JP3640659B2 - ドラムブレーキの防水構造 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、自動二輪車等の車両における車輪に装備されるドラムブレーキに関し、特に、回転部材である車輪ハブと非回転部材であるブレーキパネルとの隙間部分の防水性能を、より高めることができるようにしたドラムブレーキの防水構造に関する。
【0002】
背景技術
自動二輪車等の車両においては、車輪にドラムブレーキを装備し、このドラムブレーキをブレーキレバーやブレーキペダルで制動操作するようにした車種が、多く採用されている。
【0003】
このようなドラムブレーキを備える車両として、回転部材である車輪ハブの凹部にてドラムブレーキ機構を収納し、非回転部材であるブレーキパネルにてドラムブレーキ機構の要部を支えつつ凹部を塞ぎ、車輪ハブとブレーキパネルとの隙間をラビリンス構造でシールするようにした自動二輪車が、例えば実公昭62−12913号において知られている。
【0004】
このようなドラムブレーキの防水構造としては、図19に示される従来の技術が知られている。なお、図19に示されるドラムブレーキの防水構造については、本発明との比較を容易にするために、前記実公昭62−12913号に示されているドラムブレーキの防水構造を変更して示したものである。
【0005】
図19は従来の車輪に装備されたドラムブレーキの防水構造を示す断面図である。車輪100は、凹部101にドラムブレーキ機構102を収納する車輪ハブ103と、凹部101を塞ぐとともにドラムブレーキ機構102の要部を支えるブレーキパネル104とからなる。ブレーキパネル104は、凹部101を塞ぐパネル部105と、パネル部105から凹部101内へ延びて凹部101に嵌合する外周嵌合部106と、外周嵌合部106の外周面に形成した外側ラビリンス溝107並びに内側ラビリンス溝108と、外周嵌合部106から車輪ハブ103の外側を覆うように延びたカバー部109と、カバー部109の下端に形成した排水口111とからなる。
【0006】
このようなドラムブレーキの防水構造であっても、車両の走行中には車輪ハブ103が高速回転をするので、雨水等の水は遠心力で飛ばされる。水が凹部101へ入る心配はない。しかし、洗車作業中には遠心力が働かないので、防水性の面で不利である。
【0007】
発明の開示
本発明の目的は、回転部材である車輪ハブと非回転部材であるブレーキパネルとの隙間の防水性能をより高めて、洗車作業中であっても防水効果の高いドラムブレーキの防水構造を提供することにある。
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、ドラムブレーキ機構を収納する凹部を有する車輪ハブとドラムブレーキ機構の要部を支えつつ前記凹部を塞ぐブレーキパネルとからなり、回転部材である車輪ハブと非回転部材であるブレーキパネルとの隙間をラビリンス構造でシールするようにしたドラムブレーキにおいて、
前記ドラムブレーキの車軸より下の部分では、前記ラビリンス構造は、外から凹部内へ外側ラビリンス溝と内側ラビリンス溝とをこの順に備えるが、最下部から車軸高さ位置付近まで周方向に3種の排水構造を連続させ、この3種の排水構造の部分において前記ブレーキパネルから径外方へ防水壁を延したものであり、
最下位の第1の排水構造では、前記外側ラビリンス溝を挟む外側リブ及び中間リブの高さを最も低くし、前記車輪ハブと前記防水壁との間隔を最も広くすることで排水性を高め、
その上の第2の排水構造では、前記外側ラビリンス溝を挟む外側リブ及び中間リブの高さを前記第1の排水構造と同じにし、前記車輪ハブと前記防水壁との間隔を前記第1の排水構造よりも狭くすることで排水性とシール性とをバランスさせ、
その上の第3の排水構造では、前記外側ラビリンス溝を挟む外側リブ及び中間リブを延ばして前記第1・第2の排水構造よりも高くし、前記車輪ハブと前記防水壁との間隔を前記第1の排水構造よりも狭くすることでシール性を高めたドラムブレーキの防水構造が提供される。
【0009】
最下位の第1の排水構造では、外側リブ及び中間リブを低くするとともに、車輪ハブと防水壁との間隔を広くすることにより、外・内側ラビリンス溝に浸入した水を速やかに排出できるので、排水性が良い。しかも、外側ラビリンス溝と内側ラビリンス溝との間が大きく開くので、外・内側ラビリンス溝の最下部に水を溜める容量を増すことができる。従って、ラビリンス構造のシール性を確保することができる。
【0010】
その上の第2の排水構造では、外側リブ及び中間リブを低くすることにより、外側ラビリンス溝と内側ラビリンス溝との間が大きく開くので、外・内側ラビリンス溝の下部に水を溜める容量を増すことができる。さらに第2の排水構造では、車輪ハブと防水壁との間隔を第1の排水構造よりも狭くすることにより、外・内側ラビリンス溝の下部に溜まった水の表面張力で、ラビリンス構造のシール性と排水性とをバランス良く確保することができる。従って、外・内側ラビリンス溝に浸入した水の排水性とラビリンス構造のシール性とをバランスさせることができる。
【0011】
その上の第3の排水構造では、外側リブ及び中間リブを第1・第2の排水構造よりも高くするとともに、車輪ハブと防水壁との間隔を第1の排水構造よりも狭くすることにより、ラビリンス構造のシール性を高めることができる。さらに第3の排水構造では、車輪ハブと防水壁との間隔を狭くすることにより、外側ラビリンス溝の下部に溜まった水の表面張力で、排水性を確保することができる。
【0012】
このようにして、車輪ハブとブレーキパネルとの隙間をシールするラビリンス構造による防水性能を、より高めることができ、洗車作業中における防水効果をも高めることができる。
【0013】
本発明の第2の特徴によれば、ドラムブレーキ機構を収納する凹部を有する車輪ハブとドラムブレーキ機構の要部を支えつつ前記凹部を塞ぐブレーキパネルとからなり、回転部材である車輪ハブと非回転部材であるブレーキパネルとの隙間をラビリンス構造でシールするようにしたドラムブレーキであって、前記ブレーキパネルを自動二輪車のリヤフォークに回り止め支持するものにおいて、
前記ブレーキパネルの一部をリヤフォークに沿って延出し、この延出部とリヤフォークとの間で前記ブレーキパネルの回転止めを図るときに、前記延出部に、延出部の外面で反射して前記ラビリンス構造へ向う水を止める防水壁を設けた自動二輪車のリヤドラムブレーキの防水構造が提供される。
【0014】
延出部の外面で反射してラビリンス構造へ向う水を、防水壁によって止めることができる。従って、延出部の外面で反射した水がラビリンス構造へ当ることはない。このようにして、車輪ハブとブレーキパネルとの隙間をシールするラビリンス構造による防水性能を、より高めることができ、洗車作業中における防水効果をも高めることができる。
【0015】
前記延出部に設けられた防水壁は、前記車輪ハブから立てたスポークフランジの外周部に向って延ばすことが好ましい。水が延出部の外面で反射してラビリンス構造へ向う範囲を、より抑制することができるので、防水性能をより一層高めることができる。
【0016】
発明を実施するための最良の形態
図1及び図2は、本発明の第1実施例に係る自動二輪車10の後輪20周りを示す。
図1及び図2に示されるように、自動二輪車10は、図示せぬ車体フレームから後方へ(図の左側へ)延びた上下スイング可能なリヤフォーク11と、リヤフォーク11の後端部に設けられた車軸12とを備える。この車軸12は、軸受13,14を介して回転可能に設けられた車輪ハブ21と、車輪ハブ21に隣接したリヤブレーキパネル30とを備える。
なお、図1及び図2に示される第1実施例のリヤブレーキパネル30は、本発明に係るブレーキパネルのことである。
【0017】
車輪ハブ21は、後輪としての車輪20のハブである。この車輪ハブ21は、外周部から径外方へ立てた円盤状の左右一対のスポークフランジ22,22と、車軸12の軸方向外方に且つリヤブレーキパネル30側に開口した側面視円形状の凹部23とを有する。左右のスポークフランジ22,22は、多数のスポーク24の一端を取付ける部材である。図中、25は車輪ハブ用従動スプロケットである。
【0018】
リヤブレーキパネル30は、凹部23の開口を塞ぐパネル部31と、パネル部31の一部がリヤフォーク11に沿って延出された延出部32と、からなる。リヤフォーク11に形成された回り止め凸部11aと、延出部32に形成された回り止め溝32aとを嵌合することで、リヤフォーク11と延出部32との間でリヤブレーキパネル30の回転止めを図ることができる。このようにして、リヤフォーク11でリヤブレーキパネル30を回り止め支持する。
【0019】
このような車輪20によれば、車輪ハブ21の凹部23にドラムブレーキ機構40を収納するとともに、リヤブレーキパネル30のパネル部31にてドラムブレーキ機構40の要部を支えることができる。車輪20のドラムブレーキ20Aは、回転部材である車輪ハブ21と、非回転部材であるリヤブレーキパネル30と、車輪ハブ21とリヤブレーキパネル30との間に介在したドラムブレーキ機構40とからなる。
【0020】
ドラムブレーキ機構40は、例えば拡径式ドラムブレーキであり、パネル部31で支えられたアンカピン41並びにブレーキ作動軸42と、凹部23内のブレーキディスク43に接触・離反し得るようにアンカピン41に取付けられた一対のブレーキシュー44(1つのみを示す)と、一対のブレーキシュー44を縮径するように弾発するリターンスプリング45と、ブレーキ作動軸42に備えたブレーキ作動アーム46とからなる。
【0021】
このドラムブレーキ機構40は、ブレーキ作動アーム46でブレーキ作動軸42を回して、ブレーキシュー44を拡径させることで、ブレーキシュー44のライニングとブレーキディスク43との摩擦力によって、ブレーキ作用をなす。なお、図3以降においてはドラムブレーキ機構40を省略して示す。
【0022】
ところで、上記車輪20は、回転部材である車輪ハブ21と非回転部材であるリヤブレーキパネル30との間の隙間を、ラビリンス機構50でシールされた、防水構造である。以下、ラビリンス機構50について詳しく説明する。
【0023】
図3、図4及び図5に示されるように、車輪ハブ21の凹部23にリヤブレーキパネル30の外周面、すなわちパネル部31の外周面51を嵌合したときに、凹部23とパネル部31との間には隙間52を有する。
【0024】
ラビリンス機構50は、パネル部31の外周面51にパネル幅方向の外側(図2に示される車軸12の軸方向外側)から凹部23内へ外側ラビリンス溝53と内側ラビリンス溝54とを、この順に備えることで、隙間52をシールするようにしたラビリンス構造である。外・外側ラビリンス溝53,54は、パネル部31の外周面51に形成された環状溝である。
【0025】
図4及び図5に示されるように、凹部23は内径D1の開口部23aを有する円形孔である。パネル部31は外径D2の円盤であり、開口部23aの内径D1より小さい。開口部23aの内周面とパネル部31の外周面51との間の隙間52の寸法はδである。この寸法δは極めて小さい。
【0026】
凹部23にパネル部31の外周面51全体を嵌合するようにしたので、隙間52の寸法δを容易に小さく設定することができるとともに、リヤブレーキパネル30の外径を小さくして軽量にすることができる。さらには、車軸12(図2参照)が若干撓むことで、リヤブレーキパネル30が若干傾いた場合であっても、隙間52の寸法δの変動を抑制することができる。
【0027】
また、上記図19に示す従来の技術においては、外周嵌合部106から車輪ハブ103の外側を覆うようにカバー部109が延ばされた構造である。これに対して第1実施例においては、カバー部109を有することなく、凹部23にパネル部31の外周面51全体を嵌合するようにした構成である。カバー部109を有していないので、上方からの水がカバー部109と車輪ハブ21との間の隙間から浸入することはない。従って、洗車時における防水性が高まる。
【0028】
外側ラビリンス溝53の底の径はD3である。内側ラビリンス溝54の底の径はD4であり、外側ラビリンス溝53の底の径D3より小さい。車軸支承孔33(即ち上記図1に示される車軸12)より上の部分R1では、外側ラビリンス溝53の溝深さH1は、内側ラビリンス溝54の溝深さH2よりも小さい。外側ラビリンス溝53の溝幅は、内側ラビリンス溝54の溝幅とほぼ同一である。従って、外側ラビリンス溝53の断面積A1は、内側ラビリンス溝54の断面積A2よりも小さい。
【0029】
なお、溝深さH1は、外側ラビリンス溝53を挟む外側リブ55及び中間リブ56の高さでもある。内側ラビリンス溝54は、中間リブ56と内側リブ57とで挟まれた溝である。
【0030】
以上の説明、図4及び図5から明らかなように、第1実施例は、ドラムブレーキ機構40を収納する凹部23を有する車輪ハブ21とドラムブレーキ機構40の要部を支えつつ凹部23を塞ぐブレーキパネル30とからなり、回転部材である車輪ハブ21と非回転部材であるブレーキパネル30との隙間52をラビリンス構造50でシールするようにしたドラムブレーキ20Aにおいて、
ドラムブレーキ20Aの車軸12より上の部分では、ラビリンス構造50は、凹部23にブレーキパネル20Aの外周面51を嵌合して、このブレーキパネル20Aの外周面51に、パネル幅方向外から凹部23内へ外側ラビリンス溝53と内側ラビリンス溝54とをこの順に備えるとともに外側ラビリンス溝53の断面積A1を内側ラビリンス溝54の断面積A2より小さくしたドラムブレーキ20Aの防水構造を有する。
【0031】
このような構成により、断面積A1が小さい外側ラビリンス溝53の排水能力は、断面積A2が大きい内側ラビリンス溝54よりも小さい。外部から外側ラビリンス溝53へ水滴など、少量の水が浸入した場合には、外側ラビリンス溝53を排水路として浸入した水を下方へ流し、更に外部へ排出することができる。従って、外側ラビリンス溝53へ浸入した水を外部へ速やかに排出することができる。
【0032】
一方、外部から外側ラビリンス溝53へ多量の水が浸入した場合には、断面積A1が小さい外側ラビリンス溝53の中は、速やかに満水状態になる。外側ラビリンス溝53から溢れた水は隣の内側ラビリンス溝54を経て下方へ流れ、更に外部へ排出される。さらには、外側ラビリンス溝53に満たされた水の表面張力によって、車輪ハブ21とブレーキパネル30との隙間52が塞がれることで、更なる水の浸入が抑制される。この結果、雨水や洗浄水等の水の浸入を防ぐことができる。
【0033】
このようにして、車輪ハブ21とブレーキパネル30との隙間52をシールするラビリンス構造50による防水性能を、より高めることができ、洗車作業中における防水効果をも高めることができる。
【0034】
図3及び図6〜図9に示されるように、上記ラビリンス機構50は、車軸支承孔33(即ち上記図1に示される車軸12)より下の部分では、最下部から車軸支承孔33(車軸12)の高さ位置付近までの範囲R2で、周方向に3種の排水機構(即ち排水構造)61,62,63を連続して備える。リヤブレーキパネル30は、パネル部31から径外方へ延びる防水壁65を備える。
【0035】
図6に最下位の第1の排水機構61の断面を示し、図7に第2の排水機構62の断面を示し、図8に第3の排水機構63の断面を示し、図9に第3の排水機構63の上の部分のラビリンス構造の断面を示す。
【0036】
図3、図6、図10及び図11に示されるように、最下位の第1の排水機構61は、外側リブ55及び中間リブ56の高さH11が最も低く、車輪ハブ21と防水壁65との間隔W1が最も広い、排水構造である。外・内側ラビリンス溝53,54の溝深さは小さい。このようにして、外・内側ラビリンス溝53,54から外部へ通ずる大きい排水路66が設けられることで、最下位の第1の排水機構61の排水性を高めることができる。第1の排水機構61の範囲はL1である(図3及び図10参照)。
【0037】
図3、図7、図10及び図12に示されるように、第1の排水機構61の上の第2の排水機構62は、外側リブ55及び中間リブ56の高さH11が、第1の排水機構61と同じに最も低い排水構造である。第2の排水機構62における車輪ハブ21と防水壁65との間隔W2は、第1の排水機構61における車輪ハブ21と防水壁65との間隔W1より狭い。外・内側ラビリンス溝53,54の溝深さは小さい。このようにして、外・内側ラビリンス溝53,54から外部へ通ずる、やや大きい排水路66が設けられることで、第2の排水機構62の排水性とシール性とをバランスさせることができる。第2の排水機構62の範囲はL2である(図3及び図10参照)。
【0038】
図3、図8、図10及び図13に示されるように、第2の排水機構62の上の第3の排水機構63は、外側リブ55及び中間リブ56の高さH12が、第1・第2の排水機構61,62の高さH11よりも高い排水構造である。高さH12が大きい理由は、外側リブ55及び中間リブ56の先端が、凹部23の内周面へ向って延ばされているからである。第3の排水機構63における車輪ハブ21と防水壁65との間隔W2は、第2の排水機構62の部分と同一であり、第1の排水機構61における車輪ハブ21と防水壁65との間隔W1より狭い。従って、外・内側ラビリンス溝53,54の溝深さは比較的大きい。このようにして、第2の排水機構62のシール性を高めることができる。第3の排水機構63の範囲はL3である(図3及び図10参照)。
【0039】
図3、図9、図10及び図14に示されるように、第3の排水機構63の上の部分のラビリンス構造は、外側リブ55及び中間リブ56の高さH1が最も高く、上記図5に示す部分と同じである。外・内側ラビリンス溝53,54の溝深さは大きい。しかも、防水壁65をほとんど有しない。
なお、外側リブ55及び中間リブ56の高さH11,H12とは、外側ラビリンス溝53の底からの高さのことである。
【0040】
図3、図10及び図15に示されるように、リヤブレーキパネル30の延出部32は、スポークフランジ22の外周部22aに向って延びる防水壁68が形成されている。防水壁68は、延出部32の外面で反射してラビリンス機構50へ向う水を止めるものである。防水壁68は、スポークフランジ22の外周部22aに沿った円弧状の壁部材である。防水壁68の先端は、車輪ハブ21の開口側の端近傍まで延ばされる。例えば、図15に矢印にて示されるように雨水や洗浄水等の水が延出部32の外面で反射しても、ラビリンス機構50へ向う心配はない。
【0041】
図16、図17及び図18は、本発明の第2実施例に係る自動二輪車10の前輪70周りを示す。なお、上記図1〜図15に示される第1実施例と同様の部材については同一符号を付し、その説明を省略する。また、図16及び図17では、ドラムブレーキ機構40を省略して示す。
【0042】
さらには、図16において、6−6線断面の構成については上記図6に示される構成と同一であり、7−7線断面の構成については上記図7に示される構成と同一であり、8−8線断面の構成については上記図8に示される構成と同一であり、9−9線断面の構成については上記図9に示される構成と同一であり、説明を省略する。
また、図18において、11−11線断面の構成については上記図11に示される構成と同一であり、12−12線断面の構成については上記図12に示される構成と同一であり、13−13線断面の構成については上記図13に示される構成と同一であり、14−14線断面の構成については上記図14に示される構成と同一であり、説明を省略する。
【0043】
図16、図17及び図18に示されるように、前輪としての車輪70は、車軸12(図2参照)に軸受13,14を介して回転可能に設けられた車輪ハブ71と、車輪ハブ71に隣接したフロントブレーキパネル80とを備える。
なお、図16、図17及び図18に示される第2実施例のフロントブレーキパネル80は、本発明に係るブレーキパネルのことである。
【0044】
車輪ハブ71は、上記車輪ハブ21とほぼ同様の構成である。フロントブレーキパネル80は上記リヤブレーキパネル30とほぼ同様の構成であり、凹部23の開口を塞ぐパネル部81を有する。但し、フロントブレーキパネル80は上記に示される延出部32及び防水壁68を備えていない。
【0045】
車輪70のドラムブレーキ70Aは、回転部材である車輪ハブ71と、非回転部材であるフロントブレーキパネル80と、車輪ハブ71とフロントブレーキパネル80との間に介在したドラムブレーキ機構40(図2参照)とからなる。
【0046】
産業上の利用可能性
ドラムブレーキの車軸より上の部分では、ブレーキパネルの外周面に、パネル幅方向外から凹部内へ外側ラビリンス溝と内側ラビリンス溝とをこの順に備えるとともに外側ラビリンス溝の断面積を内側ラビリンス溝の断面積より小さくすることで、車輪ハブとブレーキパネルとの隙間をシールするラビリンス構造による防水性能を、より高めることができる。
【0047】
ドラムブレーキの車軸より下の部分では、外側ラビリンス溝を挟む外側リブ及び中間リブの高さや、車輪ハブと防水壁との間隔を適宜設定することで、車輪ハブとブレーキパネルとの隙間をシールするラビリンス構造による防水性能を、より高めることができる。
【0048】
ブレーキパネルの回転止めを図るための延出部に、延出部の外面で反射してラビリンス構造へ向う水を止める防水壁を設けることで、車輪ハブとブレーキパネルとの隙間をシールするラビリンス構造による防水性能を、より高めることができる。
【0049】
特に、自動二輪車等の車両の車輪に装備されるドラムブレーキの防水構造において有用である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の第1実施例に係る車輪の車輪ハブ周りの側面図;
図2は、図2の2−2線断面図;
図3は、図1に示した車輪ハブにブレーキパネルを組付けた構成の側面図;
図4は、図3に示した車輪ハブにブレーキパネルを組付けた構成の縦断面図;
図5は、図3の5−5線断面図;
図6は、図3の6−6線断面図;
図7は、図3の7−7線断面図;
図8は、図3の8−8線断面図;
図9は、図3の9−9線断面図;
図10は、図3に示したブレーキパネルを裏側から見た図;
図11は、図10の11−11線断面図;
図12は、図10の12−12線断面図;
図13は、図10の13−13線断面図;
図14は、図10の14−14線断面図;
図15は、図3の15−15線断面図;
図16は、本発明の第2実施例に係る車輪ハブにブレーキパネルを組付けた構成の側面図;
図17は、図16の17−17線断面図;
図18は、図16に示したブレーキパネルを裏側から見た図;
図19は、従来の車輪に装備されたドラムブレーキの防水構造を示す断面図である。
Claims (3)
- ドラムブレーキ機構(40)を収納する凹部(23)を有する車輪ハブ(21)とドラムブレーキ機構の要部を支えつつ前記凹部を塞ぐブレーキパネル(30)とからなり、回転部材である車輪ハブと非回転部材であるブレーキパネルとの隙間(52)をラビリンス構造(50)でシールするようにしたドラムブレーキ(20A)において、
前記ドラムブレーキの車軸(12)より下の部分では、前記ラビリンス構造は、外から凹部内へ外側ラビリンス溝(53)と内側ラビリンス溝(54)とをこの順に備えるが、最下部から車軸高さ位置付近まで周方向に3種の排水構造を連続させ、この3種の排水構造の部分において前記ブレーキパネルから径外方へ防水壁(65)を延したものであり、
最下位の第1の排水構造(61)では、前記外側ラビリンス溝を挟む外側リブ(55)及び中間リブ(56)の高さ(H11)を最も低くし、前記車輪ハブと前記防水壁との間隔(W1)を最も広くすることで排水性を高め、
その上の第2の排水構造(62)では、前記外側ラビリンス溝を挟む外側リブ及び中間リブの高さ(H11)を前記第1の排水構造と同じにし、前記車輪ハブと前記防水壁との間隔(W2)を前記第1の排水構造よりも狭くすることで排水性とシール性とをバランスさせ、
その上の第3の排水構造(63)では、前記外側ラビリンス溝を挟む外側リブ及び中間リブを延ばして前記第1・第2の排水構造よりも高くし、前記車輪ハブと前記防水壁との間隔(W2)を前記第1の排水構造よりも狭くすることでシール性を高めたことを特徴とするドラムブレーキの防水構造。 - ドラムブレーキ機構(40)を収納する凹部(23)を有する車輪ハブ(21)とドラムブレーキ機構の要部を支えつつ前記凹部を塞ぐブレーキパネル(30)とからなり、回転部材である車輪ハブと非回転部材であるブレーキパネルとの隙間(52)をラビリンス構造(50)でシールするようにしたドラムブレーキ(20A)であって、前記ブレーキパネルを自動二輪車(10)のリヤフォーク(11)に回り止め支持するものにおいて、
前記ブレーキパネルの一部をリヤフォークに沿って延出し、この延出部(32)とリヤフォークとの間で前記ブレーキパネルの回転止めを図るときに、前記延出部に、延出部の外面で反射して前記ラビリンス構造へ向う水を止める防水壁(68)を設けたことを特徴とする自動二輪車のリヤドラムブレーキの防水構造。 - 前記防水壁は、前記車輪ハブから立てたスポークフランジ(22)の外周部(22a)に向って延ばしたことを特徴とする請求項2に記載の自動二輪車のリヤドラムブレーキの防水構造。
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