JP3641301B2 - 刺激応答型分離材料および分離精製方法 - Google Patents

刺激応答型分離材料および分離精製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、標的物質に対して特異的親和性を有する物質と刺激応答性高分子とを利用した新規な分離材料、その製造方法及び分離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、細胞工学や遺伝子工学等の発展に伴い、細胞や遺伝子を利用した細胞治療や遺伝子治療の研究が盛んとなっており、目的とした細胞や生体物質を損傷させることなく分離する技術が重要となっている。また、バイオテクノロジーの発展により、生物工学的手法によるペプチド、蛋白質、糖蛋白質といった生理活性分子の生産が行われるようになってきており、細胞やバイオプロダクツの簡便で損傷の少ない分離精製技術が望まれている。
【0003】
従来より化学工業分野で使用されている吸着・分配・蒸留・析出といった分離・精製の単位操作では、熱や有機溶媒の添加等により、被精製物質に対して大幅な環境変化を強いるため、前述の細胞やバイオプロダクツの分離には適していないことが多い。
【0004】
細胞やバイオプロダクツの分離方法として、体積(分子量)や密度による方法(沈降速度法、密度勾配遠心法、ゲル濾過法等)、電場中での移動度の差による方法(電気泳動等)、等電点による方法(焦点電気泳動など)、2液相間への分配による方法(2層分配法、分配クロマトグラフィー)、固相への吸着性の差による方法(吸着クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー)等が知られている。
【0005】
これらの分離方法の多くは、物理化学的性状が大きく異なる細胞成分の分離には適用できるものの、物理化学的性状が良く似た成分や細胞、例えばリンパ球亜集団の分離などには適用が困難であった。この中で標的物質に対する選択性の高い方法は、アフィニティークロマトグラフィーであり、近年広く利用されるようになってきている。細胞を対象とするアフィニティークロマトグラフィーとしては、標的細胞の表層に存在する膜蛋白質等に対するモノクローナル抗体を結合したビーズやシャーレを用いた分離方法が報告されており、本方法による各種リンパ球の亜集団分離も報告されている(例えば、ジャーナル・オブ・イミュノロジカル・メソッド、第54号、251ページ、1983年に記載されているブラウンらの研究報告)。この抗体を用いた方法は、特異性が極めて高いことが利点であるが、欠点として、吸着した細胞の脱着が困難なこと、抗体が細胞表層の抗原に結合するための時間(接触時間)を長くする必要があること、その結果、非特異的な吸着が増加すること、等があった。
【0006】
前述の欠点を改良した方法としては、アビジン−ビオチンのような親和性の高い結合を利用して、短時間で分離材料に吸着させる方法がWO91/16116で提案されている。すなわち、ビオチンで標識した抗体を予め時間をかけて標的細胞に結合させた後、アビジンを結合した分離材料に吸着させることにより、短時間で効率良く標的細胞を分離できることとなる。しかしながら、この方法では、物理的振動を用いて抗体と標的細胞の結合やアビジンとビオチンとの結合を解離することにより標的細胞の回収が行われているため、ビーズ同士の衝突等による細胞の損傷や機能低下が免れない。
【0007】
細胞機能を損なわないように回収する方法としては、特開平2−211865号に記載された水に対する上限または下限臨界溶解温度が0〜80℃にあるポリマーもしくはコポリマーで表面を被覆した細胞培養基材が報告されている。この方法は、温度により疎水性−親水性と相転移する温度応答性高分子を利用したものであり、温度応答性高分子が疎水性で収縮した状態の時に細胞を吸着させた後、温度を変化させ、親水性となって膨潤する時に吸着した細胞を脱着させる方法である。この方法の欠点は、細胞に対する特異性が低いため、種々の細胞が存在する液体から特定の細胞を回収することができないことである。特に、マクロファージ、白血球、リンパ球等の多くは、曲率の小さい表面に吸着することが知られており、フィルターや不織布形状に加工したこの分離材料を用いて、特定のリンパ球などを選択的に回収することは不可能であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、標的物質に対する高い特異性を有し、標的物質を簡便に回収できる分離材料及び分離システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記発明の目的は以下の刺激応答型分離材料及びその製造方法によって達成される。
(1)刺激応答性高分子鎖よりなる領域と反応性官能基を有する非刺激応答性高分子鎖に標的物質に対して親和性を有する物質を固定した領域とを基材表面に有することを特徴とする刺激応答型分離材料。
(2)刺激応答性領域よりなる分子鎖と標的物質に対して親和性を有する分子鎖を有する共重合体を基材表面に有することを特徴とする(1)に記載の刺激応答型分離材料。
(3)刺激応答性高分子鎖よりなる領域と標的物質に対して親和性を有する領域とを基材表面に有する刺激応答型分離材料において、前記基材が多孔体からなることを特徴とする(1)または(2)に記載の刺激応答型分離材料。
(4)多孔体が膜であることを特徴とする(3)に記載の刺激応答型分離材料。
(5)刺激応答性高分子鎖よりなる領域と反応性官能基を有する非刺激応答性高分子鎖に標的物質に対して親和性を有する物質を固定した領域とを基材表面に有することを特徴とする刺激応答型分離材料を用いて、標的物質を該分離材料に吸着させた後、該刺激応答性高分子鎖の高次構造を変化させることにより、標的物質を該分離材料より脱離させることを特徴とする物質の分離精製方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、標的物質は特に限定されず、蛋白質、糖蛋白質、核酸、細胞、人工細胞、合成高分子化合物等を例示できる。本発明の分離材料は、刺激応答性高分子鎖と標的物質に対して親和性を有する領域よりなる領域とを基材表面に有する材料であり、特に表面状態は限定されないが、基材表面が相分離していることが好ましい。この時、標的物質に対して親和性を有する分子(リガンド)が、相分離構造に従ってミクロ的に不均一に存在するが、その際、標的物質の大きさが該標的物質に対して親和性を有する領域の大きさより小さいことが好ましい。相分離構造を基材表面に形成させる方法としては、刺激応答性高分子にブロック共重合体を用いる方法が好ましい。一般に、高分子間では相溶性を示すものもあるが、多くの高分子は相分離を起こすことが知られている。特に、ブロック共重合体は、海島状、縞状、ラメラ状に規則的なミクロ相分離構造を発現することが知られており、このような構造が本発明の分離材料として好ましい。
【0011】
また、刺激応答性高分子の構造としては、グラフト共重合体、交互共重合体もしくはランダム共重合体でもかまわない。これらの共重合体は、分離する標的細胞の性質と共重合体の刺激応答による構造変化の大きさを考慮して選択するのが好ましい。基材表面における標的物質の親和性領域の比率は、外部環境により異なるため明確に規定できないが、標的物質を吸着する時に、10〜90%、好ましくは、20〜80%である。
【0012】
標的物質としては、細胞を好適に例示できる。ここで、基材表面が相分離している場合、リガンドが、相分離構造に従ってミクロ的に不均一に存在しているため、細胞が分離材料表面に吸着されるときにしばしば観察されるキャッピング現象が回避されソフトに吸着することとなる。そのため、細胞の損傷が少なくなり、吸着した細胞の機能を発現させる場合や分離精製(回収)する場合に、優れた性能を発現することとなる。また、標的とする細胞は限定されず、例えば、上皮系細胞、肝実質細胞、膵ラ島細胞、マクロファージ、単核球、クッパー細胞、ラ島細胞、NK細胞(CD56+)、血小板、血液幹細胞等の未分化細胞(CD34+)、Bリンパ球、Tリンパ球、及びそのサブセット(CD4+、CD8+、CD19+、CD71+、IL2R+等)、各種の腫瘍細胞や機能細胞等より、目的に応じて選定される。
【0013】
刺激応答性高分子としては、熱、pH、電位、光等により高次構造が変化して、水溶液中で膨潤したり収縮する高分子であればよい。例えば、水に対する上限臨界温度または下限臨界温度を有し、温度変化に応答して、膨潤−収縮する高分子を好適に例示できる。そのような高分子としては、N−イソプロピルアクリルアミドやN,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルメタアクリルアミドなどのアクリルアミドやメタアクリルアミドの誘導体類をはじめ、ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル類等のポリマーやコポリマーを例示できる。
【0014】
また、光により構造変化させる場合は、例えば、アゾベンゼン基を有する吸水性高分子のように光異性化を起こす高分子、トリフェニルメタンロイコハイドロオキシドのビニル誘導体とアクリルアミド系単量体との共重合体のように光イオン解離する感応基を有する光応答性高分子、スピロベンゾピランを含むN−イソプロピルアクリルアミドゲルのように疎水性相互作用を光制御することにより一定温度領域で光により相転移を生じる光応答性高分子等を用いることができる。
【0015】
電気化学的に構造変化を生じさせるには、ビニルフェロセンとN−イソプロピルアクリルアミドとの共重合体のようにフェロセニル基を側鎖に有する電気応答性高分子を例示することができる。フェロセニル基は、還元状態では疎水性の官能基であるが、酸化されると親水性が高まるため、一定の温度領域で電気化学的に膨潤〜収縮を制御することができる。
【0016】
電気や光により制御できる温度領域は、前記したアルキルアクリルアミドのような温度応答性高分子を形成するモノマーに親水性モノマーや疎水性モノマーを少量共重合させることにより、任意に制御することが可能である。例えば、疎水性モノマーを共重合させると相転移温度は低くなり、親水性モノマーを共重合させると相転移温度は高くなる。
【0017】
イオンにより構造変化を誘導したり加速するためには、イオン解離する官能基を有するモノマーを共重合したり、イオンを捕捉する分子を側鎖に導入させてやればよい。例えば、ナトリウムやカリウムを認識するクラウンエーテル(ベンゾ[18]クラウン−6など)を側鎖に導入したポリN−イソプロピルアクリルアミドは、ナトリウムイオンやカリウムイオンにより相転移が引き起こされる。
【0018】
pHやイオン強度等の環境による高分子構造の変化も、細胞機能の損傷が激しくならない条件で使用することができる。pHやイオン強度による構造制御は、カルボキシル基を有するポリアクリル酸やポリメタクリル酸、スルホン酸基を有するポリビニル硫酸やポリスチレンスルホン酸、アミノ基を有するポリビニルアミンやポリビニルアリルアミンといったイオン解離基を有する高分子化合物について適用できる。この場合、静電相互作用による非特異的吸着が起こりやすいので注意しなければならない。
【0019】
尚、上記技術を組み合わせることにより、複数の環境変化に応答する高分子を有する刺激応答型分離材料を作製することもできる。
【0020】
標的物質に対して親和性を有する領域には、抗原−抗体、酵素−基質(阻害剤)、各種の生理活性物質とそのレセプターとの反応等の生体の制御機構で見られる特異的親和性により標的物質を吸着するリガンドや、静電相互作用、疎水性相互作用、水素結合、ファンデルワールス相互作用等によって標的物質に対して親和性を示す合成化合物やそれらの相互作用を効果的に発現できるよう人工的に設計された分子認識素子等が存在する。
【0021】
標的物質に対して親和性を有する領域は、刺激応答性高分子鎖と必ずしも化学的に結合していなくてもよく、ブレンド法や積層法を利用して相分離構造を形成させ、表面に結合されていればよい。また、金属、セラミック、あるいは有機物よりなる直径5μm以下、好ましくは2μm以下の微粉体などを利用して不均一構造を形成させ、該微粉体上に標的物質に対して親和性を有する物質を結合させることも可能である。
【0022】
標的物質に対して、親和性を有する領域と刺激応答性高分子鎖を化学的に結合させる方法としては、刺激応答性高分子鎖中に導入された反応性官能基を用いる方法が好ましい。この結合方法は、公知の化学反応を用いた方法で達成できるが、両者の結合の間に、スペーサーや2種以上の化合物よりなる結合が存在していてもよい。結合様式としては、生理的条件で容易に脱離しないことが望ましいが、必ずしも共有結合である必要はなく、イオンコンプレックスや電荷移動錯体等を利用した結合でもかまわない。また、生理的条件で高い親和性を有するビオチン−アビジン、ビオチン−ストレプトアビジン、リボフラビン−リボフラビン結合蛋白、プロテインA−IgG、プロテインG−IgG等の生化学的親和性を利用した結合であってもよい。ビオチン−アビジンの組み合わせは、ビオチン標識抗体等が市販されており容易に入手できるため、標的物質に対する抗体をアビジンを介して反応性官能基に固定化することができる。
【0023】
反応性官能基とは、標的物質に対して親和性を有するリガンドを結合できる官能基であれば良く、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、イミノ基、スルホン酸基、エポキシ基、イソシアネート基、酸クロリド基、ヒドロキシ基、チオール基、ジスルフィド基等の官能基を例示できる。また、カルボニルジイミダゾール、トシル、トレシル等で活性化されていてもかまわない。これらの官能基を利用して、直接あるいは縮合剤や架橋剤を用いて、標的物質に対するリガンドを結合することが可能である。反応性官能基がエポキシ基のように、直接アミノ基やカルボキシル基と反応するタイプであると反応操作が簡略化できるため好ましい。ヒドロキシ基のように反応性の低い官能基の場合、両末端に反応性の高い官能基を有する架橋剤、例えばポリイソシアネート化合物、ポリエポキシ化合物、ジアルデヒド化合物などを利用してリガンドを固定化することも可能である。
【0024】
反応性官能基を有する分子鎖を形成させる方法は、公知の方法でかまわない。例えば、反応性官能基を有する単量体を単独重合したり、他の単量体と共重合することにより反応性官能基を有する分子鎖を形成させる方法や、すでに形成された分子鎖を化学修飾することにより反応性の高い官能基を導入する方法などを例示できる。
【0025】
分離材料の基材は、特に限定されないが、多孔質膜、多孔質フィルター等の多孔質体が好ましく、無孔質体でもかまわない。さらに、その形状も特に限定されず、プレート状、シャーレ状、繊維状、不織布状、ビーズ状等を例示でき、それぞれの形状にあったカラムなりモジュールなどに収納されて使用されてもかまわない。
【0026】
また、その基材となる材質についても水に対して非溶解性であれば特に限定されず、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、綿、ポリスチレン、及びそれらの変性物や共重合体等、既存の材料を例示することができる。
【0027】
本発明の刺激応答性分離材料の製造方法は、限定されず、
▲1▼基材表面に刺激応答性領域よりなる分子鎖と反応性官能基を有する分子鎖とを有するブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体もしくはランダム共重合体を主成分とする基材表面を形成させた後、標的物質に対して親和性を有する物質を該共重合体の反応性官能基に固定化させる方法、
▲2▼刺激応答性領域よりなる分子鎖と反応性官能基を有する分子鎖とを有するブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体もしくはランダム共重合体に、標的物質に対して親和性を有する物質を該共重合体の反応性官能基に結合させた後、基材表面上に保持させる方法、
▲3▼刺激応答性領域よりなる分子鎖と反応性官能基を有する分子鎖とを有するブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体もしくはランダム共重合体と、標的物質に対して親和性を有する物質とを含む溶液を基材表面上に塗布した後、お互いを反応させる方法、等が挙げられる。
【0028】
▲1▼〜▲3▼の場合において、該共重合体もしくは親和性を有する物質の基材表面への導入方法は限定されず、基材の反応性官能基と化学結合させても、基材表面に含浸させるだけでもよい。さらに、グラフト共重合体の場合においては基材表面上に直接、刺激応答性モノマーと反応性官能基を有するモノマーをグラフト共重合してもよい。
【0029】
また、基材への刺激応答性領域よりなる高分子鎖と反応性官能基を有する分子鎖とを有するブロック共重合体、グラフト共重合体、交互共重合体もしくはランダム共重合体の保持において、基材表面にあらかじめ反応性官能基を有するモノマーをグラフト重合させておいてもよい。さらに、基材への前記共重合体の保持において刺激応答性領域を有さないポリマーを第三成分として添加してもよい。この第三成分のポリマーとしては、リガンドを結合でき、または反応性官能基を有する分子鎖同士を結合できる官能基を持ったポリマーであれば特に限定されない。
【0030】
分離材料に吸着した標的物質の回収は、温度、光、電気等の刺激により刺激応答性高分子の高次構造を急速に変化せしめることにより行う。例えば、刺激応答性領域が収縮した条件下でリガンドが表面に存在する分離材料の場合、この状態で標的物質を吸着させた後、外部刺激により刺激応答性領域を膨潤させることにより、その急激な環境変化を利用して標的物質が材料表面より脱着することとなる。さらに、この回収方法にプロテアーゼ処理等の従来技術を併用しても、相乗効果により短時間での細胞回収が容易になる。
【0031】
脱着させた場合の回収率は、固定化したリガンドの種類や状態、刺激応答領域と吸着領域の構造や組成比により異なり、使用条件に応じた条件設定が必要となるが、50%以上、好ましくは80%以上である。
【0032】
標的物質と刺激応答性高分子の間に弱い結合が存在する場合、その結合を解離することによって標的物質を脱離させてもかまわない。回収率の向上などを目的として、必要に応じて物理的な方法や化学的な方法を併用してもかまわない。物理的な方法としては、撹拌等が挙げられ、化学的な方法としては加熱/冷却変化、pH変動、イオン強度変化等が挙げられる。
【0033】
ここで、基材が多孔質膜の場合、平均孔径が0.01μm〜1μmである微多孔質膜であるのが好ましく、さらには平均孔径が0.02μm〜0.8μmのものであるのが好ましい。平均孔径は、パームポロメーターにより測定された平均孔径であり、原理はASTM−316に記載されている。細胞の大きさは一般に約数μm〜数十μmのため、前記平均孔径の時、該微多孔質膜を通過することができず、多くの細胞は膜の表面もしくは表層部に捕捉されることとなる。平均孔径が1μmを越える場合や0.01μmより小さい場合は、細胞と基材表面との接触面積が大きくなり、該微多孔質膜を用いる効果が低くなる。さらに、該微多孔質膜を用いる時、その膜厚は、5μm〜5000μm程度が好ましく、さらに好ましくは20μm〜400μmである。ここで、5μm以下だと膜強度が弱くなり、5000μmを越えると体積が増加しモジュールが大きくなり過ぎる。また、その形状は、平膜状であっても中空糸・チューブ状であっても良い。
【0034】
該微多孔質膜が非対象膜構造の場合、最表面の平均孔径が細胞より大きくなり、細胞を捕捉する活性層が膜内部に形成されることもありうる。好ましくは、膜の最表面で細胞を捕捉できる膜である。すなわち、白血球が貧食細胞により曲率の大きい繊維の表面に吸着している状態ではなく、微細孔を有する平面上に吸着されていることが望ましい。従って、該微多孔質膜は、網目状、スポンジ状、微粒子状、延伸法により多孔質化されたミクロフィブリル状の膜構造、微細繊維の集合体状を有することが好ましい。そのような多孔質膜の製造方法は、公知の相分離法により溶液や溶融状態から製膜された。
【0035】
さらに、前記のような微多孔質膜の場合は、必ずしも刺激応答性高分子は必要でない。それは、該微多孔質膜の平均孔径が細胞より小さいため、細胞表面は、膜の実質部位と空孔部位とのミクロ的に不均一な表面上に捕捉されていることとなる。すなわち、細胞は、膜表面に結合されたリガンドとミクロ的に不均一に結合しているため、細胞が表面に吸着するときにしばしば観察されるキャッピング現象が回避され、ソフトに吸着することとなる。そのため、細胞の損傷が少なくなり、吸着した細胞の機能が良好に維持されることとなる。細胞吸着部位における実質部位と空孔部位との比率は、空孔部位が20〜95%、好ましくは、40〜90%である。
【0036】
前記微多孔質膜を基材とした場合の細胞回収方法は、該微多孔質膜の一方の側より被処理液を流して標的細胞を吸着せしめた後、細胞回収液を反対側の面より流し、標的細胞を回収する。該微多孔質膜は、平均孔径が細胞の大きさより小さいため、該微多孔質膜を通過せず膜の表層部にトラップされている。そのため、細胞が脱着しやすい方向に圧力をかけることにより、効率良く細胞を回収することが可能となる。プロテアーゼ処理により基材表面から細胞を剥離させる場合、該微多孔質膜は、細胞培養用フラスコのような非多孔性表面と比較して、基材表面との接着部位が少ないため基材表面から細胞を容易に剥離させることが可能である。ここで、該微多孔質膜を用いた場合の標的物質は細胞に限定されない。
【0037】
また、前記微多孔質膜は、市販のフィルターホルダーや公知の形態のモジュールに組み込んで使用することが可能である。
【0038】
【実施例】
(実施例1)
標的物質としてCD4+細胞(MT−4)を設定し、標的物質に対して特異的親和性を有する物質として抗CD4抗体(Leu−3a)、刺激応答性高分子としてポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)を用いて刺激応答性分離材料を作製し、CD4+細胞の分離を検討した。
【0039】
主鎖にアゾ基を有するポリ(グリシジルメタクリレート)を重合開始剤として、N,N−ジエチルアクリルアミドをジメチルスルホキシド(DMSO)中で80℃、16時間重合し、石油エーテル中で再沈殿させた後、ポリマーを減圧乾燥させることにより、刺激応答性ドメインとしてポリ(N,N−ジエチルアクリルアミド)、反応性ドメインとしてポリ(グリシジルメタクリレート)を有するブロック共重合体(モル組成比3:1)を得た。
【0040】
このブロック共重合体の3wt%ジオキサン溶液を、厚さ100μmのポリウレタンシートにコーティングした。続いて、0.01wt%のポリエチレンイミン(平均分子量1200)を含む抗CD4抗体の5mg/ml溶液をコーティングした後、38℃で16時間反応させることにより、刺激応答型分離材料を得た。
【0041】
この材料に、人新鮮血バフィーコートより1%アルブミン添加リン酸バッファー(PBS)で洗浄して調整した白血球液(1×106/ml)を37℃で接触させることにより、CD4+細胞を吸着させた。位相差顕微鏡を用いて、吸着細胞の脱着を観察したところ、1%アルブミンを添加したPBSで25℃でリンスすることにより脱着できることを確認した。
【0042】
(実施例2)
1.0wt%のポリメタクリル酸を溶解させたDMSO溶液と、実施例1で作製したブロック共重合体の4wt%DMSO溶液を1:1で混合した後、ポリメタクリル酸を表面グラフト重合したポリエチレンシートにコ−ティングした後、60℃、40時間反応させた。続いて、5mg/mlの1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(シグマ社製)溶液20ml(pH5.5)をシャーレに注入し、5分間室温で浸漬させた。続いて、抗CD4抗体(Leu−3a)の5mg/ml溶液と接触させて室温で1時間時々撹拌しながら反応させた後、グリシンを最終濃度で0.2モルとなるように添加して1時間放置した後、PBSでリンスすることにより刺激応答型分離材料を作製した。
【0043】
この材料に、人新鮮血バフィーコートより1%アルブミン添加PBSで洗浄して調整した白血球液(1×106/ml)を37℃で接触させることにより、CD4+細胞(MT−4)を吸着させた。位相差顕微鏡を用いて、吸着細胞の脱着を観察したところ、1%アルブミンを添加したPBSで25℃でリンスすることにより脱着できることを確認した。
【0044】
(実施例3)
主鎖にパーオキサイド基を有するグリシジルメタクリレートとメチルアクリレートとの共重合体(モル組成比1:1)を重合開始剤として、N−イソプロピルアクリルアミドをDMSO中で80℃、16時間重合して、刺激応答性ドメインとしてポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、反応性ドメインとしてポリ(グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート共重合体)を有するブロック共重合体(モル組成比4.8:1)を得た。
【0045】
0.5wt%の抗CD4抗体(Leu−3a)を含む20%DMSO溶液に上記ブロック共重合体2wt%を含む60%DMSO溶液を1:1で混合した後、ポリメタクリル酸を表面グラフト重合したポリエチレンシートにコーティングし、60℃、40時間反応させた。
【0046】
この材料に、人新鮮血バフィーコートより1%アルブミン添加PBSで洗浄して調整した白血球液(1×106/ml)を37℃で接触させることにより、CD4+細胞(MT−4)を吸着させた。位相差顕微鏡を用いて、吸着細胞の脱着を観察したところ、1%アルブミンを添加したPBSで25℃でリンスすることにより脱着できることを確認した。
【0047】
(実施例4,比較例1)
標的細胞としてCD4+細胞(MT−4)、標的細胞に対して特異的親和性を有する物質として坑CD4抗体(Leu−3a)、微多孔質膜としてポリプロピレンを主成分とする微多孔質膜(平均孔径0.14μm、膜厚80μm、表面網目状)を用いて実験を行った。又、比較例1として、未延伸ポリプロピレンフィルム(膜厚60μm)を用いて同様に実験を行った。
【0048】
主鎖にアゾ基を有するポリ(グリシジルメタクリレート)を重合開始剤として、メトキシエチルアクリレ−トをDMSO中で80℃、16時間重合し、イソプロピルエーテル中で再沈殿させた後、ポリマーを減圧乾燥させることにより、メトキシエチルアクリレートとグリシジルメタクリレートのブロック共重合体(モル組成比4.5:1)を得た。
【0049】
このブロック共重合体の2wt%テトラヒドロフラン溶液を、ポリプロピレン製微多孔質膜にコーティングした。続いて、0.5wt%のポリエチレンイミン(平均分子量1200)のメタノール/水(1:1)溶液をコーティングした後、60℃で16時間反応させることにより、基材表面にポリエチレンイミンを結合した微多孔質膜を得た。 続いて、20mg/mlの1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(シグマ社製)溶液20ml(pH4.5)をシャーレに注入し、3時間室温で浸漬させた。続いて、抗CD4抗体の50μg/ml溶液と接触させて4℃で16時間時々撹拌しながら反応させた後、PBSで洗浄した。
【0050】
本材料及び比較例1のフィルムに、人新鮮血バフィーコートより1%アルブミン添加PBSで洗浄して調整した白血球液(1×106/ml)を37℃で接触させて、CD4+細胞を吸着させた。細胞の脱着は、EDTA/トリプシン溶液を加えた後、位相差顕微鏡で観察した。微多孔質膜のほうがフィルムと比較して、細胞の脱着が速かった。
【0051】
(実施例5,比較例2)
標的細胞としてCD4+細胞(MT−4)、標的細胞に対して特異的親和性を有する物質として抗CD4抗体(Leu−3a)、微多孔質膜としてポリビニリデンフルオライドを主成分とする微多孔質膜(平均孔径0.47μm、膜厚80μm、表面スポンジ状)を用いて実験を行った。又、比較例2として、ポリビニリデンフルオライドフィルム(膜厚60μm)を用いて同様に実験を行った。
【0052】
主鎖にパーオキサイド基を有するポリ(グリシジルメタクリレート)を重合開始剤として、N−イソプロピルアクリルアミドをDMSO中で80℃、16時間重合し、イソプロピルエーテル中で再沈殿させた後、ポリマーを減圧乾燥させることにより、刺激応答性ドメインとしてポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、反応性ドメインとしてポリ(グリシジルメタクリレート)を有するブロック共重合体(モル組成比3.2:1)を得た。
【0053】
このブロック共重合体の2wt%テトラヒドロフラン溶液を、ポリビニリデンフルオライド製微多孔質膜にコーティングした。続いて、0.5wt%のポリエチレンイミン(平均分子量1200)のメタノール/水(1:1)溶液をコーティングした後、60℃で16時間反応させることにより、表面にポリエチレンイミンを結合した刺激応答型分離材料を得た。続いて、20mg/mlの1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(シグマ社製)溶液を20ml(pH5.5)シャーレに注入し、4時間室温で浸漬させた。続いて、抗CD4抗体の50μg/ml溶液と接触させて4℃で16時間時々撹拌しながら反応させた後、PBSでリンスした。
【0054】
CD4+細胞をPRMI1640培地で1×106/mlに調製した後、37℃で試料と接触させることにより、CD4+細胞を吸着させた。4℃に冷却したPBSを添加した後、位相差顕微鏡で観察したところ、微多孔質膜では吸着細胞が脱着していたが、フィルムでは部分的に脱着していない細胞が観察された。
【0055】
(実施例6,比較例3)
基材として、ポリウレタン製フィルター(膜厚150μm、平均孔径0.6μmおよび1.4μm,表面スポンジ状)を用いて、標的細胞としてCD4+細胞(MT−4)、標的細胞に対して特異的親和性を有する物質として抗CD4抗体(Leu−3a)を用いて、実施例5と同様に実験を行った。また、比較例3として無孔性のポリウレタンフィルムを用いて同様に実験を行った。
【0056】
脱離回収した細胞数を比較したところ、平均孔径が0.6μmのウレタンフィルターが51000個、平均孔径が1.4μmのウレタンフィルターが26000個、ウレタンフィルムでは22000個であり、微多孔質膜の優位性が確認された。
【0057】
(実施例7)
実施例5の膜を、平膜用モジュール(有効膜面積24cm2)を用いて評価した。該モジュールは、膜で隔たれた2つの空間を有し、一方の空間に液体流入口と液体流出口があり、もう一方の空間に回収液の流入口がある。
【0058】
CD4+細胞をPRMI1640培地で1×105/mlに調製した後、37℃で2ml/minの流速で100ml、液体流入口から液体流出口へ流した。細胞の回収は、モジュールを4℃に冷却後、4℃に冷却したPBSを膜の細胞吸着面と反対側より2ml/minの流速で20ml流し、液体流出口から収集した。細胞回収率は、63%であった。
【0059】
【発明の効果】
本発明の分離材料は、刺激応答性領域と標的物質に対する親和性領域とが存在する。従って、刺激応答性領域における体積変化が大きくなり吸着物質の脱着が起こりやすくなる。また、基材表面に相分離構造を形成させることにより、標的細胞が吸着した場合のキャッピング現象を抑制することができるため、機能損傷の少ない高品質の細胞を回収できることとなる。
【0060】
さらに、本発明の刺激応答型分離材料の基材の平均孔径を限定した微多孔質膜で平均孔径が標的物質より小さい時、標的物質は微多孔質膜の実質部位と空孔部位とのミクロ的に不均一な表面上に捕捉されていることとなり、キャッピング現象が回避され、ソフトに吸着することとなる。そのため、細胞の損傷が少なくなり、吸着した細胞の機能が良好に維持されることとなる。さらには、非多孔性表面と比較して基材との接着部位が少ないため、基材から細胞を脱着することが容易となる。
【0061】
また、微多孔質膜の時の細胞回収方法は、膜の一方の側より被処理液を流して標的細胞を吸着せしめた後、細胞回収液を反対側の面より流すことにより標的細胞が、微多孔質膜を通過せず、膜の表層部にトラップされているため、細胞が脱着しやすい方向に圧力がかかることにより、効率よく細胞を回収することが可能になる。
【0062】
その結果、従来困難であった血球系細胞や機能細胞の分離精製が簡便にできるようになり、本発明の分離材料や技術は、標的細胞の分離、増殖、機能変換等を利用したバイオプロダクツの生産や細胞治療、遺伝子治療、診断等に効果を発揮することとなる。また、本発明は、医療分野のみならず各種の産業分野において新しい分離技術として効果を発現することとなる。

Claims (5)

  1. 刺激応答性高分子鎖よりなる領域と反応性官能基を有する非刺激応答性高分子鎖に標的物質に対して親和性を有する物質を固定した領域とを基材表面に有することを特徴とする刺激応答型分離材料。
  2. 刺激応答性領域よりなる分子鎖と標的物質に対して親和性を有する分子鎖を有する共重合体を基材表面に有することを特徴とする請求項1に記載の刺激応答型分離材料。
  3. 刺激応答性高分子鎖よりなる領域と標的物質に対して親和性を有する領域とを基材表面に有する刺激応答型分離材料において、前記基材が多孔体からなることを特徴とする請求項1または2に記載の刺激応答型分離材料。
  4. 多孔体が膜であることを特徴とする請求項3に記載の刺激応答型分離材料。
  5. 刺激応答性高分子鎖よりなる領域と反応性官能基を有する非刺激応答性高分子鎖に標的物質に対して親和性を有する物質を固定した領域とを基材表面に有することを特徴とする刺激応答型分離材料を用いて、標的物質を該分離材料に吸着させた後、該刺激応答性高分子鎖の高次構造を変化させることにより、標的物質を該分離材料より脱離させることを特徴とする物質の分離精製方法。
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