JP3640274B2 - アルカリ性飛灰の処理方法 - Google Patents
アルカリ性飛灰の処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3640274B2 JP3640274B2 JP17717096A JP17717096A JP3640274B2 JP 3640274 B2 JP3640274 B2 JP 3640274B2 JP 17717096 A JP17717096 A JP 17717096A JP 17717096 A JP17717096 A JP 17717096A JP 3640274 B2 JP3640274 B2 JP 3640274B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fly ash
- alkaline
- water
- slurry
- separated
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛灰の処理方法に係り、特に、都市ゴミやシュレッダーダスト等の固形廃棄物を焼却する際、及び焼却灰や焼却飛灰を溶融する際に発生するアルカリ性飛灰を減容化及び/又は無害化と資源化処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固形廃棄物の焼却減容化処理又は焼却灰や飛灰の溶融減容化処理において、飛灰と共に塩化水素等の酸性ガスが発生する。該酸性ガスの処理には紛状の消石灰を吹き込む、いわゆる乾式処理法が広く用いられている。この場合、バッグフィルターにてアルカリ性飛灰が回収される。アルカリ性飛灰は特別管理一般廃棄物に指定されており、その埋め立て処分には無害化のための重金属安定化処理が必要である。しかし、アルカリ性飛灰の重金属安定化処理はコストが高く、また、埋め立て処分場の確保が益々困難となっている問題がある。
そうした状況の中で、飛灰の減容化、無害化と資源化を目的とする処理技術の開発が盛んに行われている。例えば、飛灰を酸浸出することにより重金属を回収する方法がある。しかしながら、アルカリ性飛灰に消石灰や酸化マグネシウム等、塩基性物質が多く含まれているため、従来の酸浸出法を該飛灰に適用した場合に、大量の鉱酸が必要で、処理コストが高く、また装置の腐食など問題が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、経済的にアルカリ性飛灰を減容化及び/又は無害化処理すると共に、資源化することができるアルカリ性飛灰の処理方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、アルカリ性飛灰を減容化及び無害化する処理方法において、該飛灰に水を添加して水スラリーを調合し、調合した水スラリーを湿式比重選鉱することにより、粒径が数μmと細かくて、比重の軽い消石灰が主体の上層スラリーを飛灰から選別することを特徴とするアルカリ性飛灰の処理方法としたものである。
前記処理方法で選別した上層スラリーは、固液分離し、分離した固形分に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、pH12.5以上のアルカリ性として、含有されているPb、Zn及びCuを液相中に浸出し、分離することができる。
また、本発明では、アルカリ性飛灰を無害化処理する方法において、特に消石灰の含有量が少ない飛灰に対して、該飛灰に水を添加し、飛灰中の水溶解性塩分を水洗後に固液分離して除去し、得られる飛灰に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、pH12.5以上のアルカリ性として、含有されているPb、Zn及びCuを液相中に浸出し、分離するアルカリ性飛灰の処理方法としたものである。
【0005】
前記方法において、分離したアルカリ浸出液は、硫化剤を添加して、液中のPb、Zn及びCuを硫化物として沈殿させて、回収することができる。硫化剤としてNaS又はNa2 Sを用いた場合においては、硫化反応に伴ってNaOHが生成するから、これをアルカリ浸出に再利用することができる。
また、前記の上層スラリーからアルカリ浸出液を分離して得た固形分は、乾燥後、粉砕して排ガス処理用のアルカリ剤として再利用することができ、さらに、飛灰から上層スラリーを選別分離した後の固形分又は飛灰を水洗後、直接アルカリ浸出後の固形分は、水洗・乾燥して建設材料として用いることができる。
さらに、排ガス中のダイオキシン、フラン及び揮発性水銀を捕捉除去するために、粉末活性炭を消石灰と一緒に吹き込む場合には、粉末活性炭は消石灰と一緒に選別、回収され、リサイクル使用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、飛灰に含まれている過剰の消石灰が飛灰の無害化処理と金属回収処理を難しくしている点に着目して鋭意に研鑽を重ねた結果、湿式比重選鉱法によって消石灰を飛灰から選別できること、及び飛灰からPb、Zn、Cuをアルカリ浸出できることなどの知見を見い出してなされたものである。
次に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明によるアルカリ性飛灰からの消石灰を分離する処理について述べる。前記飛灰は、水スラリーに調合して湿式比重選鉱することにより、消石灰等の水酸化物が主体の上層スラリーと、シリカ、アルミナや酸化鉄等の酸化物が主体の下層スラリー(飛灰スラリー)とに選別する。
【0007】
前記湿式比重選鉱法は水酸化物の消石灰と、酸化物を主体とする飛灰との比重差及び粒径差を利用したものである。具体的な方法としては例えば、予め調合した飛灰スラリーに水を注入し、前記酸化物の粒子が沈降していて消石灰粒子が浮遊している状態となるように、緩やかに攪拌しながら上層スラリーをデカンテーションする方法や、湿式サイクロン分級法を用いることができる。なお、湿式比重選鉱工程の前に、飛灰を水スラリーに調合する工程を設ける目的は、飛灰中水溶解性塩分(CaCl2 、NaCl等)を水洗除去し、また、互いに凝結状態になった消石灰粒子と酸化物粒子とを単体分離することである。
湿式比重選鉱工程において用いる装置としては例えば、1段のシックナー又は向流方式の多段、好ましくは3段のシックナーを用いることができる。
【0008】
次に、湿式比重選鉱工程から得られた上層スラリーからの重金属の分離処理について述べる。
前記水酸化物主体の上層スラリーには、飛灰中の重金属の大部分が含有されているから、該スラリーを固液分離した固形分に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、該固形分に含有されているPb、Zn、CuをpH12.5以上のアルカリ性条件で液相中に浸出して分離する。このアルカリ浸出反応は次式(1)〜(3)による。
Pb(OH)2 +NaOH → NaHPbO2 +H2 O (1)
Zn(OH)2 +NaOH → NaHZnO2 +H2 O (2)
Cu(OH)2 +NaOH → NaHCuO2 +H2 O (3)
【0009】
また、前記のアルカリによる重金属の浸出処理は、飛灰にも適用できる。
即ち、飛灰に水を添加して、飛灰中の水溶解性塩分を水洗除去した後、該飛灰にそのまま水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加えてpH12.5以上のアルカリ性とすることにより、飛灰中のPb、Zn及びCuは液相中に浸出され、液相を分離することにより、重金属分を含まない飛灰が回収できる。そして、この飛灰も、重金属分をほとんど含有しないため、建設材料として利用することができる。
前記のアルカリ浸出により重金属分を除去した水酸化物主体の上層スラリーの固形分は、乾燥、粉砕して排ガス処理におけるアルカリ剤として再利用することができる。
【0010】
また、分離したアルカリ浸出液には、硫化剤を加えて、液中のPb、Zn、Cuを硫化物として沈殿させて回収する。その反応は、次式(4)〜(6)による。
NaHPbO2 +NaHS → PbS↓+2NaOH (4)
NaHZnO2 +NaHS → ZnS↓+2NaOH (5)
NaHCuO2 +NaHS → CuS↓+2NaOH (6)
なお、硫化後液は、鉱酸で中和処理した後に排水することもできるが、硫化反応に伴って水酸化ナトリウムが再生されるので、アルカリ浸出液としてリサイクル使用することが望ましい。
一方、湿式比重選鉱工程で上層のスラリーを分離して得られた下層の飛灰スラリーは、固液分離し、砂状の固形物を建築材料として利用するか、又は一般廃棄物として埋め立て処分するか、又は溶融炉に戻して再溶融することもできる。
また、前記の処理でスラリーから固形分を分離したろ液、又は飛灰を水洗処理した水洗液は、硫化反応工程に導入し、Pb、Znを硫化物として回収する。硫化後液は中和処理して排水することができる。
図1及び図2に本発明のアルカリ飛灰の処理方法のフローシートを示す。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
本発明により処理する処理対象飛灰として、都市ゴミの焼却処理において発生したアルカリ性飛灰を用い、図1のフローに従って試験を行った。各工程の実験条件及び結果が下記の通りである。
飛灰1.0kgに水5リットルを加えて30分間攪拌した後に、上層部をデカンテーションした。ついで、新たに水5リットルを加えてデカンテーションし、この操作を2回繰り返した(スラリー調合後のデカンテーションと合わせると3回のデカンテーションとなる)。ついで、上層スラリーと下層スラリーをそれぞれろ過、固形分を105℃で乾燥して重量を測った。
【0012】
下層固形分、即ち処理後の飛灰分を成分分析、アルカリ度測定とPb溶出試験に供し、一方、上層固形分を成分分析、アルカリ度測定とPb溶出試験と次のアルカリ浸出工程に供した。ここで、固形分のアルカリ度は、対象固形分5gに純水50mlを加えたスラリーのpHをpH7.0にまで中和した時の1N塩酸消費量(ml)である。処理後飛灰の溶出試験は、環境庁告示13号に準じて行った。表1に重量、Pb溶出量、アルカリ度及び化学成分分析結果を示し、アルカリ度測定における各固形分の酸中和曲線を図3に示す。
前記スラリーのろ液に、理論当量の1.2倍量の水硫化ソーダを加えた所、上澄み液のPb、Zn、Cu残留濃度がいずれも0.1mg/リットル以下となった。
【0013】
湿式比重選鉱の結果、表1に見られるように、飛灰が3分の1(原飛灰1000gに対し、処理飛灰296g)に減量化し、Pbの溶出も0.3mg/リットルの埋立基準値を下回り無害化した。また、表1及び図3から分かるように、94%の消石灰分が上層固形分に移行していた。
続くアルカリ浸出工程では、上層固形分を5重量%スラリーに調整し、pH13.5、温度40℃の一定として1時間攪拌し、反応せしめた。アルカリ剤として水酸化ナトリウムを用いた。アルカリ浸出の結果、Pb、Zn、Cuの浸出率がそれぞれ96%、84%、47%に達した。
ついで、スラリーをろ過し、浸出残さを乾燥して成分分析に供し、分析結果を表1に示した。ろ液には理論当量の1.0倍量の水硫化ソーダを加え、ろ液中のPb、Zn、Cuを硫化物として沈殿させて回収した。また、生成した硫化物の沈降性が良好であった。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)飛灰を減容すると同時に、無害化することができる。
(2)選別された消石灰が再利用できる。
(3)飛灰に含まれたPb、Zn、Cuが硫化物の形で回収できる。
(4)飛灰中の水溶性塩分を水洗除去し、重金属をアルカリ浸出することにより、飛灰を有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルカリ性飛灰処理方法の一例を示すフローシート。
【図2】本発明によるアルカリ性飛灰処理方法の他の例を示すフローシート。
【図3】実施例1の原飛灰、処理飛灰及び上層固形分の酸中和曲線を示すグラフ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛灰の処理方法に係り、特に、都市ゴミやシュレッダーダスト等の固形廃棄物を焼却する際、及び焼却灰や焼却飛灰を溶融する際に発生するアルカリ性飛灰を減容化及び/又は無害化と資源化処理する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固形廃棄物の焼却減容化処理又は焼却灰や飛灰の溶融減容化処理において、飛灰と共に塩化水素等の酸性ガスが発生する。該酸性ガスの処理には紛状の消石灰を吹き込む、いわゆる乾式処理法が広く用いられている。この場合、バッグフィルターにてアルカリ性飛灰が回収される。アルカリ性飛灰は特別管理一般廃棄物に指定されており、その埋め立て処分には無害化のための重金属安定化処理が必要である。しかし、アルカリ性飛灰の重金属安定化処理はコストが高く、また、埋め立て処分場の確保が益々困難となっている問題がある。
そうした状況の中で、飛灰の減容化、無害化と資源化を目的とする処理技術の開発が盛んに行われている。例えば、飛灰を酸浸出することにより重金属を回収する方法がある。しかしながら、アルカリ性飛灰に消石灰や酸化マグネシウム等、塩基性物質が多く含まれているため、従来の酸浸出法を該飛灰に適用した場合に、大量の鉱酸が必要で、処理コストが高く、また装置の腐食など問題が多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題を解決し、経済的にアルカリ性飛灰を減容化及び/又は無害化処理すると共に、資源化することができるアルカリ性飛灰の処理方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、アルカリ性飛灰を減容化及び無害化する処理方法において、該飛灰に水を添加して水スラリーを調合し、調合した水スラリーを湿式比重選鉱することにより、粒径が数μmと細かくて、比重の軽い消石灰が主体の上層スラリーを飛灰から選別することを特徴とするアルカリ性飛灰の処理方法としたものである。
前記処理方法で選別した上層スラリーは、固液分離し、分離した固形分に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、pH12.5以上のアルカリ性として、含有されているPb、Zn及びCuを液相中に浸出し、分離することができる。
また、本発明では、アルカリ性飛灰を無害化処理する方法において、特に消石灰の含有量が少ない飛灰に対して、該飛灰に水を添加し、飛灰中の水溶解性塩分を水洗後に固液分離して除去し、得られる飛灰に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、pH12.5以上のアルカリ性として、含有されているPb、Zn及びCuを液相中に浸出し、分離するアルカリ性飛灰の処理方法としたものである。
【0005】
前記方法において、分離したアルカリ浸出液は、硫化剤を添加して、液中のPb、Zn及びCuを硫化物として沈殿させて、回収することができる。硫化剤としてNaS又はNa2 Sを用いた場合においては、硫化反応に伴ってNaOHが生成するから、これをアルカリ浸出に再利用することができる。
また、前記の上層スラリーからアルカリ浸出液を分離して得た固形分は、乾燥後、粉砕して排ガス処理用のアルカリ剤として再利用することができ、さらに、飛灰から上層スラリーを選別分離した後の固形分又は飛灰を水洗後、直接アルカリ浸出後の固形分は、水洗・乾燥して建設材料として用いることができる。
さらに、排ガス中のダイオキシン、フラン及び揮発性水銀を捕捉除去するために、粉末活性炭を消石灰と一緒に吹き込む場合には、粉末活性炭は消石灰と一緒に選別、回収され、リサイクル使用できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、飛灰に含まれている過剰の消石灰が飛灰の無害化処理と金属回収処理を難しくしている点に着目して鋭意に研鑽を重ねた結果、湿式比重選鉱法によって消石灰を飛灰から選別できること、及び飛灰からPb、Zn、Cuをアルカリ浸出できることなどの知見を見い出してなされたものである。
次に、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明によるアルカリ性飛灰からの消石灰を分離する処理について述べる。前記飛灰は、水スラリーに調合して湿式比重選鉱することにより、消石灰等の水酸化物が主体の上層スラリーと、シリカ、アルミナや酸化鉄等の酸化物が主体の下層スラリー(飛灰スラリー)とに選別する。
【0007】
前記湿式比重選鉱法は水酸化物の消石灰と、酸化物を主体とする飛灰との比重差及び粒径差を利用したものである。具体的な方法としては例えば、予め調合した飛灰スラリーに水を注入し、前記酸化物の粒子が沈降していて消石灰粒子が浮遊している状態となるように、緩やかに攪拌しながら上層スラリーをデカンテーションする方法や、湿式サイクロン分級法を用いることができる。なお、湿式比重選鉱工程の前に、飛灰を水スラリーに調合する工程を設ける目的は、飛灰中水溶解性塩分(CaCl2 、NaCl等)を水洗除去し、また、互いに凝結状態になった消石灰粒子と酸化物粒子とを単体分離することである。
湿式比重選鉱工程において用いる装置としては例えば、1段のシックナー又は向流方式の多段、好ましくは3段のシックナーを用いることができる。
【0008】
次に、湿式比重選鉱工程から得られた上層スラリーからの重金属の分離処理について述べる。
前記水酸化物主体の上層スラリーには、飛灰中の重金属の大部分が含有されているから、該スラリーを固液分離した固形分に、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、該固形分に含有されているPb、Zn、CuをpH12.5以上のアルカリ性条件で液相中に浸出して分離する。このアルカリ浸出反応は次式(1)〜(3)による。
Pb(OH)2 +NaOH → NaHPbO2 +H2 O (1)
Zn(OH)2 +NaOH → NaHZnO2 +H2 O (2)
Cu(OH)2 +NaOH → NaHCuO2 +H2 O (3)
【0009】
また、前記のアルカリによる重金属の浸出処理は、飛灰にも適用できる。
即ち、飛灰に水を添加して、飛灰中の水溶解性塩分を水洗除去した後、該飛灰にそのまま水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加えてpH12.5以上のアルカリ性とすることにより、飛灰中のPb、Zn及びCuは液相中に浸出され、液相を分離することにより、重金属分を含まない飛灰が回収できる。そして、この飛灰も、重金属分をほとんど含有しないため、建設材料として利用することができる。
前記のアルカリ浸出により重金属分を除去した水酸化物主体の上層スラリーの固形分は、乾燥、粉砕して排ガス処理におけるアルカリ剤として再利用することができる。
【0010】
また、分離したアルカリ浸出液には、硫化剤を加えて、液中のPb、Zn、Cuを硫化物として沈殿させて回収する。その反応は、次式(4)〜(6)による。
NaHPbO2 +NaHS → PbS↓+2NaOH (4)
NaHZnO2 +NaHS → ZnS↓+2NaOH (5)
NaHCuO2 +NaHS → CuS↓+2NaOH (6)
なお、硫化後液は、鉱酸で中和処理した後に排水することもできるが、硫化反応に伴って水酸化ナトリウムが再生されるので、アルカリ浸出液としてリサイクル使用することが望ましい。
一方、湿式比重選鉱工程で上層のスラリーを分離して得られた下層の飛灰スラリーは、固液分離し、砂状の固形物を建築材料として利用するか、又は一般廃棄物として埋め立て処分するか、又は溶融炉に戻して再溶融することもできる。
また、前記の処理でスラリーから固形分を分離したろ液、又は飛灰を水洗処理した水洗液は、硫化反応工程に導入し、Pb、Znを硫化物として回収する。硫化後液は中和処理して排水することができる。
図1及び図2に本発明のアルカリ飛灰の処理方法のフローシートを示す。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
実施例1
本発明により処理する処理対象飛灰として、都市ゴミの焼却処理において発生したアルカリ性飛灰を用い、図1のフローに従って試験を行った。各工程の実験条件及び結果が下記の通りである。
飛灰1.0kgに水5リットルを加えて30分間攪拌した後に、上層部をデカンテーションした。ついで、新たに水5リットルを加えてデカンテーションし、この操作を2回繰り返した(スラリー調合後のデカンテーションと合わせると3回のデカンテーションとなる)。ついで、上層スラリーと下層スラリーをそれぞれろ過、固形分を105℃で乾燥して重量を測った。
【0012】
下層固形分、即ち処理後の飛灰分を成分分析、アルカリ度測定とPb溶出試験に供し、一方、上層固形分を成分分析、アルカリ度測定とPb溶出試験と次のアルカリ浸出工程に供した。ここで、固形分のアルカリ度は、対象固形分5gに純水50mlを加えたスラリーのpHをpH7.0にまで中和した時の1N塩酸消費量(ml)である。処理後飛灰の溶出試験は、環境庁告示13号に準じて行った。表1に重量、Pb溶出量、アルカリ度及び化学成分分析結果を示し、アルカリ度測定における各固形分の酸中和曲線を図3に示す。
前記スラリーのろ液に、理論当量の1.2倍量の水硫化ソーダを加えた所、上澄み液のPb、Zn、Cu残留濃度がいずれも0.1mg/リットル以下となった。
【0013】
湿式比重選鉱の結果、表1に見られるように、飛灰が3分の1(原飛灰1000gに対し、処理飛灰296g)に減量化し、Pbの溶出も0.3mg/リットルの埋立基準値を下回り無害化した。また、表1及び図3から分かるように、94%の消石灰分が上層固形分に移行していた。
続くアルカリ浸出工程では、上層固形分を5重量%スラリーに調整し、pH13.5、温度40℃の一定として1時間攪拌し、反応せしめた。アルカリ剤として水酸化ナトリウムを用いた。アルカリ浸出の結果、Pb、Zn、Cuの浸出率がそれぞれ96%、84%、47%に達した。
ついで、スラリーをろ過し、浸出残さを乾燥して成分分析に供し、分析結果を表1に示した。ろ液には理論当量の1.0倍量の水硫化ソーダを加え、ろ液中のPb、Zn、Cuを硫化物として沈殿させて回収した。また、生成した硫化物の沈降性が良好であった。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)飛灰を減容すると同時に、無害化することができる。
(2)選別された消石灰が再利用できる。
(3)飛灰に含まれたPb、Zn、Cuが硫化物の形で回収できる。
(4)飛灰中の水溶性塩分を水洗除去し、重金属をアルカリ浸出することにより、飛灰を有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアルカリ性飛灰処理方法の一例を示すフローシート。
【図2】本発明によるアルカリ性飛灰処理方法の他の例を示すフローシート。
【図3】実施例1の原飛灰、処理飛灰及び上層固形分の酸中和曲線を示すグラフ。
Claims (5)
- アルカリ性飛灰を減容化及び無害化する処理方法において、該飛灰に水を添加して水スラリーを調合し、調合した水スラリーを湿式比重選鉱することにより、粒径が細かくて、比重の軽い消石灰が主体の上層スラリーを飛灰から選別することを特徴とするアルカリ性飛灰の処理方法。
- 前記選別した上層スラリーは、固液分離し、分離した固形分に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、pH12.5以上のアルカリ性として、含有されているPb、Zn及びCuを液相中に浸出し、分離することを特徴とする請求項1に記載のアルカリ性飛灰の処理方法。
- アルカリ性飛灰を無害化処理する方法において、該飛灰に水を添加し、飛灰中の水溶解性塩分を水洗後に固液分離して除去し、得られる飛灰に水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの水溶液を加え、pH12.5以上のアルカリ性として、含有されているPb、Zn及びCuを液相中に浸出し、分離することを特徴とするアルカリ性飛灰の処理方法。
- 前記分離したアルカリ浸出液は、硫化剤を添加して、液中のPb、Zn及びCuを硫化物として沈殿させて、回収することを特徴とする請求項2又は3記載のアルカリ性飛灰の処理方法。
- 前記アルカリ浸出液を分離した固形分は、乾燥後、粉砕して排ガス処理に再利用することを特徴とする請求項2に記載のアルカリ性飛灰の処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17717096A JP3640274B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | アルカリ性飛灰の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17717096A JP3640274B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | アルカリ性飛灰の処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH105736A JPH105736A (ja) | 1998-01-13 |
| JP3640274B2 true JP3640274B2 (ja) | 2005-04-20 |
Family
ID=16026417
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17717096A Expired - Fee Related JP3640274B2 (ja) | 1996-06-19 | 1996-06-19 | アルカリ性飛灰の処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3640274B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CA2282884A1 (fr) * | 1999-09-21 | 2001-03-21 | Christine Sauvageau | Methode de decontamination de residus d'incineration |
| JP4549579B2 (ja) * | 2001-06-21 | 2010-09-22 | 太平洋セメント株式会社 | 塩素分および鉛分の含有量が高い廃棄物の処理方法 |
| JP4351930B2 (ja) * | 2004-02-26 | 2009-10-28 | 西松建設株式会社 | 汚染土壌の洗浄方法 |
| JP2006255501A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | 飛灰の重金属類除去方法 |
| JP2009131792A (ja) * | 2007-11-30 | 2009-06-18 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | フライアッシュバルーン回収方法及びシステム |
| JP5025537B2 (ja) * | 2008-03-21 | 2012-09-12 | 太平洋セメント株式会社 | カルシウム成分及び鉛成分を含有する微粉末の処理方法 |
| CN104495892B (zh) * | 2014-12-06 | 2015-12-02 | 中国铝业股份有限公司 | 一种α-氧化铝微粉除硅方法 |
| CN117816704B (zh) * | 2022-10-01 | 2025-08-19 | 北京融合环保有限公司 | 一种脱除镁法脱硫副产物中水溶性盐的工艺方法 |
-
1996
- 1996-06-19 JP JP17717096A patent/JP3640274B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH105736A (ja) | 1998-01-13 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| JP2792444B2 (ja) | 飛灰からの重金属類の回収方法 | |
| JPH08323321A (ja) | 飛灰の処理方法 | |
| JP3640274B2 (ja) | アルカリ性飛灰の処理方法 | |
| JP2006015190A (ja) | 飛灰の処理方法 | |
| JP2004033893A (ja) | 廃棄物の再資源化処理方法 | |
| JP2003236497A (ja) | 廃棄物の処理方法 | |
| JP2003225633A (ja) | 塩化物含有ダストの処理方法 | |
| JPH07214029A (ja) | 焼却灰または飛灰の無害化処理による重金属のリサイクル方法 | |
| JP3773467B2 (ja) | カルシウム及び重金属を含む物質の処理方法 | |
| JP2002011429A (ja) | 廃棄物中の重金属処理方法 | |
| JP3276074B2 (ja) | 焼却炉からの飛灰の処理方法 | |
| JPH10109077A (ja) | 溶融飛灰から重金属を回収する方法 | |
| JP5084272B2 (ja) | 亜鉛を含む重金属類及び塩素を含有する物質の処理方法 | |
| JP4299577B2 (ja) | セメントキルン抽気ガス処理方法 | |
| JPH10204548A (ja) | 溶融飛灰から重金属を回収する方法 | |
| JP3896442B2 (ja) | 重金属を含有する飛灰の処理方法 | |
| JP4277108B2 (ja) | 飛灰からの重金属回収方法 | |
| JP3794260B2 (ja) | 廃棄物の処理方法 | |
| JPS6113856B2 (ja) | ||
| JP4579178B2 (ja) | セメント製造工程からの重金属類の除去・回収方法 | |
| JP4026167B2 (ja) | 廃棄物脱水ケーキの処理方法 | |
| RU2407814C2 (ru) | Способ экстрагирования металла из минеральной руды, содержащей упорную руду в безрудной породе, и установка для осуществления указанного способа | |
| JP3646244B2 (ja) | 重金属を含有する飛灰の処理方法 | |
| JP3564625B2 (ja) | 排ガス中の媒塵の処理方法 | |
| RU2737115C1 (ru) | Способ обработки железосодержащего шлама |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050113 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050113 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |
