JP3628717B2 - 立体視内視鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、物体を立体視できる立体視内視鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、特に外科分野において、患者の負担軽減を目的として、開腹せずに腹部に小さい穴を開け、そこから内視鏡を挿入して観察、処置をする、いわゆる内視鏡的手術が注目されている。この分野においては従来から両眼で患部を直視し、立体視観察して手術を行っていたため、内視鏡手術においても立体視の要望が強い。立体視できると作業がしやすくなり、手術時間が短縮され、より患者の負担軽減につながる。
【0003】
従来の立体視可能な内視鏡光学系として、図34に示す特願平4−309078号で提案された第1の従来例がある。これは全く同じ2つの光学系を平行に配置したものである。対物光学系201、201′で結像した像は伝送光学系202、202′(この場合はリレーレンズ系)によって所定の距離だけ伝送され、CCD等の撮像素子203、203′によって撮像される。
【0004】
撮像された左右一対の像は電気信号に変換され、図示しないTVモニタに表示される。この時、表示される左右像を高速で切り換えると同時にこれと同期したシャッタメガネを用いることにより、右眼用画像は右眼で、左眼用画像は左眼で観察することになり立体視することができる。
【0005】
また、別タイプの立体視内視鏡として、図35に示す特願平5−28278号で提案された第2の従来例がある。これは、対物光学系214と伝送光学系であるリレーレンズ系215が軸対称な1本の光学系により構成されている。リレーレンズ系215の後端にはプリズム216が配置されており、これにより瞳を空間的に2つに分割することにより視差のある左右一対の像を撮像素子217、217′に結び、撮像している。図34及び図35の左側の図はそれぞれの入射瞳を示す。
【0006】
立体視を行うためには互いに視差のある左右一対の像を得る必要がある。そのためには光学系の右画像用の入射瞳と、左画像用の入射瞳は空間的に離れて位置していなくてはならない。また、立体視の際の立体感の大きさは視差の大きさに比例し、視差の大きさは左右の入射瞳の中心間隔に比例する。
【0007】
上記2つの従来例において、2つの同じ光学系を並べた第1のタイプの場合は、対物光学系201、201′から撮像手段203、203′までを別々に構成し、左右の入射瞳207、207′を別々に離れて位置させることにより互いに視差のある画像を得ている。左右の入射瞳207、207′の中心間隔dは左右の対物光学系207、207′の光軸間隔Dに一致する。
【0008】
上記従来例のうち瞳を分割する第2のタイプの場合は、対物光学系214と伝送光学系215を軸対称な1本の光学系で構成し、この部分では瞳は1つであるが、瞳分割手段(上記例の場合は瞳分割プリズム)216によってこの1つの瞳を空間的に2つに分割してそれぞれ画像を生成することで互いに視差のある画像を得ている。左右の入射瞳218、218′の中心間隔dは対物レンズの入射瞳219の大きさの1/2である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
2つの同じ光学系を並べたタイプの場合は、左右別々の部品から構成されているため部品点数が多く、組立性が悪い。また、各部品の誤差からくる左右像の倍率差、ピント位置のズレが多く、正常な立体視ができなくなるため細かい調整が必要である。
【0010】
瞳を分割するタイプの場合は、左右光路共通の部品が多く、部品点数を少なく、左右像のズレ等も少なくできる利点がある反面、同じ太さで比較した場合上記第1のタイプより視差の大きさが小さくなってしまい十分な立体感が得にくい、すなわち左右の入射瞳の中心間隔を大きくしにくいという問題がある。この点を図36、図37を用いて説明する。
【0011】
図36(a)は第1の従来例の先端側の対物光学系を拡大して示し、図36(b)はその入射瞳を示す。また、図37(a)は第2の従来例の先端側の対物光学系を拡大して示し、図37(b)はその入射瞳を示す。
【0012】
2つの同じ光学系を並べたタイプ、つまり第1の従来例の場合、内視鏡先端部220の対物レンズ枠221の内径Фに対し、左右の対物光学系の光軸間隔はほぼФ/2である。したがって、左右の入射瞳207、207′の中心間隔もほぼФ/2である。
【0013】
一方、瞳を分割するタイプの場合、内視鏡先端部220の対物レンズ枠221の内径Фに対し、対物光学系の入射瞳219の直径はФより小さい。これは、内視鏡のNAがリレーレンズ系の外径で制限されていること、対物光学系の画角がリレーレンズ系の画角よりも大きいことによって、対物光学系の入射瞳がリレーレンズ系の瞳より小さくなるからである。
【0014】
したがって、左右の入射瞳の中心間隔dはФ/2より小さくなり、通常Ф/6〜Ф/10程度である。したがって、このタイプの場合、上記タイプに比べて視差の大きさは約1/3程度となり、特に先端部が細い場合には十分な立体感が得られない。
【0015】
本発明は、上記の事情に鑑み、上記瞳を分割するタイプのように左右光路共通の部品をなるべく多くして製造誤差等による左右の像のばらつきを少なくでき、かつ上記2つの同じ光学系を並べたタイプと同程度の大きな視差による立体感のある画像が得られる立体視内視鏡を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】
発明による立体視内視鏡は、対物光学系と像伝送光学系と撮像素子とを有する立体視内視鏡において前記対物光学系は互いに視差のある画像を取り込むために、光学系が並列に配置された複数の前群光学系と、像伝送光学系の光軸と一致して配置され、前記複数の前群光学系からの光束をほぼ重なりあった位置に結像する後群光学系とからなり、前記前群光学系の射出光束がほぼアフォーカル光束であり、前記前群光学系と前記後群光学系の境界位置が前記後群光学系の前側焦点位置よりも像側にあり前記像伝送光学系は1本の光学系よりなり、前記対物光学系によって結像した互いに視差のあるほぼ重なりあった複数の画像を伝送し、伝送する瞳が互いに分離していることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による立体視内視鏡は、対物光学系と像伝送光学系と撮像素子とを有する立体視内視鏡において前記対物光学系はペッツバール和が負である複数の光学系が並列に配置され、互いに視差のある複数の画像を結像し前記像伝送光学系は1本の光学系よりなり、前記対物光学系で結像した複数の画像を伝送し、前記撮像素子は1つまたは複数あり、前記像伝送光学系で伝送された複数の画像のうち、2つ以上の画像を撮像することで立体視可能としたことを特徴とする
【0018】
更に、本発明による立体視内視鏡は、対物光学系と像伝送光学系と撮像素子とを有する立体視内視鏡において前記対物光学系は複数の光学系が並列に配置され、互いに視差のある複数の画像を結像し前記像伝送光学系は1本の光学系よりなり、前記対物光学系で結像した複数の画像を伝送し、前記撮像素子は複数あり、前記像伝送光学系で伝送された複数の画像の夫々の湾曲面に接するように互いに傾斜させて配置し、2つ以上の画像を撮像することで立体視可能としたことを特徴とする立体視内視鏡
【0024】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。以下、第1実施例から第9実施例は上記課題を解決するための手段及び作用における(1)を実現する構成であり、より具体的には(a)の機能を備えた実施例である。つまり、内視鏡先端部に配置された複数の対物光学系で互いに視差のある像を分離した位置に結像し、互いに分離した像を共通となる1本の像伝送光学系で伝送するものである。
【0025】
図1及び図2は本発明の第1実施例に係り、図1は第1実施例を備えた立体視内視鏡装置の全体構成を示し、図2は第1実施例の立体視内視鏡における撮像光学系の構成を示す。
【0026】
図1に示すように立体視内視鏡装置1は、立体視するための撮像光学系を内蔵した第1実施例の立体視内視鏡2と、この立体視内視鏡2に設けられた照明光を伝送する照明光伝送手段に照明光を供給する光源装置3と、この立体視内視鏡2に内蔵された撮像手段に対する信号処理を行うカメラコントロールユニット4(以下、CCUと略記する)と、このCCU4からの信号を映像信号に変換するスキャンコンバータ5と、このスキャンコンバータ5から出力される映像信号を表示するカラーモニタ6と、このカラーモニタ6に表示される画像を立体的に視認するためのシャッタ機能を有するシャッタメガネ27とから構成される。
【0027】
上記立体視内視鏡2は体腔内等に挿入される細長の挿入部11と、この挿入部11の後端に太径に形成され、術者により把持される把持部12とを有する。この挿入部11は円管形状でステンレス等の金属等からなる硬質の外套管で形成されている。つまり、この立体視内視鏡2は硬性の挿入部11を有する硬性内視鏡である。
【0028】
この立体視内視鏡2は通常の内視鏡と同様に光源装置3から供給される照明光を伝送する照明光伝送手段と、この伝送した照明光を照明窓から出射して対象物側を照明する照明光学系とを有する共に、この照明光学系で照明された対象物を立体視できるように視差のある2つの像を得る観察光学系を有する。
なお、本明細書ではこの観察光学系として光電変換する機能を備えた撮像素子に視差のある2つの像を結ぶ作用を行う実施例で主に説明しているので、撮像光学系ともいう。
【0029】
上記把持部12にはライトガイド口金13が設けてあり、このライトガイド口金13に一端が着脱自在で接続されるライトガイドケーブル14の他端のライトガイドコネクタ15は光源装置3に着脱自在で接続される。
【0030】
光源装置3内には白色光の照明光を発生するランプ16と、この白色光を集光するレンズ17とが配置され、このレンズ17で集光された照明光はライトガイドコネクタ15の端面に照射され、この端面に照射された照明光はライトガイドケーブル14内のライトガイドにより伝送され、ライトガイド口金13から立体視内視鏡2内のライトガイド18側に伝送した照明光を供給する。
【0031】
照明光伝送手段としてのライトガイド18は把持部12内で屈曲され、挿入部11内を挿通されている。このライトガイド18は供給された照明光を伝送し、挿入部11の先端部19に固定された先端面からさらに照明窓に取りつ付けた照明レンズ20を経て前方に照明光を出射する。
【0032】
この照明光で照明された物体(図1において矢印で示す)29は先端部19内における照明窓に隣接して配置した2つの観察窓にそれぞれ取り付けた対物光学系21a、21bによって結像位置にそれぞれ光学像(図2の符号7a,7b)を結ぶ。2つの対物光学系21a、21bは同じ構成であり、出来るだけ特性が揃った光学レンズを用いて構成することが望ましい。
【0033】
図1に示すように2つの対物光学系21a、21bは各光軸Oa,Obが挿入部11の中心軸と平行で、この中心軸の両側に並列に配置され、両光軸Oa,Ob間の距離(間隔)はdだけ離間している。また、両光軸Oa,Obは中心軸を通る直径方向に離間して配置され、従って中心軸に関して対称的な位置に配置されている。このように互いの光軸が間隔d離れて並行に配置された同じ構成の対物光学系21a、21bによって視差の大きな2つの光学像を結ぶことができるようにしている。
【0034】
2つの対物光学系21a、21bは図2に示すように分離した位置に像7a,7bを結び、これら2つの像7a,7bは共通のリレー光学系22、つまり1本の像伝送光学系或は像伝送手段により後方側に伝送される。
【0035】
このリレー光学系22により等倍で後方側に伝送され、最終的には把持部12内に配置した撮像素子23の光電変換面(撮像面)に、2つの対物光学系21a、21bによる2つの像7a,7bと同じ像10a,10bを分離して結ぶようにしている。例えば、図1において、2つの対物光学系21a,21bにおける離間する方向を左右方向とすると、撮像素子23の撮像面には左右方向に2つの像10a,10bが分離して結像されるようになっている。
【0036】
図1に示すように撮像素子23は例えば正方形状の撮像面を有し、この撮像面の縦或は横方向は2つの対物光学系21a、21bの離間して配置される左右方向と一致し、且つ撮像面の中心はリレー光学系22の光軸上に一致するように配置される。
【0037】
なお、挿入部11内を挿通されるライトガイド18はリレー光学系22の外側を(例えばリング状にして)挿通しても良いし、図1に示すようにリレー光学系22の左右方向とは直交する上下方向の一部を軸方向に切り欠いて形成した切り欠き溝に収納するようにしても良い(図1では1つの切り欠き溝を示しているが、切り欠き溝を上下方向に2つ形成しても良い)。このように切り欠き溝を形成することは製造コストを上げることになるが、原理的にはリレー光学系22における像伝送に殆ど寄与しない部分を削除することになるので、像伝送の機能を低下することなく、照明光の伝送を行うことが可能になり、挿入部11を細径化できることになる。
【0038】
また、リレー光学系22の有効断面積を大きくできるので、このリレー光学系22の前端に、このリレー光学系22の光軸から左右方向(水平方向)に偏心して対向配置される2つの対物光学系21a、21bの偏心量(光軸間距離d)、つまり視差を大きくでき、立体視の機能を向上できることにもなる。さらに、2つの像の重なり(クロストーク)を減らす機能もある。
【0039】
上記把持部12は撮像素子23が内蔵された出力部24と、その前方側の入力部25とで着脱自在で分離できるようにしている。入力部25は2つの対物光学系21a、21bとリレー光学系22からなる撮像光学系(観察光学系)を有する。
【0040】
上記出力部24を分離できる構造にすることにより、撮像素子23が故障した場合の修理が容易になると共に、感度の高い撮像素子とか画素数の多い撮像素子等に取り替えて性能を向上するとか、接眼アダプタを接続して肉眼で立体視することも可能にできるフレキシビリティのある構造にしている(接続部の構造としては後述する図15に示す構造を採用できる)。
【0041】
撮像素子23は出力部24の後端から延出されて信号ケーブル26によってCCU4と接続され、撮像素子23で光電変換された撮像信号に対する信号処理が行われる。このCCU4で信号処理された画像信号はさらにスキャンコンバータ5に入力され映像信号に変換された後、カラーモニタ6に出力され、このカラーモニタ6には2つの対物光学系21a、21bで結像された光学像に対応する2つの画像が交互に表示され、シャッタメガネ27によりカラーモニタ6の画像を観察することによって術者は立体的に視認することができる。
【0042】
図2は第1実施例の立体視内視鏡2における撮像光学系、つまり2つの対物光学系21a,21bとリレー光学系22の構成を示す。
【0043】
先端部19に配置された複数(この実施例では2つ)の独立した対物光学系21a,21bで互いに視差のある像7a,7bを結像し、これら互いに分離している像7a,7bを1本の像伝送光学系としてのリレー光学系22で伝送するものである。
【0044】
図2に示すように、物体側から順に対物光学系21a,21bと、リレー光学系22を構成する例えば3つのリレーレンズ系22a,22b,22cと、光学像に対する光電変換機能を有する撮像素子23が配置される。互いの光軸間隔がd(例えばd=4mm)だけ離れて並行に配置された同じ構成の対物光学系21a,21bによって視差のある2つの像7a,7bが空間的に離れた位置(この場合には左右方向に離れた位置)に結像される。
【0045】
像7a,7bは互いに光軸Oが一致するように直列配置された同じ構成のリレーレンズ系22a,22b,22cによって等倍リレーされる。つまり、リレー光学系22の光軸Oの左右両側に(この光軸Oから左右に偏心して配置された対物光学系21a,21bによって)結像された像7a,7bはリレーレンズ系22aによりその光軸Oの後方側の位置で、この光軸Oの右左両側に像8a,8bをそれぞれ結び、これらの像8a,8bはリレーレンズ系22bによりその光軸Oの後方側の位置で、この光軸Oの左右両側に像9a,9bをそれぞれ結び、これらの像9a,9bはリレーレンズ系22cによりその光軸Oの後方側の位置で、この光軸Oの右左両側に像10a,10bをそれぞれ結ぶ。
【0046】
この位置には撮像素子23の撮像面が配置されており、像10a,10bを光電変換して出力する。この撮像面における2つの像10a,10bは重ならないようにするマスキング手段が設けてある(後述する図4に示すように例えば対物光学系21a,21bの結像面に視野絞り30を設けて視野を制限するものでも良い。これに限定されるものでなく、例えばリレー光学系22における結像位置に視野絞りを設けても良い)。
【0047】
リレーレンズ系22a,22b,22cの光軸Oは対物光学系21a,21bの光軸Oa,Obに対して各々右、左に同じ量だけ偏心している。偏心量は所望の視差の大きさ、すなわち立体感の大きさに合わせて選択することができ、本実施例では各々d/2(例えばd/2=2mm)である。
【0048】
本実施例の場合、リレー回数は3回であるが、挿入部11の長さや径、光学系の明るさ等の仕様により,1回から十数回まで多様に設定できる。
なお、図2において、符号28a,28bは左右の対物光学系21a,21bの入射瞳の位置を示し、各入射瞳28a,28bを通って入射された光で左右の像7a,7bが形成される。各入射瞳28a,28bはリレー光学系22を構成するリレーレンズ系22a,22b,22cにより伝送される。
【0049】
リレーレンズ系22a,22b,22cを伝送中、2つの瞳は左右にずれていても良いが、リレーレンズ系22a,22b,22cを小型にするためには重なり合わせた方がよい。そのためには2つの対物光学系21a,21bはそれぞれテレセントリック光学系、すなわち射出瞳が無限遠方に形成されるようになっていることが望ましい。
【0050】
なお、視差の大きさ、すなわち左右の入射瞳28a,28bの中心間隔は対物光学系21a,21bの光軸Oa,Obの間隔dにより決まり、その光学系の明るさとは独立である。
この実施例によれば、リレー光学系22を共通にしたことにより、共通にしない場合(第1の従来例)よりもレンズ調整の手間を極力省くことができ、良好な立体観察を行うことができる。
【0051】
また、図1から判断できるように2つの対物光学系21a,21bを離間して配置して視差のある像を得ることができるので、共通の対物光学系を用いた場合(第2の従来例)よりも視差を大きくでき、従ってより立体感が得られる機能を大きくできる。(第1の従来例のように2つの光学系を並べた場合と同様な立体感が得られる)。
【0052】
従って、この実施例によれば共通の光学部品を少なくでき、且つ調整箇所も少なくでき、低コスト化できると共に、従来例における2つの光学系を並べたものと同様に立体感のある像を得ることができることになる。
【0053】
また、視差のある2つの像7a,7bを軸対称な1本の共通に使用されるリレーレンズ系22a,22b,22cによって伝送しているので、伝送中における2つの像の質(倍率、MTF、像位置、色収差、色づき等)にズレが発生することを少なくできる。
【0054】
つまり、仮に製造誤差によりリレーレンズ系22a等は個々に特性がばらついても、この実施例では左右の像を共通のリレーレンズ系22a等で像伝送を行うので、個々のばらつきの影響を殆ど受けないようにできる。従って、この実施例で得られる左右の像は、ズレの少ない質のよい画像となる。
【0055】
また、この立体視内視鏡の観察の下で手術を行う場合には、画質が良く、十分な立体感が得られるので、直接患部等を観察している状態に近い観察状態の画像を実現できるので、手術し易い環境を提供できる。
【0056】
また、この実施例では対物光学系21a,21bにより空間的に分離した位置に左右の像7a,7bを結び、これら像7a,7bを共通のリレー光学系22により空間的に分離した位置に像を結ぶようにしているので、新たに像を空間的に分離する像分離手段を用いることなく撮像素子等で立体視できる。
【0057】
また、本実施例ではリレーレンズ系22cによる最終像10a,10bを1つの撮像素子23により撮像している。そのため出力部24はたいへん簡素化された構造になり、軽量な立体視内視鏡を実現できる。
【0058】
なお、撮像素子23としては、各種の固体撮像素子(CCD,PCD,CMD,AMI,SITの名称で一般に知られているもの)とか、撮像管(サチコン、ビジコン、HARP管の名称で一般に知られているもの)でも良い。
また、イメージインテンシファイヤ等を利用して感度を向上するようにしても良い。
【0059】
また、撮像素子23は単板式でカラー撮像を行うものでも良いし、2板あるいは3板カメラとして構成することでカラー化してもよい。また、図2に示すようにリレーレンズ系22cによる最終像10a,10bを共通の撮像素子23により撮像して、低コスト化及び軽量化できるようにしている。
【0060】
また、術者の好みあるいは術式に最適な立体感を得るには視差の大きさを可変とするように2つの対物光学系21a,21bの互いの光軸間距離を可変とすればよい。
【0061】
この場合、先端部19の小型化のためには2つの対物光学系21a,21bをリレーレンズ系22a,22b,22cの光軸Oに対して垂直な左右方向に互いに反対側に移動可能とするのがよい。ただしこの場合は、対物光学系21a,21bの移動によりリレーレンズ系22cによる最終像10a,10bも移動する為、撮像素子23を固定した場合にはその撮像範囲内での移動に制限される。
【0062】
なお、撮像素子23はその撮像面が正方形であると説明したが、対物光学系21a,21bが離間して配置される左右方向に長い長方形状のものを用いても良い。この場合には視差のある像を得る撮像範囲を実質的に拡大できる。
【0063】
なお、図1では白色光の照明のもとで、モザイクフィルタ等の色分離フィルタを配置した撮像素子23を用いてカラー撮像を行う同時式の照明及び撮像方式を採用しているが、これに限定されるものでなく赤、緑、青等の波長域の照明光を順次対象物側に出射する面順次照明のもとで、色分離フィルタを有しない撮像素子23で撮像して3原色等の色成分画像を得ることによりカラー撮像を行う面順次撮像方式でも良い。
【0064】
なお、第1実施例において、入力部25に出力部24を接続する代わりに後述する図12(d)に示す接眼アダプタ45′を装着して肉眼で立体視できるようにしても良い。この場合には、対物光学系21a,21bによる左右の像7a,7bが左右の接眼レンズでそれぞれ観察できるようにリレー光学系22によるリレー回数を偶数回に設定することが望ましい(図12(d)ではリレー回数は4回である)。
【0065】
なお、第1実施例のレンズデータは表1の通りである。表1及び他の表において、r1,r2,…,は各面の曲率半径、d1,d2,…,は面間隔、n1,n2,…,は各レンズの屈折率、ν1,ν2,…,は各レンズのアッベ数を表す。
【0066】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0067】
以下、第2から第9実施例は上記第1実施例を変形させたものであり、第1実施例と同様に互いに視差のある像は対物光学系21a,21bによって空間的に離れた位置に結像する。
【0068】
図3は本発明の第2実施例の立体視内視鏡における撮像光学系のリレーレンズ系22cの最終像10a,10b付近の構造を示す。最終像10a,10bは2つの撮像素子23a,23bによってそれぞれ撮像している。2つの撮像素子23a,23bにはそれぞれ信号線(図示略)が接続され、図1のCCU4と内部構成が一部異なるCCUに接続される。その他は第1実施例の立体視内視鏡2と同様の構成である。
【0069】
なお、2つの撮像素子23a,23bに対する信号処理を行うCCUとしては、例えば2つの撮像素子23a,23bに対して同じ駆動信号を同時に印加して、同時に読み出し、2つのフレームメモリにそれぞれ記憶するようにしても良いし、2つの撮像素子23a,23bに対して同じ駆動信号を交互に印加して、交互に読み出し、読み出した画像信号を2つのフレームメモリに交互に記憶するようにしても良い。
【0070】
そして2つのフレームメモリに同時に或は交互に記憶された画像信号はスキャンコンバータにより交互に読み出され、カラーモニタ6に交互に表示され、術者はシャッタメガネ27をかけてカラーモニタ6に表示される像を観察することにより立体的に視認できる。
この第2実施例を備えた立体視内視鏡装置は図1の立体視内視鏡装置1と殆ど同じ構成で実現できる。
この第2実施例の場合には撮像素子23a,23bのピント合わせをそれぞれ単独にできる利点があり、精密な調整を行えば、共通の撮像素子23にした場合よりも質の高い画像にできる。
【0071】
また、第1実施例と同様に視差を可変にできるが、この実施例の場合には左右の撮像素子23a,23bを対物光学系21a,21bの移動に合わせて連動して移動させることにより、共通の撮像素子23の場合における撮像範囲に制約されない利点がある。
【0072】
つまり、第1実施例では共通の撮像素子23であるので、その撮像範囲内で左右の像10a,10bの移動範囲が制約されるが、この実施例によれば最終像10a,10bが固定された場合の撮像範囲より逸脱する(外れる)場合には、対物光学系21a,21bの移動に連動して2つの撮像素子23a,23bを左右に移動させることにより、最終像10a,10bを各撮像素子23a,23bの撮像範囲内に維持できる。
従って、より立体感のある像が得られる立体視内視鏡を実現できることも可能になるメリットがある。その他は第1実施例と同様の効果を有する。なお、第2実施例のレンズデータは第1実施例と同じである。
【0073】
図4及び図5は本発明の第3実施例に係り、図4は第3実施例における撮像光学系を示し、図5は撮像素子23a,23bの配置の様子を拡大して示す。この実施例では第2実施例と同様に2つの撮像素子23a,23bを用いると共に、2つの撮像素子23a,23bの受光面をリレー光学系22の光軸Oと垂直ではなく、垂直方向から傾斜させて配置した。
【0074】
つまり、リレーレンズ系22a,22b,22cで発生した図5に示す像面湾曲収差10cに合わせて2つの撮像素子23a,23bの受光面を傾斜させて配置することにより、湾曲収差による像の劣化を抑制或は軽減するものである。
【0075】
リレーレンズ系22a,22b,22cのペッツバールは正のため、対物光学系21a,21bによる像面がフラットでも、リレーレンズ系22a,22b,22cによる伝送に際して、対物側に凹面を向けた曲面上に曲がってしまう。
【0076】
このため、撮像面或は受光面をリレーレンズ系22a,22b,22cの光軸に垂直に配置したままでは、片ボケが生じ易く、撮像面の全面にピントが合った状態にすることは困難になる。
【0077】
このため、第3実施例では図5に示すように、受光面を湾曲した像面の接面に合わせて傾斜させて配置した。図5では受光面はリレーレンズ系22cの光軸に垂直な面に対して、25.332゜傾斜させている。
この第3実施例によれば、第2実施例の効果を有する他に、さらに湾曲収差の少ない画像が得られる。尚、第3実施例のレンズデータは表2の通りである。
【0078】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0079】
なお、リレーレンズ系22a,22b,22cのペッツバール和は正値であるので、対物光学系21a,21bのペッツバール和を負値にすることでリレーレンズ系22cを経た最終像10a,10bの像面湾曲収差を抑えるようにしても良い。
【0080】
図6はこの様子を示す変形例である。図6(a)は対物光学系及びリレー光学系による結像される像及び像伝送による最終像をそれぞれ示し、図6(b)は図6(a)の対物光学系及びリレー光学系を用いた場合による最終像を示す。
【0081】
図6(a)に示すように対物光学系21a,21bのペッツバール和を負値にして後方側に凹となる像7a,7bが形成されるようにする(各像面のローカル曲率半径をRとする)と共に、フラットな像面の像をリレーレンズ系22a,22b,22cで伝送した場合における最終像10a,10bの像面のローカル曲率半径R′の場合に対し、図6(b)に示すように撮像素子23a,23bの受光面をローカル曲率1/R″=1/R−1/R′の曲面の接面に配置することにより、この変形例は第3実施例よりさらに像面湾曲収差の影響を抑制している。なお、この場合に、1/R−1/R′=0或は1/R−1/R′の絶対値が小さくなるようにしても良い。
【0082】
図7は本発明の第4実施例における撮像光学系を示す。リレーレンズ系最終像10a,10bをアダプタ光学系を構成するアダプタレンズ系32a,32bによってさらに1回リレーして像36a,36bを結び、これらの像36a,36bをそれぞれ撮像素子33a,33bで撮像している。
【0083】
アダプタレンズ系32a,32bはミラー部34a,34bと、レンズ部35a,35bとから構成されており、ミラー部34a,34bでは光束を外側へ並行に移動(本実施例では例えば移動量Lは6mm)させ、レンズ部35a,35bでは任意の倍率でリレーレンズ系最終像10a,10bを再結像する作用を持つ。
【0084】
レンズ部35a,35bの光軸はリレーレンズ系22cの光軸に対して、ミラー部34a,34bによる並行移動分を除いて、d/2(2mm)だけ偏心している。
【0085】
本実施例では、ミラー部34a,34bでの並行移動距離とレンズ部35a,35bでの倍率を適当に設定することによって、任意のサイズの撮像素子33a,33bに対して最適な像36a,36bを得ることができる。
【0086】
また、第1、2実施例に比べて大きなサイズの撮像素子33a,33bを使うことが可能になるので、サイズに応じて画素数の大きいものが使用でき、解像度が高い良好な立体観察像を得ることができる。その他は第2実施例と同様の効果を有する。この実施例のレンズデータは表3の通りである。
【0087】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0088】
図8は本発明の第5実施例における撮像光学系を示す。この実施例は第4実施例を改良したものである。
リレーレンズ系最終像10a,10bを1本のレンズ系で構成される共通のアダプタ光学系32によってさらに1回リレーして像36a,36bをそれぞれ結び、撮像素子33a,33bで撮像している。アダプタ光学系32はリレーレンズ系22a,22b,22cと同じ光軸となるように配置されたレンズ系から構成されており、任意の倍率でリレーレンズ系最終像10a,10bを再び結像し、その結像位置に撮像素子33a,33bを配置している。
【0089】
本実施例ではアダプタ光学系32内にミラー部を持たない分、簡素な構成にでき、しかも第4実施例の作用効果を有する。つまり、アダプタ光学系32の倍率を任意に設定することで、任意のサイズの撮像素子33a,33bに対して最適な像36a,36bを得ることができる。
【0090】
また、本実施例では第3実施例と同じくリレーレンズ系22a,22b,22cとアダプタ光学系32により発生した像面湾曲収差に合わせて、撮像素子33a,33bの受光面を傾斜させ、像の劣化を抑制している。図8では受光面はリレーレンズ系22cの光軸に垂直な面に対して、11.902゜傾斜して配置されている。この実施例のレンズデータは表4の通りである。
【0091】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0092】
図9は本発明の第6実施例における撮像光学系を示す。
リレーレンズ系最終像10a,10bをアダプタ光学系32を形成するアダプタレンズ系32a,32bによってさらに1回リレーし、撮像素子33a,33bで撮像している。アダプタ光学系32は2つの傾いた同じ構成のアダプタレンズ系32a,32bで構成され、一方のレンズ系32bと撮像素子33bはリレーレンズ系22cの光軸からd/2(=2mm)だけ並行に偏心した後、レンズ系32bの光軸がリレーレンズ系22cの最終像10bと交わった点を中心に10.076゜傾斜している。2点鎖線で図すレンズ系32aもリレーレンズ系22cの光軸の反対側に同様に傾斜して配置されている。
【0093】
本実施例でも第5実施例と同じく、ミラー部を持たず、アダプタ光学系の倍率を任意に設定することで、任意のサイズの撮像素子に対して最適な像36a,36bを得ることができる。つまり第5実施例とほぼ同様の効果を有する。この実施例のレンズデータは表5の通りである。
【0094】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
r57= 12.6259 d57= 39.986
r58= ∞(像位置)
【0095】
図10は本発明の第7実施例における撮像光学系の主要部を示す。
リレーレンズ系最終像10a,10bをアダプタ光学系32によってさらに1回リレーし、同じ位置に結像し、この結像位置に共通の撮像素子33を配置した構成にしている。
【0096】
アダプタ光学系32は、リレーレンズ系最終像10a,10bをそれぞれレンズ37a,37b、プリズム37c,37dからなる光軸間隔を広げる手段を経てシャッタ手段37e側に導き、一方が遮光状態の時に、他方を透過状態にするようにして対向するレンズ37f,37g側に導く。このシャッタ手段37eの一方の側に対向配置したレンズ37fを経た光束はプリズム37h,ハーフプリズム37i,レンズ37jを経て、撮像素子33が配置された位置に像36aを結ぶ。
【0097】
また、シャッタ手段37eの他方の側に対向配置したレンズ37gを経た光束は光学素子37k,ハーフプリズム37i,レンズ37jを経て、撮像素子33が配置された位置に像36bを結ぶ。
【0098】
この実施例ではリレーされた像36a,36bは同じ位置に結像され、これを1つの撮像素子33で撮像している。そして、アダプタ光学系32の途中にシャッタ手段37eを配置して、撮像素子33に2つの像が同時に結像しないように交互に光束を遮断する構成にしている。
本実施例の場合、1つの撮像素子33で済み、低コスト化できるという利点がある。その他は第4実施例と同様の効果を有する。
【0099】
図11は本発明の第8実施例における対物光学系の構成を示す。図11(a)は平面図で対物光学系を示し、図11(b)は側面図で対物光学系を示している。この実施例は斜め前方を視野とする斜視対物光学系39a,39bで対物光学系を構成したものである。
【0100】
本実施例の場合、視野方向変換手段として反射プリズム40a,40bを用いて、斜め前側から入射される光束を反射してリレー光学系22(図10ではリレーレンズ系22aの一部のみを示す)の光軸Oに平行な方向に変換している。この実施例では視野方向は挿入部の長手方向(リレー光学系22の光軸方向)に対して45゜である。反射プリズム40a,40bは2つ別体でも1つで一体にしたものでも良い。
【0101】
リレー光学系22の後方側の構成は第1ないし第6実施例のいずれの構成を用いても良い。この実施例は視野方向が異なることを除くと、第1ないし第7実施例と同様な効果を有する。
この第8実施例のほかに、視野方向は反射プリズム40a,40bの角度を変えることで種々変えることができる。また、対物光学系部分を交換可能に構成すれば、この対物光学系のみの交換で種々の視野方向、視野角、視差が得られるようにできる。
【0102】
図12は本発明の第9実施例及びその第1の変形例におけるユニット構成を示す図である。
図12(a)に示す第9実施例の立体視内視鏡41では対物光学系ユニット42、リレー光学系ユニット43、アダプタ光学系ユニット44、撮像素子ユニット45から構成されている。
【0103】
対物光学系ユニット42は光学的特性の揃った対物光学系21a,21bを内蔵し、リレー光学系ユニット43は同じ構成のリレーレンズ系22a,22b,22c,22dを内蔵し、アダプタ光学系ユニット44は共通となるアダプタ光学系32を内蔵し、撮像素子ユニット45は特性の揃った撮像素子33a,33bを内蔵している。
【0104】
図12(a)を側方から見た場合には図12(b)のようになる。対物光学系ユニット42にはライトガイド18の先端側部分と照明レンズ20を内蔵し、リレー光学系ユニット43はライトガイド18の中間部分を内蔵し、アダプタ光学系ユニット44はライトガイド18の後端側部分を内蔵し且つライトガイド口金13が設けてある。
【0105】
また、この実施例ではリレー光学系ユニット43内のリレーレンズ系22a,22b,22c,22dは例えば(対物光学系21a,21bが配置された左右方向に垂直な方向となる)下部側が長手方向に切り欠かれて、ライトガイド18を収納するスペースを確保し、挿入部を細径化している。また、アダプタ光学系ユニット44内のアダプタ光学系32もライトガイド口金13側を切り欠いている。
【0106】
この実施例では対物光学系ユニット42、リレー光学系ユニット43の先端に対物光学系ユニット42を接続し、リレー光学系ユニット43の後端にアダプタ光学系ユニット44の先端を接続し、このアダプタ光学系ユニット44の後端に撮像素子ユニット45を接続して立体視内視鏡41が構成される。
【0107】
従って、各ユニットの光学的特性とか撮像特性が異なるものを組み合わせることにより、異なる特性の立体視内視鏡41を簡単に実現できる。このため、ユーザに対し、異なる特性の立体視内視鏡41を提供でき、ユーザは使用目的に適したものを選択できる。
【0108】
この実施例の場合には図1で示した入力部25と出力部24の境界はリレー光学系ユニット43の後端とアダプタ光学系ユニット44の先端との接続部が該当する。
【0109】
なお、図12(a)及び図12(b)ではアダプタ光学系ユニット44部分以降で太径になっているが、図12(c)に示すようにリレー光学系ユニット43の後端側を太径にしてこの後端付近にライトガイド18の後端側部分を内蔵し、且つライトガイド口金13を設ける構造にしても良い。
【0110】
この第1の変形例の場合にはアダプタ光学系ユニット44にはライトガイド18を内蔵しなくて済むのでその構造が簡単になる。
また、この変形例の構造の場合にはアダプタ光学系ユニット44を使用せずに直接、撮像素子ユニット45をリレー光学系ユニット43に取り付ける構成にしても良く、この場合には第2実施例の構成になり、さらに撮像素子ユニット45として、共通となる1つの撮像素子を内蔵した場合には第1実施例の構成になる。
【0111】
この第1の変形例は第9実施例よりもさらに組み合わせの自由度が大きくなり、さらに特性の異なる立体視内視鏡41を簡単に実現できる。また、図12(d)に示すようにリレー光学系ユニット43の後端に接眼アダプタ45′を接続することにより、肉眼で立体視できる立体視内視鏡を構成することもできる。
【0112】
図12(d)に示す接眼アダプタ45′は、リレー光学系ユニット43による最終像をそれぞれプリズムと、術者の両眼の間隔に対応する接眼窓に取り付けた接眼レンズ45″a,45″bを介して拡大観察できる構造にしており、対物光学系21a,21bによる左右の像を左右の接眼レンズ45″a,45″bを介してそれぞれ立体視できるようにしている。
【0113】
なお、この場合最終像は倒立像になっているため接眼アダプタ45′はこれを正立化する手段としてレンズ45′a、45′bを設け、接眼レンズ45″a,45″bの前に正立像を形成している。レンズ45′a、45′bを設ける代わりに光軸間隔を広げるための2つのプリズムをポロプリズム等の像を反転させるプリズムとしても良い。
【0114】
なお、肉眼観察するための接眼アダプタを図12(a)のリレー光学系ユニット43に接続できる構造にしても良いし、以下に説明する図13に示す変形例に対しても接続できる構造にしても良い。
【0115】
図13は第9実施例の第2ないし第4の変形例を示す。図13(a)に示す第2の変形例は、図12(a)において、アダプタ光学系32と撮像素子33a,33bとを一つのユニットとしてのアダプタ光学系・撮像ユニット46で構成している。
【0116】
図13(b)に示す第3の変形例は、図13(a)において、更に対物光学系21a,21bとリレー光学系22とを一つのユニットとしての対物光学系・リレー光学系ユニット47で構成している。図13(c)に示す第4の変形例は、図12(a)において、リレー光学系22とアダプタ光学系32を一つのユニットとしてのリレー光学系・アダプタ光学系ユニット48で構成している。
【0117】
図14は第9実施例及びその変形例に使用される各種ユニットのより具体的な構成を示す。
図14(a)は視野角70゜の対物光学系ユニット42を示し、図14(b)は視野角40゜の対物光学系ユニット42を示し、これらを付け替えてリレー光学系ユニット43に接続することで所望の視野角が得られる。
【0118】
対物光学系ユニット42の外套筒の後端には雄ネジが形成してあり、この雄ネジは、リレー光学系ユニット43の外套筒先端の雌ネジに螺合により着脱自在で接続できる。また、対物光学系ユニット42の外套筒の後端には凸部が設けてあり、リレー光学系ユニット43の外套筒の先端側内周面を切り欠いた段差面に当接させることにより長手方向の位置決めを行うことができる。なお、両外套筒は同じ外径であり、接続した場合における挿入部に段差が発生しない。
【0119】
また、周方向の位置決めを行う手段として対物光学系ユニット42の外套筒の後端付近に位置決め用マーク及びネジ孔が設けてあり、このマークをリレー光学系ユニット43の外套筒の先端の位置決め用マークに合わせると両ネジ孔が連通する状態に設定でき、図示しないネジで固定することができる。
【0120】
なお、リレー光学系ユニット43の外套筒の後端側には対物光学系ユニット42の外装筒の後端側と同様な接続手段或は接続機構が設けてあり、アダプタ光学系ユニット44の外套筒の先端に着脱自在で接続することができる。
【0121】
図14(c)は視野方向45゜の斜視の対物光学系ユニット42を示す。図14(c)において、反射プリズム40を替えることにより種々の視野方句の斜視の対物光学系ユニット42を構成できる。なお、図14(d)は図14(c)の後端側からみた様子を示し、左右に1対の対物光学系39a,39bが配置されている。
【0122】
図14(e)は視差を減らした対物光学系ユニット42であり、2つの対物光学系21a,21bの光軸を近づけて、光軸間の距離d′はd′<dである。この構造にした場合には、立体感を得る機能は低下するが、中心軸側に配置したことにより他の内蔵物等を挿通するスペースを確保できるので、例えばライトガイドの断面積を大きくすることができ、照明光量を増大でき、明るい画像が得られる。
【0123】
なお、対物光学系21a,21bの光軸間距離及び視野角に応じて、必要に応じ、撮像素子ユニットとかアダプタ光学系ユニットを交換することにより同値に合わせた最適な立体視内視鏡を提供することができる。
【0124】
図15(a)はリレー光学系ユニット43を示す。このリレー光学系43の後端はアダプタ光学系ユニット44の先端に着脱自在で接続できる。また、このアダプタ光学系ユニット44の後端は撮像ユニット45に着脱自在で接続できる。また、リレー光学系ユニットとして例えば図15(b)に示すようにリレー回数を2回にしたリレー光学系ユニット43を用いても良い。さらに、体腔内に挿入される挿入長等に応じてリレー回数の異なるリレー光学系ユニットを用いることもできる。
【0125】
図15(c)は対物光学系とリレー光学系とを一体化した対物光学系・リレー光学系ユニット47の構成を示す。また、図15(d)は図15(c)の変形例で、リレー光学系のリレー回数を2回にしたユニットを示す。リレー光学系のリレー回数はこの他にも種々のものが用意でき、必要に応じて挿入部の長さの違うものを選択できる。
【0126】
以下、第10実施例から第18実施例は上記課題を解決するための手段及び作用における(b)の構成の実施例であり、内視鏡先端部に配置された対物光学系の複数の前群光学系で互いに視差のある像を取り込み、1つの後群光学系で複数の像をほぼ一致した位置に結像する。そして、これらほぼ重なりあった像を共通の後群光学系と、この後群光学系と光軸が一致する共通の像伝送光学系で伝送するものである。
【0127】
図16は本発明の第10実施例における撮像光学系を示す。
物体側から順に、物体側開口部が2つに分離された対物光学系51、リレーレンズ系52a,52b,52c、アダプタ光学系50、撮像素子53a,53bが配置されている。対物光学系51は互いの光軸間隔がd(=4mm)だけ離れて並行に配置された同じ構成の前群光学系(単に前群と略記)54a,54bと1つの同じ光軸となるように配置された後群光学系(単に後群と略記)55によって構成されており、視差のある2つの像56a,56bが空間的にほぼ一致した位置に結像される。
【0128】
像56a,56bはリレー光学系を構成し、互いに同じ光軸となるように直列に配置された同じ構成の(例えば3つの)リレーレンズ系52a,52b,52cによって等倍リレーされる。
【0129】
つまり、像56a,56bはリレーレンズ系52aにより、このリレーレンズ系52aの後方の殆ど同じ位置に像57a,57bを等しい大きさで結び、これらの像57a,57bはリレーレンズ系52bにより、このリレーレンズ系52bの後方の殆ど同じ位置に像58a,58bを等しい大きさで結び、これらの像58a,58bはリレーレンズ系52cにより、このリレーレンズ系52cの後方の殆ど同じ位置に像59a,59bを等しい大きさで結ぶ。
【0130】
対物光学系51の後群55とリレーレンズ系52a,52b,52cの光軸とは同じ軸上にあり、この光軸と前群54a,54bの光軸とは左右に各々偏心している。
【0131】
偏心量は所望の大きさ、すなわち立体感の大きさに合わせて選択することができ、本実施例では各々d/2(=2mm)である。また、前群54a,54bと後群55との間はアフォーカル光束でなくてもよいが、小型化のためにはこの部分をアフォーカル光束とし、対物光学系によって結像した像をほぼ重ねた方がよい。
【0132】
また、通常リレー系の画角に対して、内視鏡で必要とされる画角は大きい。また、前述のように前群54a,54bは、アフォーカルに近い方が良いという条件からまた、非共通の部分が少ない方が良いという条件から前群54a,54bは物体側から凹群と凸群の2群構成とするのが良い。
【0133】
また、リレー光学系で伝送する視差のある複数の像をほぼ重ねたほうが、リレー光学系を細径化できるため、対物光学系51の射出瞳はほぼ無限遠にするのが良い。このため、対物光学系51の後群55の前側焦点位置が瞳位置となるため、物体から前群54a,54bへ入る光束が、うまく後群55に伝わるためには、前群54a,54bの射出瞳と一致していることが好ましい。具体的には前群54a,54bの最終面が、後群55の前側焦点位置よりも像側に配置するのが好ましい。
【0134】
本実施例の場合リレー回数は3回であるが、内視鏡挿入部の長さや径、光学系の明るさ等の仕様により通常1回から十数回まで多様に選択設定できる。
視差の大きさ、すなわち左右の入射瞳の中心間隔は対物光学系51の前群54a,54bの光軸間隔dにより決まり、光学系の明るさとは独立である。
【0135】
この実施例によれば、上記第1実施例などと同じく、視差のある2つの像56a,56bは軸対称な1本のリレー光学系によって伝送しているので、伝送中2つの像の質(倍率、MTF、像位置、色収差、色づき等)に誤差を発生することが少ない。
【0136】
また、上記第1実施例などよりも対物光学系51に左右で非共通の部品が少なくなっている。従って、レンズ調整の手間を極力省くことができ、良好な立体観察像を得ることができる。
【0137】
さらにこの実施例では、空間的にほぼ重なり合った位置の像をリレー光学系で伝送する構成であるので、前群54a,54bそれぞれを例えば左右方向が短軸で、縦(垂直)方向が長軸となる長円形のレンズ系で構成し、瞳も長円形とすることにより、視差や明るさ等を劣化させることなく対物光学系及びリレー光学系を細径化することが可能になる。この場合には、挿入部をその先端から後端側まで細径化でき、挿入使用できる適用範囲を拡大できる。また、腹部等に挿入部を挿入するための孔を小さいもので良くなるので、患者に与える苦痛を軽減できる。なお、他の実施例においても、長円形のレンズ系で対物光学系を構成するようにしても良い。
【0138】
本実施例ではリレーレンズ系52cの最終像59a,59bがほぼ同じ位置にあるためこれを何らかの手段で分離する必要がある。これを行うのが瞳分割結像手段である。
【0139】
これはリレー光学系で伝送された瞳を結像する手段と、この瞳の部分光束を結像して複数の視差のある像を空間的に分離して結像させる手段が必要である。具体的には、これを行うのがアダプタ光学系50であり、リレーレンズ系52cと同じ光軸となるように配置された瞳結像レンズ系61、ミラー部62a,62b、結像レンズ系63a,63bから構成されている。
【0140】
瞳結像レンズ系61はリレーレンズ系52a,52b,52cによって伝送された対物光学系51の2つの瞳を空間的に離れた位置に結像させる。ミラー部62a,62bでは2つの瞳の光束を外側に並行移動(本実施例では移動量6mm)させ、結像レンズ系63a,63bはそれぞれ撮像素子53a,53bに像64a,64bを結像する作用を持つ。
【0141】
結像レンズ系63a,63bの光軸はリレーレンズ系52cの光軸に対して、ミラー部62a,62bによる並行移動分を除いて、d/2(=2mm)だけ偏心している。なお、ミラー部62a,62b及び結像レンズ系63a,63bはそれぞれ片側のみ図示してある。
【0142】
また、最終的に左右の瞳が重なり合わないように瞳位置及びその共役位置のうち任意の瞳面(本実施例では瞳結像レンズ射出瞳面)に明るさ絞り79を設けて光束を制限するのがよい。
【0143】
本実施例では、ミラー部62a,62bでの並行移動距離とアダプタ光学系50の倍率を適当に設定することによって、任意の大きさの撮像素子53a,53bに対して最適な像64a,64bを得ることができる。
【0144】
ミラー部62a,62bの並行移動の方向は図16のように紙面内でも、また紙面に垂直な方向でも任意の方向でもよい。また、結像レンズ系63a,63bの焦点距離を変更することでも倍率を変更できる。
【0145】
また、術者の好みあるいは術式に最適な立体感を得るには視差の大きさを可変とするように2つの前群54a,54bの互いの光軸間距離dを可変とすればよい。この場合、先端部の小型化のためには2つの前群54a,54bをリレー光学系の光軸に対して垂直に互いに反対方向に移動可能とするのがよい。
【0146】
ただしこの場合は、前群54a,54bの移動により対物光学系の射出瞳が移動するため、リレーレンズ系52a,52b,52c以降の光学系で光束がけられないように各レンズの有効径を大きめにしておく等の注意が必要がある。
その他は第1実施例と同様の作用及び効果を有する。この実施例のレンズデータは表6の通りである。
【0147】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0148】
以下、第11から第17実施例は上記第10実施例を変形した構成であり、互いに視差のある像は対物光学系によって空間的にほぼ一致した位置に結像する。また、これらはすべて対物光学系51を、従来の瞳を分割するタイプの立体視内視鏡の対物レンズと交換可能に構成できる。
【0149】
図17は本発明の第11実施例における撮像光学系を示し、リレーレンズ系最終像59a,59bをアダプタ光学系50によってさらに1回リレーして像64a,64bを結び、撮像素子53a,53bで撮像している。
【0150】
アダプタ光学系50は、リレーレンズ系52cと同じ光軸となるように配置された瞳結像レンズ系61、結像レンズ系63a,63bから構成されている。結像レンズ系63a,63bの光軸はリレーレンズ系22cの光軸に対して、1.25d(=5mm)だけ偏心している。
【0151】
なお、結像レンズ系は片側のみ図示してある。 本実施例ではアダプタ光学系50内にミラー部を持たない分、第10実施例より簡素であり、第10実施例と同じくアダプタ光学系50の倍率を任意に設定することで、任意の撮像素子に対して最適な像64a,64bを得ることができる。瞳結像レンズ系61によって分割される2つの瞳間の距離は、この瞳結像レンズ系61の焦点距離を調整することで変えることができる。その他は第10実施例と同様の作用及び効果を有する。
この実施例のレンズデータは表7の通りである。
【0152】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0153】
図18は本発明の第12実施例における撮像光学系を示し、対物光学系51の前群54a,54bが物体側に凹面を持つ1つのメニスカスレンズ65a,65bから構成されている。本実施例の場合、前記第11実施例に比べてさらに左右光路非共通の部分が減っているため、2つの像の質の間に誤差が少ない。
この実施例のレンズデータは表8の通りである。
【0154】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0155】
さらには、図19に示すようにメニスカスレンズ65a,65bを1体で成形加工したレンズ65とすることにより、対物光学系51から瞳結像レンズ系61までの間で左右誤差を実用上問題にならないレベルまで下げることができ、レンズ調整の手間が省け好ましい。その他は第11実施例と同様の作用及び効果を有する。
【0156】
なお、図19において、図19(a)は平面断面図、図19(b)は図19(a)の側面方向から見た側面図、図19(c)及び図19(d)は図19(a)の正面方向及び背面側からそれぞれ見た正面図及び背面図である。
【0157】
図20は本発明の第13実施例における撮像光学系を示し、リレーレンズ系最終像59a,59bをアダプタ光学系50によってさらに1回リレーする。アダプタ光学系50はリレーレンズ系52cと同じ光軸であるため、リレーされた像64a,64bはほぼ同じ位置に結像され、これを共通となる1つの撮像素子53で撮像している。
【0158】
アダプタ光学系50の瞳結像レンズ系61と結像レンズ系63との間にはシャッタ66があり、撮像素子53に2つの像が同時に結像しないように交互に光束を遮断する。
本実施例の場合、1つの撮像素子53で済むという利点がある。その他は第11実施例と同様の効果を有する。この実施例のレンズデータは表9の通りである。
【0159】
Figure 0003628717
Figure 0003628717
Figure 0003628717
【0160】
図21は本発明の第14実施例における撮像光学系の主要部を示す図で、第13実施例と同じくアダプタ光学系50はリレーレンズ系52cと同じ光軸であるため、リレーされた像64a,64bはほぼ同じ位置に結像され、これを1つの撮像素子53で撮像している。
【0161】
共通に使用されるこの撮像素子53の受光面の直前にはレンチキュラーレンズ67が配置されており、撮像素子53の1列又は1行おきに、左右の画像を結像させることでこれにより2つの像を分離して撮像している。本実施例の場合にも1つの撮像素子53で済むという利点がある。その他は第13実施例と同様の効果を有する。なお、この実施例のレンズデータは第13実施例と同じである。
【0162】
図22は本発明の第15実施例における対物光学系の一部を示す図で、対物光学系に斜視対物光学系70を用いた場合の実施例である。本実施例の場合、視野方向は内視鏡長手方向(リレーレンズ光軸方向)に対して30゜である。前群54a,54bを形成する反射プリズム68a,68bおよび69a,69bはそれぞれ2つ別体でも1つで一体になっていてもよい。
【0163】
図23は本発明の第15実施例の変形例における対物光学系の一部を示す図で、第15実施例と同じく斜視対物光学系70を形成している。この変形例の場合、視野方向は内視鏡長手方向(リレーレンズ光軸方向)対して70゜である。反射プリズム68a,68bおよび69a,69bはそれぞれ2つ別体でも1つで一体になっていてもよい。
【0164】
以上第15実施例及びその変形例の他に視野方向は反射プリズム68a,68b、69a,69bの角度を変えることで種々変えることができる。従って、前群部分を交換可能に構成すれば、この前群のみの交換で種々の視野方向あるいは視野角が得られるようにできる。もちろん、対物光学系全体を交換可能に構成しても同様の効果は得られる。その他は第10実施例と同様の効果を有する。
【0165】
図24は本発明の第16実施例における撮像光学系を示す図で、第15実施例と同じく斜視対物光学系70を用いた場合の実施例である。本実施例の場合、視野方向は内視鏡長手方向(リレーレンズ光軸方向)に対して45゜である。反射プリズム71は1つで左右一体になっている。
【0166】
つまり、図示された第10実施例ないし第15実施例まででは、2つに分離された前群54a,54bの光学系が採用されていたが、この実施例では共通の光学素子としての反射プリズム71を用いて2つに分離された前群54a,54bと同じ機能をする前群54を形成している。
【0167】
また、この前群54を形成する対となる負のパワー要素としての負レンズ系72a,72bと正のパワー要素としての正レンズ系73a,73bとは左右それぞれ左右に偏心して配置された構成にされており、かつ図示のごとく回転可能となっている。したがって、対物光学系の2つの入射瞳の配列方向、すなわち視差の方向(図24中のdの方向)が変化でき、物体を多方向から立体視観察するのにたいへん有効である。
【0168】
本実施例の場合、前群54の回転に伴い、瞳結像レンズ系61の射出瞳もその回転に伴って回転する。図24に示す実施例ではアダプタ光学系50としては第11実施例と同じ構成を採用した場合の例を示しており、結像レンズ系63a,63bおよび撮像素子53a,53bが前記回転に同期して光束がけられないように回転する。
【0169】
本実施例の場合においても、反射プリズム71の角度を変えることで視野方向が変化でき、負レンズと正レンズの焦点距離の組み合わせを変えることで視野角が変化でき、左右の負レンズと正レンズの光軸間隔を変えることで視差の大きさを変えることができる。
【0170】
本実施例を他のアダプタ光学系の場合にも適用できるが、上記のように前群54の回転に伴い、瞳結像レンズ系61の射出瞳もその回転にともなって回転するため、左右別光軸を持つ部分、例えば図16の第10実施例の場合にはミラー部62a,62b、結像レンズ系63a,63b、撮像素子53a,53b等をこれと同期して回転する必要がある。
その他は第10実施例と同様の効果を有する。
【0171】
図25は本発明の第17実施例を示す図で、負レンズ系72a,72bと正レンズ系73a,73bを含む前群54が反射プリズム71の物体側に配置されている場合の実施例である。
【0172】
本実施例の場合、第16実施例に比べて前群54部分での回転部が1箇所(この場合、反射プリズム71の物体側)に集中できるため、構成が簡単である。また、図25では第13実施例と同じ構成のアダプタ光学系50を用いた場合の例を示しており、シャッタ66の開口部が前記回転に同期して光束がけられないように回転する。このとき、他の部品、結像レンズ63や撮像素子53等もシャッタ66と共に回転してもよい。
【0173】
図26は本発明の第18実施例のユニット構成を示す図である。図26(a)では前群54a,54bを内蔵した前群ユニット81と、後群55とリレーレンズ系52a,52b,52cと瞳結像レンズ系61を内蔵した後群・リレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット82と、結像レンズ系63a,63bを内蔵した結像レンズ系ユニット83と、撮像素子53a,53bを内蔵した撮像素子ユニット84から構成されている。なお、図1に示した入力部25と出力部24の境界は後群・リレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット82と、結像レンズ系ユニット83との接続部が該当する。
【0174】
図26(b)は、図26(a)において、結像レンズ系63a,63bと撮像素子53a,53bとを一つのユニットにした結像レンズ系・撮像素子ユニット85を用いた構成にしている。
【0175】
図26(c)は、図26(a)において、前群ユニット81における前群54a,54bと後群・リレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット82における後群55とを合わせて対物光学系ユニット86と、リレーレンズ系52a,52b,52cと瞳結像レンズ系61を内蔵したリレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット87と、図26(b)と同様に結像レンズ系・撮像素子ユニット85とを用いた構成にしている。
【0176】
図26(d)では対物光学系(つまり前群54a,54bと後群55)とリレーレンズ系52a,52b,52cと瞳結像レンズ系61とを一つのユニットとた対物光学系・リレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット88と、結像レンズ系・撮像素子ユニット85を用いて構成している。
【0177】
図26(e)では対物光学系とリレーレンズ系52a,52b,52cとを一つのユニットとした対物光学系・リレーレンズ系ユニット89と、瞳結像レンズ系61と結像レンズ系63a,63bと撮像素子53a,53bとを一つのユニットとした瞳結像レンズ系・結像レンズ系・撮像素子ユニット90とを用いて構成している。
【0178】
図26(f)では前群ユニット81と、後群55とリレーレンズ系52a,52b,52cとを一つのユニットとした後群・リレーレンズ系ユニット91と、瞳結像レンズ系・結像レンズ系・撮像素子ユニット90とを用いて構成している。
【0179】
図26(g)では、リレーレンズ系52a,52b,52cを一つのユニットにしたリレーレンズ系ユニット92と、対物光学系ユニット86と、瞳結像レンズ系・結像レンズ系・撮像素子ユニット90とを用いて構成している。なお、図26(b)ないし(g)では各ユニット内のレンズ系の符号を省略して示している。
図26(a)ないし(g)に対しても、図12(d)で示した接眼アダプタ45′を接続できる構造にしても良い。
【0180】
図27は前群ユニット81のより具体的な構成を説明する図である。図27(a)は共通な前群54を用いた前群ユニット81であり、これを取り付けた場合には従来の瞳を分割するタイプの立体視内視鏡を構成できる。
【0181】
図27(b)は視野角70゜の前群ユニット81、図27(c)は視野角40゜の前群ユニット81であり、これらを付け替えることで所望の視野角がえられる。
【0182】
図27(d)及び(e)は視野方向70゜の前群斜視ユニット81を示し、図27(e)は図27(d)の後方から見た図である。反射プリズム71を替えることにより種々の視野方向の前群斜視ユニット81を構成できる。
【0183】
図27(f)は視差を減らした前群ユニット81であり、2つの前群54a,54bの光軸を近づけて、他の光軸間距離dより小さい距離d′にしている。図27(a)から(f)において、前群54a,54bからの光束をほぼアフォーカル光束にすれば、ユニット交換時のピントずれや像ずれを抑えることができる。
【0184】
図28は対物光学系ユニットの構成を示す。
図28(a)は同じ光軸となるように配置された前群54と後群55からなる対物光学系ユニット86であり、これを用いた場合には従来の瞳を分割するタイプの立体視内視鏡を構成することもできる。図28(b)は視野角70゜の前群54a,54bを有する対物光学系ユニット86、図28(c)は視野角40゜の前群54a,54bを有する対物光学系ユニット86であり、これらをつけ変えることで所望の視野角が得られる。
【0185】
図28(d)は視野方向70゜の斜視対物光学系ユニット86である。図28(e)は図28(d)の正面図である。反射プリズム71を変えることにより種々の視野方向の斜視対物光学系ユニットを構成できる。なお、図28(e)ではライトガイドを省略している。
【0186】
図28(f)は視差を減らした対物光学系ユニットであり、2つの前群54a,54bの光軸を近づけて光軸間距離d′を例えば28(b)等の場合のdより小さくしている。
【0187】
図29は後群55とリレーレンズ系52a,52bと瞳結像レンズ系61等を含むユニットの構成を示す。
図29(a)は後群55とリレーレンズ系52a,52bと瞳結像レンズ系61とを含む後群・リレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット82、図29(b)はリレーレンズ系52a,52bと瞳結像レンズ系61とを含むリレーレンズ系・瞳結像レンズ系ユニット87、図29(c)は後群55とリレーレンズ系52a,52bとを含む後群・リレーレンズ系ユニット91、図29(d)はリレーレンズ系52a,52bからなるリレーレンズ系ユニット92である。
リレーレンズ系のリレー回数は種々のものが使用でき、必要に応じて挿入部の長さの違うものを選択できる。
この第18実施例における各ユニットの構成は第10ないし第17実施例の光学系の一部を採用して構成することができる。
【0188】
この第18実施例によれば、使用する目的に適した構成の立体視内視鏡を選択使用できる。その他は第10実施例ないし第17実施例の効果を有する。
【0189】
以下、第19実施例及び第20実施例は上記課題を解決するための手段及び作用における(1)の構成を用いた実施例であり、対物光学系で取り込まれた互いに視差のある複数の像を共通の像伝送光学系で伝送し撮像したものを、選択的に表示手段に表示することにより観察者に最適な立体像を提供するものである。
【0190】
図30(a)は本発明の第19実施例を備えた立体視内視鏡装置101の構成を示す図で、第19実施例の立体視内視鏡102を用いて手術している状況で示す。図30(b)は立体視内視鏡102の先端面から見た対物光学系121の配置を示す。
【0191】
この立体視内視鏡装置101は、視差のある複数の像を撮像する撮像手段を内蔵した立体視内視鏡102と、この撮像手段に対する信号処理を行うCCU103と、このCCU103に接続され、映像信号を分配する分配器104と、この分配器104により分配された映像信号を表示する複数の表示手段としてのカラーモニタ105、ヘッドマウンテッドディスプレイ(HMDと略記)106、107とから構成される。
【0192】
図30(a)では立体視内視鏡102の硬性の挿入部111は患者の腹部112の孔113から患部114に向かって挿入されている。また、2人の術者115、116はそれぞれHMD106、107を頭部に装着して患部114を立体視で観察し、処置具117、118を用いて処置を行っている。処置具117、118は腹部112の別の穴から挿入しても、立体視内視鏡102のチャンネルを通して挿入してもよい。
【0193】
また、別の観察者119(助手、看護婦、見学者等)がカラーモニタ105をシャッタめがね120を装着して観察することで同じ患部114を立体視で観察している。
【0194】
立体視内視鏡102は物体側から順に対物光学系121、リレー光学系122、アダプタ光学系123、撮像手段124で構成されている。
【0195】
対物光学系121で結像された互いに視差のある3つ以上の像は1本(または複数)のリレー光学系122で伝送され、アダプタ光学系123により、撮像手段124を構成する各撮像素子に空間的(あるいは時間的)に分離して結像される。撮像手段124によって光電変換された各像の電気信号はCCU103により映像信号に変換され、さらに分配器104によって任意の2つ像の信号に分けられ、表示手段となるカラーモニタ105、HMD106、107によって表示される。
【0196】
本実施例の場合、対物光学系121およびアダプタ光学系123にこれまで示してきた種々の光学系を組み合わせて使用することで、各術者および観察者に合った最適な立体像を提供できる点に効果が大である。
【0197】
また、複数の像を、1本の筒状の挿入部111に内蔵された1本のリレー光学系122で伝送することにより腹部112の孔113が一つですみ、患者の負担を軽減できる。
【0198】
対物光学系121としては例えば図30(b)に示すように、挿入部111の中心軸から60°の角度で中心軸から離間した一定距離の位置に6つの対物レンズ系121a〜121fを配置した構成にしている。これらの対物レンズ系121a〜121fによる6つの像は、共通のリレー光学系122と、例えば3つのアダプタレンズ系で構成されたアダプタ光学系123を経て撮像手段124を構成する例えば6つの撮像素子で撮像されるようにしている。
【0199】
この構成によれば、例えば対物レンズ系121aと121dによる像を選択して、視差の大きい立体像を得ることもできるし、対物レンズ系121bと121eとによる像を選択することにより60°異なる方向からの視差の大きい立体視も可能であるし、さらに対物レンズ系121cと121fとによる像を選択することにより120°異なる方向からの視差の大きい立体視も可能である。
【0200】
さらに、上記の場合の組み合わせより視差は小さくなるが、例えば対物レンズ系121aと121c、或は対物レンズ系121aと121eとによる像等を選択することにより色々な方向から立体感のある像を得ることも可能になる。
【0201】
なお、分配器104によりHMD106等の表示デバイス側に分配される2つの像を、その表示デバイスを使用している術者115が赤外線とか超音波等を用いたワイヤレス等のリモートコントロール装置により遠隔的に選択できる遠隔的表示選択手段を設けるようにしても良い。
【0202】
また、1組の対物レンズ系(例えば121aと121d)の視差方向を基準として、それとは異なる視差方向の対物レンズ系(例えば121bと121e)による像を選択した場合にはその視差方向の変更角(この例の場合には60°)を、その表示デバイス内に表示して、術者115等はどの方向(方位)から観察しているかを簡単に分かるように、観察方向(方位)表示手段を設けるようにしても良い。
【0203】
なお、この実施例では3以上の複数n(図30ではn=6)個の対物像を1本のリレー光学系122で伝送しているが、n−i本のリレー光学系で伝送するようにしても良い(ここで、i=1ないしn−1)。
【0204】
図31は本発明の第20実施例の立体視内視鏡131の構成を示す。図31(a)は立体視内視鏡131の全体構成を示し、図31(b)は図31(a)の先端面からみた正面図を示し、図31(c)は図31(a)の正面側から見た場合の撮像素子の配置を示す。この実施例も複数組の立体像を得ることができるものである。
【0205】
硬性の挿入部111の先端側に配置された対物光学系132を形成する複数の前群133(133a〜133f)は互いに視差のある像を取り込み、共通となる1つの後群134によってほぼ重なった位置に像135を結び、この像135は共通となる1本のリレー光学系136により何回かリレーされ、最終像137になる。
【0206】
この最終像137は複数の像が重なった状態であり、これらは瞳結像レンズ系138によって各像の瞳を空間的に分離され、さらに結像レンズ139によってCCD140(140a〜140f)上に各像141(141a〜141f)が結像される。
【0207】
この実施例では視差のある6つの像を得ることができ、これらの内から2つを選択して表示することにより種々の立体感、種々の視差の画像を立体視できる。また、複数の人が別の方向から立体観察することもできる。
【0208】
図32(a)ないし図32(f)は本発明の第21実施例の立体視内視鏡の先端側の構成を示す。図32(b)は図32(a)の正面図、図32(c)は図32(a)の側面方向から見た場合の光学系を示し、図32(d)は図32(c)の正面図、図32(e)は図32(c)を屈曲させた状態を示し、図32(f)は図32(e)の正面図である。
この実施例は挿入部152の先端側が折れ曲がることが可能にしたものである。
【0209】
挿入部152内にはその先端側から対物光学系153、リレー光学系154を形成するリレーレンズ系154a,154bが配置されている。対物光学系153の前群153aを覆う挿入部先端部155は湾曲できる蛇管構造を有する筒状枠体で形成されている。後群153bより後方側は硬質の筒状枠体で形成されている。
【0210】
対物光学系153の前群153aを形成する前群としての凹レンズ156a,156bと後群としての凸レンズ157a,157bの間にミラー158、159が配置され、それぞれ軸161、162の回りで回転可能である。
【0211】
図32(c)の直視の状態から湾曲と同時にミラー158、159を回転させることにより図32(e)及び図32(f)のように先端部155で折り曲げるように湾曲させる。この実施例によれば、屈曲させて観察することができる。その他は第1実施例等と同様の効果を有する。
【0212】
図33は本発明の第22実施例の立体視内視鏡の先端側の構成を示す。この実施例は複数組みの立体像を得ることができる第20実施例と、屈曲できる構造を有する第21実施例とを組み合わせたものである。
【0213】
通常、内視鏡手術においては内視鏡を直接、腹部に刺すのでなく、トラカール171を通して挿入される。このトラカール171が細ければ、細い程患者の負担は少ない。一方、複数の術者が共同で手術を行う場合、それぞれ別の方向から観察できると便利である。
【0214】
しかし、視差を大きくするには限界があり、先端部の外径以上に視差を大きくできない。この実施例はこのような状況に対処できるものであり、別の方向から観察できるようにしたものである。
【0215】
この実施例はリレー光学系154の前方に屈曲できる2つの先端部155、155′を設け、各先端部155、155′内には図32の第20実施例と同様な構造の前群153a、153a′等を収納している。先端部155内における図32と同じ部材には同じ符号を付け、他方の先端部155′内における図32と同じ部材には同じ符号に′を付けてその説明を省略する。
【0216】
この実施例によれば、トラカール171内に挿入した状態の時は図32(c)のように直視状態にしておき、先端部がトラカール171から出たところで、図33(a)のように折り曲げることにより、複数の観察者が細い1本のリレー光学系154を通して別の方向から観察することができる。
【0217】
なお、例えば第1実施例において、対物光学系21a,21bとして左右方向の結像倍率を(この左右方向と直交する)垂直方向の結像倍率よりも小さくするアナモルフィック光学系で構成しても良い。
【0218】
この構成の場合には、特に共通の撮像素子23を採用した場合に対して、左右の2つの像の重なりを抑制でき、実質的に撮像素子23における左右の撮像範囲を拡大できることになる。
【0219】
また、リレー光学系22による像伝送の機能に対して、左右方向の像がけられることを(アナモルフィック光学系でない場合よりも)少なくできるので、その分、対物光学系21a,21bをより離間して配置(光軸間距離dを大きく)でき、より立体感のある画像を得られるようにもできる。
この場合にはCCU4において、左右方向に画像を伸長するか、垂直方向に画像を圧縮する信号処理を行えば良い。
【0220】
なお、リレー光学系22もアナモルフィック光学系で構成しても良い。また、他の実施例においても対物光学系、リレー光学系、アダプタ光学系をアナモルフィック光学系で構成しても良い。
【0221】
尚、各実施例のレンズデータにおいて、対物光学系、アダプタ光学系等で同じレンズが対をなしている場合は一方のレンズデータのみを示した。また、各実施例ではリレー光学系として、均質棒状レンズからなるものを示したが、セルフォック(商品名)等の不均質ロッドで屈折率分布型レンズを構成し、この屈折率分布型レンズをリレー光学系(像伝送光学系)に用いた場合も本発明は有効である。
【0222】
なお、対物光学系により視差のある複数の像を空間的に分離した位置に結像させる場合の実施例と、視差のある複数の像を空間的にほぼ一致した位置に結像させる場合の実施例等を説明したが、これらの中間的な機能を有する場合、つまり視差のある複数の像を空間的に少なくとも一部が重なる位置に結像させる場合とか、視差のある複数の像を空間的に少なくとも一部が分離した位置に結像させる場合も本発明に属する。また、対物光学系による像をリレー光学系等の像伝送光学系で伝送する場合に適用した場合に対しても同様に本発明に属する。
【0223】
なお、本発明は上述した実施例及び変形例に限定されるものでなく、それらの一部などを組み合わせて構成される実施例或は変形例も本発明に属する。
【0224】
[付記]
(1)前記対物光学系の入射瞳の直径が前記リレー光学系の半径とほぼ同じかそれ以下であることを特徴とする請求項1記載の立体視内視鏡。
【0225】
(2)前記対物光学系と前記リレー光学系が内包された筒状の挿入部を有する入力部と、前記リレー光学系で伝送された複数の互いに視差のある像を撮像する撮像手段が内包された出力部とから構成されている付記1記載の立体視内視鏡。
【0226】
(3)前記リレー光学系の最終像面にできた視差のある複数の像を撮像する1つまたは複数の撮像手段をもつ請求項2記載の立体視内視鏡。
【0227】
(4)前記対物光学系のペッツバール和を負値にした請求項2記載の立体視内視鏡。
【0228】
(5)前記撮像手段をリレー光学系の光軸に対して傾斜させた付記3記載の立体視内視鏡。
【0229】
(6)前記リレー光学系の最終像面にできた視差のある複数の像を再結像し、複数の像の相対距離を変えるためのアダプタ光学系を有する付記3記載の立体視内視鏡。
【0230】
(7)前記リレー光学系による最終像面のほぼ一致した位置にできた視差のある複数の像を空間的に分離して結像するための瞳分割結像手段と、
前記瞳分割結像手段によって結像された像を撮像する1つまたは複数の撮像手段とをもつ請求項3記載の立体視内視鏡。
【0231】
(8)前記対物光学系は物体側に並行して置かれた複数の前群と1つの後群とからなり、前記前群と前記後群との間がほぼアフォーカルであることを特徴とする請求項3記載の立体視内視鏡。
【0232】
(9)前記対物光学系は物体側に並行して置かれた複数の前群と1つの後群とからなり、前記前群は物体側から順に負のパワー要素と正のパワー要素とから構成されている付記7記載の立体視内視鏡。
【0233】
(10)前記リレー光学系の最終像面の空間的にほぼ一致した位置にできた視差のある複数の像を空間的または時間的に分離し、再結像するためのアダプタ光学系を有する付記7記載の立体視内視鏡。
【0234】
(11)前記複数の対物光学系のペッツバール和が負である請求項5記載の立体視内視鏡。
【0235】
(12)前記複数の撮像素子が前記伝送光学系の光軸に対して傾斜している請求項5記載の立体視内視鏡。
【0236】
(13)前記複数の撮像素子の中央部が撮像する画像の湾曲面に接するように互いに傾斜している請求項5記載の立体視内視鏡。
【0237】
(14)前記伝送光学系で伝送される瞳が互いに分離している請求項6記載の立体視内視鏡。
【0238】
(15)前記前群光学系の射出光束がほぼアフォーカル光束になっている請求項6記載の立体視内視鏡。
【0239】
(16)前記前群光学系と前記後群光学系の境界位置が前記後群光学系の前側焦点位置よりも像側にある請求項6記載の立体視内視鏡。
【0240】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の立体視内視鏡は、異なる位置に形成される複数の入射瞳を有し、これら複数の入射瞳を通った複数の互いに視差のある像を結像させる対物光学系と、前記複数の互いに視差のある像を伝送する共通の像伝送光学系を設けているので、前記対物光学系により視差を大きくすることができて十分な立体感が得られると共に、像伝送光学系の共通化により複数の像を伝送する光路の部品共通化が可能になり部品点数が削減できるし、製造誤差による複数の像間のばらつきを極力防止できる。
【0241】
また、並列に配置され、視差のある複数の像を分離して結像する複数の対物光学系と、前記複数の像を伝送する共通の像伝送光学系とを設けて立体視内視鏡を構成することによって、前記対物光学系により視差を大きくすることができて十分な立体感が得られると共に、像伝送光学系の共通化により複数の像を伝送する光路の部品共通化が可能になり部品点数が削減できるし、製造誤差による複数の像間のばらつきを極力防止できる。さらに、像伝送光学系により伝送された像は空間的に分離しているので、像分離手段を用いることなく、撮像手段とか接眼光学系により立体視が可能になる。
【0242】
また、視差のある複数の像を空間的にほぼ一致した位置に結像する対物光学系を形成する複数の前群光学系及び共通の後群光学系と、前記複数の像を伝送する共通の像伝送光学系とを設けて立体視内視鏡を構成することによって、前記対物光学系により視差を大きくすることができて十分な立体感が得られると共に、像伝送光学系の共通化により複数の像を伝送する光路の部品共通化が可能になり部品点数が削減できるし、製造誤差による複数の像間のばらつきを極力防止できる。また、対物光学系部分においても共通の後群光学系を用いることにより、部品の共通化を多くでき、製造誤差の影響をより受けない質の高い複数の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を備えた立体視内視鏡装置の全体を示す構成図。
【図2】本発明の第1実施例の立体視内視鏡における撮像光学系を示す構成図。
【図3】本発明の第2実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図4】本発明の第3実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図5】撮像手段の配置を示す説明図。
【図6】第3実施例の変形例における作用説明図。
【図7】本発明の第4実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図8】本発明の第5実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図9】本発明の第6実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図10】本発明の第7実施例における撮像光学系の主要部を示す構成図。
【図11】本発明の第8実施例における対物光学系を示す平面図及び側面図。
【図12】本発明の第9実施例及び変形例におけるユニット構成を示す説明図。
【図13】第9実施例の第2ないし第4変形例におけるユニット構成を示す説明図。
【図14】対物光学系ユニットの構成図。
【図15】リレー光学系ユニットの構成図。
【図16】本発明の第10実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図17】本発明の第11実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図18】本発明の第12実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図19】第12実施例の変形例におけるメニスカスレンズを示す図。
【図20】本発明の第13実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図21】本発明の第14実施例における撮像光学系の主要部を示す構成図。
【図22】本発明の第15実施例における対物光学系の主要部を示す構成図。
【図23】第15実施例の変形例における対物光学系の主要部を示す構成図。
【図24】本発明の第16実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図25】本発明の第17実施例における撮像光学系を示す構成図。
【図26】本発明の第18実施例のユニット構成を示す説明図。
【図27】前群ユニットの具体的構造を示す図。
【図28】対物光学系ユニットの具体的構造を示す図。
【図29】後群・リレーレンズ系ユニット等を示す断面図。
【図30】本発明の第19実施例を備えた立体視内視鏡装置の全体構成等を示す図。
【図31】本発明の第20実施例の立体視内視鏡の構成を示す図。
【図32】本発明の第21実施例の先端側の構成を示す図。
【図33】本発明の第22実施例の先端側の構成を示す図。
【図34】第1の従来例の立体視内視鏡を示す構成図。
【図35】第2の従来例の立体視内視鏡を示す構成図。
【図36】第1の従来例の先端側の構成を示す図。
【図37】第2の従来例の先端側の構成を示す図。
【符号の説明】
1…立体視内視鏡装置
2…立体視内視鏡
3…光源装置
4…CCU
5…スキャンコンバータ
6…カラーモニタ
7a〜10a,7b〜10b…像
11…挿入部
12…把持部
21a,21b…対物光学系
22…リレー光学系
22a,22b,22c…リレー光学系
23…撮像素子
24…出力部
25…入力部

Claims (2)

  1. 対物光学系と像伝送光学系と撮像素子とを有する立体視内視鏡において、前記対物光学系は、複数の光学系が並列に配置され、互いに視差のある複数の画像を結像し、前記像伝送光学系は、1本の光学系よりなり、前記対物光学系で結像した複数の画像を伝送し、前記撮像素子は、複数あり、前記像伝送光学系で伝送された複数の画像の夫々の湾曲面に接するように互いに傾斜させて配置し、2つ以上の画像を撮像することで立体視可能としたことを特徴とする立体視内視鏡。
  2. 物体側から順に、対物光学系と像伝送光学系とアダプタ光学系と複数の撮像素子とを有する立体視内視鏡において、前記対物光学系は互いに視差のある画像を取り込むために、複数の光学系が並列に配置された前群光学系と、前記像伝送光学系の光軸と一致して配置され前記前群光学系の複数の光学系からの光束をほぼ重なりあった位置に結像する後群光学系とからなり、前記前群光学系の射出光束がほぼアフォーカル光束であり、前記像伝送光学系は1本の光学系よりなり、前記対物光学系によって結像した互いに視差のあるほぼ重なりあった複数の画像を伝送し、前記アダプタ光学系は、前記像伝送光学系と同軸に配置した瞳結像レンズ系と複数のミラー部と複数の結像レンズ系とからなり、前記瞳結像レンズ系は複数の瞳を空間的に離れた位置に結像し、前記ミラー部は前記複数の瞳からの光束の間隔を変更し、前記結像レンズ系は前記撮像素子に像を結像させることを特徴とする立体視内視鏡。
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