JP2006324146A - 大気圧マイクロ波プラズマ反応装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 少ない電力で高密度のプラズマを励起することにより、高速且つ安価にプラズマ処理を行うことのできる大気圧マイクロ波プラズマ反応装置を提供する。
【解決手段】 大気圧マイクロ波プラズマ反応装置(10)は、マイクロ波方形導波管(1)と、導波管(1)に直交し貫通する誘電体管(2)と、誘電体管(2)に被せられたマイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)とから構成される。誘電体管(2)に不活性ガスなどの気体を導入しながらマイクロ波発振器でマイクロ波を提供し、管(2)内部にプラズマを励起する。管(2)の端部にはプラズマ場(6)が形成され、繊維や織物(5)にこのプラズマ場(6)を通過させることにより、表面改質処理が施される。
【選択図】 図1
【解決手段】 大気圧マイクロ波プラズマ反応装置(10)は、マイクロ波方形導波管(1)と、導波管(1)に直交し貫通する誘電体管(2)と、誘電体管(2)に被せられたマイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)とから構成される。誘電体管(2)に不活性ガスなどの気体を導入しながらマイクロ波発振器でマイクロ波を提供し、管(2)内部にプラズマを励起する。管(2)の端部にはプラズマ場(6)が形成され、繊維や織物(5)にこのプラズマ場(6)を通過させることにより、表面改質処理が施される。
【選択図】 図1
Description
本発明は大気圧マイクロ波プラズマ反応装置および方法に係り、より詳細には、大気圧下の高安定性マイクロ波プラズマを利用して高効率で繊維および織物の表面改質を行うことが可能な大気圧マイクロ波プラズマ反応装置および方法に関する。
従来、プラズマの応用技術として、繊維や織物の表面改質、プラスチックやガラス等の表面の薄膜形成をはじめとする様々な処理が行われている。
例えば、特許文献1に記載のグロープラズマ反応方法によれば、ガラス、プラスチック、セラミックス等からなる円筒管等の絶縁体管の内面に危険な薬品を使用することなく均一なエッチングを行うことができる。
また、特許文献2に記載の大気圧プラズマ反応方法によれば、大気圧下の高安定性プラズマを利用して、基体の材質や形状等にかかわらず均一な薄膜形成や表面処理を行うことが可能である。
例えば、特許文献1に記載のグロープラズマ反応方法によれば、ガラス、プラスチック、セラミックス等からなる円筒管等の絶縁体管の内面に危険な薬品を使用することなく均一なエッチングを行うことができる。
また、特許文献2に記載の大気圧プラズマ反応方法によれば、大気圧下の高安定性プラズマを利用して、基体の材質や形状等にかかわらず均一な薄膜形成や表面処理を行うことが可能である。
さらに、特許文献3には、大気圧グロープラズマ処理により表面をフッ素化して繊維および織物に疎水性を付与する発明が記載されている。この発明によれば、安価に疎水性表面を持つ繊維あるいは織物を提供することができる。
特開平5−106053号公報
特公平7−48480号公報
特開平7−189114号公報
しかし、特許文献1に記載のような低圧グロー放電プラズマを利用した表面処理方法によれば、低圧真空の環境を作り出すために、真空チャンバーなどの設備や装置が必要となる。さらに、低圧グロー放電プラズマによる表面処理方法では、バッチ処理(不連続処理)を行うため時間がかかり、高コストとならざるを得なかった。
一方、特許文献2および3に記載のような大気圧グロー放電を利用した表面処理方法では、低圧真空装置や低圧真空設備は必要としないが、使用する周波数が10kHzと低いためプラズマ密度が低く、したがってプラズマ処理能力が低いという欠点があった。
こうした従来技術の問題点に鑑み、本発明は、大気圧下においてプラズマ密度が高く、反応活性が大きく、しかも高安定性の反応ガスプラズマを利用して、安価に大量の繊維および織物を処理することのできる大気圧マイクロ波プラズマ反応装置および方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するため本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置は、マイクロ波発振器と、一端に短絡板を備え他端で前記マイクロ波発振器と接続しマイクロ波発振器からのマイクロ波を導くマイクロ波方形導波管と、マイクロ波方形導波管に直交して貫通しマイクロ波発振器からのマイクロ波により内部でプラズマを励起する誘電体管とから構成される。この装置において、誘電体管は、一端から気体を導入され、内部で励起したプラズマにより他端にプラズマ場を形成して、繊維および織物にプラズマによる表面改質処理を行う。
また、この大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管はさらに、マイクロ波方形導波管との交差部において誘電体管を覆うマイクロ波漏洩防止用金属パイプを備え、マイクロ波が交差部から漏洩するのを防止する。
また、この大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管はさらに、マイクロ波方形導波管との交差部において誘電体管を覆うマイクロ波漏洩防止用金属パイプを備え、マイクロ波が交差部から漏洩するのを防止する。
本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管はさらに、一端にガス導入管を備えてもよい。
さらに、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、マイクロ波方形導波管は複数であり、マイクロ波発振器は、導入される気体の上流側に位置するマイクロ波方形導波管から下流側に位置するマイクロ波方形導波管へ順次マイクロ波を提供する手段を有する。
さらに、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、マイクロ波方形導波管は複数であり、マイクロ波発振器は、導入される気体の上流側に位置するマイクロ波方形導波管から下流側に位置するマイクロ波方形導波管へ順次マイクロ波を提供する手段を有する。
本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管の内部には導電性繊維が配置されてもよい。
本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管の内部にはさらに小型誘電体管が配置され、この小型誘電体管に導電性繊維が巻回されてもよい。
また、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置においては、誘電体管の外周に導電性繊維が巻回され、この誘電体管および導電性繊維がさらに大型誘電体管により収納されてもよい。
本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管の内部にはさらに小型誘電体管が配置され、この小型誘電体管に導電性繊維が巻回されてもよい。
また、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置においては、誘電体管の外周に導電性繊維が巻回され、この誘電体管および導電性繊維がさらに大型誘電体管により収納されてもよい。
本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置は、マイクロ波発振器と、マイクロ波発振器と接続しマイクロ波発振器からのマイクロ波を導くマイクロ波方形導波管と、両端に短絡板を備えマイクロ波方形導波管と直交して接続するマイクロ波円筒形導波管と、一端にガス導入管を備えマイクロ波円筒形導波管の中心にマイクロ波円筒形導波管の軸方向に沿って短絡板を貫通して配置される誘電体管とから構成される。この装置において、誘電体管は、ガス導入管から気体を導入され内部で励起したプラズマにより他端にプラズマ場を形成して、繊維および織物にプラズマによる表面改質処理を行う。
また、この大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管はさらに、マイクロ波円筒形導波管の短絡板と誘電体管との交差部において誘電体管を覆うマイクロ波漏洩防止用金属パイプを備え、マイクロ波が交差部から漏洩するのを防止する。
この大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、マイクロ波円筒形導波管は、軸方向に沿ってマイクロ波の1/2波長のn倍(nは整数)の長さである。
さらに、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管に導入される気体は、不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのいずれかである。
この大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、マイクロ波円筒形導波管は、軸方向に沿ってマイクロ波の1/2波長のn倍(nは整数)の長さである。
さらに、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、誘電体管に導入される気体は、不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのいずれかである。
前述の目的を達成するため本発明がさらに提供するのは、大気圧下で繊維や織物にプラズマ反応による表面改質処理を施すための大気圧マイクロ波プラズマ反応方法である。この方法は、誘電体管内に気体を導入しマイクロ波発振器からのマイクロ波によって誘電体管内にプラズマを励起する段階と、誘電体管端部に形成されたプラズマ場に繊維または織物を配置し、繊維または織物を移動させてプラズマによる表面改質処理を行う段階とを含む。
また、本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応方法は、誘電体管内に気体を導入し、マイクロ波発振器からのマイクロ波によって誘電体管内にプラズマを励起する段階と、誘電体管内に繊維または織物を配置し繊維または織物を平行に移動させてプラズマによる表面改質処理を行う段階とを含むこともできる。
本発明の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置および方法によれば、励起するプラズマのプラズマ密度が高いため、高速の処理を行うことが可能である。また、真空度を保つための特別な設備や装置が不要であることから、低圧におけるプラズマ処理と比べてランニングコストが低減される。したがって、安価に大量の表面改質繊維および織物を提供できる。さらに、プラズマ励起のための電力を抑えることも可能である。
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施例による大気圧マイクロ波プラズマ反応装置(10)を概略的に示した図である。図示するように、プラズマ反応装置(10)は、マイクロ波方形導波管(1)と、この導波管(1)に直交し導波管(1)を貫通する誘電体管(2)と、マイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)とから形成される。導波管(1)の一端部は短絡板(4)を備え、他端部にはマイクロ波発振器(図示しない)が接続される。
図1は、本発明の第1の実施例による大気圧マイクロ波プラズマ反応装置(10)を概略的に示した図である。図示するように、プラズマ反応装置(10)は、マイクロ波方形導波管(1)と、この導波管(1)に直交し導波管(1)を貫通する誘電体管(2)と、マイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)とから形成される。導波管(1)の一端部は短絡板(4)を備え、他端部にはマイクロ波発振器(図示しない)が接続される。
本実施例においては、誘電体管(2)は直径10mmの石英ガラス管であり、マイクロ波方形導波管(1)の両側部に設けられた直径10.5mmの孔を通って導波管(1)に直交して貫通する。誘電体管(2)のうち導波管(1)の外部に突出している部分には、導波管(1)に密接してマイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)が被せられる。マイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)は、マイクロ波方形導波管(1)に電力が供給されたときに電波が漏洩することを防止するためのものであり、導波管(1)に電気的導通をもって取り付けられる。
誘電体管(2)には、図中に矢印Aで示すように、一端から不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのうちいずれかの気体を毎分5リットル〜20リットルの流量で導入する。ここで、ガスの導入を続けながら、図中に矢印Bで示すように、マイクロ波方形導波管(1)に接続したマイクロ波発振器(図示しない)から出力500W程度で周波数2.45GHzのマイクロ波を導波管(1)へ供給すると、誘電体管(2)内部の導波管(1)内に位置する部分にプラズマが励起する。
励起したプラズマは、マイクロ波発振器の出力を150W程度まで低下させても維持され、ガス流に乗って、導入側とは反対の誘電体管(2)の端部から導出される。炎状のプラズマ場(6)には処理すべき繊維や織物を配置し、矢印Cの方向へ連続して移動させる。これにより、これらの繊維や織物にプラズマによる表面改質処理を施すことができる。
本実施例において、例えば、マイクロ波発振器の出力を300W、周波数を2.45GHz、不活性ガスをアルゴンガスとして、流量毎分10リットルの条件下で、ポリエステルの織物に3秒間にわたりプラズマ処理を行うと、処理前の純水の接触角が105度であったのに対し、処理後は親水性が格段に向上し、瞬時に純水を吸収して接触角が測定できない程度になることが確認されている。
また、本実施例においては、図2(a)に示すように誘電体管(2)内の導波管(1)内部に位置する部分に金属繊維や炭素繊維などの導電性繊維(7)を配置してもよい。繊維(7)は、誘電体管(2)に導入されたガスが通過できるものであればよい。導電性繊維(7)を配置することにより、プラズマ励起のためにマイクロ波発振器が提供する電力を低くすることができる。
あるいは、図2(b)に示すように、誘電体管(2)内の導波管(1)内部に位置する部分に、さらに小型の誘電体管(14)を配置し、その周りに導電性繊維(7)を配置することも可能である。なお、小型の誘電体管(14)は誘電体管(2)に導入されたガスが導電性繊維(7)を容易に通過することができるようにするためのものであり、マイクロ波発振器が提供する電力を低くする効果を損なうものではない。
また、図2(c)に示すように、誘電体管(2)の導波管(1)内部に位置する部分の外周に導電性繊維(7)を配置し、誘電体管(2)と導電性繊維(7)とを大型の誘電体管(15)に収納してもよい。いずれの場合であっても、図2(a)の場合と同様、導電性繊維(7)によってマイクロ波発振器が提供する電力を低くすることができる。
図3に示すのは本発明の第2の実施例である。本実施例においては、図1と同様の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置を複数組み合わせて用いる。なお、図3には2つのプラズマ反応装置(10・10′)を示すが、反応装置の数は2つに限らず、2つより多くてもよい。
図3において、誘電体管(2)は一本の管であり、プラズマ反応装置(10)の導波管(1)と、プラズマ反応装置(10′)の導波管(1′)との両方を貫通する。また、誘電体管(2)には、導波管(1)に密接したマイクロ波漏洩防止用金属パイプ(2aおよび2b)と、導波管(1′)に密接したマイクロ波漏洩防止用金属パイプ(2cおよび2d)とがそれぞれ被せられる。
第1の実施例と同様、誘電体管(2)には、図中の矢印Aが示すように、一端から不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのうちいずれかの気体を導入する。導入を続けながら、図示しないマイクロ波発振器より導波管を通してマイクロ波を供給する。
マイクロ波発振器は、プラズマ反応装置と同数用意した上でそれぞれ独立してマイクロ波を供給してもよいし、1つのマイクロ波発振器の出力を分岐してマイクロ波を供給してもよい。いずれの場合であっても、複数のプラズマ反応装置(10、10′…)のうち、導入するガス流の最上流側に次いで下流側で順次マイクロ波を供給する。すなわち、図中では導波管(1)に矢印B−1で示すようにマイクロ波を供給した後、導波管(1′)に矢印B−2で示すようにマイクロ波を供給する。これにより、下流側では上流側よりも低い電力でプラズマを励起することが可能となるため、処理工程における省電力化を実現することができる。
マイクロ波が供給されると、導入されたガスは、まず上流側の導波管(1)内に位置する誘電体管(2)の内部において電離してプラズマ状態となる。このとき、プラズマ状態にならなかったガスとプラズマ状態になったガスとは、ともに下流に向かって流れる。プラズマ状態にならなかったガスは、下流側の導波管(1′)内にあたる誘電体管(2)の内部において再びマイクロ波の供給を受けることによりプラズマ励起する。
励起したプラズマは、誘電体管(2)の導入側とは反対の端部から導出される。炎状のプラズマ場(6)はプラズマ密度が高いため、繊維や織物を短時間で処理することができる。
励起したプラズマは、誘電体管(2)の導入側とは反対の端部から導出される。炎状のプラズマ場(6)はプラズマ密度が高いため、繊維や織物を短時間で処理することができる。
図4に示すのは、本発明の第3の実施例による大気圧マイクロ波プラズマ反応装置(20)である。このプラズマ反応装置(20)は、図1に示す本発明の第1の実施例によるプラズマ反応装置と略同一であるが、誘電体管(2)の一端側にガス導入管(8)を有する点が異なっている。
図示するように、本実施例においては、連続する繊維や織物(5)が誘電体管(2)の内部に配置される。この繊維や織物(5)を移動させながら、ガス導入管(8)から不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのいずれかを導入し、図示しないマイクロ波発振器よりマイクロ波を供給する。すると、誘電体管(2)の内部ではプラズマが励起し、繊維や織物(5)にプラズマ処理が施される。
図示するように、本実施例においては、連続する繊維や織物(5)が誘電体管(2)の内部に配置される。この繊維や織物(5)を移動させながら、ガス導入管(8)から不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのいずれかを導入し、図示しないマイクロ波発振器よりマイクロ波を供給する。すると、誘電体管(2)の内部ではプラズマが励起し、繊維や織物(5)にプラズマ処理が施される。
本実施例によれば、図1に示した本発明の第1の実施例と同様の効果が得られる。また、より高速なプラズマ処理を行う場合には、図3に示すのと同様にプラズマ反応装置を複数並置することにより、プラズマ密度を高くすればよい。
図5に示すのは、本発明の第4の実施例による大気圧マイクロ波プラズマ反応装置(30)である。このプラズマ反応装置(30)は、マイクロ波方形導波管(11)とマイクロ波円筒形導波管(12)とを組み合わせて構成される。円筒形導波管(12)の両端部には短絡板(9a・9b)が備えられ、この短絡板(9a・9b)を貫通するように、軸方向に沿って誘電体管(2)が配置される。誘電体管(2)には、前述した本発明の他の実施例のようにマイクロ波漏洩防止用金属パイプ(3a・3b)が被せてある。また、誘電体管(2)の一端側には、本発明の第3の実施例と同様にガス導入管(8)が設けられている。
一般に、円筒形導波管においては、円筒軸の中心において電界が最も強くなる。したがって、誘電体管(2)は、短絡板(9a・9b)の中央部に孔を設けて貫通させるのがよい。繊維や織物(5)は誘電体管(2)の内部に配置され、連続的に移動される。ここで、ガス導入管(8)から不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのうちいずれかの気体を導入し、マイクロ波方形導波管(11)を通してマイクロ波を供給すると、誘電体管(2)の内部ではプラズマが励起し、繊維や織物(5)をプラズマ処理することができる。
なお、本実施例のプラズマ反応装置(30)においては、繊維や織物(5)を誘電体管(2)の内部に配置せず、本発明の第1の実施例のように、炎状のプラズマ場(6)においてプラズマ処理することも可能である。
また、マイクロ波円筒形導波管(12)は、マイクロ波の波長を考慮して軸方向に長さを延長し、複数のモードがたつようにすることも可能である。すると、プラズマ反応装置(30)を複数並置することと同様にプラズマ密度を高くすることができる。
また、マイクロ波円筒形導波管(12)は、マイクロ波の波長を考慮して軸方向に長さを延長し、複数のモードがたつようにすることも可能である。すると、プラズマ反応装置(30)を複数並置することと同様にプラズマ密度を高くすることができる。
1 マイクロ波方形導波管
2 誘電体管
3a、3b マイクロ波漏洩防止用金属パイプ
4 短絡板
5 繊維/織物
6 プラズマ場
10 大気圧マイクロ波プラズマ反応装置
2 誘電体管
3a、3b マイクロ波漏洩防止用金属パイプ
4 短絡板
5 繊維/織物
6 プラズマ場
10 大気圧マイクロ波プラズマ反応装置
Claims (13)
- マイクロ波発振器と、
一端に短絡板を備え、他端で前記マイクロ波発振器と接続し、前記マイクロ波発振器からのマイクロ波を導くマイクロ波方形導波管と、
前記マイクロ波方形導波管に直交して貫通し、前記マイクロ波発振器からのマイクロ波により内部でプラズマを励起する誘電体管とから構成される大気圧マイクロ波プラズマ反応装置であって、
前記誘電体管は、一端から気体を導入され、内部で励起したプラズマにより他端にプラズマ場を形成して、繊維および織物に前記プラズマによる表面改質処理を行うことを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項1に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管はさらに、前記マイクロ波方形導波管との交差部において前記誘電体管を覆うマイクロ波漏洩防止用金属パイプを備え、前記マイクロ波が前記交差部から漏洩するのを防止することを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項1または2に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管はさらに、一端にガス導入管を備えることを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項1または2に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記マイクロ波方形導波管は複数であり、
前記マイクロ波発振器は、導入される前記気体の上流側に位置する前記マイクロ波方形導波管から下流側に位置する前記マイクロ波方形導波管へ順次マイクロ波を提供する手段を有することを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管の内部には導電性繊維が配置されることを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項5に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管の内部にはさらに小型誘電体管が配置され、前記小型誘電体管に前記導電性繊維が巻回されることを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項1乃至4に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管の外周には導電性繊維が巻回され、前記誘電体管および前記導電性繊維はさらに大型誘電体管により収納されることを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - マイクロ波発振器と、
前記マイクロ波発振器と接続し、前記マイクロ波発振器からのマイクロ波を導くマイクロ波方形導波管と、
両端に短絡板を備え、前記マイクロ波方形導波管と直交して接続するマイクロ波円筒形導波管と、
一端にガス導入管を備え、前記マイクロ波円筒形導波管の中心に前記マイクロ波円筒形導波管の軸方向に沿って前記短絡板を貫通して配置される誘電体管とから構成される大気圧マイクロ波プラズマ反応装置であって、
前記誘電体管は、前記ガス導入管から気体を導入され、内部で励起したプラズマにより他端にプラズマ場を形成して、繊維および織物に前記プラズマによる表面改質処理を行うことを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項8に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管はさらに、前記マイクロ波円筒形導波管の前記短絡板と前記誘電体管との交差部において前記誘電体管を覆うマイクロ波漏洩防止用金属パイプを備え、前記マイクロ波が前記交差部から漏洩するのを防止することを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項8または9に記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記マイクロ波円筒形導波管は、軸方向に沿って前記マイクロ波の1/2波長のn倍(nは整数)の長さであることを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 請求項1乃至10のいずれかに記載の大気圧マイクロ波プラズマ反応装置において、
前記誘電体管に導入される気体は、不活性ガス、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガス、空気、または不活性ガスと空気との混合ガスのいずれかであることを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応装置。 - 大気圧下で繊維や織物にプラズマ反応による表面改質処理を施すための大気圧マイクロ波プラズマ反応方法であって、
誘電体管内に気体を導入し、マイクロ波発振器からのマイクロ波によって前記誘電体管内にプラズマを励起する段階と、
前記誘電体管端部に形成されたプラズマ場に繊維または織物を配置し、前記繊維または織物を移動させて前記プラズマによる表面改質処理を行う段階とを含むことを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応方法。 - 大気圧下で繊維や織物にプラズマ反応による表面改質処理を施すための大気圧マイクロ波プラズマ反応方法であって、
誘電体管内に気体を導入し、マイクロ波発振器からのマイクロ波によって前記誘電体管内にプラズマを励起する段階と、
前記誘電体管内に繊維または織物を配置し、前記繊維または織物を平行に移動させて前記プラズマによる表面改質処理を行う段階とを含むことを特徴とする大気圧マイクロ波プラズマ反応方法。
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-
2005
- 2005-05-19 JP JP2005147203A patent/JP2006324146A/ja not_active Withdrawn
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