JP2516970Y2 - 暗渠ブロック製造用型枠 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はコンクリート二次製品製造工場において、上
面に雨水流入孔を設けた暗渠ブロックを効率良く製造す
る暗渠ブロック製造用型枠に関する。

（従来技術） 順不同であるが従来技術の暗渠ブロック製造型枠（以
下型枠と称す）を、第8a,b,c,d図を用いて説明する。第
8a図は、脱型前の図で型枠内に暗渠ブロックＢ（以下暗
渠と称す）が入った状態であり、脱型するために先ず締
付ボルト25を緩めて引き抜く。

次に第8b図に示すように、前方妻板20を開いた後、左
右の側板30,30を開き、後方妻板20′と下部中子50′間
のロックを開放し、上部中子50の幅を縮小し摺動させて
引き抜き中子置場に運搬する。

次に第8c図の下部中子50′の幅を縮小して引き抜き中
子置場に運搬する。暗渠Ｂは第8d図の矢印方向へバキュ
ームパット等で吊り上げて製造ライン外へ取り出し脱型
工程を終了する。型枠の組付時には下部中子50′を後部
妻板20′に取り付けてロックし、次に上部中子50を下部
中子50′上に摺動させて取り付け、両中子を規定寸法に
拡幅して、前方から中子に鉄筋金網を被せた後、両側板
30,30を閉じ妻板20を閉じて締付ボルト25により型枠を
緊締して型枠上面の開放部からコンクリートを打設す
る。Ｕ字溝ブロック製造用型枠に比較すると、作業も煩
雑で工程数も多く長時間を要し、同一の生産ラインでの
暗渠製造は効率が悪くてできなかった。

また、暗渠の製造は、中子と底面部間に鉄筋金網を挿
入するため、雨水流入孔付きの暗渠は極めて困難が多く
鉄筋金網を入れた後に孔成型ピンを型枠に装着する方法
も実施したが、脱型時に孔周辺が欠けることが多く、樹
脂製の成型品Ｐ′を孔成型ピンに被せて打設し孔の縁取
りをする等の方法も試作段階の実施のみで量産は出来な
かった。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は従来技術の欠点を排除し、上面に雨水流入孔
を設けた暗渠ブロックの生産効率を飛躍的に改善する暗
渠ブロック製造用型枠を提供し、産業の発展に寄与する
ことを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 1,台枠上に任意形状の複数個の貫通孔を穿設した底面部
を貼設し該台枠の周辺部に前後の妻板左右の側板を開閉
自在に螺着し、取付部材に立設した複数個の孔成型ピン
を前記底面部下面から貫通孔に挿通し、該取付部材に引
込機構を連結し、片側に接合面を持つＣ型断面の中子に
伸縮機構を内設し、該中子を前記後方の妻板に突設した
中子支持梁に挿通させ支持したことを特徴とする暗渠ブ
ロック製造用型枠。

2,前方の妻板下部と取付部材間に引込機構を介在させた
ことを特徴とする実用新案登録願請求の範囲第１項記載
の暗渠ブロック製造用型枠。

（作用） 上記の構成による暗渠ブロック製造用型枠は、中子断
面が伸縮機構のスクリュー軸の回動による一動作で縮小
・拡大するため、毎回脱型（型枠から製品を取出す）の
度に２個の中子を抜取って運搬する工程と、打設（コン
クリートを打込む）の度に２個の中子を運搬し組付ける
工程が不要になり、中子自体を型枠に残したまま暗渠を
前方へ脱型できる作用があり、暗渠上面の雨水流入孔の
成形も引込機構を設けた孔成型ピンにより、鉄筋金網の
装着後孔成型ピンを上昇させるため作業の省力化が計
れ、生産効率が飛躍的に向上する。

なお、実用新案登録請求の範囲第２項記載の型枠は、
前方妻板と孔成型ピンの引込機構を連動させたため作業
時間を更に短縮できる作用がある。

（実施例） 第１図は、本考案で作る暗渠Ｂの斜視図であり、上面
に道路境界部ｇと中空部に貫通した雨水流入孔ｈを設け
ている。

第２図は、本考案の実施例の分解斜視図である。台枠
５に貼設する底面部10は、道路境界部ｇを付け路面の雨
水流入孔ｈを設けた暗渠用を示し、底面部10に設けた貫
通孔15内の孔成型ピン220は引込機構200の操作（回動）
により上昇または、底面部10表面と面一まで下降するよ
う設けて（後述）いる、また台枠５には前部妻板20,後
部妻板20′と左右の側板30,30′をヒンジで開閉自在に
（ヒンジのピンは省略）蝶着し、後部妻板20′には、中
子50に挿通させて該中子を水平に支持する中子支持梁40
を突設し、該中子支持梁内に、型枠組付時に前後妻板を
締付けて、型枠全体を緊締する既知の締付けボルト25,
ナット25b（妻板の角孔22に遊嵌後回転させて妻板を締
付ける）を内設している。

中子50は、Ｃ型断面の鋼板等で作り右側に弾性を与
え、左側は剛性を高めるため内部要所に補強リブ55等を
配設しているが、考案の思想を逸脱しない範囲で、鋼板
等の一部にゴム・弾性樹脂を使用することもでき、断面
寸法を縮小する伸縮機構100（後述）を内設している。
なお、図中の左右側板に設けた30a中子に設けた50aはと
もに位置決めピンであり、前後妻板に設けた位置決め孔
20aと対向位置にあり、型枠組付時に嵌合して前記締付
ボルト25により規定寸法に緊締する。

第３図は、本考案の孔成型ピンの引込機構200の概略
を示す斜視図である。左ねじＬ・右ねじＲを螺刻した２
組のスクリュー軸210を直列に連結し、台枠５の軸受部5
bで支承した該スクリュー軸210の各左ねじ部・右ねじ部
に螺嵌させた各ナット211,212側面部に、各リンク240の
下孔部を軸着し上孔部は集合させて、孔成型ピン220
（硬質ゴム・合成樹脂または金属製等）を立設した取付
部材260の側面部に軸着する。上記の構成により、スク
リュー軸210を回動すれば、螺合した各ナットの間隔は
伸縮し、軸着した各リンクを介して取付部材と孔成型ピ
ン220は平行に昇降する。なお、Ｇは取付部材の昇降ガ
イドである。

第４図は、本考案の中子（一部を切欠）と伸縮機構の
概略を示す斜視図（縮小時）である。中子50は、Ｃ型断
面の鋼板等弾性体で作り、右側長手方向に段差なく合致
する上下接合部を設け、左側は補強リブ55等を配設して
剛性を高め右側は弾性範囲内の弾性を残し、該接合部の
上側接合部55,下側接合部56の内側に上側連結金具5
5′，下側連結金具56′を設ける。該中子左側には複数
の軸受105を設け、左ねじＬ・右ねじＲを螺刻した２組
のスクリュー軸110の該左ねじ部・右ねじ部に各ナット1
11,112を螺嵌させ、前後２組のスクリュー軸を直列に接
続し前記軸受105で支承し、４個の各ナットの上下に８
枚の各リンク130の一端の孔部を軸着し、他端の孔部は
交差ジョイント140の上下に集合させて軸着し、該交差
ジョイントの水平軸部145′にはベルクランク150の左端
孔部を軸着し、該ベルクランクの中央孔部を前記下側連
結金具56′に、上端孔部155を前記上側連結金具55′に
それぞれ連結する。

第5a,5b図は、中子伸縮機構の拡大・縮小時の動作説
明図である。前記の構成によりａ図のスクリュー軸110
を左回転すれば螺合した各ナットの間隔は開き、各ナッ
トに軸着した各リンクは交差ジョイント140を左方向に
移動させ、ベルクランク150は上側連結部55′の軸着部
を支点として左回転し始め下側連結部56′は引き寄せら
れ、次第に図中矢印方向へ上昇しながら中子右下側を変
形縮小させ、次に前記ベルクランク150の上側接続部
（上側接合部）を引き寄せ最後は、ｂ図のように中子の
下側接合部は上側接合部の内側に上昇して高さ・幅を縮
小する。なお、ｂ図中の二点鎖線は縮小前の中子寸法
（形成された暗渠の中空部輪郭線）であり空隙ができる
ため容易に脱型でき、上側接合部が下側接合部に被さる
状態になるため、脱型時にコンクリートの微粉等が中子
内部に入らず、伸縮機構部・接合部等のメンテナンス容
易・耐久性向上等に有利である。型枠組付時には、スク
リュー軸を右回転すれば、中子は元の（ａ図）正規寸法
に復元する。

第6a,b図は、実用新案登録請求の範囲第２項記載の要
部の構成及び動作を示す説明図である。ａ図は、暗渠上
面の雨水流入孔を作る孔成型ピンが上昇した打設時を示
し、該孔成型ピン220を植設した取付部材260の側面（ま
たは下部）に前後２組のリンク244を連結し、該両リン
ク下端孔部と前後２組のベルクランク255の上端孔部ａ
を連結し、各中央孔部ｂは台枠５の突設部材5dに軸着し
て支持し、また両方の下端孔部ｃの間は連動ロッド205
で連結し、かつ前方のベルクランクの下端孔部ｃは、長
さ調整部を設けた連結ロッド270の一端と連結し他端
は、前方妻板20下部の突設孔部25に連結する。ｂ図は脱
型時を示す、前方妻板を開くと、連結ロッド270と伝動
ロッド205は同時に矢印方向へ動き、両ベルクランク255
の上端部は下降しリンク244を介して突出している孔成
型ピン220を下降させる、型組付時（打設時）には、前
方妻板を閉じるれば孔成型ピン220は中子表面まで同時
に上昇する。

第7a,b図は、本考案型枠の動作説明図である。

ａ図は、締付けボルト25を緩め前方妻板と左右側板を
開き、引込機構を操作して孔成型ピンを引込め、中子の
伸縮機構を操作して中子を縮小する脱型工程を示してい
る。

ｂ図は、暗渠上面を脱型機のバキュームパットｖで吸
い付け、僅かに上昇させながら前方へ引き抜き脱型をす
る状態を示している。

（考案の効果） 本考案は、暗渠製造に際し一番手間と時間がかかる、
中子の脱着工程そのものが不要になり、中子運搬機械・
運搬通路・中子置場も不要になり、最近の作業員不足の
解消も計れ、作業員の安全と生産効率が向上し、採算的
に量産出来なかった雨水流入孔付きの暗渠が、Ｕ字溝の
自動化ライン（約３〜４分、当社）に混在させて短時間
で製造でき、産業の発展に寄与する大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、雨水流入孔付暗渠の斜視図。第２図は、本考
案の実施例の分解斜視図。第３図は、本考案の孔成型ピ
ンの引込機構の概略を示す斜視図。第４図は、本考案の
中子と伸縮機構の概略を示す斜視図。 第5a,b図は、中子伸縮機構の動作説明図。 第6a,b図は、本考案の実用新案登録請求の範囲第２項記
載の要部の構成及び動作を示す説明図。 第7a,b図は、本考案型枠の動作説明図。第8a,b,c,d図
は、従来型枠の動作説明図である。 10…底面部、20…前方妻板、20′…後方妻板、50…中
子、100…伸縮機構、200…引込機構、220…孔成型ピ
ン、270…連結ロッド。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台枠上に任意形状の複数個の貫通孔を穿設
   した底面部を貼設し該台枠の周辺部に前後の妻板左右の
   側板を開閉自在に蝶着し、取付部材に立設した複数個の
   孔成型ピンを前記底面部下面から貫通孔に挿通し、該取
   付部材に引込機構を連結し、片側に接合面を持つＣ型断
   面の中子に伸縮機構を内設し、該中子を前記後方の妻板
   に突設した中子支持梁に挿通させ支持したことを特徴と
   する暗渠ブロック製造用型枠。
2. 【請求項２】前方の妻板下部と取付部材間に引込機構を
   介在させたことを特徴とする実用新案登録願請求の範囲
   第１項記載の暗渠ブロック製造用型枠。