JP3845933B2 - イオン交換樹脂の減容処理方法およびその装置 - Google Patents

イオン交換樹脂の減容処理方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃棄物として生じるイオン交換樹脂の減容処理装置に係わり、特に酸素含有雰囲気中の放電により生じる活性酸素を利用して行う灰化減容処理方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、産業廃棄物や原子力設備からの廃棄物として排出されるイオン交換樹脂は、他の廃棄樹脂と同時に、バーナーを使用して焼却する焼却法、高温に加熱して分解させる熱分解法、あるいは過酸化水素用いて行う酸化分解法によって減容処理されている。図8は、過酸化水素による酸化分解法に用いられる装置の構成を示す系統図である。図において、31は処理するイオン交換樹脂を収納する樹脂タンク、32はモーノポンプ、33は過酸化水素タンク、34は消泡剤タンク、35は FeSO, CuSO4触媒クエン酸タンク、36は反応槽であり、37は凝縮器、38は除湿器である。すなわち本装置は、イオン交換樹脂を過酸化水素と FeSO, CuSO4触媒クエン酸と消泡剤とともに反応槽36に送り、鉄と銅を触媒とて水素引き抜き反応で水と二酸化炭素に減容処理するものである。したがってこの酸化分解法は、焼却法や熱分解法に比べて減容比率が高く、処理過程で発生する排ガスが少ないという特徴がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のイオン交換樹脂の減容処理法のうち、焼却法においては、イオン交換樹脂が燃焼して排ガスが発生するばかりでなく、燃料を燃焼して高温を得るバーナーを使用しているのでバーナーの燃焼排ガスも発生する。またその際、不完全燃焼を防止するために二次燃焼ガスを導入するので、処理装置全体の排気ガス量は膨大となる。したがって、焼却法では大規模な排ガス処理装置が必要になるという問題点がある。また、樹脂は高カロリーなため焼却の際に炉壁材が高熱に曝されて損傷しやすく、頻繁に補修する必要があるのでランニングコストが高くなるという問題がある。
【0004】
一方、熱分解法においては、熱分解に伴い樹脂から多量のススが発生するので、後段に大容量のフィルターを備えて構成する必要があり、システムが大型化するという問題点がある。また、設置したフィルターは容易に目詰まりを生じるので、しばしば交換する必要があり、ランニングコストが高くなってしまうという難点がある。
【0005】
また、図8に示したごとき過酸化水素を用いての酸化分解法においては、上述のごとく、焼却法や熱分解法に比べて減容比率が高く、処理過程で発生する排ガスが少ないという利点を備えているが、イオン交換樹脂を水と二酸化炭素に分解する過程において二次廃液が多量に発生するので、この二次廃液の処理をも念頭において対応しなければならないという問題点がある。
【0006】
さらに、原子炉等の原子力設備より排出される放射性核種を含んだイオン交換樹脂を処理する場合には、上記のいずれの方法においても、放射性物質を含んだ排ガスや廃液が大量に排出され、放射性物質が飛散・拡散して二次汚染をまねくこととなるので、これらの放射性核種を含むイオン交換樹脂には適用できないという難点がある。
【0007】
本発明の目的は、ススの発生や処理炉材の損傷などのメンテナンスのごとく従来の処理装置で必要とされた頻繁なメンテナンスが不要で、かつ排出ガス量が少なく、放射性核種を含むものの処理に対しても、放射性核種の飛散を抑制して処理できるイオン交換樹脂の減容処理方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明においては、
(1)減圧酸素含有雰囲気中の放電により生じた活性酸素をイオン交換樹脂に接触作用させて、これを灰化減容処理することとする。
(2)また、被処理用のイオン交換樹脂を内蔵する反応容器、反応容器と連通し、μ波発生器からのμ波を導入するμ波導入手段と磁界を印加する磁界発生手段を備えた放電容器、反応容器と放電容器の内部を排気して減圧状態に保持する減圧手段、および反応容器と放電容器の内部に酸素または酸素を含む複数のガスを導入するためのガス導入手段を備えてイオン交換樹脂の減容処理装置を構成することとする。
【0009】
(3)あるいは、被処理用のイオン交換樹脂を内蔵し接地して保持する反応容器、反応容器の内部を排気して減圧状態に保持する減圧手段、反応容器の内部に酸素または酸素を含む複数のガスを導入するためのガス導入手段、および接地されたイオン交換樹脂に対向して配された高周波電極を備えてイオン交換樹脂の減容処理装置を構成することとする。
【0010】
(4)あるいは、被処理用のイオン交換樹脂を内蔵する反応容器、反応容器と連通し、高周波誘導コイルを巻装した電気絶縁材よりなる放電容器、反応容器と放電容器の内部を排気して減圧状態に保持する減圧手段、および反応容器と放電容器の内部に酸素または酸素を含む複数のガスを導入するためのガス導入手段を備えてイオン交換樹脂の減容処理装置を構成することとする。
【0011】
(5)あるいは、(4)の構成において、放電容器の形状を、イオン交換樹脂を内蔵する反応容器に近づくにしたがって径が増大する円錐台形状またはド─ム形状に形成することとする。
(6)あるいは、(4)または(5)の構成において、減圧手段に接続される反応容器の排気口を、反応容器の放電容器との接続面と対向する面に配し、反応容器の放電容器との接続面と排気口との間に被処理用のイオン交換樹脂を配することとする。
【0012】
(7)さらに、上記の(2)〜(6)の構成において、反応容器に、被処理用のイオン交換樹脂を輻射によって加熱する輻射加熱手段を備えることとする。
(8)さらに、上記の(2)〜(7)の構成において、反応容器に、被処理用のイオン交換樹脂を振動によって攪拌する振動手段を備えることとする。
酸素は強い常磁性体であって、酸素分子の電子配列に存在する2個の不対電子はスピン平行のビラジカルを形成している。酸素ガスに、例えば高周波電界を加えて電子エネルギーを与えると、以下に示すように化学的活性度の高い原子状酸素(O・ )が生成する。すなわち、与える電子エネルギーが 5eV程度であれば、次式のごとく2個の原子状酸素が生成し、
【0013】
【化1】
Figure 0003845933
電子エネルギーが 12eV 程度であれば、次式(3) 、(4) のごとくとなり、さらに、(3) で生成した酸素陽イオンは式(5) のごとく2次的に解離する場合もある。
【0014】
【化2】
Figure 0003845933
原子状酸素(O・ )の有機物に対する作用は、燃焼を伴わない酸化反応で、原子状酸素がアルキル基から直接水素を引き抜いたりC−C結合への割り込みなどによって開始され、次式(6) 、(7) のごとくアルキルラジカルやカルボニルラジカルを生成し、これらはさらに分子状酸素や原子状酸素と結合して式(8) 、(9) のごとく酸化が進行すると言われている。
【0015】
【化3】
RH+O・ ─→R・ +OH・ (6)
RH+O・ ─→R’+R”O・ (7)
R・ +O2 ──→ ROO・ (8)
RO・ +O・ ──→ ROO・ (9)
すなわち、有機物は原子状酸素によって酸化され、次第に表面の分子が切断され、低分子化して気相に放出される。気相中に放出された低分子物質は、さらに原子状酸素と容易に反応する。また、この時に発生する熱エネルギーは能率よく反応分子に蓄積され、分子状酸素とも反応して、CO2 、H2O への完全酸化が促進される。
【0016】
したがって、上記(1)のごとく、酸素含有雰囲気中の放電により生じる活性酸素を、イオン交換樹脂に接触作用させることとすれば、上述の原子状酸素による作用がイオン交換樹脂に適用され、同様な効果を得て減容処理されることとなる。すなわち、最終的にイオン交換樹脂の炭化水素が完全に酸化され、吸着していた金属イオンをふくめた灰分だけを残して減容されることになる。また、この作用は原子状酸素だけによるものではなく、放電で生成されたOイオンやO2 イオンによっても作用が促進され、また処理温度の上昇によりさらに反応が促進されることが知られている。
【0017】
以上から、減圧下における活性酸素による灰化処理を行えば、燃料燃焼が不要なことから燃料排ガスや二次燃焼ガスによる排ガスの増大が無く、ススの発生がないことから、排ガス処理設備の大型化が回避されメンテナンス頻度の低いシステムが供給できることとなる。さらに、放射性核種を含むイオン交換樹脂に適用することとしても、放射性核種は灰分として回収することができるので、放射性物質による二次汚染をもたらすことなく減容処理できることとなる。
【0018】
したがって、イオン交換樹脂の減容処理装置を上記の(2)のごとく構成することとし、減圧手段とガス導入手段を用いて放電容器の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、μ波導入手段によるμ波電界と磁界発生手段による磁界を印加すれば、電子はサイクロトロン運動を行い、酸素分子に確率高くエネルギーを供給し効率的に活性酸素が生成できる。とくに、μ波の周波数と磁界強度の共鳴条件を満足させた場合には、電子サイクロトロン共鳴(ECR)状態となりμ波電力を効率的に電子に伝えることが可能となるので、高い電子エネルギーを得ることができ、放電点火が容易となり、効率的に活性酸素が生成できる。また、磁界発生手段による磁界を反応容器に内蔵するイオン交換樹脂に向かって発散する磁界分布をもつよう構成すれば、荷電粒子は磁界の発散方向に輸送されるので、原子状酸素を含めた空間粒子はイオン交換樹脂に向かって流れることとなり、原子状酸素はイオン交換樹脂へ確率高く作用して減容処理を行うこととなる。
【0019】
また、(3)のごとく構成し、反応容器の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波電極に高周波発生器からの高周波電力を供給して容量結合型の高周波放電を形成すれば活性酸素が生成され、生成された活性酸素はイオン交換樹脂に作用して、これを灰化減容処理することとなる。本構成では、上記の(2)に用いられるような磁界印加機構が不要のため装置を簡素化かつ低コストで構成することができる。また、放電は電極領域に限定されるため、高周波電力の消費空間を限定して電力効率の高い装置を提供する事ができる。
【0020】
また、(4)のごとく構成し、放電容器の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波誘導コイルに高周波発生器からの高周波電力を供給して誘導結合型の高周波放電を形成すれば活性酸素が生成され、生成された活性酸素を反応容器に導いてイオン交換樹脂に作用させれば、これを灰化減容処理することができる。本構成では、上記の(2)に用いられるような磁界印加機構が不要のため装置を簡素化かつ低コストで構成することができる。また、生成した活性酸素は放電によって高温化・膨張したガスと同伴して、放電容器の開放端から反応容器に内蔵されたイオン交換樹脂に向けて流出するので、原子状酸素のイオン交換樹脂への作用確率を高めることができる。誘導結合型の高周波放電においては、旋回方向に交番する誘導電界によって電子が加速されるので、放電領域の内部に高周波電力を供給することができる。したがって高密度の電子生成が可能で、原子状酸素やOイオン、O2 イオンを密度高く生成することができる。
【0021】
また、さらに(5)のごとく構成すれば、放電容器に形成される放電領域を、反応容器に内蔵されるイオン交換樹脂に向かって大きな拡がりをもつものとして形成できるので、イオン交換樹脂の活性酸素に暴露する面積が大きく取れることとなり、多量のイオン交換樹脂を一度に減容処理することが可能となる。
さらに、(6)のごとく構成すれば、容器内の各粒子は放電容器から反応容器の排気口に向かう流れとなり、この流れの途中にイオン交換樹脂が配設されることとなる。したがって、生成された活性酸素は積極的にイオン交換樹脂に向かって流れていくこととなるので、接触反応を生じる確率が高まり、効率的にイオン交換樹脂の減容処理が行われることとなる。
【0022】
さらに、(7)のごとく構成すれば、輻射加熱手段によってイオン交換樹脂が加熱され温度上昇するので、灰化反応が促進され減容処理の効率が向上する。なお、輻射加熱手段は放電空間に干渉しない構成として配設できるので、放電による活性酸素の生成は、輻射加熱手段に影響されることなく維持される。
さらに、(8)のごとく構成すれば、振動手段による振動によって被処理物のイオン交換樹脂の粒子が攪拌されるので、流入する活性酸素の流れに対して背面側の位置にある粒子も攪拌により流れに面する位置へと移動し、また活性酸素の流れに面する位置にある粒子も攪拌により流れに対して背面側の位置へと移動することとなる。イオン交換樹脂と活性酸素との反応は活性酸素の流れに面する位置の表面から進展するので、このようにイオン交換樹脂を振動により攪拌すれば、イオン交換樹脂全体を平均的に処理することが可能となり、例えば下層部分に減容処理されない粒子がいつまでも残存するがごとき現象の発生を防止することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
<実施例1>
図1は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第1の実施例の基本構成を示す断面図である。
本減容処理装置は、被処理用のイオン交換樹脂3を搭載したセラミックス製の処理皿4を内蔵する反応容器2と、図示しないμ波発生器よりμ波を導入する導波管8を備え、外側に磁界発生用のソレノイドコイル9を巻装した放電容器1から構成されており、放電容器1には酸素を導入するガス導入口5が、また反応容器2には減圧ポンプ6を組み込んだ排気配管7が組み込まれている。このうち放電容器1は、μ波を遮蔽し活性酸素に耐性のある金属材料であるアルミニウムにより形成されており、同一材質で形成された反応容器2と空間的に連通して組み合わされている。
【0024】
本装置において、減圧ポンプ6により排気し、ガス導入口5より酸素を導入することによって、放電容器1と反応容器2の内部を減圧酸素含有雰囲気とし、ソレノイドコイル9を図示されない電源によって励磁し、導波管8を介してμ波が投入されると、放電容器1の内の電子はサイクロトロン運動を行い、減圧下でも効果的にμ波放電が形成され、活性酸素が生成される。さらにソレノイドコイル9は、反応容器2に向かって発散磁界を形成するので、荷電粒子は磁界の傾きによって放電容器2から反応容器1の方向へと向かう流れを形成し、これに伴って活性酸素が反応容器1に内蔵されたイオン交換樹脂3の方向へと導かれる。イオン交換樹脂3を搭載する処理皿4は、μ波による加熱や活性酸素による酸化の影響を殆ど受け無いセラミックスにより形成されているので、活性酸素はイオン交換樹脂3のみに積極的に作用し、効果的に灰化減容処理反応が進行する。
【0025】
さらにこの装置において、電子サイクロトロン共鳴条件、例えば 2.45 [GHz] のμ波周波数に対して8.75×10-2〔T〕の磁界強度を満足させる領域を形成すれば、μ波エネルギーは共鳴作用によって効率的に電子に供給されるので、運転初期の放電点火を容易にし、1Pa以下の希薄雰囲気においても安定に放電を維持できる。
<実施例2>
図2は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第2の実施例の基本構成を示す断面図である。
【0026】
本減容処理装置は、反応容器2Aの内部に接地して設けた接地電極12の上に、被処理用のイオン交換樹脂3を搭載したセラミックス製の処理皿4を配し、接地電極12、したがってイオン交換樹脂3に対向して、電力導入端子14を介して外部の高周波発生器13に接続された高周波電極11を備えて構成されている。反応容器2Aは、高周波を遮蔽し活性酸素に耐性のある金属材料であるアルミニウムにより形成されており、減圧ポンプ6を組み込んだ排気配管7と酸素を導入するガス導入口5が備えられている。
【0027】
本装置において、減圧ポンプ6により排気し、ガス導入口5より酸素を導入して反応容器2Aの内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波発生器13の出力を高周波電極11へ供給すると、高周波電極11と接地電極12の間に発生する高周波電界によって高周波放電が形成され、この放電により活性酸素およびイオンが生成される。生成された活性酸素やイオンはイオン交換樹脂3に接して反応し、灰化減容作用を及ぼす。なお、処理皿4はセラミックス材料より形成されているので、高周波による加熱や活性酸素による酸化の影響は殆ど受けない。また、反応容器2Aの内壁や内部部品に放電が発生しないようにシールド部材を取り付ければ、電極間にのみ放電が形成されるので、放電の形成に要する電力効率を高くすることができる。
<実施例3>
図3は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第3の実施例の基本構成を示す断面図である。
【0028】
本減容処理装置は、被処理用のイオン交換樹脂3を搭載したセラミックス製の処理皿4を内蔵する反応容器2B、反応容器2Bと互いに連通して配された放電容器1A、放電容器1Aの外側に巻装された高周波誘導コイル15、反応容器2Bと放電容器1Aの内部を排気する減圧ポンプ6を組み込んだ排気配管7、および反応容器2Bと放電容器1Aの内部に酸素または酸素を含む複数のガスを導入するためのガス導入口5より構成されている。反応容器2Bは、高周波を遮蔽し活性酸素に耐性のある金属材料であるアルミニウムを用いて形成され、また放電容器1Aは、高周波を通し活性酸素に耐性のある電気絶縁部材である石英管より形成されている。
【0029】
本構成において、減圧ポンプ6により排気し、ガス導入口5より酸素を含むガスを導入して反応容器2Aの内部を減圧酸素含有雰囲気とし、高周波誘導コイル15に高周波発生器13から高周波電流を通電すると、放電容器1の内部に高周波磁界が発生し、電磁誘導の作用で放電が形成・維持され活性酸素やイオンを生成する。この時、放電と高周波誘導コイル15の高周波とは誘導的に結合し、放電内部に発生する旋回方向に交番する誘導電界が電子を加速するので、放電内部に高周波電力が供給される。したがって効果的に電子の加熱が行われ、高密度の活性酸素やイオンが生成される。生成されたこれらの活性酸素やイオンは、ガス流や温度上昇による体積膨張によって開放端16から反応容器2Aの内部へと吹き出し、処理皿4に搭載されたイオン交換樹脂3へと達して作用し、効果的に灰化減容処理反応が進行する。
<実施例4>
図4は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第4の実施例の基本構成を示す断面図である。
【0030】
本減容処理装置は、上述の第3の実施例と同様に、イオン交換樹脂3を搭載した処理皿4を内蔵する反応容器2C、反応容器2Cと連通して配された放電容器1B、放電容器1Bの外側に巻装された高周波誘導コイル15A、反応容器2Cと放電容器1Bの内部を排気する減圧ポンプ6を組み込んだ排気配管7、および反応容器2Cと放電容器1Bの内部に酸素または酸素を含む複数のガスを導入するためのガス導入口5より構成されており、第3の実施例との差異は、放電容器1Bとこれに巻装される高周波誘導コイル15Aがドーム形状をなしている点にある。
【0031】
したがって、本構成においては、放電容器1Bに形成される放電領域が、反応容器2Cに置かれたイオン交換樹脂3に向かって大きな拡がりをもつので、イオン交換樹脂3の活性酸素に暴露する面積が大きく取れることとなり、多量のイオン交換樹脂3を効果的に減容処理することが可能となる。
<実施例5>
図5は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第5の実施例の基本構成を示す断面図である。
【0032】
本減容処理装置は、図4に示した第4の実施例の構成を基に形成されたもので、第4の実施例との相違点は、反応容器2Dからの排気を、放電容器1Bに対向し、かつ活性粒子流に対向して設置された処理皿4の下流部分に設けた排気口17に接続された排気配管7により行う点である。したがって、本装置においては、放電容器1Bで生成された粒子が処理皿4へと集中して流れるので、生成された活性酸素やイオンのイオン交換樹脂3へと達する密度が高まり、イオン交換樹脂3の灰化減容処理の効率が向上することとなる。
【0033】
さらに、図5の構成では、反応容器2Dに被処理物を搬入するための搬入室18、反応容器2Dより被処理物を搬出するための搬出室19が設けられており、これらの室と反応容器2Dとの間、およびこれらの室と外部空間との間に備えられた弁の開閉操作により、反応容器2Dの内部を減圧酸素含有雰囲気に保持した状態で、被処理物を連続して搬入、搬出して灰化減容処理できるので処理効率が向上する。
<実施例6>
図6は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第6の実施例の基本構成を示す断面図である。
【0034】
本減容処理装置の特徴は、図5に示した第5の実施例の構成に、被処理用のイオン交換樹脂3を加熱する輻射加熱手段を付加して構成されている点にある。すなわち、本実施例においては、反応容器2Eの下面に石英窓20が設けられ、容器の外部に配されたハロゲンランプ21により石英窓32を通して容器の内部の処理皿4を照射加熱できるよう構成されている。したがって、本装置においては、ハロゲンランプ21の発する輻射により処理皿4が加熱され、さらにはイオン交換樹脂3が加熱されて温度が上昇するので、酸化作用が促進され、減容処理速度が高くなり、処理効率が向上する。
【0035】
なお、本実施例では第5の実施例に輻射加熱手段を付加して構成しているが、図1のごとくμ波放電を用いる第1の実施例、あるいは図2のごとく容量結合型の高周波放電を用いる第2の実施例に、同様の輻射加熱手段を付加して構成することとしても同様の効果が得られることは図示するまでもなく明らかである。
<実施例7>
図7は、本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第7の実施例の基本構成を示す断面図である。
【0036】
本減容処理装置の特徴は、図5に示した第5の実施例の構成に、被処理用のイオン交換樹脂3を振動させ、攪拌する振動手段を付加して構成されている点にある。すなわち、本実施例においては、反応容器2Fの下部に、処理皿4の下面に接触してこれを振動させるソレノイドコイル式のバイブレーター22が備えられており、このバイブレーター22により処理皿4を振動させ、この振動でイオン交換樹脂3が攪拌されるよう構成されている。活性酸素による酸化反応は、表面から進行するため、反応が進み径の小さくなったイオン交換樹脂3は表面積あるいは活性酸素に暴露する面積が小さくなり処理速度が低下するので、処理皿に層状に置かれたイオン交換樹脂3においては、径の小さいものが表面を覆い下層に反応が及ばず処理速度が低下する。これに対して本実施例のようにバイブレーター22で振動、攪拌すれば、処理皿4に搭載された全てのイオン交換樹脂3が活性酸素に暴露されるので、均一に灰化減容処理され、処理効率が向上する。
【0037】
なお、本実施例では、振動手段としてソレノイドコイル式のバイブレーター22を用いているが、例えば液体圧力方式、あるいは超音波方式のバイブレーター等、処理皿やイオン交換樹脂の性質に合致した振動条件が得られるものであれば他の方式の振動手段でもよい。また、処理皿4の上に概ね1層となるようイオン交換樹脂が十分小さくなった時、振動を中止させることとすれば、残さの飛散を抑えた処理ができる。
【0038】
また、本実施例では、第5の実施例に振動手段を付加して構成しているが、μ波放電を用いる第1の実施例、あるいは容量結合型の高周波放電を用いる第2の実施例に同様の振動手段を付加して構成してもよく、また、第5の実施例に輻射加熱手段を付加した第6の実施例の構成に、さらに振動手段を付加することとしてもよい。
【0039】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、請求項1に記載の如く構成したことにより、装置が小型に、かつ低コストで構成され、さらに原子状酸素やO、Oイオンを密度を高く生成でき、かつイオン交換樹脂への作用確率が高まるので、メンテナンスが簡単で、かつ小型に構成され、かつ放射性核種を含むイオン交換樹脂も、放射性核種を飛散させることなく処理できる。
【0040】
しかも、放電により生成した活性酸素が集中してイオン交換樹脂に供給され、作用確率が向上する。
【0041】
また、請求項2のように構成することにより、イオン交換樹脂の活性酸素に暴露する面積が大きくなり、多量のイオン交換樹脂を一度に処理することが可能になる。
【0042】
請求項3のように構成することにより、活性酸素の生成速度を維持したままイオン交換樹脂が加熱され、灰化反応が促進される。
【0043】
請求項4のように構成することにより、被処理用のイオン交換樹脂の粒子が攪拌されて均一に活性酸素に接触し酸化され、処理効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第1の実施例の基本構成を示す断面図
【図2】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第2の実施例の基本構成を示す断面図
【図3】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第3の実施例の基本構成を示す断面図
【図4】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第4の実施例の基本構成を示す断面図
【図5】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第5の実施例の基本構成を示す断面図
【図6】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第6の実施例の基本構成を示す断面図
【図7】本発明によるイオン交換樹脂減容処理装置の第6の実施例の基本構成を示す断面図
【図8】従来より用いられているイオン交換樹脂の過酸化水素による酸化分解法の装置の構成を示す系統図
【符号の説明】
1 放電容器
1A,1B 放電容器
2 反応容器
2A,2B,2C 反応容器
2D,2E,2F 反応容器
3 イオン交換樹脂
4 処理皿
5 ガス導入口
6 減圧ポンプ
7 排気配管
8 導波管
9 ソレノイドコイル
11 高周波電極
12 接地電極
13 高周波発生器
13A,13B 高周波発生器
14 電力導入端子
15 高周波誘導コイル
15A 高周波誘導コイル
16 開放端
17 排気口
18 搬入室
19 搬出室
20 石英窓
21 ハロゲンランプ
22 バイブレ─タ

Claims (4)

  1. 被処理用のイオン交換樹脂を内蔵する反応容器、反応容器と連通し、高周波誘導コイルを巻装した電気絶縁材よりなる放電容器、反応容器と放電容器の内部を排気して減圧状態に保持する減圧手段、および反応容器と放電容器の内部に酸素または酸素を含む複数のガスを導入するためのガス導入手段を備えたイオン交換樹脂の減容処理装置であって、
    ガス導入手段が、放電容器と反応容器との接続面に位置するとともに、減圧手段に接続される反応容器の排気口が、反応容器の放電容器との接続面と対向する面に配され、反応容器の放電容器との接続面と排気口との間に被処理用のイオン交換樹脂が配されていることを特徴とするイオン交換樹脂の減容処理装置。
  2. 放電容器が、イオン交換樹脂を内蔵する反応容器に近づくにしたがって径が増大する円錐台形状またはドーム形状をなしていることを特徴とする請求項1に記載のイオン交換樹脂の減容処理装置。
  3. 反応容器が、被処理用のイオンを輻射によって加熱する輻射加熱手段を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載のイオン交換樹脂の減容処理装置。
  4. 反応容器が、被処理用のイオン交換樹脂を振動によって攪拌する振動手段を備えてなることを特徴とする請求項1、2、または3に記載のイオン交換樹脂の減容処理装置。
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