JP3628998B2 - 防音床構造及びその施工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量床衝撃音を著しく低減する防音床材、防音床構造及びその防音床構造の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高層住宅等に多用されているRC造等では、以前より、RC床躯体の床厚を増すことで、重量床衝撃音を容易に低減できることが公知となっており、現実にその手段が多くの建築現場で実施されている。
【0003】
一方、その対局にある戸建住宅や低層アパートは、在来木造やツーバイフォー、鉄骨造等の工業化住宅が主流となっており、重量床衝撃音の低減が未だ不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、戸建住宅や低層アパート等において重量床衝撃音の改善効果が不十分な原因が、かかる戸建住宅等の床躯体の低い固定度に起因することを見出した。
【0005】
本発明の課題は、低固定度建物で、床躯体の固定度を高め、現状仕様から構造材等の設計変更をすることなく重量床衝撃音を改善することにあり、問題なく供用でき、コスト増が最小限に抑えられる防音床材、防音床構造及び防音床構造の施工方法を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、独立した構造材が建築現場又は工場で固定されて構築されている低固定度建物の重量床衝撃音を低減する防音床構造であって、前記防音床構造が、梁間に架設されている分離独立した複数の床躯体、前記床躯体上に敷設されている少なくとも1層の板状材、前記板状材上で固定されている防音床材、前記防音床材上で床下地構成材を固定して形成されている床下地材及び前記床下地材上に固定されている床仕上げ材を備えており、前記防音床材が、剛性の衝撃受け材及び複数の衝撃吸収材からなり、前記衝撃受け材が前記衝撃吸収材の上面及び下面の少なくとも一方に固定されており、前記衝撃受け材が細長く、前記衝撃受け材の幅が5〜20cmであり、前記衝撃受け材の幅と長さとの比が1:4〜1:30であり、前記板状材が前記各床躯体に固定されており、前記各床躯体が連結一体化していることを特徴とする防音床構造及びかかる防音床構造の施工方法に係るものである。
【0007】
本発明者は、戸建住宅、低層アパート等の建物において、重量床衝撃音の低減効果に優れる防音床構造を試作し、検討した。
【0008】
その結果、本発明者は、戸建住宅や低層アパート等において重量床衝撃音の改善効果が不十分な原因が、かかる戸建住宅等の床躯体の低い固定度に起因することを見出した。
【0009】
RC造等の剛構造の住宅では、壁、床、梁、柱等の構造材が一体化した、言わば高固定度建物になっている。
【0010】
しかし、戸建住宅等の柔構造の住宅は、現場や工場において構造材を組立てて建設されており、必然的に、壁、床、梁、柱等の構造材間の固定度が、RC造等と比較し相対的にかなり低い固定度となっている。
【0011】
低固定度の建物では、重量床衝撃音を低減するための、前記高固定度建物のような床厚を増す手段は容易に通用しない。
【0012】
つまり、低固定度建物に於いては、高固定度建物と同様な床躯体重量を設計段階から想定しておらず、たとえ前記床躯体を形成したとしても、構造材相互間の固定度が低いため、高固定度建物と同様な床剛性を得ることはできない。
【0013】
低固定度建物に於いては、高固定度建物で得られたと同様な重量床衝撃音の改善が得られる訳ではなく、それに対応するためには、構造材自体の増強等によってコスト増が大きくなり過ぎ、現実的でない。
【0014】
そのような背景から、低固定度建物に於いては、床躯体は、木質パネル床、板材と根太の組合わせ床、ALC床、中空押出成型床、PC床、複合床パネル等であり、高固定度建物のRC150mm厚の床躯体に比べ相対的に軽量であり、低剛性とならざるを得ない。
【0015】
また、かかる床躯体は、現場や工場での取付けとなるため、高固定度建物の床躯体のように均一な一体化した床躯体とは言えない。
【0016】
特に、木質パネル床、板材と根太の組合せ床、複合床パネル等では、一見均一な一体化した床に見えるが、パネル間の連結が根太副の半分づつを共用した物とか、単に合板等の板材を根太に連続して固定しただけであり、重量床衝撃音の改善という見地からは一体化した床躯体と見做し得ない場合が多い。
【0017】
このような背景に起因し、前記低固定度建物についての重量床衝撃音の改善を、古くから多くの研究者、技術者が様々な研究、対策を行ってきたにもかかわらず、未だに供用レベルに於いてLH−55レベルが達成できないでいる。これが従来の技術レベルである。
【0018】
本発明者は、長期に亙って、様々な方向から多くの試験を重ね、事実と現物の観察の積み重ねを行い、漸く本発明を達成した。
【0019】
本発明は、低固定度建物における床躯体の固定度を高めることによって、従来未解決であった重量床衝撃音の改善が行えることに基づくものである。
【0020】
本発明者は、在来木造、工業化住宅等の戸建、低層住宅等の構造材の固定度が低い建物において、木質床パネルや根太上に板材を固定した床、ALC床、PC床、中空押出セメント床等の軽量で低剛性の床躯体に対し固定度を高めることによって、現状仕様から構造材等の設計変更なしで、重量床衝撃音を改善できることを見出した。
【0021】
本発明者等は、構造材の固定度の低い建物でかつ軽量、低剛性の床躯体に対し、多くの事実の中から、最終的に重量床衝撃音の発生源である床躯体を如何に振動させ難い状況で持続させるかに重点を絞った。
【0022】
また、本発明者は、経験上16Hzや31.5Hzの低減効果の大きい床構造が事実上63Hzや125Hzの低減効果も大きいことを見出し、この点に着目すれば、そのような効果は次のような床構造であるという知見を得た。
【0023】
本発明では、衝撃力の低減を一部材だけで行うのではなく、防音床構造として、衝撃抵抗を、できるだけ多くの部材で、かつできるだけ永い時間、より一層広い面積に分散して受けることができるように、床躯体を連結一体化させる。
【0024】
このようにして、本発明では、床躯体としての総重量を増し、剛性を増す手段を採ることによって、床躯体に衝撃力が入力される迄に衝撃吸収が最大となるようにする。
【0025】
本発明によれば、床躯体に入力される衝撃力は、床躯体が連結一体化されていることによって総重量が大きく、剛性を増しているため、床躯体を大きく振動できなくなり、その結果として、床躯体からの放射音が著しく低減する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の防音床構造の構成部材を詳細に説明し、本発明の実施の形態を説明する。
(1)防音床構造
本発明の防音床構造は、床、壁、柱、梁等の構造材の固定度が低い建物で、かつ、床躯体が、木質床パネル、根太上に板材を固定した床、ALC、PC、中空押出セメント板等の軽量であったり、低剛性であったりする建物に対してのものである。
【0027】
(2)床躯体
本発明では、床躯体を連結一体化する。床躯体自体は、前述したように、根太上に板材を固定した床も含めて、基本的に独立した床躯体を敷設したと同程度の固定度と見做すことができる。
【0028】
床躯体自体が衝撃を受けると、隣り合った床躯体が、逆位相とまでは言えないものの、振動の位相のズレを基本的に大きくすると見做し得る。つまり、床躯体は、短辺方向を梁で支持されること、及び隣り合った床躯体に位相ズレが生じることによって、必然的に、床躯体間では、床躯体長辺間で摩擦音が発生する。
【0029】
また、床躯体自体は連結一体化されていないために、各々の床躯体は小さな衝撃力でも振動し、振動放射面積が増大する。
【0030】
したがって、本発明では、前記問題点を解消する手段として、個々の床躯体を上から板状材で連結固定することが良い。また、このとき、複数層の板状材を使用した方が、積層による重量増と曲げ剛性増とを期待できる。
【0031】
(3)板状材
前記板状材は、合板、パーチクルボード、各種金属板等の板材を例示することができる。また、使用可能な材質としては、板材だけでなく、シート類も使用することができ、かかる場合に、全く別の機能を付与することもできる。
【0032】
板状材の具体例は、石膏ボード、フレキシブルボード等の無機質板や熱膨張シートを使用して、階上床故に耐火性を配慮することもできる。
【0033】
ここで、熱膨張シートとは、火災等で熱や炎により発泡炭化膜を次々と形成し、断熱効果で火災時の上階の温度樹脂を遅延させる上で有効な材料である。
【0034】
また、本発明にかかる板状材は、遮音材や制振材を積層することで、重量増や制振効果を併用することができる。
【0035】
特に、木質床パネルや根太に板材を固定した床躯体の場合には、板状材と遮音材等とを積層して床躯体としての重量増を行うことがよい。かかる防音床構造は、床躯体としての重さを増して、連結一体化の総床躯体重量を増すことで、床躯体の振動し難さを発現できると共に、床躯体上の床の上に成形される床面に衝撃を受けた時、床衝撃音自体の遮音層としての効果も増すので好ましい。
【0036】
床躯体に板状材を固定する際の施工方法について注意すべき点としては、床躯体の継目と板状材の継目が重ならないようにする必要がある。床躯体の継目と板状材の継目は5cm以上、好ましくは10cm以上ずらせておくことが良い。
【0037】
これは、連結一体化の強度上、板状材の継目が床躯体の中心に近い方が良いからである。また、継目が重ならない方が低周波音が生じにくくなる。その理由は、床躯体上の板状材が床躯体間の隙間を塞ぎ、防音床材上の床下地材及び床仕上材と床外周の壁との間に隙間を設ける際、床衝撃時の太鼓現象を防止し、かつ床躯体下の階下の天井に空気が流れ込むことを防止できるからである。
【0038】
複数の板状材を用いる場合、一方の板状材の長辺方向と他方の板状材の長辺方向とは直交する方がよい。床躯体の剛性を高める上で好ましいからである。さらに、同様の意味で、複数層の床下地構成材を積層する場合、下側の床下地構成材とそれに積層する上側の床下地構成材の長辺方向は、互いに直交するように順次固定するのがよい。
【0039】
(4)板状材の固定
固定手段はビスや接着剤固定等でよい。より剛性を上げる手段として、酢ビ等のエマルジョン接着剤やエポキシやウレタン等の反応系接着剤をビスと併用してもよい。ビスだけで固定した場合は、板材を後から取り外せることから、解体時の分別回収やメンテナンスのし易さのメリットが生じる。
【0040】
(5)防音床材
次に、前記板材を取付けた床躯体上に複数個互いに離間して設ける防音床材について説明する。
防音床材は衝撃受け材と複数の衝撃吸収材からなり、衝撃受け材は衝撃吸収材の上下若しくは上下の何れかに固定し一体化され、防音床材となるものである。
このとき、衝撃受け材は細長い形状の方が正方形よりも衝撃分散性、施工性がよくコスト面でも施工面積当りの使用数が少なくてすむメリットがある。細長い形状の目安としては床下地材と衝撃受け材の接する衝撃受け材の幅と長さの比が1:4〜1:30である。このとき、受け材の幅は5〜20cm、長さは1.8m程度が、取り扱いやすく、広範囲への衝撃分散に適している。衝撃受け材の幅と長さの比が1:4未満の場合は防音床材を単位面積当り多く設置する必要があり、逆に1:30を超えると徐々に部分的に変形しやすく、広範囲での衝撃力の分散がしにくくなり、取り扱いもしにくくなる。
【0041】
(6)衝撃受け材
衝撃受け材の材質としては、木、合板、パーチクルボード等の板材、角材、金属、プラスチックの板材や折板材や角材等が例示できる。このとき、衝撃による曲げ剛性によるエネルギーロスをより大きくするためには、剛性の高い物が好ましい。
【0042】
衝撃受け材は、床躯体と、ビス、釘、接着剤、粘着剤を単独又は併用して固定すればよい。また、固定ゆるみや万一の固定不良による異音の発生防止のために、ゴムシートや各種素材の発泡体シートを床躯体、床下地材と接する面に取り付けておいても良い。
【0043】
衝撃受け材と衝撃吸収材の固定も、粘着材、接着材、ビス釘を単独又は併用して用いれば良い。衝撃吸収材は本発明に於いて重要な衝撃緩和効果を具現する要素として特に重要な部材となる。
【0044】
(7)衝撃吸収材
本発明では、衝撃吸収材は1つの防音床板で複数個用いるものであり、3個以上で用いる方が、上に形成する床下地材の施工時の安定性が良くなり、衝撃力を分散させる上でもより好ましい。衝撃受け材を細長いタイプにする場合は、衝撃受け材の長手方向に平行な複数の線上で所定間隔で衝撃吸収材を設けることが衝撃を均等に広範囲で受ける上で有利である。
【0045】
衝撃受け材に固定する衝撃吸収材は、複数個、各々離間して設けられ、少なくとも一方は衝撃受け材に固定され、かつ、防音床材は一体化されている必要がある。これは、衝撃には必然的に衝撃反力が生じ、防音床材上の床は飛び上がる力が作用し、防音床材がこの作用の抵抗とならなければならないからである。
【0046】
本発明にかかる防音床材は、床躯体と床下部材との間に固定され、衝撃吸収材の少なくとも一部で、衝撃反力による床の飛び上がりに抵抗する。
【0047】
衝撃吸収材としては、粘弾性体やプラスチック、金属からなるバネが挙げられる。
粘弾性体は、熱可塑性エラストマー、液体ゴム硬化物等を包含する各種ゴム及びプラスチックからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料からなる。
【0048】
ゴムの具体例は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、アクリロニトリロブタジエンゴム、ブチルゴム、クロルスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、ポリノルボーネンゴム、ニトリルイソプレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、各種再生ゴム、等のゴム、ハードセグメントをポリスチレンとし、ソフトセグメントをポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリブタジエンとしたポリスチレン系熱可塑性エラストマー(以下TPEと略記)、ハードセグメントをポリエチレン又はポリプロピレンとし、ソフトセグメントをエチレンプロピレン共重合ゴムとしたポリオレフィン系TPE、ハードセグメント及びソフトセグメント共にポリ塩化ビニルとしたポリ塩化ビニル系TPE、ハードセグメントをポリウレタン樹脂とし、ソフトセグメントをポリエーテル又はポリエステルとしたポリウレタン系TPE、ハードセグメントをポリエステル、ソフトセグメントをポリエーテルとしたポリエステル系TPE、ハードセグメントをポリアミドとし、ソフトセグメントをポリエーテル又はポリエステルとしたポリアミド系TPE、ハードセグメントをシンジオタクチック−1,2−ブタジエンとし、ソフトセグメントをアタクチック−1,2−ブタジエンとしたTPE、常温反応性液状ゴムとして、ポリブタジエン、クロロプレン、イソプレン、スチレンブタジエン、アクリロニトリルブタジエン等の主鎖骨格に末端反応基を1分子当り2ケ以上有するポリマーと前記末端反応基と反応性を有する反応基を有する化合物を硬化反応して得られたゴム等であり、本発明では、これらを広くゴムと定義する。
【0049】
プラスチックは、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エンジニアリング樹脂に大別される。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1、アイオノマー、塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体へのポリブタジエンの混合物(ABS樹脂)、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、エチレン酢酸ビニル共重合体、セルロースアセテート、等を例示できる。
【0050】
熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ユリアメラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、等を例示することができる。
【0051】
エンジニアリング樹脂としては、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル、熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、等を例示できる。
【0052】
上記のように、本発明では、ゴムやプラスチックを総称して、粘弾性体というが、かかる粘弾性体は、ソリッド、発泡体、それらの併用であっても良い。
【0053】
ただし、発泡体やソリッドと発泡体の併用物は、防音床材中で、衝撃吸収材の数の50%以下とするのが好ましい。50%を超えると、経時による変位量が大きくなり易くなるからである。
【0054】
粘弾性体は、弾性のバネ要素のみでなく、粘性に由来する制振要素をも併せ持つので、材質、形状を任意に組合わせて用いることができる。これ等は、高さ、硬度、バネ定数、圧縮復元時間、反発係数、等を種々組合わせることで、最適の条件を設定することができる。
【0055】
衝撃吸収材が複数の粘弾性体のみから構成される場合は、基本的に反発係数の低い柔らかい粘弾性体を高くし、反発係数の大きい硬い粘弾性体を低くする方が良い傾向がある。
【0056】
また、衝撃吸収材は、衝撃力を受ける方向、つまり上下方向に複数の衝撃吸収材を併用して使用することができる。
【0057】
(8)衝撃吸収材の組合せ
衝撃吸収材を組み合わせる際の1つの判断規準として、静バネ定数と圧縮復元時間とに着目する手段がある。これ等は、条件設定の複雑さもあって、理由が充分解明できた訳ではないが、試験事実として具現できており、重量床衝撃力の吸収緩和に大きな要素を有すると考えられる。
【0058】
静バネ定数については、JIS−K−6385に規定された往復路方式で、0〜1000Nの荷重範囲に於いて、100〜900Nの任意の荷重範囲に於ける衝撃吸収材の静バネ定数の差が、10N/mm以上、好ましくは20〜200N/mmである2種類以上の衝撃吸収材を組み合わせた系は好結果を示す。
【0059】
静バネ定数の差が、10N/mm未満では、複数の衝撃吸収材の各々の差が生じにくくなり、各々の特徴が相殺されやすく好ましくない。
【0060】
静バネ定数は衝撃吸収材の制振性の目安として使用し、複数の種類の衝撃吸収材で各々の種類間での静バネ定数は各々の種類で微妙に変化させるほうが衝撃吸収作用が大きくなる。それは、複数の種類で複数個を用いるため、微妙な差でも全体として大きな差となり、衝撃吸収時間差が伸びるためであろうと推定される。1つの防音床材に何個使うかにもよるが、差は10N/mm以上で、より好ましくは20N/mm以上200N/mm以下に設定するのが好ましい。つまりコストの問題、衝撃吸収材の接地密度による衝撃吸収作用の問題もあり、10N/mm未満では個数を増さざるを得ず、衝撃吸収材の特徴を引き出しにくく、コスト増となり、200N/mmを超えると逆に個数を少なくせざるを得ず衝撃吸収を1個で負担する比重が増し、1個当りの衝撃吸収能力にも制限があるため、結果として充分な衝撃吸収性能が発揮できなくなり好ましくない。
【0061】
残る要素は、JIS−K−6254に規定された低変形圧縮試験に準じ、23°±2℃に於いて、衝撃吸収材の元の厚みの1/2の厚みに圧縮し、30分保持後、元の厚みの90%復元する迄の時間差が、2分以上、好ましくは2〜10分である衝撃吸収材の組合せを含む系も好結果が得られている。
【0062】
復元時間の差が、2分未満では、弾性要素が強くなりすぎ、粘性要素によるダンピング効果の少なくなり、複数の衝撃吸収材による衝撃エネルギーの吸収に充分な効果を得にくいため、好ましくない。逆に復元時間差が10分を超えてくると、同一打点での測定値がだんだん悪化する現象が生じ、本発明の目的から外れるので好ましくない。
【0063】
衝撃吸収材はバネ弾性成分と粘塑性成分が混在していることが良く、床躯体上の板材と床下地材との間の空間を確保でき、その空間も空気バネとして衝撃抵抗成分として利用できる。そこで、圧縮復元性はバネ弾性成分による早期復元による空気厚の確保の観点と粘塑性成分による復元時間の遅延とにより、衝撃反力による床仕上げ材より上の部分の飛び上がりにブレーキをかけ、かつ復元遅延部を引き上げようとする力も加わり、衝撃エネルギーロスに効果的に働く。
【0064】
バネの具体例としては、バネ鋼鋼材、硬鋼線、ピアノ線、オイルテンパー線、バネ用ステンレス鋼線、黄銅線、羊白線、リン青銅線、ベリリュウム銅線、各種プラスチック、等を例示でき、形状は、コイルバネ、円錐バネ、等を挙げることができる。
【0065】
かかる衝撃吸収材は、特に高さを低く設定するには、低くしても底突きしない円錐バネが良く、円錐バネの場合は変形量を少なく設定できるメリットもある。
【0066】
これらの弾性要素は、バネ要素として主に働き、弾性要素のみで防音床材を構成すると振動減衰性能が悪化するので、大きな衝撃力を受け止める効果が高いメリットを生かして、粘弾性要素を合わせて制振効果を併用することができる。
【0067】
また、反力を生じやすい欠点に対しては、次の方法で対処するとよい。
1)他の制振要素に組合わせる。
2)粘弾性体の高さより低く設定する。
3)バネに台座を設け、台座と床下地材、床版、衝撃受け材との間に粘弾性体を介在させる。
【0068】
さらに、円錐バネの場合は、バネ鋼間の接触音を受けないように、円錐バネ内部に発泡体や繊維状物を入れておくことで解消する。また、円錐バネ先端と床躯体、床下地材、衝撃受け材の接触音が生じないように、プラスチックやゴムを介在させても、キャップをかぶせても良い。
【0069】
防音床材は、高さが異なる複数の衝撃吸収材で防音床材を構成することで、衝撃を受けた時、高い部分から準じ衝撃を吸収するという衝撃吸収過程の不連続化を行うことができる。これにより、より一層衝撃力を低減することができると同時に、変位量をより一層最小限に食い止めることもできるようになる。
【0070】
また、防音床材は、硬さを変えた複数の衝撃吸収材を用いることで、衝撃力に対する反力を低減させることができる。
【0071】
バネ特性は、線形バネ、プログレッシブバネ、デグレッシブバネ及び定荷重バネからなる群より選ばれる少なくとも1種の特性に分類することができる。これらのバネ特性の組合わせによって、衝撃力の時間ズレを生じさせ、変形抵抗を働かせることができ、変形量が少ない割に大きな衝撃吸収効果を生じさせることができる。
【0072】
ここで使用する衝撃吸収材は、床躯体と床下地材の間で広い面積に均一に分散配置するよりも、複数個の振動吸収材を各々互いに離間させた一つの群、つまり防音床構造としての床躯体と床下地材の間に平面的に一定のピッチで点在させる方が、重量床衝撃音の低減効果が高くなる。
【0073】
この原因として、床下地材(実質上は床仕上上材を含む状態になる)の衝撃により変形があって、次に衝撃吸収材に衝撃が加わるため、より大きく広い面積で衝撃エネルギーロスさせることができるためと考えられる。
【0074】
防音床材は特に形状に制約はないが、正方形に近い形状では20cm角〜60cm角が適当な寸法であり、細長い形状では5〜20cm幅で1.8m程度の長さが扱い易い。
【0075】
防音床材の衝撃受け材は、床下地材構成材の最下層部材と接する上側の方が広い面積で衝撃を受け易くし、細長い方がやや良い傾向がある。この時、幅と長さの比は1:4〜1:30がよい。
【0076】
衝撃吸収材は、衝撃受け材の長さ方向に平行な複数の線上で所定間隔に設けた方が衝撃を均等に受け易くより好ましい。
【0077】
(9)防音床材の施工
防音床材の端部間の長さは、5〜70cmの間になるように設定することが望ましい。5cm未満では、防音床材の量が多くなりすぎ、コスト高となるばかりか、音性能面でも防音床材上の床のたわみによる衝撃吸収が不足するし、63Hz、125Hz共に悪化する。逆に、70cmを超えると、防音床材上の床のたわみ量が大きくなりすぎ、125Hzや250Hzで共振して、重量床衝撃音の改善量が減少することがあるので好ましくなく、また、実用上も床荷重によるたわみ量が大きくなり床として好ましくない。
【0078】
本発明にかかる防音床材は、床外周近傍に設けることにより、際根太の役目をさせることができ、特に床荷重の大きい物を置く場合には、際根太の補強の目的で衝撃吸収材間に補強のゴム等を固定することもできる。
【0079】
床外周部の内側には、任意間隔で防音床材を固定すれば良い。固定手段は、接着、粘着、ビス止めの単独、併用何れもできる。
【0080】
次に、防音床材上に設ける床は、床下地構成材を複数積層して床下地材とする。床下地材の面密度は20kg/m以上、120kg/m以下の範囲が好ましい。
【0081】
また、床下地構成材の積層板材間、又は床下地材と床仕上げ材との間に遮音材、制振材、繊維質シート、繊維板、多孔質材、有孔板から単独又は複数で積層して用いることで若干の音性能の調整をすることができる。
【0082】
この時、遮音材、制振材、繊維質シート、繊維板、多孔質材、有孔板は、一般に強度面での寄与はないので、特に地下材構成材と長手を直交にしたり、継ぎ目が一致させないことにこだわる必要はない。
【0083】
前記床下地材及び床仕上げ材の施工に関し、注意点として、床外周の床下地材や床仕上材と壁の間は1〜5mmの隙間を設けておき、床と壁のこすれ音が生じないようにし、壁仕上の幅木で隙間をカバーしておくことが好ましい。
【0084】
最下層の床下地構成材の継目下に防音床材を接地固定するように接地しておき、その上の床下地構成材は最下層の床下地構成材と継目が重ならないように、少なくとも5cm以上、好ましくは10cm以上の継目からのずらしを行うようにする。
【0085】
一方の床下地構成材と積層する他方の床下地構成材とは、長手方向を直交する方向で固定し、最後の床仕上材も、最上部の床下地構成材の長辺方向と床仕上げ材の長辺方向とが直交するように固定することが望ましい。
【0086】
本発明の防音床構造は、既存の低固定度建物の床躯体をベースにして、その上に板状材を固定補強して、防音床材を固定し、防音床材上に床下地材及び床仕上げ材を設けて構成されるため、既存の低固定度建物にすぐ適用することができ、その効果もすぐ確認することが可能である。
【0087】
かかる防音床構造の特徴の1つとして、従来測定の対象とされていない1オクターブ中心周波数で16Hzや31.5Hzという低周波領域の低減効果も高いことを挙げることができる。
【0088】
16Hzは、下限周波数が11.2Hzで上限周波数が22.4Hzであるから、人間の可聴域の下限である20Hzのごく一部しか該当せず、無視して良い領域と当初は考えていたが、体感上は決して無視できない領域であるという知見を得た。
【0089】
また、16Hzや31.5Hzを低減させることにより、63Hz、125Hzという実質上、重量床衝撃音の低減の成否を分ける周波数帯を大きく低減させる一番の近道であるという知見も得た。
【0090】
そこで、本発明においては、重量床衝撃音の評価の対象外である16Hzや31.5Hzに低減効果の高い方法に的を絞り、検討を重ねることによって、その結果、63Hzや125Hzでの低減効果も高くなったものである。
【0091】
本発明の防音床構造を適用することにより、適用以前の床単体から16Hzで3dB以上、31.5Hzで5dB以上、63Hzで8dB以上、125Hzで8dB以上の改善効果が得られる。
【0092】
各周波数で示した値以上の低減量が得られない場合は、LH−55以下にならない。その結果、同じ床衝撃音等級の高固定度のRC造、RC150mm床躯体よりも聴感上静かに感じられた。
【0093】
(10)防音床構造の施工
以下、本発明の防音床構造の施工について説明する。
在来木造やツーバイフォー造、鉄骨造等の工業化住宅等の戸建や低層アパートは、RC造等と比べると床、壁、柱、梁等の構造部材間の固定度が低く、本発明では低固定度建物と総称する。低固定度建物に使用される床躯体は、柱や梁の固定度が低く、当然、軽量や低剛性の床躯体にせざるを得ない。
【0094】
本発明の防音床構造では、かかる低固定度の床躯体を板状材で連結一体化する。
【0095】
このような本発明の防音床構造に対し、設計変更なく、あるがままの状態に対し、特に重量床衝撃音に対して低減効果の著しく高い結果を望む場合は、防音床及び防音床構造を確立しただけでは不充分であり、そこには、防音床及び防音床構造の施工面でも必要な事項は漏らさず実施することが大切である。以下、必要事項を順に説明する。
【0096】
本発明で対象とする床躯体は、様々な構成の床躯体がある。その主なものは、ALC、中空押出セメント版、PC版等の無機質材からなる床躯体と板と根太から構成された床躯体や板と根太からなる床パネル、複合パネル等の木質床躯体、無機質材と木質材の併用タイプがある。
【0097】
そのうち、板材と根太から現場で作られる床躯体や、板材と根太からなる床パネルを現場で連結するタイプは、一見連結一体化床のように見えるが、他の床躯体を比べて落下防止の意味で軽く係止された床躯体と同一以下の性能しか得られず、本発明では板を1単位とした床躯体と見做して対策する必要がある。
【0098】
つまり、前述の床躯体は何れも、板状材によって少なくとも2つの床躯体を連結し、最終的に元の床躯体に一層以上の板状材を連結固定することによって、床躯体を連結一体化させる。
【0099】
この時、板状材は床躯体の継目に一致させることなく、継目から少なくとも5cm以上、好ましくは10cm以上ずらす必要がある。
【0100】
この板状材で床躯体を連結一体化する意味は、床躯体個々の重さと板状材の重さの総重量となった床躯体が振動させ難くなることと併せて、板状材を固定することによって剛性が増し、振動により床躯体を曲げ難くすることで、床躯体からの放射音を著しく低減することができることである。
【0101】
さらに、床躯体は、隣り合う床躯体では逆位相とまでは言えないが、衝撃を受けて振動する場合は位相がかなり違うため、床躯体間のこすれ音が生じ、重量床衝撃音に悪影響を与える。板状材で連結一体化することで、このこすれ音は解消する。
【0102】
また、板状材で床躯体との継目を一致させないように連結一体化させるため、上下階の気密性を確保できる。
【0103】
かかる防音床構造は、連結一体化された床躯体上に、防音床材とその上の床下地材が形成され、防音床材間は空洞が生じる構成となり、床衝撃により床地下材が撓み変形し、必然的に空洞部分では空気が圧縮され気流が生じ、床躯体面の板材によって気流を下階室に通さなくなり、重量床衝撃に対する悪影響を遮断する効果も生じる。
【0104】
また、かかる防音床構造は、板状材と床躯体又は板状材間に、遮音材、制振材、熱膨脹シートからなる少なくとも1種を介在させて、重量増や制振効果を付与したり、万一の火災時にも、床躯体の隙間において熱膨脹シートから次々と供給される炭化発泡膜形成物質によって、火災が床躯体の隙間から階上に上がる時間を延長させることができ、その役目を板状材で行うことができる。
【0105】
さらに、かかる防音床構造は、上下階の気密性が確保できるため、断熱効果へも良い影響を与える。
【0106】
施工上注意すべき点として、板状材と床躯体の固定ピッチは300mm〜450mmがよく、ビス、釘での固定が望ましい。
【0107】
この時、ビスの頭が板状材に1〜2mm沈みこむようにすることは、下の板材に確実にビスが固定されたことを示すことになり、床鳴りを防止する上で効果がある。
【0108】
また、より剛性を増すために、粘着剤や接着剤と併用する方が好ましいが、メンテや経年後の解体には、粘着剤、接着剤の付着が材料のリサイクル、リュースの観点からは好ましくなく、ビスや釘の固定が好ましい。
【0109】
さらに、床躯体は下面から板状材で固定することができるが、脚立上での作業となり、作業面での負担は大きくなる。
【0110】
次に、防音床材の施工であるが、防音床材において上下に衝撃受け材を設けたタイプは、衝撃受け材の剛性も付与でき、固定も容易となる。
【0111】
上下何れかに衝撃受け材を設けたタイプの防音床材は、衝撃受け材の無い面の衝撃吸収材に粘着接着物質を設けて粘着接着させるか、接着剤で接着するため、被着面にホコリ等の接着阻害物質が付着しているかの確認を行って、付着していれば除去する必要がある。
【0112】
板状材を施工場所で切断する作業をする場合には、特に切断した時のホコリの付着には充分気を配ることが必要である。
【0113】
防音床材の配置は、芯/芯で200mm〜600mmが良い。ただし、際根太は並んでも良い。200mm以下だと、手間とコスト増のため好ましくなく、600mmを超えると、次第に床荷重の変位が大きくなり好ましい。
【0114】
防音床材は際根太としても好適に使用できる。このため、際根太は床外周に使用すればよく、その他の注意点としては、必要に応じて防音床材の衝撃受け材端部を切断して床に合わせて施工する必要もある。特に細長いタイプの防音床材の間は5cm程度離す方が良い。突き合わせた施工は、衝撃受け材間のこすれ音が出る虞れがあり避けるべきである。
【0115】
次に、防音床上に施工する床下地であるが、複数の床下地構成材の継目を一致させることなく、下層の床下地構成材の長辺方向に対して、積層する上層の床下地構成材の長辺方向を直交させることが好ましい。床下地材を撓み難くするには、継目を一致させ難くすることが合理的となる。継目のずらしは最低でも50mm、望ましくは100mm以上が良い。
【0116】
防音床材の直上に設ける床下地構成材は、長辺両端部の少なくとも一部が防音床材に支持固定されていることが望ましい。このような施工により、安定した床を作ることができる。
【0117】
この時、床下地構成材として、遮音材、制振材、繊維質シート、繊維板、多孔質材、有孔板を積層して、床下地材の撓み調整や面密度の調整をして重量衝撃音の改善や歩行感の改善をすることができる。
【0118】
また、これ等の積層材は、ビスや釘等の直接固定には不適当な材質が多いため、これらの上に板材を積層して、板材上からビスや釘で間接的に固定する方が施工効率上好ましい。つまり、床下地材と隙間なく確実に固定できたことが分かるからである。
【0119】
この時も、ビス頭が板材面に1/2mm沈み込むようにすることは、床鳴り防止上良い方法である。
【0120】
床下地材の固定には、粘着剤、接着剤、ネジ、釘等を単独又は併用することができるが、解体時のリュース、リサイクルの観点からは、ネジ、釘の固定が望ましい。
【0121】
また、ネジ、釘の固定ピッチは、300〜450mmとすることが部材の固定度及び施工効率の上で望ましい。
【0122】
使用時は床下地材の上に何等かの床仕上げ材が必要であるので、一般に広く使用されている木質フローリング材、カーペット、クッションフロア等々の床仕上げ材を用いることができる。
【0123】
床仕上げ材が板材の場合は、床下地材の表面材の長辺に床仕上げ材の長辺を直交させ、継目を一致させないように施工すれば良い。
【0124】
床下地及び床仕上材は、衝撃を直接受けるため、壁、柱等の構造部材と直接接触することを回避した方が良い。このためには、予めスペーサーを当てて施工後に抜き取り、わずかな隙間を設けたり、スペーサーとして振動絶縁材を用いておき、床仕上げ材上に出た部分を切り取る方法が良い。
【0125】
振動絶縁材を用いる場合は、全周を振動絶縁材とするよりも、所々を隙間が床下地材の下部の空間に貫通するようにした方が良い。これは、床下地材と連結一体化床躯体と防音床材とで形成された空間が、床衝撃を受けると太鼓現象を発生するためである。
【0126】
しかしながら、この隙間は美感上幅木の厚み以下にする必要がある。この点は本発明においては連結一体化床躯体により上下階の気密性を確保しているため、施工上、特に留意すべきである点である。
【0127】
床下地材及び床仕上げ材の面密度は20kg/m以上120kg/m以下であることが望ましい。20kg/m未満の場合は、重量、剛性共不足し、衝撃を床の広い面積に伝達し難く、床下地材と床仕上げ材の衝撃エネルギー損失量を大きくとれず、不適当である。また、太鼓現象も生じ易くなるという欠点もある。逆に120kg/mを超えると、剛性、重量共に増す割には重量床衝撃音の改善効果が少なくなり、広く普及させるためには、材料増、施工工数増に伴うコスト増が問題となるだけで、他にメリットがなくなるため不適当である。
【0128】
(11)防音床構造の働き
前記のようにして得られた防音床構造の作用を以下に説明する。
床仕上げ材面に衝撃が加わると、防音床材間に横架された床仕上げ材は、その下に積層固定された床下地材を順次押しながら、曲率半径を増して、下方の床下地材と防音床材と床躯体とで形成された空間に向けて、衝撃を撓み変形として受け、その変形応力によって衝撃エネルギーをロスさせる。
【0129】
前記床下地材(仕上げ材含む)の変形中に、離間して複数で床下地材を支持している防音床材も衝撃により圧縮変形を受け、より広い面積で変形圧縮を受けると共に複数の防音床材に衝撃力は分散され、1つの防音床材は複数の衝撃吸収材にほぼ均一に衝撃力は更に分散される。この時、防音床材の上部に衝撃受け材がある場合は、衝撃受け材への曲げ応力も働き、この応力分もエネルギーロスを行う。
【0130】
次いで、残った衝撃力は床躯体に伝わるが、この床躯体は板状材により連結一体化されている。かかる床躯体は、板状材で複数の床躯体が連結一体化されることで総重量が大きくなっていることと、板状材の付加重量とによって、振動させるには大きな衝撃エネルギーロスを伴う。
【0131】
さらに、かかる床躯体は、板状材を付加したことにより剛性も増し、重量増と剛性増で一層振動し難く、振動させるには大きなエネルギーロスを伴うようになっている。
【0132】
それ故、防音床構造は、床躯体の放射音量が激減する結果、重量床衝撃音を著しく低減する。
【0133】
図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
図1は1例の防音床構造の断面図である。図2は図1の防音床構造に用いる防音床材の裏面図である。図3は図2の防音床材の長辺方向から見た側面図である。図4は図1の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【0134】
図1の防音床構造1では、床躯体であるALC床2を、板状材としての2枚のパーチクルボード3a,3bで連結一体化し、連結一体化床躯体4を形成している。連結一体化床躯体4は、H型鋼梁5で防振ゴム6を介して支持されている。
【0135】
連結一体化床躯体4の上には、2種の粘弾性体7a,7bとバネ8を衝撃吸収材9とし、その上側に衝撃受け材10を配設した防音床材11が設けられている。
【0136】
防音床材11の上には、パーチクルボード12a,12bと制振遮音材13からなる床下地材14が形成され、さらにその上に床仕上げ材15が設けられている。
【0137】
防音床材11では、図2及び3に詳細を示すように、上側衝撃受け材10に衝撃吸収材9が配置されている。
【0138】
防音床材11は、図1及び4に示すように、連結一体化床躯体4上に配置することができる。なお、図4で、破線はALC床の継目位置を示している。
【0139】
かかる防音床材は、図1及び4に示すようにして、防音床構造1の際根太18として用いることができる。
【0140】
図5は他の例の防音床構造の断面図である。図6は図5で用いる防音床材の裏面図である。図7は図6の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【0141】
図5に示す防音床構造21では、ALC床22をパーチクルボード23aと制振遮音材23bとで連結一体化し、連結一体化床躯体24としている。図5でも、図1と同様に、連結一体化床躯体24は、H型鋼梁25で防振ゴム26を介して支持されている。
【0142】
連結一体化床躯体24上には、防音床材31を設けている。防音床材31は、高さの異なる粘弾性体27a,27bとバネ28とからなる衝撃吸収材29を上下の衝撃受け材30a,30bで固定支持するものである。
【0143】
防音床材31の上には、パーチクルボード32a,32bと多孔質ゴム板33とからなる床下地材34が形成され、さらにその上に床仕上げ材35が設けられている。
【0144】
この例では、衝撃受け材30a,30bは、床下地材34側及び連結一体化床躯体24側に、発泡ポリエチレン等の発泡体36及び非加硫ブチルゴムシート等の粘弾性体シート37を介して固定するようになっている。
【0145】
防音床材31は、2種の粘弾性体27a,27bとバネ28とを、図6及び7に詳細に示すように配置して形成する。なお、防音床材31は、図4に示すようにして、連結一体化床躯体24上に配置することができる。また、かかる防音床材は、図4及び5に示すようにして、防音床構造21の際根太38として用いることができる。
【0146】
図8は参考例の防音床構造の断面図である。図9は図8で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す図である。図10は図9の防音床材の側面図である。図11は図8の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【0147】
図8の防音床構造41では、ALC床42をパーチクルボード43a,43bと熱膨張シート43cで連結一体化し、連結一体化床躯体44としている。図8でも、図1と同様に、連結一体化床躯体44は、H型鋼梁45で防振ゴム46を介して支持されている。
【0148】
連結一体化床躯体44上には、防音床材51を設けている。防音床材51は、粘弾性体47a,47b,47c,47dとバネ48とを衝撃吸収材49として、平面で正方形の衝撃受け材50の4隅と中央に設けたものである。
【0149】
防音床材51上には、パーチクルボード52a,52b,52c及び石膏ボード52d、並びに制振遮音材53を積層固定した床下地材54が形成され、その上に、床仕上げ材55が設けられている。
【0150】
防音床材51では、粘弾性体47a,47b,47c,47dとバネ48とを、図9及び10に示すように配置する。
【0151】
また、防音床材51は、図11に示すようにして、連結一体化床躯体44上に配置することができる。なお、図11で、破線はALC床の継目位置を示し、一点鎖線は連結一体化床躯体の表面材の継目位置を示している。
【0152】
図12は更に他の例の防音床構造の断面図である。図13は、図12で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す図である。図14は、図13の防音床材の長辺方向から見た側面図である。図15は図12の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【0153】
図12に示す防音床構造61では、ALC床62をパーチクルボード63によって連結一体化し、連結一体化床躯体64としている。図12でも、図1と同様に、連結一体化床躯体64は、H型鋼梁65で防振ゴム66を介して支持されている。
【0154】
連結一体化床躯体64上には、防音床材71を設けている。防音床材71は、2種の粘弾性体67a,67bとバネ68とを衝撃吸収材69とし、衝撃吸収材69を上下の衝撃受け材70a,70bで固定している。
【0155】
防音床材71の上には、合板72,73で床下地材74を形成し、その上に、床仕上げ材75を設けている。
【0156】
防音床材71では、2種の粘弾性体67a,67bとバネ68とを、図13及び14に示すように、衝撃受け材に配置する。
【0157】
防音床材71は、図15に示すようにして、連結一体化床躯体64上に配置することができる。なお、図15で、破線はALC床の継目位置を示している。
【0158】
図16は更に他の例の防音床構造の断面図である。図17は図16で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す平面図である。図18は図17の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【0159】
図16に示す防音床構造81では、ALC床82を2枚のパーチクルボード83a,83bによって連結一体化し、連結一体化床躯体84としている。図16でも、図1と同様に、連結一体化床躯体84は、H型鋼梁85で防振ゴム86を介して支持されている。
【0160】
連結一体化床躯体84上には、防音床材91を固定している。防音床材91は、2種の粘弾性体87a,87bとを衝撃吸収材89とし、下側の衝撃受け材90で固定して構成されている。
【0161】
防音床材91の上には、パーチクルボード92a,92b,92cと制振遮音材93a,93bとを交互に積層固定した床下地材94が形成され、その上に床仕上げ材95が設けられている。
【0162】
防音床材91は、図17及び18に示すように、衝撃吸収材89を配置する。また、防音床材91は、図15に示すようにして、連結一体化床躯体83a上に配置することができる。
【0163】
図19は更に他の例の防音床構造の断面図である。図20は図19で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置状況を示す図である。図21は図20の防音床材の長辺方向から見た側面図である。図22は図19の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【0164】
図19の防音床構造101では、床根太102aと板材102bとからなる床躯体102を、板状材としてのパーチクルボード103で連結一体化して、連結一体化床躯体104としている。
【0165】
床根太102aは、外周を2×10の木材の2枚重ねで囲い、その中に2×10の木材がある。連結一体化床躯体104は、床根太102aを455ピッチで設けて針葉樹合板等の板材102bを打ちつけた木質等の床躯体102に対し、パーチクルボード103を打ちつけて形成している。
【0166】
連結一体化床躯体104上には、防音床材111を固定している。防音床材111は、上下の衝撃受け材110a,110bの間で、2種の粘弾性体107a,107bとバネ108とを組合わせて構成される衝撃吸収材109を固定して形成されている。
【0167】
防音床材111の上には、パーチクルボード112a,112bと制振遮音材113とを固定して床下地材114が形成され、その上に、床仕上げ材115が設けられている。
【0168】
衝撃受け材110a,110bの床下地材114側及び連結一体化床躯体104側には、発泡ポリエチレン等の発泡体シート116及び非加硫ブチルゴムシート等の粘弾性シート117が設けられている。
【0169】
防音床材111は、図20及び21に示すように、衝撃吸収材109を配置する。また、防音床材111は、図22に示すようにして、連結一体化床躯体104上に配置することができる。なお、図22で、破線は木質床躯体の針葉樹合板の継目位置を示している。
【0170】
図23は更に他の例の防音床構造の断面図である。図24は図23に用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す裏面図である。図25は図24の防音床材の長手方向から見た側面図である。図26は図23の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【0171】
図23の防音床構造121では、床根太122aと板材122bとからなる床躯体122を、パーチクルボード123aと制振遮音材123bとで連結一体化して、連結一体化床躯体124としている。
【0172】
図19と同様に、床根太122aは、外周を2×10の木材の2枚重ねで囲い、その中に2×10の木材がある。連結一体化床躯体124は、床根太122aを455ピッチで設けて針葉樹合板等の板材122bを打ちつけた木質等の床躯体122に対し、パーチクルボード123aと制振遮音材123bとを打ちつけて形成している。
【0173】
連結一体化床躯体124上には、防音床材131を固定している。防音床材131は、2種の粘弾性体127a,127bとで衝撃吸収材129を構成し、これを上側の衝撃受け材130で固定して形成されている。
【0174】
防音床材131の上には、パーチクルボード132a,132bと制振遮音材133とを積層固定して床下地材134が形成され、その上に、床仕上げ材135が設けられている。
【0175】
防音床材131は、図24及び25に示すように、衝撃吸収材129を配置する。また、防音床材131は、図26に示すようにして、連結一体化床躯体124上に配置することができる。なお、図26で、破線は木質床躯体の針葉樹合板の継目位置を示している。
【0176】
図27は更に他の例の防音床構造の断面図である。図28は図27で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す裏面図である。図29は図28の防音床材の長辺方向から見た側面図である。図30は図28の防音床材のA−A断面図である。図31は図28の防音床材のB−B断面図である。図32は図27の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【0177】
図27の防音床構造141では、床根太142aと板材142bとからなる床躯体142を、パーチクルボード143a,143bと制振遮音材143cとで連結一体化して、連結一体化床躯体144としている。
【0178】
図19と同様に、床根太142aは、外周を2×10の木材の2枚重ねで囲い、その中に2×10の木材がある。連結一体化床躯体144は、床根太142aを455ピッチで設けて針葉樹合板等の板材142bを打ちつけた木質等の床躯体142に対し、パーチクルボード143a,143bと制振遮音材143cとを打ちつけて形成する。
【0179】
連結一体化床躯体144上には、防音床材151を固定している。防音床材151の上には、パーチクルボード152a,152b,152cと制振遮音材153とを積層固定して床下地材154を形成し、その上に、床仕上げ材155を設けている。
【0180】
防音床材151は、折り曲げ鋼板を衝撃受け材150とし、その床下地材154側にEPT発泡体等の発泡体シート156と非加硫再生ブチルゴム等の粘弾性体シート157を設けている。
【0181】
防音床材151は、図28〜31に詳細に示すように、2種の粘弾性体147a,147bが、衝撃吸収材149として1列に設けられている。また、防音床材151は、図32に示すようにして、連結一体化床躯体144上に配置することができる。
【0182】
また、かかる防音床材は、図27及び32に示すようにして、防音床構造141の際根太158として用いることができる。なお、図32で、破線は木質床躯体の針葉樹合板の継目位置を示している。
【0183】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づきより一層具体的に説明する。
実施例1
図1〜4に示す防音床構造を施工した。
実験室開口部の四隅に、角パイプ状のボルト締結用穴を設けたジョイントボックスを設置した。H型鋼梁(両端はジョイントボックスのボルト締結穴に合わせた鉄板を溶接固定している。)をジョイントボックスにボルト固定し、H型鋼梁は実験室床躯体から浮かせた。
【0184】
H型鋼梁は長辺2本と短辺1本を大梁とし、残る短辺は小梁とし、長辺中央に控梁を大梁と面一にして床梁組を作った。短辺梁3本で床躯体を支持させるため、梁と床躯体の間に6mm厚×40mm幅×1720mm長さの防振ゴムを取り付けた。
【0185】
ここで、今回のH型鋼大梁は、200mm高さ×100mm幅×4mm厚(高さ)×5mm厚(幅)の断面で、長辺方向長さは3.54m、短辺方向長さは1.72mであり、H型鋼小梁は、200mm高さ×100mm幅×3.0mm厚(高さ)×4.5mm厚(幅)で1.72m長さであり、H型鋼控梁は190mm高さ×100mm幅×3.2mm厚(高さ)×3.5mm厚(幅)で1.72m長さである。
【0186】
床躯体は100mm厚さ×606mm幅×1818mm長さのALC床を使用し、ALC床短辺をH型鋼梁短辺で前記防振ゴム上に支持し、H型鋼とALC床を落下防止金具で固定した。
このようにしてALC鋼の床梁組上にALC床を6枚設置した。
尚、実験室直下の受音室は独立天井12.5mm厚石膏ボード1枚貼りとし、天井内に16Kグラスウールを100mm厚で敷いた。
【0187】
次に、ALC床上に、ALC床の長辺とパーチクルボードの長辺が直交し、かつ継目301が一致しないように、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードをDACビス302にてALC床に固定した。縦横300mmピッチとした。
【0188】
次に、前記パーチクルボード上に長辺同士が直交する方向で、かつ継目303が一致しないように、9mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを下地の15mmパーチクルボードにビス304で固定して連結一体化床躯体を形成した。
【0189】
次に、防音床材として、上側衝撃受け材を20mm厚×100mm幅×1750mm長さのパーチクルボードとし、幅を4等分するように長辺に平行な線を引き、上側衝撃受け材の長辺に直交する線を両端から各々135mm内側に引き、続いて185mmピッチで長辺に直交する線を引いて、幅の中央線と両端から各々3本目の線との交点に、衝撃吸収材Aを固定した。
【0190】
前記衝撃吸収材Aを設けた長辺に直交する線以外の長辺に直交する線と長辺に平行な幅方向の中央線以外の線との交点計14個に対し、衝撃吸収材BとCを縦横交互に固定した。
【0191】
衝撃吸収材B,Cの衝撃受け材の無い側の頂面に、非加硫再生ブチルゴム系粘弾性体305を0.5mmで貼り付け、付着防止に離型紙306を貼り付けた。
【0192】
衝撃吸収材Aは、底部径40mm、頂部径20mm、4回巻、線径3.5mmのバネ線鋼製の円錐台状バネで、0.8mm厚鉄板を座金とし、バネ固定部は折り曲加工し、座金にはビス固定用の穴を設け、バネ内部にはバネ線接触音防止の発泡体を入れた。
【0193】
頂部は、防音床材の衝撃受け材や床下地材と直接接触して異音を生じないようにポリエチレン製キャップを設けた。衝撃吸収材B及びCについては、詳細な組成を表1及び2にまとめて示した。
【0194】
【表1】
Figure 0003628998
注1 出光石油化学(株)製 Poly BD R−45HT
注2 日本ポリウレタン(株)製 ミリオネートMTL
主剤450重量部と硬化剤12重量部を混合し、注型後、反応硬化させて、衝撃吸収材Bを得た。
【0195】
【表2】
Figure 0003628998
注1 出光石油化学(株)製 Poly BD R−45HT
注2 日本ポリウレタン(株)製 ミリオネートMTL
注3 三菱化成ダウ(株)製 アイソノールC−100
注4 近江化学(株)製 CML#31
主剤400重量部と硬化剤26重量部を混合し、注型後、反応硬化させて、衝撃吸収材Cを得た。
【0196】
前記防音床材の離型紙を除去して、連結一体化床躯体上に粘着接着による固定を行ない、床躯体外周は、前記防音床材を際根太として使用した。
【0197】
次に、防音床材上に、20mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを載置し、パーチクルボードをビスにて防音床材の上側衝撃受け材に固定した。
【0198】
20mm厚パーチクルボード上全面に、比重3.0、6mm圧の制振遮音材を敷設し、その上に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、20mm圧パーチクルボードの長辺と長辺とを直交させ、かつ継目を一致させないようにビスで20mm厚パーチクルボードに、制振遮音材を介して固定し、床下地材を形成した。
【0199】
次に、床仕上げ材として、12mm厚×303mm幅×1818mm長さのフローリング材の長辺を、床下地材表面の15mm厚パーチクルボードの長辺と直交させ、かつ継目が一致しないように、フロアーネイル307で固定した。この時、フローリング材は長辺を450mmずらしとし、フローリング材の継目が丁字状となるようにし、十字状になることを避けた。
【0200】
実施例2
図5〜7に示す防音床構造を施工した。
実施例1と同じALC床上に、比重3.0、6mm圧の制振遮音材を全面に敷設し、その上に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードをALC床長辺と長辺が直交する方向で、かつ継目301が一致しないように、DACビス302で固定し、連結一体化床躯体を形成した。
【0201】
防音床材は上側衝撃受け材を9mm厚×100mm幅×1730mm長さの合板、下側支持を5.5mm厚×150mm幅×1750mm長さとし、衝撃吸収材A,C,Dを、その中心が下側衝撃受け材の長さ方向に平行な、幅を4等分する3本の線上に設けた。衝撃吸収材Dの組成を表3に示す。
【0202】
【表3】
Figure 0003628998
注5 日本ゼオン(株)製 ノーソレックス
【0203】
そのうち、衝撃吸収材Aは、下側衝撃受け材のみに幅の中心線上の両端から各々560mmの位置に2個固定し、衝撃吸収材C及びDは幅の1/4と3/4の線上の両端から140mm内側で210mmピッチの長辺に直交する線上で、衝撃吸収材Aを含まない12個の交点上に、縦横各々交互に固定し、上側衝撃受け材への固定は衝撃吸収材Dのみとした。
【0204】
上下の衝撃受け材には、上側衝撃受け材の床下地材側に1mm厚ポリエチレン発泡体を設け、下側衝撃受け材の床躯体側に非加硫ブチルゴムシート1mm厚を設けた。
【0205】
前記防音床材を、下側衝撃受け材から連結一体化床躯体にビス308で固定した。床躯体外周に防音床材を際根太としても取付けた。
【0206】
次に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを防音床材の上板とビス固定した。その上に、ゴム粉末をウレタンバインダーで成型した6mm厚多孔質ゴム板を全面に敷設した。
【0207】
その上に、前記15mm厚パーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向で、かつ継目が一致しないように、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードをビスで下地15mm厚パーチクルボードに多孔質ゴム板を介して固定し、床下地材を形成した。
【0208】
次に、床仕上げ材として、12mm厚×303mm幅×1818mm長さのフローリング材の長辺を、下地表面材の15mm厚パーチクルボードの長辺と直交させ、かつ継目を一致させずに、フロアーネイルで固定した。
【0209】
参考
図8〜11に示す防音床構造を施工した。
実施例1と同じALC床上に、2mm厚熱膨脹シートを貼着した15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、熱膨脹シートをALC床面に向けてDACビス302でALC床に固着した。
【0210】
次に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、12mm厚パーチクルボード上に長辺同士を直交させ、かつ継目が一致しないように、12厚パーチクルボードにビス304で固定して、連結一体化床躯体を形成した。
【0211】
防音床材は、衝撃吸収材Bを、12mm厚×250mm各合板を上側衝撃受け材とし、その四隅に固定し、衝撃吸収材Aを、上側衝撃受け材の中央に固定し、四隅の衝撃吸収材の下面頂面に非加硫再生ブチルゴム粘弾性体305の1mm厚を貼り付け、付着防止に非加硫再生ブチルゴム粘弾性体よりやや大き目の離型紙306を貼り付けて防音床材とした。
【0212】
防音床材は、連結一体化床躯体の表面のパーチクルボードの短辺方向及び長辺方向共に、芯/芯450mmピッチで床躯体に固定した。
【0213】
その上に、20mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを防音床材の上側衝撃受け材にビス固定した。その上に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、下部の20mm厚パーチクルボードの長辺と長辺が直交し、継目が一致しないようにビス固定した。
【0214】
その上に、12mm厚×910mm幅×1820mm長さの石膏ボードを、その長辺が下部パーチクルボードの長辺と直交し、継目が一致しないように載置した。その上に、比重3.0、10mm厚の制振遮音材を載置した。
【0215】
その上に、9mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを下部の石膏ボードの長辺と長辺が直交し、継目が一致しないように、ビスで石膏ボード下の15mm厚パーチクルボードに、石膏ボード、制振遮音材を介してビス固定して、床下地材を形成した。
【0216】
次に、12mm厚×303mm幅×1800mm長さのフローリング材の長辺を、床下地材表面の9mm厚パーチクルボードの長辺と直交させ、継目が一致しないように、フロアーネイルで固定した。
【0217】
実施例
図12〜14に示す防音床構造を施工した。
実施例1と同じALC床上に、ALC床の長辺方向に長辺方向が直交し、かつ継目が一致しないように、25mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードをDACビス302にて固定し、連結一体化床躯体を形成した。
【0218】
次に、予め用意した防音床材の下側衝撃受け材と前記連結一体化床躯体の表面材のパーチクルボードをビス固定した。
【0219】
防音床材は、9mm厚×150mm幅×900mm長さのパーチクルボード衝撃受け材を下板とし、15mm厚×100mm幅×880mm長さのパーチクルボード衝撃受け材を上板とし、下板の長さ方向に、幅の3等分線2本と中心線を引き、両端から90mm内側に各々長さ方向に直交する線を引き、更に120mmピッチで長さ方向に直交する線を引き、縦横の中心線の交点に衝撃吸収材Aを固定し、幅方向3等分線との交点に衝撃吸収材D及びEを縦横各々交互に固定した。
【0220】
衝撃吸収D及びEの頂面にウレタン系接着剤を塗布し、上板をほぼ中央に貼り付け固定して防音床材とした。衝撃吸収材Eの組成を表4に示す。
【0221】
【表4】
Figure 0003628998
【0222】
防音床材を連結一体化躯体に固定した後、12mm厚×909mm幅×1818mm長さの合板を防音床材の上板にビス固定した。次に、下地合板の長辺に対し、長辺が直交し、かつ、継目が一致しないように、12mm厚×909mm幅×1818mm長さの合板を縦横303mmピッチでビス固定した。
【0223】
次に、12mm厚×303mm幅×1818mm長さのフローリング材を、フロアーネイルで、下地合板の長辺に長辺が直交する方向で固定した。フローリング材長辺は、450mmずらしとし、フローリング材の継目は十字状となるようにした。
【0224】
実施例
図16〜18に示す防音床構造を施工した。
実施例1で用いたALC床上に、ALC床の長辺に長辺が直交する方向で、かつ継目が一致しないように、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードをDACビスで固定した。
【0225】
また、前記パーチクルボードの長辺と長辺が直交する方向で、9mm厚×900mm幅×1800mm長さパーチクルを、継目が一致しないように、ビスで下地パーチクルボードに固定して、連結一体化床躯体を形成した。
【0226】
次に、予め用意した防音床材の下側衝撃受け材を、連結一体化躯体の15mm厚パーチクルボードへ達するようにビス固定した。
【0227】
ここで用いた防音床材は、衝撃受け材を下板のみとし、下板は15mm板厚×150mm幅×900mm長さとし、衝撃吸収材D及びEを用いた。
【0228】
下板は、長さ方向に下板幅の3等分線を引き、両端から90mm各々内側と、180mmピッチで長さ方向に直交する線で引き、その交点10個に、衝撃吸収材Dを中央と両側に2個づつ計6個固定し、残った4個分の交点に衝撃吸収材Eを固定した。
【0229】
次に、全ての衝撃吸収材の頂面に、非加硫再生ブチルゴム粘弾性体305を貼付け、付着防止の離型紙306を120mm幅×800mm長さで貼って、防音床材を作製し、使用した。
【0230】
次に、離型紙306を除去し、20mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを防音床材上に載置圧着して固定した。
【0231】
次に、比重3.0、10mm厚の制振遮音材を、全面に敷設し、その上に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードの長辺を、下部20mm厚パーチクルボードの長辺と直交する方向で、かつ、継目が一致しないように、下の20mm厚パーチクルボードへ制振遮音材を介してビス固定した。
【0232】
次に、比重3.0、10mm厚の制振遮音材を全面に敷設し、その上に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードの長辺を、下部15mm厚パーチクルボードの長辺と直交させ、かつ、継目が一致しないように、制振遮音材を介して固定し、床下地材を形成した。
【0233】
次に、フローリング材(12mm厚×303mm幅×1818mm長さ)の長辺を、床下地表面材の長辺と直交し、継目が一致しないように、フロアーネイル307で固定した。なお、フローリング材は長辺を450mmずらしとして、部材継目が丁字状となるように施工した。
【0234】
実施例
図19〜22に示す防音床構造を施工した。
実験室RC床開口部311の周囲に、2×4木材312を置き、2×10の木材2本を重ねて76mm幅×235mm高さとし、455mmピッチで38mm幅×235mm高さ×1818mmの根太を周囲の2×10の木材で支持し、上に針葉樹合板(15mm厚×909mm幅×1818mm長さ)を釘止めした。
【0235】
周囲の2×10の木材で支持した天井スチール根太313の45×100に、12.5mm厚×909mm幅×1818mm長さの石膏ボード314を、継目が一致しないように、かつ、長辺同士を直交させて固定した。尚、天井上部には、ロックウール315を50mm厚で全面に設けた。
【0236】
前記床躯体の面材である針葉樹合板の長辺に、長辺が直交し、かつ、継目を一致させないように、15mm厚×900mm幅×1818mm長さのパーチクルボードをビス固定し、連結一体化床躯体を形成した。次に、防音床材の下側衝撃受け材を連結一体化床躯体にビス固定した。
【0237】
防音床材は、下側衝撃受け材を5mm厚×150mm幅×1780mm長さの合板とし、その片面に1mm厚非加硫再生ブチルゴムシートを貼り、上側衝撃受け材を9mm厚×100mm幅×1750mm長さの合板とし、その片面に1mm厚発泡ポリエチレンシートを貼り、衝撃吸収材を衝撃受け材の合板に固定した。
【0238】
下側衝撃受け材の合板面に、長辺方向に平行に幅の中心線と3等分線を引き、両端から150mm内側に各々長辺と直交する線を引き、185mmピッチで長辺と直交する線を計9本引いた。
【0239】
両端から内側に3本目の線と幅の中心線との交点に、衝撃吸収材Aを固定し、残る7本の線と幅の3等分線の交点に、縦横交互に衝撃吸収材B及びCを計7個づつ固定し、上側衝撃受け材を下側衝撃受け材のほぼ中央にして、衝撃吸収材B及びCを上側衝撃受け材の合板面に固定して、防音床材を作製し使用した。
【0240】
次に、防音床材上に、20mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを防音床材の上側衝撃受け材にビス固定した。
【0241】
次に、下の20mm厚パーチクルボード上に、比重3.0、6mm厚の制振遮音材を全面に敷設し、その上に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードの長辺を下部の20mm厚パーチクルボードの長辺と直交させ、かつ継目が一致しないようにして、制振遮音材を介して20mm厚パーチクルボードにビス固定して、床下地材を形成した。
【0242】
12mm厚×303mm幅×1818mm長さのフローリング材を、その長辺が床下地材の表面材の長辺と直交し、かつ、継目が一致しないようにして、長辺が450mmずれるようにして、フローリング材継目が丁字状となるように、フロアーネイル307で固定した。
【0243】
実施例
図23〜26に示す防音床構造を施工した。
実施例に使用した木質躯体を使用し、15mm厚針葉樹合板上に、比重3.0、6mm厚の制振遮音材を全面に敷設し、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードの長辺と下地の15mm厚針葉樹合板の長辺が直交し、かつ継目が一致しないように、制振遮音材を介して、15mm厚針葉樹合板へビス固定して、連結一体化床躯体を形成した。
【0244】
次に、防音床材を連結一体化床躯体に粘着固定した。防音床材は、上側衝撃受け材に12mm厚×100mm幅×1780mm長さのパーチクルボードを用い、上側衝撃受け材の幅の1/4と3/4で衝撃受け材長辺と平行に線を引き、両端から各々150mm内側に衝撃受け材長辺に直交する線を引き、順次185mmピッチで衝撃受け材長辺に直交する線を引いて、交点に縦横各々交互に衝撃吸収材C及びEを接着固定した。
【0245】
衝撃吸収材の支持固定面と反対面頂面に、非加硫再生ブチルゴム粘弾性体305の1mm厚を貼り付け、付着防止の離型紙306を100mm幅×1500mm長さで設け、防音床材を作製し、使用した。
【0246】
防音床材の上で、20mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを防音床材の上側衝撃受け材にビス固定した。20mm厚パーチクルボード上に、比重3.0、6mm厚の制振遮音材を全面に敷設し、その上に、パーチクルボードを、その長辺と下部20mm厚パーチクルボードの長辺が直交し、かつ継目が一致しないようにして、制振遮音材を介して20mm厚パーチクルボードにビス固定して、床下地材を形成した。
【0247】
次に、床下地材の表面材の長辺と長辺が直交し、かつ、継目が一致しないように、12mm厚×303mm幅×1818mm長さのフローリング材を、フロアーネイル307で固定した。この時、フローリング材は、長辺を450mmずらして、フローリング材同士の継目が丁字状になるようにした。
【0248】
実施例
図27〜32に示す防音床構造を施工した。
実施例の連結一体化床躯体と同様に、12mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、その長辺が表面材の15mm厚パーチクルボードの長辺に直交する方向で、かつ継目が一致しないように、最下層の15mm厚針葉樹合板に、縦横300mmピッチでビス固定して、連結一体化床躯体を形成した。
【0249】
次に、防音床材を前記連結一体化床躯体に粘着接着固定した。防音床材は、衝撃受け材として板厚0.5mm×60mm幅×15mm折り曲げ高さ×1800mm長さの断面コ字状折り曲げ鋼を上側衝撃受け材として使用し、床下地材固定面に離型紙306が付いた非加硫再生ブチルゴム粘弾性体305の1mm厚を付けたEPT発泡体1.5mm厚×45mm幅×1800mm長さを貼り、衝撃吸収材F及びBをウレタン系接着剤で固定した。
【0250】
衝撃吸収材の固定位置は、幅方向のほぼ中央に両端から90mm内側と、衝撃受け材長さの中央、1/4,3/4の計5個所に、1個づつ衝撃吸収材Fを固定し、衝撃吸収材Fの固定中心部間の3等分点の計8個所に、1個づつ衝撃吸収材Bを固定し、衝撃受け材固定面の反対面頂部に衝撃吸収材F,B共、非加硫再生ブチルゴム粘弾性体305を設け、離型紙306で付着防止をして、防音床材を作成し、供試した。尚、外周も前記防音床材を用いて際根太とした。衝撃吸収材Fの組成を表5に示す。
【0251】
【表5】
Figure 0003628998
【0252】
防音床材の上に、20mm厚×600mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを載置し、圧着固定した。その上に、比重3.0、6mm厚の制振遮音材を全面敷設し、その上に、12mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、その長辺が下部20mm厚パーチクルボードの長辺と直交し、かつ継目が一致しないように、制振遮音材を介して20mm厚パーチクルボードにビス固定した。
【0253】
次に、15mm厚×900mm幅×1800mm長さのパーチクルボードを、その長辺が下層の12mm厚パーチクルボードの長辺と直交し、かつ継目が一致しないように、ビス固定して、床下地材を形成した。
【0254】
次に、床下地材の表面材の長辺と長辺が直交し、かつ継目が一致しないように、フローリング材をフロアーネイルで固定した。フローリング材は、長辺を450mmずらしとし、継目を丁字状とした。
【0255】
比較例1
実施例1〜に使用したH型鋼梁上のALC床の状態で、防音床材、床仕上げ材床下地材を使用しなかった以外、実施例と同様に床下地材及び床仕上げ材を施工した。
【0256】
比較例2
実施例に使用したツーバイフォー木質躯体の針葉樹合板の状態で、防音床材、床仕上げ材床下地材を使用しなかった以外、実施例と同様に床下地材及び床仕上げ材を施工した。
【0257】
実施例1〜の防音床構造及び比較例1及び2の床構造について、JIS−A−1418−2:2000に基づき、衝撃源の衝撃力特性(1)を用いて、重量床衝撃音を測定し、その結果を表6にまとめて示した。
尚、本試験では、前記JISで評価対象としていない16Hz及び31.5Hzの音も測定した。
【0258】
【表6】
Figure 0003628998
【0259】
以下、実施例、比較例の実験結果に基づいて、本発明の効果を説明する。
実施例1は、床躯体をALCの上に、パーチクルボードを直交し、継目が一致しないようにDACビスにて固定し、その上に、更にパーチクルボードを、直交方向で継目が一致しないようにビス固定して、連結一体化床躯体とし、衝撃受け材を上側のみとし、3種の衝撃吸収材合計16個を設けた防音床材を前記床躯体に固定し、パーチクルボード、制振遮音材、パーチクルボードを、制振遮音材以外は下地に直交、継目が一致しないように固定し、床下地材とし、その上にフローリング材を床下地面パーチクルボードと直交に固定した例である。尚、床周囲は前記防音床材を設け、際根太とした。
【0260】
その結果、重量床衝撃音はL55であった。又、比較例1のALC単体床躯体と比べ、16Hzで5.7dB、31.5Hzで7.3dB、63Hzで14.7dB、125Hzで19.7dBの改善となり、良好な結果であった。
【0261】
実施例2は、床躯体を、ALC上に制振遮音材を敷設し、その上に、パーチクルボードをALCと直交でかつ継目が一致しないようにして、DACビスでALCに固定し、連結一体化床躯体とし、その上に、上下に衝撃受け材を設け、かつ衝撃吸収材を3種計14個設けた防音床材を固定し、防音床材上に、パーチクルボード、多孔質ゴム板、パーチクルボードを設け、パーチクルボード同士は直交しかつ継目が一致しないように固定して、床下地材を形成し、その上にフローリング材を直交させた。尚、床周囲は前記防音床材を設け際根太とした。
【0262】
その結果、重量床衝撃音はL54であった。又、比較例1のALC単体床躯体と比べ、16Hzで5.8dB、31.5Hzで9.1dB、63Hzで15.5dB、125Hzで20.1dBの改善であり、良好な結果であった。
【0263】
参考は、ALC上に熱膨脹シートを敷設し、その上に、パーチクルボードを、ALCと直交にかつ継目が一致しないようにDACビスで固定し、その上に、パーチクルボードを直交にかつ継目が一致しないようにビス固定して、連結一体化床躯体を形成した。次に、上側衝撃受け材の4隅を中央に2種、計5個の衝撃吸収材を設けた防音床材を固定し、防音床材の上に、パーチクルボード、石膏ボード、制振遮音材、パーチクルボードの順に積層し、制振遮音材以外は下地材と交互に直交させ、継目を一致させないように固定し、床下地材を形成し、その上に、下地表面材と直交させてフローリング材を固定した例である。
【0264】
その結果、重量床衝撃音はL52となり、比較例1のALC単体床躯体と比べ、16Hzで7.5dB、31.5Hzで11.3dB、63Hzで17.7dB、125Hzで22.4dBの改善があり、その効果は非常に大きくなった。
【0265】
実施例は、ALC上に、パーチクルボードを、ALCに直交で継目を一致させないようにDACビスで固定し、連結一体化床躯体とし、その上に、上下に衝撃受け材を有し3種の計13個の衝撃吸収材を設けた防音床材を固定し、その上に、合板2枚を直交させ、かつ継目が一致しないように固定して、床下地材を形成し、その上に、フローリング材を下地表面材に直交させて固定した例である。
【0266】
その結果、重量床衝撃音はL57となった。比較例1のALC単体床躯体と比べ、16Hzで4.6dB、31.5Hzで7.0dB、63Hzで12.7dB、125Hzで17.3dBの改善が得られ、良好な結果となった。
【0267】
実施例は、ALC上に、パーチクルボードを、2枚各々下地材に直交で、かつ継手が一致しないように、各々ALC、パーチクルボードに固定して、連結一体化床躯体を形成し、防音床材を固定した。前記防音床材は、下側衝撃受け材に2種、計10個の衝撃吸収材を設けたものである。防音床材の上に、パーチクルボード、制振遮音材、パーチクルボード、制振遮音材、パーチクルボードを積層し、パーチクルボードは、下のパーチクルボードに直交し、継目が一致しないように下地パーチクルボードに固定して、床下地材を形成し、その上に、表面材パーチクルボードに直交して、フローリング材を固定した例である。
【0268】
この結果、重量衝撃音はL50となった。比較例1のALC単体床躯体と比べ、16Hzで9.1dB、31.5Hzで12.6dB、63Hzで20.0dB、125Hzで25.6dBの各々大きな改善が得られた。
【0269】
実施例は、2×10木材の根太に針葉樹合板を固定した床に、パーチクルボードを直交、かつ継目を一致しないように固定し、連結一体化躯体を形成し、防音床材を固定した。前記防音床材は、上下に衝撃受け材を設け、衝撃吸収材は3種、計16個から成っている。防音床材上に、パーチクルボード、制振遮音材、パーチクルボードを積層し、パーチクルボードは互いに直交し、かつ継目を一致しないように固定して、床下地材を形成し、その上に、フローリング材を直交して固定した例である。
【0270】
その結果、重量床衝撃音はL57となった。比較例2の2×10木材根太に針葉樹合板を固定した木質床躯体単体と比べ、16Hzで7.6dB、31.5Hzで7.8dB、63Hzで16.6dB、125Hzで15.3dBの改善が得られ、好結果となった。
【0271】
実施例は、2×10木材の根太に針葉樹合板を固定した木質床に、パーチクルボードを2枚、各々下地面材に直交し、かつ継目が一致しないように固定し、連結一体化躯体とし、上側のみ衝撃受け材を設け、2種、計18個の衝撃吸収材を設けた防音床材を固定し、防音床材上に、パーチクルボード、制振遮音材、パーチクルボードを積層し、パーチクルボードは互いに直交させ、継目を一致させないように固定して、床下地材を形成し、その上に、フローリング材を直交させて固定した例である。
【0272】
その結果、重量床衝撃音はL55であった。比較例2の2×10木材根太と針葉樹合板の床質床単体と比べ、16Hzで8.2dB、31.5Hzで8.5dB、63Hzで18.7dB、125Hzで18.1dBの大きな改善が得られ、良好である。
【0273】
実施例は、2×10木材根太と針葉樹合板からなる床質床に制振遮音材を敷設し、パーチクルボードを針葉樹合板と直交させ、かつ継目が一致しないように固定し、更に下地パーチクルボードと直交し、継目が一致しないように固定して、連結一体化床躯体を形成し、断面コの字状折り曲げ鋼を上側衝撃受け材とし、2種の衝撃吸収材を計13個固定した防音床材を固定し、その上に、パーチクルボード、制振遮音材、パーチクルボード、パーチクルボードの順に固定し、床下地材を形成した。この時、パーチクルボードは互いに直交し、かつ継目が一致しないようにした。床下地材の上に、フローリング材を下地材表面材と直交して固定した。尚、防音床材は床周囲にも際根太として使用した例である。
【0274】
その結果、重量床衝撃音はL54であった。比較例2の2×10木材根太と針葉樹合板を固定した木質床単体と比べ、16Hzで9.7dB、31.5Hzで9.7dB、63Hzで20.1dB、125Hzで19.7dBの大きな改善が得られ、非常に良好な結果であった。
【0275】
以上の如く、本発明の防音床構造は、従来固定度の低い在来木造やツーバイフォー造、鉄骨造等の工業化住宅等に用いて、重量床衝撃音をL55〜L50レベルにまで低減でき、しかも、建物の構造には全く手を付ける必要が無いことが判る。このような防音床構造及びそれらの施工方法は工業発展の上で大きな価値がある。
【0276】
【発明の効果】
本発明の防音床構造によれば、床躯体に入力される衝撃力は、床躯体が連結一体化されていることによって総重量が大きく、剛性を増しており、所定の細長い衝撃受け材と複数の衝撃吸収材とからなる防音床材を用いているため、床躯体を大きく振動できなくなり、その結果として、床躯体からの放射音が著しく低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】1例の防音床構造の断面図である。
【図2】図1の防音床構造に用いる防音床材の裏面図である。
【図3】図2の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【図4】図1の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【図5】他の例の防音床構造の断面図である。
【図6】図5で用いる防音床材の裏面図である。
【図7】図6の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【図8】参考例の防音床構造の断面図である。
【図9】図8で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す図である。
【図10】図9の防音床材の側面図である。
【図11】図8の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【図12】更に他の例の防音床構造の断面図である。
【図13】図12で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す図である。
【図14】図13の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【図15】図12の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【図16】更に他の例の防音床構造の断面図である。
【図17】図16で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す平面図である。
【図18】図17の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【図19】更に他の例の防音床構造の断面図である。
【図20】図19で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置状況を示す図である。
【図21】図20の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【図22】図19の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【図23】更に他の例の防音床構造の断面図である。
【図24】図23に用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す裏面図である。
【図25】図24の防音床材の長手方向から見た側面図である。
【図26】図23の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【図27】更に他の例の防音床構造の断面図である。
【図28】図27で用いる防音床材の衝撃吸収材の配置を示す裏面図である。
【図29】図28の防音床材の長辺方向から見た側面図である。
【図30】図28の防音床材のA−A断面図である。
【図31】図28の防音床材のB−B断面図である。
【図32】図27の防音床構造における防音床材の配置を示す図である。
【符号の説明】
1,101 防音床構造
2,102 床躯体
3a,3b,103 板状材
4,104 連結一体化床躯体
5 H型鋼梁
6 防振ゴム
7a,7b 粘弾性体
8 バネ
9,109 衝撃吸収材
10,110a,110b 衝撃受け材
11,111 防音床材
12a,12b,112a,112b パーチクルボード
13,113 制振遮音材
14,114 床下地材
15,115 床仕上げ材
18 際根太
102a 床根太
102b 板材
116 発泡体シート
117 粘弾性シート

Claims (10)

  1. 独立した構造材が建築現場又は工場で固定されて構築されている低固定度建物の重量床衝撃音を低減する防音床構造であって、
    前記防音床構造が、梁間に架設されている分離独立した複数の床躯体、前記床躯体上に敷設されている少なくとも1層の板状材、前記板状材上で固定されている防音床材、前記防音床材上で床下地構成材を固定して形成されている床下地材及び前記床下地材上に固定されている床仕上げ材を備えており、前記防音床材が、剛性の衝撃受け材及び複数の衝撃吸収材からなり、前記衝撃受け材が前記衝撃吸収材の上面及び下面の少なくとも一方に固定されており、前記衝撃受け材が細長く、前記衝撃受け材の幅が5〜20cmであり、前記衝撃受け材の幅と長さとの比が1:4〜1:30であり、前記板状材が前記各床躯体に固定されており、前記各床躯体が連結一体化していることを特徴とする防音床構造。
  2. 複数の前記防音床材が前記板状材上に互いに離間して固定されており、前記各防音床材が、互いに離間した複数の衝撃吸収材を備えており、前記衝撃受け材の長手方向に平行な複数の線上に所定間隔で前記衝撃吸収材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の防音床構造。
  3. 前記床躯体が根太及び前記根太上に固定された板材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の防音床構造。
  4. 前記防音床構造の外周部に際根太が設けられており、前記際根太が、剛性の細長い衝撃受け材及び複数の衝撃吸収材からなり、前記衝撃受け材が前記衝撃吸収材の上面及び下面の少なくとも一方に固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の防音床構造。
  5. 前記床下地材及び前記床仕上げ材と前記防音床構造の外周の壁との間に、1〜5mmの長さの隙間が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の防音床構造。
  6. 少なくとも2つの前記衝撃吸収材が、JIS−K−6385に規定された往復路方式で0〜1000Nの荷重範囲について測定した時、100〜900Nの任意の荷重範囲において10N/mm以上の静バネ定数の差を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の防音床構造。
  7. 少なくとも2つの前記衝撃吸収材が、JIS−K−6254に規定された低変形圧縮試験に準じ、23°±2℃にて、前記衝撃吸収材を元の厚みの1/2の厚みに圧縮し、30分保持した後、元の厚みの90%の厚みに復元する迄の復元時間を測定した時、2分以上の復元時間の差を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の防音床構造。
  8. 独立した構造材が建築現場又は工場で固定されて構築されている低固定度建物の重量床衝撃音を低減する防音床構造を得るにあたり、
    前記防音床構造が、梁間に架設されている分離独立した複数の床躯体、前記床躯体上に敷設されている少なくとも1層の板状材、前記板状材上で固定されている防音床材、前記防音床材上で床下地構成材を固定して形成されている床下地材及び前記床下地材上に固定されている床仕上げ材を備えており、前記防音床材が、剛性の衝撃受け材及び複数の衝撃吸収材からなり、前記衝撃受け材が前記衝撃吸収材の上面及び下面の少なくとも一方に固定されており、前記衝撃受け材が細長く、前記衝撃受け材の幅が5〜20cmであり、前記衝撃受け材の幅と長さとの比が1:4〜1:30であり、前記板状材を前記各床躯体に固定し、前記各床躯体を連結一体化し、前記防音床材を前記板状体上に固定することを特徴とする防音床構造の施工方法。
  9. 前記板状材を、前記板状材の継目が前記各床躯体の継目に一致しないように前記各床躯体に固定し、下階室との気密性を確保し、前記防音床材の配置を芯/芯で200〜600mmとし、前記床下地材を、下側の前記床下地構成材の長辺に対し、上側の前記床下地構成材の長辺を直交方向とし、前記各床下地構成材の継目が一致しないように敷設固定し、ビス固定部でビス頭が前記板状材に1〜2mm沈み込むように固定することを特徴とする請求項8記載の防音床構造の施工方法
  10. 前記板状材を、前記板状材の継目が前記各床躯体の継目と5cm以上ずれるように前記各床躯体に固定し、最下層の前記床下地材構成材の継目下に前記防音床材を設置し、前記最下層の床下地構成材の上の他の前記床下地構成材の継目を前記最下層の床下地構成材の継目と重ならないように少なくとも5cm以上ずらすことを特徴とする請求項8又は9記載の防音床構造の施工方法。
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