
【0007】
また、半導体素子パッケージの進歩により、バンププロセスなどの新プロセスが開発されているが、それらのプロセスにおいて使用される種々の薬液に対する耐薬品性が良好であることが更に必要である。
上記のすべての特性を合わせ持つポリイミドパターンを形成するのに用いることができる感光性ポリイミド前駆体が求められているが、以下に説明するように、従来、そのような優れた感光性ポリイミド前駆体は得られていない。
従来、ポリイミドの原料モノマーとしては、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを用いるのが一般的である。ホモポリマー構造のポリイミドで上記の特性を全て有するポリイミドは得られていないため、種々のモノマーの組み合わせについて数多くの知見がすでに得られている。
【0008】
例えば、非感光性のポリイミド及びポリイミド前駆体に関しては、特開昭60−147441号公報(米国特許第4590258号明細書及び欧州特許第154720号明細書に対応)において、テトラカルボン酸二無水物として無水ピロメリット酸(PMDA)及び無水オキシジフタル酸(ODPA)またはPMDAとベンゾフェノンテトラカルボン酸を用い、オキシジアニリンと反応させてポリアミド酸を作る技術が記載されている。更に、上記のポリアミド酸をイミド化して得られたポリイミドについての記載もある。しかし、ODPAを原料として用いたポリイミドの耐熱性には問題があり、上記公報の表2に記載されている、500℃、1時間での質量損失率から明らかなように、ODPAとPMDAを共重合して得られたポリイミドの耐熱性は、ODPAの含有率が高くなるに従い直線性に近い関係で低下することが知られている。
【0009】
感光性ポリイミド技術の例としては、特公昭59−52822号公報(米国特許第4243743号明細書に対応)に記載されている、感光基をイオン結合を介してポリアミド酸に導入して感光性ポリアミド酸を得る方法や、特公平4−623062号公報(米国特許第4551522号明細書及び欧州特許第203372号明細書に対応)に記載されている、ポリアミド酸をポリイソイミドに変換した後、アルコールと反応させて感光性ポリアミド酸エステルを作る方法などの、ポリアミド酸を経由して感光性ポリイミド前駆体を製造する方法が挙げられる。しかし、上記の非感光性ポリイミドの場合と同様、ホモポリマー構造の感光性ポリアミド酸や感光性ポリアミド酸エステルを感光性ポリイミド前駆体として用いても上記の特性を全て有するポリイミドは得られない。また、先に記載したODPAとPMDAを共重合して得られるポリアミド酸の場合と同様に、複数の異なるテトラカルボン酸二無水物の共重合体に感光性基を導入したものをポリイミド前駆体として用いた場合にも、目的とする全ての特性を併せ持つポリイミドパターンの製造は不可能である。これらは、どのようなテトラカルボン酸二無水物を用いても何らかの欠点があり、他の異なるテトラカルボン酸二無水物を用いることによってその欠点を補うことができないからである。具体的には、ODPAを用いたポリイミドは耐熱性が低いため、加熱硬化時のパターン精度の劣化、耐薬品性の不足というような問題を有し、またPMDAを用いたポリイミドは、耐水接着力や伸度の不足といった、ODPA系とは異なる問題を有する。これらの問題点を全て克服した感光性ポリイミドを得ることは、非常に困難な課題である。
【0010】
これらの課題に対する一つの改良として、国際公開第00/43439号パンフレットに示された、特定のポリアミド酸エステルを用いる技術が知られており、一定の成果を上げている。しかし、この技術よりもさらに高い耐熱性、高い耐薬品性を持つ改良技術が望まれている
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、半導体装置、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有用な新規感光性材料、つまりポリイミド塗膜として、高伸度であり、高い耐熱性、高い耐薬品性、耐水接着性を合わせ持ち、かつ高い解像度のポリイミドパターンを与え、かつ高い保存安定性を与えうるポリアミド酸エステル組成物を含む感光性組成物、該感光性組成物を用いたポリイミドパターンの形成方法、該ポリイミドパターンを有する半導体装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
有機チタン化合物を含む感光性ポリイミド組成物は公知である。たとえば、特開昭59−160140号公報には、チタニウムビス(アセチルアセトネート)などのチタニウムキレート化合物が、感光性ポリイミドの接着助剤として用いることができると記載されている。
特開2000−39714号公報には、熱処理後の樹脂の対溶剤性とパターン形状の改良のため、感光性耐熱性樹脂前駆対組成物に金属キレート硬化剤として、アセチルアセトンチタン(IV)塩を例とするチタンキレート剤を用いる技術が記載されており、かつ金属キレート剤に2つ以上のアルコキシ基が含まれると添加時にゲル化するため好ましくないと記載されている。
【0013】
また、特開平7−209862号,特開平7−271028号,特開平7−330814号,特開平8−123024号,特開平9−28835号,特開平9−4325481号,特開平10−104838号,特開平10−186654号,特開平10−207059号,特開平10−207060号,特開平10−228105号,特開平10−228108号,特開平11−24256号,特開平11−24257号,特開平11−30859号,特開平11−38618号,特開平11−65113号,特開平11−65114号,特開平11−38619号,特開平11−133598号,特開平11−316459号を始めとする多数の公報に、チタノセン化合物を重合開始剤として用いる感光性組成物が記載されている。
【0014】
このような状況下、本発明者らは、目標とする優れた特性を併せ持つポリイミドパターンを形成するために用いることのできる感光性ポリイミド前駆体組成物を開発すべく鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、ポリイミドの原料として用いた際に、特定の繰り返し単位を特定の比率で含有するポリアミド酸エステルと、有機チタン化合物と混合してなる感光性組成物を用いると、ポリイミド塗膜として、高伸度であり、高い耐熱性、高い耐薬品性、耐水接着性を合わせ持ち、かつ高い解像度のポリイミドパターンを与え、かつ高い保存安定性を与えうるポリアミド酸エステル感光性組成物が得られることを見いだした。本発明は、これらの新しい知見に基づいてなされたものである。
【0015】
すなわち、本願は、以下の発明を提供する。
1. (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を包含するポリアミド酸エステルであって、
【0016】
【化4】
Figure 2004091572
【0017】
(式中、Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価の芳香族基であり、Yはそれぞれ独立して炭素数4〜30の2価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する1価の基である。)
該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、5〜30モル%の4価の芳香族基Xが、一般式(2):
【0018】
【化5】
Figure 2004091572
【0019】
で表される4価のベンゼン基(2)であり、かつ
該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、20〜90モル%の4価の芳香族基Xが次の一般式(3):
【0020】
【化6】
Figure 2004091572
【0021】
で表される4価のジフェニルエーテル基(3)であり、
ただし、該4価のベンゼン基(2)と該4価のジフェニルエーテル基(3)との合計量が、該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、50モル%以上であるポリアミド酸エステルと、
(B)(A)のポリマー重量に対し、0.3〜10重量%の有機チタン化合物と、
(C)溶媒
を混合してなることを特徴とするポリアミド酸エステル組成物。
【0022】
2. 上記1.記載のポリアミド酸エステル組成物に対し、さらに(D)光開始剤を含むことを特徴とする感光性組成物。
3. 上記2.記載の感光性組成物に対し、さらに(E)接着助剤を含むことを特徴とする感光性組成物
4. (C)溶媒が、アルコール類を5ないし50重量%含むことを特徴とする、上記2.または3.に記載の感光性組成物。
5. (B)有機チタン化合物が、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートであるか、あるいはテトラアルコキシチタンであることを特徴とする、上記2.ないし4.のいずれか1項に記載の感光性組成物。
【0023】
6. (a)上記2.ないし5のいずれか1項に記載の感光性組成物を基材に塗布、乾燥する工程、(b)塗膜をパターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介して紫外線により露光後、未露光部を溶剤で除去して、ポリアミド酸エステルのパターンを得る工程、(c)ポリアミド酸エステルのパターンを加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程、を含むことを特徴とする、ポリイミドパターンの形成方法。
7. 上記6.記載の方法により形成したポリイミド膜を有することを特徴とする半導体装置。
である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき詳細に説明する。
本発明の組成物の成分であるポリアミド酸エステルは、後述するように複数の異なるテトラカルボン酸ジエステル混合物をジアミンとの縮合反応に付すことによって合成することができる。
上記ポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のX基は、原料として用いるテトラカルボン酸二無水物に由来する。本発明で用いることができるテトラカルボン酸二無水物の例としては下式(4)のテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
【0025】
【化7】
Figure 2004091572
【0026】
(式中、Xは炭素数6〜32の4価の芳香族基である。)
X基として上記4価のベンゼン基(2)を有するテトラカルボン酸二無水物の例としてはピロメリット酸二無水物(PMDA)が挙げられ、X基として上記4価のジフェニルエーテル基(3)を有するテトラカルボン酸二無水物の例としては4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)が挙げられる。
【0027】
本発明においては、別途調整した複数の異なるテトラカルボン酸ジエステルをジアミンとの縮合反応に付し上記ポリアミド酸エステルを製造することもできるが、通常、複数の異なるテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応を行って得られたテトラカルボン酸ジエステル混合物をそのままジアミンとの縮合反応に付す。
【0028】
後者の方法で上記ポリアミド酸エステルを製造する場合、上記ポリアミド酸エステルの組成を達成できるように、用いるテトラカルボン酸二無水物混合物の全モル量に対して、上記のベンゼン基(2)含有テトラカルボン酸二無水物を5〜30モル%を用いてテトラカルボン酸ジエステルを製造する。ただし、本発明の効果を得るためには、上記のベンゼン基(2)含有テトラカルボン酸二無水物と上記のジフェニルエーテル基(3)含有テトラカルボン酸二無水物との合計モル量が、用いるテトラカルボン酸二無水物混合物の全モル量に対して、50モル%以上である必要がある。合計モル量が50モル%を下回ると、解像度と耐水接着性が悪くなり好ましくない。
【0029】
また、本発明の組成物の成分であるポリアミド酸エステルにおいては、ジフェニルエーテル基(3)含有テトラカルボン酸二無水物を20〜90モル%の範囲内で用いる。
上記のベンゼン基(2)含有テトラカルボン酸二無水物を5モル%未満または上記のジフェニルエーテル基(3)含有テトラカルボン酸二無水物を20モル%未満しか用いないと、他方のものだけを用いた場合の欠点が克服できず、望ましい全ての特性を満足するポリイミドパターンの形成を可能にする感光性組成物に用いることができるポリアミド酸エステルを合成することはできない。
【0030】
ベンゼン基(2)含有テトラカルボン酸二無水物の量が30モル%を超えると、耐水接着力が悪くなり好ましくない。
ジフェニルエーテル基(3)含有テトラカルボン酸二無水物の量が90モル%を超えると、耐熱性の不良によるパターンの劣化、耐薬品性不良などが起こりやすく好ましくない。
上記したベンゼン基(2)含有テトラカルボン酸二無水物またはジフェニルエーテル基(3)含有テトラカルボン酸二無水物以外のテトラカルボン酸二無水物としては、上記式(4)のXが炭素数6〜32の4価の芳香族基であるテトラカルボン酸二無水物であれば特に限定はない。
【0031】
具体的には、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2,2−ジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,6−ビストリフルオロメチル−1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、及び下記式(5)の構造を有するテトラカルボン酸二無水物などの公知のテトラカルボン酸二無水物を用いることができる。
【0032】
【化8】
Figure 2004091572
【0033】
(式中、Zは下記式(6)もしくは(7)で表される芳香族基を表す。)
【0034】
【化9】
Figure 2004091572
【0035】
【化10】
Figure 2004091572
【0036】
上記のテトラカルボン酸二無水物のエステル化反応に用いるアルコール類は、オレフィン性二重結合を有するアルコール類である。具体的には、2−メタクリロイルオキシエチルアルコール、2−アクリロイルオキシエチルアルコール、1−アクリロイルオキシー2−プロピルアルコール、2−メタクリルアミドエチルアルコール、2−アクリルアミドエチルアルコール、メチロールビニルケトン、2−ヒドロキシエチルビニルケトン及び2−ヒドロキシエチルメタクリレート等を挙げることができる。これらのアルコール類は、1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0037】
また、特開平6−80776号公報(米国特許第5397682号明細書に対応)に記載のように、上記のオレフィン性二重結合を有するアルコールに、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びアリルアルコールなどを混合して用いることもできる。
従来、テトラカルボン酸二無水物のエステル化に使用するアルコール類の量は、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり1.0当量であるが、本発明においては、テトラカルボン酸二無水物1.0当量あたり、1.01〜1.10当量になるようにアルコールを用いてテトラカルボン酸ジエステルを合成すると、最終的に得られる感光性組成物の保存安定性が向上するので好ましい。
【0038】
本発明のポリアミド酸エステルにおいて、その繰り返し単位中のY基は、原料として用いるジアミン類に由来する。本発明で用いることができるジアミンの例としては、下式(8)で表されるジアミンが挙げられる。
【0039】
【化11】
Figure 2004091572
【0040】
(式中、Yは炭素数4〜20の2価の有機基である。)
【0041】
本発明に用いるジアミン類としては、芳香族ジアミンであっても、脂肪族ジアミンであっても良いが、芳香族ジアミンを用いることが好ましい。ジアミンの具体的な例としては、パラフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォキシド、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフォン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシビフェニル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、9,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)プロパン、1,4−ビス(3−アミノプロピルジメチルシリル)ベンゼン、あるいはこれらのジアミン類の芳香族上の水素原子が一部メチル基、エチル基、ハロゲン基で置換されたもの、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラフェニルジシロキサン等を挙げることができる。
【0042】
好ましいジアミン類は、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニルのような2個のベンゼン環を有するものであり、このようなジアミン類を用いるとポリアミド酸エステルの性能のバランスがとりやすい。上記のジアミン類はいずれも、単独あるいは2種以上を混合して用いることができる。
テトラカルボン酸ジエステルとジアミンのモル比は、1.0付近であることが好ましいが、目的とするポリアミド酸エステルの分子量に応じて0.7〜1.3の範囲で用いることができる。
【0043】
本発明に用いるポリアミド酸エステルの具体的な合成方法に関しては従来の方法を採用することができる。これについては、国際公開第00/43439号パンフレットに示されている。
本発明に用いるポリアミド酸エステルの数平均分子量は、8000〜150000であることが好ましく、9000〜50000であることがより好ましい。本発明のポリアミド酸エステル感光性組成物中に含まれるポリアミド酸エステルは、上記手法により合成されたものであり、且つ本発明の組成要件を満たしていれば、単独でも複数の異なるポリアミド酸エステルを組み合わせても使用することができる。
【0044】
本発明のポリアミド酸エステル組成物においては、耐熱性及び耐薬品性を向上する成分(B)として有機チタン化合物を使用する。(B)成分として使用可能な有機チタン化合物としては、チタン原子に有機化学物質が共有結合あるいはイオン結合を介して結合しているものであれば特に制限はない。
用いることのできる有機チタン化合物の具体的な例は、まずチタノセン類である。チタノセン類としては、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタニウムトリメトキサイドなどが用いられる。この際に、ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1−ヒドロピロール−1−イル)フェニル)チタノセンのような光開始剤として機能するチタノセン類を用いると、本発明に用いることのある他の開始剤との干渉により、良好なパターンを得にくい場合があり、光開始剤として機能しない有機チタン化合物の方がより好ましい。
【0045】
また本発明に用いることのできる有機チタン化合物の別の具体的な例は、チタンキレート類である。本発明ではチタンキレート類の内、2個以上のアルコキシ基を有する物が、組成物の安定性及び良好なパターンがえられることからより好ましく、具体的な好ましい例としては、チタニウムビス(トリエタノールアミン)ジイソプロポキサイド、チタニウムジ(n−ブトキサイド)(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、チタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)等である。
【0046】
また本発明には、チタニウムテトラ(n−ブトキサイド)、チタニウムテトラエトキサイド、チタニウムテトラ(2−エチルヘキソキサイド)、チタニウムテトライソブトキサイド、チタニウムテトライソプロポキサイド、チタニウムテトラメトキサイド、チタニウムテトラメトキシプロポキサイド、チタニウムテトラメチルフェノキサイド、チタニウムテトラ(n−ノニロキサイド)、チタニウムテトラ(n−プロポキサイド)、チタニウムテトラステアリロキサイド、チタニウムテトラキス(ビス2,2−(アリロキシメチル)ブトキサイド)、等のテトラアルコキシド類、チタニウムトリス(ジオクチルホスフェート)イソプロポキサイド、チタニウムトリス(ドデシルベンゼンスルフォネート)イソプロポキサイド等のモノアルコキサイド類、チタニウムオキサイドビス(ペンタンジオネート)、チタニウムオキサイドビス(テトラメチルヘプタンジオネート)、フタロシアニンチタニウムオキサイド等のチタニウムオキサイド類、チタニウムテトラアセチルアセトネート等のテトラアセチルアセトネート類、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルフォニルチタネート、等のチタネートカップリング剤類なども用いることができる。
【0047】
これらの有機チタン化合物の添加量は、(A)成分として使用するポリアミド酸エステル100重量部に対し、0.3〜10重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜2重量部である。添加量が0.3重量部未満となると所望の耐熱性及び耐薬品性が発現せず、また10重量部を超えると保存安定性に劣ることがある。
【0048】
本発明のポリアミド酸エステル組成物において(C)成分として用いる溶媒としては、成分(A)及び(B)に対する溶解性の点から、極性の有機溶剤を用いることが好ましい。具体的には、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、テトラメチル尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリノン、N―シクロヘキシル−2−ピロリドンなどが挙げられ、これらは単独または二種以上の組合せで用いることができる。
これらの溶媒は、塗布膜厚、粘度に応じて、ポリアミド酸エステル100重量部に対し、100〜400重量部の範囲で用いることができる。
【0049】
さらに本発明のポリアミド酸エステル組成物の保存安定性を向上させるため、溶媒として使用する有機溶剤中にアルコール類を含むことが好ましい。
使用可能なアルコール類としては、分子内にアルコール性水酸基を持つものであれば特に制限はないが、具体的な例としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、乳酸エチル等の乳酸エステル類、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−2−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−2−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテル、プロピレングリコール−2−(n−プロピル)エーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のジアルコール類、を挙げることができる。これらの中では、乳酸エステル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、2−ヒドロキシイソ酪酸エステル類、エチルアルコールが好ましく、特に乳酸エチル、プロピレングリコール−1−メチルエーテル、プロピレングリコール−1−エチルエーテル、プロピレングリコール−1−(n−プロピル)エーテルがより好ましい。
【0050】
全溶媒中に占めるアルコール類の含量は5〜50重量%であることが好ましく、更に好ましくは10〜30重量%である。アルコール類の含量が5重量%未満の場合、ポリアミド酸エステル組成物の保存安定性が悪くなることがあり、例えば、常温で2週間放置したポリアミド酸エステル組成物に析出物が観察されることがある。また50重量%を超えると、(A)成分であるポリアミド酸エステルの溶解性が悪くなる。
【0051】
本発明の感光性組成物の成分(D)として用いる光開始剤としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルケトン、ジベンジルケトン、フルオレノン等のベンゾフェノン誘導体、2,2’−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のアセトフェノン誘導体、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン等のチオキサントン誘導体、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール等のベンジル誘導体、ベンゾインメチルエーテル等のベンゾイン誘導体、2,6−ジ(4’−ジアジドベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、2,6′−ジ(4’−ジアジドベンザル)シクロヘキサノン等のアジド類、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニルプロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、1,3−ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−3−エトキシプロパントリオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等のオキシム類、N−フェニルグリシンなどのN−アリールグリシン類、ベンゾイルパーオキシドなどの過酸化物類、芳香族ビイミダゾール類、チタノセン類などが用いられるが、光感度の点でオキシム類が好ましい。
これらの光開始剤の添加量は、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル100重量部に対し、1〜15重量部が好ましい。
【0052】
本発明における感光性組成物は、上記したポリアミド酸エステル組成物及び光開始剤に加え、光感度向上のために反応性炭素−炭素二重結合を有する化合物を加えることもできる。このような化合物としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンモノマー単位のモル数2〜20)、ペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、メチレンビスアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、及び上記のアクリレート、または上記のアクリルアミドに相当するメタクリレート、またはメタクリルアミド等が挙げられる。
このような化合物は、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル100重合部に対して、1〜30重量部の範囲で添加するのが好ましい。
【0053】
本発明の感光性組成物には、更に光感度を向上させるために増感剤を添加することもできる。光感度を向上させるための増感剤としては、例えばミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,5−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロペンタン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)−4−メチルシクロヘキサノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)カルコン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)カルコン、p−ジメチルアミノシンナミリデンインダノン、p−ジメチルアミノベンジリデンインダノン、2−(p−ジメチルアミノフェニルビフェニレン)−ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニルビニレン)イソナフトチアゾール、1,3−ビス(4’−ジメチルアミノベンザル)アセトン、1,3−ビス(4’−ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3’−カルボニル−ビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−アセチル−7−ジメチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンジロキシカルボニル−7−ジメチルアミノクマリン、3−メトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、3−エトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン、N−フェニル−N′−エチルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリルジエタノールアミン、N−フェニルエタノールアミン、4−モルホリノベンゾフェノン、ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、2−メルカプトベンズイミダゾール、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ナフト(1,2−d)チアゾール、2−(p−ジメチルアミノベンゾイル)スチレン等が挙げられ、感度の点で、メルカプト基を有する化合物とジアルキルアミノフェニル基を有する化合物を組み合わせて用いることが好ましい。これらは単独でまたは2〜5種類の組み合わせで用いることができる。
【0054】
光感度を向上させるための増感剤は、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル100重量部に対し、0.1〜10重量部を用いるのが好ましい。また、本発明の感光性組成物には、基材との接着性向上のため本発明の(E)成分である接着助剤を添加することもできる。接着助剤としては、γ−アミノプロピルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメトキシメチルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメトキシメチル−3−ピペリジノプロピルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、N−(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)スクシンイミド、N−〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕フタルアミド酸、ベンゾフェノン−3,3’−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−4,4’−ジカルボン酸、ベンゼン−1、4−ビス(N−〔3−トリエトキシシリル〕プロピルアミド)−2,5−ジカルボン酸、3−(トリエトキシシリル)プロピルスクシニックアンハイドライド、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、及びアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系接着助剤などが挙げられる。
これらの内では接着力の点からシランカップリング剤を用いることがより好ましい。接着助剤の添加量は、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル100重量部に対し、0.5〜10重量部の範囲が好ましい。
【0055】
また、本発明の感光性組成物には、保存時の組成物溶液の粘度や光感度の安定性を向上させるために熱重合禁止剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、N−ニトロソジフェニルアミン、p−tert−ブチルカテコール、フェノチアジン、N−フェニルナフチルアミン、エチレンジアミン四酢酸、1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、2,6−ジ−tert−ブチル−p−メチルフェノール、5−ニトロソ−8−ヒドロキシキノリン、1−ニトロソ−2−ナフトール、2−ニトロソ−1−ナフトール、2−ニトロソ−5−(N−エチル−N−スルフォプロピルアミノ)フェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩、N−ニトロソ−N(1−ナフチル)ヒドロキシルアミンアンモニウム塩等が用いられる。
【0056】
感光性組成物に添加する熱重合禁止剤の量としては、ポリイミド前駆体として用いるポリアミド酸エステル100重量部に対し、0.005〜5重量部の範囲が好ましい。
また、本願においては、
(i)上記の感光性組成物を基材に塗布し、乾燥することにより該基材上に形成された塗膜を得、
(ii)該塗膜を、パターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介して紫外線に露光し、次いで溶剤で処理することにより該塗膜の未露光部を除去して、これにより該基材上にポリアミド酸エステルのパターンを形成し、
(iii)該ポリアミド酸エステルのパターンを加熱することにより、該パターン中のポリアミド酸エステルをイミド化し、これにより該基材上に形成されたポリイミドのパターンを得る。
ことを包含するポリイミドパターンを基材上に形成する方法の発明も提供する。
【0057】
本発明で使用できる基材としては、シリコンウエハー、金属、ガラス、半導体、金属酸化絶縁膜、窒化ケイ素などが挙げられるが、好ましくはシリコンウエハーが用いられる。
本発明において、感光性組成物を基材上に塗布する方法としては、従来から感光性組成物の塗布に用いられていた方法、例えば、スピンコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷機等で塗布する方法、スプレーコーターで噴霧塗布する方法等を用いることができる。
【0058】
塗膜の乾燥方法としては、風乾、オーブンまたはホットプレートによる加熱乾燥、真空乾燥等の方法が用いられる。また、塗膜の乾燥は、感光性組成物中のポリアミド酸エステルのイミド化が起こらないような条件で行うことが望ましい。具体的には、風乾、あるいは加熱乾燥を行う場合、20℃〜140℃で1分〜1時間の条件で行うことができる。
こうして得られた塗膜は、コンタクトアライナー、ミラープロジェクション、ステッパー等の露光装置を用いて、紫外線光源等により露光され、次いで現像される。
【0059】
現像に使用される現像液としては、ポリアミド酸エステル組成物に対する良溶媒、または良溶媒と貧溶媒の組み合わせが好ましい。良溶媒としては、N−メチルピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等が好ましく、貧溶媒としてはトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、乳酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート及び水等が用いられる。良溶媒と貧溶媒とを混合して用いる場合には、ポリマーの溶解性によって良溶媒に対する貧溶媒の割合を調整する。また、各溶媒を数種類組み合わせて用いることもできる。
【0060】
現像に用いる方法としては、従来知られているフォトレジストの現像方法、例えば回転スプレー法、パドル法、超音波処理を伴う浸せき法等の中から任意の方法を選択することができる。
上記のようにして得られたポリアミド酸エステルのパターンは加熱して感光成分を希散させ、ポリイミドのパターンに変換する。加熱変換させる方法としては、ホットプレートによるもの、オーブンを用いるもの、温度プログラムを設定できる昇温式オーブンを用いるもの等種々の方法を選ぶことができる。加熱は、280℃〜450℃で30分〜5時間の条件で行うことができる。加熱変換させる際の雰囲気気体としては空気を用いても良く、窒素、アルゴン等の不活性ガスを用いることもできる。
【0061】
また、本願においては、前述の方法により形成したポリイミドパターンを有することを特徴とする半導体装置の発明も提供される。該半導体装置は、公知の半導体装置の製法に前述のポリイミドパターンの形成方法を組み合わせることで、得ることができる。
【0062】
【実施例】
以下に実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例、比較例及び参考例においては、感光性組成物の物性を以下の方法に従って測定及び評価した。
(1)数平均分子量
各ポリアミド酸エステルの数平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(標準ポリスチレン換算)で測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)の測定
基板となるシリコンウエハー(日本国、フジミ電子工業株式会社製)上に、硬化後の膜厚が約10μmとなるように感光性組成物を回転塗布乾燥した後、レチクルを用いずに300mJ/cmのエネルギーの紫外線で露光し、窒素雰囲気下、350℃で2時間加熱して熱硬化したポリイミドの塗膜を得た。得られたポリイミド塗膜をフッ化水素酸を用いてシリコンウエハーから剥がしてポリイミドのテープとした。得られたポリイミドテープを島津製作所製TMA−50型を用い、昇温10℃/分、 200g/mmの荷重をかけて、窒素雰囲気下で熱機械物性を測定し、Tgを求めた。265℃を超えるTgを示すポリイミドを高耐熱性として合格とした。
【0063】
(3)ポリイミド塗膜の伸度
上記(2)と同様にして得たポリイミドのテープの伸度をASTM−D−882−88に従って測定した。伸度は、30%以上であれば良好とした。
(4)感光性組成物の解像度及びポリイミドパターンの精度
感光性組成物を5インチシリコンウエハー上にスピン塗布し、乾燥して10μm厚の塗膜を形成した。この塗膜にテストパターン付レチクルを用いてi線ステッパーNSR1755i7B(日本国、ニコン社製)により、300mJ/cmのエネルギーを照射した。次いで、ウエハー上に形成した塗膜を、シクロペンタノンを用いて現像機(D−SPIN636型、日本国、大日本スクリーン製造社製)でスプレー現像し、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートでリンスしてポリアミド酸エステルのパターンを得た。
【0064】
パターンを形成したウエハーを昇温プログラム式キュア炉(VF−2000型、日本国、光洋リンドバーグ社製)を用いて、窒素雰囲気下、200℃で1時間、続いて350℃で2時間熱処理することにより、5μm厚のポリイミドのパターンをシリコンウエハー上に得た。
得られた各パターンについて、パターン形状やパターン部の幅を光学顕微鏡下で観察し、解像度を求めた。解像度に関しては、テストパターン付きレチクルを介して露光することにより複数の異なる面積の開口部を有するパターンを上記と同様の方法で形成し、得られたパターン開口部の面積が、対応するパターンマスク開口面積の1/2以上であれば解像されたものとみなし、解像された開口部のうち最小面積を有するものに対応するマスクの開口辺の長さを解像度とした。解像度は、8μm以下であれば良好である。また、以下の基準に基づきパターン精度を評価した。
「良好」‥‥パターン断面がすそびきしておらず、膨潤やブリッジングが起こっていないものであり、且つ解像度が8μm以下であるもの。更に、加熱硬化時にパターン形状が変動しないもの。
「不良」‥‥上記条件を1つでも満足していないもの。
【0065】
(5)耐薬品性試験
オルトジクロロベンゼン55wt%、フェノール25wt%、アルキルベンゼンスルフォン酸20wt%からなる溶液(剥離液710、日本国、東京応化工業株式会社製)、およびプロピレングリコール55wt%、N−メチルピロリドン(NMP)41wt%、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド4wt%からなる溶液(AZ−300T、日本国、クラリアントジャパン株式会社製)それぞれに、上記(4)と同様にしてシリコンウエハー上に形成し、熱硬化したポリイミドパターンを85℃で1時間浸漬した。水洗及び乾燥の後、膜厚測定と目視観察によるポリイミド塗膜の評価を行った。いずれか一方でもポリイミドと膜に±3%以上の膜厚変動、又はクラックが発生している場合を「不良」、膜厚変動とクラック発生のいずれも見られないポリイミド塗膜を「良好」と評価した。
【0066】
(6)耐水接着試験
上記(2)と同様にしてシリコンウエハー上にポリイミド塗膜を形成した。ポリイミド塗膜を形成したシリコンウエハーをプレッシャークッカーに入れて133℃、3気圧(0.3MPa)、100%Rhの条件下に100時間保持し、次いで50℃のオーブン中で2時間乾燥した。
次に、処理後のポリイミド塗膜とエポキシ樹脂との接着性を以下の引き剥がし試験によって評価した。エポキシ樹脂接着剤(アラルダイドスタンダード、日本国、昭和高分子製)を用いて直径2mmのピンをポリイミド塗膜に接合し、サンプルとした。このサンプルについて、引張り試験機(セバスチャン5型、米国、クワッドグループ社製)を用いて引き剥がし試験を行い、引き剥がし強度を評価した。
70MPa以上…良好
50MPa以上、かつ70MPa未満…使用可
50MPa未満…不良
【0067】
(7)粘度
感光性組成物の粘度は、E型粘度計(RE80型粘度計、日本国、東機産業社製)を用い、23℃において、粘度校正用標準液(JS2000、日本国、昭和シェル石油社製)との比較によって決定した。
(8)保存安定性
感光性組成物を調整後(初期)および23℃で2週間放置したものについて、(4)と同様の方法でポリイミドのパターンを作成し、顕微鏡暗視野モードでパターンのスクライブライン上における異物の観察を行い、下記の基準で合格、ほぼ合格、不合格のいずれかに評価した。
200倍でポリイミド以外の異物が観察されない・・・合格
200倍でポリイミド以外の異物が観察されるが、50倍では観察されない
・・・ほぼ合格
50倍でポリイミド以外の異物が観察できる・・・不合格
調整後(初期)及び23℃で2週間放置したものの両方が合格の場合を「良好」、一方がほぼ合格であり他方が合格、または両方がほぼ合格の場合を「ほぼ良好」、一方または両方が不合格の場合を「不良」、と評価した。
【0068】
(ポリアミド酸エステルAの合成)
ピロメリット酸二無水物(PMDA)33.8g、及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)116.3gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)136.8gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
【0069】
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)210.4gをγ―ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)96.4gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
【0070】
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルA)を得た。ポリアミド酸エステルAの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、数平均分子量(Mw)は21000だった。
【0071】
(ポリアミド酸エステルBの合成)
4,4’−オキシジフタル酸二無水物(ODPA)159.9gを2リットル容量のセパラブルフラスコに入れ、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)136.8gとγ―ブチロラクトン400mlを入れて室温下で攪拌し、攪拌しながらピリジン81.5gを加えて反応混合物を得た。反応による発熱の終了後に室温まで放冷し、16時間放置した。
【0072】
次に、氷冷下において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)210.4gをγ―ブチロラクトン180mlに溶解した溶液を攪拌しながら40分かけて反応混合物に加え、続いて4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)96.4gをγ−ブチロラクトン350mlに懸濁したものを攪拌しながら60分かけて加えた。更に室温で2時間攪拌した後、エチルアルコール30mlを加えて1時間攪拌し、次に、γ−ブチロラクトン400mlを加えた。反応混合物に生じた沈殿物をろ過により取り除き、反応液を得た。
【0073】
得られた反応液を3リットルのエチルアルコールに加えて粗ポリマーからなる沈殿物を生成した。生成した粗ポリマーを濾別し、テトラヒドロフラン1.5リットルに溶解して粗ポリマー溶液を得た。得られた粗ポリマー溶液を28リットルの水に滴下してポリマーを沈殿させ、得られた沈殿物を濾別した後、真空乾燥して粉末状のポリマー(ポリアミド酸エステルB)を得た。ポリアミド酸エステルBの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(標準ポリスチレン換算)で測定したところ、数平均分子量(Mw)は20000だった。
【0074】
<実施例1>
得られたA及びBの2種類のポリアミド酸エステルを用いて以下の方法で感光性組成物を調整し、調整した感光性組成物の物性の測定及び評価を行った。ポリアミド酸エステルA20gとポリアミド酸エステルB80gの混合物(芳香族基の全モル量に対して、一般式2に該当するベンゼン基を6.1mol%含み、一般式3に該当するジフェニルエーテル基を79.5mol%含む)を、ジフェニルプロパントリオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム(光開始剤)4g、テトラエチレングリコールジメタクリレート4g、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール2g、N−フェニルジエタノールアミン4g、N−[3−(トリエトキシシリル)プロピル]フタルアミド酸3g、2−ニトロソ−1−ナフト−ル0.02g、及びチタニウムジイソプロポキサイドビス(エチルアセトアセテート)1gと共に、NMP120gと乳酸エチル30gからなる混合溶媒に溶解した。得られた溶液の粘度を、少量の該混合溶媒をさらに加えることによって約30ポイズに調整し、感光性組成物とした。
【0075】
該感光性組成物から得たポリイミド塗膜の伸度、解像度、パターン精度、耐薬品性、耐水接着性、ガラス転移温度(Tg)、及び該感光性組成物の保存安定性を表1に示す。表1から明らかなように上記感光性組成物は、必要とされる全ての特性を満足する組成物である。
【0076】
<実施例2〜11>
ポリアミド酸エステルA及びB、さらに有機チタン化合物の種類と量、更に混合溶媒中の乳酸エチルの量を表1に示したように変えた以外は実施例1と同様に感光性組成物を調整し、測定と評価を行った。結果を表1に示す。表1から明らかなように上記組成物は、必要とされる全ての特性を満足する組成物である。
【0077】
【表1】
Figure 2004091572
【0078】
<比較例1〜6>
ポリアミド酸エステルA及びB、さらに有機チタン化合物の量、更に乳酸エチルの量を表2に示したように変えた以外は実施例1と同様に感光性組成物を調整し、測定と評価を行った。結果を表2に示す。表2から明らかなように上記組成物は、必要とされる特性を全て満足するにはいたらなかった。
【0079】
【表2】
Figure 2004091572
【0080】
【発明の効果】
本発明により、半導体装置、多層配線基板などの電気・電子材料の製造に有用な新規感光性材料、つまりポリイミド塗膜として、高伸度であり、高い耐熱性、高い耐薬品性、耐水接着性を合わせ持ち、かつ高い解像度のポリイミドパターンを与え、かつ高い保存安定性を与えうるポリアミド酸エステル組成物を含む感光性組成物、該感光性組成物を用いたポリイミドパターンの形成方法、該ポリイミドパターンを有する半導体装置を提供することができる。

Claims (7)

  1. (A)下記一般式(1)で表される繰り返し単位を包含するポリアミド酸エステルであって、
    Figure 2004091572
    (式中、Xはそれぞれ独立して炭素数6〜32の4価の芳香族基であり、Yはそれぞれ独立して炭素数4〜30の2価の有機基であり、各Rはそれぞれ独立してオレフィン性二重結合を有する1価の基である。)
    該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、5〜30モル%の4価の芳香族基Xが、一般式(2):
    Figure 2004091572
    で表される4価のベンゼン基(2)であり、かつ
    該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、20〜90モル%の4価の芳香族基Xが次の一般式(3):
    Figure 2004091572
    で表される4価のジフェニルエーテル基(3)であり、
    ただし、該4価のベンゼン基(2)と該4価のジフェニルエーテル基(3)との合計量が、該4価の芳香族基Xの全モル量に対して、50モル%以上であるポリアミド酸エステルと、
    (B)(A)のポリアミド酸エステル重量に対し、0.3〜10重量%の有機チタン化合物と、
    (C)溶媒
    を混合してなることを特徴とするポリアミド酸エステル組成物。
  2. 請求項1記載のポリアミド酸エステル組成物に対し、さらに(D)光開始剤を含むことを特徴とする感光性組成物。
  3. 請求項2記載の感光性組成物に対し、さらに(E)接着助剤を含むことを特徴とする感光性組成物。
  4. (C)溶媒が、アルコール類を5ないし50重量%含むことを特徴とする、請求項2または3に記載の感光性組成物。
  5. (B)有機チタン化合物が、アルコキシ基を2個以上有するチタンキレートであるか、あるいはテトラアルコキシチタンであることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
  6. (a)請求項2ないし5のいずれか1項に記載の感光性組成物を基材に塗布、乾燥する工程、(b)塗膜をパターンを有するフォトマスクまたはレチクルを介して紫外線により露光後、未露光部を溶剤で除去して、ポリアミド酸エステルのパターンを得る工程、(c)ポリアミド酸エステルのパターンを加熱硬化することにより、ポリイミドのパターンを得る工程、を含むことを特徴とする、ポリイミドパターンの形成方法。
  7. 請求項6記載の方法により形成したポリイミドパターンを有することを特徴とする半導体装置。
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