JP3637397B2 - 高周波反応処理装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は大容量の処理領域負荷に対して効率よく大電力の高周波を多大な反射波を発生することなく導入し、被処理材料を高周波励起による電磁波処理反応を行うことを特徴とする高周波反応処理装置に関する。
背景技術
従来の高周波反応処理装置は、高周波終端負荷端面が空洞共振導波管の端面を形成しその負荷と直交する断面が終端となっている。
たとえば、特開平8−236298号公報に記載された装置は、導電性の材料からなる円筒容器内に高周波線路側円筒容器端面からおおよそ高周波波長のn/2倍の管軸方向位置に、円筒容器管軸に直交しかつ高周波線路方向側に円板状の高周波透過部材を設けている。そして、高周波透過部材の高周波線路方向と反対側の領域を反応処理用減圧雰囲気として高周波線路から導入されるマイクロ波帯高周波により減圧雰囲気領域に高周波プラズマ気体放電を得ている(図1)。この装置は高周波共振回路技術における円筒空洞共振技術を利用しており、エネルギー効率をあげて高密度なプラズマを得ることが可能となっている。
また、従来の高周波反応処理装置には、導波管線路からの高周波を誘電体線路に導入して誘電体線路内に高周波を広く伝播させることにより大きな面積の電場を誘電体線路の下側に形成し、これにより投影されるプラズマ形成領域の面積を大きくしているものもある。
たとえば、特開昭62−5600号公報ならびに特開昭62−99481号公報に記載された装置は、導波管線路内の反応処理用減圧円筒容器の管軸に直交する端面側に平行に設けた誘電体線路を経由して誘電体線路の下側に所定間隔で対向配置された円筒容器管軸に直交した板状の透過窓を介して、マイクロ波帯高周波を導波管線路から減圧円筒反応室に導入し、反応処理用減圧円筒容器内で高周波プラズマ気体放電を得ている(図2)。この装置では誘電体線路により広げられた高周波電界からの誘電体線路下方側への漏れ電界を高周波透過窓から反応処理円筒容器部に透過することにより反応処理円筒容器の径方向に均一な面積の大きなプラズマを得ることができる。
また、従来の高周波反応処理装置においては、マイクロ波帯が出力の規定されたマグネトロン発振によるものであるために複数の発振部をもつマイクロ波帯立体回路を負荷に接続し、装置の大電力化を行う方式を採用しているものもある。
たとえば、マイクロ波帯高周波利用において大電力を負荷に導入する手法として、複数の高周波発振部ならびに導波管高周波立体回路を同一の負荷に接続する電力分割複数伝送路電力投入技術がある。単一伝送路から大電力を投入することも不可能ではないが、市場では入手の難しい大電力マグネトロンならびに特殊電源が必要となり実用的ではなく、当該技術はマイクロ波乾燥機等の分野において有効な手段として一般的に用いられている。(柴田長吉郎著「工業用マイクロ波応用技術」電気書院1993年)
また、従来の高周波反応処理装置では、一般的に高周波発振部から負荷への電力移送に関するインピーダンス整合および負荷からの反射波への対策のための技術を採用している。このような装置では、高周波線路において、結合部および負荷からの反射波の影響で高周波発振部方向に発生した反射波の反射成分を吸収するために、アイソレーターおよびインピーダンス整合器を挿入して高周波発振部に反射波が戻らないような構成が組まれている。
たとえば、高周波発振部から負荷への電力移送に関するインピーダンス整合および負荷からの反射波への対策のための技術として、高周波線路において、結合部および負荷からの反射波の影響で高周波発振部方向に発生した反射波の反射成分を吸収するために、アイソレーターおよびインピーダンス整合器を挿入して高周波発振部に反射波が戻らないような構成が組まれている(図3、柴田長吉郎著「工業用マイクロ波応用技術」電気書院1993年)。このような構成は、導波管高周波立体回路の標準としてほとんどのマイクロ波帯高周波反応処理装置に使用されている。
また、従来の高周波反応処理装置の中の高周波プラズマ装置においては、高周波発振部方向への負荷からの反射波を受けず、アイソレーターならびにインピーダンス整合器を除外して導波管高周波立体回路を簡略化かつ低コスト化し、かつ損失のない伝送路を実現する手法として、電離気体プラズマ自体が誘電体特性を有し、かつ可変インピーダンスであることを応用利用し、プラズマ負荷を高周波発振部からの電磁波の全位相波を吸収するものもある。
たとえば、高周波発振部方向への負荷からの反射波を受けず、アイソレーターならびにインピーダンス整合器を除外して導波管高周波立体回路を簡略化かつ低コスト化し、かつ損失のない伝送路を実現する手法として、本願出願人は、電離気体プラズマ自体が誘電体特性をもち、かつ可変インピーダンスであることを応用利用し、プラズマ負荷を高周波発振部からの電磁波の全位相波を吸収できる処理装置を特願2000−559714(国際出願番号 PCT/JP99/03650)において提案している。この装置は、プラズマ放電開始時を含めた負荷インピーダンスの大きな変動にも対応でき、高周波線路を極力短縮することが可能で、プラズマの安定放電を実現している。
また、従来の高周波反応処理装置には、電子レンジに代表される多重モード空洞共振器を用いたマイクロ波加熱装置がある(図4)。
この装置では回転ステラファンにより電磁波の拡散あるいは、被加熱体をターンテーブル上で回転することによって被加熱体を均一に加熱する。
また、従来の高周波反応処理装置には、セラミック焼結等に用いられる単一モード共振器を用いたマイクロ波加熱装置がある(図5)。
低誘電体損の材料を加熱する場合、多重モード共振器の装置では空洞内電界が比較的均一にはなるものの入力エネルギーが各モードに分散されるため加熱が困難になるが、この装置は、電界最大点に被処理材料を置き、入力エネルギーを集中し処理をしており、高温焼結等に利用される。
また、従来の高周波反応処理装置には、導波管線路からの高周波を誘電体線路に導入して誘電体線路内に高周波を広く伝播させることにより大きな面積の電場を誘電体線路の下側に形成し、処理材料を一度均一加熱板上に設置して処理を行い、処理材料での均一処理を達成しているものもある。
たとえば、特開2000−150136号公報に記載された装置は、マイクロ波を誘電体に照射して表面波を形成し加熱板を介して処理物を加熱している(図6)。この装置では大面積の被加熱体を均一に加熱することができる。
また、従来の高周波反応処理装置には、無反射終端形状負荷構造によって、小型かつ低コストで、反射定在波の発生がなく、高効率に導入エネルギーを負荷に投入できる液体加熱装置がある。
たとえば、特願平10−333329において本出願人により提案されている装置は、無反射終端型ブロックを液体加熱部のマイクロ波進行方向に対して、反対側に接触または近接設置している(図7)。この装置は、高周波発振部方向への負荷からの反射波を受けず、アイソレーターならびにインピーダンス整合器を除外し、導波管高周波立体回路を簡略化かつ低コスト化し、反射波の無い高効率の液体加熱を実現している。
発明の開示
本発明の目的は、大容量の高周波プラズマ生成に不可欠な装置の大電力化,プラズマの高均一化,高効率化ができかつ低コストであることを同時に満足する高周波反応処理装置を提供することにある。
本発明が解決しようとする課題は、マイクロ波帯域の高い高周波を用い、高周波結合部からの反射のない無反射状態を実現することにより導波管立体回路内から反射波対策機構部品であるアイソレーターならびに整合器を除外して、高周波結合部ならびにプラズマ負荷構造によって高周波結合部以降の負荷が無反射終端回路と等価の構造とすることである。
図8に示す従来技術は、電離気体プラズマ放電装置のような可変インピーダンス負荷への電力移送を行うためのインピーダンス整合および反射波対策に関する標準的な方式を採用している。図8は、この技術に係る装置におけるマイクロ波進行波と反射波の状態ならびにアイソレーターとインピーダンス整合器の機能を示している。本構成を集中定数等価回路で示したものが図9である。また、図10は、図9からプラズマ境界面を高周波終端面と考えた図であり、アイソレーターを除外した場合の等価回路図であり、図11は図10においてプラズマ発生がない状態の等価回路図である。
プラズマ負荷部において、プラズマ生成の無い状態からプラズマを発生させるためには回路終端に電離ガスが初期乖離するだけの高電圧を必要とする。高周波回路においては高電圧を得るために直列共振回路を用いることが有利であるが本回路構成では図11に示されているように終端において共振を行うためには整合器回路内の可変LあるいはCを変動させて共振点を得なければならないことを本発明者は見出した。また、共振を起こすまでの調整期間中は、発振部に反射波が帰還することを示していてアイソレーター回路の必然性を示している。
さらに、図10に示すように、プラズマ負荷生成後においては、逆L型インピーダンス整合回路が形成されているが可変インピーダンスであるプラズマ負荷においてインピーダンス変化が起こった場合には、常時追随できるような自動機能整合回路が必要であることを本発明者は見出した。
すなわち、従来技術のような構成において信頼性のある装置を実用化するには、アイソレーターと自動追随機能整合器を導波管伝送路に必要とする。この場合、伝送線路であるマイクロ波帯立体回路の物理的サイズが増加する。大幅なコスト上昇の問題があり、マイクロ波帯利用の阻害要因である。特に電力分割複数伝送路電力投入方法の従来技術を用いる場合には装置サイズは肥大化する。
従来のマイクロ波電離気体プラズマ放電装置で、インピーダンス整合および反射波対策に関する標準的な方式の従来技術と電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対し高周波電力を導入し大電力化をおこなう場合での高周波進行波と反射波の状態ならびにこれに作用するマイクロ波立体回路の各部の機能を図12に示す。本構成を集中定数等価回路で示したものが図13である。図14はプラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示したものである。
図12に示すように、整合器とプラズマ負荷間全体の領域26は個別な2つの高周波伝送路により共有されていて図14の回路図で示しているように電離プラズマ生成によって両側の回路は連動し、各々の整合器動作によってインピーダンス整合に関し相互干渉することとなる。これにより、生成プラズマの変動が発生し、プラズマ負荷部での電界不均一等の不安定性が増大することを本発明者は見出した。また、図8に示す技術の検討から、プラズマ負荷自体を高周波発振部からの電磁波の全位相波を吸収できる無反射終端構造で形成する必要があることを本発明者は見出した。さらに本技術では、大容積プラズマ生成に必要な高周波結合部における電場の拡大に対応するためのプラズマ負荷形状を形成するには構造的限界を生じ、高周波結合部において発生する反射波の問題を回避できないことを本発明者は見出した。
本発明に係る高周波反応処理装置は、誘電性材料で構成され、2つの端面により内腔を閉鎖することができる外容器と、誘電性材料で構成され、前記外容器の内側面に接さず、高周波結合部を通して飛来する高周波を受ける位置に設けられ、2つの端面により内腔を閉鎖することができる1又は2以上の内容器と、前記外容器の外面の任意の位置に設けられた1又は2以上の高周波結合部と、導電性材料で構成され、前記外容器の外面で前記高周波結合部が設けられた部分以外を被覆し、高周波線路接地電位と同電位に保たれた被覆部と、を備え、前記内容器の内腔において反応処理を行うことを特徴としている。
このように、本発明に係る高周波反応処理装置においては、誘電体により形成された外容器と、その内側に誘電体により形成されている内容器が配置されて、外容器の外面には高周波結合部が設けられ、それ以外の外面部分には接地電位に保たれた導電体の被覆部が設けられている。
これにより、外容器の容器外側の高周波結合部以外の部分は導入高周波接地電位となるよう導体被覆されているため、内容器内側の反応処理領域において多数の強電界点を持たせることができる。
また、高周波結合部を筒状側面あるいは球状側面に設けて高周波伝播線路がループ状に帰還するように、筒状あるいは球状の誘電体容器により線路が形成されるため、線路面積の大きな無限長誘電体線路を構成し、高周波導波管線路より電磁波を無限長誘電体線路方向に伝播させることができる。
これにより、無限長誘電体線路を実現することができ、複数の高周波結合部を同一誘電体線路に導入するに際し、各々の高周波結合部導入位置を調整することにより、各々の導入される高周波の相互干渉を抑制でき、同一線路内にて共振を増幅することが可能となる。その結果、共振状態によっては系全体の反射係数を減じることが可能となる。
また、複数の高周波結合部から同一負荷に電力を投入する電力分割複数伝送路電力投入によって任意に投入電力を増加できる構造としているため、大電力を投入することが可能になる。
また、導波管線路からの高周波を誘電体線路に導入して誘電体線路内に高周波を広く伝播させているため、均一で大きな電界面を誘電体線路の内側の内容器内側の反応処理領域に発生させることができ、大容積であって高均一に電力を投入できる高周波反応装置を実現できる。
また、高周波反応装置がプラズマ装置の場合においては、投入電力の増加によって内容器内側の電離気体プラズマの電子密度が上昇するにつれて電離気体プラズマの境界面は導体と同様の性質を増し、ループ上に帰還している無限長誘電体線路と電離気体プラズマ境界面とで閉鎖される領域において電磁波が反射伝播するため、電磁波伝播面積が増加して大面積に対して電界を生成することが可能となる。
また、プラズマ負荷部においてプラズマ生成の無い状態からプラズマを発生させるには、回路終端に電離ガスが乖離するだけの高電圧を必要とするが、上記のような構成をとることにより、終端側に共振回路が構成されていて高電圧が発生しプラズマの着火が容易となる。また、高周波結合部および誘電線路によって結合回路型整合器と等価の回路が構成されているため、負荷回路が発振部領域から分離されていることにより負荷変動に対して安定した回路を実現することができる。その結果、電力の投入から反射波の発振部への帰還に強く、かつ電力の負荷への投入を多くすることができる回路構成を実現できる。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の円筒共振型磁場付加方式のマイクロ波放電装置の放電部概略断面図および構成図である。
図2は、従来の有限長誘電体線路表面波方式のマイクロ波放電装置の放電部概略断面図および構成図である。
図3は、従来のH面貫通型チューブアプリケーター方式のマイクロ波放電装置の放電部概略断面図および構成図である。
図4は、従来の多重モード空洞共振型のマイクロ波加熱反応装置の概略断面図および構成図である。
図5は、従来の単一モード共振型のマイクロ波焼結反応装置の概略断面図および構成図である。
図6は、従来の有限長誘電体線路表面波方式におけるマイクロ波加熱反応装置の概略断面図および構成図である。
図7は、従来の無反射型のマイクロ波液体加熱反応装置の概略断面図および構成図である。
図8は、従来のH面貫通型チューブアプリケーター方式のマイクロ波放電装置におけるマイクロ波進行波と反射波の状態並びにアイソレーターとインピーダンス整合器の機能を示した図である。
図9は、従来のマイクロ波放電装置におけるマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路で示した図である。
図10は、従来のマイクロ波放電装置におけるマイクロ波伝送立体回路構成の集中定数等価回路においてプラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合でかつアイソレーターを除外した場合の等価回路を示した図である。
図11は、従来のマイクロ波放電装置におけるマイクロ波伝送立体回路構成の集中定数等価回路においてプラズマ放電がない場合でかつアイソレーターを除外した場合の等価回路を示した図である。
図12は、従来のマイクロ波放電装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合の高周波進行波と反射波の状態並びにこれに作用するマイクロ波立体回路の各部の機能を示した図である。
図13は、従来のマイクロ波放電装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合のマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路で示した図である。
図14は、従来のマイクロ波放電装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合のマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路におけるプラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示した図である。
図15は、本発明に係るマイクロ波反応処理装置構造を定義する3軸立体外形図の一例を示した図である。
図16は、本発明に係るマイクロ波反応処理装置構造を定義する3軸立体外形図(図15)の内部透視図を示した図である。
図17は、本発明の装置構造でのマイクロ波反応処理装置の概略断面図および構成図である。
図18は、本発明の装置構造におけるマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路で示した図である。
図19は、本発明の装置構造におけるマイクロ波伝送立体回路構成の集中定数等価回路において処理容器導体壁面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示した図である。
図20は、本発明のマイクロ波反応処理装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合のマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路で示した図である。
図21は、本発明のマイクロ波反応処理装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合のマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路における処理容器導体壁面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示した図である。
図22は、本発明に係る放電装置構造を定義する3軸立体外形図の一例を示した図である。
図23は、本発明に係る放電装置構造を定義する3軸立体外形図(図22)の内部透視図を示した図である。
図24は、本発明に係る放電装置構造を定義する3軸立体外形図の一例を示した図である。
図25は、本発明に係る放電装置構造を定義する3軸立体外形図(図24)の内部透視図を示した図である。
図26は、本発明の装置構造でのマイクロ波放電装置の放電部概略断面図および構成図である。
図27は、本発明の装置構造におけるマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路で示した図である。
図28は、本発明の装置構造におけるマイクロ波伝送立体回路構成の集中定数等価回路においてプラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示した図である。
図29は、本発明の装置構造におけるマイクロ波伝送立体回路構成の集中定数等価回路においてプラズマ放電がない場合の等価回路を示した図である。
図30は、一般的な高周波誘電体共振回路の等価回路を示した図である。
図31は、一般的な高周波結合回路型整合器回路の等価回路を示した図である。
図32は、本発明のマイクロ波放電装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合の高周波進行波と反射波の状態並びにこれに作用するマイクロ波立体回路の各部の機能を示した図である。
図33は、本発明のマイクロ波放電装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合のマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路で示した図である。
図34は、本発明のマイクロ波放電装置において電力分割複数伝送路電力投入方法を用いて2つの高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対しての高周波電力の導入による大電力化を行う場合のマイクロ波伝送立体回路構成を集中定数等価回路におけるプラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示した図である。
図35は、一般的な伝送線と結合した空洞共振器における高周波結合部の等価回路を示した図である。
図36は、本発明の第一実施例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図37は、本発明の第二実施例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図38は、本発明の第三実施例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図39は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図40は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図41は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図42は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図43は、図42に示す実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図44は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図45は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図46は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図47は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図48は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図49は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図50は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図51は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図52は、本発明の第一実施例の変形例での高周波電離気体プラズマ装置放電部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図53は、本発明の第四実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図54は、本発明の第五実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図55は、本発明の第六実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図56は、図42に示す変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図57は、本発明の第六実施例の変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図58は、本発明の第四実施例の変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図59は、本発明の第四実施例の変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図60は、本発明の第四実施例の変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図61は、本発明の第四実施例の変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図62は、本発明の装置構造でのマイクロ波反応処理装置の概略断面図および構成図である。
図63は、本発明の第七実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図64は、本発明の第八実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図65は、本発明の第九実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図66は、本発明の第十実施例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図67は、本発明の第十実施例の変形例での反応処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図68は、本発明の第十一実施例の廃水処理方法および処理システムを示す概略構成図である。
図69は、本発明の第十一実施例の変形例の廃水処理部構成の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図70は、本発明の第十一実施例の変形例の廃水処理方法および処理システムを示す概略構成図である。
図71は、本発明の第十一実施例の変形例の廃水処理方法および処理システムを示す概略構成図である。
発明を実施するための最良の形態
添付図面に従い、以下に本発明に係る実施の形態について説明する。
課題が解決されるための具体的な装置の構造について、添付図面に従い説明する。
均一で大きな電界面を処理領域に発生させるために、導波管線路からの高周波を誘電体線路に導入して誘電体線路内に高周波を広く伝播させることによって、大きな面積の電場を誘電体線路の下側に形成することは有効である。しかしながら、誘電体線路が終端をもつ有限長誘電体線路である限り線路終端からの反射により不確定な定在波が形成されるため、有限誘電体線路の形状、厚み等に工夫を生じかつ導波管線路において、アイソレーターおよびインピーダンス整合器回路の設置が必要となる。
さらに、大きな電力を導入するために複数の高周波結合部から同一負荷に電力を投入する電力割当複数伝送路電力投入を行おうとすると各々の線路における高周波結合部位置から負荷までの距離が均等でなく有限長線路終端からの反射定在波が異なることから各線路毎にインピーダンス変化に常時追随できる自動インピーダンス整合器による反射定在波を制御する必要が生じる。その結果、装置の構造が高価なものとなり、高周波伝送路が導波管を用いるために装置が大型化して装置設計上に制約を与える。また、伝送損失による装置の効率低下をもたらす。
本発明においては、誘電体線路を高周波伝播がループ状に帰還する線路とすることにより、等価回路上線路を無限長とし、誘電体線路に高周波を循環させる。また、帰還線路長自体を導入される電磁波の1/4波長の整数倍とすることによって、伝送線路共振を起こし、共振状態により反射係数を減じる。
線路共振を行うためには共振線路長は1/2波長の整数倍であれば条件は満足するが、導入されるモードがTMモードであるかTEモードであるかによって電界ピーク位置が1/4波長長さずれるために線路長を1/4波長の整数倍とする。
また、線路長が1/4波長の整数倍でありかつループ状に帰還していれば1/4波長インピーダンス変成器としても作動することから負荷側に並列あるいは直列リアクタンスが挿入されると整合器としても作動することになって発振回路への反射を低減することもできる。
また、複数の高周波結合部を同一誘電体線路に導入するに際し、上記のような無限長誘電体線路では各々の高周波結合部導入位置を調整することにより、導入される高周波の相互干渉を抑制でき、同一線路内にて共振を増幅することが可能である。その結果、共振状態によっては系全体の反射係数を減じることが可能となる。
線路面積の大きな無限長誘電体線路を構成するには誘電体による筒状あるいは球状の誘電体容器により線路を形成すれば実現できる。高周波結合部を筒状側面あるいは球状側面に設けて高周波伝播線路がループ状に帰還するように容器を構成すればよく、高周波導波管線路より無限長誘電体線路方向に電磁波が伝播するように高周波結合部を設ける構成とすればよい。
さらに、無限長誘電体線路において線路面の片側を導入高周波電力接地電位の導体で被覆し、接地電位側線路面の反対側において1/4波長の整数倍距離の位置に抵抗である処理領域を生成する。これにより、誘電体線路からの垂直方向に発生する漏洩電界の多数の強電界点がこの処理領域に発生し、負荷に対し効率の高い入力エネルギーの集中が行える。
さらに、負荷までの距離が無限長誘電体線路から1/4波長の整数倍であることから、この構成自体が漏洩電磁波の1/4波長インピーダンス変成型整合器としても作動して系全体の反射係数を減じることが可能となる。
また、無限長誘電体線路の全ての線路にわたって、上記のように接地電位側線路面の反対側において1/4波長の奇数倍距離の位置に抵抗である負荷領域を生成するような形状においては、伝送線路の共振としては並列共振回路特性と等価となる。この結果、系全体として大きな電流を負荷に投入でき、大電力の負荷投入が容易になり、負荷吸収効率が増加する。
また、導体の境界面を処理領域の内側に形成することにより、ループ上に帰還している無限長誘電体線路と導体面とで閉鎖される導体でない材料の処理領域において電磁波が反射伝播する。これにより、さらに電磁波伝播面積が増加して大面積に対して電界を生成することが可能となる。
以上のことから、以下のように装置を構成すれば上記の条件は満足される。すなわち装置は、誘電体による筒状あるいは球状の誘電体面線路を構成し、当該誘電体線路を無限線路と等価にするために高周波結合部を筒状側面あるいは球状側面に設けて高周波伝播線路がループ状に帰還する無限長誘電体線路を構成する。また、帰還長を少なくとも導入される高周波の1/4波長の整数倍とし、さらに、無限長誘電体線路である容器外側の高周波結合部以外の部分を導入高周波接地電位となるよう導体被覆する。また、導体面と無限長誘電体線路の境界面から導入される高周波波長の1/4波長長さを隔てた距離の部分に少なくとも一部の面をもつ処理材料容器を構成し、必要に応じて処理材料容器の内側に導体面をもつ構成とする。
図15は、本発明に係る装置構造を定義する3軸立体外形図、図16は図15の立体の内部透視図である。他の記号と判別するために図面符号は■■内に示す。
外容器Va■240■の外側面の任意な位置を導波管線路からの高周波導入結合部■242■を少なくとも1つ以上設け導波管線路から導入し高周波■247■を誘電体線路である誘電体外容器Va■240■の誘電体に伝播させる。外容器Va■240■は、対称軸面Sz1■232■に対称であって内腔を持ち、かつSz1と直交しさらに高周波結合部■242■と交差する面Sx1■246■により切断された断面形状におけるその外郭線が連続曲線であり、さらにZ軸方向距離がL1■234■の2つの端面(a1■236■およびa2■237■)により内腔を閉鎖することができ、誘電体で構成される。L1は、外容器の両端面を結ぶ軸の長さである。
少なくとも電磁波の伝播方向が結合部近傍において面Sx1■246■により切断される断面形状における内郭線に沿って電磁波が伝播するような電磁波モードにより高周波を結合する。ループ状に閉鎖している内郭線の長さが少なくとも導入される高周波波長の1/4波長の整数倍となるように、外容器Va■240■を構成する。
さらに、外容器Va■240■外面の高周波導入結合部以外の部分を高周波線路接地電位と同電位の導電体■243■によって被覆する。
また、高周波結合部■242■においては、導波管線路と外容器Va■240■面との接続角により、あるいは外容器Va■240■の曲面自体により、あるいは外容器Va■240■と接続する誘電体の形状により導波管線路からの電磁波の電界が誘電体面に対して垂直でなく面方向に拡散するような構造あるいは導入電磁波モードを選択することにより効率よく導入電磁波を誘電体線路に導入し、高周波結合部における反射発生を抑制する構造とする。
被処理材料の処理領域外郭となる内容器Vb■241■は、面Sz1のZ軸と平行な線分を含む面Sz2■233■あるいは面Sz1のうちの少なくとも1つ以上の面に対称で内腔を有する。さらに、少なくともZ軸方向距離L1の端面(a1およびa2)を各々含む2つの面により内腔を閉鎖することができ、誘電体で構成される。
内容器Vb■241■を外容器Va■240■の内側面に接することなく挿入するが、面Sx1■246■により切断される断面を持たなければならない。さらに当該断面形状の少なくとも一部において外容器Va■240■断面の外郭線と内容器Vb■241■断面の内郭線との距離が導入される高周波の1/4波長の整数倍となるように構成する。
2つ以上の内容器Vb■241■を外容器Va■240■内に相互に内腔を重複しないように挿入して複数の処理領域を作成してもよい。また、内容器Vb■241■の内側に少なくともZ軸方向距離L1の端面(a1およびa2)を各々含む2つの面により内腔を閉鎖することができる内容器Vcを内容器Vbに接することなく配置し、被処理材料が内容器Vbと内容器Vcで狭窄される領域を処理領域としてもよい。
また、被処理材料の処理領域の内側を構成する内容器Vc■256■の少なくとも外側面あるいは内側面を導体面として誘電体線路である誘電体外容器Va■240■からの漏洩電界からの電磁波を反射させ、導電体■243■との間において反射伝播させて、処理領域を通過する電磁波により効率よく反応処理を行う。
また、上記と同様な効果を得るために、内容器Vc■256■が誘電体の場合においては、内容器Vc■256■を減圧として内部に電離プラズマを発生させて電離プラズマのプラズマ境界面を導電体■243■と等価の意義で用いることもできる。
また、被処理材料の処理領域の内側を構成する内容器Vc自体に反応処理のために加熱あるいは冷却の別のエネルギー源を設けて内容器Vcの外側の処理領域の補助反応源として用いることも可能となる。
また、外容器Va■240■および内容器Vb■241■は異なる誘電体材料による多層構造であってもかまわない。異なる材質の誘電体層を用いると誘電体層間において電磁波の屈折現象が生じるために材質の選定が正しければ、電磁波を誘電体層の面方向に拡散し電界面を大きくすることになる。
また、外容器Vaの内側面あるいは内容器Vbの外側面を凹凸形状あるいは、研磨等により表面を粗くすることによって電磁波を面方向に誘電体層拡散し電界面を大きくすることになる。
処理領域でない外容器Va■240■と内容器Vb■241■で狭窄される領域において、気体冷却あるいは誘電率の低い液体を用いた液体冷却を行うことにより処理領域を形成する内容器Vb■241■の壁面を冷却し処理反応温度の制御が可能となる。
また、処理領域を形成する内容器Vbあるいは内容器Vbと内容器Vcで狭窄される領域のZ軸方向を閉じる面が導体面でありZ軸方向距離が導入される高周波波長の1/4波長の整数倍となるように構成した場合、内容器Vbと内容器Vcの容器形状ならびに寸法を適正化することにより空洞共振器を構成し共振状態を最適化することが可能となる。
また、処理領域に対して、永久磁石あるいは電磁石によりZ軸方向に磁場を形成するように構成し、さらに反応速度を上昇させることも可能となる。
また、内容器Vbの容器内部で生成されるマイクロ波電界部に対して、永久磁石あるいは電磁石によりZ軸方向に磁場を形成するように構成して、さらに電界密度を上昇させることも可能となる。
以上のような構成のマイクロ波反応処理装置における反射波抑制機構とインピーダンス整合機構について、添付図面に従い説明する。
図17は、上記の装置構造を高周波伝送系も含めて示した装置構成概略図である。
高周波発振部■202■は、マグネトロンが内蔵されていて、高圧電源■201■の高電圧によって所定の高周波電磁波を励起発振する。電磁波は矩形導波管■203■を経由して高周波結合部■223■にて誘電体外容器Va■240■と結合し誘電体線路である外容器Va■240■に導入される。高周波結合部以外の外容器Va外側面は、導波管線路と同電位接地された導体で被覆されている。そのため、導入された電磁波は、容器側面において無限長誘電体線路として機能する外容器Va■240■の側面方向に拡散伝播し、表面波によって容器内側に漏洩電界を生じる。
表面波電磁波は誘電体外容器Va■240■と処理容器側壁でもある誘電体内容器Vb■241■で狭窄される領域に導入され、高周波進行波■221■と反射波■222■による定在波を立てると共に、誘電体内容器Vbn■241■内部に導入されてそのエネルギーは被処理体負荷内に吸収される。
図17に示すように、本構成においては伝送経路にインピーダンス整合器を設けていないにもかかわらず、マグネトロン発振部に支障をきたさないのは、系全体として負荷に対して整合が取れていて導波管■203■において反射波が存在しないためである。
図18は、図17の構成を集中定数等価回路で示した図である。また、図19は、図18で容器導体面を高周波終端面と考えて簡略化された等価回路を示す図である。
図18に示すように、本構成は全体回路としては一般的な誘電体共振回路が2つ結合し、共振器に入力線路と出力線路が結合した2結合共振器回路となっている。高周波結合部を示す回路領域■223■と内容器Vb結合部を示す回路領域■228■の間に1/4波長インピーダンス変成器型整合回路が形成された形である。
2結合共振器回路においては、入力結合線路のQが、出力結合線路のQの約二分の一となる条件が満たされると無反射となる(岡田文明著「マイクロ波工学」学献社1993年)。したがって、装置の設計最適化により無反射が達成される。
図18に示すように、本構成では処理負荷部において終端側に共振回路■219■が構成されていて装置のエネルギー効率が高い。また、高周波結合部および誘電線路によって、図19に示すような結合回路型整合器と等価の回路が構成されていて、負荷回路が発振部領域から分離されており、本装置が負荷変動に強いことを示している。
さらに、図19に示すように、結合整合回路と1/4波長インピーダンス変成器型整合回路とにより変形のπ型整合器が形成されており、整合範囲を多く取れる回路構成である。また、1/4波長インピーダンス変成器型整合回路が負荷に対して並列共振回路を構成するために、負荷における電流値を増加しやすく電力効率をあげられるような回路構成となっている。
すなわち、電力の投入から反射波の発振部への帰還に強く、かつ電力の負荷への投入を多くすることができる回路構成である。
この技術を用いて電力分割複数伝送路電力投入方法による2つ以上の高周波伝送路から同一負荷に対して高周波電力を導入し大電力化を行う場合の集中定数等価回路で示した図が図20であり、処理容器導体面を高周波終端面と考えた場合の簡略化した等価回路を示した図が図21である。
図20に示すように、負荷は個別な2つの高周波伝送路により共有されている。図21に示すように、負荷部分の領域は両発振部からの結合回路型整合回路で分離されており、また結合回路以降の負荷部分全体が並列共振回路を構成している。この状態は伝送線路と結合した空洞共振器回路の1次側と2時側が反転した構成と等価であり複数伝送路電力投入によっても発振部と負荷部分において相互干渉の無い回路構成となることを示している。
上記のように、負荷全体部が並列共振回路を構成することにより終端負荷での電流値を増加することが容易となる。これにより、負荷での電力消費効率が増加することとなり大電力投入も可能となる。
以上のような構成によって、装置の性能条件と高周波伝送回路条件を解決する手法との間において相互に矛盾がない高周波反応装置が実現する。その装置の導波管線路には、アイソレーターおよびインピーダンス整合器回路等を必要とせず、複数の高周波結合部から回路上において相互干渉することなく同一負荷に電力が投入でき。任意に投入電力を増加でき、かつ均一で大きな電界面を反応処理領域に発生させる。このようにして、伝送損失が小さく、負荷における電力消費効率も高く、かつ小型で低コスト化可能な大容積対応のマイクロ波反応装置が実現する。
添付図面に従い、以下に本発明に係る実施の形態1の高周波反応処理装置がプラズマ発生装置であるものについて説明する。
誘電体による筒状あるいは球状の誘電体面線路を構成する。誘電体線路を無限線路と等価にするため、高周波結合部を筒状側面あるいは球状側面に設ける。帰還長を少なくとも導入される高周波の1/4波長の整数倍とする。さらに、無限長誘電体線路である容器外側の高周波結合部以外の部分を導入高周波接地電位となるよう導体被覆する。導体面と無限長誘電体線路の境界面から導入される高周波波長の1/4波長長さを隔てた距離の部分に少なくとも一部の面をもつ減圧容器ともなる誘電体で構成される電離気体プラズマ減圧容器を構成する。
図22は、本発明に係る放電装置構造を定義する3軸立体外形図、図23は、図22の立体の内部透視図である。また、図24および図25は、図22の形状の一部を変形したものを示した図である。他の記号と判別するために図面符号は■■内に示す。
以下のような外容器Va■40■の外側面の任意な位置に導波管線路からの高周波導入結合部■42■を少なくとも1つ以上設け導波管線路から導入される高周波■47■を誘電体線路である誘電体外容器Va■40■の誘電体に伝播させる。外容器Va■40■は、対称軸面Sz1■32■に対称であって内腔を持つ。たとえば、楕円柱や楕円体などの形状とすることができる。これにより、電磁波を外容器の周囲方向について伝播させやすくすることができる。さらに、外容器Va■40■は、面Sz1と直交しさらに高周波結合部■42■と交差する面Sx1■46■により切断された断面形状における外郭線が連続曲線である。さらに、外容器Va■40■は、Z軸方向距離がL1■34■の2つの端面あるいは端点(a1■36■およびa2■37■)により内腔を閉鎖することができ、誘電体で構成される。L1は、外容器の両端面を結ぶ軸の長さである。
少なくとも電磁波の伝播方向が結合部近傍において面Sx1■46■により切断される断面形状における内郭線に沿って電磁波が伝播するような電磁波モードにより、高周波の結合が行われる。外容器Va■40■は、ループ状に閉鎖している当該内郭線の長さが、少なくとも導入される高周波波長の1/4波長の整数倍となるように構成される。
さらに、外容器Va■40■外面の高周波導入結合部以外の部分を高周波線路接地電位と同電位の導電体■43■によって被覆する。
また、高周波結合部■42■は、以下のような構造とする。すなわち、導波管線路と外容器Va■40■面との接続角により、あるいは外容器Va■40■の曲面自体により、あるいは外容器Va■40■と接続する誘電体の形状により導波管線路からの電磁波の電界が誘電体面に対して垂直でなく面方向に拡散するような構造とする。あるいは、導入電磁波モードを選択することにより効率よく導入電磁波を誘電体線路に導入し、高周波結合部における反射発生を抑制する構造とする。
電離気体プラズマ形成領域となる内容器Vbn(nは整数)■41■は減圧にできる容器であって、少なくとも一つ以上の対称軸面Sz2■33■に対称で内腔を持ちZ軸方向距離がL2■35■の2つの端面あるいは端点(b1■38■およびb2■39■)により内腔を閉鎖することができる誘電体で構成される。L2は、内容器の両端面を結ぶ軸の長さである。
内容器Vbn(nは整数)■41■を外容器Va■40■の内側面に接することなく挿入するが、面Sx1■46■により切断される断面を持たなければならない。さらに、断面形状の少なくとも一部において外容器Va■40■断面の外郭線と内容器Vbn■41■断面の内郭線との距離が導入される高周波の1/4波長の整数倍となるように構成する。
外容器の外側面と内容器の内側面との距離を一定にすることで、電磁波を円管周囲方向に伝播し易くすることができる。
2つ以上の内容器Vbn■41■を外容器Va■40■内に相互に内腔を重複しないように挿入して複数の電離気体プラズマ形成領域を作製してもよい。また、2つ以上の内容器Vbn■41■を相互に接しないように多重に挿入して内容器Vbn1の内側と内容器Vbn2の外側で狭窄される領域を減圧として電離気体プラズマ形成領域としてもよい。
図24および図25は、図22の外容器Va■40■の外側面が面状である装置を示す図である。また、外容器Va■40■は球状であってもよい。
また、外容器Va■40■および内容器Vbn■41■は異なる誘電体材料による多層構造であってもよい。異なる材質の誘電体層を用いると誘電体層間において電磁波の屈折現象が生じるために材質の選定が正しければ電磁波を誘電体層の面方向に拡散し電界面を大きくすることになる。
また、外容器Vaの内側面あるいは内容器Vbnの外側面を凹凸形状あるいは、研磨等により表面を粗くすることによって電磁波を面方向に誘電体層拡散し電界面を大きくすることになる。
電離気体プラズマ形成領域でない外容器Va■40■と内容器Vbn■41■で狭窄される領域、2つ以上の内容器Vbn■41■を相互に接しないように多重に挿入した場合における最内部の内容器Vbnの内側領域または内容器Vbn同士で狭窄されていてかつ電離気体プラズマ形成領域でなく減圧となっていない領域において、気体冷却あるいは誘電率の低い液体を用いた液体冷却を行うことにより、電離気体プラズマ領域を形成する内容器Vbn■41■の壁面を冷却しプラズマで生成した活性種の壁面再結合を抑制し、プラズマ処理の効率化を増加することが可能となる。
また、外容器Va■40■のa1■36■およびa2■37■と内容器Vbnのb1■38■およびb2■39■が導体面でありかつa1とb1、a2とb2の双方が共通な面でかつZ軸方向距離L1■34■およびL2■35■が同じ距離の場合において、Z軸方向距離L1=L2を導入される高周波波長の1/4波長の整数倍となるように構成した場合、内容器Vbnの容器形状ならびに寸法を適正化することにより空洞共振器を構成し内容器Vbnの容器内部で生成される電離気体プラズマの共振状態を最適化することが可能となる。
また、内容器Vbnの容器内部で生成される電離気体プラズマに対して、永久磁石あるいは電磁石によりZ軸方向に磁場を形成するように構成し電子サイクロトロン状態を生成して、さらにプラズマ密度を上昇させることも可能となる。
以上のような構成の高周波電離プラズマ気体放電装置における反射波抑制機構とインピーダンス整合機構について、添付図面に従い説明する。
図26は装置構造を高周波伝送系も含めて示した装置構成概略図である。
高周波発振部■2■はマグネトロンが内蔵されていて、高圧電源■1■の高電圧によって所定の高周波電磁波を励起発振する。電磁波は矩形導波管■3■を経由して高周波結合部■23■にて誘電体外容器Va■40■と結合し誘電体線路である外容器Va■40■に導入される。高周波結合部以外の外容器Va外側面は導波管線路と同電位接地された導体被覆されているために、導入された電磁波は容器側面において無限長誘電体線路として機能する外容器Va■40■の側面方向に拡散伝播し、表面波によって容器内側に漏洩電界を生じる。
上記の表面波電磁波は誘電体外容器Va■40■と真空容器■12■側壁でもある誘電体内容器Vbn■41■で狭窄される領域に導入され、高周波進行波■21■と反射波■22■による定在波を立てると共に、内部が減圧されていて処理ガスが導入されている誘電体内容器Vbn■41■内部に導入されて電離気体プラズマ負荷■15■を生成し、そのエネルギーはプラズマ負荷内に吸収される。
図26に示すように、本構成においては伝送経路にインピーダンス整合器を設けていないにもかかわらず、電離気体プラズマを発生することが可能でかつマグネトロン発振部に支障をきたさないのは、系全体としてプラズマ負荷に対して整合が取れていて導波管■3■において反射波が存在しないためである。
図27は、図26の構成を集中定数等価回路により示す図である。また、図28は図27からプラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合の等価回路であり、図29はプラズマ発生がない状態の等価回路である。
図27において、本構成は全体回路としては図30に示した一般的な誘電体共振回路が2つ結合し、共振器に入力線路と出力線路が結合した2結合共振器回路となっている。高周波結合部を示す回路領域■23■と内容器Vbn結合部を示す回路領域■28■の間に1/4波長インピーダンス変成器型整合回路が形成された形である。
2結合共振器回路においては入力結合線路のQが出力結合線路のQの約二分の一となる条件が満たされると無反射となる(岡田文明著「マイクロ波工学」学献社1993年)ことから装置の設計最適化により無反射が達成される。
プラズマ負荷部においてプラズマ生成の無い状態からプラズマを発生させるには、回路終端に電離ガスが乖離するだけの高電圧を必要とするが、図29に示されているように本構成では終端側に共振回路が構成されていて高電圧が発生しプラズマの着火が容易であることとなり、また高周波結合部および誘電線路によって図31に示したような結合回路型整合器と等価の回路が構成されており、負荷回路が発振部領域から分離されていることにより負荷変動に強いことを示している。
さらに、図28に示すようにプラズマ負荷生成後においては、結合整合回路と1/4波長インピーダンス変成器型整合回路とにより変形のπ型整合器が形成されていて整合範囲を多く取れる回路構成である。1/4波長インピーダンス変成器型整合回路がプラズマ負荷発生により随時変化する可変インピーダンス回路となり並列共振回路を構成するために、プラズマ負荷においてインピーダンス変化が起こった場合にも負荷における電流値を増加しやすく常時追随でき、かつ電力効率をあげられるような回路構成となっている。
すなわち、本発明の構成は電力の投入から負荷におけるプラズマ発生に至る経過時間において、本回路は負荷においてプラズマの瞬時発生が容易で発生時の反射波の発振部への帰還に強く、かつプラズマ負荷生成後は負荷インピーダンスの変化に対して随時に整合がとれかつ電力の負荷への投入を多くすることができる構成をとる。
この技術を用いて、電力分割複数伝送路電力投入方法による2つ以上の高周波伝送路から同一プラズマ負荷に対して高周波電力を導入し、大電力化を行う場合の高周波進行波と反射波の状態ならびにこれに作用するマイクロ波立体回路を図32に示す。本構成を集中定数等価回路で示した図が図33であり、プラズマ境界面を高周波終端面と考えた場合の等価回路を示した図が図34である。
図32に示すように、プラズマ負荷は個別な2つの高周波伝送路により共有されている。図34に示すように、負荷部分の領域は電離プラズマ生成時においても両発振部からの結合回路型整合回路で分離されており、また結合回路以降の負荷部分全体が並列共振回路を構成している。この状態は、図35に示した伝送線路と結合した空洞共振器回路の1次側と2時側が反転した構成と等価であり、複数伝送路電力投入によっても発振部と負荷部分において相互干渉の無い回路構成となることを示している。
上記のように、負荷全体部が並列共振回路を構成することにより終端負荷での電流値を増加することが容易となる。その結果、終端プラズマ負荷での電力消費効率が増加することとなり大電力投入も可能となる。
以上のような構成によって、放電装置の性能条件と高周波伝送回路条件を解決する手法との間において相互に矛盾がないプラズマ装置が実現する。そのプラズマ装置は、導波管線路において、アイソレーターおよびインピーダンス整合器回路等を必要としない。また、複数の高周波結合部から回路上において相互干渉することなく同一負荷に電力が投入でき任意に投入電力を増加できる。さらに、均一で大きな電界面を電離プラズマ生成域に発生さる。その装置の伝送損失は小さく、プラズマ負荷における電力消費効率は高い。このように、小型で低コスト化可能な大容量対応のプラズマ装置が実現する。
以下に、本発明に係る実施の形態1の具体的な実施例として、第一から第三までの実施例およびその変形例を説明する。
図36は本発明の第一実施例の高周波電離気体プラズマ装置放電部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図36に示すように、高周波■47■が2つのマイクロ波発振部から発振され、それぞれ導波管高周波線路■44■を経て処理真空容器■12■を構成する本発明の装置の放電部に導入される。処理真空容器■12■は誘電体内容器Vbn■41■である円筒形の内容器石英管■55■と上部および下部のアルミ製真空容器壁■59■とアルミ製ドア試料台■57■から構成されていてオーリング■58■により真空シールされている。真空容器壁■59■には、排気減圧用の減圧排気口■56■が設けられている。プラズマ化されるガスは処理ガス入路■20■より流量を制御しつつ導入される。
本発明によるプラズマ発生までの過程を概説する。処理試料を大気中にてドア試料台■57■上に設置した後、ドア試料台■57■を上昇させて下部真空容器壁■59■にてオーリング接触シール接続する。真空容器■12■を減圧し、所定の処理ガスを処理ガス入路■20■より導入する。高周波進行方向■47■を進行方向とする高周波電磁波を導入することにより、プラズマ境界面■16■をもつ高周波電離気体プラズマが真空容器■20■内に発生する。
導波管高周波線路■44■は、誘電体外容器Va■40■の外側面に接続されている。誘電体外容器Va■40■は、外容器フッ素樹脂膜層■53■で外側面を被覆した外容器石英管■54■により構成される。外容器フッ素樹脂膜層■53■の外側面は導波管高周波線路■44■が接続されている部分以外は導波管高周波線路■44■と同電位のアルミ製被覆導体■43■によって被覆されている。さらに、被覆導体■43■はアルミ製真空容器壁■59■とも電気的に接続している。
本実施例においては、誘電体内容器Vbn■41■は誘電体内容器Vbn■41■の内側面から誘電体外容器Va■40■の外容器フッ素樹脂膜層■53■の外側面までの距離が導入される高周波の1/4波長となるように同軸状に誘電体外容器Va■40■の内部に配置されている。
また、誘電体外容器Va■40■と誘電体内容器Vbn■41■を冷却させる目的で、誘電体外容器Va■40■と誘電体内容器Vbn■41■で狭窄される領域に下部真空容器壁■59■の冷却媒体入路■71■から気体あるいは誘電率の小さな液体を流入させて上部真空容器壁■59■の冷却媒体出路■72■から排出する構造となっている。
高周波導入結合部■42■は、導波管高周波線路■44■と誘導体外容器Va■40■を接続しており、高周波■47■は高周波導入結合部■42■を介して誘電体外容器Va■40■を線路として伝播する。通常、高周波■47■の電磁波モードにより電界方向は異なるが、本実施例ではTM11モードを使用して円管である誘電体外容器Va■40■の円管周囲方向に電磁波が伝播するように電界方向をとり、電磁波が円管側面をループ状に帰還する無限長誘電体線路を形成している。
誘電体外容器Va■40■の水平断面における内郭線の長さは導入される高周波の1/4波長の整数倍となるように設計されている。これにより、誘電体外容器Va■40■の円周方向を誘電体線路として伝播する高周波■47■は伝送線路共振する。また、誘電体外容器Va■40■の外側面は被覆導体■43■により被覆されている。これにより、電磁波は外側に漏れることはなく、漏洩電界を形成する表面波が誘電体外容器Va■40■の内径方向に線路に沿って幅広く発生する。また、被覆導体■43■は接地電位に保たれている。これにより、その導体表面の内側に導入される表面波の1/4波長の整数倍の位置に多数の高電界点がループ状に幅広く発生する。
上記のように、真空容器■12■の壁面を構成する誘電体内容器Vbn■41■の内側面位置は上記表面波の高電界点と一致する。これにより、高周波■47■の導入から瞬時に容易に真空容器■12■内に電離気体プラズマが発生させることができる。
電離気体プラズマが発生すると、プラズマ境界面■16■が誘電体内容器Vbn■41■の内側に形成される。電離気体プラズマ自体が可変インピーダンスをもつため、表面波の一部は電離気体プラズマに吸収され、また表面波の他の一部はプラズマ境界面■16■により反射されることになる。反射された波は被覆導体■43■により被覆された誘電体外容器Va■40■と誘電体内容器Vbn■41■およびプラズマ境界面■16■により形成される領域を交互に反射伝播する。この領域での高周波の線路インピーダンスは電離気体プラズマのインピーダンスによって連動して変化する。そして、この領域は1/4波長インピーダンス変成器整合回路を形成する。これにより、電離気体プラズマに連動し共振が生じる。その結果、線路とプラズマ負荷との間でインピーダンス整合がとれて、最終的には電磁波エネルギーが効率よくプラズマ負荷に吸収される。
また、導入電力の増加に伴い、プラズマ密度が上昇してプラズマ境界面■16■が導体に近い性質を帯び始める。そして、上記1/4波長インピーダンス変成器線路において反射定在波が増加しても、線路の容量特性が増加し全体として並列共振回路を形成する。このため、反射定在波の増加はプラズマ負荷に対して電流値を増加させる方向に働き、プラズマ電離効率が上昇する。
以上により、反射波が導波管高周波線路■44■に帰還することが無く、発振側から負荷を見た場合無反射状態が実現する。
また、真空容器■12■は全体としてプラズマ負荷のない場合には円筒空洞共振器の構造であり、またプラズマ負荷がある場合には誘電体共振器となる構造である。このために、負荷において電力を効率よく吸収することができる。
図36に示すように、複数の導波管高周波線路■44■から高周波■47■を導入する場合であっても、定在波は1/4波長インピーダンス変成器整合回路に相当する領域に閉じ込められる。これにより、複数の発振部は相互に干渉することなく電力を負荷に注入でき、装置の大電力化が実現する。
ここで、本実施例に係る装置の具体的な寸法および容量を示す。高周波■47■は2.45GHz高周波であり、TM11モードで最大出力1Kwである。高周波結合部■42■部は幅70ミリ高さ130ミリの開口部において、誘電体外容器Va■40■と接している。誘電体外容器Va■40■は厚み4ミリのPTFE製外容器フッ素樹脂膜層■53■で外側面を被覆した外径150ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■54■で形成されている。誘電体内容器Vbn■41■は外径115ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの内容器石英管■55■で形成されている。アルミ製被覆導体■43■は厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。アルミ製真空容器壁■59■は厚み20ミリ外径200ミリの円盤状であり、下部真空容器壁の中心は100ミリ径の孔を持ち、ドア試料台によって閉鎖される。減圧排気口■56■は内径20ミリ外径1インチの管でありオーリングシール接続継ぎ手により真空ポンプからの真空配管と接続している。冷却媒体入路■71■は1/4インチガス配管継ぎ手が接続されていて、冷却用にドライエアを30psiにて供給している。
本実施例におけるプラズマ発生のテスト例を以下に説明する。真空条件として、圧力は13Paから1000Pa、使用ガスはN2、O2およびその混合ガス、ガス流量は50cc/分から300cc/分とした。マイクロ波電力として、1基あたり50Wから1000Wを2基投入した。真空排気系については、排気量1000L/分のロータリーポンプを用い、真空測定は真空排気ライン上のピラニー真空計により測定し、圧力調整は真空排気ライン上の手動開閉バルブの開閉調整により行った。上記すべての発生条件下において電力投入から瞬時にプラズマ放電が得られ、真空容器全体に均等なプラズマ発光のある電離気体プラズマを得た。また1000時間以上の長期連続運転をおこなっても、マグネトロン発振部に異常は認められなかった。
本実施例における処理効率のテスト例を以下に説明する。試料として面積20平方センチメートルのシリコン基板上に塗布した厚み2ミクロン有機フォトレジストを用いて、剥離速度のテストを行った。処理条件として、基板温度を常温、マイクロ波パワーを500W、処理ガスを酸素(100cc/分)、処理圧力を150Pa、処理時間を20秒とした。本実施例の装置においてフォトレジスト剥離速度は2.6ミクロン/分であった。処理後の基板温度を測定したところ60度程度であり、基板温度を上昇させずに高速に有機物剥離を行うことができた。
通常の酸素マイクロ波プラズマによる有機物剥離装置を用いた場合、剥離速度は基板温度の上昇にともない増加し、有機レジスト膜のガラス転移点である140度以上に基板を昇温しないと1ミクロン/分以上の剥離速度が得られない。本装置において基板温度が上昇せず、かつ剥離速度が高速であるのは高密度励起プラズマが誘電体内容器Vbn■41■の内壁部近傍のプラズマ境界面■16■に生成し大量の酸素ラジカルが生成したためと判断できる。
誘電体内容器Vbn■41■の構造材料に関して、本実施例では石英を使用しているが、他の低誘電率誘電体も使用できる。たとえば、アルミナ系セラミックは全て使用可能である。また、誘電体外容器Va■40■としては全ての低誘電率誘電体が使用可能であり、さらに複数の異なる材質の誘電体の層を積層した構造でもよい。
また、本実施例では誘電体外容器Va■40■においてPTFE製の外容器フッ素樹脂膜層■53■で外容器石英管■54■外側面を被覆したものを用いているが、空乏層を持ったフッ素樹脂を用いて、適当な空乏率を選んでフッ素樹脂層の誘電率を調整することによって誘電線路の性能を向上することもできる。あるいは薄いマイカを外容器石英管■54■外側面において積層構造に被覆して構成してもよい。また、多孔質セラミックスを同様の目的で誘電体外容器Va■40■として使用することもできる。
次に、図37に示す第二実施例について説明する。図37は本発明の第二実施例での高周波電離気体プラズマ装置放電部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
本実施例は、第一実施例からの変形である。図37に示すように、電離気体プラズマ放電部として働く真空容器■12■が誘電体内容器Vbn■41■である円筒形の内容器石英管■55■と上部および下部のアルミ製真空容器壁■59■で構成されている。そして、この真空容器■12■が下部のアルミ製真空容器壁においてダウンフロー処理室容器■61■と接続することによって真空容器全体が構成されている。
プラズマ境界面■16■を有する高周波電離気体プラズマは多孔導電体板■60■によりダウンフロー処理室■61■と分離されている。本実施例では、本発明に係るプラズマ放電装置をプラズマラジカルダウンフロー処理装置のプラズマ源として使用する形態である。
本装置によるラジカル表面処理までの過程を概説する。まず、処理試料をドア■62■よりダウンフロー処理室■61■内の試料台■63■に搬入する。ドアを閉鎖した後、減圧排気口■56■より排気減圧し、プラズマ化されるガスを処理ガス入路■20■より流量を制御しつつ導入する。高周波■47■の印加によって真空容器■12■内に電離気体プラズマを形成する。発生する反応活性種を多孔導電体板■60■の孔部を経由して減圧方向であるダウンフロー処理室■61■に移送して試料に対してラジカル表面反応処理を行う。
放電部として働く真空容器■12■の構成は、減圧排気口を除いて第一実施例と同様である。図37においては、導波管高周波線路■44■は一つであるが複数であってもかまわない。
ここで、本実施例に係る装置の具体的な寸法および容量を示す。高周波■47■については、周波数が2.45GHz、電磁波モードがTM11モードで最大出力が1Kwである。高周波結合部■42■は、幅70ミリ高さ130ミリの開口部において誘電体外容器Va■40■と接している。誘電体外容器Va■40■は、外径150ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■54■とその外側面を被覆した厚み4ミリのPTFE製外容器フッ素樹脂膜層■53■で形成されている。誘電体内容器Vbn■41■は、外径115ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの内容器石英管■55■で形成されている。アルミ製被覆導体■43■は、厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。アルミ製真空容器壁■59■は、厚み20ミリ外径200ミリの円盤状であり、下部真空容器壁の中心に100ミリ径の孔を有し、アルミ製ダウンフロー処理室容器■61■とオーリングシールにて接続している。ステンレス製で厚み2ミリ直径100ミリの開孔率30%のメッシュ状の多孔導電体板■60■は、下部真空容器壁の中心部100ミリ径の孔位置に装着されており、真空容器■12■の領域で形成される電離気体プラズマをダウンフロー処理室容器■61■との間にて分離する。減圧排気口■56■は内径20ミリ外径1インチ管であり、オーリングシール接続継ぎ手により真空ポンプからの真空配管と接続している。冷却媒体入路■71■は1/4インチガス配管継ぎ手が接続されていて、冷却用にドライエアを30psiにて供給している。
本実施例について、図37に示す電離プラズマ放電の作動状態ならびにインピーダンス整合に関しては、第一実施例のものと同様である。また、本実施例でのプラズマ発生のテスト例は上記第一実施例と同様である。
次に、図38に示す第三実施例について説明する。図38は本発明の第三実施例に係る高周波電離気体プラズマ装置の放電部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図38に示すように、高周波■47■がマイクロ波発振部から導波管高周波線路■44■を経て本発明の装置放電部に導入される。電離気体プラズマ形成領域■45■は、減圧プラズマ放電部として形成され、誘電体内容器Vbn■41■としての円筒形の内容器セラミック管■64■を上部および下部のステンレス製真空接続フランジ■67■によりボルト■68■を用いて挟み込みオーリング■58■によりシールされる。片側の真空接続フランジ■67■は真空機器と接続されており、プラズマ化されるガスは減圧方向と反対側の真空接続フランジ■67■側から流入する。電離気体プラズマ形成領域■45■の中心内部にはステンレス製水冷管■65■が挿入されている。水冷管■65■は真空接続フランジ■67■側面を貫通し水冷管継ぎ手■66■に接続していて、その内部には冷却水が通過している。ステンレス製水冷管■65■が真空接続フランジ■67■を貫通する部分は溶接あるいはオーリングシールされている。
本装置は、主としてフッ素系ガスをプラズマ分解して、フッ素ラジカルを大量に発生させるために、フッ素系ガス分解あるいはフッ素ラジカル供給源として真空機器に接続される。
図38に示すように、本実施例における電離プラズマ放電の作動状態ならびにインピーダンス整合に関しては、第一実施例のものと同様である。
ここで、本実施例に係る装置の具体的な寸法および容量を示す。高周波■47■については、その周波数が2.45GHz、電磁波モードがTM11モード、最大出力が1Kwである。高周波結合部■42■は、幅70ミリ高さ130ミリの開口部において誘電体外容器Va■40■と接している。誘電体外容器Va■40■は厚み4ミリのPTFE製外容器フッ素樹脂膜層■53■で外側面を被覆した外径100ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■54■で形成されている。誘電体内容器Vbn■41■は外径50ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの高純度アルミナセラミック内容器セラミック管■64■で形成されている。アルミ製被覆導体■43■は厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。ステンレス真空接続フランジ■67■は外径60ミリの内容器セラミック管■64■接続部とNW50真空フランジ部とで構成されていて、両端部が真空機器に接続できる構成となっている。放電部内部には外径3/8インチステンレス製水冷管■65■が貫通設置されていて、NW50真空フランジ部により接続されシールされている。
以下に本実施の形態の変形例を説明する。
図39に示すように、第一実施例の変形例として、少なくとも2つ以上の内容器Vbn■41■が存在し、各々の内腔が重なり合わない構成をとることができる。
また、図40に示すように、第一実施例の変形例として、少なくとも2つ以上の内容器Vbn■41■が存在し、各々が相互の容器内面に接することなく多重に重なっていてもよい。
また、図41に示すように、第一実施例の変形例として、少なくとも2つ以上の内容器Vbn■41■が存在し、各々の対称軸面が同一面となるような構成をとることもできる。
また、図42に示すように、第一実施例の変形例として、少なくとも2つ以上の内容器Vbn■41■が存在して、面Sx1■46■により切断された複数の内容器Vbnの断面形状において、いずれかの内容器Vb1の内郭線といずれかの内容器Vb2の外郭線に挟まれる領域においてのみ減圧されていてもよい。
さらに上記の例の変形例として、図43に示すように、最も内側の内容器Vbn■41■の内部に冷却を目的とした液体ならびに冷媒を流入させることもできる。
また、上記の例の変形例として、図44に示すように、最も内側の内容器Vbn■41■の内側の部分が導電体によって被覆された構成をとることもできる。
また、図45に示すように、第一実施例の変形例として、対称軸面Sz1■32■と対称軸面Sz2■33■が平行である構成をとることもできる。
また、図46に示すように、第一実施例の変形例として、対称軸面Sz1■32■と対称軸面Sz2■33■が同一面で、外容器Va■40■外側面の任意の点から、電離気体プラズマ領域外面を形成する内容器Vbn■41■の内側面との最短距離が導入される高周波電磁波波長の1/4の整数倍であり、Z軸方向距離L1の長さが導入される高周波電磁波の波長の1/4の整数倍である構成をとることもできる。
また、図47に示すように、第一実施例の変形例として、外容器Vaの端面あるいは端点であるa1■36■およびa2■37■と内容器Vbn■41■の端面あるいは端点であるb1■38■およびb2■39■において、a1とb1、a2とb2とのいずれかの端面あるいは端点が共通な面上にある構成をとることもできる。
また、図48に示すように、第一実施例の変形例として、対称軸面Sz1■32■にて切断された外容器Va■40■の断面形状における外郭線が円または楕円あるいはその一部である構成をとることもできる。
また、図49に示すように、第一実施例の変形例として、外容器Va■40■の内側面と電離気体プラズマ領域の外側を形成する内容器Vbn■41■の外側面との間の領域に、冷却を目的に低誘電率の気体あるいは液体を連続的に流動させた構造を含む構成をとることもできる。
また、図50に示すように、第一実施例の変形例として、外容器Va■40■の内面側に電磁波の屈折を目的として凹凸を形成し、電離気体プラズマ領域の外側を形成する内容器Vbn■41■の外側面に電磁波の屈折を目的として凹凸を形成する構成をとることもできる。
また、図51に示すように、第一実施例の変形例として、高周波発振部から発振される電磁波の進行方向が外容器Va■40■の外側面のZ軸方向に対し0度以外の任意の角度を有し、高周波結合部の誘電体面が高周波発振部から発振される電磁波の進行方向と平行でない面であり、それが高周波線路終端部を形成していて、さらに少なくとも当該終端の一部が外容器Va自体あるいは外容器Va■40■と接している誘電体によって形成する構成をとることもできる。
また、図52に示すように、第一実施例の変形例として、高周波発振部から発振される電磁波の進行方向が外容器Va■40■の外側面のZ軸方向に対し平行で、かつ高周波結合部の誘電体面が高周波発振部から発振される電磁波の進行方向と平行でない面でかつ高周波線路終端部を形成していて、さらに少なくとも終端の一部が外容器Va自体あるいは外容器Vaと接している誘電体によって形成される構成をとることもできる。
次に、本発明に係る実施態様2の高周波反応処理装置を以下に説明する。
以下に、本発明に係る実施の形態2の具体的な実施例として、第四から第六までの実施例およびその変形例を説明する。
図53は、本発明の第四実施例であるマイクロ波反応処理部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図53に示すように、高周波■247■が2つのマイクロ波発振部から発振され、それぞれ導波管高周波線路■244■を経て本発明の反応処理部に導入される。処理容器は誘電体内容器Vbn■241■である円筒形の内容器石英管■255■と上部および下部のアルミ製容器壁■259■とアルミ製ドア試料台■257■から構成されていてオーリング■258■によりシールされている。さらに、容器壁■259■には処理によって必要となる脱ガス用のガス排出口■261■が少なくとも一つ設けられている。ガス排出口は処理の内容によってはガス導入口ともなる。
本装置の大要は、導体でない固体処理試料■213■をドア試料台■257■上に設置した後、ドア試料台■257■を上昇させて下部容器壁■259■にてオーリング接触シール接続したのち、高周波進行方向■247■をもつ高周波電磁波を導入することにより処理試料■213■を励起し、必要な反応を起こすものである。ガスと固体を接触させる反応においては、ガス導入口■261■より反応ガスを導入して処理試料■213■と接触させ処理を行う。
導波管高周波線路■244■は誘電体外容器Va■240■の外側面に接触されており、誘電体外容器Va■240■は外容器フッ素樹脂膜層■253■で外側面を被覆した外容器石英管■254■により構成される。外容器フッ素樹脂膜層■253■の外側面は導波管高周波線路■244■が接続されている部分以外は導波管高周波線路■244■と同電位のアルミ製被覆導体■243■によって被覆されている。さらに、当該被覆導体■243■はアルミ製容器壁■259■とも電気的に接続している。
本実施例においては誘電体内容器Vb■241■は誘電体内容器Vb■241■の側面から誘電体外容器Va■240■の外容器フッ素樹脂膜層■253■の外側面までの距離が導入される高周波の1/4波長の距離となるように同軸状に誘電体外容器Va■240■の内部に配置されている。
また、本実施例に係る高周波反応処理装置は、誘電体外容器Va■240■と誘電体内容器Vb■241■を冷却させる目的で、誘電体外容器Va■240■と誘電体内容器Vb■241■で狭窄される領域に下部容器壁■259■の冷却媒体入路■271■から気体あるいは誘電率の小さな液体を流入させて上部容器壁■259■の冷却媒体出路■272■から排出する構造となっている。
高周波■247■は導波管高周波線路■244■と誘電体外容器Va■240■の接続部の高周波導入結合部■242■を介して誘電体外容器Va■240■を線路として伝播する。通常、高周波■247■の電磁波モードにより電界方向は各々異なるが、本実施例ではTM11モードを使用して円管である誘電体外容器Va■240■の円管周囲方向に電磁波が伝播するように電界方向をとり、電磁波が円管側面をループ状に帰還する無限長誘電体線路を形成している。
誘電体外容器Va■240■の水平断面における内郭線の長さは導入される高周波の1/4波長の整数倍となるように設計されている。これにより、誘電体外容器Va■240■の円周方向を誘電体線路として伝播する高周波■247■は伝送線路共振する。また、誘電体外容器Va■240■の外側面は被覆導体■243■により被覆されている。これにより、外側には漏れることなく、漏洩電界を形成する表面波が誘電体外容器Va■240■の内径方向に線路に沿って幅広く発生する。また、被覆導体■243■は接地電位に保たれている。これにより、その導体表面から内径方向において導入される表面波の1/4波長の整数倍の位置に多数の高電界点がループ状に幅広く発生する。
上記のように、処理容器の壁面を構成する誘電体内容器Vb■241■の側面位置がループ状の表面波の高電界点と一致する。これにより、高周波■247■の導入によって、誘電体内容器Vb■241■が誘電体線路となり、容器周囲に渡っての無限長誘電体線路が形成される。そして、漏洩電界が内容器Vb■241■の内側の反応処理領域■245■に発生する。
電磁波が誘電率の大きな媒質から小さな媒質に入射する場合には、入射角がある角度以上になると全反射が生じるため、誘電体内容器Vb■241■の内側面により反射成分が発生する。このため、結果的に、表面波の一部は内容器Vb■241■の内側に吸収され、また他の一部は誘電体内容器Vb■241■の内側面により反射される。反射された波は被覆導体■243■により被覆された誘電体外容器Va■240■との領域において交互に反射伝播する。この領域での高周波の線路インピーダンスは負荷のインピーダンスによって連動変化する。また、線路は1/4波長インピーダンス変成器整合回路である。したがって、線路と負荷との間でインピーダンス整合がとれて、最終的には電磁波エネルギーが効率よく負荷に吸収される。
以上により、反射波が導波管高周波線路■244■に帰還することが無い。こうして、発振側から負荷を見た場合無反射状態が実現する。
また、処理容器は全体として円筒空洞共振器の構造であり、誘電体共振器となる構造を有する。このため、効率よく電力を負荷にて吸収することができる。
図53に示すように、複数の導波管高周波線路■244■から高周波■247■を導入する場合であっても、定在波は1/4波長インピーダンス変成器整合回路に相当する領域に閉じ込められる。これにより、複数の発振部は相互に干渉することなく電力を負荷に注入でき、装置の大電力化が実現する。
ここで、本実施例に係る装置の具体的寸法および容量を示す。高周波■247■は2.45GHz高周波であり、TM11モードで最大出力1Kwである。高周波結合部■242■部は幅70ミリ高さ130ミリの開口部をもって誘電体外容器Va■240■と接している。誘電体外容器Va■240■は厚み4ミリのPTFE製外容器フッ素樹脂膜層■253■で外側面を被覆した外径150ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■254■で形成されている。誘電体内容器Vb■241■は外径115ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの内容器石英管■255■で形成されている。アルミ製被覆導体■243■は厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。アルミ製容器壁■259■は厚み20ミリ外径200ミリの円盤状であり、下部容器壁の中心は100ミリ径の孔を持ち、ドア試料台にて閉鎖される。冷却媒体入路■271■は1/4インチガス配管継ぎ手が接続されていて、冷却用にドライエアを30psiにて供給している。
誘電体内容器Vb■241■の構造材料に関して、上記実施例では石英を使用しているが、他の低誘電率誘電体も使用できる。たとえば、アルミナ系セラミックは全て使用可能である。また、誘電体外容器Va■240■は全ての低誘電率誘電体が使用可能であり、さらに複数の異なる材質の誘電体の層を積層した構造でもよい。
また、本実施例では誘電体外容器Va■240■においてPTFE製の外容器フッ素樹脂膜層■253■で外容器石英管■254■外側面を被覆したものを用いているが、空乏層を持ったフッ素樹脂を用いて、適当な空乏率を選んでフッ素樹脂層の誘電率を調整することによって誘電線路の性能を向上することもできる。あるいは薄いマイカを外容器石英管■54■外側面において積層構造に被覆して構成してもよい。また、多孔質セラミックスを同様の目的で誘電体外容器Va■240■として使用することもできる。
被処理材料は導体でない固体・液体・気体あるいはこれらの混合物であってもよい。
次に、図54に示す第五実施例について説明する。図54は本発明の第五実施例でのマイクロ波反応処理部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
本実施例は、第四実施例からの変形例である。図54に示すように、誘電体内容器Vb■241■の内部に導体の内容器Vc■256■円管を内容器Vb■241■の内側面に接触させずに設置している。そして、反応処理領域■245■が内容器Vb■241■と内容器Vc■256■で狭窄される領域に構成されている。
内容器Vc■256■を導入高周波接地電位と同じ電位にすることにより、反応処理領域■245■は内容器Vb■241■内部に導入された高周波の終端反射端となる。また、電磁波が低誘電率の媒質から高誘電率の媒質に進む場合には角度により境界に金属面が存在するように反射するため、内容器Vc■256■の表面で発生した反射波は反応処理領域■245■を内容器Vb■241■と内容器Vc■256■で狭窄される領域を進み、内容器Vb■241■において再反射されて上記狭窄領域を円周方向に循環反射することになり、反応処理領域における負荷試料へのエネルギー吸収効率が上昇する。
また、内容器Vc■256■に抵抗ヒーター等の熱源あるいは冷媒による冷却源を設けて、それを反応処理領域での反応処理の温度制御に用いることも可能となる。
ここで、本実施例に係る装置の具体的寸法および容量を示す。内容器Vc■256■は長さ250ミリのステンレス製内径20ミリ外径1インチ円筒管であり、上部アルミ製容器壁■259■にて保持されている。その他の構成は上記第四実施例と同様である。
本実施例について図54に示す反応装置の作動状態は、第四実施例のものと同様であり、被処理材料は導体でない固体・液体・気体あるいはこれらの混合物であってもよい。
次に、図55を示す第六実施例について説明する。図55は本発明の第六実施例のマイクロ波反応処理部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図55に示すように、マイクロ波発振部からの高周波■247■が導波管高周波線路■244■を経て本発明の反応処理部■245■に導入される。反応処理部は、誘電体内容器Vb■241■である円筒形の内容器セラミック管■264■を上部および下部のステンレス製接続フランジ■267■によりボルト■268■を用いて挟み込み、オーリング■258■によりシールすることにより、形成される。反応処理部■245■にはセラミックボール等の多孔質表面で比表面積の大きな材料をガスが透過できるように多孔導体板■260■にて封入する。反応性ガスあるいは混合ガスを接続フランジ■267■の片側から供給し、反応処理部■245■内に封入されている多孔質誘電体固体材料の表面を反応接触表面として用いる。内容器Vb■241■の中心内部には内容器Vc■256■としてステンレス製水冷管■265■が挿入されている。その内部には、反応速度を制御するために冷却水が通過している。
本装置は、主として供給反応ガスを分解・合成あるいは処理材料に吸着させることを目的としている。
ここで、本実施例に係る装置の具体的寸法および容量を示す。高周波■247■については、その周波数が2.45GHz、電磁波モードがTM11モード、最大出力が1Kwである。高周波結合部■242■は幅70ミリ高さ130ミリの開口部において誘電体外容器Va■240■と接している。誘電体外容器Va■240■は、厚み4ミリのPTFE製外容器フッ素樹脂膜層■253■で外側面を被覆した外径100ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■254■で形成されている。誘電体内容器Vb■241■は外径50ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの高純度アルミナセラミック内容器セラミック管■264■で形成されている。アルミ製被覆導体■243■は厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。ステンレス接続フランジ■267■は外径60ミリの内容器セラミック管■264■接続部とNW50接続フランジ部とで構成されていて、両端部が外部配管に接続できる構成となっている。処理部内部には内容器Vc■256■として外径3/8インチステンレス製水冷管■265■が貫通設置されていて、その内部を冷却水が通過している。反応処理部■245■は、2つの厚み3ミリ開口率35%のアルミパンチ板の多孔導体板■260■にて内容器Vb■241■と内容器Vc■256■の狭窄される領域を閉じることで形成されており、内部には直径3ミリのニッケル系触媒を担持処理したアルミナボールが触媒材料として封入されている。このような触媒材料としては、その他のセラミック多孔体単体またはセラミック多孔体に触媒を担持させた材料であってもよい。触媒材料は、負荷部分に入れておき、これに気体または液体を通過させながらマイクロ波を照射することにより、有害物質分解、有害物分解、脱臭処理またはスクラビング処理等の物質分解または変成に用いることができる。反応ガスとして水素ガスが圧力15Psiにて接続フランジ■267■の片側から供給され、反対側より排出される。
本実施例について図55に示す反応装置の作動状態は、第四実施例のものと同様であり、被処理材料は導体でない固体・液体・気体あるいはこれらの混合物であってもよく、また処理材料は金属触媒を含有していてよい。
誘電体内容器Vb■241■の構造材料に関して、上記実施例では高純度アルミナセラミックを使用しているが、他のセラミックも全て使用可能である。また、誘電体外容器Va■240■は全ての低誘電率誘電体が使用可能であり、さらに異なる材質の誘電体を複数層にした構造でもよい。
また、本実施例では誘電体外容器Va■240■においてPTFE製の外容器フッ素樹脂膜層■253■で外容器石英管■254■外側面を被覆したものを用いているが、空乏層を持ったフッ素樹脂を用いてフッ素樹脂層の誘電率を調整することによって、誘電線路の性能を向上することもできる。また、多孔質セラミックスを同様の目的で誘電体外容器Va■240■として使用することもできる。
以下に本実施の形態の変形例を説明する。
図56に示すように、第四実施例の変形例として、少なくとも2つ以上の内容器Vb■241■が存在し、各々の内腔が重なり合わない構成をとることができる。
また、図57に示すように、第六実施例の変形例として、内容器Vc■256■が誘電体で、かつ内側面の部分が導電体によって被覆された構造とすることもできる。
また、図58に示すように、第四実施例の変形例として、外容器Va■240■の内側面と反応処理領域の外側を形成する内容器Vb■241■の外側面との間の領域に、冷却を目的として低誘電率の気体あるいは液体を連続的に流動させる構造をとすることができる。
また、図59に示すように、第四実施例の変形例として、外容器Va■240■の内面側に電磁波の屈折を目的として凹凸を形成すること、または反応処理領域の外側を形成する内容器Vb■241■の外側面に電磁波の屈折を目的として凹凸を形成することもできる。
また、図60に示すように、第四実施例の変形例として、高周波発振部から発振される電磁波の進行方向が外容器Va■240■の外側面のZ軸方向に対し0度以外の任意の角度を有し、高周波結合部の誘電体面が高周波発振部からの電磁波進行方向と平行でない面であり、それが高周波線路終端部を形成していて、さらに少なくとも当該終端の一部が外容器Va自体あるいは外容器Vaと接している誘電体によって形成されていてもよい。
また、図61に示すように、第四実施例の変形例として、高周波発振部から発振される電磁波の進行方向が外容器Va■240■の外側面のZ軸方向に対し平行で、高周波結合部の誘電体面が高周波発振部からの電磁波進行方向と平行でない面であり、それが高周波線路終端部を形成していて、さらに少なくとも終端の一部が外容器Va自体あるいは外容器Va■240■と接している誘電体によって形成されていてもよい。
次に、本発明に係る実施の形態3の高周波反応処理装置が紫外光励起処理装置であるものについて以下に添付図面に従い説明する。
図62は、装置構造を高周波伝送系も含めて示した装置構成概略図である。
高周波発振部■305■は、マグネトロンが内蔵されていて、マイクロ波電源■306■の高電圧によって所定の高周波電磁波を励起発振する。電磁波は、導波部■303■を経由して高周波結合部■342■において誘電体外容器Va■340■と結合し誘電体線路である外容器Va■340■に導入される。高周波結合部以外の外容器Va外側面は導波管線路と同電位接地された導体で被覆されている。このため、導入された電磁波は容器側面において無限長誘電体線路として機能する外容器Va■340■の側面方向に拡散伝播し、表面波によって容器内側に漏洩電界を生じる。
表面波電磁波は、誘電体外容器Va■340■と電離プラズマ形成領域外郭側壁でもある誘電体内容器Vb■341■で狭窄される領域に導入され、高周波進行波■321■と反射波■322■による定在波を立てると共に、誘電体内容器Vb■341■と被処理体容器外郭である誘電体内容器Vc■356■で狭窄される減圧とされた領域に、電離プラズマ形成領域■374■に導入される。
誘電体内容器Vb■341■と被処理体容器外郭である誘電体内容器Vc■356■で狭窄される領域は減圧ポンプ■376■により減圧されていて、電離プラズマ用ガス導入口■377■から導入される電離プラズマガスが供給されていて、電離プラズマ形成領域■374■全体に電離プラズマ■375■が広く形成される。
電離プラズマ■375■はガス種、圧力等のプラズマ形成条件によって一定のインピーダンスを持って形成される。このため、アンテナとして作用して電磁波を誘電体内容器Vc■356■に広く伝播でき、誘電体内容器Vc■356■内の反応処理領域■345■に導入されている液体、固体または液体と固体の混在物である被処理体は漏洩電界によって処理される。
また、被処理体は、誘電体内容器Vc■356■を介して電離プラズマ■375■の輻射エネルギーを受け反応処理される。
光透過性材質の誘電体内容器Vc■356■を用いた場合、ガス種、圧力、高周波パワーなどのプラズマ形成条件によって発生する固有のプラズマ発光スペクトルを被処理体に照射できることとなって光化学反応処理に利用される。
さらに、光透過性材質の誘電体内容器Vb■341■を用い、かつ誘電体外容器Va■340■と誘電体内容器Vb■341■で狭窄される領域に電離プラズマからの真空紫外光等によって活性化されるガスを通過させることによって、光励起ガスを生成できる。この励起ガスを被処理材料の処理領域である内容器Vc■356■の内側に導入し被処理体との接触反応に利用できる。
被処理材料の処理領域である内容器Vc■356■の内側に反応処理のために加熱あるいは冷却等を目的とした管状の構造物を挿入し補助反応源として用いてもよい。
被処理材料の処理領域である内容器Vc■356■の内部に反応処理のための触媒材料を設置して、触媒反応を行うことも可能である。
外容器Va■340■、内容器Vb■341■および内容器Vc■356■は異なる誘電体材料による多層構造であってもかまわない。
内容器Vb■341■において、紫外線領域を含む光を透過可能な誘電体材料を用い、処理領域でない外容器Va■340■と内容器Vb■341■で狭窄される領域に、電離プラズマからの真空紫外光等によって活性化されるガスを通過させることによって、生成される光励起ガスを被処理材料の処理領域である内容器Vc■356■の内側に導入し活用してもよい。
図62に示すように、本構成においては伝送経路にインピーダンス整合器を設けていないにもかかわらず、マグネトロン発振部に支障をきたさないのは、系全体として負荷に対して整合が取れていて、導波管■303■において反射波が存在しないためである。
以下に、本発明に係る実施の形態3の具体的な実施例として、第七から第九までの実施例およびその変形例を説明する。
図63は、本発明の第七実施例であるマイクロ波反応処理部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図63に示すように、高周波■347■がマイクロ波発振部から発振され、導波管高周波線路■344■を経て高周波結合部■342■において誘導体外容器Va■340■に伝播し、電離プラズマ■375■を経由して反応処理部■345■に導入される。電離プラズマ■375■が形成される電離プラズマ形成領域■374■は誘電体内容器Vb■341■と誘電体内容器Vc■356■で狭窄される領域に形成される。
通常、高周波■347■の電磁波モードにより電界方向は各々異なるが、本実施例ではTM11モードを使用して円管である誘電体外容器Va■340■の円管周囲方向に電磁波が伝播するように電界方向をとり、電磁波が円管側面をループ状に帰還する無限長誘電体線路を形成している。
誘電体外容器Va■340■は、外容器Va(石英管)■354■とそれを被覆する外容器Va(マイカ層)■353■により構成されており、その周囲において被覆電体■343■と接触している。誘電体内容器Vb■341■は、円筒形の内容器Vb石英管■355■により構成されている。誘電体内容器Vc■356■は、内容器Vc(石英管)■357■と内容器Vc(テフロン管)■358■により構成されている。誘電体内容器Vb■341■は、上部および下部のステンレス製接続フランジ■367■によりボルト■368■を用いて挟み込まれ、オーリング■359■によりシールされる。誘電体内容器Vc■356■は接続フランジ■367■を貫通し、貫通部はオーリングによってシールされる。
誘電体外容器Va■340■の水平断面における内郭線の長さは導入される高周波の1/4波長の整数倍となるように設計されている。その結果、誘電体外容器Va■340■の円周方向を誘電体線路として伝播する高周波■347■は伝送線路共振する。また、誘電体外容器Va■340■の外側面は被覆導体■343■により被覆されているため電磁波は外側には漏れることはなく、漏洩電界を形成する表面波が誘電体外容器Va■340■の内径方向に線路に沿って幅広く発生する。また、被覆導体■343■は接地電位であるため、導体面から内径方向において導入される表面波の1/4波長の整数倍の位置に多数の高電界点がループ状に幅広く発生する。これにより、電離プラズマ形成領域■374■に容易に電離プラズマ■375■が形成される
上記のように、被処理体容器となる誘電体内容器Vc■356■の外郭側に形成される電離プラズマ■375■が誘電体線路となって誘電体内容器Vc■356■周囲に渡っての無限長誘電体線路となり、さらに漏洩電界が内容器Vc■356■の内側の反応処理領域■345■に発生する。
電磁波が誘電率の大きな媒質から小さな媒質に入射する場合には、入射角がある角度以上になると全反射が生じるため、誘電体内容器Vc■356■の内部反射成分は電離プラズマ■375■により反射伝播し被処理体に吸収される。この領域での高周波の線路インピーダンスは負荷のインピーダンスによって連動変化し、かつ線路としては1/4波長インピーダンス変成器整合回路のために負荷との間でインピーダンス整合がとれて、最終的には電磁波エネルギーが効率よく負荷に吸収されることになる。
以上により、反射波が導波管高周波線路■344■に帰還することが無く、発振側から負荷を見た場合無反射状態が実現する。
さらに処理容器の構造は、全体として円筒空洞共振器の構造であり、また誘電体共振器となる構造である。このため、効率よく電力を負荷によって吸収することができる。
図63に示すように、複数の導波管高周波線路■344■より高周波■347■を導入しても、定在波は1/4波長インピーダンス変成器整合回路に相当する領域に閉じ込められるために複数の発振部は相互に干渉することなく電力を負荷に注入でき、装置の大電力化が実現する。
電離プラズマ形成領域■374■には電離プラズマ用ガス導入口■377■より流量制御された空気が導入され、電離プラズマ用ガス排気口■378■から排出され減圧ポンプに接続されている。
反応処理部■345■には流動性被処理体導入口■380■から水中での滅菌を目的として、被反応処理体として水を導入し、流動性被処理体排出口■381■より排出する。
誘電体外容器Va■340■と誘電体内容器Vb■341■により狭窄された領域には、光励起ガス入路■371■から酸素ガスが導入される。電離プラズマ■375■により発生する真空紫外光が内容器Vb石英管■355■を透過し、その紫外光によりオゾンが生成される。そのオゾンは、光励起ガス出路■372■を経由して反応処理部■345■に導入され、被処理体と接触する。
本装置は、被処理体としての水へのマイクロ波による加熱殺菌反応処理、マイクロ波電離プラズマによる真空紫外光照射による殺菌反応処理およびオゾン酸化処理反応を同一エネルギー源を用いて行える高効率高度水処理のための装置である。
ここで、本実施例に係る装置の具体的寸法および容量を示す。高周波■347■については、その周波数が2.45GHz、電磁波モードがTM11モード、最大出力が1Kwである。高周波結合部■342■部は、幅70ミリ高さ130ミリの開口部において誘電体外容器Va■340■と接している。誘電体外容器Va■340■は、厚み4ミリに皮膜されたマイカ層■353■で外側面を被覆した外径100ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■354■で形成されている。誘電体内容器Vb■341■は、外径50ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの石英管■355■で形成されている。誘電体内容器Vc■356■は、外径19ミリ肉厚1.5ミリZ軸方向長さ360ミリの内容器Vc(石英管)■357■の内部に外径16ミリの内容器Vc(テフロン管)■358■を挿入し構成されている。アルミ製被覆導体■343■は、厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。ステンレス接続フランジ■367■は、外径60ミリの誘電体内容器Vb■341■の接続部とNW50接続フランジ部とで構成されていて、両端部が外部真空配管に接続できる構成となっている。
電離プラズマ形成領域■374■は、2つの厚み3ミリ開口率35%のアルミパンチ板の多孔導体板■360■によって内容器Vb■341■と内容器Vc■356■に狭窄される領域を閉じて形成されている。電離プラズマ形成領域■374■では、空気が圧力15Psiで電離プラズマ用ガス導入口■377■より導入され、減圧ポンプに接続された電離プラズマ用ガス排気口■378■から排出され、その中の圧力が80paに制御されている。
本実施例に係る装置の構成では、50sccmに流量制御されつつ外径1/4インチSUS製光励起ガス入路■371■配管を経由した酸素ガスを、圧力15psiで誘電体外容器Va■340■と誘電体内容器Vb■341■により狭窄された領域に導入されている。さらに、その酸素ガスは光励起ガス出路■372■からTユニオン継ぎ手を経由して反応処理部■345■に導入されて被処理体と接触する。
被処理体としての水は最大1リットル/分の流量で作動性被処理体導入口■380■から導入され、流動性被処理体排出口■381■より排出される。
本実施例でのテスト例は次の通りである。被処理体水は純水、流入流量は500cc/分、電離プラズマ領域圧力は80pa、電離プラズマ用空気流量は30sccm、オゾン発生用酸素流量は50sccm、マイクロ波印加電力は800Wである。
次に、図64に示す第八実施例について説明する。図64は本発明のマイクロ波反応処理部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
本実施例は第七実施例からの変形例である。内容器Vc■356■の内側に二酸化チタンを被覆した外径が3ミリの多孔質アルミナを触媒材料■382■として充填し、反応処理領域■345■における光化学反応を目的とすることができる。
電離プラズマ■375■生成ガスとしてキセノン等のガスを用いてプラズマ発光スペクトルにおいて紫外光領域に強度ピークをもつ電離プラズマを形成し、反応処理領域■345■内に封入あるいは基材に担持された光触媒材料の触媒作用によって、気体・液体等の流動性被処理材料の反応促進を行う。
次に、図65に示す第九実施例について説明する。図65は本発明のマイクロ波反応処理部で、セラミック成型体の加熱焼結を目的とした反応装置の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図65に示すように、2つのマイクロ波発振部から発振された高周波■347■がそれぞれ導波管高周波線路■344■を経て高周波結合部■342■において誘電体外容器Va■340■に伝播し、電離プラズマ■375■を経由して反応処理部■345■に導入される。電離プラズマが形成される電離プラズマ形成領域■374■は、誘電体内容器Vb■341■と誘電体内容器Vc■356■で狭窄される領域に形成される。通常、高周波■347■の電磁波モードにより電界方向は各々異なるが、本実施例ではTM11モードを使用して円管である誘電体外容器Va■340■の円管周囲方向に電磁波が伝播するように電界方向をとり、電磁波が円管側面をループ状に帰還する無限長誘電体線路を形成している。
反応処理領域■345■は、誘電体内容器Vc■357■と上部および下部のアルミ製容器壁■361■とアルミ製ドア試料台から構成されていてオーリング■359■によりシールされている。
導波管高周波線路■344■は、外容器マイカ層■353■で外側面を被覆した外容器石英管■354■により構成される誘電体外容器Va■340■の外側面において接続されている。外容器マイカ層■353■の外側面は、導波管高周波線路■344■が接続されている部分以外は導波管高周波線路■344■と同電位のアルミ製被覆導体■343■によって被覆されている。さらに、その被覆導体■343■はアルミ製容器壁■361■とも電気的に接続している。
本実施例においては、誘電体内容器Vc■341■の外郭には内容器Vb外郭断熱誘電体層(マイカ層)■383■で被覆した内容器Vb(石英管)■355■が配置されている。そして、誘電体内容器Vb■341■は、その側面から誘電体外容器Va■340■の外容器マイカ層■353■の外側面までの距離が、導入される高周波の1/4波長の距離となるように同軸状に誘電体外容器Va■340■の内部に配置されている。
内容器Vc(石英管)■357■と内容器Vb(石英管)■355■は、容器壁■361■にてオーリング■359■によりシールされていて、それらにより狭窄された領域が電離プラズマ形成領域■374■となる。容器壁■361■に形成されている電離プラズマ用ガス導入口■377■からは流量制御されつつプラズマ用ガスが導入され、減圧ポンプに接続されている電離プラズマ用ガス排気口■378■から排出される。
外容器マイカ層■353■および内容器Vb外郭断熱誘電体層(マイカ層)■383■は、誘電体線路としての機能を有するとともに、同時に加熱焼結処理での断熱機能をも有している。これにより、両層は投入エネルギーの外部への放射損失を抑止することになる。さらに、内容器Vb外郭断熱誘電体層(マイカ層)■383■は、電離プラズマ形成領域■374■外郭側への光エネルギー放射損失を抑止し、光吸収機能および熱エネルギー保持機能も果たすことになる。
被処理体容器となる誘電体内容器Vc■356■の外郭側に形成される電離プラズマ■375■が、誘電体線路となるため、誘電体内容器Vc■356■の周囲に渡っての無限長誘電体線路が形成される。さらに、漏洩電界が内容器Vc■356■の内側の反応処理領域■345■に発生し、内部の処理体■313■の加熱焼結に使用される。
本実施例のように、複数の導波管高周波線路■344■より高周波■347■を導入しても、定在波は1/4波長インピーダンス変成器整合回路に相当する領域に閉じ込められる。そのため、複数の発振部は相互に干渉することなく電力を負荷に注入でき、装置の大電力化が実現する。
本実施例においては、内容器Vc■356■の内側面に、さらに均一電界分散のために、均熱分散誘電体■384■としてアルミナ管を設置し、漏洩電界の均一分散線路として用いている。これにより、負荷焼結セラミック成型体の均熱焼結が実現する。
以上により、反射波が導波管高周波線路■344■に帰還することが無く、発振側から負荷を見た場合無反射状態が実現し、さらにエネルギーの損失なくセラミック焼結が均一に高速に実現する。
ここで、本発明に係る実施例の具体的寸法および容量を示す。高周波■347■については、その周波数が2.45GHz高周波、電磁波モードがTM11モード、最大出力が1Kwである。高周波結合部■342■は、幅70ミリ高さ130ミリの開口部において誘電体外容器Va■340■と接している。誘電体外容器Va■340■は、厚み4ミリに積層されたマイカ層■353■で外側面を被覆した外径150ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■354■で形成されている。誘電体内容器Vb■341■は、外径115ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの内容器石英管■355■の外側面を厚み4ミリに積層された内容器Vb外郭断熱誘電体層(マイカ層)■383■で被覆して形成されている。誘電体内容器Vc■357■は、外径80ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの石英管で形成されている。アルミ製被覆導体■343■は、厚み0.5ミリのアルミ板で形成されている。アルミ製容器壁■361■は、厚み20ミリ外径200ミリの円盤状であり、ドア試料台で閉鎖される。均熱分散誘電体■384■は、外径73ミリ肉厚2ミリZ軸方向長さ190ミリのアルミナ管で形成されている。処理体■313■は、焼結成型前の高純度アルミナ材ブロックである。
内容器石英管■355■および誘電体内容器Vc■357■の構造材料として、本実施例では石英を使用しているが、他の低誘電率誘電体も使用できる。たとえば、アルミナ系セラミックは全て使用可能である。また、誘電体外容器Va■340■には、全ての低誘電率誘電体が使用可能であり、さらに異なる材質の誘電体を複数層にした構造のものも使用可能である。
本実施例では、均熱分散誘電体■384■においてアルミナ管を用いているが、空乏層を持ったセラミック材料を用いて、空乏率を選定し誘電率を調整することによって誘電線路の性能を向上することもできる。また被処理体の形状によって変形材を使用することもできる。
被処理材料は導体でない固体・液体・気体あるいはこれらの混合物であってもよい。
添付図面に従い、本発明に係る実施の形態4の具体的な実施例として、以下に第十実施例およびその変形例を説明する。
まず、第十実施例について説明する。図66は、本発明のマイクロ波処理装置の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図66に示すように、マイクロ波進行方向■401■のマイクロ波が導波管高周波線路■402■を経て、減圧試料室■407■およびプラズマガス導入口■405■と接続している処理室を構成するマイクロ波透過誘電体放電管■403■に照射される。上記の誘電体放電管■403■のマイクロ波進行方向■401■の反対側には、マイクロ波整合終端調整を行うために、可動式の金属製終端調整板■408■が設けられている。上記の誘電体放電管■403■の外周全域には、マイカ部材構成部■409■が多重に巻きつけられている。
減圧されている誘電体放電管■403■にプラズマガス導入口■405■から処理ガスが導入される。照射されたマイクロ波は、マイカ部材構成部■409■を透過し、誘電体放電管■403■上に高電界部を形成するように整合調整されている。マイクロ波照射により、誘電体放電管■403■内部には電離ガスプラズマ■406■が形成される。誘電体放電管■403■は形成される電離プラズマ■406■に対してエッチングあるいは腐食等を発生しない材質のものが形成される電離ガスプラズマ種に応じて選択されている。
マイクロ波電離プラズマの形成には、高電界部を負荷である放電管に形成することによって電離に必要な高電圧を付与する必然性がある。また、放電管の少なくとも一部に高電界部を形成できるように金属製終端調整板■408■あるいはマイクロ波導波線路内に設けられた位相整合器等の作動によって高電界部が放電管の内面の一部に現れるように調整する必要がある。
投入されたマイクロ波エネルギーは、電離ガスプラズマ■406■に消費されると共に、一部は誘電体放電管■403■の誘電損失角の特性によって放電管部によって発熱消費される。さらに誘電体放電管■403■は電離ガスプラズマによる輻射エネルギーを受け発熱する。特に、誘電体放電管■403■におけるマイクロ波高電界照射部分はマイクロ波エネルギー集中によって局部的に発熱し膨張する。
投入電力の増加ならびに照射時間の増加に伴い、発熱量が増大すると共に誘電体放電管■403■におけるマイクロ波高電界照射部分とそれ以外の部位との熱膨張の差により、誘電体放電管■403■にクラック等の破損が生じやすくなる。
さらに、マイクロ波照射を停止した処理後に放電管内部の減圧を開放し大気に戻す場合において、誘電体放電管■403■の急激な局所温度低下による収縮により誘電体放電管■403■にクラック等の破損を生じやすくなる。
本発明のマイカ部材構成部■409■は、誘電体放電管■403■の外周部に直接面上で接するように形成される。マイカが断熱機能および放熱機能を有するため、マイクロ波照射時の放電管発熱は、マイカ部材構成部■409■により断熱されると同時に誘電体放電管■403■全体が均質に熱されることになる。これにより、局部発熱による局所熱膨張を防止しクラック等の破損を防止することになる。さらに、マイカ部材構成部■409■による保熱効果によって処理後の減圧開放による誘電体放電管■403■の急激な局所温度低下による収縮を防止しクラック等の破損を防止することになる。
さらに具体的に説明すると、マイクロ波の高電界部によって透過窓あるいは放電管部材誘電体自体、あるいは処理室内の負荷によって透過窓あるいは放電管部材誘電体は局部発熱を生じるが、マイカ層が断熱効果を発揮するとともに、放熱特性によって透過窓あるいは放電管部材誘電体面に面状に放熱することによって上記の局部発熱は緩和され、透過窓あるいは放電管部材の局部温度差による熱膨張応力が緩和されることになり、クラックが発生しにくい。
また、処理完了後の減圧開放等により発生する冷却による透過窓あるいは放電管部材の収縮に対しては、マイカ層による断熱保温効果によって、処理室の状態変化にかかわらず透過窓あるいは放電管部材は低速にて冷却されることになって収縮応力が緩和され、クラックが発生しにくい。
また、マイカ層は成型加工も可能であると共に積層マイカ成型体は低コストであってさらに膜厚によっては柔軟性もある。
本装置は、フッ素系ガスを用いた電離ガスプラズマによるシリコン系材料のプラズマエッチング装置である。
ここで、本発明に係る実施例の具体的寸法および容量を示す。マイクロ波進行方向■401■から導入されるマイクロ波については、電磁はモードがTE01モード、周波数が2.45GHz、最大出力が2Kwである。導波管高周波線路■402■は、JIS規格WRJ2アルミ製導波管である。処理室として構成されるマイクロ波透過誘電体放電管■403■は、外径25.4ミリ肉厚3ミリ長さ300ミリのアルミナ管で形成されていて、導波管高周波線路■402■の高電界部を貫通するように設置されている。さらに、処理室として構成されているマイクロ波透過誘電体放電管■403■の導波管高周波線路■402■内の部分に、幅100ミリ厚み0.35ミリのマイカ積層フィルムが多層に巻きつけられ、厚み5ミリのマイカ部材構成部■409■が形成されている。誘電体放電管■403■はアルミ製減圧試料室■407■と1インチ系ユニオン継ぎ手により真空接続されており、減圧試料室■407■に接続されている真空ポンプの作動により減圧されている。さらに、誘電放電管■403■の上方により1インチ径−1/4インチ変換継ぎ手を用いてプラズマガス導入口■405■から流量制御されつつガスが導入されている。
本実施例でのテストの条件は、次の通りである。電離プラズマ用ガスはCF4である。流入流量は60cc/分、電離プラズマ領域圧力80pa、マイクロ波印加電力1500Wである。
本実施例でのテストの結果は、以下の通りである。マイカ部材構成部■409■を形成せずに上記のテスト条件の下で連続電離プラズマ放電を実施した。15分を経過したところで誘電体放電管■403■にクラックが発生し、クラック部分からのリークにより減圧維持が困難となり放電不能となった。
さらに、マイカ部材構成部■409■を形成せずに上記のテスト条件の下で3分の放電時間後、減圧された放電領域を窒素導入により大気開放し1分間放置し、再度減圧をして再度放電を3分実施するサイクルのテストを実施したところ、3サイクル目の大気開放時に誘電体放電管■403■にクラックが発生した。
本発明のマイカ部材構成部■409■を形成したものでは、連続放電時間1時間を経過しても誘電体放電管■403■に破損は無く、さらにサイクル処理時の大気開放による破損も無く本発明の効果が実証できた。
本実施例では処理室として構成されるマイクロ波透過誘電体放電管■403■においてアルミナ管を用いているが他の全てのセラミック材料も使用できる。またマイカ部材構成部■409■においてマイカ積層フィルムを用いているが、マイカ成型管あるいは、マイカ積層フィルムを低誘電損失角の断熱ガラス基材と組み合わせて積層させた積層体を用いてもよい。
図67に示すように、第十実施例の変形例として、マイクロ波表面波利用装置の処理室構成マイクロ波透過誘電体透過窓■404■にマイカ成型体を密着設置することもできる。
添付図面に従い、本発明に係る実施の形態5の具体的な実施例として、以下に第十一実施例およびその変形例を説明する。
他の記号と判別するために図面符号は■■内に示す。
図68は、本発明の第十一実施例の態様を示す図である。本発明に係る装置の構造では、処理廃水■509■は処理廃水槽■504■において加熱源■506■の加熱制御により液体恒温加熱槽■505■によって40度から70度の間で加熱制御され、廃水移送ポンプ■507■により被処理廃水入口■581■から本発明に係る装置の処理部に導入される。処理部における廃水処理通路については、廃水接液部が合成石英製の管により構成されている。このため、真空紫外光による高エネルギー光子フォトン照射■548■の透過およびマイクロ波電磁波■546■の透過が補償されている。電離ガスプラズマ形成領域■574■は減圧真空ポンプ■503■により減圧されている。そして、ガスプラズマ原料となる原料ガスが電離プラズマ用ガス導入口■577■から流量制御されつつ電離ガスプラズマ形成領域■574■に導入される。
マイクロ波発振源■501■から発振された高周波マイクロ波が高周波導波線路■544■を経由して、電離ガスプラズマ形成領域■574■となる高周波共振負荷に導入される。そして、電離ガスプラズマが電離ガスプラズマ形成領域■574■に生成し、減圧電離ガスプラズマからの真空紫外光による高エネルギー光子フォトン照射■548■が廃水処理通路内の被処理廃水に照射される。さらに高周波マイクロ波電磁波■546■は、電離ガスプラズマ形成領域■574■におけるプラズマが誘電体線路の機能を果たすことにより、プラズマ形成領域全般に漏洩拡散して一部が電離プラズマエネルギーとして消費されるとともに、その他は高周波終端となる被処理廃水に対して照射されることになる。
廃水処理通路を通過する廃水は上記の真空紫外線照射と電磁波照射により処理が行われ被処理廃水出口■580■から排出され廃水返送路■508■を経由して処理廃水槽■504■に戻される。こうして、連続的に循環処理が行われる。
図69は、本発明の廃水処理部の鉛直中心部断面図および、y1−y2における水平断面図である。
図69に示すように、マイクロ波発振部から発振される高周波■547■が導波管高周波線路■544■を経て高周波結合部■542■を介して誘電体外容器Va■540■に伝播し、電離プラズマ■575■を経由して反応処理部■545■に導入される。電離プラズマが形成される電離プラズマ形成領域■574■は、アルミナ管製の誘電体内容器Vb■541■と廃水処理通路を形成する合成石英管製の廃水処理管■556■で狭窄される領域に形成される。通常、高周波■547■の電磁波モードにより電界方向は各々異なるが、本実施例ではTM11モードを使用して円管である石英製の誘電体外容器Va■554■の円管周囲方向に電磁波が伝播するように電界方向をとることによって円管側面をループ状に帰還する無限長誘電体線路を形成している。
誘電体外容器Va■554■は、石英管にマイカ層を被覆して形成され、その周囲を被覆電体■543■と接触している。誘電体内容器Vb■541■は、上部および下部のステンレス製接続フランジ■567■によりボルト■568■を用いて挟み込まれ、オーリング■559■によりシールされる。廃水処理管■556■は、接続フランジ■567■を貫通し、貫通部はオーリングによってシールされる。
誘電体外容器Va■554■の水平断面における内郭線の長さは、導入される高周波の1/4波長の整数倍となるように設計されている。これにより、誘電体外容器Va■554■の円周方向を誘電体線路として伝播する高周波■547■は、伝送線路共振することになる。さらに、誘電体外容器Va■554■の外側面は、被覆導体■543■により被覆されているため、電磁波は外側には漏れることがなく、漏洩電界を形成する表面波が誘電体外容器Va■554■の内径方向に線路に沿って幅広く発生する。さらに、被覆導体■543■は接地電位であるために導体面から内径方向において導入される表面波の1/4波長の整数倍の位置に多数の高電界点がループ状に幅広く発生することになる。これにより、電離プラズマ形成領域■574■に容易に電離プラズマが形成される
上記のように、被処理体容器となる廃水処理管■556■の外郭側に形成される電離プラズマが誘電体線路となって廃水処理管■556■周囲に渡っての無限長誘電体線路となり、さらに漏洩電界が廃水処理管■556■の内側の被処理廃水処理部■545■に発生する。
電磁波が誘電率の大きな媒質から小さな媒質に入射する場合には、入射角がある角度以上になると全反射が生じる。このため、廃水処理管■556■の内部反射成分は電離プラズマにより反射伝播し被処理体に吸収される。この領域での高周波の線路インピーダンスは負荷のインピーダンスによって連動変化し、線路は1/4波長インピーダンス変成器整合回路である。これにより、線路と負荷との間でインピーダンス整合がとれて、最終的には電磁波エネルギーが効率よく負荷に吸収される。
以上により、反射波が導波管高周波線路■544■に帰還することが無く、発振側から負荷を見た場合無反射状態が実現する。
さらに、処理容器の構造は全体として円筒空洞共振器の構造であり、また誘電体共振器となる構造である。このため、効率よく電力を負荷にて吸収することができる。
複数の導波管高周波線路■544■より高周波■547■を導入しても、定在波は上記の1/4波長インピーダンス変成器整合回路に相当する領域に閉じ込められるため、複数の発振部は相互に干渉することなく電力を負荷に注入でき装置の大電力化が実現する。
誘電体外容器Va■554■と誘電体内容器Vb■541■により狭窄された領域には、光励起ガス入路■571■からガスが導入される。そして、そのガスは光励起ガス出路■572■を経由して被処理廃水処理部■545■に導入されて被処理体と接触する。
ここで、本発明に係る実施例の具体的寸法および容量を示す。高周波■547■については、周波数が2.45GHz、電磁波モードがTM11モード、最大出力が1Kwである。誘電体外容器Va■554■は、外径100ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリの外容器石英管■554■で形成されている。誘電体内容器Vb■541■は、外径50ミリ肉厚3ミリZ軸方向長さ200ミリのアルミナ管で形成されている。廃水処理管■556■は、外径19ミリ肉厚1.5ミリZ軸方向長さ360ミリの合成石英管である。ステンレス接続フランジ■567■は、外径60ミリの誘電体内容器Vb■541■の接続部とNW50接続フランジ部とで構成されていて、両端部が外部真空配管に接続できるように構成されている。
電離プラズマ形成領域■574■は、2つの厚み3ミリ開口率35%のアルミパンチ板の多孔導体板■560■によって内容器Vb■541■と廃水処理管■556■の狭窄される領域を閉じて形成されている。電離プラズマ形成領域■574■には、空気が圧力15Psiで電離プラズマ用ガス導入口■577■より導入され、減圧ポンプに接続されている電離プラズマ用ガス排気口■578■から排出されており、圧力が100paに制御されている。
外径1/4インチSUS製光励起ガス入路■571■配管から50sccmに流量制御されつつ水素ガスが圧力15psiで誘電体外容器Va■554■と誘電体内容器Vb■541■により狭窄された領域に導入されており、光励起ガス出路■572■よりTユニオン継ぎ手を経由して廃水処理部■545■に導入されうる。このように、処理用途によって処理廃水にガス接触できる構成である。
被処理廃水流量は廃水移送ポンプを制御することにより、最大10リットル/分に制御できる。処理廃水槽■504■は、実効最大廃水容積20リットルである。また、減圧真空ポンプは、排気量250リットル/分のロータリーポンプにより構成されている。
本実施例でのテストの結果は、以下の通りである。
廃水処理として余剰汚泥の減容化処理実験を行った。処理原水としてpH値6.78、TOC値96.2、MLSS値2900、COD値2500、BOD値1000、TN値330、TP値54の汚泥5リットルを用いて、処理前温度を40度に加熱処理した。循環流量10リットル/分にて循環し、浄化処理を行い30分後処理後の数値を測定した。
減圧電離ガスプラズマのガス原料としては空気を用い、プラズマ発生処理条件としては、マイクロ波出力を500ワット、圧力条件を100paとした。水素ガス添加は行わなかった。
30分処理後の数値は、pH値6.71、TOC値413.5、MLSS値770、COD値1900、BOD値880、TN値380、TP値60となった。MLSSの減少率は74%であり大きな減容化効果が見られた。細胞質溶出によるCOD値とBOD値の増加が見られないことから有機物酸化分解反応も同時並行して行われていると考えられ、減容化処理と分解処理において大きな効果が見られた。
上記の結果から、処理後の廃水を生物学的処理に戻す処理システムを構成しても、余剰汚泥の発生量を大きく抑制できることとなる。また、同時にランニングコストは電力費用のみでありかつ上記実験結果からの試算では従来方法に比べて約1/3以下となる。
無機栄養化塩類の除外を廃水処理の目的としてもよい。
図70に示すように、第十一実施例からの変形例として、本発明の廃水処理装置の構成の後段あるいは前段にイオン交換処理ユニットあるいは電解装置■511■を連続接続した装置を構成し、本発明の処理方法によって廃水中の汚濁物質のイオン化を行い、後段のイオン交換処理効果または電解効果を促進することを目的とすることもできる。
図71に示すように、第十一実施例からの変形例として、真空紫外光源と高周波電磁波励起源を別のものとすることもできる。
処理システム構成としてエキシマ光源として誘電体バリア放電ランプ■510■を合成石英製廃水処理槽に照射できるように配置し、高周波励起源として1KHzから2450MHzまでの高周波を高周波発振源■502■により照射できるように構成してもよい。
本発明は廃水処理方法として単一単位操作処理であって、酸化分解処理効果があり、かつ殺菌効果があり、汚濁物質のイオン化により次の工程における固液分離操作を容易とする効果があり、細胞に対して破壊あるいは溶解性がありかつ低分子化が行える処理方法で、かつ処理ランニングコストが低く、処理効果に対する投下エネルギー効率が高く、処理装置の大型化が容易である処理方法および処理システムに関するものである。
本発明に係る装置に用いられる処理方法と処理システムでは広体積域に形成可能な真空紫外線源となるマイクロ波減圧ガスプラズマが、電磁波伝播拡散線路媒体として同時に機能することから処理システムを小型化できると同時に大きな廃水処理接触部を構成できる。
廃水処理部に照射吸収されたマイクロ波電磁波により、汚濁物質は直接あるいは水を媒体として振動励起されて反応に対する活性が上がることにより反応速度を向上できる。さらにより強度な振動励起によってはイオン化が計られる。また汚泥細胞に対しては高周波電磁波の透過による細胞内部溶質の直接励起によって細胞を死滅かつ内部膨張させ細胞壁を構成する高分子架橋分子構造を拡張させて分解反応を容易とする効果が得られる。
以上の機構により、被処理廃水の汚濁物質を直接光化学反応によって分解することが可能であり、廃水中の溶存酸素に対しては活性酸素を生成せしめて酸化反応が実現する。さらに、菌体に対しては高エネルギーフォトンによる殺菌が可能で、細胞壁破壊については有機物分解と同様な機構で構成分子構造を切断することによって細胞壁破壊が実現する。さらに細胞質溶質後の細胞質分解に対しても酸化・分解反応によって低分子化が実現する。また光化学反応による有機物分解過程で脱離される水素原子は脱リン反応あるいは脱窒素反応に寄与することになる。
有機物・還元性物質の酸化と分解の高度処理および殺菌に関する廃水処理においては、上記の機構により電磁波エネルギーにより振動励起し活性が上がった汚濁物質あるいは菌体に対して、真空紫外光による光化学酸化・分解・殺菌反応が行われることにより、補助促進酸化処理を必要とせず高い効率の処理が実現する。
有害物質の除去処理使用においては、上記の機構により電磁波エネルギーにより振動励起し活性が上った汚濁物質においては固液分離反応が促進し、強度な振動励起によっては汚濁物質のイオン化が促進して後段にイオン交換処理を組み合わせることにより廃水処理効率を向上できる。また、真空紫外光による光化学反応処理により脱離された水素原子は、電磁波照射により励起活性化して脱リン反応あるいは脱窒素反応に寄与し高い効率の処理が実現する。
汚泥処理および余剰汚泥処理使用においては、上記の機構により汚泥細胞に対して、高周波電磁波の透過により細胞内部溶質が直接励起されることによって、細胞を死滅かつ内部膨張させて細胞壁を構成する高分子架橋分子構造を拡張させて分解反応を容易な状態とすることができる。同時に真空紫外光による光化学反応により細胞壁を構成する有機物を光分解して構成分子構造の一部を切断することにより上記電磁波励起により内部膨張している細胞は一挙に細胞質溶出され短時間に高い効率で汚泥の減量化が実現する。さらに溶出した細胞質は、有機物の酸化および分解反応と同様な機構で脱リン反応と脱窒素反応も同時に行われることによって、汚泥減量化処理によるBOE値、COD値、TN値、TP値、TOC値の過大な上昇なく高い効果の処理が実現する。
被処理廃水を上記処理の前に40度から70度に加熱することにより、廃水処理の活性を上げてさらに処理時間を短縮し処理の効率を上げることができる。
さらにリン・窒素化合物等の無機栄養塩類処理に関しては、水素ガスを本発明の処理部に気泡混入し還元効果を上げることができる。
また、一方で処理システムとして安全上の問題はなく、また環境負荷の小さい、エネルギー効率の高い手法であって、また消耗材等も無く低ランニングコスト処理が実現する。
本発明の応用分野は固体、液体、気体を対象とした全ての高周波反応処理またはプラズマ処理を行う分野で、エッチング、アッシング、CVD、半導体表面処理、光ソース、加熱、焼結、合成、分解、洗浄、改質処理、触媒反応、気化、殺菌等の分野を含む。
本発明は、上記の実施例や実施態様に限定されず、特許請求の精神および範囲を逸脱することなく各種の変形例を含む。
産業上の利用可能性
本発明に係る高周波反応処理装置においては、誘電体により形成された外容器と、その内側に誘電体により形成されている内容器が配置されて、外容器の外面には高周波結合部が設けられ、それ以外の外面部分には接地電位に保たれた導電体の被覆部が設けられている。
これにより、外容器の容器外側の高周波結合部以外の部分は導入高周波接地電位となるよう導体被覆されているため、内容器内側の反応処理領域において多数の強電界点を持たせることができる。
また、高周波結合部を筒状側面あるいは球状側面に設けて高周波伝播線路がループ状に帰還するように、筒状あるいは球状の誘電体容器により線路が形成されるため、線路面積の大きな無限長誘電体線路を構成し、高周波導波管線路より電磁波を無限長誘電体線路方向に伝播させることができる。
この無限長誘電体線路の実現によって、複数の高周波結合部を同一誘電体線路に導入するに際し、各々の高周波結合部導入位置を調整することにより、各々の導入される高周波の相互干渉を抑制でき、同一線路内にて共振を増幅することが可能となる。その結果、複数の高周波結合部から同一負荷に電力を投入する電力分割複数伝送路電力投入によって任意に投入電力を増加できる構造であり大電力を投入することが可能になる。
また、導波管線路からの高周波を誘電体線路に導入して誘電体線路内に高周波を広く伝播させているため、均一で大きな電界面を誘電体線路の下側の内容器内側の反応処理領域に発生させることができ、大容積であって高均一に電力を投入できる高周波反応処理装置を実現できる。
また、プラズマ装置応用においては投入電力の増加によって電離気体プラズマの電子密度が上昇するにつれて電離気体プラズマの境界面は導体と同様の性質を増し、ループ上に帰還している無限長誘電体線路と電離気体プラズマ境界面とで閉鎖される領域において電磁波が反射伝播するため、電磁波伝播面積が増加して大面積に対して電界を生成することが可能となる。
また、プラズマ負荷部においてプラズマ生成の無い状態からプラズマを発生させるには、回路終端に電離ガスが剥離するだけの高電圧を必要とするが、上記のような構成をとることにより、終端側に共振回路が構成されていて高電圧が発生しプラズマの着火が容易となる。また、高周波結合部および誘電線路によって結合回路型整合器と等価の回路が構成されているため、負荷回路が発振部領域から分離されていることにより負荷変動に対して安定した回路を実現することができる。その結果、電力の投入から反射波の発振部への帰還に強く、かつ電力の負荷への投入を多くすることができる回路構成を実現できる。

Claims (18)

  1. 誘電性材料で構成され、2つの端面により内腔を閉鎖することができる外容器と、
    前記外容器の外面の任意の位置に設けられた1または2以上の高周波結合部と、
    誘電性材料で構成され、前記外容器の内側面に接さず、前記高周波結合部を通して飛来する高周波を受ける位置に設けられ、2つの端面により内腔を閉鎖することができる1または2以上の内容器と、
    導電性材料で構成され、前記外容器の外面で前記高周波結合部が設けられた部分以外を被覆し、高周波線路接地電位と同電位に保たれた被覆部と、
    を備え、
    前記内容器の内腔においてプラズマを生じさせることを特徴とする高周波反応処理装置。
  2. 誘電性材料で構成され、2つの端面により内腔を閉鎖することができる外容器と、
    前記外容器の外面の任意の位置に設けられた1または2以上の高周波結合部と、
    誘電性材料で構成され、前記外容器の内側面に接さず、前記高周波結合部を通して飛来する高周波を受ける位置に設けられ、2つの端面により内腔を閉鎖することができる1または2以上の内容器と、
    導電性材料で構成され、前記外容器の外面で前記高周波結合部が設けられた部分以外を被覆し、高周波線路接地電位と同電位に保たれた被覆部と、
    を備え、
    前記内容器の内腔において前記高周波結合部より導入される電磁波により処理材料の反応処理を行うことを特徴とする高周波反応処理装置。
  3. 前記外容器または前記内容器の形状は、楕円柱または楕円体であり、
    前記外容器の外側面と前記内容器の内側面との距離は、一定であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の高周波反応処理装置。
  4. 前記外容器の外側面と前記内容器の内側面との距離は、導入される高周波電磁波の波長の1/4の整数倍であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  5. 外容器の外側面の外周長は、導入される高周波電磁波の波長の1/4の整数倍であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  6. 前記外容器の両端面を結ぶ軸の長さは、導入される高周波電磁波の波長の1/4の整数倍であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  7. 前記外容器と前記内容器の間の領域には、連続的に流動する低誘電率の冷媒を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  8. 前記外容器の内側面または前記内容器の外側面には、凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  9. 複数の前記高周波結合部から導入される各高周波電磁波の波長は、そのうちの特定の高周波電磁波の波長に対してその他の高周波電磁波の波長が同一または整数倍であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  10. 前記外容器は、誘電率の異なる複数の誘電体の層により形成されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  11. 前記外容器の誘電体の層は、マイカを含む成型体または積層材により構成されることを特徴とする請求項10記載の高周波反応処理装置。
  12. 前記外容器または内容器の両端面を結ぶ軸の方向に、高周波電場と交差するように磁場を与えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  13. 前記内容器は、前記外容器の内側面に接さないように設けられた第1の内容器と、前記第1の内容器の内側面に接さないように設けられた第2の内容器からなり、前記第1の内容器または前記第2の内容器のいずれかは、紫外光を透過する誘電体で形成されることを特徴とする請求項1から請求項12記載の高周波反応処理装置。
  14. 前記内容器は、前記外容器の内側面に接さないように設けられた第1の内容器と、前記第1の内容器の内側面に接さないように設けられた第2の内容器からなり、前記外容器と前記第1の内容器に狭窄される領域に接する前記外容器の端面には、処理用媒体の通過口を備えることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  15. 前記内容器の端面には、処理用媒体の通過口を備えることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  16. 前記内容器の内腔に、物質分解または物質変成の処理に用いられる少なくとも多孔質体セラミック材料あるいは触媒材料が設置されていることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  17. 前記内容器の内腔において前記高周波結合部より導入される電磁波により液体または気体の反応処理を行うことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれかに記載の高周波反応処理装置。
  18. 前記液体または気体には、高周波電離ガスプラズマから生じる真空紫外光の照射による光化学反応処理、または高周波電磁波の照射による励起現象を利用する処理を行うこと特徴とする請求項1から請求項17に記載の高周波反応処理装置。
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