JP3628992B2 - 集合住宅の床下構造 - Google Patents

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幸男 佐藤
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博憲 首藤
哲朗 石田
裕治 小田巻
豊 二宮
茎三 山下
政樹 元兼
憲志 秋永
正博 足立
武彦 池辺
健太郎 御手洗
晋 大野
友一 中村
達也 里見
茂穂 野田
修二 岩尾
浩一 山下
智之 吉浪
真弓 佐藤
憲治 吉川
哲郎 大久保
裕幸 野下
雄一朗 石川
裕 猿渡
寛治 神田
知幸 梶村
瑠美 戸高
洋次郎 佐藤
光伸 吉永
洋介 木原
義晴 中林
勝 中村
賢司 佐藤
幸治 原田
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株式会社さとうベネック
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集合住宅の床下構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、集合住宅の床下構造の一形態として、各階層を区画する床スラブ上に、複数の逆梁を上向きに突設して、同逆梁上に床材を横架して床面を形成することにより、床材と床スラブとの間に床下多目的空間を形成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した床下構造は、以下のような不具合を有している。
【0004】
▲1▼床スラブ上に逆梁を設ける逆梁工法は、不必要に大きな床下収納空間を形成して、無駄な床下収納空間も保有することになるため、比較的にコスト高になる。
【0005】
▲2▼逆梁工法では、各階の高さが500mm〜600mm程度高くなるため、日影規制や高度斜線規制により、階数・床面積を確保することが困難である。
【0006】
▲3▼逆梁を設けて床下収納空間を形成するため、各階の高さが高くなり、階数に制限が生じることから、集合住宅の戸数が制限されることになる。
【0007】
▲4▼床下収納空間が大きいため、消防法の適用を受けて火災感知器の設置を義務付けられる等の煩わしさが生じる場合がある。
【0008】
▲5▼床下収納空間を隣接する部屋に跨って形成し、両方の部屋で有効に使用するという発想がなく、単に床下物入れ収納庫のかわりに使用するなどの単純な使用形態でしかなかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅の上下階層において、上階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成するとともに、同じく下階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成し、上下階層の多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように配置し、多目的空間形成部は、隣接する洗面所とリビングとの間に跨って形成し、同洗面所とリビングとを仕切壁で区画するとともに、同仕切壁は、下部に抽出口を形成して、同抽出口を介して移動ラックが洗面所とリビングとの間で移動する多目的空間が多目的空間形成部内に形成されるように形成し、洗面所側に位置する多目的空間形成部の端部から仕切壁までの距離を移動ラックの幅と略同一となして、同洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを収納した際に、同移動ラックが仕切壁下部の抽出口からリビングに露出するようにし、移動ラックの上面は開放して収納物の収納取出口とし、洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、洗面所の床面と同一レベルの蓋体によって上記収納取出口を閉蓋可能に構成するとともに、リビング側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、同移動ラックの上面は開放状態となるようにしたことを特徴とする集合住宅の床下構造を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、移動ラックの上面に開閉蓋を設け、同移動ラックが洗面所に移動した場合は、開閉蓋が洗面所に床面を構成することにも特徴を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
すなわち、本発明に係る集合住宅の床下構造は、床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅において、各床スラブの一部を下方へ膨出させて、各床スラブに凹状の多目的空間形成部を形成している。
【0013】
このようにして、各床スラブに多目的空間形成部を形成することにより、必要な場所に必要な大きさの多目的空間を、コスト負担を掛けることなく形成することができる。
【0014】
そして、多目的空間形成部は、収納空間や配管スペースやメンテナンス空間等の多目的空間として有効利用することができる。
【0015】
しかも、各階の高さに変更が生じないため、日影規制や高度斜線規制を受ける心配がなく、階数・床面積を有効に確保することができる。
【0016】
さらには、各階の高さに変更が生じず、階数に制限が生じないことから、集合住宅の戸数が制限されることはない。
【0017】
また、多目的空間形成部は、必要以上に大きく形成しないため、消防法の適用を受けることはなく、火災感知器の設置を義務付けられる等の煩わしさを生じることがない。
【0018】
ここで、多目的空間形成部の直下方に位置する階下の部屋以外の部屋に、居室を配置することができる。
【0019】
このようにして、居室の天井高さを大きく確保して、入居者に圧迫感を与えることなく、居住空間をゆったりと大きく形成することができる。その結果、居住性を良好に確保することができる。
【0020】
また、多目的空間形成部の直下方に位置する階下の部屋に、キッチン、浴室、洗面所、及び、便所等の水廻り機能室を配置することができる。
【0021】
このようにして、キッチン、浴室、及び、洗面所等の水廻り機能室は、天井部が高すぎると、清掃がし難い上に、熱効率が悪くなるという不具合があるが、かかる水廻り機能室は、下方に膨出する多目的空間形成部の直下方に位置する階下の部屋に配置していることより、同多目的空間形成部が下方に膨出している分だけ、水廻り機能室の天井部の高さを低くすることができて、同水廻り機能室の清掃をし易くすることができると共に、同水廻り機能室の熱効率を高くすることができる。
【0022】
また、各階層の床スラブに形成した多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように階別に交互に配置することができる。
【0023】
このようにして、集合住宅全体の荷重バランスを良好に保つことができて、集合住宅の強度も良好に確保することができる。
【0024】
また、多目的空間形成部は、居室の直下方に配置することができる。
【0025】
このようにして、居室の直下方に配置した多目的空間形成部に、物品を収納することができると共に、必要に応じて物品の出し入れを楽に行うことができる。
【0026】
また、多目的空間形成部は、少なくとも一つの端面を梁部に直接接続することができる。
【0027】
このようにして、多目的空間形成部を梁部に対して少なくとも一辺固定構造となすことができて、床スラブの剛性を良好に確保することができる。
【0028】
また、多目的空間形成部内に複数の段差を有する凹部を形成することができる。
【0029】
このようにして、多目的空間形成部内に形成した複数の段差を有する凹部内に、適宜高さの異なる収容物を収容することができて、収容効率を良好に確保することができる。
【0030】
しかも、かかる多目的空間形成部の直下方に形成される天井裏の未利用空間を、最大限に有効利用することができる。
【0031】
例えば、天井が低くても良い浴室や洗面所や便所と、天井をもう少し高くしておきたいキッチン等を隣接させて配設することができ、居住空間内のレイアウト設計に広がりをもたせることができる。
【0032】
また、多目的空間は、仕切壁で区画された隣接する部屋の間に跨って形成して、多目的空間内にラックを設け、同ラックの移動は隣接する部屋の仕切壁下部に形成した抽出口を介して、隣接する部屋間で行うべく構成したので、隣接する部屋の間でラックの移動を簡単に行うことができる。
【0033】
また、隣接する部屋はリビングと洗面所とすれば、リビングで予めラック中に洗濯物を収納した後に、リビングから洗面所へと多目的空間内のラックを移動して、洗面所においてラック中の洗濯物を取り出し、洗濯などが行える。
【0034】
従って、廊下を通らずに洗濯物を洗面所側に移すことができ、作業動線を短くすることができるため、作業負担を軽減することができる。
【0035】
また、移動ラックの上面は開放して収納物の収納取出口とすると共に、洗面所内に同ラックを移動した場合は、洗面所の床面と同一レベル位置の蓋体によって閉蓋すべく構成すれば、洗面所からは移動ラック内の収納物(洗濯物等)が見えることはなく、外観上整理整頓された状態とすることができる。
【0036】
また、移動ラックのリビング側への移動時には、同ラックの上面は開放状態となるようにすれば、わざわざ蓋体をあけたりする必要がなく、すぐに移動ラック内に洗濯物等を収納することができるので、作業の手間を省くことができる。
【0037】
また、移動ラックの上面には開閉蓋を設け、同ラックが洗面所に移動した場合は、開閉蓋が洗面所の床面を構成するようにすれば、洗面所及びリビングの両方において、移動ラック内の収納物(洗濯物等)が見えることはなく、外観上整理整頓された状態とすることができる。
【0038】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1及び図2に示すAは、本発明に係わる鉄筋コンクリート製の集合住宅であり、同集合住宅Aは、前後左右方向に対向させて立設した複数の柱部1と、対向する柱部1,1の間に横架した梁部2との間に、外壁3と内壁4と床スラブ5とを張設して、内部に複数の居住空間Sを区画した状態にて形成している。
【0040】
そして、居住空間S内には、床部6を張設して、同床部6上に、リビング・ダイニングルーム7と和室8とキッチン9と浴室10と洗面所11と便所12と洋室13,14と玄関15と下駄箱16と吊り戸棚24と押入れ25と物入れ26とクローゼット27,28とを設けている。20は窓、21は内部仕切壁、23は、左右対称位置にそれぞれ配置したパイプスペースである
ここで、居室としてのリビング・ダイニングルーム7と和室8と洋室13,14の内、本実施例では、和室8は、床部6の左右いずれか一側の中央部に形成する一方、キッチン9、浴室10、洗面所11、及び、便所12等の水廻り機能室17は、床部6の左右いずれか他側の中央部に形成して、和室8と水廻り機能室17とを左右に隣接させて配置している。
【0041】
しかも、和室8の直下方に位置する床スラブ5の部分には、下方へ膨出して、上面に凹状の多目的空間S1を形成する多目的空間形成部18を形成し、同多目的空間形成部18の直下方に位置する階下の部屋には、水廻り機能室17を配置している。19は収納ケースである。
【0042】
このようにして、各階層の床スラブ5に形成した多目的空間形成部18は、左右方向に千鳥状となるように階別に交互に配置して、集合住宅A全体の荷重バランスを良好に保つと共に、集合住宅Aの強度も良好に確保することができるようにしている。
【0043】
この際、居室8の床部6(本実施例では畳22を敷設している)の下には開閉体(図示せず)を設けて、同開閉体を開放することにより、居室8の直下方に配置した多目的空間形成部18に、物品を楽に収納することができると共に、必要に応じて物品の出し入れを楽に行うことができる。
【0044】
ここで、キッチン9、浴室10、洗面所11、及び、便所12等の水廻り機能室17は、床スラブ5の下面によって形成される各階層の天井部5aが高すぎると、清掃がし難い上に、熱効率が悪くなるという不具合があるが、かかる水廻り機能室17は、下方に膨出する多目的空間形成部18の直下方に位置する階下の部屋に配置しているため、同多目的空間形成部18が下方に膨出している分だけ、水廻り機能室17の天井部5aの高さを低くすることができて、同水廻り機能室17の清掃をし易くすることができると共に、同水廻り機能室17の熱効率を高くすることができる。
【0045】
従って、清掃の容易化と熱効率の良好な確保が図れるように、水廻り機能室17の天井部5aの高さを必要最低限の高さに設定することにより、多目的空間形成部18の容積を最大限に大きく設定することができて、必要最低限の多目的空間S1を確保することができる。
【0046】
また、本実施例では、図2に示すように、和室8の直下方に形成した多目的空間形成部18を、押入れ25と物入れ26とクローゼット27の直下方位置まで伸延させて形成している。
【0047】
図3は、多目的空間形成部18の平面説明図、図4は、図3のI−I線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の一側端面を小梁部45に直接接続して、同小梁部45に多目的空間形成部18の底部18−1の一辺を固定させた一辺固定構造となしている。
【0048】
このように、多目的空間形成部18が小さい場合には、少なくとも梁部である小梁部45に底部18−1の一辺を固定させた一辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性を良好に確保することができる。
【0049】
図5は、第1変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図6の(a)は図5のII−II線断面図、図6の(b)は図5のII’−II’線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の左右側端面を、梁部2とそれに対向させて配置した小梁部46に直接接続して、両梁部2,46に多目的空間形成部18の底部18−1の二辺を固定させた二辺固定構造となしている。
【0050】
このように、梁部2と小梁部46とに多目的空間形成部18の底部18−1の二辺を固定させた二辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性をより一層良好に確保することができる。
【0051】
図7は、第2変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図8は、図7のIII−III線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の三つの端面を、梁部2と二つの小梁部45,46に直接接続して、これら梁部2,45,46に多目的空間形成部18の底部18−1の三辺を固定させた三辺固定構造となしている。
【0052】
このように、梁部2と小梁部45,46とに多目的空間形成部18の底部18−1の三辺を固定させた三辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性をさらに一層良好に確保することができる。
【0053】
図9は、第3変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図10は、図9のIV−IV線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の四つの端面を、梁部2と三つの小梁部45,45,46に直接接続して、これら梁部2,45,45,46に多目的空間形成部18の底部18−1の四辺を固定させた四辺固定構造となしている。
【0054】
このように、梁部2と小梁部45,45,46とに多目的空間形成部18の底部18−1の四辺を固定させた四辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性を強固なものとなすことができる。
【0055】
図11は、第4変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図12は、図11のV−V線断面図であり、同多目的空間形成部18は三辺固定構造となすと共に、同多目的空間形成部18内に複数(本実施例では二つ)の段差を有する凹部としての第1・第2多目的空間S1a,S1bを形成している。
【0056】
このようにして、多目的空間形成部18内に形成した第1・第2多目的空間S1a,S1b内に、適宜高さの異なる収容物を収容することができて、収容効率を良好に確保することができる。
【0057】
しかも、かかる多目的空間形成部18の直下方に形成される天井裏の未利用空間を、最大限に有効利用することができる。
【0058】
例えば、天井が低くても良い浴室10や洗面所11や便所12と、天井をもう少し高くしておきたいキッチン9等を隣接させて配設することができ、居住空間S内のレイアウト設計に広がりをもたせることができる。
【0059】
図13は、第5変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図14は、図13のVI−VI線断面図であり、同多目的空間形成部18は四辺固定構造となすと共に、同多目的空間形成部18内に複数(本実施例では二つ)の段差を有する凹部としての第1・第2多目的空間S1a,S1bを形成している。
【0060】
このようにして、多目的空間形成部18内に形成した第1・第2多目的空間S1a,S1b内に、適宜高さの異なる収容物を収容することができて、収容効率を良好に確保することができると共に、多目的空間形成部18の剛性を強固なものとなすことができる。
【0061】
図15は、第5変容例としての多目的空間形成部18の第1・第2多目的空間S1a,S1b内に、水廻り機能室17に始端を接続した排水横管47を配置した実施例を示しており、同実施例では、排水横管47の終端を排水竪管48に接続する場合に、第1多目的空間S1a分の大きな勾配を形成することができて、排水効率を向上させることができる。
【0062】
そして、水廻り機能室17をパイプスペース23から離れた位置に配置した場合にも排水性を良好に確保することが可能となり、同水廻り機能室17のレイアウトの自由度を増大させることができる。
【0063】
図16の(a)は多目的空間S1内にメリーゴーラウンド式の引き出しユニット55を出し入れ可能にした例を示す概略図である。
【0064】
引き出しユニット55は二段式であって多目的空間S1内と床面上に位置する配置となっている。そして、二段式の引き出しユニット55は引き出し55aの配列方向に移動させることができ、床面より上に来たときに各引き出し55aを出し入れすることで衣類等を収納したり取り出したりすることができる。なお、本この例では引き出しユニット55の上方にクローゼット56を配置し、引き出しユニット55と共用することによって収納物を増やすことができる。
【0065】
図17は居室に設けた多目的空間S1内を各種の物品の収納部とした例である。この例では、多目的空間S1の上端に開閉自在な蓋68が被せられ、この蓋68を開くことにより各種の物品を多目的空間S1に収納したり取り出したりすることができる。このような構成では、床の間に形成した多目的空間S1を収納空間とするので、蓋68を被せることで居室の床面を広く有効活用することができる。
【0066】
図18はリビング72と洗面所73との間に多目的空間S1を形成し、この多目的空間S1ないに移動ラック74を設けた例である。移動ラック74は洗濯物等を搭載するもので、洗濯し終わった洗濯物を搭載するときには移動ラック74をリビング72側に引き出して洗濯物を移動ラック74に載せる。そして、多目的空間S1内で移動ラック74を押して洗面所73側に移動させる。これにより、廊下を通らずに洗濯物を浴室73側に移すことができ、主婦の作業動線を格段に短くすることができる。したがって、洗濯物の洗濯後には移動ラック74を移動させるだけの作業で済み、主婦の作業負担を軽減することができる。
【0067】
なお、仕切壁で区画された隣接する部屋に跨って設けられた多目的空間形成部18のうち、一方の部屋(洗面所)側に位置する多目的空間形成部18の端部から仕切壁までの距離を移動ラック74の幅と略同様となるようにして、同一方の部屋(洗面所)側に位置する多目的空間形成部18の内部に移動ラック74を収納した際に、移動ラック74が、仕切壁下部の抽出口から他方の部屋(リビング72)に露出するようにしている。
【0068】
従って、移動ラック74は、少なくとも一方の部屋(洗面所)側の多目的空間形成部18の内部には、同移動ラック74の幅の分だけしか入り込むことはできないので、一方の部屋(洗面所)側の多目的空間形成部18の内部に収納された移動ラック74を、他方の部屋(リビング72)側から容易に引き出すことができる。
【0069】
図19はキッチン等の床下に多目的空間S1を形成し、この多目的空間S1中に収納ラック77,78,79を出し入れ可能とした例である。3個の収納ラック77,78,79は小物を収納するもので、これらの収納ラック77,78,79をすべて多目的空間S1内に収納する互いに拘束しあってきっちりと多目的空間S1内に収納される。そして、収納ラック77,78,79はそれぞれ独立して多目的空間S1から取り出すことができ、各収納ラック77,78,79はそれぞれ小型なので軽く持ち上げだけで多目的空間S1から引き出せる。このような構成では、多目的空間S1内の小物収納部として利用することができるとともに、各収納ラック77,78,79を収納してしまえばキッチンの床面と同レベルに設定することができ、床面全体を使用することができる。
【0070】
図20は居室の適切な位置に多目的空間S1を形成するとともに、この多目的空間S1内に移動式のラック110を形成した例である。移動式のラック110はキャスター110aを備えたもので、居室内で自由に動かせる構成としたものである。このように移動式のラック110を多目的空間S1内に収納することによって、ラック110に収納した小物類をまとめて多目的空間S1内に保管することができる。
【0071】
【発明の効果】
本発明では、床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅の上下階層において、上階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成するとともに、同じく下階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成し、上下階層の多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように配置している。
【0072】
このようにして、多目的空間形成部を形成することにより、必要な場所に必要な大きさの多目的空間を、コスト負担をかけることなく形成することができるとともに、集合住宅全体の荷重バランスを良好に保つことができて、集合住宅の強度も良好に確保することができる。
【0073】
そして、多目的空間形成部は、収納空間や配管スペースやメンテナンス空間等の多目的空間として有効利用することができる。
【0074】
しかも、各階の高さに変更が生じないため、日影規制や高度斜線規制を受ける心配がなく、階数・床面積を有効に確保することができる。
【0075】
さらには、各階の高さに変更が生じず、階数に制限が生じないことから、集合住宅の戸数が制限されることはない。
【0076】
また、多目的空間形成部は、必要以上に大きく形成しないため、消防法の適用を受けることはなく、火災感知器の設置を義務付けられる等の煩わしさを生じることがない。
【0077】
また、本発明では、多目的空間形成部は、隣接する洗面所とリビングとの間に跨って形成し、同洗面所とリビングとを仕切壁で区画するとともに、同仕切壁は、下部に抽出口を形成して、同抽出口を介して移動ラックが洗面所とリビングとの間で移動する多目的空間が多目的空間形成部内に形成されるように形成している。
このようにして、リビング側から洗面所側へ多目的空間内にて移動ラックを押して移動させることにより、洗濯物等を移動させることができるため、廊下を通らずに洗濯物等を洗面所側に移すことができ、主婦の作業動線を格段に短くすることができて、主婦の作業負担を軽減することができる。
しかも、洗面所側に位置する多目的空間形成部の端部から仕切壁までの距離を移動ラックの幅と略同一となして、同洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを収納した際に、同移動ラックが仕切壁下部の抽出口からリビングに露出するようにしている。
従って、移動ラックは、少なくとも洗面所側の多目的空間内には、移動ラックの幅の分だけしか入り込むことができないため、洗面所側の多目的空間内に収容された移動ラックを、リビング側から容易に引き出すことができる。
さらには、移動ラックの上面は開放して収納物の収納取出口とし、洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、洗面所の床面と同一レベルの蓋体によって上記収納取出口を閉蓋可能に構成するとともに、リビング側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、同移動ラックの上面は開放状態となるようにしている。
このようにして、洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、洗面所の床面と同一レベルの蓋体によって上記収納取出口を閉蓋可能に構成しているため、洗面所からは移動ラックの収納物(例えば、洗濯物等)が見えることがなく、外観上整理整頓された状態とすることができる。
また、リビング側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、同移動ラックの上面は開放状態となるようにしているため、わざわざ蓋体を開けたりする必要がなく、すぐに移動ラック内に洗濯物等を収納することができるので、作業の手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集合住宅の床下構造の断面正面説明図。
【図2】同床下構造の平面説明図。
【図3】多目的空間形成部の平面説明図。
【図4】図3のI−I線断面図。
【図5】第1変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図6】(a)は図5のII−II線断面図、(b)は図5のII’−II’線断面図。
【図7】第2変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図8】図7のIII−III線断面図。
【図9】第3変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図10】図9のIV−IV線断面図。
【図11】第4変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図12】図11のV−V線断面図。
【図13】第5変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図14】図13のVI−VI線断面図
【図15】排水横管の配管構造を示す断面側面説明図。
【図16】(a)は多目的空間内にメリーゴーラウンド式の引き出しユニットを配置した例を示す概略図、(b)はマットを多目的空間内に収納可能とした例を示す概略図。
【図17】多目的空間の上に開閉自在な蓋を備えた例を示す概略図。
【図18】リビングと洗面所との間に多目的空間を形成しこの多目的空間内を移動する移動ラックを備える例を示す概略図。
【図19】多目的空間内に3個の収納ラックを収納する例であって、(a)は収納状態を示す概略断面図、(b)は収納ラックの概略斜視図。
【図20】居室に設けた多目的空間に移動式のラックを収納できる構成とした例の概略図。
【符号の説明】
A 集合住宅
S 居住空間
S1 多目的空間
1 柱部
2 梁部
3 外壁
4 内壁
5 床スラブ
6 床部
7 リビングルーム
8 居室
9 キッチン
17 水廻り機能室
18 多目的空間形成部

Claims (1)

  1. 床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅の上下階層において、
    上階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成するとともに、同じく下階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成し、上下階層の多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように配置し、
    多目的空間形成部は、隣接する洗面所とリビングとの間に跨って形成し、同洗面所とリビングとを仕切壁で区画するとともに、同仕切壁は、下部に抽出口を形成して、同抽出口を介して移動ラックが洗面所とリビングとの間で移動する多目的空間が多目的空間形成部内に形成されるように形成し、
    洗面所側に位置する多目的空間形成部の端部から仕切壁までの距離を移動ラックの幅と略同一となして、同洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを収納した際に、同移動ラックが仕切壁下部の抽出口からリビングに露出するようにし、
    移動ラックの上面は開放して収納物の収納取出口とし、洗面所側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、洗面所の床面と同一レベルの蓋体によって上記収納取出口を閉蓋可能に構成するとともに、リビング側に位置する多目的空間内に移動ラックを移動した場合には、同移動ラックの上面は開放状態となるようにしたことを特徴とする集合住宅の床下構造。
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