JP3633688B2 - 擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
前壁部に任意の紋様を形成し、前壁部背面に突設した控え壁に複数のPC棒鋼の挿通孔を設けた擁壁ブロックを、控え壁背面側から打設する擁壁ブロック製造用型枠の中子装置、または、上面に開口部を設け両側面に側壁部を設け底面を開放した側溝ブロックを、天地逆に製造する製造用型枠の中子装置で、脱型時に伸縮手段の操作により中子幅が縮小して瞬時に剥離した後上昇して、製品を僅か吊上げれば型枠上に中子装置を残したまま前方へ容易に脱型でき、擁壁ブロックまたは前記側溝ブロックの製造時間短縮と省力化生産に有用な擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置を提供する。
【0002】
【従来の技術】
以下、擁壁ブロックと側溝ブロック及び従来技術の型枠を説明する。図5を使用して、擁壁ブロックBLと、該擁壁ブロックBLの使用状態を説明し、図7により、従来の擁壁ブロック製造用型枠の中子装置を説明し、図8により、側溝ブロックVと、該側溝ブロックVの使用状態を説明し、図9により従来の側溝ブロック製造用型枠の中子装置を説明する。
【0003】
図5は、擁壁ブロックの斜視図と該擁壁ブロックの使用状態を示す施工断面図である。
図5(a)に斜視図で示す擁壁ブロックBLは、前壁部10に紋様を形成し背面側に2枚の控え壁15を突設し、控え壁15部の上下方向にPC棒鋼を挿通する複数の挿通孔20を穿設している。
【0004】
図5(b)に使用状態を示す前記擁壁ブロックBLは、基礎工1上にアンカー筋Aを突出させて、該基礎工1上に載置した擁壁ブロックBLの挿通孔20部にアンカー筋Aを挿入し上段に控え壁の奥行きの少ない擁壁ブロックBL2を載置し、該擁壁ブロックBL2上面の挿通孔20からPC棒鋼pcを挿通しグラウト材を充填し、更に上段に擁壁ブロックBL3を載置し、該擁壁BL3の挿通孔20からPC棒鋼pcを挿通して挿通孔内にグラウト材を充填し、更に上段に擁壁ブロックBL3,BL4等を載置し、各擁壁ブロックを所要段数を順次積み上げ一体化して擁壁を構築する。次に従来の擁壁ブロック製造用型枠を説明する。
【0005】図6は、従来の擁壁ブロック製造用型枠(以下、型枠WKと称うす)の斜視図で、中子装置6以外を細線で略示している。この型枠WKは、台枠Bの前後に前・後妻板7,7を前後動可能に転支して設け、前・後妻板7,7に、2分割して抜き勾配(テーパ状の)を付けた中子6と同じく2分割したテーパ状の挿通孔形成部材pを夫々に固着し、前後妻板7,7に牽引用金具7fを設け、開閉自在な両側板9,9を設けて構成している。
【0006】
上記構成による型枠WKの中子装置6では、脱型時に面積の広い中子6外皮とコンクリート面との付着力により前・後妻板7,7の牽引による開放が困難であり、前・後妻板7,7の外縁近辺に両側板9,9端部を押圧可能な多数の押しボルトboを設け、脱型時に該押しボルトboの螺入による押圧と、前・後妻板7,7端部(斜線部)の叩打を併用する等して剥離を促し脱型している。従って多数の作業員と長時間を要し型枠の破損変形等も多く、脱型時に型枠WKを乗り越える高さまで擁壁ブロックBLを吊上げるため危険を伴い、両側板9,9を水平まで開けば吊上げ高さは低くなるが、側方への脱型により型枠間隔(設置面積)を広く要し工場の有効利用が計れない等の欠点があった。
【0007】
図7は、上面に開口部を設け両側に側壁を設けた側溝ブロックの斜視図と該側溝ブロックの使用状態を示す施工断面図である。この側溝ブロックVは、図7(a)に示すように、上面の中央または両端に溝蓋2またはグレーチング3を挿着可能な蓋掛部fを有する開口部kを形成し、対峙する両側壁11,11を設け底面は開放している。
【0008】
図7(b)に、使用状態を示す前記側溝ブロックVは、路肩の掘削穴内の基礎工5上に連設した後両側壁11、11外側を埋戻し、上面の開口部kから水路敷4部分にモルタルを打設して所要の水路勾配を付け、開口部kの蓋掛部fに溝蓋2またはグレーチング3を装着して使用する。
【0009】
図8は、側溝ブロックVを天地逆に製造する従来の側溝ブロック製造用型枠(以下、型枠VKと称うす)の斜視図で、中子装置6以外を細線で略示した該型枠VKは、台枠Bの前後に前・後妻板7,7を左右に両側板9,9を夫々開閉自在に枢着し、台枠Bの底板t上に開口部kを形成する入子kaを設け、拡縮可能に設けた中子装置6を前・後妻板7,7の閉鎖時に挟持可能に構成している。
【0010】
上記のように構成した従来の型枠VKでは、脱型時に先ず前・後妻板7,7を開いた後、中子装置6の槓杆13部をクレーン・ホークリフト等で吊り上げて幅を縮小し、型枠外へ搬出した後、側溝ブロックVをクレーン・ホークリフト等で再度吊り上げて開口部入子ka部分を抜き型枠外へ脱型する。また、打設時(型枠組付時)には中子装置6を搬入した後、型枠各部を閉じてコンクリートを打設する。従って中子装置の搬出・搬入は作業が煩雑なうえ危険を伴い、多数の作業員と長時間を要し、定置式の製造ラインの場合には、中子装置の運搬通路が必要であり、間欠移動の製造ラインでは脱型場所で取り外した中子装置を打設時の組付場所に搬送する移動ラインが必要になり、設置面積の確保と設備費が高価になる等の欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来の欠点を排除し、省力化と時間短縮の計れる擁壁ブロックまたは側溝ブロック製造用型枠の中子装置を提供すること。
【0012】
【課題を解決するための手段】
従来技術の擁壁ブロック製造用型枠の欠点を排除し、作業の省力化と時間短縮を計るため、請求項1では、型枠の後部妻板から突設した支持梁に、内設した遊挿枠を介して支持可能な中子装置であって、略中子50長さを有する基盤100下面に、支持梁120を遊挿可能な複数の遊挿枠130を固着し、前記基盤100上面に連結孔131を両端に設けた複数の中子受梁132を横設し、略L形形状のベルクランク140の上部連結孔141を前記連結孔131に揺動自在に枢着し、前記ベルクランク140の中間連結孔142を、可撓部分を有する断面略U字形の中子50内側の連結部52に揺動自在に枢着し、前記基盤100上部に螺杆150を回動自在に支承し、該螺杆150の回動運動を左右方向への伸縮運動に変換するリンク機構よりなる伸縮手段200を設け、該伸縮手段200の出力端183を前記ベルクランク140の下部連結孔143に連結した、ことを特徴とする擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置を構成している。
【0013】
また請求項2では、打設時間を短縮すると共に内部機構を保護するため、中子受梁132上部に分水嶺状に形成し前後上縁部に落下防止縁255を設けた傘部材250を挿着または固着した、ことを特徴とする請求項1記載の擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置を構成している。
【0014】
【作用】
以下、図1乃至図4を使用し本発明の作用を説明する。
本発明の中子装置300は、脱型時に型枠の前部妻板60と左・右側板90,90を開いた後(図4の側溝ブロック製造用型枠VVの場合は、この時点で、前部妻板に連動した開口部入子KFは既に台枠30内に降下している)、中子50に内設した伸縮手段200の回動頭部151を左回転すれば、螺杆150に螺合した両ナット部材160Lと160Rが互いに離反する方向へ移動し、両ナット部材160Lと160Rが連結されたリンク170を介して連結金具180を引き寄せ、該連結金具180の連結孔183(伸縮手段の出力端である)に連結されたベルクランク140の下端連結孔143が引かれ、中子受梁132に連結されたベルクランク140が上部連結孔141を支点として、先ず内側へ回転し始め、ベルクランク140の中間連結孔142が中子50内側の連結部52を内側へ引っ張り、中子50は上部側から剥離し始め内側へ縮小すると共に上昇し中子外皮50aとコンクリート面との剥離が瞬時に行われ、更に回転の進行により、中子50は更に幅を縮小しながら約10秒間で上昇(製品吊上時の余裕ができる)する。ここで、擁壁ブロックBLまたは側溝ブロックVを僅か(紋様の深さ分を考慮して)吊り上げれば、従来型枠のように型枠以上の高さまで吊り上げることなく中子装置300を型枠上の残したまま前方へ簡単に脱型工程を終えることができる。
【0015】
また、型枠組付時(打設時)に、伸縮手段200の回動頭部151を逆転すれば中子は拡幅しながら定位置へ降下する、次に図示しない両側板90,90を閉じた後前部妻板60と後部妻板70を閉じれば、即打設可能となる。中子操作が前部妻板60側からの回動操作で行えるため、簡単な空気・電動工具等で省力化でき中子装置の拡幅と所定位置への復帰工程が約10秒間(試作実験による)で終了し、生産効率が飛躍的に向上する。
【0016】
請求項2記載の傘部材250を適用すれば、分水嶺状の上部から打設されたコンクリートが落下防止縁255により前後端部から流れ落ちることなく、中子50と両側板90,90間の狭隘部内に効率よく均等に投入されて打設時間が短縮できると共に、内部機構をコンクリート・塵埃の付着等から保護することができる。
【0017】
【実施例】
図1乃至図4は、本発明の実施例を示すもので、図1は、擁壁ブロック製造用型枠に装着した中子装置を示す斜視図、図2は、中子装置の伸縮手段の斜視図、図3は、擁壁ブロック製造用の中子装置の構成及び作用を示す正面図、図4は、側溝ブロック製造用の中子装置の構成及び作用を示す正面図、図5は、擁壁ブロックの斜視図と使用状態を示す施工断面図、図6は、従来の擁壁ブロック製造用型枠の斜視図、図7は、側溝ブロックの斜視図と使用状態を示す施工断面図、図8は、従来の側溝ブロック製造用型枠の斜視図である。
【0018】
以下、図1乃至図4を参照して本発明の実施例を説明する。
【0019】
図1に示す型枠WWは、既に本出願人が出願した平成7年特許願第162819号擁壁ブロック製造用型枠と中子装置以外略同様の構成で、台枠に枢着した前部妻板60は前方へ開かれ後部妻板70は後方へ僅か後退または後傾し、左側板90(右側板は省略)を側方へ開いた脱型時の状態を示し、型枠底面には凹凸紋様の付いた紋様プレート35M(符号Mは紋様深さ)を載置し、後部妻板70または後部妻板70側から水平に前方へ支持梁120を突設し、本発明の中子装置300は、内設した遊挿枠130を介して支持梁120に遊挿し(脱型時に製品の横振れ・ヨーイング等による接触または衝撃で中子装置が磨耗・損傷するのをを防止するため、上方・左右・前後方向に遊動範囲を設けて)装着している。
【0020】
上記のように構成された型枠WWに装着した本発明の中子装置300は、伸縮手段200の操作により、二点鎖線50Aで示す定位置(打設時の中子外郭線)から所定寸法幅縮小且つ上昇した脱型時の状態で示し、一部省略した挿通孔形成部材pは型枠WW後部へ抜去し、擁壁ブロックBLは型枠前方へ脱型して示している。なお、図上部に示す請求項2に係る打設用の傘部材250については後述する。
【0021】
図2は、中子装置の伸縮手段の斜視図で、型枠WWまたは後述する型枠VVに適用可能なもので、中子50は一部切欠き省略して示している。図3は、擁壁ブロック製造用の中子装置の構成及び作用を示すの正面図で、型枠WWは支持梁120以外は省略している。中子装置300は、略中子50長さの剛性のある基盤100の下側に連結部材110を介して、前記支持梁120に上方・左右・前後方向に遊びを持たせて遊挿可能な複数の遊挿枠130を固着し、前記基盤100に連結孔131を両端に垂設した複数の中子受梁132を横設し、上部連結孔141,中間連結孔142,下部連結孔143設けた略L形形状のベルクランク140の上部連結孔141を連結孔131に軸着し、ベルクランク140の中間連結孔142を、可撓性を持たせ断面略U字形に構成した中子50上端部の左右内側に突設した連結部52に揺動自在に軸着し、前端に回動頭部151を設けた螺杆150に左螺子部150Lと右螺子部150Rを一組とする螺刻部を複数組螺刻して、基盤100上面に回動自在に支承し、該螺杆150の左螺子部150Lと右螺子部150Rに、両端に連結孔161を設けたナット部材160Lと160Rを夫々螺嵌し、両ナット部材160Lと160Rの両端連結孔161に、直交した2つの連結孔を設けた連結金具161aと161bを揺動自在(上下に)に軸着し、連結金具161aと161bの螺杆軸心と直交する連結孔162にリンク170の一端を夫々揺動自在に軸着し、該リンク170他端を重合させて連結金具180の螺杆150の軸心と直交する連結孔181に軸着し、連結金具180の、螺杆150軸心と平行する連結孔183(伸縮手段200の出力端となる)を、前記ベルクランク140の下部連結孔143(中子中心方向へ突出した)に揺動自在に軸着し構成している。なお、支持梁120先端部には遊挿枠130の抜出しを防止するストッパ135を螺着している。
【0022】
上記のように構成したので、脱型時に(図3参照)、螺杆150の回動頭部151を左回転すれば、螺杆151の左螺子部150Lと右螺子部150Rに螺嵌したナット部材160Lと160Rが互いに離反する方向へ移動し、両ナット部材160L,160Rに連結金具161a及び161bを介して連結されたリンク170が引っ張られ、連結金具180の連結孔183(リンク機構の出力端である)に連結された前記ベルクランク140の下部連結孔143が、上部連結孔141を回転中心として螺杆の軸心方向へ引付けられ、中間連結孔142に連結された中子50は、先ず、上部側からコンクリート面と剥離し始め瞬時に全面が剥離し、更に回転の進行により矢符bで示す右図のように、中子50は縮小と上昇を約10秒間で終了し製品吊上時の余裕寸法ができる。ここで、擁壁ブロックBLを僅か(紋様の深さM分を考慮して)吊り上げれば、従来型枠WKのように型枠以上の高さまで吊り上げることなく、型枠WW上に中子装置300を残したまま、前方へ簡単に脱型でき、中子50上昇により次工程のための中子外皮50a・紋様プレート35面等の掃除が容易になる。
【0023】
また、打設時(型枠組付時)に、螺杆150の回動頭部151を右回転すれば、螺杆151の左螺子部150Lと右螺子部150Rに螺嵌したナット部材160Lと160Rが互いに接近する方向へ移動し、両ナット部材160L,160Rに連結金具161a及び161bを介して連結されたリンク170が、出力端である連結金具180の連結孔183部を押して、ベルクランク140は上部連結孔141を回転中心として下側へ回転し、中子50は逆の軌跡を通りながら降下とともに拡幅し、正確な縮小前の位置及び形状寸法50Aに復帰(この間約10秒)するので、型枠各部を閉じれば直ちに打設可能となる。
【0024】
更に、図1及び図3に示す傘部材250は、該傘部材250中央上部から打設したコンクリートを中子50と両側板90,90間の狭隘部内へ左右均等に効率よく投入可能に分水嶺状に形成すると共に、前後上縁部に流下防止縁255を設け、中子受梁132上部にボルト32による固着または既知のファスナー等により挿着可能に構成している。
【0025】
図4は、側溝ブロック製造用の中子装置の構成及び作用を示す正面図で、図示省略した前部妻板の開閉に連動して空間部入子KFを台枠30内へ昇降(矢符E)可能に構成し、型枠底面上には紋様プレート35Mを載置した側溝ブロック製造の型枠VVに適用した場合を示し、後部妻板70または後部妻板70側から水平前方へ支持梁120を突設し、図では、内部機構が寸法制約を受ける水路幅が狭い場合の実施例を示し、所要寸法・形状に構成した側溝ブロックV用の中子50を設け、前記同様に遊挿枠130を介して中子50を支持可能に設け、前記伸縮手段200(図2参照)のベルクランク140を寸法制約下に於いて動作可能に変形させて内設し構成している。なお、中子受梁132上部に固着した傘部材250は、前述した擁壁ブロック用と同様に傘部材250中央上部から打設したコンクリートを中子50と両側板90,90間の狭隘部内へ左右均等に効率よく投入可能に分水嶺状に構成している。
【0026】
上記のように構成したので、脱型時に、螺杆150の回動頭部151を左回転すれば、螺杆151の左螺子部150Lと右螺子部150Rに螺嵌したナット部材160Lと160Rが互いに離反する方向へ移動し、両ナット部材160L,160Rに連結金具161a及び161bを介して連結したリンク170が引っ張られ、出力端である連結金具180の連結孔183部が、ベルクランク140を介して中子50の連結部52を引き寄せながら上昇させ、中子外皮50aと製品のコンクリート面との剥離が上部側から瞬時に行われ、更に回転の進行により、約10秒間で矢符bで示す右図のように中子50は縮小且つ上昇し、製品吊上時の余裕寸法ができる。ここで、側溝ブロックVを僅か(紋様の深さMを考慮して)吊り上げれば、定置式の製造ラインにおける従来型枠のように中子装置をクレーン・ホークリフト等で吊上げて搬出する手間・搬出通路も必要もなく、型枠VV上に中子装置300を残したまま、側溝ブロックVを前方へ簡単に脱型でき、中子50上昇により次工程のための中子外皮50a・紋様プレート35M等の掃除が容易になる。また、側溝ブロックVの間欠移動の製造ラインの型枠に本発明を適用すれば、脱型・打設の度の中子装置の脱着が不要なため、中子装置の抜取り装置(クレーン)・抜取った中子装置を打設のための組付場所へ運搬するライン等の設備が不要になり、ラインの設備費が低廉になり工場面積の有効利用が計れる。
【0027】
また、打設時に、螺杆150の回動頭部151を右回転すれば、螺杆151の左螺子部150Lと右螺子部150Rに螺嵌したナット部材160Lと160Rが互いに接近する方向へ移動し、両ナット部材160L,160Rに連結金具161a及び161bを介して連結したリンク170が出力端である連結金具180の連結孔183が押され、該連結孔183に連結した連結部52が押され中子50は拡幅しながら降下し、正確な縮小前の位置及び形状寸法に約10秒間で復帰する、型枠各部を閉じれば前部妻板に連動した開口部入子50KFが中子50底面と当着し封着するので直ちに打設可能となる。
【0028】
【発明の効果】
本発明の中子装置を擁壁ブロック製造用型枠に適用した場合、脱型時に、中子50に内設した伸縮手段200の回動頭部151を左回転すれば、中子50は断面幅を縮小しながら上昇し中子外皮50aと製品のコンクリート面との剥離が、中子上部側から瞬時に行われ、更に回転の進行により、中子50は更に縮小しながら上昇を約10秒間で終了し製品吊上時の余裕ができる、ここで、擁壁ブロックBLを僅か(紋様の深さMを考慮して)吊り上げれば、従来型枠のように型枠以上の高さまで吊り上げることなく、型枠上に中子装置を残したまま前方へ簡単に脱型でき、中子50上昇により次工程のための中子外皮50a・紋様プレート35面等の掃除が容易になる効果がある。
【0029】
また、打設時(型枠組付時)に、伸縮手段200の回動頭部151を逆転すれば中子幅が拡幅しながら定位置へ約10秒間で降下して復帰し、両側板90,90を閉じた後前部妻板60と後部妻板70を閉じれば、即打設可能となる。中子操作が前部妻板60側からの回動操作で行えるため、簡単な空気・電動工具等(インパクトレンチ)で省力化でき、生産効率が飛躍的に向上する効果がある。
【0030】
また、側溝ブロック製造用型枠に本発明を適用した場合、中子50に内設した伸縮手段200の回動頭部151を左回転すれば、中子50は上部側から剥離し始め内側へ縮小すると共に上昇し中子外皮50aとコンクリート面との剥離が瞬時に行われ、更に回転の進行により、中子50は約10秒間で縮小と上昇を完了し製品吊上時の余裕ができる、 ここで、側溝ブロックVを僅か吊り上げれば、上面凹凸紋様がある場合も、型枠VV上に中子装置を残したまま前方へ簡単に脱型でき、中子50上昇により次工程のための中子外皮50aと型枠底面部(凹凸紋様を付ける場合の紋様プレート35面)の掃除が容易になる効果がある。
【0031】
また、打設時(型枠組付時)に、伸縮手段200の回動頭部151を逆転すれば中子幅が拡幅しながら定位置への復帰が約10秒間で終了し、両側板90,90を閉じ後部妻板70と前部妻板60を閉じれば、前記空間部入子KFが上昇し開口部入子50Kと結合するので、即打設可能となる。中子操作が前部妻板60側からの回動操作で行えるため、簡単な空気・電動工具等で省力化でき、生産効率が飛躍的に向上する効果がある。
【0032】
更に、側溝ブロックVの間欠移動式(型枠が約3.5分で次工程へ移動する)製造ラインの型枠VVに本発明を適用すれば、脱型・打設の度の中子装置の脱着が不要なため汎用製品の生産ラインが使用でき、中子装置の抜取り装置(クレーン)・抜取った中子装置を打設のための組付場所へ運搬する搬送ライン等の設備が不要なため、ライン設備費の低廉化と工場面積の有効利用が計れる効果がある。
【0033】
また、中子装置300の遊挿枠130が支持梁120に上方・左右・前後方向に遊動範囲を設けて遊挿されているため、クレーン・ホークリフト等による製品吊上時(脱型時の)に横振れ・ヨーイング等による接触時の衝撃を緩和し中子装置300の磨耗・損傷が防止できる効果がある。
【0034】
また、請求項2記載の傘部材250を適用すれば、擁壁ブロック・側溝ブロックの打設時に中子50と両側板90,90間の狭隘部内に効率良くコンクリートを投入できるため製造時間の短縮が計れ、内部機構へのコンクリート・塵埃等の進入が防止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、擁壁ブロック製造用型枠に装着した中子装置を示す斜視図。
【図2】は、中子装置の伸縮手段の斜視図。
【図3】は、擁壁ブロック製造用の中子装置の構成及び作用を示すの正面図。
【図4】は、側溝ブロック製造用の中子装置の構成及び作用を示す正面図。
【図5】は、擁壁ブロックの斜視図と使用状態を示す施工断面図。
【図6】は、従来の擁壁ブロック製造用型枠の斜視図。
【図7】は、側溝ブロックの斜視図と使用状態を示す施工断面図。
【図8】は、従来の側溝ブロック製造用型枠の斜視図。
Claims (2)
- 型枠の後部妻板から突設した支持梁に、内設した遊挿枠を介して支持可能な中子装置であって、
略中子50長さを有する基盤100下面に、支持梁120を遊挿可能な複数の遊挿枠130を固着し、前記基盤100上面に連結孔131を両端に設けた複数の中子受梁132を横設し、略L形形状のベルクランク140の上部連結孔141を前記連結孔131に揺動自在に枢着し、前記ベルクランク140の中間連結孔142を、可撓部分を有する断面略U字形の中子50内側の連結部52に揺動自在に枢着し、前記基盤100上部に螺杆150を回動自在に支承し、該螺杆150の回動運動を左右方向への伸縮運動に変換するリンク機構よりなる伸縮手段200を設け、該伸縮手段200の出力端183を前記ベルクランク140の下部連結孔143に連結した、ことを特徴とする擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置。 - 中子受梁132上部に分水嶺状に形成し前後上縁部に落下防止縁255を設けた傘部材250を挿着または固着した、ことを特徴とする請求項1記載の擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置。
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JP26252595A JP3633688B2 (ja) | 1995-09-14 | 1995-09-14 | 擁壁・側溝ブロック製造用型枠の中子装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0976223A JPH0976223A (ja) | 1997-03-25 |
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