JP2996913B2 - 部材の接着固定方法および接着固定構造 - Google Patents

部材の接着固定方法および接着固定構造

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JP2996913B2
JP2996913B2 JP8100901A JP10090196A JP2996913B2 JP 2996913 B2 JP2996913 B2 JP 2996913B2 JP 8100901 A JP8100901 A JP 8100901A JP 10090196 A JP10090196 A JP 10090196A JP 2996913 B2 JP2996913 B2 JP 2996913B2
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孝行 古庄
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも2つの
部材を相互に接着固定するための接着固定方法および構
造に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】鉄筋コンクリート造の
建物においては、コンクリート製の床下地面の上に根太
組をして、その上に床下地材および仕上げ材を敷いて構
成される根太床が採用される。根太床を施工する場合に
は、床仕上げ面が水平となるように、根太組も水平に行
なう必要がある。特に、コンクリート製床の場合には、
床面が平坦でないことが多いので、根太を支持している
束材等の丈を調整して、根太を水平に配置する必要があ
る。
【0003】ここで、このように床面が不陸の場合に
は、同一長さの束材を使用できないので、現場で調整し
ながら束材を立てる必要がある。しかし、束材を、適切
な寸法に切り取って取付ける作業は面倒である。隙間が
出来た場合には、仕上がった床が振動すること、その部
分が相互のぶつかり合うので、騒音が発生する等の弊害
が起きてしまう。
【0004】また、ねだ床では、床材を支持支持してい
る束材が直接に床面に接触あるいは固定されている。ま
た、際ねだは壁面等にも接触あるいは固定されている。
このために、振動騒音が伝わりやすいので、例えば、鉄
筋コンクリート造のマンション等では、ゴム等を束材に
挟みこむ等といった振動騒音の防止対策が必要である。
【0005】一方、鉄筋コンクリート造のマンション等
の仕切り壁はプラターボード等のボードを張り、その表
面に壁面仕上げを施したボード壁とすることが多い。コ
ンクリート壁表面にボード類を張るには、直接に張る訳
にはいかないので、コンクリート壁表面に、軽量鉄骨材
を用いてボード張り付け用の下地枠を構成し、その上に
ボード類をビス止め等によって張り付けるようにしてい
る。
【0006】例えば、コンクリート壁表面の上端および
下端に、それぞれ溝形断面の軽量鉄骨材を取付け、これ
らの間に、450mm等の一定のピッチで、角パイプ断
面の軽量鉄骨材を連結材として取付けて、ボード下地枠
を構成している。
【0007】しかしながら、コンクリート壁表面は不陸
状態にあるので、上下の端が固定されているボード下地
枠の連結材とコンクリート壁表面の間には隙間ができて
しまう。隙間をそのまま放置しておくと、連結材が壁面
に対して前後方向に揺れて、壁面と衝突する等して振動
音も発生してしまう。このために、従来においては、現
場サイドで、施工の都度、連結材と壁面の間に丁度良い
寸法に切断した木片等を挟み、連結材の振動を防止して
いる。しかし、このような作業では、連結材の振動を確
実に防止することは困難であり、また、作業効率も悪い
という問題点がある。
【0008】一方、このような建築施工の分野以外の分
野においても、2つの部材を、一定の間隔を開けた状態
で相互に接着固定したい場合がある。このような場合に
は、2つの部材の間隔に相当する長さのスペーサを用意
し、これを2つの部材の間に嵌め込み、しかる後にスペ
ーサと各部材の間をそれぞれ接着剤を用いて接着固定す
るようにしている。しかしながら、このような方法で
は、正確な長さにスペーサを用意する必要があり、ま
た、スペーサを部材の間にはめ込む作業も手間がかかる
場合がある。さらには、はめ込んだスペーサと各部材の
間に充分な接着剤を供給あるいは塗布できず、強固な接
着固定構造を実現できないおそれもある。
【0009】本発明の課題は、この点に鑑みて、簡単な
作業でしかも効率良く、複数の部材を一定の間隔を開け
て相互に接着固定する方法および接着固定構造を提案す
ることにある。
【0010】特に、本発明の課題は、複数の部材を所定
の間隔を開けて接着固定すると共に、弾性特性を当該接
着固定した部分に付与し、例えば、これらの部材を介し
て振動騒音等を伝わりにくくすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の方法および構造においては、接着剤を含
浸させた弾性素材からなる弾性片を利用して簡単な作業
により複数の部材を、相互に接着固定するようにしてい
る。これに加えて、本発明で使用する接着剤は、硬化し
た後も所定の弾性特性を示すものである。例えば、シー
リング系接着剤が使用される。
【0012】弾性片に当該接着剤を充分に含浸させた後
に、当該接着剤を硬化させると、弾性片は接着剤と一体
となって固体状になり、弾性片自体の弾性特性は失われ
る。しかし、接着剤自体が弾性特性を示すので、全体と
しては、所定の弾性特性を備えた弾性固体片になる。し
たがって、このような弾性固体片によって接着固定され
た部材は、当該弾性固体片によって一定の間隔が開いた
状態で強固に接着固定されている。これにと共に、大き
な外力が作用した場合には、弾性固体片の弾性変形によ
り、それが吸収される。このため、このような弾性固体
片によって接合されている部材の間で、振動・騒音等の
伝達が抑制される。
【0013】このように、本発明の弾性固体片は、部材
相互を接合するための接着剤として機能すると共に、そ
れらの間隔を一定に保持するスペーサとしても機能し、
さらには、それらの間を伝搬する振動騒音の吸収材とし
ても機能する。
【0014】以下に、本発明の構成を説明する。
【0015】まず、本発明は、第1および第2の部材を
相互に接着固定するための方法、およびそれによって得
られる構造であって、これらの部材の相互の位置を規定
し、これらの部材の間に、硬化後に弾性特性を示す接着
剤を含浸させた多孔質の弾性素材から構成される弾性片
を少なくとも1つ差し込み、接着剤を硬化させることに
より、前記弾性片を、硬化した当該接着剤の弾性特性が
支配的となっていると共に全体としては所定の剛性が備
わった弾性固体片となし、当該弾性固体片を、前記第1
および第2の部材の間隔を一定に保持するスペーサとし
て利用すると共に、当該弾性固体片を介してこれらの部
材を接着固定した状態にすることようにしている。
【0016】本発明の方法は、建物等の壁面施工、床面
施工に適用することができる。
【0017】例えば、前記第1の部材であるコンクリー
ト製等の壁表面および前記第2の部材である多孔質ボー
ドの裏面のうちの少なくとも一方の側に、前記接着剤を
含浸させた前記弾性片を張り付け、前記ボードを、前記
弾性片を介して前記壁面に張り付け、レベル出しを行
い、前記接着剤の硬化後に前記レベル出し用調整具を取
り外すことによりボード壁を構成すればよい。
【0018】前記ベレル出し用調整具としては、ピン本
体と、その外周に螺合したナットとを備えており、この
レベル出し用調整具のピン本体の先端を、壁面に張り付
けたボードの表面側から、ここに形成されている孔を通
して、壁面に打ちつけ、壁面に打ちつけたレベル出し用
調整具におけるナットを回転して、当該ナットの端面に
よりボードを押しつけて、当該ボードのレベル出しを行
なうように構成されたものを使用できる。
【0019】また、例えば、前記第1の部材であるコン
クリート製等の壁表面の上下端に、当該壁表面と実質的
に平行となるように横方向に横架材を取付け、これらの
横架材の間に、所定のピッチで上下方向に延びる前記第
2の部材である連結材を配置し、これらの連結材の振動
を防止するために、これらの連結材と壁面の間の所定の
位置に、前記接着剤を含浸させた前記弾性片を差し込
み、しかる後に、これらの連結材の表面側に、プラスタ
ーボード等のボードを張り付けることによりボード壁を
構成すればよい。
【0020】床施工法としては、前記第1の部材である
コンクリート製等の床表面に、前記第2の部材である複
数本の支持材を立て、これらの支持材によって床下地材
を支持し、前記支持材を立てる工程において、前記の各
支持材と前記床表面の間および前記の各支持材と前記床
下地材の間の少なくとも何れか一方に、前記接着剤を含
浸させた前記弾性片を差し込み、前記床下地材の上に床
仕上げ材を敷くことにより置き床を構成すればよい。こ
の場合、前記床表面の壁際には一般に際根太が配置され
る。当該際根太と前記床表面の間、当該際根太と壁面の
間のうちの少なくとも一方にも前記接着剤が含浸された
前記弾性片を差し込み、根太束の代わりとすることがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
実施の形態を説明する。
【0022】(第1の実施の形態)図1には、本発明を
適用したボード壁施工法により施工したボード壁の構成
を示してある。
【0023】この図において、1はコンクリート壁であ
り、その表面1aには、その上下端にそれぞれ、溝形断
面の軽量鉄骨材からなる横架材2、3が固定されてい
る。これらの横架材2、3は壁表面1aに沿って横方向
に延びている。これらの横架材2、3の間には、上下方
向に向けて角パイプ断面の軽量鉄骨材からなる連結材4
が取付けられている。連結材4は、例えば、450mm
のピッチで横方向に配列されている。各連結材4は、そ
の上下の端が、それぞれ上下の横架材2、3に固定され
ている以外は自由の状態にある。よって、連結材4と壁
表面1aの間に隙間がある場合には、連結材4に対して
横方向から外力が作用すると、連結材が撓み、振動し
て、壁面に当たって振動音も発生することになる。
【0024】しかし、図に示すように、各連結材4は、
そのほぼ中程の高さ位置の所で、接着剤を含浸させた弾
性片5によって壁表面1aの側に接着固定された状態と
されている。よって、各連結材4は、強固に壁表面1a
に固定されており、それが許容できないような振動を起
こすことは無い。このように壁表面1aに固定されてい
る連結材4の表面側には、プラスターボード6がビス等
によって張り付けられている。
【0025】このように構成したボード壁の施工法は、
従来の一般的な施工法と同一ではあるが、接着剤を含浸
させた弾性片5を使用して、各連結材4を強固に壁表面
1aの側に固定する点が異なっている。接着剤を含浸さ
せた弾性片5は、接着剤が硬化する前に押し潰して各連
結材4と壁表面1aの間に差し込めばよい。隙間に差し
込まれた弾性片5は、その弾性復帰力によって広がり、
連結材4と壁表面1aに密着した状態になる。この状態
で接着剤が硬化すると、弾性片5自体が硬化すると共
に、硬化した弾性片5を介して、連結材4が壁表面1a
の側に強固に接着固定された状態となる。このように、
接着剤を含浸させた弾性片5は、連結材4と壁表面1a
の間のスペーサとして機能すると共に、これらを接着固
定するための接着固定手段として機能する。
【0026】ここで、使用する接着剤は、シーリング系
接着剤等に代表されるように、硬化後に完全に固体化す
るのではなく、ある程度の弾性特性を呈する性質を備え
たものである。このような特性を備えた接着剤を弾性片
5に充分に含浸させて使用すると、硬化した後の状態で
は、接着剤によって弾性片5の弾性特性が殆ど失われて
固体片の状態となる。しかし、弾性片5を接着している
接着剤自体が硬化後に所定の弾性特性を呈するので、全
体としては、一定の弾性特性を備えた状態になる。この
状態となったものを本明細書では弾性固体片と呼んでい
る。
【0027】したがって、本例においては、壁表面1a
に連結材4を接着固定している弾性固体片は、連結材4
と壁表面1aの間のスペーサとしての機能と、これらを
接着固定するための接着固定手段としての機能と共に、
これらの部材に伝達される振動、騒音を吸収あるいは減
衰させるための振動騒音抑制部材としての機能を備えて
いる。
【0028】弾性片5は、スポンジ、海面体等の多孔質
の弾性素材から形成されたものである。その形状は特に
限定はないが、立方体、直方体等のものを利用すること
ができる。弾性片の素材として必要な特性は、弾性特性
を備えた伸縮可能なものであることと、接着材を含浸し
て保持できる多孔質素材であることである。この2つの
特性を備えたものであれば基本的にはどのような素材の
ものもよい。
【0029】また、使用する接着剤も、壁表面1aおよ
び連結材4に対する接着性を備え、硬化後に一定の弾性
特性を示すものであれば、どのような種類のものであっ
てもよい。
【0030】なお、図示の例では、各連結材4の中程の
高さ位置の所に、弾性片5を差し込むようにしている。
しかし、弾性片の取付け位置は、別の場所であってもよ
いし、1本の連結材に対して、2個以上使用してもよ
い。さらには、上下の横架材の裏面に取り付けるように
してもよい。
【0031】以上の説明は、本発明の方法をボード施工
法に適用した例である。しかし、本発明は上記の実施例
以外の場合にも同様に適用することができる。基本的に
は、二つの部材、あるいはそれ以上の複数の部材を、所
定の間隔を開けて相互に接着固定する場合に適用でき
る。使用する多孔質の弾性片の素材、使用する接着剤の
種類等は、接着対象の部材の素材、接着後の部材に作用
する応力等に応じて適宜変更すべき性質のものである。
また、弾性片の多孔度も、用途に応じて、そこに保持す
べき接着剤の量等に応じて適宜設定すべき性質のもので
ある。
【0032】(第2の実施の形態)図2には、本発明を
適用した置き床施工法を示してある。本例の方法では、
まず、高さ調整機構付きの独立束21を床面11aに立
て、その下面を床面11aに接着固定する。次に、きわ
根太31をこれらの独立束21の上面に載せ、しかる後
に、釘等の固定金具22を用いてそこに固定する。この
結果、きわ根太31は、床面11aから一定の高さの位
置の所で壁面1aから完全に離れた状態に支持される。
しかる後に、きわ根太31の下面と床面11aの間に、
接着剤を含浸させた弾性片5と、束材51を所定の間隔
で差し込む。接着剤は上記のように硬化後に一定の弾性
特性を示す種類のものであり、弾性片5も上記と同様な
素材から形成された矩形断面形状のものである。
【0033】なお、高さ調整機能付きの独立束21は、
下端が封鎖した筒状ナット211と、この筒状ナット2
21の上端開口の側からねじ込まれているボルト212
と、筒状ナット211の下端に取付けた固定板213
と、ボルト212の上端に取り付けた支持板214から
構成されている。ボルト212を回すことにより、その
上端の支持板214の高さを調整できる。
【0034】このようにきわ根太を設置した後は、床面
11aの上に一定の間隔で独立束21を設置し、その上
に、床下地材を敷きつめ、しかる後に、その上に床仕上
げ材を敷きつめる。これにより、床が施工される。
【0035】このように構成した置き床においては、き
わ根太31が完全に壁面1aから離れている。また、束
材51および弾性片5からなる束50も壁面から完全に
離れている。さらには、床面11aに接触している束材
51ときわ根太31の間には、弾性特性を示す弾性固体
片(5)が介在している。したがって、壁面からの振
動、騒音を完全に遮断することができる。また、床面か
らの振動、騒音も、弾性固体片(5)の弾性作用によっ
て吸収あるいは抑制される。したがって、遮音性能、防
振性能に優れた床構造を実現できる。
【0036】なお、上記の例では、独立束21の固定板
213を直接に床面11aに接着固定している。この代
わりに、弾性固体片(5)を介在させて、独立束21を
床面11aに接着固定してもよい。このようにすれば、
独立束21を介して、床面の側から伝達される振動、騒
音も確実に遮断あるいは抑制することができるので好ま
しい。
【0037】また、本発明は、置き床以外の構造の床を
構成する各部材の結合構造として利用することができ
る。
【0038】(第3の実施の形態)次に、本発明を適用
した別の実施の形態を説明する。この例は、石膏ボード
をコンクリート壁面に貼り付ける場合に適したものであ
る。
【0039】本例に方法においては、図3および図4に
示すように、孔開きの石膏ボード100を用意し、これ
が貼り付けられるコンクリート壁面Wの部分に弾性片3
00を、前述同様な接着剤を用いて、張りけるものであ
る。
【0040】本例においては、図5に示すように、各弾
性片300に対して、接着剤スプレーガン60などを用
いて接着剤を充分に含浸させる。なお、弾性片300
は、接着剤を含浸させた後に張り付けてもよい。
【0041】次に、図6に示すように、壁面W1に張り
付けられた石膏ボード100に対しては、そのアジャス
タピン取付け孔200に、レベル出し用調整具であるア
ジャスタピン8を挿入し、コンクリート面にしっかりと
押しつけた状態で、ハンマーで叩き込むことにより、こ
のアジャスタピン8を固定する。
【0042】図7に示すように、本例で使用するアジャ
スタピン8は、尖鋭状の脚部先端81および鍔広の頭部
82を備えたピン本体83と、このピン本体83の外周
面に形成した雄ねじ部84に螺合しているナット85か
ら基本的に構成されている。ナット85は、鍔広のフラ
ンジ851と、この裏面側に同軸状態に一体成形された
半割りの中空軸部分852から構成されている。フラン
ジ851にはピン本体83の雄ねじ部84が螺合してい
るねじ孔853が形成されていると共に、このねじ孔8
53に連続したこれよりも大径の孔854が形成されて
いる。また、半割り状の中空軸部分852の内周面にも
雌ねじ部855が形成されている。したがって、これら
の雌ねじ部853、855に螺合しているピン本体83
を、これらの雌ねじ部から半径方向に取り外し可能とな
っている。ピン本体83は、一方の端861が半割り状
の中空軸部分852に固定されたダブルクリップ状の押
さえ部材86の他方の端862によって、雌ねじ部85
3、855の側に螺合した状態に保持されている。
【0043】アジャスタピン8を打ち込む際には、ナッ
トを充分に緩めておき、打ち込んだ状態において、図6
に示すように、ナットの板押さえ部分であるフランジ8
51が石膏ボード1の表面に当たらないようにしてお
く。
【0044】各取付け孔200を通してアジャスタピン
8を打ちつけた後は、定規、下げ振りを使用して、墨出
し線に合わせて、石膏ボード100のレベル調整(レベ
ル出し)を行う。すなわち、ナット85を締め付けて、
そのフランジ851を石膏ボード表面に押しつける。こ
の結果、接着材の硬化過程における発泡により石膏ボー
ド1が膨れることがなく、また接着材の発泡圧により石
膏ボード100はレベル調整された状態に保持される。
【0045】なお、貼り付けた石膏ボード100の目地
の部分にも、例えば等しいピッチで接着剤の団子を注入
し、これによって、目地の部分をしっかりと壁面Wに固
定することが望ましい。
【0046】このようにして石膏ボード100を壁面W
に張り付けた後は、左右あるいは上下に連続して石膏ボ
ードを同じ手順で張り付けていく。壁面Wに石膏ボード
を貼り詰めた後は、4ないし5時間放置して、接着材の
硬化を待つ。この後に、各アジャスタピン5を壁面から
引き抜く。ここに、アジャスタピン取付け孔が目立つ場
合等には、この孔に接着材を注入して穴埋を行うように
してもよい。以上の工程により、石膏ボード面を構成す
ることができる。
【0047】以上説明したように、本例の方法において
は、アジャスタピン取付け孔が形成された板状部材を、
硬化後の一定の弾性特性を呈する接着剤を含浸させた弾
性片を挟み、壁面に張り付け、しかる後に、アジャスタ
ピンを打ち込み、このアジャスタピンのナットを調整し
て板状部材のレベル出しを行い、接着材硬化後は、アジ
ャスタピンを取り外すようにしている。したがって、板
状部材のレベル出しを、アジャスタピンのナットを調整
するという作業により簡単に行うことができ、特に熟練
を必要としない。よって、簡単でしかも効率良く、板貼
り壁面を施工することができる。また、本例の方法は、
従来の工法とは異なり、全体として軽量の壁面を構成で
きるので、高層建築物等の壁面工法として利用するのに
適している。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法にお
いては、硬化後に弾性特性を示す接着剤を含浸させた弾
性片を部材の間に差し込み、接着剤を硬化させることに
より、部材間を接着固定するようにしている。接着剤が
硬化すると、接着剤と一体となった弾性片はその弾性が
失われて所定の剛性あるいは強度を備えた固体片の状態
となる。しかし、接着剤自体が硬化後に所定の弾性特性
を備えている。このために、接着剤硬化後は、全体とし
て一定の弾性特性を備えた弾性固体片になる。この結
果、複数の部材は、この弾性固体片によって強固に接着
固定され、それらの間が一定に保持され、しかも、振
動、騒音がこれらの部材間で殆ど伝わらない状態にな
る。
【0049】このように、本発明によれば、複数の部材
を一定の間隔を開けて接着固定することが極めて簡単に
行なうことができる。特に、本発明は、振動、騒音を遮
断する必要のある場所等で使用される部材間の結合に適
している。例えば、コンクリート製等の床面あるいは壁
面に構成される床構造、壁構造を構成する部材の結合の
ために、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により施工したボード壁の構成を
示す概略構成図である。
【図2】本発明の方法により施工した置き床の施工法を
示すための説明図である。
【図3】石膏ボードの平面図である。
【図4】壁面に取り付けた弾性片の配置状態を示す斜視
図である。
【図5】弾性片に接着剤を含浸させた状態を示す説明図
である。
【図6】貼り付けた石膏ボードにアジャスタピンを取り
付けた状態の断面図である。
【図7】図6に示すアジャスタピンの構造を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 コンクリート壁 1a コンクリート壁表面 2 上端の横架材 3 下端の横架材 4 連結材 5 弾性片 6 プラスターボード 11a コンクリート床 21 独立束 50 束 51 束材

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の部材を相互に接着固定
    するための方法において、 これらの部材の相互の位置を規定し、 これらの部材の間に、硬化後に弾性特性を示す接着剤を
    含浸させた多孔質の弾性素材から構成される弾性片を少
    なくとも1つ差し込み、 接着剤を硬化させることにより、前記弾性片を、硬化し
    た当該接着剤の弾性特性が支配的となっていると共に全
    体としては所定の剛性が備わった弾性固体片となし、 当該弾性固体片を、前記第1および第2の部材の間隔を
    一定に保持するスペーサとして利用すると共に、当該弾
    性固体片を介してこれらの部材を接着固定した状態にす
    ることを特徴とする部材の接着固定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法によって構成され
    た部材の接着固定構造。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記第1の部材であるコンクリート製等の壁表面および
    前記第2の部材である多孔質ボードの裏面のうちの少な
    くとも一方の側に、前記接着剤を含浸させた前記弾性片
    を張り付け、 前記ボードを、前記弾性片を介して前記壁面に張り付
    け、 レベル出し用調整具を前記ボードおよび前記壁面に取り
    付けて、前記ボードのレベル出しを行い、 前記接着剤の硬化後に前記レベル出し用調整具を取り外
    すことによりボード壁を構成することを特徴とする部材
    の接着固定方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記ベレル出し用調
    整具は、ピン本体と、その外周に螺合したナットとを備
    えており、このレベル出し用調整具のピン本体の先端
    を、壁面に張り付けたボードの表面側から、ここに形成
    されている孔を通して、壁面に打ちつけ、壁面に打ちつ
    けたレベル出し用調整具におけるナットを回転して、当
    該ナットの端面によりボードを押しつけて、当該ボード
    のレベル出しを行なうようになっていることを特徴とす
    る部材の接着固定方法。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 前記第1の部材であるコンクリート製等の壁表面の上下
    端に、当該壁表面と実質的に平行となるように横方向に
    横架材を取付け、 これらの横架材の間に、所定のピッチで上下方向に延び
    る前記第2の部材である連結材を配置し、 これらの連結材の振動を防止するために、これらの連結
    材と壁面の間の所定の位置に、前記接着剤を含浸させた
    前記弾性片を差し込み、 しかる後に、これらの連結材の表面側に、プラスターボ
    ード等のボードを張り付けることによりボード壁を構成
    することを特徴とする部材の接着固定方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記第1の部材であ
    るコンクリート製等の床表面に、前記第2の部材である
    複数本の支持材を立て、 これらの支持材によって床下地材を支持し、 前記支持材を立てる工程において、前記の各支持材と前
    記床表面の間および前記の各支持材と前記床下地材の間
    の少なくとも何れか一方に、前記接着剤を含浸させた前
    記弾性片を差し込み、 前記床下地材の上に床仕上げ材を敷くことにより置き床
    を構成することを特徴とする部材の接着固定方法。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記床表面の壁際に
    は際根太が配置され、当該際根太と前記床表面の間、当
    該際根太と壁面の間のうちの少なくとも一方には前記接
    着剤が含浸された前記弾性片を差し込むことを特徴とす
    る部材の接着固定方法。
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