JP3628703B2 - 治療グレードトロンビン産物及び製品 - Google Patents

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Description

発明の背景
1.発明の分野
本発明は、臨床的(獣医学を含む)使用のための治療グレードのトロンビン製品に関する。トロンビンは、高いウィルスの安全性、高い比活性、保存安定性、及び低い発熱性を特徴とする。本発明は、有効で経済的で商業スケールの製造に十分に適したトロンビン製品を調製するための方法に更に関する。
トロンビンは、フィブリノーゲンのフィブリンへの転化による創傷の出血を防ぐための凝固因子として臨床的適用に広く用いられる。それは、外科用包帯の共通の構成物であり、フィブリン接着剤、接着剤、及び密閉剤のような2つの構成物の止血システムにおいてフィブリノーゲン及び他の凝固蛋白質と組み合わせて用いられている。ヒト及びウシの両方の血漿は、ヒトの臨床的使用のためのトロンビンのソースとして認められる。しかしながら、開始の血漿中に存在し得るいずれかのウィルスを実質的に除去又は不活性化しながら非自己のヒト血漿からトロンビンを精製することの大きい困難さのため、一般に市販されるヒトに用いるための治療グレードのトロンビン製品は、ヒトにおけるウシトロンビンの十分に認められた免疫原的能力がかなり臨床的に考慮されているのにかかわらず、ヒトに不利なウィルスを有する低い固有の可能性を有するウシ血漿由来である。
臨床的使用のために、トロンビンは典型的にプロトロンビンとの蛋白質複合体として血液血漿から得られ、通常次に、カルシウムイオンの存在下でのトロンボプラスチンとの反応によりトロンビンへのプロ酵素の転化が行われる。粗トロンビン産物は、次にコンタミネーションしている血液蛋白質からトロンビンを分離し、存在し得るいずれかの毒又は病原体を除去するために処理される。理想的には、その回収された産物が高比活性、優れた保存安定性、低い発熱性を有し、実質的にウィルスのない治療グレードのトロンビン(ヒトに用いるためのUSFDA標準に従うトロンビン)である。
この理想はめったになくまれである。治療グレードのトロンビンを得るための一般的使用における精製方法において、高純度のトロンビンの回収は、典型的には、精製の間の開始材料におけるトロンビンの損失又は不活性化を通して大量の活性トロンビンが費される。より低い純度の製品において、外来の血漿蛋白質(ウシ又は非自己由来ヒト蛋白質のいずれか)の存在は患者における可能性ある厳しい免疫反応の危険を増加させ、典型的には製品の特性に逆の影響を与える。特に、現在の精製方法は、トロンビン活性の許容されない損失なしにウィルスの汚染物に関して血漿精製の極めて限られた量のみを一般的に許容する。更に、治療に魅力のあるトロンビン製品を供するための研究所のセッティングにおいて比較的有効であると報告されている多くのトロンビン精製方法は、経済的な大規模な商業的製造を供さない。結果として、ヒトの臨床的使用のために提唱されているトロンビン製品は、様々に大きな毒の危険を供し、一定して高い効能がなく、及び/又は大規模製造に適合しない複合体調製方法を必要とする。更に、周知の精製方法又はその製品は多様性がない:例えば実際の物としての製品は一般的に獣医学の実施に適合せず、この方法は自己由来血漿精製のための臨床的セッティングに用いるのに極めて複雑であるか、又は効果がない。
2.関連技術の議論
トロンビンは、分離媒体として種々のイオン交換ポリマー、特に、アガロース、デキストリン又はセルロースのような活性ポリサッカリドを用いるクロマトグラフィーにより粗トロンビン製品から便利に精製される。粗トロンビン開始材料から適切な高比活性を有するトロンビン製品を得るために、アニオン及びカチオン交換媒体を交互に用いる多重段階クロマトグラフィー、例えばアニオン交換媒体としてDEAE(ジエチルアミノエチル)Sepharose▲R▼及びカチオン交換媒体としてCM−又はS−Sepharose▲R▼が典型的に用いられる(例えば1992年9月22日に発行されたKunihiroらの米国特許5,149,540又は1990年10月23日に発行されたSilberingらの米国特許4,965,203を参照のこと)。これらの多重クロマトグラフィーステップは、時間を浪費し、その過程のコストを増加させ、しばしば治療グレードのトロンビンの大規模製造に適さない。
当該技術で周知であるように、トロンビンは、トロンビンを変性させずにウィルス脂質を破壊し、ウィルスを不活性化することができる非イオン性界面活性剤及び有機溶媒を含む溶媒−界面活性剤(SD)組成物でビリオンの含む脂質を不活性化するための精製手順の過程で処理され得る。このような精製トロンビン製品は、時々、“ウィルス・フリー″(例えば1991年8月28日に発行されたEP 0 443724 A1を参照のこと)として特徴づけられるが、それらはしばしばそうでない。トロンビン含有材料のSD処理はエンベロープを有するウィルスを不活性化するのに一般的に有効であるが、パルボウィルスのようなエンベロープのないウィルスはこの手順により不活性化されない一方、開始材料内に存在するいずれかのこのようなビリオンは精製処理を通して保持され得、最終的トロンビン製品において活性であり続け、臨床的な危険を供し得る。この問題は認識されているが、熱又はUV処理のようなウィルス不活性化のための他の標準的な方法も商業的な適用のための活性トロンビンの許容されない損失を伴ってトロンビンを不活性化するので解決するのが困難であった。
開示の概要
従って本発明は、優れた収率で、ビリオンに関して実質的に精製された高比活性化かつ低発熱性の保存安定性のある治療グレードのトロンビン濃縮物を提供する。本精製方法は、1)抗ウィルス組成物と共に粗トロンビン開始材料をインキュベートして脂質含有エンベロープビリオンを不活性化するステップと;2)増加する濃度の塩溶液、並びにトロンビンのための高い選択的アフィニティーを有するアガロース、デキストラン、又はセルロースのようなスルフアルキル活性化ポリサッカリド媒体を用いて、他の血液蛋白質、毒、脂質含有エンベロープビリオン、及び抗ウィルス剤残物を含むコンタミネーションに関して高度に精製されたトロンビンの塩溶液を含む最終溶出液の回収を伴って、単一のカチオン交換媒体に基づく前記インキュベートされた材料の連続的イオン交換クロマトグラフィーを行うステップと;3)最終的溶出液のリン酸クロマトグラフィー緩衝液を生理学的に適合した製剤緩衝液に交換して高度に精製されたトロンビンの製剤溶液を供するステップと;4)ウィルスのフィルターでトロンビン製剤溶液をろ過して非脂質含有ビリオンを除去するステップと;5)任意に、ろ過及び凍結乾燥されたトロンビンを乾燥加熱処理していずれもの可能性ある残ったビリオン(感染性ウィルス材料)の不活性化を確実にするステップと、を含む。クエン酸塩、並びに1)獣医学の適用のために意図されたウシトロンビンのためのウシアルブミン又は2)ヒトの適用のために意図されたウシ及びヒトトロンビンのためのヒトアルブミンを含む約7.2〜7.4のpHの塩類水溶液製剤緩衝液が典型的である。(以下により詳細に記載される)本発明の製剤溶液は、とりわけ、クロマトグラフィー後の処理の間及び保存の間のトロンビン酵素活性の安定化に広く寄与し;用いられる製剤はステップ(5)に従う抗ウィルス乾燥熱処理の間の活性の損失に対してもトロンビンを安定化する。
本製品は獣医学の使用を含む一般的な臨床的使用のための高いウィルス安全性及び比活性を有する保存安定性治療グレードトロンビンである。優れた産物収率と組み合わされた高い比活性は、開始トロンビンの実質的な損失又は不活性化なしに、コンタミネーションしている蛋白質、他の外来性の潜在的に毒性の開始材料構成物、抗ウィルス剤残物、及びビリオンに関して粗トロンビンを精製するための方法の効能に反映する。約15ppm未満の抗ウィルス剤残物は典型的に得られうる。約4℃における保存下で少くとも1年間、活性の大きな損失に対する製品安定性が得られている。本方法は、いずれかの有用なソース、特にヒト及びウシからのトロンビンに適用可能であり、治療グレードのトロンビンの大規模製造のために特に役立つ。製品の実質的に完全なウィルスの安全性が必要とされない適用のために、又はウィルスの安全性が問題とされない場合に、ウィルスのろ過及び熱処理(ステップ4及び5)が除かれ得る。
発明の記載
ヒトの臨床的使用の例的実施形態において、粗ヒトトロンビン調製物はビリオンを含む脂質を不活性化するために脂質破壊性抗ウィルス剤と共に最初にインキュベートされる。次に、処理された調製物は、活性脂質含有ビリオン、コンタミネーションしている蛋白質、及び抗ウィルス剤残物に関して実質的に精製されたトロンビンの濃縮溶液を含む最終溶出液を得るために、単一吸着媒体としてのスルホプロピルSpherodex▲R▼、並びに各々の通過において増加する濃度の塩溶液を用いるイオン交換クロマトグラフィーにより連続的に精製される。収集されたトロンビンピークの溶液に安定化アルブミンを加え、次にクロマトグラフィー緩衝液をろ過を通すことにより製剤緩衝溶液と交換する。次に、製剤緩衝構成物、アルブミン、水、及び精製されたトロンビンを含む結果として生ずるトロンビン製剤溶液をろ過して非脂質含有ビリオンを除去する。次に、ウィルス精製されたトロンビンを製剤緩衝液で要求される濃度に希釈し、安定化アルブミンの最終濃度を2%に調節し、そしてその溶液を滅菌ろ過し、凍結乾燥し、そして約4℃で保存する。ビリオンのない産物であることを確実にするために、ウィルスろ過され、凍結乾燥されたトロンビンを約100℃で乾燥熱処理していずれもの残った活性ウィルスをも不活性化する。
粗トロンビン調製物
商業的に得られる調製物を含むトロンビンを含むいずれかの適切な調製物は本発明の方法のための開始材料として用いられ得る。本発明は、トロンビンのソースとしてのヒト血漿の安全な使用を実施できるものとし、従って、ヒトの臨床的使用のために、ヒト血漿は、これが受容体におけるアレルギー反応の危険を削減するので一般的に好ましい。ウシ血漿は、一般的に、獣医学での使用のために本発明に従うトロンビン製品のための好ましい開始材料である。当該技術で周知であるように、粗トロンビンは、酸性化された新鮮な血漿、クリオ上清、塩沈殿後の上清、又はこの蛋白質を含むいずれかの他の血漿画分から得られうる。本発明に役立つ開始粗トロンビン材料を調製するための典型的方法は、Ann.pharmaceutique francaise 48.(part3):129−1,1990に記載される。広くは、報告される方法は、希釈された溶液のpHを約5.3に調整しながら、もとの新鮮な血漿濃縮物の約10%未満に塩濃度を減らすための開始の血漿又は血漿画分を蒸留水で希釈し;粗プロトロンビンを含む沈殿物を得るために溶液を遠心し;pHを約7.0に調節したNaCl溶液中に沈殿物を溶かし;そしてプロトロンビンをトロンビンに転化するために室温で少くとも約2時間、インキュベートしながら結果として生ずる溶液にカルシウムイオンを加えることを含む。次にトロンビン溶液を遠心して本発明のための開始材料として用いるために適した粗トロンビンを含む上清を供し;次にその上清を以下に記載のような抗ウィルス剤、及び捨てられた沈殿と混合する。トロンビンの大規模製造のために特に役立つ好ましい実施形態において、先に記載の方法は、ほぼもとの容量の材料を維持しながら開始の血漿の塩濃度を削減するために、ろ過を用いることにより、特に補充緩衝液として水の代わりに約0.015MのNaCl溶液を用いるろ過により本発明に従って改良され;そのろ過は、新鮮な緩衝液を連続的に添加しながら一定容量の超遠心を行うか、又は各々の濃度サイクルの後に新鮮な緩衝液を加えながら超遠心を繰り返すかのいずれかを含み得る。これは、先行技術に従って希釈から生ずる粗プロトロンビン沈殿を得るために遠心されるべき材料の容量の極めて大きな増加を避けながら、開始材料の塩濃度を要求されるレベルまで効果的に減らす。
抗ウィルス剤
当該技術で周知であるようなウィルスを含む脂質の不活性化のためのいずれかの適切な抗ウィルス剤が用いられ得る;ウィルス脂質を破壊し、トロンビンの大きな変性なしに脂質含有ビリオンの不活性化するTween▲R▼又はSpan▲R▼シリーズポリオキシエチレンソルビタン界面活性剤のような非イオン性界面活性剤及び/又はジ−もしくはトリ−アルキルホスフェートのような有機溶媒を含む組成物が現在推奨される。このような抗ウィルス組成物は広く本明細書で“溶媒−界面活性剤”又はSD組成物と言及される。(引用により本明細書に組み込まれる)Neurath,et alの1985年9月10日に発行された米国特許4,540,573に記載されるように汚染された蛋白質と共にインキュベートされた任意に潤滑剤として非イオン性界面活性剤及び/又はアルコールもしくはエーテルと組み合わされたジ−もしくはトリ−アルキルホスフェートを含むSD組成物が典型的である。本発明の方法によれば、選択された溶媒/界面活性剤組成物は、粗トロンビン開始材料と共にインキュベートされ、開始材料内に含まれる抗ウィルス剤及び汚染物、特に他の凝固因子の、クロマトグラフィー(以下)の間の除去と共にクロマトグラフィーを行う。本発明に従って用いるための好ましい非変性性SD組成物は、生理的pHにおけるトリ−n−ブチルホスフェートのようなC2〜C10−トリ−アルキルホスフェート及びTween 80▲R▼(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)のようなソルビタン/脂肪酸部分エステルのポリオキシアルキレン誘導体に基づく。
イオン交換精製
本発明によれば、抗ウィルス剤処理した開始粗トロンビン材料は、各々のランにおいて増加する緩衝液の濃度での単一吸収媒体を用いる連続的カラムクロマトグラフィーにより精製される。役立つクロマトグラフィーパラメーターは当該技術で公知である;本発明に従う改良された方法は、収率を大きく増加させる、便利な室温(約20℃)よりむしろ約12℃の温度でのクロマトグラフィーの分離を行うことを含む。抗ウィルス剤と共にインキュベートされた粗トロンビン開始材料からのトロンビンのクロマトグラフィーの精製は、カラムクロマトグラフィーの言葉で本明細書内に記載される;しかしながら、吸収媒体をトロンビン調製物に接触させるためのカートリッジのようないずれかの他の相当する物理的配置が用いられ得る。本発明の方法により、イオン交換精製方法は、粗調製物中の外来材料、特に他の血液蛋白質もしくはバクテリア毒素及びウィルス残物に関する粗トロンビンの高い効能及び効果的な精製を反映する高い比活性及び優れた収率のトロンビン産物を供する。
A.吸収媒体
治療グレードの製品を供するための粗ウィルス処理開始材料からのトロンビンの分離のために適したいずれかのカチオン交換吸収媒体、特にSigma Chemical Co.,St.Louis,MO,USAから市販されるSepharose▲R▼又はSP−Sephadex▲R▼のようなトロンビンのために高度に選択的である媒体が用いられ得る。大規模製造のために特に好ましい本発明の実施形態において、Sepracor Inc.,Marlborough,MA,USAから利用できるスルホプロピル−Spherodex▲R▼ゲルがイオン交換媒体として用いられる。この媒体は、迅速かつ有効な精製を許容するトロンビン吸収及び優れたフロー特性についての両方の高い能力を有するスルホプロピル活性化デキストランで均一に覆われたシリカ粒子を含む非圧縮複合剛性ゲルである。更に、その媒体は、カラムからの蛋白質又は他の材料の消毒及び除去のために例えば水酸化ナトリウムで洗浄することにより、使用後に迅速かつ便利に再生される。一般的に、SP−Sephadexのような非剛性ゲル及び相当するゲルは、本発明に従うトロンビン精製の間の大きく削減されたフローレートがこれらの媒体のフレキシビリティーのためのカラムの圧縮によりおこされることが見い出されているので、本発明に従うトロンビンの大規模精製のために推奨されない。クロマトグラフィーの分離が12℃で行われる場合、最終的なクロマトグラフィー溶出液は、少くとも70%から約90%のウシトロンビンの収率におけるネイティブトロンビン(即ち安定化血清アルブミンのようないずれの添加された蛋白質も含まないもの、以下参照)のmg当り少くとも2000NIHユニットの比活性を有するウシトロンビン組成物(比活性100NIH/mgの商業用粗トロンビン6グラムから開始する約265,000NIHユニットから約340,000ユニットまでのウシトロンビン)、又は少くとも約70%から約90%のヒトトロンビンの収率におけるネイティブ蛋白質(即ち安定化血清アルブミンのようないずれかの添加された蛋白質も含まないもの、以下参照)のmg当り少くとも約1000NIHの比活性を有するヒトトロンビン組成物(塩沈殿後の血漿上清の5Lから開始して少くとも約150,000NIHユニットから約180,000ユニットまでのヒトトロンビン。クロマトグラフィー分離が20℃で行われる場合、ヒトトロンビンの比活性はネイティブ蛋白質のmg当り少くとも約400NIHユニットの活性である。S/P処理の間の活性の損失(%)は与えられるユニット範囲内に含まれる)。
B.クロマトグラフィー緩衝液
クロマトグラフィー緩衝液は、(ウシトロンビンのための)KH2PO4/Na2HPO4及び(ヒトトロンビンのための)KH2PO4/K2HPO4を含むリン酸水溶液を含み;個々の緩衝液の構成物は実質的に等モル割合で(好ましくは蒸留)水と混合され、次に一塩基及び二塩基ホスフェート溶液は実質的に6.5のpHを有する最終的緩衝液を供する割合で混合される。カラムは低濃度のリン酸緩衝液(約0.025M)で最初に平衡化され、全てのUV吸収材料が溶出されるまで同じ緩衝液の増加する濃度で洗浄される。その最終的溶出液(トロンビンピーク溶液)を回収して、意図された適用に適切であるようなウィルスの安全性のために以下に記載されるようにウィルス処理される。ウシトロンビンのために、カラムは好ましくは3の増加濃度の緩衝液(約0.025M,0.35M及び0.4M)で洗浄され;0.4M緩衝液での第3の洗浄によりトロンビンピーク溶液が溶出される。抗ウィルス残物及びコンタミネーションしている蛋白質を最初の2回の洗浄の間に除去する。ヒトトロンビンのために、カラムは好ましくは4の増加濃度の緩衝液(約0.025M,0.15M,0.20M及び0.25M)で洗浄され;0.25M緩衝液での第4の洗浄によりトロンビンピーク溶液が溶出される。抗ウィルス残物及びコンタミネーションしている蛋白質は最初の3回の洗浄の間に除去される。
あるいは、クロマトグラフィーは、塩化ナトリウム溶液の増加濃度の直線勾配で行われ得る。80mMのNaClで平衡化され、増加するモル濃度(80〜150mM)のNaCl溶液の直線勾配で洗浄されたカラムを用いてヒトトロンビンの精製が達成される。トロンビンは400mM NaCl溶液で溶出される。この実験は20℃で行われ、その比活性は増加的リン酸緩衝液ステップ勾配を用いて同じ温度で得られるもの(400NIH超)に相当した(500NIH)。それゆえ、クロマトグラフィー精製の間に用いられる緩衝液又は塩溶液は、それがイオン強度及びpHに関してトロンビン精製に適しているなら重大でない。それゆえ、当業者は、同様の精製を達成するために先に用いられる緩衝液及び塩溶液の均等物を容易に見つけられ得るだろう。
C.緩衝液交換
先から回収されたトロンビンピーク溶液は、クロマトグラフィー緩衝液を製剤緩衝液と交換するためにろ過を通して、又はさもなければ周知の方法に従って処理される。トロンビンは溶けることができ、意図された適用のための記載される次の過程のステップに対してトロンビン溶液を安定化するいずれかの製剤緩衝液、特に塩類水溶液(全組成物の約0.40〜約0.50w/w%NaCl)中のTris−HCl(全組成物の約0.20〜0.30w/w%)の溶液が用いられ得る。クロマトグラフィー後の抗ウィルス処理及び保存デグラデーションに対してトロンビンを安定化するための本発明に従う特に優れた結果は、例えば約0.25%クエン酸ナトリウム、0.45%塩化ナトリウム、0.25%Tris−HCl(全てw/v%)の水溶液を含む製剤緩衝液;pH7.3を用いることにより得られる。
最も優れた結果のために、(意図された使用に従う)ウシ又はヒト血清アルブミンは、重量%ベースで約20倍の全溶液蛋白質(即ち“ネイティブ蛋白質″)の量で製剤緩衝液でのクロマトグラフィー緩衝液の交換の前にトロンビンピーク溶液に予め加えられる。充填する直前の過程の終りにトロンビン溶液を要求される濃度に希釈した後、アルブミンの最終濃度は2%(w/v)に増加される。緩衝液を交換するために、回収されたトロンビンピーク溶液は、好ましくは、例えばトロンビンピーク溶液の約8倍容量に等しい容量の製剤緩衝液、並びにトロンビン(mw 36,000、ソースに従って少し変化する)及びアルブミン(mw 66,000、ソースに従って少し変化する)を保持するがより小さな蛋白質は保持しない30,000mwカットオフ膜又は他の便利な膜を用いてろ過される。改良された結果は保存の前のいずれの時におけるアルブミン(又はあまり好ましくはないが同時にいずれかの他の安定化蛋白質)の添加により得られうるが、アルブミンは全てのクロマトグラフィー後のステップの間、トロンビンの安定化に寄与するので、クロマトグラフィー緩衝液に交換する前にアルブミンが製剤溶液内に含まれることが好ましい。先に記載されるように、アルブミンは、緩衝液交換ステップの前にトロンビンピーク溶液に加えられることが最も好ましい。本発明の実施に用いるために適した血清アルブミンは、一般に市販されている;例えば役立つヒト血清アルブミンは、Cohnコールドエタノールフラクショネーション法を用いてプールされたヒト静脈血漿から作られ、肝炎ウィルスの感染の可能性に対して10時間、60℃で熱処理された防腐剤を含まず、2つの安定化剤:0.02Mアセチルトリプトファン及び0.02Mカプリル酸ナトリウムを更に含むUSP 25%アルブミン溶液を含むPlasbumin−25▲R▼(Miles Canada,Inc.,Inc.,Etobicoke,Ontario,Canada)を含む。本願に従う好ましいステップにおいて、約10mlのアルブミン溶液が最初に約500mlトロンビンピーク溶液に加えられ、次に緩衝液交換のため約8倍容量の製剤緩衝液でアルブミン−改良型ピーク溶液がろ過される。このステップにより、少くとも約99%、更に通常約99.99%の低分子量汚染物が製剤緩衝液により交換され、ろ過膜の分子量カットオフ能力より大きい全ての蛋白質が内に残る。好ましくは、ヒト血清アルブミンは、ヒトの適用のために意図されたヒト及びウシの両方のトロンビンのために用いられ、ウシ血清アルブミンは、獣医的適用のために意図されたウシトロンビンのために用いられる。
意図された使用により、先からの製剤緩衝液中の精製されたトロンビン産物は最終的な製剤化、滅菌ろ過、及び凍結乾燥、特に獣医的使用のための精製されたウシトロンビンの後であるとして用いられ得る。ヒトの適用のために、その産物は好ましくは以下の通り更なるウィルス精製が行われる:
D.ウィルスろ過
非脂質含有ウィルスに関してトロンビンを更に精製するために、好ましくは血清アルブミン又は他の安定化蛋白質を含む製剤緩衝液中に回収されたトロンビンは、商標Planova BMM下で販売されるAsahi Chemical Industries,Tokyo,Japanにより製造されるタイプの約15nmの孔サイズを有するキュプラアンモニウム再生セルロースを含むBMM微孔性膜(Bemberg Microporous Hembrane Development,Asahi Chemical Industries)のような中空繊維膜でろ過される。この技術は、本過程のSD処理により不活性化され得ない非脂質含有ビリオンを実質的に除去する。フィルターは、低容量の溶液で高濃度のトロンビンを扱うことができるので、トロンビン精製のために特に適している;例えば5リッターヒト血漿から始めて、得られた精製されたトロンビン溶液(600〜800NIH/ml)の約125mlの容量は0.01sq.m.,15nm Planova BMMフィルターを用いてろ過された。これらの条件下において、小さなポリオウィルスの処理速度は7logsを超える。
E.乾燥加熱
記載されるSD処理は典型的に4及び6logsの間の脂質含有エンベロープウィルスを除去し、15nmウィルスろ過は4及び8logsの間のいずれの生きているSD処理小ウィルスも除去するが、ウィルスの安全性を確実にするために、バイアル中で凍結乾燥されたトロンビン調製物は約1時間〜2時間約100℃で更に乾燥熱処理され得る。処理の間の産物の低水蒸気含量が、トロンビンの不必要な不活性化を避けるために重要である。
実施例
実施例I.溶媒−界面活性剤はウシトロンビン産生を止めた。
100NIHの比活性を有する(Gen Trac.Inc.,Middleton,WI,USAから得られた)粗商業用ウシトロンビン6グラムを1%Tris−HCl及び1.62%クエン酸ナトリウム(全てw/v%)を含む水性緩衝液、pH7.0の75ml中に溶かした。75mlの溶媒−界面活性剤溶液(10%Tris−HCl、1.62%クエン酸ナトリウム、2%Tween 80▲R▼、0.6%トリ−n−ブチルホスフェート(TnBP)、全てw/v%;pH7.0)を加え、その混合物を25℃で6時間・撹拌した。
その混合物をpH6.5において、(先に記載されるように調製された)水溶液中の0.025M KH2PO4/Na2HPO4で平衡化されたスルホプロピル−Spherodex▲R▼カラム(2.5cm×13cm、Pharmacia)に直接適用した。そのカラムを、全てのUV吸収材料が溶出されるまで3つの増加的濃度のこの緩衝液(0.025M,0.35M、及び0.4M、全てpH6.5)で洗浄した。0.025M及び0.35M緩衝液で溶出された材料はSD混合構成物及び汚染構成物を含んでおり、これを捨てた。0.4M緩衝液で溶出された第3の溶出液は、70〜90%収率で蛋白質のmg当り2,000NIHを超える比活性の精製された溶媒界面活性剤処理ウシトロンビンを含んでいた。12℃で精製を行った。ウシ血清アルブミンを20倍の全蛋白質と等量の収集されたトロンビンピーク溶液に加え、その結果として生ずる溶液を、pH7.3の水溶液中の次の組成の緩衝液:0.25%クエン酸ナトリウム、0.45%塩化ナトリウム、0.25%Tris−HCl(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンヒドロクロライド)(全ての量はw/v%)へのクロマトグラフィー緩衝液の交換と共に、30,000分子量カット・オフ膜(Amicon YM30膜、Amicon Division,W.R.Grace & Co.−Conn.Bererly,Massachusetts,USA)を用いて8倍容量のろ過に通した。ろ過に通した後、トロンビン溶液を同じ製剤緩衝液で220NIH/mlの濃度に希釈し、そのウシ血清アルブミン成分を2%まで増加させ、その溶液を滅菌ろ過し、バイアルにつめて凍結乾燥した。そのバイアルを4℃で保存した。血清アルブミンを加える前に、トロンビン比活性は2,000NIH/mg蛋白質より大きかった。1mlの水中に再構成された最終産物中に存在するSD残物は:Tween 80<15ppm;TnBP<15ppmであった。バイアルをウシトロンビンの220NIHユニットで各々満たした。2ヶ月間、37℃における(4℃で6ヶ月に相当する)加速された研究は、トロンビン活性の大きな損失を示さなかった。
実施例II.二重抗ウィルス処理ヒトトロンビン
フィブリン密閉剤の製造に用いられる凝固蛋白質の塩沈殿の後に残ったヒト血漿画分5リッターを、先に記載されるような報告される希釈手順よりむしろろ過を通すステップを用いてAnn.pharmaceutique francaise,op.cit.に記載される手順に従って処理した。開始血漿画分を新鮮な血漿におけるもとの濃度の約10%の濃度の0.015M NaCl水溶液と共にろ過に通し、そのpHを2%酢酸で5.3に調節してその混合物を室温で30分間・撹拌した。次にその材料を4,200rpmで20分間、遠心し、その結果として生ずる沈殿を2%炭酸ナトリウムでpHを7.0に調節された血漿のリッター当り0.9%のNaClの250ml中に溶かした。プロトロンビンを、最終濃度21mMを得るために塩化カルシウムを加えることによりトロンビンに転化し、次に2時間、室温でインキュベートして20分間、4,200rpmで遠心した。200,000〜250,000NIHユニットの粗トロンビンが、開始血漿画分5Lから得られた。
粗トロンビン調製物の蛋白質濃度を約10〜15mg/mlに調節し、その溶液を、次のSD組成物:1%Tris−HCl、1.62%クエン酸ナトリウム、2%Tween 80▲R▼(Sigma Chemical Co)、及び0.6%トリ−n−ブチルホスフェート(全てw/v%)の、25℃で6時間撹拌された水溶液の等量を加えることにより溶媒−界面活性剤抗ウィルス処理した。
インキュベーションの後、粗トロンビン材料を、実施例Iのような0.025Mリン酸緩衝液で平衡化されたスルホプロピル−Spherodexカラム(5cm×13cm、Pharmacia)に直接適用した。そのカラムを全てのUV吸収材料が溶出されるまで4つの増加濃度のリン酸緩衝液(以下)で洗浄した。
最初の3つの緩衝液(0.025M,0.15M、及び0.20M)で溶出された材料はSD混合物構成物及び汚染している蛋白質を含んでおり、捨てた。0.25M緩衝液での第4の溶出は、90%収率で得られた蛋白質のmg当り比活性1200NIHユニットの精製されたSD抗ウィルス処理ヒトトロンビンを含んでいた。クロマトグラフィーを12℃で行った。収集されたトロンビンピーク溶液に、ヒトに用いるために認可されたヒト血清アルブミンの溶液(Plasbumin−25▲R▼)を、トロンビンピーク溶液中に存在する全蛋白質の20倍(重量)と等量で加え、その溶液を、30,000分子量カットオフ膜及び次の滅菌製剤緩衝液:水溶液中0.25%クエン酸ナトリウム、0.45%塩化ナトリウム、0.25%Tris−HCl(全てw/v%)、pH7.3を用いて8倍容量のろ過に通した。
次にそのトロンビン溶液を0.01sq.m(ろ過領域)15nm(孔サイズ)Planova BMMフィルター(Asahi Chemical Co.,先に記載)、及び10psi圧力を用いて抗ウィルスろ過した。ろ過されたトロンビンを同じ滅菌製剤緩衝液で要求される濃度(この場合220NIH/ml)に希釈し、そのヒトアルブミン濃度を2%に増加させ、その溶液を滅菌ろ過してバイアル内に満たし、凍結乾燥して4℃で保存した。そのバイアルを200NIHユニットのヒトトロンビンで満たし、4℃で6ヶ月に相当する37℃で2ヶ月における加速された安定性研究を行った。(標準的クロッティング(clotting)法により測定して)トロンビン活性の大きな損失は観察されなかった。それゆえ、その産物の比活性は保存の間維持されていた。
実施例III.三重抗ウィルス処理ヒトトロンビン
凍結乾燥したヒトトロンビンを含むバイアルを1〜2時間、100℃に加熱した。トロンビン活性の損失は観察されなかった。
実施例I,II及びIIIに例示される手順は商業的製造のために直ちにスケール・アップされる。

Claims (11)

  1. ウィルスを含まない保存安定な治療グレードのトロンビン組成物の大規模製造のための方法であって、
    a)血漿から粗プロトロンビンを調達し;
    b)プロトロンビンをトロンビンに変換して粗トロンビ ンを調達し;
    c)脂質含有ウィルスを不活性化するのに十分な量で、該ウィルスのための抗ウィルス剤と共に粗トロンビンをインキュベートするステップと、
    d)そのインキュベートされた材料を、トロンビンのための高い選択性を有する単一のスルフアルキル活性化ポリサッカリドカチオン交換媒体、及び溶出剤として増加する濃度の水性塩溶液、を用いる連続的イオン交換クロマトグラフィーにより精製するステップと、
    e)クロマトグラフィーからトロンビンピーク溶出液を回収し、該回収されたトロンビンを安定化するためにその溶出液の塩溶液を生理的に適合する安定化製剤緩衝液に交換し、そして、熱処理の間の活性の損失に対してト ロンビンを安定化するのに十分な量の、pH7.3の、クエ ン酸塩、塩化ナトリウム、Tris−HCl及び血清アルブミ ンの水溶液を含んで成るトロンビンの製剤緩衝液を回収するステップと、
    f)前記製剤緩衝液中に存在するビリオンをろ過で除去 するために中空繊維キュプラアンモニウムセルロース膜 で前記トロンビン製剤緩衝液をろ過するステップと、そ してビリオンを含まないトロンビンの製剤緩衝液を回収 するステップと
    g)トロンビンを変性させることなく、あらゆる残りの ビリオンを不活性化するために、前記トロンビン製剤緩 衝液を凍結乾燥にかけ、そして凍結乾燥産物を100℃で 1〜2時間の熱処理にかけ、それによって脂質ウイルス 及び非脂質ウイルスの両方が不活性化されるステップ、
    を含んで成る方法。
  2. 段階d)の前記塩溶液が、KH 2 PO 4 と、HPO 4 2- のナトリウム又はカリウム塩とを含んで成り、且つ6. 5のpHを有する水性緩衝液から成る、請求項1に記載の 方法。
  3. 段階d)の増加する濃度の水性塩溶液が、 ウシトロンビンの場合、0.025M,0.35M及び0.4Mの増加す る濃度の緩衝液から成り、そしてヒトトロンビンの場 合、0.025M,0.15M,0.20M及び0.25Mの増加する濃度の緩 衝液から成る、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 単一のスルフアルキル活性化ポリサッカリ ドカチオン交換媒体が、スルフアルキル活性化ポリアガ ロース、スルフアルキル活性化ポリデキストラン及び、 スルフアルキル活性化デキストラン及びシリカ粒子の実 質的に非圧縮性の複合媒体から成る群から選択される、 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記カチオン交換媒体がスルホアルキル活 性化デキストラン及びシリカ粒子の非圧縮性の複合媒体 である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記カチオン交換媒体がスルホプロピル活 性化デキストラン及びシリカ粒子の非圧縮性の複合媒体 である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記生理的に適合する安定化製剤緩衝液 が、0.25(w/v)%のクエン酸ナトリウム、0.45(w/v) %の塩化ナトリウム、0.25(w/v)%のTris HCl、前記 トロンビンピーク溶出液中の全蛋白質の20倍に等しい量 で且つ凍結乾燥前に2%(w/v)に調節される血清アル ブミンの、7.3のpHを有する水溶液を含む、請求項1に 記載の方法。
  8. 血清アルブミンが、トロンビンがヒトでの 利用を目的とされる場合にはヒト血清アルブミンであ り、そして血清アルブミンが、トロンビンが獣医学的な 利用を目的とされる場合にはウシ血清アルブミンであ る、請求項7に記載の方法。
  9. ステップd)が12℃で行われる、請求項1 〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記粗トロンビンがウシトロンビンであり、そのトロンビン産物が少なくとも2000NIHユニット/mgネイティブ蛋白質の比活性、及び15ppm未満の抗ウィルス剤残物を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記粗トロンビンがヒトトロンビンであり、そのトロンビン産物が少なくとも1000NIHユニット/mgネイティブ蛋白質の比活性、及び15ppm未満の抗ウィルス剤残物を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
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