JP3127232B2 - 蛋白質製剤の製造法 - Google Patents
蛋白質製剤の製造法Info
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- JP3127232B2 JP3127232B2 JP02057799A JP5779990A JP3127232B2 JP 3127232 B2 JP3127232 B2 JP 3127232B2 JP 02057799 A JP02057799 A JP 02057799A JP 5779990 A JP5779990 A JP 5779990A JP 3127232 B2 JP3127232 B2 JP 3127232B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は医療用蛋白質製剤の製造法に関する。より詳
細には、夾雑ウイルスが実質的に除去された医療用蛋白
質製剤の製造法に関する。
細には、夾雑ウイルスが実質的に除去された医療用蛋白
質製剤の製造法に関する。
[従来の技術] ウイルスの混入している恐れのある原料から医薬品を
製造する場合があり、その製造工程中にウイルスを不活
化するか、除去するための工程を組み込むことが必要で
ある。ウイルス不活化の方法としては、液状または乾燥
状態で加熱処理を行って不活化する方法、紫外線照射に
よって不活化する方法、β−プロピオラクトン等で化学
修飾して不活化する方法等が知られている。また、ウイ
ルスを除去する方法としては、ウイルス粒子の大きさに
着目し、一定のポアサイズをもった膜で除去する方法、
ポリエチレングリコールのように分子量の大きなもので
沈澱除去させることによって除去する方法がある。
製造する場合があり、その製造工程中にウイルスを不活
化するか、除去するための工程を組み込むことが必要で
ある。ウイルス不活化の方法としては、液状または乾燥
状態で加熱処理を行って不活化する方法、紫外線照射に
よって不活化する方法、β−プロピオラクトン等で化学
修飾して不活化する方法等が知られている。また、ウイ
ルスを除去する方法としては、ウイルス粒子の大きさに
着目し、一定のポアサイズをもった膜で除去する方法、
ポリエチレングリコールのように分子量の大きなもので
沈澱除去させることによって除去する方法がある。
[発明が解決しようとする課題] ところで、現在医療上特に問題となっているウイルス
は、HIV(エイズウイルス)、HBウイルス、非A非B肝
炎ウイルス等の脂質膜を有するウイルスであり、これら
ウイルスはいずれも蛋白質製剤、特に血漿蛋白質製剤、
尿由来製剤においてその夾雑が危惧され、上記の処理に
よっては当該ウイルスは十分に不活化ないしは除去する
ことができないのが実情である。
は、HIV(エイズウイルス)、HBウイルス、非A非B肝
炎ウイルス等の脂質膜を有するウイルスであり、これら
ウイルスはいずれも蛋白質製剤、特に血漿蛋白質製剤、
尿由来製剤においてその夾雑が危惧され、上記の処理に
よっては当該ウイルスは十分に不活化ないしは除去する
ことができないのが実情である。
従って、本発明の目的は当該ウイルスを蛋白質製剤か
ら、効率的に、かつ有効に除去することによって安全な
医療用蛋白質製剤を提供することである。
ら、効率的に、かつ有効に除去することによって安全な
医療用蛋白質製剤を提供することである。
[課題を解決するための手段] 上記目的は本発明、すなわち医療用蛋白質製剤の製造
に際して、ウイルスを夾雑する可能性がある蛋白質を陽
イオン交換体によって処理してウイルス除去することに
よって達成される。以下、本発明をより詳細に説明す
る。
に際して、ウイルスを夾雑する可能性がある蛋白質を陽
イオン交換体によって処理してウイルス除去することに
よって達成される。以下、本発明をより詳細に説明す
る。
(1)出発原料 本発明が適用される出発原料は、当該ウイルスの夾雑
が危惧される蛋白質であり、例えば人血漿蛋白質、尿由
来蛋白質等が例示される。人血漿蛋白質としては、例え
ば血液凝固因子、免疫グロブリン、トロンビン、プラス
ミノーゲン等が例示され、尿由来蛋白質としては、例え
ば、ウロキナーゼ、ウロキナーゼ前駆体、リゾチーム等
が例示されるが、本発明の処理対象はこれら蛋白質に限
定されるものではなく、広く当該ウイルスの夾雑が危惧
される蛋白質である。
が危惧される蛋白質であり、例えば人血漿蛋白質、尿由
来蛋白質等が例示される。人血漿蛋白質としては、例え
ば血液凝固因子、免疫グロブリン、トロンビン、プラス
ミノーゲン等が例示され、尿由来蛋白質としては、例え
ば、ウロキナーゼ、ウロキナーゼ前駆体、リゾチーム等
が例示されるが、本発明の処理対象はこれら蛋白質に限
定されるものではなく、広く当該ウイルスの夾雑が危惧
される蛋白質である。
本発明の処理は、蛋白質製剤の製造工程の任意の工程
において実施すればよいが、効率上、最終工程付近で行
うことが好ましい。
において実施すればよいが、効率上、最終工程付近で行
うことが好ましい。
(2)対象とされるウイルス 本発明において除去の対象とされるウイルスは、具体
的にはVSV、ヘルペスシンプレックス、CHV、シンドビ
ス、ムンプス、ワクチニア、Measle、Rubella、インフ
ルエンザ、ヘルペスゾスター、サイトメガロ、パラ−イ
ンフルエンザ、EB、HIV、HA、HB、NANB、ATL、ECHO、バ
ルポ等が例示される。
的にはVSV、ヘルペスシンプレックス、CHV、シンドビ
ス、ムンプス、ワクチニア、Measle、Rubella、インフ
ルエンザ、ヘルペスゾスター、サイトメガロ、パラ−イ
ンフルエンザ、EB、HIV、HA、HB、NANB、ATL、ECHO、バ
ルポ等が例示される。
(3)陽イオン交換体 本発明で使用される陽イオン交換体は、陽イオン交換
基をリガントとして有する担体であれば特に限定されな
い。
基をリガントとして有する担体であれば特に限定されな
い。
陽イオン交換基としては、スルホン酸プロピル(S
P)、カルボキシメチル(CM)等が例示される。また、
担体としては、デキストラン(商品名セファデックス
等)、アガロース(商品名セファロース等)等が例示さ
れる。陽インオン交換体の具体的な例としては、例えば
SP−セファデックス 、CM−セファデックス (いずれ
もファルマシア社製)、SP−トヨパール 、TSKge1SP−
5PW (いずれも東ソー社製)等が挙げられる。
P)、カルボキシメチル(CM)等が例示される。また、
担体としては、デキストラン(商品名セファデックス
等)、アガロース(商品名セファロース等)等が例示さ
れる。陽インオン交換体の具体的な例としては、例えば
SP−セファデックス 、CM−セファデックス (いずれ
もファルマシア社製)、SP−トヨパール 、TSKge1SP−
5PW (いずれも東ソー社製)等が挙げられる。
(4)処理条件 (a)前処理 本発明の陽イオン交換体による処理を行うに際して
は、当該処理前に、陽イオン交換体に対して前処理が行
われていることが好ましい。当該前処理としては、通
常、緩衝液による処理が例示される。前処理緩衝液とし
ては、具体的には食塩水、リン酸緩衝液等が例示され、
より具体的には前記緩衝液にて0.01〜0.5M、特に好まし
くは0.05〜0.2Mの濃度で、pH5〜8、好ましくはpH5.5〜
7にて前もって平衡化された陽イオン交換体が使用され
る。
は、当該処理前に、陽イオン交換体に対して前処理が行
われていることが好ましい。当該前処理としては、通
常、緩衝液による処理が例示される。前処理緩衝液とし
ては、具体的には食塩水、リン酸緩衝液等が例示され、
より具体的には前記緩衝液にて0.01〜0.5M、特に好まし
くは0.05〜0.2Mの濃度で、pH5〜8、好ましくはpH5.5〜
7にて前もって平衡化された陽イオン交換体が使用され
る。
(b)処理条件 処理対象である蛋白質は上記(a)と同様の緩衝液に
て調整し、(a)の平衡化処理した陽イオン交換体にア
プライする。次いで、(a)と同様の緩衝液で洗浄す
る。
て調整し、(a)の平衡化処理した陽イオン交換体にア
プライする。次いで、(a)と同様の緩衝液で洗浄す
る。
その後、塩濃度0.01〜0.5M、好ましくは0.05〜0.2M、
pH6〜10、好ましくはpH6.7〜8.5の緩衝液、例えばクエ
ン酸ナトリウム、リン酸緩衝液、トリス緩衝液等で目的
とする蛋白質を溶出し、回収する。なお、溶出条件は目
的とする蛋白質に応じて適宜設定することができる。
pH6〜10、好ましくはpH6.7〜8.5の緩衝液、例えばクエ
ン酸ナトリウム、リン酸緩衝液、トリス緩衝液等で目的
とする蛋白質を溶出し、回収する。なお、溶出条件は目
的とする蛋白質に応じて適宜設定することができる。
また、本発明の陽イオン交換体による処理はバッチ
法、カラム法のいずれの方法にても行うことができる。
法、カラム法のいずれの方法にても行うことができる。
(5)精製 回収された蛋白質は、必要に応じて、さらに公知の方
法により精製を行ってもよい。かかる精製方法として
は、例えばアフィニティークロマト処理等が例示され
る。
法により精製を行ってもよい。かかる精製方法として
は、例えばアフィニティークロマト処理等が例示され
る。
斯くして処理された蛋白質は、常套手段により製剤化
され、蛋白質製剤に調製される。
され、蛋白質製剤に調製される。
[効果] 本発明の方法は簡便であり、また本発明の処理によ
り、蛋白質製剤からウイルスが効率的にかつ、有効に除
去される。
り、蛋白質製剤からウイルスが効率的にかつ、有効に除
去される。
従って、本発明によれば安全な医療用蛋白質製剤が提
供される。
供される。
[実施例] 本発明をより詳細に説明するために実施例を挙げる
が、本発明はこれらによって何等限定されるものではな
い。
が、本発明はこれらによって何等限定されるものではな
い。
実施例1 正常人血漿から、塩化バリウム吸着法とDEAE−セファ
デックス カラムクロマトグラフィー法[バジャ、エ
ス、ピーら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミ
ストリー(Bajaj,S.P.,et al.,J.,Biol.Chem.)248,772
9(1973)]によりプロトロンビンを精製し、このプロ
トロンビンに人胎盤より調製したトロンボプラスチン、
人血漿及び塩化カルシウム液を加え、トロンビン変換し
て、粗製トロンビン(1mg蛋白当たりのトロンビン活性1
0単位)を得た。この粗製トロンビンを0.1Mリン酸緩衝
液(pH6.5)で調整した。一方、SP−セファデックス
(ゲル容量:1.0ml)も同じ緩衝液で平衡化した後に粗製
トロンビン溶液(10ml)をアプライした。同じ緩衝液で
洗浄した後に0.1Mクエン酸ナトリウム(pH6.7)でトロ
ンビンを溶出し、回収した。
デックス カラムクロマトグラフィー法[バジャ、エ
ス、ピーら、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミ
ストリー(Bajaj,S.P.,et al.,J.,Biol.Chem.)248,772
9(1973)]によりプロトロンビンを精製し、このプロ
トロンビンに人胎盤より調製したトロンボプラスチン、
人血漿及び塩化カルシウム液を加え、トロンビン変換し
て、粗製トロンビン(1mg蛋白当たりのトロンビン活性1
0単位)を得た。この粗製トロンビンを0.1Mリン酸緩衝
液(pH6.5)で調整した。一方、SP−セファデックス
(ゲル容量:1.0ml)も同じ緩衝液で平衡化した後に粗製
トロンビン溶液(10ml)をアプライした。同じ緩衝液で
洗浄した後に0.1Mクエン酸ナトリウム(pH6.7)でトロ
ンビンを溶出し、回収した。
各画分におけるVSV及びECHOウイルスの量を測定し
た。ウイルス量は感染価を指標とした。VSVは宿主とし
てFL細胞を用い、プラーク形成法により、またECHOウイ
ルスは宿主としてHela細胞を用い、細胞変性効果観察法
により感染価を測定した。その結果を第1表に示す。第
1表に示されるように、溶出画分中のウイルス量は著し
く減少していることが判明した。
た。ウイルス量は感染価を指標とした。VSVは宿主とし
てFL細胞を用い、プラーク形成法により、またECHOウイ
ルスは宿主としてHela細胞を用い、細胞変性効果観察法
により感染価を測定した。その結果を第1表に示す。第
1表に示されるように、溶出画分中のウイルス量は著し
く減少していることが判明した。
実施例2 培養人腎細胞を0.1%ヒト血清アルブミン添加無血清
培養液に3日間培養し、培養液を遠心分離し、その上清
を凍結して保存した。プールした培養上清をpH5.5に調
整した後、CM−セファデックスC−50に接触させた。0.
16Mリン酸緩衝液(pH5.5)でカラムを洗浄した後、0.16
Mリン酸緩衝液(pH8.5)で吸着していたウロキナーゼ前
駆体を溶出させた。
培養液に3日間培養し、培養液を遠心分離し、その上清
を凍結して保存した。プールした培養上清をpH5.5に調
整した後、CM−セファデックスC−50に接触させた。0.
16Mリン酸緩衝液(pH5.5)でカラムを洗浄した後、0.16
Mリン酸緩衝液(pH8.5)で吸着していたウロキナーゼ前
駆体を溶出させた。
本ウロキナーゼ前駆体中のVSV及びECHOウイルスの夾
雑量は検出限界以下であった。
雑量は検出限界以下であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−20318(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 38/00 - 38/58
Claims (1)
- 【請求項1】医療用蛋白質製剤の製造法において、ウイ
ルスを夾雑する可能性がある蛋白質を陽イオン交換体に
よって処理してウイルス除去する工程を含むことを特徴
とするウイルスの実質的に除去された医療用蛋白質製剤
の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02057799A JP3127232B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 蛋白質製剤の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02057799A JP3127232B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 蛋白質製剤の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03258728A JPH03258728A (ja) | 1991-11-19 |
JP3127232B2 true JP3127232B2 (ja) | 2001-01-22 |
Family
ID=13065955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02057799A Ceased JP3127232B2 (ja) | 1990-03-08 | 1990-03-08 | 蛋白質製剤の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3127232B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5506127A (en) * | 1994-09-21 | 1996-04-09 | Proba; Zbigniew | Therapeutic grade thrombin produced by chromatography |
GB9902000D0 (en) | 1999-01-30 | 1999-03-17 | Delta Biotechnology Ltd | Process |
-
1990
- 1990-03-08 JP JP02057799A patent/JP3127232B2/ja not_active Ceased
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03258728A (ja) | 1991-11-19 |
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Date | Code | Title | Description |
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