JP2009016434A - レジスト除去装置 - Google Patents

レジスト除去装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009016434A
JP2009016434A JP2007174056A JP2007174056A JP2009016434A JP 2009016434 A JP2009016434 A JP 2009016434A JP 2007174056 A JP2007174056 A JP 2007174056A JP 2007174056 A JP2007174056 A JP 2007174056A JP 2009016434 A JP2009016434 A JP 2009016434A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plasma
resist
gas
waveguide
nozzle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007174056A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryuichi Iwasaki
龍一 岩崎
Hiroshi Hayashi
博史 林
Kiyotaka Arai
清孝 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Noritsu Koki Co Ltd
Original Assignee
Noritsu Koki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Noritsu Koki Co Ltd filed Critical Noritsu Koki Co Ltd
Priority to JP2007174056A priority Critical patent/JP2009016434A/ja
Publication of JP2009016434A publication Critical patent/JP2009016434A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】ドライエッチングによって水素が離脱して硬化(炭化)したレジストを除去可能とする。
【解決手段】プラズマ発生ノズル31からプラズマ化したガスを照射することで、ガラス基板Wに残存したレジストを分解・燃焼させて除去するにあたって、ガス供給源82からの酸素、水素、窒素、アルゴン、フロンなどの励起ガスに、散気装置85において、過酸化水素水、アンモニア水、水などの水素成分を有する液体851を気体(蒸気)にして混ぜ込んで各プラズマ発生ノズル31へ供給する。これによって、水酸基ラジカルを効率良く発生させ、前記水酸基ラジカルによって、前記硬化(炭化)したレジスト表面に水素を供給して改質した上で、その表面を含めて総てのレジストを分解・燃焼させて除去することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエハやガラス基板などの基板において、パターン形成などのために使用され、残存したレジストを除去するための装置に関する。
上記のような基板の加工工程において、パターン形成の型や保護膜などとして、レジストが多用されている。図7は、そのレジストを用いたパターン形成の典型的な一例を説明するための工程図である。基板1上にパターン形成すべき薄膜2が積層され、その薄膜2上にレジスト3が塗布される。続いて、そのレジストにパターンが露光され、現像することによって、感光部分4が除去される。その後、ドライエッチングされると、残存したレジスト3を型として前記薄膜2にパターンが形成され、アッシング工程によってレジスト3が除去されると、前記基板1上にパターン形成された薄膜2のみが残る。
そして、前記のレジストを除去する工程(アッシング工程)において、プラズマを利用した分解・燃焼が提案されている。その分解・燃焼では、通常の酸素、水素、窒素、アルゴン、フロンなどのアッシングガスをプラズマ化して吹付けることによって除去するようになっている。しかしながら、ドライエッチングを経ると、多くのイオンがレジストの表層に叩き付けられ、図8において、参照符号3aで示すように、該表層が脱水素化して硬化(炭化)する。そのようなレジスト硬化層3aは、前記通常のアッシングガスによるプラズマでは除去できなくなる。
ところが、そのようなレジスト3の表面硬化層3aは、強い酸化分解力を有する水酸基(ヒドロキシ(OH))ラジカルのプラズマを照射することで、離脱した水素を補い、前記通常のアッシングガスによるプラズマによって除去可能になる。勿論、その表面硬化層3aを除去すると、硬化(炭化)していない内層は、前記通常のアッシングガスによるプラズマによって除去できる。
一方、水にプラズマ放電させている先行技術は、特許文献1に示されている。その先行技術は、水槽の上部に陽極を、底部に浸漬させた陰極を配置し、それらの間でプラズマ放電を行わせることで、オゾン濃度が高いプラズマ放電処理水を得るようにしたプラズマ放電処理水生成装置である。
特開2006−289236号公報
上述の先行技術は、水槽の上部の陽極と底部に浸漬させた陰極との間で放電させてプラズマを発生させているので、オゾンの発生には効率が良いが、レジストの除去に適したガスをプラズマ化することはできず、また安定した放電を維持するのも困難である。
本発明の目的は、レジスト除去に好適な水酸基(ヒドロキシ(OH))ラジカルのプラズマを効率良く発生することができるレジスト除去装置を提供することである。
本発明のレジスト除去装置は、基板に残存したレジストにプラズマ発生ノズルからプラズマ化したガスを照射することで該レジストを除去するようにした装置であって、
前記プラズマ発生ノズルへ供給される励起ガスに水素成分を含有させる混合手段を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、半導体ウエハやガラス基板などの基板において、パターン形成などのために使用され、残存したレジストを除去するために、プラズマ発生ノズルからプラズマ化したガスを照射することで該レジストを分解・燃焼させて除去するにあたって、混合手段を設け、その混合手段で前記プラズマ発生ノズルへ供給される酸素、水素、窒素、アルゴン、フロンなどの励起ガスに、過酸化水素水、アンモニア水、水などの水素成分の気体(蒸気)を混ぜることで、水酸基ラジカルも効率良く発生させる。
したがって、レジストの除去に適したガスを安定してプラズマ化させつつ、ドライエッチングによって水素が離脱して硬化(炭化)したレジスト表面に前記水酸基ラジカルによって水素を供給することで、その表面を含めて総てのレジストを分解・燃焼させて除去することができる。
また、本発明のレジスト除去装置では、前記混合手段は、前記水素成分を有する液体中に前記励起ガスを送り込むことで含有させる散気装置であることを特徴とする。
上記の構成によれば、密閉容器に多孔管を備えて成る散気装置によって、前記水素成分を有する液体に前記励起ガスを曝すことで、簡単に励起ガスに水素成分を含有させることができる。
さらにまた、本発明のレジスト除去装置は、前記プラズマ発生ノズルに対して前記基板を移動させる搬送手段をさらに備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記半導体ウエハやガラス基板などの基板を搬送するローラやベルトなどの搬送手段をさらに設けることによって、前記基板を連続して処理することができる。
また、本発明のレジスト除去装置では、前記プラズマ発生ノズルは、同心状の内側導電体と外側導電体とを有し、両導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、それらの間にガス供給源からの励起ガスを供給することで、吹出し口から常圧下でプラズマ化したガスを前記基板に照射することを特徴とする。
上記の構成によれば、常温・常圧の雰囲気でプラズマを発生することができ、高温・真空の雰囲気で処理した場合に生じるような前記硬化(炭化)したレジストの破裂や基板の反りを防止することができる。
本発明のレジスト除去装置は、以上のように、基板に残存したレジストを除去するために、プラズマ発生ノズルからプラズマ化したガスを照射することで該レジストを分解・燃焼させて除去するにあたって、混合手段を設け、その混合手段で前記プラズマ発生ノズルへ供給される酸素、水素、窒素、アルゴン、フロンなどの励起ガスに、過酸化水素水、アンモニア水、水などの水素成分の気体(蒸気)を混ぜることで、水酸基ラジカルも効率良く発生させる。
それゆえ、レジストの除去に適したガスを安定してプラズマ化させつつ、ドライエッチングによって水素が離脱して硬化(炭化)したレジスト表面に前記水酸基ラジカルによって水素を供給することで、その表面を含めて総てのレジストを分解・燃焼させて除去することができる。
図1は、本発明の実施の一形態に係るレジスト除去装置Sの全体構成を示す斜視図である。このレジスト除去装置Sは、プラズマを発生し、被処理物となるレジストが付着した液晶パネル用のガラス基板Wに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPUと、ガラス基板Wを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送手段Cとを備えて構成される。図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し、常温・常圧でのプラズマ発生が可能なユニットであって、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を反射させるスライディングショート40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るスタブチューナ70および前記プラズマ発生ユニットPUに励起ガスを供給するガス供給装置80を備えて構成されている。また搬送手段Cは、図略の駆動手段により回転駆動される搬送ローラC1を含んで構成されている。本実施形態では、平板状のワークWが搬送手段Cにより搬送される例を示している。
導波管10は、アルミニウム等の非磁性金属から成り、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組付けられる第2導波管ピース12およびプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されて成る。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはスライディングショート40が連結されている。
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12および第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板および2枚の側面板を用いて角筒状に組立てられ、その両端にフランジ板が取付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピースもしくは非分割型の導波管を用いるようにしてもよい。また、断面矩形の導波管に限らず、たとえば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
マイクロ波発生装置20は、たとえば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源を具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、たとえば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
図3に示すように、マイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された、たとえば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(処理対象ワークとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突設された8個のプラズマ発生ノズル31を具備して構成されている。このプラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、ガラス基板Wの搬送方向Fと直交する幅方向のサイズと略合致する幅員とされている。これにより、ガラス基板Wを搬送手段Cで搬送しながら、該ガラス基板Wの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。なお、8個のプラズマ発生ノズル31の配列間隔は、導波管10内を伝搬させるマイクロ波の波長λに応じて定めることが望ましい。たとえば、波長λの1/2ピッチ、1/4ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列することが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合は、λ=230mmであるので、115mm(λ/2)ピッチ、或いは57.5mm(λ/4)ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列すればよい。
図4は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図5は、図4のA−A線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32(内側導電体)、ノズル本体33(外側導電体)、ノズルホルダ34、シール部材35および保護管36を含んで構成されている。
中心導電体32は、銅、アルミ、真鍮などの良導電性の金属から構成され、φ1〜5mm程度の棒状部材から成り、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等の絶縁性部材から成り、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体から成る。
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の励起ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、たとえばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。前記第3導波管ピース13の下面板13B上には、この下側胴部34Bに接触して放熱を行う冷却配管39が敷設されている。
また、前記下側胴部34Bの外周には、励起ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の励起ガスを供給するガス供給管81の終端部が接続するための管継手345が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング37が介在されている。
これらガス供給孔344および連通孔333は、周方向に等間隔に複数穿孔されていてもよく、また中心へ向けて半径方向に穿孔されるのではなく、励起ガスを旋回させるように、前記筒状空間332の外周面の接線方向に穿孔されてもよい。また、ガス供給孔344および連通孔333は、中心導電体32に対して垂直ではなく、励起ガスの流れを良くするために、上端部321側から下端部322側へ斜めに穿設されてもよい。
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組付けられているものである。
保護管36(図5では図示省略している)は、所定長さの石英ガラスパイプ等から成り、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して、後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていてもよい。
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34および第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。したがって、図6に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322およびノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
かかる状態で、ガス供給孔344から、前記酸素、水素、窒素、アルゴン、フロンなどのアッシングガス(励起ガス)が環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により該アッシングガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
このようにしてプラズマ化された励起ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPには、前記酸素や窒素などの励起ガスのラジカルが含まれ、前記レジスト3を分解・燃焼させることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
スライディングショート40は、各々のプラズマ発生ノズル31に備えられている中心導電体32と、導波管10の内部を伝搬されるマイクロ波との結合状態を最適化するために備えられているもので、内部に収容される反射ブロックの位置を導波管10の長手方向(左右方向)に変化させることで、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整可能とするべく第3導波管ピース13の右側端部に連結されている。したがって、定在波を利用しない場合は、当該スライディングショート40に代えて、電波吸収作用を有するダミーロードが取付けられる。
サーキュレータ50は、たとえばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来る反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。ダミーロード60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71の突出長を変化させることで、導波管10内の前記定在波パターンを変化(インピーダンス整合)させ、プルームPを点灯させる。
搬送手段Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラC1を備え、図略の駆動手段により搬送ローラC1が駆動されることで、処理対象となるガラス基板Wを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。前記搬送ローラC1に代えて、ベルトコンベア等が用いられてもよい。
前記ガス供給装置80は、ガスボンベなどのガス供給源82と、調圧等を行う流量調整手段83と、散気装置85と、タンク84と、前記ガス供給管81とを備えて構成される。本実施の形態のプラズマ発生ユニットPUでは、導波管10に複数のプラズマ発生ノズル31が取付けられており、ガス供給源82から各プラズマ発生ノズル31へ順次分岐してゆく配管で励起ガスを供給するのではなく、前記プラズマ発生ノズル31の近傍に設けたタンク84に一旦貯留した後、このタンク84と前記プラズマ発生ノズル31とを直結して前記ガス供給管81によってそれぞれ励起ガスを供給する。
前記タンク84は、前記第3導波管ピース13に密着して設けられており、該タンク84内を通過する励起ガスで導波管10を冷却することで、プラズマ発生ノズル31で発生した熱が導波管10に伝導しても高温になることを防止し、導波管10内に設けられるプラズマパワーを測定するセンサ、プルーム点灯を検出するセンサ、或いは温度センサなどが、損傷したり測定精度が低下したりしてしまことを防止することができるとともに、前記冷却配管39などの他の冷却機構の負担を軽減することができるようになっている。また、各プラズマ発生ノズル31へ供給される励起ガスは、高温の方がプラズマ化させ易く、タンク84を通過する際に導波管10側から伝導した熱で励起ガスを予熱しておくことで、安定したプラズマ点灯を行わせることもできる。
上述のように構成されるガス供給装置80において、注目すべきは、本実施の形態では、前記タンク84と流量調整手段83との間に、混合手段である散気装置85が設けられることである。この散気装置85は、一例として、図1で示すように、液体851を貯留する密閉容器852に、前記液体851内に浸漬される多孔管853を備えて構成され、前記多孔管853が前記流量調整手段83からの管路854に接続され、密閉容器852の液体851の液面よりも上方に形成された排気口855に前記タンク84からの管路856が接続される。
また、前記プラズマ発生ノズル31として、図5で示すように、同心状の中心導電体32(内側導電体)とノズル本体33(外側導電体)とを有し、両導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、それらの間にガス供給源からの励起ガスを供給することで、吹出し口からガラス基板Wにプラズマ化したガスを照射する構成を用いることで、常温・常圧の雰囲気でプラズマを発生することができる。
このように構成することで、ガス供給源82からの酸素、水素、窒素、アルゴン、フロンなどの励起ガスに、散気装置85において、過酸化水素水、アンモニア水、水などの水素成分を有する液体851を気体(蒸気)にして混ぜ込んで各プラズマ発生ノズル31へ供給することができる。これによって、前記水素成分の気体(蒸気)によって水酸基ラジカル(OH)を効率良く発生させることができ、その水酸基ラジカルが、先ず、前記図8で示すようにドライエッチングによって水素が離脱して硬化(炭化)したレジスト3の表面層3aを改質し、さらに前記水素成分の気体(蒸気)から生じた酸素ラジカル(O)や励起ガスによるラジカルによって前記レジスト3を分解・燃焼させて完全に除去することが可能になる。
また、混合手段として、密閉容器852に多孔管853を備え、前記水素成分を有する液体851中に前記励起ガスを送り込むことで含有させる散気装置85を用いることで、簡単に励起ガスに水素成分を含有させることができる。
さらにまた、前記プラズマ発生ノズル31として、図5で示す常温・常圧の雰囲気でプラズマを発生することができる構成を用いることで、高温・真空の雰囲気で処理した場合には、図8において参照符号3bで示すように、レジスト3の内外の圧力差によって前記硬化層3aの破裂(ホッピング)が生じる可能性があるのに対して、そのような不具合を防止することができる。一般に、このホッピングが生じる温度は80℃以上とされ、ホッピングが生じると、飛び散ったレジスト3の飛沫があらゆる部分に付着してしまい、除去することは非常に困難になる。また、常温で処理できることで、ガラス基板Wの反りを防止することができる。前記ガラス基板Wの反りも80℃以上で生じ易くなる。したがって、理想的には前記80℃以下で処理することが望ましいが、250℃以下で、前記ホッピングや反りをかなりの割合で防止することができる。
以上、本発明の一実施形態に係るレジスト除去装置Sについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば下記の実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、複数のプラズマ発生ノズル31を一列に整列配置した例を示したが、ノズル配列はワークWの形状やマイクロ波電力のパワー等に応じて適宜決定すればよく、たとえばワークWの搬送方向に複数列プラズマ発生ノズル31をマトリクス整列したり、千鳥配列したりしてもよい。
(2)搬送手段としては、上下の搬送ローラ間に基板をニップさせて搬送させる形態、ロボットハンド等で基板を把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態等、他の形態が用いられてもよい。或いは、搬送手段としては、プラズマ発生ノズル31側を移動させる構成であってもよい。すなわち、ワークWとプラズマ発生ノズル31とは、プラズマ照射方向(Z方向)とは交差する面(X,Y面)上で相対的に移動すればよい。
(3)上記実施形態では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示したが、マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしてもよい。
本発明に係るレジスト除去装置Sは、半導体ウェハやガラス基板W等の基板に対するレジスト除去に好適に適用することができる。
本発明に係るレジスト除去装置の全体構成を示す斜視図である。 図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。 レジスト除去装置の一部透視側面図である。 2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。 図4のA−A線側断面図である。 プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。 ウエハへのレジストを用いたパターン形成の典型的な一例を説明するための工程図である。 前記レジストのドライエッチングによる変質を説明するための断面図である。
符号の説明
1 基板
2 薄膜
3 レジスト
3a 硬化したレジストの表面層
10 導波管
20 マイクロ波発生装置
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体
33 ノズル本体
34 ノズルホルダ
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
80 ガス供給装置
81 ガス供給管
82 ガス供給源
83 流量調整手段
84 タンク
85 散気装置
851 液体
852 密閉容器
853 多孔管
854,856 管路
855 排気口
C 搬送手段
C1 搬送ローラ
W ガラス基板

Claims (4)

  1. 基板に残存したレジストにプラズマ発生ノズルからプラズマ化したガスを照射することで該レジストを除去するようにした装置であって、
    前記プラズマ発生ノズルへ供給される励起ガスに水素成分を含有させる混合手段を備えることを特徴とするレジスト除去装置。
  2. 前記混合手段は、前記水素成分を有する液体中に前記励起ガスを送り込むことで含有させる散気装置であることを特徴とする請求項1記載のレジスト除去装置。
  3. 前記プラズマ発生ノズルに対して前記基板を移動させる搬送手段をさらに備えることを特徴とする請求項1または2記載のレジスト除去装置。
  4. 前記プラズマ発生ノズルは、同心状の内側導電体と外側導電体とを有し、両導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、それらの間にガス供給源からの励起ガスを供給することで、吹出し口から常圧下でプラズマ化したガスを前記基板に照射することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト除去装置。
JP2007174056A 2007-07-02 2007-07-02 レジスト除去装置 Pending JP2009016434A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007174056A JP2009016434A (ja) 2007-07-02 2007-07-02 レジスト除去装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007174056A JP2009016434A (ja) 2007-07-02 2007-07-02 レジスト除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009016434A true JP2009016434A (ja) 2009-01-22

Family

ID=40357020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007174056A Pending JP2009016434A (ja) 2007-07-02 2007-07-02 レジスト除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009016434A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017059641A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 キヤノン株式会社 インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法
US10915032B2 (en) 2018-07-20 2021-02-09 Canon Kabushiki Kaisha Cleaning apparatus, imprint apparatus, lithography apparatus, and cleaning method

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01175231A (ja) * 1987-12-29 1989-07-11 Fujitsu Ltd アッシング方法
JPH0249425A (ja) * 1987-08-28 1990-02-19 Toshiba Corp 有機化合物膜の除去方法及び除去装置
JP2002083802A (ja) * 2000-09-07 2002-03-22 Yac Co Ltd エッチング装置やアッシング装置といったようなドライプロセッシング装置
JP2002151476A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Sekisui Chem Co Ltd レジスト除去方法及びその装置
JP2002231696A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Mitsubishi Electric Corp レジスト除去方法とその装置
JP2003197397A (ja) * 2001-10-15 2003-07-11 Sekisui Chem Co Ltd プラズマ処理装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0249425A (ja) * 1987-08-28 1990-02-19 Toshiba Corp 有機化合物膜の除去方法及び除去装置
JPH01175231A (ja) * 1987-12-29 1989-07-11 Fujitsu Ltd アッシング方法
JP2002083802A (ja) * 2000-09-07 2002-03-22 Yac Co Ltd エッチング装置やアッシング装置といったようなドライプロセッシング装置
JP2002151476A (ja) * 2000-11-14 2002-05-24 Sekisui Chem Co Ltd レジスト除去方法及びその装置
JP2002231696A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Mitsubishi Electric Corp レジスト除去方法とその装置
JP2003197397A (ja) * 2001-10-15 2003-07-11 Sekisui Chem Co Ltd プラズマ処理装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017059641A (ja) * 2015-09-15 2017-03-23 キヤノン株式会社 インプリント装置、インプリント方法及び物品の製造方法
WO2017047002A1 (en) * 2015-09-15 2017-03-23 Canon Kabushiki Kaisha Imprint apparatus, imprint method, and method of manufacturing article
KR20180051581A (ko) * 2015-09-15 2018-05-16 캐논 가부시끼가이샤 임프린트 장치, 임프린트 방법 및 물품 제조 방법
KR102128422B1 (ko) 2015-09-15 2020-06-30 캐논 가부시끼가이샤 임프린트 장치, 임프린트 방법 및 물품 제조 방법
US10915032B2 (en) 2018-07-20 2021-02-09 Canon Kabushiki Kaisha Cleaning apparatus, imprint apparatus, lithography apparatus, and cleaning method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2008066159A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
CN100474495C (zh) 等离子体处理中采用微射流的低能离子产生和输运方法和装置
JP4620015B2 (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2009525566A (ja) ワーク処理装置及びプラズマ発生装置
JP2008300279A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2008071500A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2008059838A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2009016434A (ja) レジスト除去装置
JP2009016433A (ja) レジスト除去装置
JP2007220501A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2007265838A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP4724572B2 (ja) ワーク処理装置
JP2008066058A (ja) プラズマ発生ノズルおよびプラズマ発生装置ならびにそれを用いるワーク処理装置
JP4619973B2 (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2007227071A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2007227069A (ja) プラズマ発生方法および装置ならびにそれを用いるワーク処理装置
JP2008077925A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2007227285A (ja) プラズマ処理装置および方法
JP2007227312A (ja) プラズマ発生装置及びワーク処理装置。
JP2008059840A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP4680095B2 (ja) ワーク処理装置及びプラズマ発生装置
JP2007234298A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2007220504A (ja) プラズマ発生ノズルおよびプラズマ発生装置ならびにそれを用いるワーク処理装置
JP2008077926A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置
JP2007273096A (ja) プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100513

A711 Notification of change in applicant

Effective date: 20100810

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20120124

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Effective date: 20120522

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02