JP3566247B2 - 集合住宅の床下構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、集合住宅の床下構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、集合住宅の床下構造の一形態として、各階層を区画する床スラブ上に、複数の逆梁を上向きに突設して、同逆梁上に床材を横架して床面を形成することにより、床材と床スラブとの間に床下多目的空間を形成したものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した床下構造は、以下のような不具合を有している。
【0004】
▲1▼床スラブ上に逆梁を設ける逆梁工法は、不必要に大きな床下収納空間を形成して、無駄な床下収納空間も保有することになるため、比較的にコスト高になる。
【0005】
▲2▼逆梁工法では、各階の高さが500mm〜600mm程度高くなるため、日影規制や高度斜線規制により、階数・床面積を確保することが困難である。
【0006】
▲3▼逆梁を設けて床下収納空間を形成するため、各階の高さが高くなり、階数に制限が生じることから、集合住宅の戸数が制限されることになる。
【0007】
▲4▼床下収納空間が大きいため、消防法の適用を受けて火災感知器の設置を義務付けられる等の煩わしさが生じる場合がある。
【0008】
▲5▼床スラブに敷設する床材の下方に空間を形成したものは、床材を空間上方に支持するために、支持強度を高めるための各種構造が施工されて複雑かつ高価になっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅の上下階層において、上階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成するとともに、同じく下階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成し、上下階層の多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように配置し、多目的空間形成部の左右側部にそれぞれ床部支持体を設けるとともに、各床部支持体は、多目的空間形成部の内壁に当接板を当接する一方、多目的空間形成部の中程に同多目的空間形成部の上下に縦方向の束体を立設し、当接板の下部と束体の上部との間に傾斜状の支持部本体を架設し、同支持部本体の上部と当接板の上部との間に床受け板を架設して、同床受け板と当接板と支持部本体との各中央部にわたって内枠を架設して構成し、これら床部支持体により床部に作用する荷重を多目的空間形成部の壁部分にて受けるように構成したことを特徴とする集合住宅の床下構造を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
すなわち、本発明に係る集合住宅の床下構造は、床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅において、各床スラブの一部を下方へ膨出させて、各床スラブに凹状の多目的空間形成部を形成している。
【0012】
このようにして、各床スラブに多目的空間形成部を形成することにより、必要な場所に必要な大きさの多目的空間を、コスト負担を掛けることなく形成することができる。
【0013】
そして、多目的空間形成部は、収納空間や配管スペースやメンテナンス空間等の多目的空間として有効利用することができる。
【0014】
しかも、各階の高さに変更が生じないため、日影規制や高度斜線規制を受ける心配がなく、階数・床面積を有効に確保することができる。
【0015】
さらには、各階の高さに変更が生じず、階数に制限が生じないことから、集合住宅の戸数が制限されることはない。
【0016】
また、多目的空間形成部は、必要以上に大きく形成しないため、消防法の適用を受けることはなく、火災感知器の設置を義務付けられる等の煩わしさを生じることがない。
【0017】
ここで、多目的空間形成部の直下方に位置する階下の部屋以外の部屋に、居室を配置することができる。
【0018】
このようにして、居室の天井高さを大きく確保して、入居者に圧迫感を与えることなく、居住空間をゆったりと大きく形成することができる。その結果、居住性を良好に確保することができる。
【0019】
また、多目的空間形成部の直下方に位置する階下の部屋に、キッチン、浴室、洗面所、及び、便所等の水廻り機能室を配置することができる。
【0020】
このようにして、キッチン、浴室、及び、洗面所等の水廻り機能室は、天井部が高すぎると、清掃がし難い上に、熱効率が悪くなるという不具合があるが、かかる水廻り機能室は、下方に膨出する多目的空間形成部の直下方に位置する階下の部屋に配置していることより、同多目的空間形成部が下方に膨出している分だけ、水廻り機能室の天井部の高さを低くすることができて、同水廻り機能室の清掃をし易くすることができると共に、同水廻り機能室の熱効率を高くすることができる。
【0021】
また、各階層の床スラブに形成した多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように階別に交互に配置することができる。
【0022】
このようにして、集合住宅全体の荷重バランスを良好に保つことができて、集合住宅の強度も良好に確保することができる。
【0023】
また、多目的空間形成部は、居室の直下方に配置することができる。
【0024】
このようにして、居室の直下方に配置した多目的空間形成部に、物品を収納することができると共に、必要に応じて物品の出し入れを楽に行うことができる。
【0025】
また、多目的空間形成部は、少なくとも一つの端面を梁部に直接接続することができる。
【0026】
このようにして、多目的空間形成部を梁部に対して少なくとも一辺固定構造となすことができて、床スラブの剛性を良好に確保することができる。
【0027】
また、多目的空間形成部内に複数の段差を有する凹部を形成することができる。
【0028】
このようにして、多目的空間形成部内に形成した複数の段差を有する凹部内に、適宜高さの異なる収容物を収容することができて、収容効率を良好に確保することができる。
【0029】
しかも、かかる多目的空間形成部の直下方に形成される天井裏の未利用空間を、最大限に有効利用することができる。
【0030】
例えば、天井が低くても良い浴室や洗面所や便所と、天井をもう少し高くしておきたいキッチン等を隣接させて配設することができ、居住空間内のレイアウト設計に広がりをもたせることができる。
【0031】
また、予め成形した床スラブ形成体を梁部間に架設して床スラブを形成すると共に、同床スラブ形成体には多目的空間形成部を形成することができる。
【0032】
このようにして、床スラブ形成体をプラキャストコンクリートとして製品化しておくことにより、同床スラブ形成体の品質や強度管理等を生産工場等において良好に確保することができる。
【0033】
しかも、床スラブ形成体を複数個用意してモジュール形式にて床スラブを形成することにより、同床スラブの施工を迅速かつ簡易に行うことができる。
【0034】
さらには、床スラブ形成体に形成する多目的空間形成部の大きさを、例えば、ユニットバスよりも大きく形成しておくことにより、同多目的空間形成部へのユニットバスの配設作業を容易に行うことができる。
【0035】
また、多目的空間形成部の間に側面視アーチ状の床部支持体あるいは支持部本体と束体とよりなる床部支持体を架設して床部に作用する荷重を多目的空間形成部の壁部分にて受けるように構成することができる。
【0036】
このようにして、多目的空間形成部の上端部間に、側面視アーチ状の床部支持体を架設したり、支持部本体と束体とよりなる床部支持体を介設したりすることによって、床部に作用する荷重を多目的空間形成部の壁部分で受けることができて、簡単な構造により強度のある多目的空間形成部の床部形成ができるものである。
【0037】
このように、アーチ及びトラスト構造であるため広いスパンをとることができる。
【0038】
また、平面で支えるよりたわみが少なく強度的にも有利である。
【0039】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【0040】
図1及び図2に示すAは、本発明に係わる鉄筋コンクリート製の集合住宅であり、同集合住宅Aは、前後左右方向に対向させて立設した複数の柱部1と、対向する柱部1,1の間に横架した梁部2との間に、外壁3と内壁4と床スラブ5とを張設して、内部に複数の居住空間Sを区画した状態にて形成している。
【0041】
そして、居住空間S内には、床部6を張設して、同床部6上に、リビング・ダイニングルーム7と和室8とキッチン9と浴室10と洗面所11と便所12と洋室13,14と玄関15と下駄箱16と吊り戸棚24と押入れ25と物入れ26とクローゼット27,28とを設けている。20は窓、21は内部仕切壁、23は、左右対称位置にそれぞれ配置したパイプスペースである
ここで、居室としてのリビング・ダイニングルーム7と和室8と洋室13,14の内、本実施例では、和室8は、床部6の左右いずれか一側の中央部に形成する一方、キッチン9、浴室10、洗面所11、及び、便所12等の水廻り機能室17は、床部6の左右いずれか他側の中央部に形成して、和室8と水廻り機能室17とを左右に隣接させて配置している。
【0042】
しかも、和室8の直下方に位置する床スラブ5の部分には、下方へ膨出して、上面に凹状の多目的空間S1を形成する多目的空間形成部18を形成し、同多目的空間形成部18の直下方に位置する階下の部屋には、水廻り機能室17を配置している。19は収納ケースである。
【0043】
このようにして、各階層の床スラブ5に形成した多目的空間形成部18は、左右方向に千鳥状となるように階別に交互に配置して、集合住宅A全体の荷重バランスを良好に保つと共に、集合住宅Aの強度も良好に確保することができるようにしている。
【0044】
この際、和室8の床部6(本実施例では畳22を敷設している)の下には開閉体(図示せず)を設けて、同開閉体を開放することにより、和室8の直下方に配置した多目的空間形成部18に、物品を楽に収納することができると共に、必要に応じて物品の出し入れを楽に行うことができる。
【0045】
ここで、キッチン9、浴室10、洗面所11、及び、便所12等の水廻り機能室17は、床スラブ5の下面によって形成される各階層の天井部5aが高すぎると、清掃がし難い上に、熱効率が悪くなるという不具合があるが、かかる水廻り機能室17は、下方に膨出する多目的空間形成部18の直下方に位置する階下の部屋に配置しているため、同多目的空間形成部18が下方に膨出している分だけ、水廻り機能室17の天井部5aの高さを低くすることができて、同水廻り機能室17の清掃をし易くすることができると共に、同水廻り機能室17の熱効率を高くすることができる。
【0046】
従って、清掃の容易化と熱効率の良好な確保が図れるように、水廻り機能室17の天井部5aの高さを必要最低限の高さに設定することにより、多目的空間形成部18の容積を最大限に大きく設定することができて、必要最低限の多目的空間S1を確保することができる。
【0047】
また、本実施例では、図2に示すように、和室8の直下方に形成した多目的空間形成部18を、押入れ25と物入れ26とクローゼット27の直下方位置まで伸延させて形成している。
【0048】
図3は、多目的空間形成部18の平面説明図、図4は、図3のI−I線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の一側端面を小梁部45に直接接続して、同小梁部45に多目的空間形成部18の底部18−1の一辺を固定させた一辺固定構造となしている。
【0049】
このように、多目的空間形成部18が小さい場合には、少なくとも梁部である小梁部45に底部18−1の一辺を固定させた一辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性を良好に確保することができる。
【0050】
図5は、第1変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図6(a)は、図5のII −II線断面図、図6(b)は、図5のII’−II’線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の左右側端面を、梁部2とそれに対向させて配置した小梁部46に直接接続して、両梁部2,46に多目的空間形成部18の底部18−1の二辺を固定させた二辺固定構造となしている。
【0051】
このように、梁部2と小梁部46とに多目的空間形成部18の底部18−1の二辺を固定させた二辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性をより一層良好に確保することができる。
【0052】
図7は、第2変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図8は、図7のIII−III線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の三つの端面を、梁部2と二つの小梁部45,46に直接接続して、これら梁部2,45,46に多目的空間形成部18の底部18−1の三辺を固定させた三辺固定構造となしている。
【0053】
このように、梁部2と小梁部45,46とに多目的空間形成部18の底部18−1の三辺を固定させた三辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性をさらに一層良好に確保することができる。
【0054】
図9は、第3変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図10は、図9のIV−IV線断面図であり、同多目的空間形成部18の底部18−1の四つの端面を、梁部2と三つの小梁部45,45,46に直接接続して、これら梁部2,45,45,46に多目的空間形成部18の底部18−1の四辺を固定させた四辺固定構造となしている。
【0055】
このように、梁部2と小梁部45,45,46とに多目的空間形成部18の底部18−1の四辺を固定させた四辺固定構造となすことにより、床スラブ5の剛性を強固なものとなすことができる。
【0056】
図11は、第4変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図12は、図11のV−V線断面図であり、同多目的空間形成部18は三辺固定構造となすと共に、同多目的空間形成部18内に複数(本実施例では二つ)の段差を有する凹部としての第1・第2多目的空間S1a,S1bを形成している。
【0057】
このようにして、多目的空間形成部18内に形成した第1・第2多目的空間S1a,S1b内に、適宜高さの異なる収容物を収容することができて、収容効率を良好に確保することができる。
【0058】
しかも、かかる多目的空間形成部18の直下方に形成される天井裏の未利用空間を、最大限に有効利用することができる。
【0059】
例えば、天井が低くても良い浴室10や洗面所11や便所12と、天井をもう少し高くしておきたいキッチン9等を隣接させて配設することができ、居住空間S内のレイアウト設計に広がりをもたせることができる。
【0060】
図13は、第5変容例としての多目的空間形成部18の平面説明図、図14は、図13のVI−VI線断面図であり、同多目的空間形成部18は四辺固定構造となすと共に、同多目的空間形成部18内に複数(本実施例では二つ)の段差を有する凹部としての第1・第2多目的空間S1a,S1bを形成している。
【0061】
このようにして、多目的空間形成部18内に形成した第1・第2多目的空間S1a,S1b内に、適宜高さの異なる収容物を収容することができて、収容効率を良好に確保することができると共に、多目的空間形成部18の剛性を強固なものとなすことができる。
【0062】
図15は、第5変容例としての多目的空間形成部18の第1・第2多目的空間S1a,S1b内に、水廻り機能室17に始端を接続した排水横管47を配置した実施例を示しており、同実施例では、排水横管47の終端を排水竪管48に接続する場合に、第1多目的空間S1a分の大きな勾配を形成することができて、排水効率を向上させることができる。
【0063】
そして、水廻り機能室17をパイプスペース23から離れた位置に配置した場合にも排水性を良好に確保することが可能となり、同水廻り機能室17のレイアウトの自由度を増大させることができる。
【0064】
図16は、第2実施例としての多目的空間形成部18を具備する集合住宅Aの平面説明図、図17は、同集合住宅Aの断面側面図、図18は、多目的空間形成部18の平面図、図19は、同多目的空間形成部18の断面側面図であり、かかる多目的空間形成部18は、予め成形した複数の床スラブ形成体50を梁部2,2,2,2間に架設して床スラブ5を形成すると共に、同床スラブ形成体50にはそれぞれ多目的空間形成部18,18を形成している。
【0065】
そして、床スラブ形成体50に形成する多目的空間形成部18の大きさは、浴室10を収容可能な大きさに形成しておくことにより、同多目的空間形成部18の多目的空間S1内への浴室10の施工作業を容易に行うことができる。
【0066】
このようにして、床スラブ形成体50をプレキャストコンクリートとして生産工場等において製品化しておくことにより、同床スラブ形成体50の品質や強度管理等を生産工場等において良好に確保することができる。
【0067】
しかも、床スラブ形成体50を複数個用意してモジュール形式にて床スラブ5を形成することにより、同床スラブ5の施工を迅速かつ簡易に行うことができる。
【0068】
図20は、第3実施例としての多目的空間形成部18を具備する床スラブ5の平面説明図、図21は、同床スラブ5の断面側面図であり、かかる床スラブ5では、各部屋の床スラブ5の仮想中心線Cを中心に左右一側半部を多目的空間形成部18となして、多目的空間S1を大きく確保している。
【0069】
しかも、同一階の床スラブ5では、各部屋の多目的空間形成部18を左右いずれかの同一側に形成して、上・下階の各多目的空間形成部18を半分ずつ左右側方へずらした状態となすことにより、かかる床スラブ5の施工容易性を向上させることができる。
【0070】
さらには、各階層毎の多目的空間形成部18を、その上・下階の各多目的空間18に対して左右側方へ半分ずつずらすだけであるため、すなわち、多目的空間形成部18を、左右方向に半分ずつ千鳥状となるように階別に交互に配置しただけであるため、住居プランを全て同一のプランにすることができる。
【0071】
図22は、第4実施例としての多目的空間形成部18を具備する床スラブ5の断面側面図であり、同床スラブ5では、床スラブ5に開口部51を形成し、同開口部51に、多目的空間形成体52を嵌合させて、同開口部51を塞ぐようにしている。
【0072】
そして、多目的空間形成体52は、図23にも示すように、上面開口箱型に形成した形成体本体53と、同形成体本体53の上端周縁部に形成した係止用周縁体54とを金属性素材により一体成形している。
【0073】
このようにして、床スラブ5に開口部51を形成しておき、適宜多目的空間形成体52を嵌合させて配置することにより、施工中に多目的空間S1内に雨水等が溜まるのを防止することができる。
【0074】
しかも、多目的空間形成体52は、金属製としているため、防火、防音、荷重低減化が図れる。
【0075】
図24は、第5実施例としての多目的空間形成部18を具備する床スラブ5の断面側面図であり、同床スラブ5では、床スラブ5に開口部51を形成し、同開口部51に、多目的空間形成体52を嵌合させて、同開口部51を塞ぐようにしている。
【0076】
ここで、多目的空間形成体52は、図25にも示すように、前記した第4実施例の多目的空間形成体52と基本的構造を同じくしているが、素材において、コンクリート製としている点でことなる。55は吊り込み用連結片である。
【0077】
このようにして、多目的空間形成体52をプレキャストコンクリート製品となすことにより、同多目的空間形成部18の品質・強度管理を良好に行うことができると共に、施工の容易化が図れる。
【0078】
図26は、第6実施例としての多目的空間形成部18を具備する床スラブ5の断面側面図であり、同多目的空間形成部18では、多目的空間S1内に複数個の収納ケース19を収容して、各収納ケース19に開閉蓋体56を設けて、各開閉蓋体56が閉蓋状態にて床部6の一部を形成するようにしている。
【0079】
そして、収納ケース19は、図27にも示すように、スチロール等の断熱性、遮音(吸音)性等の効果を有する軽量な素材により成形して、断熱・防音効果を良好に確保している。
【0080】
図28は、第7実施例としての多目的空間形成部18を具備する床スラブ5の断面側面図であり、同多目的空間形成部18では、上端部間に側面視アーチ状の床部支持体57を架設して、かかるアーチ状となした床部支持体57により、床部6に作用する荷重を多目的空間形成部18の壁部分にて受けることができるため、床部6を確実に支持することができるとともに、束を減らしても床の撓みを抑えることができる
従って、多目的空間S1を広く確保することが可能となると同時に、大きな開口部を確保することが可能となり、長尺の物品であっても多目的空間S1に容易に収納することができる。
【0081】
なお、アーチ状となした床部支持体57は、上面に形成した床受け板57−1と、その下方のアーチ体57−2と、床受け板57−1とアーチ体57−2との間に介在した縦フレーム57−3とよりなり、左右外側には多目的空間形成部18内の左右内壁に当接する当接板を形成して床部支持体57が多目的空間形成部18内に嵌入するようにしている。
【0082】
図29は、第8実施例としての多目的空間形成部18を具備する床スラブ5の断面側面図であり、同多目的空間形成部18では、左右側部に床部支持体57,57を設けて、これら床部支持体57,57により床部6を支持するようにしている。
【0083】
すなわち、各床部支持体57は、多目的空間形成部18の内壁に当接板58-3を当接する一方、多目的空間形成部18の中程に同多目的空間形成部18の上下に縦方向の束体59を立設し、当接板58-3の下部と束体59の上部との間に傾斜状の支持部本体58を架設し、同支持部本体58の上部と当接板58-3の上部との間に床受け板58-1を架設して、同床受け板58-1と当接板58-3と支持部本体58との各中央部にわたって内枠58-2を架設して構成している。
そして、これら床部支持体57により床部6に作用する荷重を多目的空間形成部18の壁部分にて受けるように構成している。61は床開口部である。
【0084】
このようにして、多数の束体59を幅狭間隔にて配置することなく、床開口部61の前・後・左・右側の四個所のみに配置するだけで、床部支持体57により床部6に作用する荷重を多目的空間形成部18の壁部分にて受けることができるため、床部6を確実に支持することができる。
【0085】
ここで、床部6を形成する床材としては、ベニヤ、パーティクルボード、押出セメント成型板、ALC版等が考えられるが、強度、重量、加工性、価格、環境問題等の問題から、リサイクルした段ボールのハニカム版を使用することもできる。
【0087】
図30は、閉蓋体支持体65の斜視図であり、同閉蓋体支持体65は、多目的空間形成部18内に配置して、同多目的空間形成部18を閉蓋して床部6の一部を形成する閉蓋体(図示せず)を支持するものである。
【0088】
そして、閉蓋体支持体65は、図31にも示すように、伸縮自在の支持体形成片66,66,66,66と補強用連結片67とから形成しており、多目的空間S1を閉蓋する際に、閉蓋体支持体65を図30に示すように組み立てて多目的空間S1内に配置し、同閉蓋体支持体65上に閉蓋体を載置して、同閉蓋体を支持させることができる。66a,66b,66cは伸縮形成片である。
【0089】
この際、閉蓋体支持体65は、支持体形成片66,66,66,66と補強用連結片67とから形成しているため、多目的空間S1内に収納物を支障なく収納することができる。
【0090】
また、多目的空間S1を開放状態となす際には、閉蓋体支持体65を収納空間S1より取り出して収縮させることにより、コンパクト化することができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明では、床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅の上下階層において、上階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成するとともに、同じく下階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成し、上下階層の多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように配置している。
【0092】
このようにして、多目的空間形成部を形成することにより、必要な場所に必要な大きさの多目的空間を、コスト負担をかけることなく形成することができるとともに、集合住宅全体の荷重バランスを良好に保つことができて、集合住宅の強度も良好に確保することができる。
【0093】
そして、多目的空間形成部は、収納空間や配管スペースやメンテナンス空間等の多目的空間として有効利用することができる。
【0094】
しかも、各階の高さに変更が生じないため、日影規制や高度斜線規制を受ける心配がなく、階数・床面積を有効に確保することができる。
【0095】
さらには、各階の高さに変更が生じず、階数に制限が生じないことから、集合住宅の戸数が制限されることはない。
【0096】
また、多目的空間形成部は、必要以上に大きく形成しないため、消防法の適用を受けることはなく、火災感知器の設置を義務付けられる等の煩わしさを生じることがない。
【0097】
また、本発明では、多目的空間形成部の左右側部にそれぞれ床部支持体を設けるとともに、各床部支持体は、多目的空間形成部の内壁に当接板を当接する一方、多目的空間形成部の中程に同多目的空間形成部の上下に縦方向の束体を立設し、当接板の下部と束体の上部との間に傾斜状の支持部本体を架設し、同支持部本体の上部と当接板の上部との間に床受け板を架設して、同床受け板と当接板と支持部本体との各中央部にわたって内枠を架設して構成し、これら床部支持体により床部に作用する荷重を多目的空間形成部の壁部分にて受けるように構成している。
【0098】
このようにして、多数の束体を幅狭間隔にて配置することなく、多目的空間形成部の左右側部に床部支持体を配置するだけで、同床部支持体により床部に作用する荷重を多目的空間形成部の壁部分にて受けることができるため、床部を確実に支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る集合住宅の床下構造の断面正面説明図。
【図2】同床下構造の平面説明図。
【図3】多目的空間形成部の平面説明図。
【図4】図3のI−I線断面図。
【図5】第1変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図6】図5のII−II線断面図(a)と図5のII’−II’線断面図(b)。
【図7】第2変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図8】図7のIII−III線断面図。
【図9】第3変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図10】図9のIV−IV線断面図。
【図11】第4変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図12】第16のV−V線断面図。
【図13】第5変容例としての多目的空間形成部の平面説明図。
【図14】第18のVI−VI線断面図
【図15】排水横管の配管構造を示す断面側面説明図。
【図16】第2実施例としての多目的空間形成部を具備する集合住宅の平面説明図。
【図17】同集合住宅の断面側面図。
【図18】多目的空間形成部の平面図。
【図19】同多目的空間形成部の断面側面図。
【図20】第3実施例としての多目的空間形成部を具備する床スラブの平面説明図。
【図21】同床スラブの断面側面図。
【図22】第4実施例としての多目的空間形成部を具備する床スラブの断面側面図。
【図23】同多目的空間形成体の平面図。
【図24】第5実施例としての多目的空間形成部を具備する床スラブの断面側面図。
【図25】同多目的空間形成体の平面図。
【図26】第6実施例としての多目的空間形成部を具備する床スラブの断面側面図。
【図27】収納ケースの一部切欠平面図。
【図28】第7実施例としての多目的空間形成部を具備する床スラブの断面側面図。
【図29】第8実施例としての多目的空間形成部を具備する床スラブの断面側面図。
【図30】閉蓋体支持体の斜視図。
【図31】閉蓋体支持体の一部拡大説明図。
【符号の説明】
A 集合住宅
S 居住空間
S1 多目的空間
1 柱部
2 梁部
3 外壁
4 内壁
5 床スラブ
6 床部
7 リビングルーム
8 和室
9 キッチン
17 水廻り機能室
18 多目的空間形成部
Claims (1)
- 床スラブにより複数の階層に区画して形成した集合住宅の上下階層において、
上階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成するとともに、同じく下階層の床スラブの一部を下方へ膨出させて凹状の多目的空間形成部を形成し、上下階層の多目的空間形成部は、左右方向に千鳥状となるように配置し、
多目的空間形成部の左右側部にそれぞれ床部支持体を設けるとともに、各床部支持体は、多目的空間形成部の内壁に当接板を当接する一方、多目的空間形成部の中程に同多目的空間形成部の上下に縦方向の束体を立設し、当接板の下部と束体の上部との間に傾斜状の支持部本体を架設し、同支持部本体の上部と当接板の上部との間に床受け板を架設して、同床受け板と当接板と支持部本体との各中央部にわたって内枠を架設して構成し、これら床部支持体により床部に作用する荷重を多目的空間形成部の壁部分にて受けるように構成したことを特徴とする集合住宅の床下構造。
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